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技術 トンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法

出願人 西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社
発明者 明石行雄橋本和明
出願日 2014年12月25日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2014-262611
公開日 2016年7月7日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-121953
状態 特許登録済
技術分野 イメージ分析 光学的手段による材料の調査の特殊な応用 トンネルの覆工・支保
主要キーワード ケーブル領域 配置具 供用年数 汚れ領域 決定木分析 濃度値分布 手動補正 スキャンカメラ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

ひび割れ以外の他の領域をひび割れであると誤検出することを抑制し、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようにし、トンネル覆工面のひび割れの変状に基づくトンネル覆工面の健全度(劣化度)の調査をきわめて迅速かつ正確に行うことができるようにする。

解決手段

ひび割れ領域以外の他の少なくとも一つの領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、トンネル覆工面の画像の中から他の少なくとも一つの領域を判別する(ステップ103、104、107、108、111、112)。判別された他の少なくとも一つの領域をトンネル覆工面の画像内でマスキングし(ステップ105、109、113)、ひび割れ領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、他の少なくとも一つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中からひび割れ領域を判別して(ステップ115)、ひび割れ領域を特定する(ステップ116)。

概要

背景

本出願人は、すでに、特許文献1に示されるように、トンネル内を車両が走行中に、当該車両に搭載した撮影手段によって、トンネル覆工面の画像を撮影し、トンネル覆工面を調査するための調査対象画像に加工するトンネル覆工面調査システムを提案している。

この特許文献1で提案された発明によれば、1台の車両を走行させながらトンネル覆工面の展開画像を取得することができ、そのトンネル覆工面の展開画像を用いて、トンネル覆工面のひび割れ等の損傷状態を画像にて可視化して、トンネルの健全度(劣化度)を調査することができる。

トンネル覆工面の展開画像には、ひび割れ以外に、照明ケーブル遊離石灰跡、汚れ型枠痕が映る。

概要

ひび割れ以外の他の領域をひび割れであると誤検出することを抑制し、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようにし、トンネル覆工面のひび割れの変状に基づくトンネル覆工面の健全度(劣化度)の調査をきわめて迅速かつ正確に行うことができるようにする。ひび割れ領域以外の他の少なくとも一つの領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、トンネル覆工面の画像の中から他の少なくとも一つの領域を判別する(ステップ103、104、107、108、111、112)。判別された他の少なくとも一つの領域をトンネル覆工面の画像内でマスキングし(ステップ105、109、113)、ひび割れ領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、他の少なくとも一つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中からひび割れ領域を判別して(ステップ115)、ひび割れ領域を特定する(ステップ116)。

目的

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、トンネル覆工面の画像の中から、ひび割れを画像処理により抽出するに際して、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようにすることを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

トンネル覆工面の画像の中から、ひび割れ領域を画像処理により抽出するトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法であって、トンネル覆工面の画像中の全領域をひび割れ領域と当該ひび割れ領域以外の他の少なくとも照明領域、ケーブル領域遊離石灰領域、汚れ領域型枠痕領域とに分類し、濃度ヒストグラム解析による各特徴量およびテクスチャ解析による各特徴量の中から、前記ひび割れ領域と前記他の少なくとも一つの領域を判別するための特徴量を選択するとともに、選択された特徴量ごとに、前記各領域を判別するためのしきい値あるいは数値範囲を設定し、前記他の少なくとも一つの領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、トンネル覆工面の画像の中から前記他の少なくとも一つの領域を判別し、判別された前記他の少なくとも一つの領域をトンネル覆工面の画像内でマスキングし、前記ひび割れ領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、前記他の少なくとも一つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中から前記ひび割れ領域を判別して、ひび割れ領域を特定することを特徴とするトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項2

前記ひび割れ領域以外の他の少なくとも二つないしは三つの領域を判別するための特徴量を選択するとともに、選択された特徴量ごとに、前記他の少なくとも二つないしは三つの領域を判別するためのしきい値あるいは数値範囲を設定し、前記他の少なくとも二つないしは三つの領域が判別される毎に、トンネル覆工面の画像内で判別された領域をマスキングしていく処理を順次行い、前記他の少なくとも二つないしは三つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中から前記ひび割れ領域を判別して、ひび割れ領域を特定することを特徴とする請求項1記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項3

前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、少なくとも明度平均値彩度標準偏差を、および前記テクスチャ解析による各特徴量の中から、少なくとも角2次モーメントの平均値を、前記ひび割れ領域と前記ひび割れ領域以外の他の領域を判別するための特徴量として選択することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項4

前記テクスチャ解析による各特徴量の中から、角2次モーメントの平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項5

前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、明度の平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項6

前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項7

前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内の数値である場合に、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

請求項8

トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域およびケーブル領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内の数値である場合に、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法。

技術分野

0001

本発明は、トンネル覆工面画像ひび割れ領域抽出のための画像処理方法に関し、特に、トンネル覆工面の画像の中から、ひび割れ領域を画像処理により抽出する方法に関する。

背景技術

0002

本出願人は、すでに、特許文献1に示されるように、トンネル内を車両が走行中に、当該車両に搭載した撮影手段によって、トンネル覆工面の画像を撮影し、トンネル覆工面を調査するための調査対象画像に加工するトンネル覆工面調査システムを提案している。

0003

この特許文献1で提案された発明によれば、1台の車両を走行させながらトンネル覆工面の展開画像を取得することができ、そのトンネル覆工面の展開画像を用いて、トンネル覆工面のひび割れ等の損傷状態を画像にて可視化して、トンネルの健全度(劣化度)を調査することができる。

0004

トンネル覆工面の展開画像には、ひび割れ以外に、照明ケーブル遊離石灰跡、汚れ型枠痕が映る。

先行技術

0005

特開2014−95627号

発明が解決しようとする課題

0006

図1は、従来の画像処理の工程を説明する図であり、トンネル覆工面の展開画像の中からひび割れを抽出する手順を示している。すなわち、従来にあっては、図1(a)に示す画像全体解析対象面であるとして、一律に、ひび割れ領域であるか否かの解析を行い、ひび割れ領域を抽出するようにしている。しかし、このように画像全体を解析対象として一律にひび割れ領域を自動的に抽出する画像処理を行った場合には、図1(b)に示すように、ケーブルや照明などコンクリートと異なる材質境界Bをひび割れAと誤検出してしまうことがある。このために、図1(c)に示すように、図1(b)に示す自動抽出画像に対してさらに手動補正を加えて、誤検出された領域を除外して、ひび割れAを特定するようにしている。

0007

以上のように、従来の通常の画像処理では、ひび割れ領域とそれ以外の汚れ、型枠痕等の他の領域を判別して、ひび割れ領域のみを自動的に抽出することができず、手動補正を加えた半自動処理で、ひび割れを特定しているのが実状である。

0008

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、トンネル覆工面の画像の中から、ひび割れを画像処理により抽出するに際して、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようにすることを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0009

第1発明は、
トンネル覆工面の画像の中から、ひび割れ領域を画像処理により抽出するトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法であって、
トンネル覆工面の画像中の全領域をひび割れ領域と当該ひび割れ領域以外の他の少なくとも照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域、汚れ領域、型枠痕領域とに分類し、
濃度ヒストグラム解析による各特徴量およびテクスチャ解析による各特徴量の中から、前記ひび割れ領域と前記他の少なくとも一つの領域を判別するための特徴量を選択するとともに、選択された特徴量ごとに、前記各領域を判別するためのしきい値あるいは数値範囲を設定し、
前記他の少なくとも一つの領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、トンネル覆工面の画像の中から前記他の少なくとも一つの領域を判別し、
判別された前記他の少なくとも一つの領域をトンネル覆工面の画像内でマスキングし、
前記ひび割れ領域について選択された特徴量および設定されたしきい値あるいは数値範囲を用いて、前記他の少なくとも一つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中から前記ひび割れ領域を判別して、ひび割れ領域を特定すること
を特徴とする。

0010

第2発明は、第1発明において、
前記ひび割れ領域以外の他の少なくとも二つないしは三つの領域を判別するための特徴量を選択するとともに、選択された特徴量ごとに、前記他の少なくとも二つないしは三つの領域を判別するためのしきい値あるいは数値範囲を設定し、
前記他の少なくとも二つないしは三つの領域が判別される毎に、トンネル覆工面の画像内で判別された領域をマスキングしていく処理を順次行い、
前記他の少なくとも二つないしは三つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中から前記ひび割れ領域を判別して、ひび割れ領域を特定すること
を特徴とする。

0011

第3発明は、第1発明または第2発明のいずれかにおいて、
前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、少なくとも明度平均値彩度標準偏差を、および前記テクスチャ解析による各特徴量の中から、少なくとも角2次モーメントの平均値を、前記ひび割れ領域と前記ひび割れ領域以外の他の領域を判別するための特徴量として選択することを特徴とする。

0012

第4発明は、第1発明から第3発明のいずれかの発明において、
前記テクスチャ解析による各特徴量の中から、角2次モーメントの平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することを特徴とする。

0013

第5発明は、第1発明から第4発明のいずれかの発明において、
前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、明度の平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別することを特徴とする。

0014

第6発明は、第1発明から第5発明のいずれかの発明において、
前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別することを特徴とする。

0015

第7発明は、第1発明から第6発明のいずれかの発明において、
前記濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内の数値である場合に、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別することを特徴とする。

0016

第8発明は、第1発明または第2発明のいずれかにおいて、
トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域およびケーブル領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内の数値である場合に、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別して、トンネル覆工面の画像内で照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域をマスキングし、つぎに、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値以上である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、ひび割れ領域以外の他の少なくとも一つの領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中からひび割れ領域を判別して、ひび割れ領域を特定するようにしたので、ひび割れ以外の他の領域をひび割れであると誤検出することが抑制され、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようになり、トンネル覆工面のひび割れの変状に基づくトンネル覆工面の健全度(劣化度)の調査をきわめて迅速かつ正確に行うことができるようになる。

図面の簡単な説明

0018

図1(a)、(b)、(c)は、従来の画像処理の工程を説明する図であり、トンネル覆工面の展開画像の中からひび割れを抽出する手順を示した図である。
図2は、トンネル覆工面調査システムによって撮影されたトンネル覆工面の展開画像の一例を示す図である。
図3は、ひび割れ領域とそれ以外の各領域の拡大された画像それぞれを対比する図である。
図4は、テクスチャ解析による特徴量を示す図である。
図5(a)、(b)、(c)は、濃度ヒストグラム解析の有効な特徴量を示した図である。
図6(a)、(b)は、テクスチャ解析の有効な特徴量を示した図である。
図7は、実施例1の画像処理手順を示したフローチャートである。

実施例

0019

以下、図面を参照して、本発明に係るトンネル覆工面画像のひび割れ領域抽出のための画像処理方法の実施形態について説明する。

0020

図2は、前述した特許文献1ないしは本出願人に係る先願に記載されたトンネル覆工面調査システムによって撮影されたトンネル覆工面の展開画像の一例である。トンネル覆工面調査システムによれば、1台の車両を走行させながらトンネル覆工面の展開画像を取得することができる。

0021

たとえば車両に1次元カラーラインスキャンカメラを搭載して、時速100km/hで左右両車線をそれぞれ走行しながら、1画素を1mmとしてトンネル覆工面の左右両側面を撮影し、それら左右両側面の画像をつなぎ合わせることで、トンネル覆工面の展開画像が得られる。

0022

トンネル覆工面の展開画像には、ひび割れ領域以外に、照明、ケーブル、遊離石灰跡、汚れ、型枠痕が映っている。

0023

そこで、図3に示すように、これら照明、ケーブル、汚れ、遊離石灰、型枠痕、ひび割れそれぞれの画像領域について、色相、彩度、明度別に、10×10画素に拡大した画像を取得し、それらを対比した。

0024

図3に示すひび割れ領域とそれ以外の各領域の拡大された画像それぞれを対比すると、つぎのことがわかる。
・照明領域
ひび割れ領域(コンクリート)と比較して明度がきわめて高い(白い)。
・ケーブル領域
ひび割れ領域(コンクリート)と比較して明度がきわめて低い(黒い)、色相と彩度に関して、他の領域に比較して、テクスチャきめ細かさが大きい。
・遊離石灰領域、汚れ領域
ひび割れ領域とテクスチャは同じ傾向にあるが、明度の値が全体的にひび割れ領域と較べて低い(黒い)。
・型枠痕領域
ひび割れ領域と誤検出する確率が非常に高い。型枠痕領域を拡大するとひび割れ領域を拡大したものと同じ傾向になるが、明度のテクスチャに違いが確認された。

0025

以上のとおり照明、ケーブル、汚れ、遊離石灰、型枠痕、ひび割れそれぞれの画像領域は、主として、明度のテクスチャに違いがあることが確認された。

0026

以上のことを検討する過程で本発明者は、ひび割れ領域の抽出を精度よく行うためには、ひび割れ領域以外の領域を自動的に判別して、その判別された領域をマスキングしてから、ひび割れ領域の判別を行うことが必要であるという知見を得た。

0027

そこで、10×10画素の拡大画像を解析して、トンネル覆工面の画像内のある領域が、ひび割れ領域あるいは他の領域であるかを正確に判別することができる有効な特徴量を選択する検討を加えた。

0028

照明、ケーブル等の各領域を画像解析によって判別するために有効な特徴量の候補としては以下のものがある。
・濃度ヒストグラム解析による特徴量
濃度値分布を調べる方法であり、10×10画素の範囲内を解析対象として、明度、彩度、色相ごとに、平均値、標準偏差、度、歪度を計算したものが有効な特徴量の候補となる。
・テクスチャ解析による特徴量
テクスチャ解析には、同時生起行列マルチフラクタル解析がある。本実施例では、同時生起行列を利用した。同時生起行列とは、隣り合う2つの画素対における濃度の配置具合を調べる方法である。ここでは、10×10画素内の輝度値のデータを利用した。有効な特徴量の候補を図4に示す表の5種類の特徴量、つまり角2次モーメント(の平均値)、コントラスト相関、逆差分モーメント、エントロピーとした。
・判別に有効な特徴量
上述した20種類の特徴量の候補の中から、判別に有効な特徴量を選択した。

0029

判別する領域は、照明、ケーブル、遊離石灰(跡)、汚れ、型枠痕(型枠目地跡)、ひび割れの6種類の各領域である。

0030

トンネルは供用年数が古くなるにつれて、排気ガス等の汚れがトンネル覆工面のコンクリートに付着する。

0031

そこで、供用年数の異なる5つのトンネルの展開画像から6種類の領域を無作為に抽出して、濃度ヒストグラム解析およびテクスチャ解析による画像解析を実施して、有効な特徴量を選択した。探索的な統計手法である決定木分析を実施して、有効な特徴量を選択した。図5図6は、その解析結果を示す。

0032

図5(a)、(b)、(c)は、濃度ヒストグラム解析の有効な特徴量を示している。

0033

濃度ヒストグラムの中で有効な特徴量は、明度の平均値と、彩度の平均値と、彩度の標準偏差である。

0034

図5(a)は、ケーブル領域、ひび割れ領域、汚れ(色むら)領域、照明領域、型枠痕領域、遊離石灰領域それぞれの明度の平均値を、ヒストグラムで示している。

0035

図5(a)から、明らかに、照明領域の明度の平均値が、他の領域の明度の平均値に比して高くなっていることがわかる。

0036

したがって、濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、明度の平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値(150)以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別することができる。

0037

図5(b)は、ケーブル領域、ひび割れ領域、汚れ(色むら)領域、照明領域、型枠痕領域、遊離石灰領域それぞれの彩度の平均値を、ヒストグラムで示している。

0038

図5(b)から、明らかに、ひび割れ領域の彩度の平均値が、他の領域の彩度の平均値とは異なるほぼ特定の値(20)になっていることがわかる。

0039

したがって、濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の平均値が所定の数値範囲(20前後の範囲)である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することができる。

0040

図5(c)は、ケーブル領域、ひび割れ領域、汚れ(色むら)領域、照明領域、型枠痕領域、遊離石灰領域それぞれの彩度の標準偏差を、ヒストグラムで示している。

0041

図5(c)から、明らかに、ケーブル領域の彩度の標準偏差が、他の領域の彩度の標準偏差に比して高くなっていることがわかる。

0042

したがって、濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値(20)以上である場合に、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別することができる。

0043

また、図5(c)から、明らかに、遊離石灰領域の彩度の標準偏差が、他の領域の彩度の標準偏差とは異なる特定の数値範囲内になっていることがわかる。

0044

したがって、濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、彩度の標準偏差を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲(5以上10未満)内の数値である場合に、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別することができる。

0045

図6(a)、(b)は、テクスチャ解析の有効な特徴量を示している。

0046

テクスチャ解析の中で有効な特徴量は、コントラストの平均値と、角2次モーメントの平均値とある。

0047

図6(a)は、ケーブル領域、ひび割れ領域、汚れ(色むら)領域、照明領域、型枠痕領域、遊離石灰領域それぞれのコントラストの平均値を、ヒストグラムで示している。

0048

図6(a)から、明らかに、照明領域のコントラストの平均値が、他の領域のコントラストの平均値に比して高くなっていることがわかる。

0049

したがって、テクスチャ解析による各特徴量の中から、コントラストの平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域のコントラストの平均値が所定のしきい値(0.40)以上である場合に、当該対象領域が、照明領域であると判別することができる。

0050

図6(b)は、ケーブル領域、ひび割れ領域、汚れ(色むら)領域、照明領域、型枠痕領域、遊離石灰領域それぞれの角2次モーメントの平均値を、ヒストグラムで示している。

0051

図6(b)から、明らかに、ひび割れ領域の角2次モーメントの平均値が、他の領域の角2次モーメントの平均値に比して高くなっていることがわかる。

0052

したがって、テクスチャ解析による各特徴量の中から、角2次モーメントの平均値を選択して、トンネル覆工面の画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値(0.40)以上である場合に、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別することができる。

0053

以上のとおり、濃度ヒストグラムの有効な特徴量を選択することにより、ケーブル領域、照明領域、遊離石灰領域を明確に判別することができる。

0054

なお、覆工面コンクリート表面上でのひび割れ領域、汚れ(色むら)、型枠痕の違いは僅かであるものの、彩度の平均値を使用すれば、ひび割れ領域についても判別は可能となる。

0055

これに対してテクスチャ解析の特徴量の中から角2次モーメントの平均値を選択した場合には、ひび割れ領域のみを他の領域から明確に区分して判別することができる。これはひび割れ領域のみが他の領域と異なるテクスチャとなっていることを示している。
(第1実施例)

0056

図7は、実施例1の画像処理手順を示している。トンネル覆工面の画像全面にわたり、10×10画素の対象領域を順次画像解析していく。

0057

まず、トンネル覆工面の画像中の全領域をひび割れ領域と当該ひび割れ領域以外の他の領域、つまり少なくとも照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域、汚れ領域、型枠痕領域に分類できると仮定する。そして、濃度ヒストグラム解析による各特徴量およびテクスチャ解析による各特徴量の中から、ひび割れ領域と、照明領域と、ケーブル領域と、遊離石灰領域をそれぞれ判別するための特徴量を選択する。そして選択された特徴量ごとに、各領域を判別するためのしきい値あるいは数値範囲を設定する。

0058

ここでは、濃度ヒストグラム解析による各特徴量の中から、少なくとも明度の平均値、彩度の標準偏差が、さらにテクスチャ解析による各特徴量の中から、少なくとも角2次モーメントの平均値が、ひび割れ領域と、照明領域と、ケーブル領域と、遊離石灰領域のそれぞれを判別するための特徴量として選択される。

0059

図5(a)で前述したように、照明領域を判別するために、明度の平均値が選択され、照明領域を判別するためにしきい値(明度の平均値150以上)が設定される。

0060

また、図5(c)で前述したように、ケーブル領域を判別するために、彩度の標準偏差が選択され、ケーブル領域を判別するためにしきい値(彩度の標準偏差20以上)が設定される。

0061

また、図5(c)で前述したように、遊離石灰領域を判別するために、彩度の標準偏差が選択され、遊離石灰領域を判別するために数値範囲(彩度の標準偏差5以上10未満)が設定される。

0062

さらに、図6(b)で前述したように、ひび割れ領域を判別するために、角2次モーメントの平均値が選択され、ひび割れ領域を判別するためのしきい値(角2次モーメントの平均値0.40以上)が設定される(ステップ101)。

0063

以下、照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域が判別される毎に、トンネル覆工面の画像内で、その判別された領域をマスキングしていく処理を順次行い、その結果として、照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域がマスキングされたトンネル覆工面の画像の中からひび割れ領域を判別するための画像解析処理が行われ、ひび割れ領域を特定する処理を行っていく。

0064

すなわち、まず、マスキングがされていない照明領域、ケーブル領域、汚れ領域、遊離石灰領域、型枠痕領域、ひび割れ領域が存在するとされる画像全体を画像解析して(ステップ102)、トンネル覆工面の画像の対象領域(10×10画素;以下同じ)の明度の平均値が所定のしきい値(150)以上であるか否かが判断される。この解析は、トンネル覆工面の上述したようにマスキングされてない画像全体にわたり、上記10×10画素の対象領域を適用して行う(ステップ103)。

0065

この結果、トンネル覆工面の画像の対象領域の明度の平均値が所定のしきい値(150)以上である場合に(ステップ103の判断YES)、当該対象領域が、照明領域であると判別する(ステップ104)。そして、トンネル覆工面の画像内で照明領域をマスキングして、トンネル覆工面の照明領域がマスキングされたケーブル領域、汚れ領域、遊離石灰領域、型枠痕領域、ひび割れ領域からなる画像を取得する(ステップ105)。

0066

つぎに、トンネル覆工面の照明領域がマスキングされたケーブル領域、汚れ領域、遊離石灰領域、型枠痕領域、ひび割れ領域が存在するとされる画像を画像解析して(ステップ106)、トンネル覆工面の照明領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値(20)以上であるか否かが判断される。この解析は、マスキングされた領域を除いたトンネル覆工面の残りの画像全体にわたり、上記10×10画素の対象領域を適用して行う(ステップ107)。

0067

この結果、トンネル覆工面の画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定のしきい値(20)以上である場合に(ステップ107の判断YES)、当該対象領域が、ケーブル領域であると判別する(ステップ108)。そして、トンネル覆工面の画像内で照明領域に加えケーブル領域をマスキングして、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域がマスキングされた汚れ領域、遊離石灰領域、型枠痕領域、ひび割れ領域からなる画像を取得する(ステップ109)。

0068

つぎに、トンネル覆工面の照明領域、ケーブル領域がマスキングされた汚れ領域、遊離石灰領域、型枠痕領域、ひび割れ領域が存在するとされる画像を画像解析して(ステップ110)、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内(5以上10未満)の数値であるか否かが判断される。この解析は、マスキングされた領域を除いたトンネル覆工面の残りの画像全体にわたり、上記10×10画素の対象領域を適用して行う(ステップ111)。

0069

この結果、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域がマスキングされた画像の対象領域の彩度の標準偏差が所定の範囲内(5以上10未満)の数値である場合に(ステップ111の判断YES)、当該対象領域が、遊離石灰領域であると判別する(ステップ112)。そして、トンネル覆工面の画像内で照明領域およびケーブル領域に加え遊離石灰領域をマスキングして、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた汚れ領域、型枠痕領域、ひび割れ領域からなる画像を取得する(ステップ113)。

0070

つぎに、トンネル覆工面の照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域がマスキングされた汚れ領域、型枠痕領域、ひび割れ領域が存在するとされる画像を画像解析して(ステップ114)、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値(0.40)以上であるか否かが判断される。この解析は、マスキングされた領域を除いたトンネル覆工面の残りの画像全体にわたり、上記10×10画素の対象領域を適用して行う(ステップ115)。

0071

この結果、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値(0.40)以上である場合に(ステップ115の判断YES)、当該対象領域が、ひび割れ領域であると判別する(ステップ116)。なお、トンネル覆工面の照明領域およびケーブル領域および遊離石灰領域がマスキングされた画像の対象領域の角2次モーメントの平均値が所定のしきい値(0.40)未満である場合には(ステップ115の判断NO)、当該対象領域が、汚れ領域、型枠痕領域であると判別する(ステップ117)。

0072

以上のように、第1実施例によれば、ひび割れ領域以外の他の照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域が順次マスキングされたトンネル覆工面の画像を画像解析対象として、そのマスキングされた画像の中からひび割れ領域を判別する処理を行い、ひび割れ領域を判別、特定するようにしたので、ひび割れ以外の他の領域をひび割れであると誤検出することが抑制され、ひび割れを確実に自動的に抽出できるようになり、トンネル覆工面のひび割れの変状に基づくトンネル覆工面の健全度(劣化度)の調査をきわめて迅速かつ正確に行うことができるようになる。
(第2実施例)

0073

第1実施例では、ひび割れ領域以外の他の3つの領域、つまり照明領域、ケーブル領域、遊離石灰領域を順次マスキングしていくものとした。しかし、ひび割れ領域以外の他の3つの領域の組合わせ、マスキングの順序は、これ以外であってもよい。また、ひび割れ領域以外の他の領域であってマスキングすべき領域としては、4つ以上の領域であってもよい。

0074

また、ひび割れ領域以外の他の領域であってマスキングすべき領域としては、2つの領域だけであってもよい。たとえば、図6において、照明領域を判別して、照明領域をマスキングする処理(ステップ103、ステップ105)を省略して、ケーブル領域および遊離石灰領域のみを判別して、これらケーブル領域および遊離石灰領域のみをマスキングした画像を解析対象として、ステップ115に示すひび割れ領域の判定処理を行うことにより、ひび割れ領域を特定、抽出するような実施も可能である。

0075

また、ひび割れ領域以外の他の領域であってマスキングすべき領域としては、1つの領域だけであってもよい。たとえば、図6において、照明領域を判別して、照明領域をマスキングする処理(ステップ103、ステップ105)およびケーブル領域を判別して、照明領域に加えケーブル領域をマスキングする処理(ステップ107、ステップ109)を省略して、遊離石灰領域のみを判別して、遊離石灰領域のみをマスキングした画像を解析対象として、ステップ115に示すひび割れ領域の判定処理を行うことにより、ひび割れ領域を特定、抽出するような実施も可能である。

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