図面 (/)

技術 ギヤポンプ

出願人 日本電産サンキョー株式会社
発明者 原田隆司河原徳幸小松現人
出願日 2014年12月24日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2014-259676
公開日 2016年6月30日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-118190
状態 特許登録済
技術分野 回転型液体ポンプ(1) 回転型液体ポンプの応用細部
主要キーワード 筒状体部分 脆弱箇所 平面視四隅 大小一対 移送対象 ハウジング体 周方向範囲 応力集中箇所
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

ヒケの発生を抑える特別な樹脂材料射出成形機を用いることなく高い寸法精度で製造可能であり、また、ウェルドラインに基づく強度上の脆弱性が低減された駆動ギヤを備えたギヤポンプを提供する。

解決手段

流体吸入口および吐出口を連通するポンプ室を有するハウジングと、モータと、前記ポンプ室内に配置される樹脂製のポンプ歯車と、を備え、前記ポンプ歯車は、前記モータにより回転駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、からなり、前記駆動ギヤは径方向に直線状に延びるウェルドラインを有し、前記駆動ギヤの軸穴部は、内周面における周方向の一部に平面状のDカット面が設けられたDカット部を有し、前記Dカット部の径方向中心を始点として前記Dカット面の前記周方向端部を通る半直線と、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を異にすることを特徴とするギヤポンプにより解決する。

概要

背景

ギヤポンプ容積型ポンプの中でも比較的構造が単純で部品点数が少なく、また機械効率も高いことから小型化に適しており、さらに主要部品樹脂からなるものはコスト面や生産性にも優れている。これらの長所から樹脂製のギヤポンプは、冷蔵庫自動製氷装置温水洗浄便座など、家庭用機器における流体移送手段として広く用いられている。

下記特許文献1には、支軸(5)のDカット部(5a)の形状に対応した軸穴(7a)を備える駆動ギヤ(7)を有するギヤポンプ(1)が開示されている。また、下記特許文献2には、ポンプ歯車(1、4)を液晶ポリマーで構成することにより、射出成形時のヒケを抑えたギヤポンプが開示されている。

概要

ヒケの発生を抑える特別な樹脂材料射出成形機を用いることなく高い寸法精度で製造可能であり、また、ウェルドラインに基づく強度上の脆弱性が低減された駆動ギヤを備えたギヤポンプを提供する。流体の吸入口および吐出口を連通するポンプ室を有するハウジングと、モータと、前記ポンプ室内に配置される樹脂製のポンプ歯車と、を備え、前記ポンプ歯車は、前記モータにより回転駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、からなり、前記駆動ギヤは径方向に直線状に延びるウェルドラインを有し、前記駆動ギヤの軸穴部は、内周面における周方向の一部に平面状のDカット面が設けられたDカット部を有し、前記Dカット部の径方向中心を始点として前記Dカット面の前記周方向端部を通る半直線と、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を異にすることを特徴とするギヤポンプにより解決する。

目的

特開2013−076347号公報
特開2000−303967号公報






一方で、ギヤポンプは移送する流体の粘度による容積効率への影響が顕著であり、水など低粘度の流体の移送を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

流体吸入口および吐出口と、これら吸入口と吐出口とを連通するポンプ室と、を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容されるモータと、前記ポンプ室内に配置され前記流体を圧送する樹脂製の一対の歯車であるポンプ歯車と、を備える外接式のギヤポンプであって、前記ポンプ歯車は、前記モータにより直接または他の歯車を介して回転駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、からなり、前記駆動ギヤは径方向に直線状に延びるウェルドラインを有し、前記駆動ギヤの軸穴部は、内周面における周方向の一部に平面状のDカット面が設けられたDカット部を有し、前記Dカット部の径方向中心を始点とし前記Dカット面の前記周方向端部を通る半直線と、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を異にすることを特徴とするギヤポンプ。

請求項2

前記駆動ギヤの端面における前記軸穴部と歯部との間には肉抜き部が凹設され、前記肉抜き部には前記駆動ギヤと一体成形されたリブが設けられ、前記リブは前記軸穴部から径方向外側に直線状に延び、前記リブと、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を同じくすることを特徴とする請求項1に記載のギヤポンプ。

請求項3

前記肉抜き部は前記端面に同心円状に設けられ、前記駆動ギヤは、前記ウェルドラインおよび前記リブを周方向等間隔に複数有し、前記ウェルドラインのうち一つは、前記Dカット面から、前記Dカット面に対して垂直方向に延びることを特徴とする請求項2に記載のギヤポンプ。

請求項4

前記軸穴部は、軸方向の一方の端部に前記Dカット部を、他の部分に径方向断面が円形円筒部を有し、前記円筒部は、前記駆動ギヤの支軸における径方向断面が円形の円柱部に挿入されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のギヤポンプ。

請求項5

前記肉抜き部および前記リブは前記駆動ギヤの両端面に設けられ、前記駆動ギヤにおける前記円筒部側の端面に設けられる前記リブは、前記Dカット部側の端面に設けられる前記リブよりも小形であることを特徴とする、請求項2または請求項3を引用する請求項4に記載のギヤポンプ。

請求項6

前記肉抜き部の前記歯部側の側面と、該側面に対向する前記リブの対向面との間には間隙が設けられることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のギヤポンプ。

技術分野

0001

本発明はギヤポンプに関し、さらに詳しくは、流体を圧送する歯車部材(以下「ポンプ歯車」ともいう。)などの主要部品樹脂からなる外接式のギヤポンプに関する。

背景技術

0002

ギヤポンプは容積型ポンプの中でも比較的構造が単純で部品点数が少なく、また機械効率も高いことから小型化に適しており、さらに主要部品が樹脂からなるものはコスト面や生産性にも優れている。これらの長所から樹脂製のギヤポンプは、冷蔵庫自動製氷装置温水洗浄便座など、家庭用機器における流体の移送手段として広く用いられている。

0003

下記特許文献1には、支軸(5)のDカット部(5a)の形状に対応した軸穴(7a)を備える駆動ギヤ(7)を有するギヤポンプ(1)が開示されている。また、下記特許文献2には、ポンプ歯車(1、4)を液晶ポリマーで構成することにより、射出成形時のヒケを抑えたギヤポンプが開示されている。

先行技術

0004

特開2013−076347号公報
特開2000−303967号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一方で、ギヤポンプは移送する流体の粘度による容積効率への影響が顕著であり、水など低粘度の流体の移送を目的とする場合や、始動時の呼び水を不要とすべく空気の移送を可能とするためには、ミクロンオーダーの寸法精度が要求される。

0006

樹脂製のポンプ歯車を射出成形により製造する場合、製造時に生じたヒケによる歪みで、ポンプ歯車の外周面や両端面と、ポンプ室内壁面との間に不必要な隙間が生じ、容積効率が低下することがある。このようなヒケの発生を防止するため、ポンプ歯車には一般に肉抜きが施される。肉抜きを行わずポンプ歯車を中実成形する場合には、ヒケの生じにくい樹脂材料を用いるか、またはヒケを防止するための特別の制御機構を備えた成形機を用いるなどの措置が必要である。

0007

また、ポンプ歯車には、製造時にゲートから射出された樹脂のメルトフロント金型内合流する箇所にウェルドラインが形成される。ウェルドラインが形成された部分は非ウェルド部に比べ強度面において脆弱となる。

0008

さらに、ポンプ歯車のうち、モータにより直接または他の歯車を介して回転駆動される駆動ギヤについて、モータの駆動力損失なく伝達すべく、駆動ギヤの軸穴と支軸にDカット加工を施した場合、駆動ギヤのDカット面の周方向端部に回転時の応力が集中することとなる。肉抜きされたポンプ歯車のウェルドライン上にDカット部の応力集中箇所が重なった場合、かかる部分が歯車全体における強度上のボトルネックとなり、容易にワレを生じるおそれがある。

0009

上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、ヒケの発生を抑える特別な樹脂材料や射出成形機を用いることなく高い寸法精度で製造可能であり、また、ウェルドラインに基づく強度上の脆弱性が低減された駆動ギヤを備えたギヤポンプを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するため、本発明のギヤポンプは、流体の吸入口および吐出口と、これら吸入口と吐出口とを連通するポンプ室と、を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容されるモータと、前記ポンプ室内に配置され前記流体を圧送する樹脂製の一対の歯車であるポンプ歯車と、を備える外接式のギヤポンプであって、前記ポンプ歯車は、前記モータにより直接または他の歯車を介して回転駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、からなり、前記駆動ギヤは径方向に直線状に延びるウェルドラインを有し、前記駆動ギヤの軸穴部は、内周面における周方向の一部に平面状のDカット面が設けられたDカット部を有し、前記Dカット部の径方向中心を始点として前記Dカット面の前記周方向端部を通る半直線と、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を異にすることを要旨とする。

0011

Dカット部の周方向におけるDカット面の端部の位置とウェルドラインの位置とを遠ざけることにより、駆動ギヤにおける引張強度の低い部分と、動力伝達時に応力が集中する部分とが重なることが避けられ、Dカット部に強度上の脆弱箇所が集中することを防止できる。

0012

また、前記駆動ギヤの端面における前記軸穴部と歯部との間には肉抜き部が凹設され、前記肉抜き部には前記駆動ギヤと一体成形されたリブが設けられ、前記リブは前記軸穴部から径方向外側に直線状に延び、前記リブと、前記ウェルドラインとは、前記駆動ギヤにおける周方向位置を同じくすることが望ましい。

0013

駆動ギヤの射出成形時におけるヒケを防止すべく肉抜きを施す場合でも、肉抜き部のウェルドライン上にリブを設けることにより、ウェルド面密着面積を広く確保することができる。これにより、ウェルドラインにおける引張強度の低下が抑えられ、駆動ギヤの寸法精度と強度との両立を図ることができる。

0014

また、前記肉抜き部は前記端面に同心円状に設けられ、前記駆動ギヤは、前記ウェルドラインおよび前記リブを周方向等間隔に複数有し、前記ウェルドラインのうち一つは、前記Dカット面から、前記Dカット面に対して垂直方向に延びる構成としても良い。

0015

また、前記軸穴部は、軸方向の一方の端部に前記Dカット部を、他の部分に径方向断面が円形円筒部を有し、前記円筒部は、前記駆動ギヤの支軸における径方向断面が円形の円柱部に挿入されることが望ましい。

0016

駆動ギヤのDカット部と支軸のDカット部とが係合することにより、支軸の空転が防止され、モータの駆動力が駆動ギヤに損失なく伝達されるようになる。さらに、円筒部が支軸の円柱部に挿入されることにより、駆動ギヤの径方向位置位置決め精度が確保される。

0017

また、前記肉抜き部および前記リブは前記駆動ギヤの両端面に設けられ、前記駆動ギヤにおける、前記軸穴部の前記円筒部側の端面に設けられる前記リブは、前記Dカット部側の端面に設けられる前記リブよりも小形である構成としても良い。

0018

駆動ギヤにおいて強度の補強が必要なのは主にDカット部を有する側の端面である。円筒部側の端面にはDカット部側ほど応力が集中する箇所はないため、リブは設けられなくても特に問題はない。むしろリブを設けない方がコスト面に優れるといえる。しかし、Dカット部側にのみリブを設けた場合、駆動ギヤの重心が偏ることにより回転時における振れが大きくなることが懸念される。そこで、Dカット部側よりも小径のリブを円筒部側に設けることにより、駆動ギヤのコストと回転の安定性との両立を図ることができる。

0019

前記肉抜き部の前記歯部側の側面と、該側面に対向する前記リブの対向面との間には間隙が設けられることが望ましい。

0020

駆動ギヤの端面に肉抜き部を設けることにより、駆動ギヤの射出成形時におけるヒケを防止することができる。一方、単に肉抜き部を設けるだけでは駆動ギヤの強度が不十分となるため、駆動ギヤのたわみによる容積効率の低下や騒音の発生、部品寿命の低下が懸念される。肉抜き部にリブを設けることで駆動ギヤ全体としての強度を保ち、また、リブに生じたヒケが歯部に影響しないよう、肉抜き部の歯部側の側面と該側面に対向するリブの対向面との間に間隙を設けることで、駆動ギヤの強度と寸法精度との両立を図ることができる。

発明の効果

0021

本発明にかかるギヤポンプによれば、ヒケの発生を抑える特別な樹脂材料や射出成形機を用いることなく高い寸法精度で製造可能であり、また、ウェルドラインに基づく強度上の脆弱性が低減された駆動ギヤを備えたギヤポンプを提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

ギヤポンプ1の分解斜視図である。
組み立て後のギヤポンプ1の正面視断面図である。
ギヤポンプ1における流体の移送原理を示す説明図である。
ポンプ歯車20の平面図および底面図である。
駆動ギヤ21の平面図、斜視図、および部分拡大図である。
支軸51が挿通された駆動ギヤ21の斜視図および断面図である。

実施例

0023

以下、本発明にかかるギヤポンプの実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態にかかるギヤポンプ1は、冷蔵庫に搭載される自動製氷装置を構成する機器であり、貯水タンクから製氷皿に水を移送するポンプである。尚、本実施形態における「上」および「下」とは図1に示される上下をいい、「水平方向」とはかかる上下方向に直交する方向をいう。「正面視」とは、図1において吸入口111が設けられた側を前として、正面からギヤポンプ1を観察したときの視線方向をいい、「平面視」とは図1において上方からギヤポンプ1を観察したときの視線方向をいう。

0024

(全体構成)
図1はギヤポンプ1の分解斜視図、図2は組み立て後のギヤポンプ1の正面視断面図(図1におけるA−A位置の断面図)である。図1および図2に示されるように、本実施形態のギヤポンプ1は、主として、ハウジング10、ハウジング10内に収容されるモータ40、モータ40の駆動力を減速して伝達する大小一対はすば歯車からなる減速歯車列30、およびギヤポンプ1の移送流体である水を圧送する一対の平歯車であるポンプ歯車20により構成される。

0025

ハウジング10は、上下方向に4つの部品に分割され、上から順に第一のハウジング体11、第二のハウジング体12、第三のハウジング体13、および第四のハウジング体14を有する。これらハウジング体の平面視四隅同位置には、上下方向にネジ穴が設けられており、これらネジ穴にネジ101が螺挿されることにより、第一〜第四のハウジング体はハウジング10として一体化される。

0026

第一のハウジング体11は、移送流体である水の吸入口111および吐出口112を備えている。吸入口111は、図示しない貯水タンクから管を介して後述するポンプ室50内に水を取り込み、吐出口112は、ポンプ室50内に取り込まれた水を図示しない製氷皿に管を介して供給する。

0027

図2に示されるように、第一のハウジング体11の内壁面と、第二のハウジング体12の上面は、ポンプ歯車20が配置されるポンプ室50を区画する。第一のハウジング体11と第二のハウジング体12との当接部にはOリング53が装着され、ポンプ室50からハウジング10外への水の漏出が防止されている。Oリング53は、第一のハウジング体11下端部の内壁面と、その内壁面に対向する第二のハウジング体12の側面により水平方向に圧縮されている。Oリング53が水平方向に圧縮されていることにより、ネジ101の螺合が緩んだ場合でも、Oリング53の反発力により第一のハウジング体11が上方に持ち上げられることが防止され、ポンプ室50の密閉性が保たれる。

0028

ポンプ室50には、ポンプ歯車20を支持する支軸51および52が立設されており、支軸51は第二のハウジング体12を上下方向に貫通している。第二のハウジング体12における支軸51の貫通孔が設けられた位置の下面には、かかる貫通孔から漏出した水の進行を止める円盤状の弾性部材であるシール部材54が配設されている。

0029

ポンプ歯車20は、支軸51に固定され支軸51とともに回転する駆動ギヤ21と、支軸52に回転可能に支持され、駆動ギヤ21に噛合することにより駆動ギヤ21の回転に連動して回転する従動ギヤ22と、からなる。駆動ギヤ21および従動ギヤ22はいずれも、射出成形により製造された樹脂製の歯車である。

0030

第二のハウジング体12の下面と第三のハウジング体13の内壁面は、減速歯車列30が配置されるギヤ室60を区画する。ギヤ室60内には、第二のハウジング体12側から支軸51が貫入しており、第三のハウジング体13の底部からはモータ40の回転軸41が貫入している。支軸51には減速歯車列30を構成する大径のはすば歯車である第一のはすば歯車31が固定され、支軸51ははすば歯車31の回転とともに回転する。小径のはすば歯車である第二のはすば歯車32は、ピニオンギヤとして回転軸41に固定され、モータ40の駆動力により回転軸41とともに回転する。

0031

第四のハウジング体14は上端が開口された上下方向に延びる円筒状の空間部を有し、その空間部にはモータ40が収容されている。モータ40は公知のブラシレスDCモータである。モータ40の内部機構の詳細については省略する。

0032

(ポンプ室の構造)
図3はギヤポンプ1における流体の移送原理を示す説明図である。ポンプ室50に配置されたポンプ歯車20が回転し、ポンプ歯車20の噛合部の歯部が離間すると、ポンプ室50の吸入口111側には負圧が生じ、かかる負圧により、流体が吸入口111からポンプ室50内へと吸入される。吸入された流体は、ポンプ室50の内壁面とポンプ歯車20の歯部とにより区画される空間に封入され、ポンプ室50の吐出口112側に搬送される。吐出口112側に搬送された流体は、ポンプ歯車20の歯部が噛合することで生じる正圧により吐出口112からポンプ室50外へと圧送される。

0033

尚、本実施形態におけるギヤポンプ1は、低粘度の流体である水を移送対象としており、また、始動時の呼び水を不要とすべく、圧縮性流体である空気の移送をも可能とするものである。そのため、ポンプ歯車20の外周面および両端面の位置と、ポンプ室50の内壁面の位置には高い寸法精度が要求される。

0034

(ポンプ歯車の形状)
図4はポンプ歯車20の平面図(図4(a))および底面図(図4(b))である。以下、ポンプ歯車20の形状について駆動ギヤ21を例にとって説明する。本実施形態における駆動ギヤ21は、射出成形により製造される樹脂製の歯車であり、射出成形時に生じるヒケにより寸法精度が低下することを防ぐため、駆動ギヤ21の両端面における軸穴部211と歯部212との間には、肉抜き部213が同心円状に凹設されている。尚、ここでいう軸穴部211とは、支軸51が挿通される軸穴だけでなく、その軸穴を区画する軸穴近傍の周方向に連続した筒状体部分も含んでいる。

0035

単に肉抜き部213を設けただけでは、駆動ギヤ21の強度が不十分となり、駆動ギヤ21のたわみによる容積効率の低下や、騒音の発生、部品寿命の低下が懸念される。よって、駆動ギヤ21の強度を保つべく、肉抜き部213には駆動ギヤ21と一体成形されたリブ214が設けられている。リブ214は、軸穴部211から径方向外側に向かって直線状に延び、周方向等間隔に三つ設けられている。かかるリブ214により、駆動ギヤ21の強度が保たれている。尚、ここでいう肉抜き部213とは、リブ214が形成された周方向範囲も含んだ、駆動ギヤ21の全周における軸穴部211と歯部212との間の部分を指している。

0036

上述のように、駆動ギヤ21は射出成形により製造される樹脂製の歯車である。図4(a)に示される点Bは駆動ギヤ21の製造時に金型内に樹脂が射出されたゲート痕である。駆動ギヤ21は、周方向等間隔、かつ、中心からの径方向距離が等しい位置に配置された三か所のゲートから樹脂が射出されて製造されている。図4(a)に示される点線Cはゲートから射出された樹脂のメルトフロントが金型内で合流するウェルドラインである。一般にウェルドラインは非ウェルド部に比べ強度面において脆弱となる。

0037

本実施形態における駆動ギヤ21は、かかるウェルドラインが形成される位置に沿って直線状のリブ214が設けられている。ウェルドラインとリブ214の周方向位置が重なることにより、ウェルド面の密着面積が他の肉抜き部213よりも広く確保され、ウェルドラインにおける引張強度が高められている。これにより、駆動ギヤ21全体の強度面における脆弱性が軽減されている。

0038

ウェルドラインによる強度上の脆弱性を減らすためには、すべてのウェルドラインの形成位置に沿ってリブ214が設けられることが望ましい。本実施形態における駆動ギヤ21は三か所のゲートから樹脂が射出されて製造されているため、成形品には三つのウェルドラインが存在する。かかる構造から駆動ギヤ21には三つのリブ214が設けられている。しかし、上記はあくまで望ましい構成であり、リブ214は必ずしもウェルドラインの数と同数で、またウェルドラインの形成位置に沿って設けられている必要はない。リブ214の数や位置は、駆動ギヤ21に形成されるウェルドラインの数や、駆動ギヤ21に求められる強度に応じて、適宜調整することができる。

0039

図5(a)は駆動ギヤ21の平面図、図5(b)は駆動ギヤ21の斜視図、図5(c)は図5(a)の破線で囲んだ部分の拡大図である。図5に示されるように、駆動ギヤ21の肉抜き部213における歯部212側の側面と、その側面に対向するリブ214の対向面との間には間隙215が設けられている。尚、リブ214のかかる対向面が傾斜面とされているのは、単に射出成形時の抜き勾配を設けるためである。

0040

駆動ギヤ21には高い寸法精度が要求される一方で、駆動ギヤ21の強度が保てる程度にリブ214に厚みと幅をもたせる必要もあり、リブ214にヒケが生じることで寸法精度に影響を及ぼすことが懸念される。本実施形態における駆動ギヤ21では、肉抜き部213の歯部212側の側面とリブ214との間に間隙215が設けられていることで、駆動ギヤ21の製造時にリブ214にヒケが生じた場合でも、その影響が歯部212にまで及ばないようになっている。これにより、駆動ギヤ21の強度と寸法精度との両立が図られている。

0041

尚、本実施形態の駆動ギヤ21は、材料効率を考慮し、必要十分な幅を有する直線状のリブ214により強度を確保しているが、リブ214は必ずしも直線状である必要はない。例えばリブ214を全周にわたって形成した構成でも、間隙215が設けられていれば強度と寸法精度との両立を図ることは可能である。

0042

ここまでに述べた駆動ギヤ21の形状に関する特徴は、従動ギヤ22においても同様である。しかし、駆動ギヤ21と従動ギヤ22はその軸穴部211、221の軸穴の形状において異なっている。

0043

上述のように、駆動ギヤ21は支軸51とともに回転し、従動ギヤ22は支軸52に回転可能に支持され駆動ギヤ21の回転に連動して回転する。図6(a)は支軸51が挿通された駆動ギヤ21の斜視図であり、図6(b)は図6(a)のE−E断面図である。図6に示されるように、支軸51の上部には、外周面の一部が平面状に切り欠かれたDカット部511が形成され、支軸51が挿通される駆動ギヤ21の軸穴部211上部にも、Dカット部511と相補的な形状をなすDカット部211aが形成されている。支軸51のDカット部511と駆動ギヤ21のDカット部211aとが係合することにより、駆動ギヤ21は支軸51における周方向位置の位置決めがなされ、駆動ギヤ21の空転が防止される。

0044

支軸51におけるDカット部511よりも下の部分は径方向断面が円形の円柱部512となっており、駆動ギヤ21の軸穴部211の円柱部512に対応する部分も径方向断面が円形の円筒部211bとなっている。円筒部211bが円柱部512に圧入されることにより、駆動ギヤ21の径方向位置が位置決めされる。

0045

Dカット部211aに設けられた平面状のDカット面211cの周方向端部(以下、単に「Dカット部211aの角部」ともいう。)には、支軸51から駆動ギヤ21の動力伝達時に応力が集中することとなる。図4(a)に示されるように、駆動ギヤ21のウェルドラインは周方向等間隔に三つ形成されており、そのうち一つはDカット面211cから、Dカット面211cに対して垂直方向に延びている。これにより、Dカット部211aの径方向中心を始点としてDカット部211aの角部を通る半直線Dと、三つのウェルドラインとは、駆動ギヤ21の周方向において最も遠い位置に設けられることとなる。Dカット部211aの角部とウェルドラインの位置とが遠ざけられることにより、駆動ギヤ21における引張強度の低い部分と、回転時に応力が集中する部分とが重なることが避けられ、Dカット部211aの角部に強度上の脆弱箇所が集中することが避けられている。

0046

従動ギヤ22の軸穴部221および支軸52には、Dカット部に相当する構成はなく、軸穴部221、支軸52ともに上下方向の全長において径方向断面が円形とされている。

0047

また、図4に示されるように、本実施形態においては、肉抜き部213およびリブ214が駆動ギヤ21の両端面に設けられている。駆動ギヤ21において強度の補強が必要なのは主にDカット部211aを有する側の端面であるが、円筒部211b側にもDカット部211a側より小形のリブ214を設けることにより、駆動ギヤ21のコストと回転の安定性との両立が図られている。

0048

(ギヤポンプの動作)
以下、図2を用いて本実施形態にかかるギヤポンプ1の動作について説明する。

0049

モータ40の端子42に直流電力が供給され、回転軸41が回転すると、回転軸41の上部に固定された第二のはすば歯車32が回転軸41とともに回転する。第二のはすば歯車32は、第二のはすば歯車32よりも大径の第一のはすば歯車31に噛合しており、第二のはすば歯車32の回転は、第一のはすば歯車31により減速されて支軸51へと伝達される。

0050

モータ40の駆動力をポンプ歯車20に伝達する減速歯車列30にはすば歯車が用いられていることにより、減速歯車列30の噛合部における歯部の衝突音緩和され、ギヤポンプ1の運転時の騒音が低減されている。また、支軸51にはスラスト方向への推力も生じることから、支軸51が軸方向のいずれか一方に押圧されることでガタツキが抑えられ、支軸51に固定された駆動ギヤ21の回転が安定することも期待される。

0051

モータ40の駆動力が支軸51に伝達されることにより、ポンプ室50内に貫入した支軸51に固定された駆動ギヤ21が図3に示される方向に回転する。駆動ギヤ21のDカット部211aが支軸51のDカット部511に係合することにより支軸51の空転が防止され、また、駆動ギヤ21の円筒部211bが支軸51の円柱部512に挿入されていることにより、駆動ギヤ21の径方向位置の位置決め精度が確保されている。尚、本実施形態においてはモータ40の駆動力は減速歯車列30を介して駆動ギヤ21に伝達されているが、これは必要不可欠な構成ではなく、モータ40の回転軸41に駆動ギヤ21を直接固定する構成も考えられる。

0052

図4に示すように、駆動ギヤ21のウェルドラインは、応力が集中するDカット部211aの角部から離れた位置に形成されている。また、各ウェルドライン上にはリブ214が設けられ、ウェルド面の密着面積が広く確保されている。かかる構成によりウェルドラインに起因する駆動ギヤ21の強度上の脆弱性が低減されている。

0053

図3に示すように、駆動ギヤ21が回転することにより、駆動ギヤ21に噛合する従動ギヤ22も連動して回転する。駆動ギヤ21と従動ギヤ22が回転し、噛合部の歯部が離間すると、ポンプ室50の吸入口111側には負圧が生じる。吸入口111側に負圧が生じることで、吸入口111から水がポンプ室50内に吸入される。吸入された水は、ポンプ室50の内壁面とポンプ歯車20の歯部とにより区画される空間に封入され、ポンプ歯車20が回転することで吐出口112側に搬送される。吐出口112側に搬送された水は、ポンプ歯車20の歯部が噛合することで生じる正圧により吐出口112からポンプ室50外へ圧送される。

0054

以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

0055

1ギヤポンプ1
10ハウジング10
111吸入口
112吐出口
20ポンプ歯車
21駆動ギヤ
211軸穴部
211a Dカット部
211b円筒部
211c Dカット面
212歯部
213肉抜き部
214リブ
215間隙
22従動ギヤ
50ポンプ室
51支軸
511 Dカット部
512円柱部
52 支軸

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • トヨタ自動車株式会社の「 オイル供給装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】パイプとバルブとの連結部のオイルの漏れを抑制することが可能なオイル供給装置を提供することを課題とする。【解決手段】制御油室を有し、前記制御油室内の油圧に応じて吐出量を変更可能なオイルポンプと、... 詳細

  • アイシン精機株式会社の「 ポンプ装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】ポンプの駆動源の回転数及び流体の温度に基づいて、吐出圧を制御する電磁バルブに供給する電流値を簡易に設定可能なポンプ装置を提供する。【解決手段】ポンプ装置の制御ユニットCは、駆動源の回転数及び流... 詳細

  • アイシン精機株式会社の「 電動ポンプ」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】制御部を収容するハウジングを合理的に構成しつつ、制御部で発生したノイズの外部への放出を効果的に抑制することができる電動ポンプを提供する。【解決手段】ポンプ部Pと、ポンプ部Pを駆動するモータ部M... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ