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技術 低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物の製造方法

出願人 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション
発明者 ヨウ-ファ・リュウマーク・オー・スケーツ
出願日 2015年11月13日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-222664
公開日 2016年6月30日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-117709
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 流動導管 多回抽出 揮発損失 腐食金属 液体貯留槽 誘導流 二酸化炭素成分 スリップ流
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

カルボニル化反応によって低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物を製造する方法の提供。

解決手段

カルボニル化反応は、100〜300℃の温度、0.3〜2気圧水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmのロジウム触媒濃度において行い、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去し、及び/又は反応温度、水素分圧、及び金属触媒濃度の少なくとも1つを調節することによって酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を制御する酢酸の製造方法。

概要

背景

[0003]現在用いられている酢酸合成方法の中で商業的に最も有用なものの1つは、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中包含する)において教示されている一酸化炭素によるメタノール接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解しているか又は他の形態で分散しているか、或いは不活性固体上に担持されているロジウムのような金属触媒を、ハロゲン含有触媒促進剤、例えばヨウ化メチルと共に含む。ロジウムは多くの形態で反応系中に導入することができる。更に、ハロゲン化物促進剤の性質は一般に重要ではないので、数多くの好適な促進剤(その殆どは有機ヨウ化物である)を用いることができる。最も通常的且つ有用には、反応は、一酸化炭素ガスを、触媒がその中に溶解している液体反応媒体を通して連続的にバブリングすることによって行う。

[0004]メタノールのカルボニル化中において副生成物が形成される。1つの副生成物はアセトアルデヒドである。アセトアルデヒドを減少させることが当該技術において記載されている。例えば、米国特許5,756,836においては、メタノール及び/又は酢酸メチル水溶液反応器内において一酸化炭素と連続的に反応させる工程を含むことを特徴とする、高純度の酢酸を製造する方法が教示されている。プロセスにおいて得られる粗酢酸中の不飽和化合物の濃度を5wppm以下に制限するために処理が行われ、得られる粗酢酸をオゾン化している。‘836特許においてはまた、反応器内の反応流体中のアセトアルデヒドの濃度を1500wppm以下に維持しながら、メタノール及び/又は酢酸メチルの水溶液を反応器内において一酸化炭素と連続的に反応させる工程を含むことを特徴とする、高純度の酢酸を製造する方法も教示されている。アセトアルデヒド濃度は、10重量%以下の含水率、及び1500wppm以下のアセトアルデヒド濃度において反応を行って粗酢酸生成物合物を生成させ;粗酢酸生成物混合物を蒸留カラムに送って、高沸点フラクション及び低沸点フラクションを生成させ;低沸点フラクションを処理してその中のアセトアルデヒドの含量を減少させ;そして処理した低沸点フラクションを反応系に戻す;ことによって制御する。

[0005]また米国特許5,625,095においても、アセトアルデヒド濃度を減少させなければならないことが示唆されている。‘095特許においては、ロジウム触媒ヨウ化物塩、及びヨウ化メチルの存在下でメタノールを一酸化炭素と反応させることによって製造される高純度の酢酸が開示されており、ここでは反応液体中のアセトアルデヒド濃度を400wppm以下に維持している。これは、カルボニル不純物を含む液体を水と接触させてカルボニル不純物を分離及び除去することによって達成することができる。その後、液体を反応器に戻すことができる。

[0006]米国特許6,573,403においては、反応物質のメタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、又はこれらの任意の混合物を、(1)ロジウムカルボニル化触媒、(2)アルキルヨウ化物又はアルキル臭化物、及び(3)水素化触媒を含む反応器中に充填し、そして反応物質を一酸化炭素及び水素と接触させて酢酸を生成させることを含む酢酸の製造方法が教示されている。‘403特許においては更に、ルテニウム化合物カルボニル化反応溶液に加えることによって、価値のあるプロパン酸を形成するための前駆体であるエタノール酢酸エチル、及びヨウ化エチルの形成を増加させながら、望ましくないカルボニル不純物の形成が有効に減少することが教示されている。

[0007]アセトアルデヒドのような過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去するための更なる方法が、米国特許7,855,306及び7,683,212において開示されている。‘306特許においては、酢酸の形成中に中間体流から過マンガン酸塩還元性化合物又はそれらの前駆体を減少及び/又は除去する方法が教示されている。特に、軽質留分カラムからの低沸点塔頂蒸気流単式蒸留にかけてオーバーヘッド流を得て、これを抽出にかけてPRCをプロセスから選択的に除去及び/又は減少させている。‘212特許においては、ロジウム触媒、ヨウ化物塩、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水の存在下においてメタノールを一酸化炭素と連続的に反応させ;それによって反応混合物アセトアルデヒド含量を500wppm以下に維持しながら酢酸を11モル/L・時以上の生産速度で生成させることによって酢酸を製造する方法が教示されている。反応は、1.05MPa以上の反応器の気相中の一酸化炭素分圧、及び/又は2重量%以上の反応混合物の酢酸メチル含量において行って、それによってアセトアルデヒドの生産速度を酢酸のものの1/1500以下に維持する。‘212特許においては、この方法によって、反応系中における低い含水量及び低い水素分圧においても、酢酸の反応速度を減少させることなく副生成物の生成を減少させることができることが教示されている。

[0008]米国特許6,303,813においては、約15〜約40気圧の全反応圧力の反応全圧において約0.4〜4psiaの間の水素の分圧を維持することによって、カルボニル不純物、特にアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、及び2−エチルクロトンアルデヒドの生成を実質的に減少させるメタノールカルボニル化方法が開示されている。

概要

カルボニル化反応によって低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物を製造する方法の提供。カルボニル化反応は、100〜300℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmのロジウム触媒濃度において行い、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去し、及び/又は反応温度、水素分圧、及び金属触媒濃度の少なくとも1つを調節することによって酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を制御する酢酸の製造方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
1件

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請求項1

酢酸生成物の製造方法であって、反応器内において、メタノールジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程、ここで、該カルボニル化は150〜250℃の温度及び0.3〜2気圧水素分圧で行われる;該反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して該酢酸生成物を形成する工程;該酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させる工程;および該酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を10wppm以下に維持し、該酢酸生成物中のヨウ化物濃度を100wppb以下に維持する工程を含む方法。

請求項2

請求項1に記載の方法であって、該反応媒体が1500wppm以下のアセトアルデヒドを含む方法。

請求項3

請求項1に記載の方法であって、該反応媒体が0.1〜4.1重量%の量の水を含む方法。

請求項4

請求項1に記載の方法であって、該ロジウム触媒濃度が400〜1500wppmである方法。

請求項5

請求項1に記載の方法であって、該水素分圧が0.3〜1.5気圧である方法。

請求項6

請求項1に記載の方法であって、該水素分圧が0.4〜1.5気圧である方法。

請求項7

請求項1に記載の方法であって、該メタノールを、1〜150wppmのエタノールの量のエタノールを含むメタノール供給源で該反応器中に導入する方法。

請求項8

請求項1に記載の方法であって、該酢酸生成物が250wppm以下のプロピオン酸を含む方法。

請求項9

請求項1に記載の方法であって、該酢酸生成物が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属を含み、該置換金属が500wppb以下の量で該酢酸生成物中に存在する方法。

請求項10

請求項1に記載の方法であって、該酢酸生成物が、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属を含み、該酢酸生成物中の該腐食金属が1000wppb以下の量である方法。

請求項11

請求項1に記載の方法であって、該酢酸生成物が50wppb以下のリチウムを含む方法。

請求項12

請求項1に記載の方法であって、該反応媒体が、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む方法。

請求項13

請求項1に記載の方法であって、該反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することが、(a)該反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;(b)該蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、酢酸を含む側流、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;(c)該第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで該第2のオーバーヘッド流は該第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして(d)該第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;ことを含む方法。

請求項14

請求項13に記載の方法であって、該第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される該第1のオーバーヘッド流の該少なくとも一部が該軽質液相の一部を含む方法。

請求項15

請求項13に記載の方法であって、該第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される該第1のオーバーヘッド流の該少なくとも一部が該重質液相の一部を含む方法。

請求項16

酢酸生成物の製造方法であって、酢酸、メタノール、酢酸メチル、4.1重量%以下の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及び酢酸リチウムを含む反応媒体を与え;該反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して該酢酸生成物を形成し;そして該酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして該酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を10wppm以下に維持し、該酢酸生成物中のヨウ化物濃度を100wppb以下に維持する;ことを含む方法。

請求項17

請求項16に記載の方法であって、該酢酸ブチル濃度を、更に、反応温度、水素分圧、及び該反応媒体中のロジウム触媒濃度の少なくとも1つを調節することによって維持する方法。

請求項18

請求項16に記載の方法であって、該水素分圧が0.3〜2気圧である方法。

請求項19

請求項16に記載の方法であって、該水素分圧が0.4気圧以上である方法。

請求項20

請求項16に記載の方法であって、該酢酸生成物が250wppm以下のプロピオン酸を含む方法。

請求項21

請求項16に記載の方法であって、該酢酸生成物が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属を含み、該酢酸生成物中の該置換金属が500wppb以下の量である方法。

請求項22

請求項16に記載の方法であって、該酢酸生成物が、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属を含み、該酢酸生成物中の該腐食金属が1000wppb以下の量である方法。

請求項23

請求項16に記載の方法であって、該酢酸生成物が50wppb以下のリチウムを含む方法。

請求項24

請求項16に記載の方法であって、該反応媒体が、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む方法。

請求項25

請求項16に記載の方法であって、該アセトアルデヒドを除去することが、(a)該反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;(b)該蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製された酢酸生成物、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;(c)該第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで該第2のオーバーヘッド流は該第1のオーバーヘッド流の該少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして(d)該第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;ことを含む方法。

請求項26

請求項25に記載の方法であって、該第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して、軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される該第1のオーバーヘッド流の該少なくとも一部が該軽質液相を含む方法。

請求項27

請求項25に記載の方法であって、該第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される該第1のオーバーヘッド流の該少なくとも一部が該重質液相を含む方法。

技術分野

0001

[0001]本出願は、2015年4月23日出願の「低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物の製造方法」と題された米国特許出願14/694,932の一部継続出願であり、2014年11月14日出願の「低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物の製造方法」と題された米国仮特許出願62/079,991(その開示事項はその全部を参照として本明細書中包含する)からの優先権を主張する。

0002

[0002]本発明は、酢酸の製造方法、特に低い酢酸ブチル含量を有する酢酸生成物を製造する方法に関する。

背景技術

0003

[0003]現在用いられている酢酸の合成方法の中で商業的に最も有用なものの1つは、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中に包含する)において教示されている一酸化炭素によるメタノール接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解しているか又は他の形態で分散しているか、或いは不活性固体上に担持されているロジウムのような金属触媒を、ハロゲン含有触媒促進剤、例えばヨウ化メチルと共に含む。ロジウムは多くの形態で反応系中に導入することができる。更に、ハロゲン化物促進剤の性質は一般に重要ではないので、数多くの好適な促進剤(その殆どは有機ヨウ化物である)を用いることができる。最も通常的且つ有用には、反応は、一酸化炭素ガスを、触媒がその中に溶解している液体反応媒体を通して連続的にバブリングすることによって行う。

0004

[0004]メタノールのカルボニル化中において副生成物が形成される。1つの副生成物はアセトアルデヒドである。アセトアルデヒドを減少させることが当該技術において記載されている。例えば、米国特許5,756,836においては、メタノール及び/又は酢酸メチル水溶液反応器内において一酸化炭素と連続的に反応させる工程を含むことを特徴とする、高純度の酢酸を製造する方法が教示されている。プロセスにおいて得られる粗酢酸中の不飽和化合物の濃度を5wppm以下に制限するために処理が行われ、得られる粗酢酸をオゾン化している。‘836特許においてはまた、反応器内の反応流体中のアセトアルデヒドの濃度を1500wppm以下に維持しながら、メタノール及び/又は酢酸メチルの水溶液を反応器内において一酸化炭素と連続的に反応させる工程を含むことを特徴とする、高純度の酢酸を製造する方法も教示されている。アセトアルデヒド濃度は、10重量%以下の含水率、及び1500wppm以下のアセトアルデヒド濃度において反応を行って粗酢酸生成物混合物を生成させ;粗酢酸生成物混合物を蒸留カラムに送って、高沸点フラクション及び低沸点フラクションを生成させ;低沸点フラクションを処理してその中のアセトアルデヒドの含量を減少させ;そして処理した低沸点フラクションを反応系に戻す;ことによって制御する。

0005

[0005]また米国特許5,625,095においても、アセトアルデヒド濃度を減少させなければならないことが示唆されている。‘095特許においては、ロジウム触媒ヨウ化物塩、及びヨウ化メチルの存在下でメタノールを一酸化炭素と反応させることによって製造される高純度の酢酸が開示されており、ここでは反応液体中のアセトアルデヒド濃度を400wppm以下に維持している。これは、カルボニル不純物を含む液体を水と接触させてカルボニル不純物を分離及び除去することによって達成することができる。その後、液体を反応器に戻すことができる。

0006

[0006]米国特許6,573,403においては、反応物質のメタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、又はこれらの任意の混合物を、(1)ロジウムカルボニル化触媒、(2)アルキルヨウ化物又はアルキル臭化物、及び(3)水素化触媒を含む反応器中に充填し、そして反応物質を一酸化炭素及び水素と接触させて酢酸を生成させることを含む酢酸の製造方法が教示されている。‘403特許においては更に、ルテニウム化合物カルボニル化反応溶液に加えることによって、価値のあるプロパン酸を形成するための前駆体であるエタノール酢酸エチル、及びヨウ化エチルの形成を増加させながら、望ましくないカルボニル不純物の形成が有効に減少することが教示されている。

0007

[0007]アセトアルデヒドのような過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去するための更なる方法が、米国特許7,855,306及び7,683,212において開示されている。‘306特許においては、酢酸の形成中に中間体流から過マンガン酸塩還元性化合物又はそれらの前駆体を減少及び/又は除去する方法が教示されている。特に、軽質留分カラムからの低沸点塔頂蒸気流単式蒸留にかけてオーバーヘッド流を得て、これを抽出にかけてPRCをプロセスから選択的に除去及び/又は減少させている。‘212特許においては、ロジウム触媒、ヨウ化物塩、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水の存在下においてメタノールを一酸化炭素と連続的に反応させ;それによって反応混合物アセトアルデヒド含量を500wppm以下に維持しながら酢酸を11モル/L・時以上の生産速度で生成させることによって酢酸を製造する方法が教示されている。反応は、1.05MPa以上の反応器の気相中の一酸化炭素分圧、及び/又は2重量%以上の反応混合物の酢酸メチル含量において行って、それによってアセトアルデヒドの生産速度を酢酸のものの1/1500以下に維持する。‘212特許においては、この方法によって、反応系中における低い含水量及び低い水素分圧においても、酢酸の反応速度を減少させることなく副生成物の生成を減少させることができることが教示されている。

0008

[0008]米国特許6,303,813においては、約15〜約40気圧の全反応圧力の反応全圧において約0.4〜4psiaの間の水素の分圧を維持することによって、カルボニル不純物、特にアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、及び2−エチルクロトンアルデヒドの生成を実質的に減少させるメタノールカルボニル化方法が開示されている。

先行技術

0009

米国特許3,769,329
米国特許5,756,836
米国特許5,625,095
米国特許6,573,403
米国特許7,855,306
米国特許7,683,212
米国特許6,303,813

発明が解決しようとする課題

0010

[0009]上記に記載の公報は、アセトアルデヒド及びクロトンアルデヒドのようなカルボニル不純物をカルボニル化反応系から抑止又は除去することに焦点が当てられているが、これらの不純物から形成される可能性がある酢酸ブチルに関する技術は少ししか存在しない。したがって、少ない量の酢酸ブチルを含む高純度の酢酸生成物を生成させるための改良された方法に対する必要性が存在する。

課題を解決するための手段

0011

[0010]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧、例えば0.3〜1.5気圧、より好ましくは0.4〜1.5気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppm、例えば400〜1500wppmのロジウム触媒濃度において行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し、そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持することを更に含む。一態様においては、メタノールは、1〜150wppmのエタノールの量のエタノールを含むメタノール供給源で反応器中に導入することができる。一態様においては、反応媒体は1500wppm以下のアセトアルデヒドを含む。反応媒体はまた、0.1〜4.1重量%の量の水を含んでいてもよい。反応媒体は、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む。一態様においては、酢酸生成物は、250wppm以下のプロピオン酸、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属、及び/又はリチウムを含む。酢酸生成物中の置換金属及び/又は腐食は、500wppb以下の量であってよく、及び/又は酢酸生成物は50wppb以下のリチウムを含んでいてよい。一態様においては、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去する方法には、(a)反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;(b)蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、酢酸を含む側流、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;(c)第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで第2のオーバーヘッド流は第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして(d)第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;ことを含ませることができる。一態様においては、本方法は、第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は軽質液相及び/又は重質液相の一部を含む。

0012

[0011]他の態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、及び反応媒体の重量を基準として0.3〜2気圧の水素分圧で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し、酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ、そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し、そして100wppb以下のヨウ化物濃度を維持することを更に含む。一態様においては、メタノールは、1〜150wppmのエタノールの量のエタノールを含むメタノール供給源で反応器中に導入することができる。一態様においては、反応媒体は1500wppm以下のアセトアルデヒドを含む。反応媒体はまた、0.1〜4.1重量%の量の水を含んでいてもよい。反応媒体は、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む。一態様においては、酢酸生成物は、250wppm以下のプロピオン酸、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属、及び/又はリチウムを含む。置換金属及び/又は腐食金属は500wppb以下の量で酢酸生成物中に存在していてよく、及び/又は酢酸生成物は50wppb以下のリチウムを含んでいてよい。一態様においては、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去する方法には、(a)反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;(b)蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、酢酸を含む側流、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;(c)第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで第2のオーバーヘッド流は第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして(d)第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;ことを含ませることができる。一態様においては、本方法は、第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は軽質液相及び/又は重質液相の一部を含む。

0013

[0012]他の態様においては、酢酸、メタノール、酢酸メチル、4.1重量%以下の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及び酢酸リチウムを含む反応媒体を与え;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する;ことを含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。一態様においては、メタノールは、1〜150wppmのエタノールの量のエタノールを含むメタノール供給源で反応器中に導入することができる。一態様においては、反応媒体は1500wppm以下のアセトアルデヒドを含む。反応媒体はまた、0.1〜4.1重量%の量の水を含んでいてもよい。反応媒体は、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む。一態様においては、酢酸生成物は、250wppm以下のプロピオン酸、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属、及び/又はリチウムを含む。酢酸生成物中の置換金属及び/又は腐食金属は500wppb以下の量であってよく、及び/又は酢酸生成物は50wppb以下のリチウムを含んでいてよい。一態様においては、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去する方法には、(a)反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;(b)蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、酢酸を含む側流、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;(c)第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで第2のオーバーヘッド流は第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして(d)第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;ことを含ませることができる。一態様においては、本方法は、第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は軽質液相及び/又は重質液相の一部を含む。

0014

[0013]更なる態様においては、メタノールを、ロジウム触媒、ヨウ化リチウム、及びヨウ化メチルの存在下で一酸化炭素と連続的に反応させて反応媒体を形成する工程を含み、ここで反応は100℃〜300℃の温度及び0.3〜2気圧の水素分圧で行い、反応媒体は100〜3000wppmの濃度のロジウムを含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。この方法は、反応媒体から酢酸生成物を分離し;酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を求め;酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度が10wppmよりも高い場合には、温度、水素分圧、及びロジウム触媒濃度の少なくとも1つを調節し;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して、反応媒体中の1500wppm以下のアセトアルデヒド濃度を維持する;ことを更に含む。

0015

[0014]本発明は、添付の非限定的な図面を考慮するとより良好に理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0016

[0015]図1は、アセトアルデヒドから誘導される酢酸反応副生成物及び不純物の概要を示す。
[0016]図2は、本発明による酢酸製造プロセスの概要を示す。
[0017]図3は、本発明による最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの時系列プロットを示す。
[0018]図4は、本発明による最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの他の時系列プロットを示す。
[0019]図5は、本発明による最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの更に他の時系列プロットを示す。

0017

[0020] 始めに、任意のかかる実際の態様の開発においては、1つの実施態様と他のものとで変化するシステム関連及びビジネス関連の制限との適合性のように、開発者の具体的な目標を達成するために、数多くの実施−具体的な決定を行わなければならないことを留意すべきである。更に、当業者に明らかなように、ここで開示する方法にはまた、挙げられているか又は具体的に言及されているもの以外の構成要素を含ませることもできる。

0018

[0021]概説及びこの詳細な説明において、それぞれの数値は、一旦は(既に明らかにそのように修飾されていない限りにおいて)用語「約」によって修飾されているように読み、次に文脈において他に示されていない限りにおいて、そのように修飾されていないように再び読むべきである。また、概説及びこの詳細な説明において、有用、好適などとしてリスト又は記載されている濃度範囲は、端点を含むその範囲内のありとあらゆる濃度が示されているとみなすべきであると意図されることを理解すべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、約1と約10の間の連続体に沿ったありとあらゆる可能な数を示すものとして読むべきである。而して、この範囲内の具体的なデータ点が明確に特定されているか又は僅かな具体的なデータ点のみに関する場合、或いはこの範囲内のデータ点が明確に特定されていないか又は僅かな具体的なデータ点のみに関していない場合であっても、本発明者らはこの範囲内のありとあらゆるデータ点が特定されていたとみなすべきであると認識且つ理解し、且つ本発明者らはこの範囲内の全範囲及び全ての点の知識を有していたことを理解すべきである。

0019

[0022]特許請求の範囲を含む明細書全体にわたって、以下の用語は他に示さない限りにおいて示されている意味を有する。
[0023]明細書及び特許請求の範囲において用いる「付近」は「における」を包含する。「及び/又は」という用語は、包含的な「及び」の場合、及び排他的な「又は」の場合の両方を指し、本明細書において簡潔さのために用いられる。例えば、酢酸及び/又は酢酸メチルを含む混合物は、酢酸単独、酢酸メチル単独、又は酢酸と酢酸メチルの両方を含んでいてよい。

0020

[0024]全てのパーセントは、他に示していない限りにおいて、存在する特定の流れ又は組成物全重量を基準とする重量パーセント(重量%)として表される。他に示していない限りにおいて、室温は25℃であり、大気圧は101.325kPaである。

0021

[0025]本発明における目的のためには、
酢酸は「AcOH」と略称することがあり;
アセトアルデヒドは「AcH」と略称することがあり;
酢酸メチルは「MeAc」と略称することがあり;
メタノールは「MeOH」と略称することがあり;
ヨウ化メチルは「MeI」と略称することがあり;
ヨウ化水素は「HI」と略称することがあり;
一酸化炭素は「CO]と略称することがあり;及び
ジメチルエーテルは「DME」と略称することがある。

0022

[0026]HIは、分子状ヨウ化水素、或いは極性媒体、通常は少なくとも若干の水を含む媒体中で少なくとも部分的にイオン化されている場合には解離ヨウ化水素酸のいずれかを指す。他に特定されていない限りにおいて、この2つは互換的に言及される。他に特定されていない限りにおいて、HI濃度は、酸−塩基滴定によって電位差滴定終点を用いて求められる。特に、HI濃度は、標準的な酢酸リチウム溶液を用いて電位差滴定終点まで滴定することによって求められる。本発明における目的のためには、HIの濃度は、腐食金属又は他の非H+カチオンの測定に関係すると推定されるヨウ化物の濃度を、試料中に存在する全イオン性ヨウ化物から減じることによっては求めないことを理解すべきである。

0023

[0027]HI濃度はヨウ化物イオン濃度を指すものではないことを理解すべきである。HI濃度は、具体的には電位差滴定によって求められるHI濃度を指す。
[0028]この減算法は、全ての非H+カチオン(例えば、Fe、Ni、Cr、Moのカチオン)が専らヨウ化物アニオンのみと会合すると仮定していることのために、比較的低いHI濃度(即ち約5重量%未満)を求めるためには信頼性に欠け不正確な方法である。実際には、このプロセスにおいては、金属カチオンの相当部分がアセテートアニオンと会合する可能性がある。更に、これらの金属カチオンの多くは多原子価状態を有し、これによってこれらの金属と会合する可能性があるヨウ化物アニオンの量に関する推定に更により多い非信頼性が加えられる。最終的には、この方法は、特にHI濃度を直接表す単純な滴定を行う能力を考慮すると、実際のHI濃度の信頼性に欠ける測定値を生じさせる。

0024

[0029]本発明における目的のためには、蒸留カラムの「オーバーヘッド流」又は「留出物」は、蒸留カラムの頂部又はその付近(例えば頂部の隣接位置)において排出される少なくとも1つのより低沸点の凝縮性フラクション、及び/又はその流れ又は組成物の凝縮形態を指す。明らかに、これも本発明における目的のためには、全てのフラクションは最終的には凝縮させることができ、凝縮性のフラクションは、当業者に容易に理解されるようにプロセス中に存在する条件下において凝縮させることができる。非凝縮性フラクションの例としては、窒素、水素などを挙げることができる。更に、オーバーヘッド流は蒸留カラムの最も上部の出口の直下において回収することができ、例えばここで最も低い沸点のフラクションは、当業者に容易に理解されるように非凝縮性の流れであるか或いは僅少な流れを表す。

0025

[0030]蒸留カラムの「塔底流」又は「残渣」とは、蒸留カラムの底部又はその付近において排出される(本発明においてはカラム底部液溜まりから流出するとも言う)1以上の最も高い沸点のフラクションを指す。残渣は蒸留カラムの最も底部の出口の直上から回収することができ、例えばここでカラムによって産出される最も底部のフラクションは、当業者に容易に理解されるように、塩、使用できないタール固体廃棄物、又は僅少な流れである。

0026

[0031]本発明における目的のためには、蒸留カラムは蒸留区域及び底部液溜まり区域を含む。蒸留区域は、底部液溜まり区域の上方、即ち底部液溜まり区域とカラムの頂部との間の全てを含む。本発明における目的のためには、底部液溜まり区域とは、より高沸点の成分の液体貯留槽がその中に存在し、塔底流又は残渣流がカラムから排出される際にそれから流出する蒸留カラムの下部部分(例えば蒸留カラムの底部)を指す。底部液溜まり区域には、リボイラー制御装置などを含ませることができる。

0027

[0032]蒸留カラムの内部部品に関する「通路」、「流路」、「流動導管」などの用語は、それを通して配置されており、及び/又は、流体及び/又は蒸気が内部部品の一方の側から内部部品の他方の側へ移動するための流路を与える、孔、管、溝、スリット、ドレンなどを指すように互換的に用いられる。蒸留カラムの液体分配器のような構造体を通して配置される流路の例としては、構造体を通して液体を一方の側から他の側へ流動させることを可能にするドレン孔ドレン管、ドレンスリットなどが挙げられる。

0028

[0033]平均滞留時間は、蒸留区域内の所定の相に関する全液体保持体積の総計を、蒸留区域を通過するその相の平均流量で割った値として定義される。所定の相に関する保持体積には、回収器分配器などをはじめとするカラムの種々の内部部品内に含まれる液体の体積、並びにトレー上、降下管内、及び/又は規則若しくは不規則充填床セクション内に含まれる液体を含めることができる。

0029

酢酸生成物:
[0034]本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウムのような金属触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩、好ましくはヨウ化リチウムの存在下でカルボニル化して反応媒体を形成することを含む、酢酸生成物の製造方法に関する。カルボニル化工程は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの濃度の金属触媒、例えばロジウムにおいて、10wppm以下、例えば9wppm以下、8wppm以下、6wppm以下、又は2wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持しながら行う。

0030

[0035]カルボニル化精製プロセスにおいて酢酸から酢酸ブチルを除去することの困難性のために、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、特に低い量の酢酸ブチルが所望の場合には容易に制御されない。酢酸ブチルは酢酸よりも高い沸点を有し、このために酢酸ブチルの蒸留分離は容易には利用できない。酢酸ブチルは、アセトアルデヒド除去システムを用いて除去することができる過マンガン酸塩還元性化合物ではない。この代わりに、酢酸ブチルは、10wppmより高い濃度で存在すると酢酸生成物の品質を悪化させる可能性がある不純物である。10wppm以下の酢酸ブチル濃度を有する酢酸生成物は、本発明においては高純度酢酸生成物と呼ぶことがある。一態様においては、精製酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することによって少なくとも部分的に制御される。酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度はまた、反応温度、水素分圧、金属触媒濃度、及び水濃度からなる群から選択される少なくとも1つのパラメーターを調節することによって維持することもできる。驚くべきことに且つ予期しなかったことに、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去し、反応温度、水素分圧、及び反応媒体中の金属触媒濃度からなる群から選択される少なくとも1つのパラメーターを制御することによって、酢酸生成物中の酢酸ブチルの量を10wppm以下に有利に制御することができることが見出された。これらの制御の結果として、プロピオン酸のような酢酸生成物中の他の不純物の量も、250wppm以下、例えば225wppm以下、200wppm以下、175wppm以下、150wppm以下、又は100wppm以下に制御することができる。

0031

[0036]カルボニル化反応に加えて、反応媒体中で幾つかの副反応が起こる。理論には縛られないが、図1は、カルボニル化プロセス中に水素化及びアルドール縮合反応によって形成される可能性がある種々の副生成物及び不純物を示す。反応媒体中にアセトアルデヒドが存在すると、アセトアルデヒドはアルドール縮合反応によってクロトンアルデヒドに転化する。クロトンアルデヒドは次にブチルアルデヒドに水素化される可能性があり、これは次にブタノールに水素化される可能性がある。最後に、ブタノールは酢酸と反応して酢酸ブチルを形成する可能性がある。図1において示されるように、ブチルアルデヒドはブタノールに水素化されるのに加えて、ブチルアルデヒドはアセトアルデヒドと反応して更なる不純物を形成する可能性がある。図1はまた、アセトアルデヒド濃度は最終酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度に影響を与える1つのファクターに過ぎないことも示す。而して、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度は、それ単独で最終酢酸ブチル含量の正確な予測因子であるのではなく、他のパラメーターを調節して酢酸生成物中の所望の酢酸ブチル含量を達成することができる。

0032

カルボニル化反応工程:
[0037]図2において、代表的な反応及び酢酸回収システム100を示す。示されているように、メタノール含有供給流101及び一酸化炭素含有供給流102を液相カルボニル化反応器105に送って、そこでカルボニル化反応を行う。

0033

[0038]メタノール含有供給流101には、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを含ませることができる。メタノール含有供給流101は、一部を新しい供給流から誘導することができ、或いはシステムから再循環することができる。メタノール及び/又はその反応性誘導体の少なくとも一部は、反応媒体中において、酢酸とのエステル化によって酢酸メチルに転化して、したがって酢酸メチルとして存在する可能性がある。

0034

[0039]カルボニル化のための通常の反応温度は150〜250℃であり、180〜225℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧は広範囲に変化させることができるが、通常は2〜30気圧、例えば3〜10気圧である。反応器内の水素分圧は、通常は0.3〜2気圧、例えば0.3〜1.5気圧、又は0.4〜1.5気圧である。幾つかの態様においては、反応器内の水素分圧は、0.3気圧以上、例えば0.4気圧以上、0.45気圧以上、0.5気圧以上、0.6気圧以上、又は0.7気圧以上であってよい。1気圧は約101.33kPa及び14.70psiに等しいと理解される。水素分圧を上昇させると、二酸化炭素成分が減少するので、一酸化炭素及び水の二酸化炭素及び水素への水性ガスシフト反応が影響を受ける。また、水素分圧を上昇させることによって、温度の低下、及びしたがって運転コストの減少も可能になる。最後に、水素分圧を上昇させると、反応平衡活性化形態のロジウムによりシフトすることによって、金属触媒活性、例えばロジウム活性が向上する。しかしながら、水素分圧が上昇するにつれて、不純物の生成もまた増加する。通常は、アセトアルデヒド、酢酸ブチル、及び/又はプロピオン酸など(しかしながらこれらに限定されない)の不純物を制御するためには、0.3気圧未満の低い水素分圧が望ましい可能性がある。有利なことに、本発明は、0.3気圧より高い水素分圧によるロジウム触媒の安定化、及び酢酸生成物中の酢酸ブチル及び/又はプロピオン酸のような大量の不純物の回避の両方を達成することができる。この有利性は、酢酸生成物を回収する際に反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することによって達成される。

0035

[0040]副生成物の分圧及び含まれている液体の蒸気圧のために、全反応器圧力は15〜40気圧の範囲になる。酢酸の生産速度は、5〜50モル/L・時、例えば10〜40モル/L・時、好ましくは15〜35モル/L・時にすることができる。

0036

[0041]カルボニル化反応器105は、好ましくは機械撹拌容器、抽出又はポンプアラウンド混合を伴う容器、或いはバブルカラムタイプの容器のいずれかである。反応器は撹拌装置を有するか又は有していなくてよく、これらの中で反応液又はスラリー内容物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、これを好ましくは通常運転中において実質的に一定に維持する。反応媒体中における好適な濃度を維持するために必要な場合には、カルボニル化反応器105中に、新しいメタノール、一酸化炭素、及び十分な水を連続的に導入する。

0037

[0042]金属触媒には第VIII族金属を含ませることができる。好適な第VIII族触媒としては、ロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒は、当該技術において周知の教示にしたがって、ロジウムを含む触媒溶液が[Rh(CO)2I2]−アニオンを含む平衡混合物として存在するような任意の好適な形態で加えることができる。ヨウ化物塩は、場合によっては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属可溶性塩、第4級アンモニウムホスホニウム塩、或いはこれらの混合物の形態で、本明細書に記載するプロセスの反応混合物中に保持することができる。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。触媒共促進剤は、ヨウ化物塩を生成させる非ヨウ化物塩として加えることができる。触媒共促進剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体が反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して対応する触媒共促進剤を生成させるので、ヨウ化物塩をin-situで生成させることができる。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細は、米国特許5,001,259;5,026,908;5,144,068;及び7,005,541(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において見ることができる。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460;5,932,764;5,883,295;5,877,348;5,877,347;及び5,696,284;(これらもまた、それらの全部を参照として本明細書中に包含する)において概説されている。

0038

[0043]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、アルキルアリール、及び置換アルキル又はアリールハロゲン化物のような有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物から構成される。好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在する。更により好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤は、アルキル基がカルボニル化する供給アルコールのアルキル基に対応しているアルキルハロゲン化物の形態で存在する。而して、メタノールの酢酸へのカルボニル化において用いるハロゲン化物促進剤としては、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルを挙げることができる。

0039

[0044]反応媒体の成分は、酢酸の十分な生産を確保するために規定限界内に維持する。反応媒体は、特定の濃度の金属触媒、例えばロジウムとして100〜3000wppm、例えば200〜3000wppm、400〜2000wppm、又は400〜1500wppmの量のロジウム触媒を含む。反応媒体中の水の濃度は、14重量%以下、例えば0.1重量%〜14重量%、0.2重量%〜10重量%、又は0.25重量%〜5重量%に維持する。好ましくは、反応は低水条件下で行い、反応媒体は4.1重量%以下、例えば3.5重量%以下、3重量%以下、又は2重量%以下の量の水を含む。範囲に関しては、反応媒体は、0.1〜4.1重量%の水、例えば0.1〜3.5重量%、0.1〜3重量%、又は0.5〜2.8重量%の量の水を含む。反応媒体中のヨウ化メチルの濃度は、1〜25重量%、例えば5〜20重量%、4〜13.9重量%になるように維持する。反応媒体中のヨウ化物塩、例えばヨウ化リチウムの濃度は、1〜25重量%、例えば2〜20重量%、3〜20重量%になるように維持する。反応媒体中の酢酸メチルの濃度は、0.5〜30重量%、例えば0.3〜20重量%、0.6〜4.1重量%になるように維持する。反応媒体中の酢酸の濃度は、概して30重量%より多く、例えば40重量%より多く、又は50重量%より多い。上記の量は反応媒体の全重量を基準とするものである。

0040

[0045]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、反応媒体中で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。反応媒体は、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化物塩、例えばヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む。カルボニル化は、150〜250℃の温度及び0.3〜2気圧の水素分圧で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する;ことを更に含む。更なる態様においては、反応媒体には、反応媒体の全重量を基準として4.1重量%以下の量の水を含ませることができる。

0041

[0046]幾つかの態様においては、反応器中に導入するリチウム化合物は、酢酸リチウム、カルボン酸リチウム炭酸リチウム水酸化リチウム、他の有機リチウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に可溶である。一態様においては、リチウム化合物の供給源として酢酸リチウム二水和物を用いる。

0042

[0047]酢酸リチウムは、次の平衡反応(I):

0043

0044

にしたがってヨウ化水素と反応して、ヨウ化リチウム及び酢酸を形成する。
[0048]酢酸リチウムは、反応媒体中に存在する酢酸メチルのような他のアセテートに対してヨウ化水素濃度の改良された制御を与えると考えられる。理論には縛られないが、酢酸リチウムは酢酸の共役塩基であり、したがって酸−塩基反応によってヨウ化水素に対して反応性である。この特性は、酢酸メチルとヨウ化水素の対応する平衡によって生成するものを上回って反応生成物を有利に生成する反応(I)の平衡をもたらすと考えられる。この改良された平衡は、反応媒体中の4.1重量%以下の水濃度によって推進される。更に、酢酸メチルと比べて比較的低い酢酸リチウムの揮発性によって、酢酸リチウムを、揮発損失及び蒸気粗生成物中への少量の同伴を除いて反応媒体中に保持することが可能になる。これに対して、酢酸メチルの比較的高い揮発性により、材料が精製系列中に留出して、酢酸メチルを制御するのがより困難になる。酢酸リチウムは、ヨウ化水素の濃度が安定して低い場合にプロセス中に保持及び制御するのが遙かにより容易である。したがって、反応媒体中のヨウ化水素濃度を制御するのに必要な酢酸メチルの量と比べて比較的少量の酢酸リチウムを用いることができる。更に、酢酸リチウムはロジウム[I]錯体へのヨウ化メチルの酸化的な付加を促進するのに酢酸メチルよりも少なくとも3倍有効であることが見出された。

0045

[0049]幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.3重量%以上、0.35重量%以上、0.4重量%以上、0.45重量%以上、又は0.5重量%以上に維持し、及び/又は幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.7重量%以下、0.65重量%以下、0.6重量%以下、又は0.55重量%以下に維持する。

0046

[0050]反応媒体中の過剰の酢酸リチウムは、反応媒体中の他の化合物に悪影響を与えて生産性を減少させる可能性があることが見出された。これとは逆に、約0.3重量%より低い反応媒体中の酢酸リチウム濃度は、1.3重量%より低い反応媒体中の所望のヨウ化水素濃度を維持することができないことが見出された。

0047

[0051]幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に連続的又は断続的に導入することができる。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応器の始動中に導入する。幾つかの態様においては、リチウム化合物は同伴損失補償するために断続的に導入する。

0048

[0052]幾つかの態様においては、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度の場合には、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの成分のそれぞれが存在している場合にのみ速度促進剤として機能し、これらの成分の両方が同時に存在している場合に促進がより高いことが分かっている。

0049

[0053]メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件において、ロジウム触媒、ヨウ化メチル促進剤、酢酸メチル、及び更なる可溶性ヨウ化物塩を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングさせている気体状一酸化炭素と接触させることによって行うことができる。一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく、触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物と会合するカチオンではない。また、ヨウ化物の所定のモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないとも認識される。塩がヨウ化物の所望のレベルを与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、又は任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン若しくはホスフィン化合物ベースとするもののような他のカチオン(場合によっては第4級カチオン)を反応媒体中において用いることができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくはこれは、"Handbook of Chemistry and Physics",CRCPress刊, Cleveland, Ohio, 2002-03(83版)に示されているような周期律表IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。低水カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて更なるヨウ化物イオンを、概して、全ヨウ化物イオン濃度が1〜25重量%であり、酢酸メチル濃度が0.5〜30重量%であり、ヨウ化メチル濃度が1〜25重量%であるような量で触媒溶液中に存在させる。ロジウム触媒は、概して200〜3000wppmの量で存在する。

0050

[0054]反応媒体はまた、副生成物の形成を回避するために制御しなければならない不純物も含む可能性がある。反応媒体中の1つの不純物はヨウ化エチルである可能性があり、これはプロピオン酸にカルボニル化される。本出願人らは、ヨウ化エチルの形成は、反応媒体中のアセトアルデヒド、酢酸エチル、酢酸メチル、及びヨウ化メチルの濃度などの数多くの変数によって影響を受ける可能性があることを更に見出した。更に、メタノール供給源のエタノール含量、一酸化炭素供給源中の水素分圧及び水素含量は、反応媒体中のヨウ化エチル濃度、及びその結果として酢酸生成物中のプロピオン酸濃度に影響を与えることが見出された。

0051

[0055]幾つかの態様においては、酢酸生成物中のプロピオン酸濃度は、更に250wppmより低く維持することができる。これは、酢酸生成物からプロピオン酸を除去することなく、反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持することによって達成することができる。

0052

[0056]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度と、酢酸生成物中のプロピオン酸は、3:1〜1:2の重量比で存在していてよい。幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒド:ヨウ化エチル濃度は、2:1〜20:1の重量比に維持する。

0053

[0057]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度は、水素分圧、反応媒体中の酢酸メチル濃度、ヨウ化メチル濃度、及び/又はアセトアルデヒド濃度の少なくとも1つを制御することによって維持することができる。

0054

[0058]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、750wppm以下、又は例えば650wppm以下、又は550wppm以下、又は450wppm以下、或いは350wppm以下に維持/制御する。幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、1wppm以上、又は例えば5wppm以上、又は10wppm以上、又は20wppm以上、或いは25wppm以上で、650wppm以下、又は例えば550wppm以下、又は450wppm以下、或いは350wppm以下に維持/制御する。

0055

[0059]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルと酢酸生成物中のプロピオン酸との重量比は、3:1〜1:2、又は例えば5:2〜1:2、又は2:1〜1:2、或いは3:2〜1:2の範囲であってよい。

0056

[0060]幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒドとヨウ化エチルとの重量比は、20:1〜2:1、又は例えば15:1〜2:1、或いは9:1〜2:1の範囲であってよい。

0057

[0061]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中の望ましくは撹拌装置の下方に連続的に導入する。撹拌装置は内容物を撹拌するために用いることができる。気体供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液体を通して十分に分散される。望ましくは気体パージ流106を反応器105から排出して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。一態様においては、気体パージ流106は、少量、例えば1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、又は0.5重量%以下のヨウ化水素を含む。これらの量を超えるヨウ化水素は、スクラバーに対する負荷を増加させてヨウ化水素がパージされるのを妨げる可能性がある。反応器の温度は制御することができ、一酸化炭素供給流は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。液体反応媒体を含む流れ106が反応器105から排出される。

0058

[0062]酢酸製造システムは、好ましくは、酢酸を回収し、金属触媒、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他のシステム成分をプロセス内で再循環するのに用いる分離システム108を含む。1以上の再循環流を、反応器中に導入する前に混合することができる。分離システムはまた、好ましくは、カルボニル化反応器内及びシステム全体にわたる水及び酢酸の含量を制御し、過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)の除去を促進する。PRCとしては、アセトアルデヒド、アセトンメチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、及びこれらのアルドール縮合生成物を挙げることができる。一態様においては、好適な過マンガンカリウム試験はJIS−K1351(2007)である。

0059

フラッシュ容器
[0063]反応媒体を、カルボニル化反応器105から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ113を通してフラッシュ容器110に供給する。フラッシュ分離は、80℃〜200℃の温度において、1〜10気圧の絶対圧下で行うことができる。フラッシュ容器110内において、反応媒体をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む蒸気生成物流112、及び触媒含有溶液を含む液体再循環流111として揮発性のより低い触媒相を得る。

0060

[0064]酢酸に加えて、蒸気生成物流112はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、PRCも含む。反応器105から排出されてフラッシュ容器110に導入される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含み、またメタン、水素、及び二酸化炭素のような気体副生成物も含む可能性がある。かかる溶解ガスは、蒸気生成物流112の一部としてフラッシュ容器110から排出される。一態様においては、気体パージ流106中の一酸化炭素をフラッシュ容器110の基部に供給して、ロジウムの安定性を向上させる。液体再循環流111中の触媒含有溶液は、主として酢酸であってよく、更にロジウム及びヨウ化物塩を、より小量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と一緒に含む可能性がある。液体再循環流111中の触媒含有溶液は、上記で議論したように反応器に再循環する。

0061

[0065]一態様においては、蒸気生成物流112は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、アセトアルデヒド、及びヨウ化水素を含む。一態様においては、蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、20〜50重量%の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。他の態様においては、蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、24乃至36重量%未満の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。より好ましくは、蒸気生成物流112は、55〜75重量%の量の酢酸、24〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜8重量%の量の酢酸メチル、及び0.5〜14重量%の量の水を含む。更に好ましい態様においては、蒸気生成物流112は、60〜70重量%の量の酢酸、25〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜6.5重量%の量の酢酸メチル、及び1〜8重量%の量の水を含む。蒸気生成物流中のアセトアルデヒド濃度は、蒸気生成物流の全重量を基準として0.005〜1重量%、例えば0.01〜0.8重量%、又は0.01〜0.7重量%の量であってよい。幾つかの態様においては、アセトアルデヒドは0.01重量%以下の量で存在していてよい。蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として1重量%以下、例えば0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の量のヨウ化水素を含んでいてよい。蒸気生成物流112は、好ましくはプロピオン酸を実質的に含まず、即ち蒸気生成物流の全重量を基準として0.0001重量%以下のプロピオン酸を含む。

0062

[0066]液体再循環流111は、酢酸、金属触媒、腐食金属、並びに他の種々の化合物を含む。一態様においては、液体再循環流は、60〜90重量%の量の酢酸;0.01〜0.5重量%の量の金属触媒;10〜2500wppmの合計量の腐食金属(例えば、ニッケル、鉄、及びクロム);5〜20重量%の量のヨウ化リチウム;0.5〜5重量%の量のヨウ化メチル;0.1〜5重量%の量の酢酸メチル;0.1〜8重量%の量の水;1重量%以下の量のアセトアルデヒド(例えば0.0001〜1重量%のアセトアルデヒド);及び0.5重量%以下の量のヨウ化水素(例えば0.0001〜0.5重量%のヨウ化水素);を含む。

0063

酢酸の回収:
[0067]酢酸の蒸留及び回収は、本発明の目的のためには特に制限されない。蒸気生成物流から酢酸を回収する従来の方法とは異なり、本発明は、蒸気生成物流、及び/又は酢酸が富化された蒸気生成物流の一部から凝縮される液体流の両方から酢酸を回収することができる。

0064

[0068]図2に示されるように、蒸気生成物流112は、軽質留分カラムとも呼ぶ第1のカラム120に送る。蒸留によって、低沸点の塔頂蒸気流122、好ましくは側流124によって取り出される精製された酢酸生成物、及び高沸点の残渣流121が生成する。一態様においては、低沸点の塔頂蒸気流122は、40〜80重量%の量の水、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及びアセトアルデヒドなどのカルボニル不純物を含む。側流124は、85〜98重量%の量の酢酸、1〜5重量%の量の水、0.1〜5重量%の量のヨウ化メチル、及び0.1〜5重量%の量の酢酸メチルを含む可能性がある。側流124によって取り出される酢酸は、好ましくは、乾燥カラムとも呼ぶ第2のカラム125などにおける更なる精製にかける。次に、側流124を、主として水を含むオーバーヘッド流126、及び主として酢酸、例えば酢酸生成物を含む塔底流127に分離する。カラム125において、プロピオン酸は250wppm以下の量で酢酸生成物と共に濃縮され、酢酸生成物からは除去されない。幾つかの態様においては、酢酸生成物は、カラム125から側流(図示せず)として回収することができる。これによって、酢酸からプロピオン酸を除去するための更なる分離工程の必要性が回避され、多くの有利性が与えられ、例えば、重質留分を除去する必要性が免除される。

0065

[0069]オーバーヘッド流126は、50〜90重量%、例えば50〜75重量%の量の水を含む可能性がある。また、酢酸メチル及びヨウ化メチルも側流から取り出されて、オーバーヘッド流中に濃縮される。乾燥カラム塔底流127は、好ましくは酢酸を含む。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流127は、90重量%以上、例えば95重量%以上、又は98重量%以上の量の酢酸を含み、250wppm以下のプロピオン酸を含む。乾燥カラム塔底流127は、商業的利用のために貯蔵又は輸送する前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによって更に処理することができる。

0066

[0070]第1のカラム120から分離される低沸点の塔頂蒸気流122は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水のような反応成分を含む。これらの反応成分はプロセス内に保持することが好ましい。低沸点の塔頂蒸気流122は、熱交換器内で凝縮して流れ133を形成する。流れ133の少なくとも一部を、ここで議論するPRC除去ユニット131に送ることができる。場合によっては、流れ133の一部を、反応器105に再循環し、及び/又は第1のカラム120に還流する。同様に、第2のカラム125からのオーバーヘッド流126は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水のような反応成分を含み、これらの反応成分はプロセス内に保持することが好ましい。オーバーヘッド流126は、熱交換器内で凝縮して流れ136を形成し、これは反応器105に再循環し、及び/又は第2のカラム125に還流する。オフガス成分は、ライン135を通して、凝縮された低沸点の塔頂蒸気流126から排出することができる。流れ133中の凝縮された低沸点の塔頂蒸気流と同様に、流れ136中の凝縮されたオーバーヘッド流も分離して水相及び有機相を形成することができ、これらの相は、反応媒体中における濃度を維持するために必要な場合には再循環又は還流することができる。幾つかの態様においては、凝縮器に加えて、凝縮されたオーバーヘッド流136を回収するための塔頂デカンターを配することができる。凝縮された低沸点の塔頂蒸気流136の塔頂デカンター中における平均滞留時間は、1分間以上、例えば3分間以上、5分間以上、又は10分間以上であってよく、及び/又は、平均滞留時間は60分間以下、例えば45分間以下、30分間以下、又は25分間以下である。除去されず、その後に精製プロセスに残留する可能性がある750wppmを超える多い量の反応媒体中のヨウ化エチルは、相の間に第3の相又エマルジョンを形成することによって、デカンター内における相分離の問題を引き起こす可能性がある。ヨウ化エチルはプロセス中において直接除去する手段を有しないので、反応媒体中にヨウ化エチルが蓄積することを阻止することが重要である。反応媒体中の多い量のヨウ化エチルは、デカンター内で濃縮されて望ましくないエマルジョンを形成し始める可能性がある。このエマルジョンは劣った分離を引き起こし、これは滞留時間を増加させることによって容易に克服することはできない。幾つかの態様においては、第3の相又はエマルジョンもアルカンを含む可能性がある。しかしながら、アルカンは、反応媒体中のアセトアルデヒドを制御することによって制御される。

0067

[0071]而して一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩の存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持しながら行う。この方法は、反応器内において形成された反応媒体をフラッシュ容器内で分離して、液体再循環流及び蒸気生成物流を形成し;第1のカラム内において蒸気生成物流を蒸留して、側流及び低沸点の塔頂蒸気流を得て;低沸点の塔頂蒸気流を凝縮し、そして凝縮された流れを、デカンター内において、重質液相と軽質液相との間のエマルジョンを阻止するのに十分な条件下で二相分離して重質液相及び軽質液相を形成し;そして側流から酢酸生成物を回収する;ことを更に含み、酢酸生成物は250wppm以下の量のプロピオン酸を含む。

0068

PRC除去システム(PRS):
[0072]第1のカラムからの凝縮されたオーバーヘッド流(軽質液相及び/又は重質液相の一部のいずれか)は、凝縮して相分離すると、分離してアセトアルデヒド又はPRC除去システムに送って、アセトアルデヒド除去プロセス中にヨウ化メチル及び酢酸メチルを回収することができる。理論には縛られないが、ヨウ化エチルは重質液相中に濃縮される傾向がある。而して、重質液相をPRC除去システムで処理する場合には、ヨウ化エチルは反応器に再循環して戻すことができる。軽質液相及び/又は重質液相のそれぞれは、1重量%以下の量のPRCを含み、このプロセスにはアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物を除去することを含ませることができる。

0069

[0073]当該技術において公知なように、PRCは酢酸生成物の品質を悪化させ、米国特許6,143,930;6,339,171;7,223,883;7,223,886;7,855,306;7,884,237;8,889,904;及び米国公開2006/0011462;(これらはその全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような好適な不純物除去カラム及び吸収剤で除去することができる。アセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応してアルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル等を形成する可能性がある。また、多くの不純物はアセトアルデヒドに由来するので、液体軽質相及び/又は重質液相の少なくとも1つからカルボニル不純物を除去することが望ましい。本明細書に記載するように、PRC除去システムを用いる場合には、アルカン除去システムは用いない。

0070

[0074]アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給される軽質液相及び/又は重質液相の部分は、軽質液相133及び/又は重質液相134のいずれかの質量流量の1%〜99%、例えば1〜50%、2〜45%、5〜40%、5〜30%、又は5〜20%で変化させることができる。また幾つかの態様においては、軽質液相及び重質液相の両方の一部をアセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない軽質液相の部分は、本明細書に記載するように第1のカラムに還流するか又は反応器に再循環することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない重質液相の部分は、反応器に再循環することができる。重質液相の一部を第1のカラムに還流することができるが、ヨウ化メチルが富化されている重質液相を反応器に戻すことがより望ましい。

0071

[0075]一態様においては、軽質液相及び/又は重質液相の一部を蒸留カラムに供給して、そのオーバーヘッド流を濃縮してアセトアルデヒド及びヨウ化メチルを有するようにする。構成に応じて、2つの別々の蒸留カラムを存在させることができ、第2のカラムのオーバーヘッド流をアセトアルデヒド及びヨウ化メチルで富化させることができる。in-situで形成される可能性があるジメチルエーテルも、オーバーヘッド流中に存在する可能性がある。オーバーヘッド流は1以上の抽出段階にかけて、ヨウ化メチルが富化されたラフィネート及び抽出剤を除去することができる。ラフィネートの一部は、蒸留カラム、第1のカラム、塔頂デカンター、及び/又は反応器に戻すことができる。例えば、重質液相をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を蒸留カラム又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。また、例えば軽質液相をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を、第1のカラム、塔頂デカンター、又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、抽出剤は更に蒸留して水を除去することができ、これは1以上の抽出段階に戻す。軽質液相よりも多くの酢酸メチル及びヨウ化メチルを含むカラム塔底流も、反応器に再循環、及び/又は第1のカラムに還流することができる。

0072

[0076]PRSには、単一の抽出段階、或いは例えば米国特許7,223,886に記載されているように複数の抽出段階を含ませることができる。場合によっては、これは多段対向流抽出を含む。種々の態様によれば、例えば(i)PRS蒸留カラム及び/又は(ii)PRS抽出段階のいずれか又は両方から誘導される1以上の流れを、システム、例えば酢酸製造システムに関する分離システムの(i)軽質留分除去カラム及び/又は(ii)乾燥カラムのいずれか又は両方に戻すことができる。例えば、PRSカラムからの塔底流の第1の部分、例えばアリコート部分を、更なる処理のために軽質留分カラム120に送ることができる。PRSカラムからの塔底流の第2の部分、例えばアリコート部分は、更なる処理のために乾燥カラム125、好ましくは乾燥カラム125の上部部分に送ることができる。他の例として、特にヨウ化メチルを含むPRS抽出ユニットからのラフィネートを、システム、例えば軽質留分カラム又は乾燥カラムに戻すことができ;或いはラフィネートをデカンター140に直接加えることができ、及び/又は反応器105に戻すことができる。

0073

[0077]本明細書及び特許請求の範囲の目的のためには、軽質留分除去カラム及び乾燥カラムのオーバーヘッド流及び塔頂デカンターは、軽質留分除去カラム及び/又は乾燥カラムの一部とみなされる。

0074

[0078]上記に示したように、低沸点の塔頂蒸気流133のいずれの相も、続いて処理してPRCを除去することができる。
[0079]本明細書の目的のためには、「アリコート部分」という用語は、(i)それがそれから誘導される親流と同じ組成を有する親流の一部;及び(ii)それがそれから誘導される親流と同じ組成を有する親流の一部、及びそれと混合した1以上の更なる流れを含む流れ;の両方を指すことを理解すべきである。而して、PRS蒸留塔底流のアリコート部分を含む戻り流を軽質留分カラムに送ることには、PRS蒸留塔底流の一部を軽質留分カラムに直接送ること、並びに(i)PRS蒸留塔底流の一部、及び(ii)軽質留分カラム中に導入する前にそれと混合する1以上の更なる流れを含む誘導流を送ることが包含される。「アリコート部分」は、例えば蒸留工程又は相分離工程において形成される流れ(これらは、それらがそれから誘導される親流と組成的に同じではなく、かかる流れからも誘導されない)を包含しない。

0075

[0080]本開示の利益を享受する当業者であれば、所望の結果を達成するようにPRS蒸留カラムを設計及び運転することができる。したがって、このプロセスの実施は、特定の蒸留カラムの具体的な特徴、又は全段数供給点還流比供給温度還流温度カラム温度プロファイルなどのようなその運転特性に必ずしも限定されない。

0076

[0081]幾つかの場合においては、軽質留分蒸留カラムの低沸点塔頂蒸気流から、より好ましくは軽質留分蒸留カラム120からの低沸点塔頂蒸気流の凝縮軽質相133から、PRC、主としてアセトアルデヒドのようなアルデヒドを除去することが有利である可能性がある。

0077

[0082]PRS131からの流れの1以上を、直接か又は間接的にシステムに戻す、例えば再循環させることができる。PRSは、好ましくはPRCを減少及び/又は除去するために少なくとも1つの蒸留カラム及び少なくとも1つの抽出カラムを含む。米国特許公開2011/0288333(参照として本明細書中に包含する)においては、本方法と共に用いることができる種々のPRSの態様が記載されている。

0078

[0083]一態様においては、図2に示されるように、PRS131は、カラム145、アキュムレーター150、及び抽出器155を含む。低沸点塔頂蒸気流133の少なくとも一部をデカンター140に送って、重質相流141、及び軽質相142を形成する。場合によっては、流れ142の一部を、流れ142’によってカラム120に戻す。更には、重質相141の一部を反応器105に戻すことができる。場合によっては、スリップ流(図示せず)、例えば重質相141の5〜40体積%又は5〜20体積%をPRS131に送る。オフガス成分は、ライン132を通してデカンター140から排出することができる。他の態様(図示せず)においては、重質相141のより大きな部分、例えば重質相の40〜100体積%、60〜100体積%、又は80〜100体積%をPRSに送ることができる。これらの態様においては、軽質相142はカラム120に還流することができ、或いは場合によっては、軽質相142のスリップ流、例えば5〜40体積%、又は5〜20体積%をPRSに送ることができる。

0079

[0084]軽質相142の少なくとも一部は、カラム145に送って、蒸気オーバーヘッド流146、並びに水、酢酸メチル、メタノール、及びこれらの混合物を含む塔底プロセス流147を形成する。蒸気オーバーヘッド流146は、凝縮器に通してアキュムレーター150内で回収する。凝縮された蒸気オーバーヘッド流の一部は、ライン151を通してカラム145に戻すことができる。凝縮された蒸気オーバーヘッド流の他の部分は、ライン152を通して抽出器155に送って、少なくとも1種類のPRC、例えばアセトアルデヒドを含む廃棄流156、及びヨウ化メチルを含むプロセス流157を形成する。水性流を、ライン158を通して抽出器155に、対向流を得る位置において供給することができる。

0080

[0085]DMEを、水性抽出相中におけるヨウ化メチルの溶解度を減少させるのに十分な量でPRS中に存在させることができる。水性抽出相中のヨウ化メチルの量を減少させることによって、廃棄流156中へのヨウ化メチルの損失が減少する。幾つかの態様においては、これによって、米国特許7,223,886及び8,076,507(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような多回抽出を可能にすることができる。DMEの量はヨウ化メチル濃度に応じて変動させることができ、幾つかの態様においては、DMEの量は、3〜9重量%、例えば4〜8重量%の範囲にすることができる。DMEは、PRS中に存在させるか、又はPRSに水を加えることによって(一般にはカラム145に水を加えることによって)PRS中で形成するか、或いは(一般に抽出器155の上流でDMEを加えることによって)PRSに加えることができる。

0081

[0086]而して一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩の存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成し、カルボニル化は反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持しながら行う、酢酸生成物の製造方法が提供される。この方法は、反応器内で形成された反応媒体を、フラッシュ容器内において分離して液体再循環流及び蒸気生成物流を形成し;第1のカラム内において蒸気生成物流を蒸留して、側流及び低沸点の塔頂蒸気流を得て;低沸点の塔頂蒸気流を凝縮し、凝縮された流れを二相分離して重質液相及び軽質液相を形成し;重質液相の一部を分離してアセトアルデヒド又は他のPRCを除去し;そして側流から酢酸生成物を回収する;ことを更に含み、酢酸生成物は250wppm以下の量のプロピオン酸を含む。

0082

第2のカラム:
[0087]側流123によって取り出された酢酸は、好ましくは第2のカラム125(乾燥カラムとも呼ぶ)などの中で更なる精製にかけ、側流123を分離して、主として水を含む水性オーバーヘッド流126、及び主として酢酸を含む生成物流127を形成する。側流からの水は水性オーバーヘッド流中に濃縮される。水性オーバーヘッド流は、側流中の水の90%以上、例えば95%以上、97%以上、99%以上を含む。水性オーバーヘッド流126は、50〜75重量%の量の水を含んでいてよい。幾つかの態様においては、水性オーバーヘッド流は、75重量%以下、例えば70重量%以下、65重量%以下の量の水を含んでいてよい。また、酢酸メチル及びヨウ化メチルも側流から取り出されて、オーバーヘッド流中に濃縮される。好ましくは酢酸を含むか又はこれから実質的に構成される生成物流127は、第2のカラム125の底部、又は底部付近の側流で排出することができる。底部付近の側流として排出する場合には、側流は液体又は蒸気流であってよい。好ましい態様においては、生成物流127は、90重量%以上、例えば95重量%以上、又は98重量%以上の量の酢酸を含む。生成物流127は、商業的使用のために貯蔵又は輸送する前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによって更に処理することができる。

0083

[0088]幾つかの態様においては、第2のカラムから排出される酢酸生成物はまた、実施的に無水であってよく、例えば0.2重量%以下の水、例えば0.15重量以下の水、0.12重量%以下の水、0.1重量%以下の水、又は0.05重量%以下の水を含んでいてよい。

0084

[0089]排出流、特にライン106、132、135、及び122から残渣液体を回収するために、これらのラインを、冷却したメタノール及び/又は酢酸を用いて運転されるスクラバーに供給して、酢酸メチル及びヨウ化メチルを除去することができる。好適なスクラバーは、米国特許8,318,977(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。

0085

[0090]本発明の蒸留カラムは、通常の蒸留カラム、例えば棚段塔充填塔などであってよい。棚段塔としては、多孔板カラム、バブルキャップカラム、キッテルトレーカラムユニフラックストレー、又はリップルトレーカラムを挙げることができる。棚段塔の理論段数は特に限定されず、分離する成分の種類によって左右し、棚段塔には、80段以下、例えば2〜80段、5〜60段、5〜50段、又はより好ましくは7〜35段を含ませることができる。蒸留カラムには、異なる蒸留装置組合せを含ませることができる。例えば、バブルキャップカラムと多孔板カラムの組合せ、並びに多孔板カラムと充填カラムの組合せを用いることができる。

0086

[0091]蒸留システムにおける蒸留温度及び圧力は、好適には、条件、例えば対象のカルボン酸の種類、及び蒸留カラムの種類、或いは供給流の組成にしたがってより低沸点の不純物及びより高沸点の不純物から選択される除去目標に応じて選択することができる。例えば、酢酸の精製を蒸留カラムによって行う場合には、蒸留カラムの内部圧力(通常はカラム頂部の圧力)は、ゲージ圧で0.01〜1MPa、例えば0.02〜0.7MPa、より好ましくは0.05〜0.5MPaであってよい。更に、蒸留カラムに関する蒸留温度、即ちカラム頂部の温度におけるカラムの内部温度は、カラムの内部圧力を調節することによって制御することができ、例えば20〜200℃、例えば50〜180℃、より好ましくは約100〜160℃であってよい。

0087

[0092]それぞれ蒸留システムに連絡しているカラム、バルブ、凝縮器、受容器ポンプ、リボイラー、及び内部部品、並びに種々のラインなどの蒸留システムに関係するそれぞれの部材又はユニットの材料は、ガラス、金属、セラミック、又はこれらの組み合わせのような好適な材料で構成することができ、具体的なものに特に限定されない。本発明によれば、上記の蒸留システム及び種々のラインの材料は、鉄合金、例えばステンレススチール、ニッケル又はニッケル合金ジルコニウム又はそのジルコニウム合金チタン又はそのチタン合金、或いはアルミニウム合金のような遷移金属又は遷移金属ベースの合金である。好適な鉄ベースの合金としては、主成分として鉄を含むもの、例えばステンレススチール(これは、クロム、ニッケル、モリブデンなども含む)が挙げられる。好適なニッケルベースの合金としては、主成分としてニッケル、及びクロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、マンガンなどの1以上を含むもの、例えばHASTELLOY(登録商標)及びINCONEL(登録商標)が挙げられる。耐腐食性の金属は、蒸留システム及び種々のラインのための材料として特に好適である可能性がある。

0088

酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度:
[0093]本明細書に記載するように、本発明方法によって、好ましくは10wppm以下、例えば9wppm以下、8wppm以下、6wppm以下、2wppm以下の酢酸ブチル濃度を有し、又は実質的に酢酸ブチルを含まない、例えば検出できない酢酸生成物、好ましくは高純度の酢酸生成物が形成される。範囲に関しては、酢酸生成物は、0〜10wppm、例えば0.1〜9wppm、0.2〜8wppm、0.3〜6wppm、又は0.5〜2wppmの酢酸ブチル含量を有することができる。

0089

[0094]酢酸生成物の酢酸ブチル濃度を制御するために調節することができる1つの変数は、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度である。ここに開示するように、酢酸ブチルは酢酸とブタノールから形成される副生成物であり、結局のところは図1に示されるようにアセトアルデヒドから誘導される。而して、アセトアルデヒド濃度が減少するにつれて、酢酸ブチル濃度は一般に減少する。ここに、図2などにおいてアセトアルデヒド除去システムを更に記載する。好ましくは、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度は、1500wppm以下、例えば1200wppm以下、1000wppm以下、900wppm以下、750wppm以下、500wppm以下、又は400wppm以下に維持する。而して一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化工程は、150〜250℃の温度、及び0.3〜2気圧の水素分圧、並びに反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度において行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;反応媒体中のアセトアルデヒド濃度を1500wppm以下に維持し;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持することを更に含む。

0090

[0095]反応媒体中のアセトアルデヒド濃度は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することによって制御することができる。これは、反応器に再循環することが意図され、蒸気オーバーヘッド流から誘導される流れを含むが、酢酸生成物流は除外される。本明細書において更に記載するように、軽質留分カラムとも呼ぶ第1のカラムからのオーバーヘッド流の一部は、処理してアセトアルデヒドを除去することができる。

0091

[0096]反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することに加えて、ここで、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、反応温度、水素分圧、及び反応媒体中の金属触媒濃度の少なくとも1つを調節することによって制御することができることが見出された。反応温度は、150〜250℃の範囲内、例えば180〜225℃の範囲内に調節することができる。水素分圧は、0.3〜2気圧、例えば0.3〜1.5気圧、0.4〜1.5気圧、又は0.3〜1気圧の範囲内に調節することができる。幾つかの形態においては、水素分圧は0.3気圧以上、例えば0.4気圧以上、0.45気圧以上、0.5気圧以上、0.6気圧以上、又は0.7気圧以上である。水素分圧は、一酸化炭素供給源中の水素の量を変化させるか、或いは反応器排出流を増加させることによって調節することができる。

0092

[0097]図1において開示する反応メカニズムに基づくと、プロピオン酸の濃度は、酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度によって影響を受ける可能性がある。プロピオン酸の濃度は、アセトアルデヒドの濃度、メタノール供給源のエタノール含量、水素分圧、一酸化炭素供給源の水素含量、及び反応圧力など(しかしながらこれらに限定されない)の他の変数によって影響を受ける可能性がある。エタノールは、メタノール供給源中に不純物として存在する可能性があり、これは1〜150wppm、例えば1〜100wppm、1〜50wppm、又は1〜25wppmの量で存在する可能性がある。メタノール供給源中のエタノール濃度は変化する可能性がある。場合によっては、カルボニル化反応器に供給する前にメタノール供給源を精製して、メタノール含量を増加させてエタノール含量を減少させる。したがって、メタノール供給源のエタノール濃度は、1wppm未満、例えばエタノールを含まなくすることができる。

0093

[0098]一態様においては、反応器内において、1〜150wppmの量のエタノールを含むメタノール供給源を、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成し、カルボニル化は150〜250℃の温度及び0.3〜2気圧の水素分圧で行い;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する;工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。

0094

[0099]酢酸生成物はまた、好ましくは、250wppm以下、例えば225wppm以下、200wppm以下、175wppm以下、150wppm以下、100wppm以下のプロピオン酸濃度を有する。一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化工程は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度の条件下で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;そして250wppm以下のプロピオン酸濃度を維持する;工程を更に含む。

0095

[0100]10wppm以下の酢酸ブチルを有する酢酸生成物に加えて、少量のヨウ化物、例えばアルキルヨウ化物などの有機ヨウ化物を有する酢酸生成物を製造することも有利である。公知なように、酢酸生成物中のヨウ化物は幾つかの用途に対して有害な不純物である。例えば、ヨウ化物不純物は、その後の酢酸の化学的転化において用いられる触媒の多くを被毒するので特に問題がある。ヨウ化物は、酢酸生成物を、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含む金属交換されたイオン交換樹脂のようなイオン交換樹脂と接触させることによって、酢酸生成物から除去することができる。好適な金属交換されたイオン交換樹脂を本明細書において更に記載する。イオン交換樹脂を用いる場合には、一態様においては、酢酸生成物は、100wppb以下、例えば90wppb以下、50wppb以下、25wppb以下、10wppb以下、7wppb以下、5wppb以下、3wppb以下、2wppb以下、又は1wppb以下の量のヨウ化物を含むようにすることができ、及び/又は幾つかの態様においては、酢酸生成物は、1wppb以上、例えば5wppb以上、10wppb以上、又は20wppb以上の量のヨウ化物を含むようにすることができる。

0096

[0101]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化工程は、150〜250℃の温度、及び0.3〜2気圧の水素分圧下、並びに反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度において行い;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;そして100wppb以下のヨウ化物濃度を維持する;工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。

0097

[0102]幾つかの態様において、イオン交換樹脂、特に金属交換されたイオン交換樹脂を用いる場合には、金属の一部は置換されるようになって、酢酸生成物中に望ましくない蓄積を与える可能性がある。本発明の目的のためには、置換される金属は、イオン交換樹脂中で用いられる金属、例えば銀、水銀、パラジウム、及びロジウムである。したがって、これらの金属の置換を制限するようにイオン交換樹脂を操作することが有利である。金属は、腐食金属、例えばニッケル、鉄、クロム、及び/又はモリブデン、精製系列に加えられる金属、例えばカリウム、或いは例えばリチウム、リン、又は窒素のような反応媒体中の化合物から誘導され/これによって生成する金属のような系中の他の金属によって置換される可能性がある。これらの金属がイオン交換樹脂中で用いられる金属を置換するのを制限することによって、10wppm以下の酢酸ブチルを有する酢酸生成物からヨウ化物を減少/除去することができ、イオン交換樹脂から置換される金属、例えば銀、水銀、パラジウム、及びロジウムも減少/除去される。而して、一態様においては、酢酸生成物は、500wppb以下、例えば100wppb以下、90wppb以下、75wppb以下、50wppb以下、又は25wppb以下の合計量の置換金属、例えば銀、水銀、パラジウム、及びロジウムを含んでいてよく、及び/又は幾つかの態様においては、酢酸生成物は、1wppb以上、例えば5wppb以上、10wppb以上、又は20wppb以上の合計量の置換金属を含んでいてよい。

0098

[0103]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度において行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;500wppb以下の合計量の酢酸生成物中の置換金属を維持し;そして場合によっては100wppb以下の酢酸生成物中のヨウ化物濃度を維持する;ことを更に含む。

0099

[0104]上記に示したように、一態様においては、酢酸生成物中の置換金属の濃度を制限するために、酢酸生成物中の腐食金属を制限することが好ましい。精製系列における腐食は、通常はカラム及びそれぞれのカラムに付随するユニットの金属の性質に関係なく起こる。本発明の目的のためには、腐食金属としては、ニッケル、鉄、クロム、及び/又はモリブデンが挙げられる。酢酸生成物中の腐食金属を制限することが有利である可能性がある。これは、これによって精製された生成物が生成し、また上記に記載の置換金属の量が減少するからである。一態様においては、酢酸生成物は、1000wppb以下、例えば750wppb以下、500wppb以下、250wppb以下、100wppb以下、又は70wppb以下の合計量の腐食金属、例えばニッケル、鉄、クロム、及び/又はモリブデンを含んでいてよく、及び/又は幾つかの態様においては、酢酸生成物は、1wppb以上、例えば5wppb以上、10wppb以上、25wppb以上、又は50wppb以上の合計量の腐食金属を含んでいてよい。

0100

[0105]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度の条件下で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;1000wppb以下の合計量の腐食金属を維持し;そして場合によっては100wppb以下のヨウ化物濃度を維持する;ことを更に含む。

0101

[0106]上記に示すように、一態様においては、酢酸生成物中の置換金属濃度を制限するために、酢酸生成物中のリチウムを制限することが好ましい。リチウム、特にリチウムカチオンは、ヨウ化リチウム及び/又は酢酸リチウムのような反応媒体中のリチウム化合物から誘導されるか及び/又はこれによって生成する可能性がある。一態様においては、金属交換されたイオン交換樹脂を接触させる前に、排出される粗酢酸生成物をカチオン交換樹脂と接触させてリチウムを減少及び/又は除去することができる。本発明において金属イオン汚染物質を除去するために好適な酸形態カチオン交換体には、強酸カチオン交換樹脂、例えば強酸巨大網状又はマクロ多孔質樹脂、例えばAmberlyst(登録商標)15樹脂DOW)、Purolite C145、又はPurolite CT145を含めることができる。樹脂はまた、酸形態の強酸カチオン交換メソ多孔質樹脂であってもよい。キレート樹脂及びゼオライトを用いることもできる。リチウムを除去することによって2つの有利性:酢酸生成物中の置換金属を減少させること、及び金属交換された樹脂の寿命延ばすこと;を与えることができる。一態様においては、酢酸生成物は、50wppb以下のリチウム、例えば25wppb以下、10wppb以下、又は5wppb以下のリチウムを含む。

0102

[0107]一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度の条件下で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;酢酸生成物中の50wppb以下のリチウムを維持し;そして場合によっては100wppb以下のヨウ化物濃度を維持する;ことを更に含む。

0103

[0108]一態様においては、ヨウ化物、置換金属、腐食金属、及び/又はリチウムの量を制限することが望ましい。一態様においては、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成する工程を含む、酢酸生成物の製造方法が提供される。カルボニル化は、150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmの金属触媒濃度の条件下で行う。この方法は、反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;500wppb以下の置換金属濃度を維持し;1000wppb以下の腐食金属濃度を維持し;酢酸生成物中の50wppb以下のリチウムを維持し;そして場合によっては100wppb以下のヨウ化物濃度を維持する;ことを更に含む。

0104

保護床
[0109]ハロゲン化物及び/又は腐食金属で汚染されているカルボン酸流、例えば酢酸流は、広範囲の運転条件下でイオン交換樹脂組成物と接触させることができる。好ましくは、イオン交換樹脂組成物は保護床内で与える。汚染されているカルボン酸流を精製するために保護床を用いることは、当該技術において、例えば米国特許4,615,806;5,653,853;5,731,252;及び6,225,498(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において十分に文書で記載されている。一般に、汚染されている液体カルボン酸流を、好ましくは保護床内に配置されているイオン交換樹脂組成物と接触させる。ハロゲン化物汚染物質、例えばヨウ化物汚染物質は金属と反応して金属ヨウ化物を形成する。幾つかの態様においては、ヨウ化物と会合することができる炭化水素基、例えばメチル基によってカルボン酸がエステル化される可能性がある。例えば、ヨウ化メチルで汚染されている酢酸の場合には、ヨウ化物除去の副生成物として酢酸メチルが生成する。このエステル化生成物の形成は、通常は処理されたカルボン酸流に対して有害な影響を与えない。

0105

[0110]一態様においては、イオン交換樹脂は金属交換されたイオン交換樹脂であり、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含ませることができる。一態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は銀によって占有される。他の態様においては、金属交換された樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は水銀によって占有される。この方法には、精製された酢酸生成物をカチオン交換樹脂で処理して、銀、水銀、パラジウム、又はロジウムを回収することを更に含ませることができる。

0106

[0111]接触工程中の圧力は、樹脂の物理的強度のみによって制限される。一態様においては、接触は、0.1MPa〜1MPa、例えば0.1MPa〜0.8MPa、又は0.1MPa〜0.5MPaの範囲の圧力において行う。しかしながら、便宜上の理由で圧力及び温度の両方を、好ましくは汚染されているカルボン酸流が液体として処理されるように定めることができる。而して、例えば経済学的考察に基づいて一般に好ましい大気圧において運転する場合には、温度は、17℃(酢酸の凝固点)乃至118℃(酢酸の沸点)の範囲にすることができる。他のカルボン酸化合物を含む生成物流に関して同様の範囲を定めることは当業者の理解しうる範囲内である。接触工程の温度は、好ましくは樹脂の分解を最小にするように比較的低く維持する。一態様においては、接触は、25℃〜120℃、例えば25℃〜100℃、又は50℃〜100℃の範囲の温度において行う。幾つかのカチオン巨大網状樹脂は、通常は、150℃の温度において(酸触媒芳香族脱スルホン化のメカニズムによって)分解し始める。5個以下の炭素原子、例えば3個以下の炭素原子を有するカルボン酸は、これらの温度において液体状態を維持する。而して、接触中の温度は、用いる樹脂の分解温度より低く維持しなければならない。幾つかの態様においては、運転温度は、液相運転及びハロゲン化物除去に関して所望の反応速度論合致する樹脂の温度限界より低く維持する。

0107

[0112]酢酸精製系列内の保護床の構成は広く変化させることができる。例えば、保護床は乾燥カラムの後に配することができる。更には又は或いは、保護床は、重質留分除去カラム又は仕上げカラムの後に配することができる。好ましくは、保護床は、酢酸生成物流の温度が低く、例えば120℃未満、又は100℃未満である位置に配する。上記で議論した有利性に加えて、より低い温度における運転によって、より高い温度における運転と比べて腐食がより少なくなる。より低い温度における運転によって、腐食金属汚染物質(これは上記で議論したように全体的な樹脂の寿命を減少させる可能性がある)の形成がより少なくなる。また、より低い運転温度によって腐食がより少なくなるので、有利なことに高価な耐腐食性金属で容器を形成する必要がなく、より低いグレードの金属、例えば標準的なステンレススチールを用いることができる。

0108

[0113]一態様においては、保護床を通る流量は、0.1床体積/時(BV/時)〜50BV/時、例えば1BV/時〜20BV/時、又は6BV/時〜10BV/時の範囲である。有機媒体の床体積は、樹脂床によって占められる体積に等しい媒体の体積である。1BV/時の流量は、樹脂床によって占められる体積に等しい量の有機液体が1時間の間で樹脂床を通過することを意味する。

0109

[0114]全ヨウ化物濃度が高い精製された酢酸生成物によって樹脂が使い尽くされることを回避するために、一態様においては、精製された酢酸生成物の全ヨウ化物濃度が5wppm未満、例えば好ましくは1wppm未満である場合は、塔底流127中の精製された酢酸生成物を保護床と接触させる。全ヨウ化物濃度には、有機のC1〜C14アルキルヨウ化物、及びヨウ化水素のような無機供給源の両方からのヨウ化物が含まれる。しかしながら、本発明の目的のためには、ヨウ化エチルは一般に保護床によっては除去されない。その代わりに、ヨウ化メチル、及びより高級のアルキルヨウ化物であるC6〜C14アルキルヨウ化物が除去される。保護床処理の結果として、精製された酢酸組成物が得られる。精製された酢酸組成物は、一態様においては、100wppb以下、例えば90wppb以下、50wppb以下、又は25wppb以下のヨウ化物を含む。一態様においては、精製された酢酸組成物は、100wppb以下、例えば750wppb以下、500wppb以下、又は250wppb以下の腐食金属を含む。範囲に関しては、精製された酢酸組成物は、0〜100wppb、例えば1〜50wppbのヨウ化物;及び/又は0〜1000wppb、例えば1〜500wppbの腐食金属;を含むようにすることができる。他の態様においては、保護床によって、粗酢酸生成物からヨウ化物の少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。一態様においては、保護床によって、粗酢酸生成物から腐食金属の少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。

0110

[0115]図面及び上記に示した明細書から明らかなように、種々の態様が意図される。
E1.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成し、カルボニル化は150〜250℃の温度、0.3〜2気圧の水素分圧、及び反応媒体の重量を基準として100〜3000wppmのロジウム触媒濃度で行い;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する;工程を含む、酢酸生成物の製造方法。

0111

E2.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類のメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化リチウムの存在下で一酸化炭素を用いて連続的にカルボニル化して反応媒体を形成し、カルボニル化は150〜250℃の温度及び0.3〜2気圧の水素分圧で行い;反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させ;そして10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持し;そして100wppb以下の酢酸生成物中のヨウ化物濃度を維持する;工程を含む、酢酸生成物の製造方法。

0112

E3.反応媒体が1500wppm以下のアセトアルデヒドを含む、態様E1又はE2のいずれかの方法。
E4.反応媒体が0.1〜4.1重量%の量の水を含む、態様E1〜E3のいずれかの方法。

0113

E5.ロジウム触媒濃度が400〜1500wppmである、態様E1〜E4のいずれかの方法。
E6.水素分圧が0.3〜1.5気圧である、態様E1〜E5のいずれかの方法。

0114

E7.水素分圧が0.4〜1.5気圧である、態様E1〜E6のいずれかの方法。
E8.メタノールを、1〜150wppmのエタノールの量のエタノールを含むメタノール供給源中で反応器中に導入する、態様E1〜E7のいずれかの方法。

0115

E9.酢酸生成物が250wppm以下のプロピオン酸を含む、態様E1〜E8のいずれかの方法。
E10.酢酸生成物が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属を含み、置換金属は500wppb以下の量で酢酸生成物中に存在する、態様E1〜E9のいずれかの方法。

0116

E11.酢酸生成物が、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属を含み、酢酸生成物中の腐食金属は1000wppb以下の量である、態様E1〜E10のいずれかの方法。

0117

E12.酢酸生成物が50wppb以下のリチウムを含む、態様E1〜E11のいずれかの方法。
E13.反応媒体が、0.5〜30重量%の酢酸メチルの量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む、態様E1〜E12のいずれかの方法。

0118

E14.反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することが、
(a)反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;
(b)蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、酢酸を含む側流、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;
(c)第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで第2のオーバーヘッド流は第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして
(d)第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;
ことを含む、態様E1〜E13のいずれかの方法。

0119

E15.第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は軽質液相の一部を含む、態様14の方法。

0120

E16.第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は重質液相の一部を含む、態様14の方法。

0121

E17.酢酸、メタノール、酢酸メチル、4.1重量%以下の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及び酢酸リチウムを含む反応媒体を与え;
反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して酢酸生成物を形成し;そして
10wppm以下の酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する;
ことを含む、酢酸生成物の製造方法。

0122

E18.酢酸ブチル濃度を、更に、反応温度、水素分圧、及び反応媒体中のロジウム触媒濃度の少なくとも1つを調節することによって維持する、態様E17の方法。
E19.水素分圧が0.3〜2気圧である、態様E17又はE18のいずれかの方法。

0123

E20.水素分圧が0.4気圧以上である、態様E17又はE18のいずれかの方法。
E21.酢酸生成物を金属交換されたイオン交換樹脂と接触させることを更に含む、態様E17〜E20のいずれかの方法。

0124

E22.100wppb以下の酢酸生成物中のヨウ化物濃度を維持することを更に含む、態様E17〜E21のいずれかの方法。
E23.酢酸生成物が250wppm以下のプロピオン酸を含む、態様E17〜E22のいずれかの方法。

0125

E24.酢酸生成物が、銀、水銀、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択される置換金属を含み、酢酸生成物中の置換金属は500wppb以下の量である、態様E17〜E23のいずれかの方法。

0126

E25.酢酸生成物が、ニッケル、鉄、クロム、及びモリブデンからなる群から選択される腐食金属を含み、酢酸生成物中の腐食金属は1000wppb以下の量である、態様E17〜E24のいずれかの方法。

0127

E26.酢酸生成物が50wppb以下のリチウムを含む、態様E17〜E25のいずれかの方法。
E27.反応媒体が、0.5〜30重量%の量の酢酸メチル、200〜3000wppmの量のロジウム触媒、1〜25重量%の量のヨウ化リチウム、及び1〜25重量%の量のヨウ化メチルを含む、態様E17〜E26のいずれかの方法。

0128

E28.アセトアルデヒドを除去することが、
(a)反応媒体の少なくとも一部を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流及び液体再循環流を与え;
(b)蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製された酢酸生成物、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及びアセトアルデヒドを含む第1のオーバーヘッド流を生成させ;
(c)第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部を蒸留して第2のオーバーヘッド流及び液相残渣を形成し、ここで第2のオーバーヘッド流は第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部に対してアセトアルデヒドが富化されており;そして
(d)第2のオーバーヘッド流を水で抽出して、アセトアルデヒドを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る;
ことを含む、態様E17〜E27のいずれかの方法。

0129

E29.第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は軽質液相を含む、態様E28の方法。

0130

E30.第1のオーバーヘッド流を凝縮及び二相分離して軽質液相及び重質液相を形成することを更に含み、ここで工程(c)において蒸留される第1のオーバーヘッド流の少なくとも一部は重質液相を含む、態様E28の方法。

0131

E31.メタノールを、ロジウム触媒、ヨウ化リチウム、及びヨウ化メチルの存在下で一酸化炭素と連続的に反応させて反応媒体を形成し、ここで反応は100℃〜300℃の温度及び0.3〜2気圧の水素分圧で行い、反応媒体は100〜3000wppmの濃度のロジウムを含み;
反応媒体から酢酸生成物を分離し;
酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を求め;
酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度が10wppmよりも高い場合には、温度、水素分圧、及びロジウム触媒濃度の少なくとも1つを調節し;そして
反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去して、反応媒体中の1500wppm以下のアセトアルデヒド濃度を維持する;
工程を含む、酢酸生成物の製造方法。

0132

[0116]本発明を詳細に記載したが、発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかになるであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は添付の特許請求の範囲において示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

0133

[0117]本発明は以下の非限定的な実施例を考慮してより良好に理解される。
実施例1:
[0118]以下のようにして酢酸生成物を製造した。反応媒体は、10.8重量%のヨウ化メチル、2.5重量%の酢酸メチル、4.1重量%の水、657wppmのロジウム、及び8.4重量%のヨウ化リチウムを含んでいた。反応温度は191.8℃であった。水素分圧は0.46気圧であった。反応媒体をフラッシングし、次に本明細書に記載するような軽質留分カラム、PRS、及び乾燥カラム内で分離した。酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度を時間中にわたって測定した。結果を図3に示す。酢酸ブチル濃度は、酢酸生成物中において安定して8wppmより低かった。

0134

実施例2:
[0119]水素分圧が0.30気圧であった他は、実施例1と同様に酢酸生成物を製造した。酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度を時間中にわたって測定した。結果を図4に示す。酢酸ブチル濃度は、酢酸生成物中において安定して6wppmより低かった。

0135

実施例3:
[0120]水素分圧が0.61気圧であった他は、実施例1と同様に酢酸生成物を製造した。酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度を時間中にわたって測定した。結果を図5に示す。酢酸ブチル濃度は、最終酢酸生成物中において安定して2wppmより低かった。

0136

実施例4:
[0121]反応媒体が約7重量%のヨウ化メチル、約2重量%の酢酸メチル、約2重量%の水、約1500wppmのロジウム、及び約9重量%〜10重量%のヨウ化リチウムを含んでいた他は、実施例1と同様に酢酸生成物を製造した。反応温度は約200℃であった。水素分圧は0.44気圧であった。酢酸ブチル濃度は、酢酸生成物中において安定して10wppmより低かった。

0137

比較例A:
[0122]米国特許6,303,813の実施例3に示されているように、以下のようにして酢酸生成物を製造した。反応媒体は、10.8重量%のヨウ化メチル、2.5重量%の酢酸メチル、4.1重量%の水、657wppmのロジウム、及び8.4重量%のヨウ化リチウムを含んでいた。反応温度は191.8℃であった。水素分圧は0.46気圧であった。反応媒体をフラッシングし、次に本明細書に記載するような軽質留分カラム及び乾燥カラム内で分離した。PRSは用いず、したがって反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドは除去しなかった。最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度は13wppmであった。

実施例

0138

比較例B:
[0123]米国特許6,303,813の実施例4に示されているように、以下のようにして最終酢酸生成物を製造した。反応媒体は、10.8重量%のヨウ化メチル、2.5重量%の酢酸メチル、4.1重量%の水、657wppmのロジウム、及び8.4重量%のヨウ化リチウムを含んでいた。反応温度は191.8℃であった。水素分圧は0.30気圧であった。反応媒体をフラッシングし、次に本明細書に記載するような軽質留分カラム及び乾燥カラム内で分離した。PRSは用いず、したがって反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドは除去しなかった。最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度は16wppmであった。

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