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技術 三層フィルム、三層フィルムの製造方法、積層板及びプリント回路基板

出願人 住友化学株式会社
発明者 伊藤豊誠杉山貴之根津秀明
出願日 2015年12月17日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-246169
公開日 2016年6月30日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-117281
状態 特許登録済
技術分野 プリント板の材料 積層体(2)
主要キーワード モデルサンプル プリント回路パターン 当業分野 含窒素複素環芳香族化合物 金属層部分 吸湿作用 ボンディング用フィルム 非熱可塑性樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

三層フィルム、三層フィルムの製造方法、積層板及びプリント回路基板の提供。

解決手段

この三層フィルムは、ポリイミド樹脂フィルムと、ポリイミド樹脂フィルムの両面に積層されたヒドロキシカルボン酸メソゲン基とする液晶ポリマー層とを含み、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)と前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層の厚み(T2)とが、以下の関係式(a)及び(b)を満たす(但し、2つのT2は互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。)。(a)20μm≦T1≦50μm(b)0.3≦T2/T1≦1.5

概要

背景

携帯電話パソコンデジタル家電などの電子機器に組み込まれるプリント配線板プリント基板プリント回路基板)には、絶縁層上に金属層が設けられた積層体が用いられる。このような積層体としては、例えば、金属箔等の導体からなる層と、絶縁層としてポリイミド樹脂フィルムからなる層とが積層された積層体が知られている(例えば特許文献1〜2)。また特許文献3には、金属層として銅箔を採用し、絶縁層として液晶ポリエステル樹脂層が積層された積層体が記載されている。
ポリイミド樹脂吸水性を有し、耐湿性が劣る。また、非熱可塑性樹脂であるため金属箔を直接積層させることができない。そこで例えば特許文献4〜5には、絶縁層として、液晶ポリマーフィルムとポリイミド樹脂の積層体を採用したことが記載されている。液晶ポリマーフィルムとしては、特許文献6〜9に記載のものが挙げられる。ポリイミド樹脂の吸水作用はプリント配線基板電気特性に大きな影響を与えるため、液晶ポリマーフィルムの採用方法はプリント配線基板の電気特性を良好なものとする上で重要である。

概要

三層フィルム、三層フィルムの製造方法、積層板及びプリント回路基板の提供。この三層フィルムは、ポリイミド樹脂フィルムと、ポリイミド樹脂フィルムの両面に積層されたヒドロキシカルボン酸メソゲン基とする液晶ポリマー層とを含み、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)と前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層の厚み(T2)とが、以下の関係式(a)及び(b)を満たす(但し、2つのT2は互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。)。(a)20μm≦T1≦50μm(b)0.3≦T2/T1≦1.5

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、プリント配線基板用の積層体に用いた際に、寸法安定性と電気特性に優れる三層フィルム、及び該三層フィルムの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリイミド樹脂フィルムの両面に、ヒドロキシカルボン酸メソゲン基とする液晶ポリマー層が積層されており、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)と前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層の厚み(T2)とが、以下の関係式(a)及び(b)を満たす三層フィルム(但し、2つのT2は互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。)。(a)20μm≦T1≦50μm(b)0.3≦T2/T1≦1.5

請求項2

前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層が、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来する構造単位を含有する請求項1に記載の三層フィルム。

請求項3

さらに、前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層が以下の構造単位(1)及び(2)を含有する請求項1又は2に記載の三層フィルム。 (1)−CO−Ar1−CO− (2)−X−Ar2−Y−(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基ナフチレン基ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子アルキル基又はアリール基置換されていてもよい。) (3)−Ar3−Z−Ar4−(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子カルボニル基スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一項に記載の三層フィルムが絶縁層として用いられ、この絶縁層の少なくとも片面に金属層が形成されている積層板

請求項5

前記金属層の最大高さ(Rz)が0.5〜2.5μmである請求項4に記載の積層板。

請求項6

前記金属層が銅を含む請求項4又は5に記載の積層板。

請求項7

請求項4乃至6のいずれか一項に記載の積層板を用いたプリント回路基板

請求項8

溶媒液晶ポリマーとを含む液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布し、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う液状組成物塗布工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位を含有する三層フィルムの製造方法。 (1)−CO−Ar1−CO− (2)−X−Ar2−Y−(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。) (3)−Ar3−Z−Ar4−(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

請求項9

溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物中にポリイミド樹脂フィルムを含浸させ、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う含浸工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)及び(2)を含有する三層フィルムの製造方法。 (1)−CO−Ar1−CO− (2)−X−Ar2−Y−(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。) (3)−Ar3−Z−Ar4−(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

請求項10

溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物と、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂液状組成物と、を準備する工程と、支持体上に前記液状組成物、前記ポリアミック酸樹脂液状組成物、前記液状組成物をこの順に三層に塗布する工程と、前記三層の液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、三層フィルム形成工程と、が含まれる三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)及び(2)を含有する三層フィルムの製造方法。 (1)−CO−Ar1−CO− (2)−X−Ar2−Y−(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。) (3)−Ar3−Z−Ar4−(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

技術分野

0001

本発明は、三層フィルム、三層フィルムの製造方法、積層板及びプリント回路基板に関する。

背景技術

0002

携帯電話パソコンデジタル家電などの電子機器に組み込まれるプリント配線板プリント基板、プリント回路基板)には、絶縁層上に金属層が設けられた積層体が用いられる。このような積層体としては、例えば、金属箔等の導体からなる層と、絶縁層としてポリイミド樹脂フィルムからなる層とが積層された積層体が知られている(例えば特許文献1〜2)。また特許文献3には、金属層として銅箔を採用し、絶縁層として液晶ポリエステル樹脂層が積層された積層体が記載されている。
ポリイミド樹脂吸水性を有し、耐湿性が劣る。また、非熱可塑性樹脂であるため金属箔を直接積層させることができない。そこで例えば特許文献4〜5には、絶縁層として、液晶ポリマーフィルムとポリイミド樹脂の積層体を採用したことが記載されている。液晶ポリマーフィルムとしては、特許文献6〜9に記載のものが挙げられる。ポリイミド樹脂の吸水作用はプリント配線基板電気特性に大きな影響を与えるため、液晶ポリマーフィルムの採用方法はプリント配線基板の電気特性を良好なものとする上で重要である。

先行技術

0003

特開2006−008976号公報
特開2013−032532号公報
特開2007−106107号公報
特開2008−290424号公報
特開2008−290425号公報
特開2013−189535号公報
特開2004−315678号公報
特開2007−238915号公報
特開2013−001902号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、プリント配線基板に求められる特性がますます高まり、プリント配線基板に用いられる積層体には未だ改良の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、プリント配線基板用の積層体に用いた際に、寸法安定性と電気特性に優れる三層フィルム、及び該三層フィルムの製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の第一の態様は、ポリイミド樹脂フィルムの両面に、ヒドロキシカルボン酸メソゲン基とする液晶ポリマー層が積層されており、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)と前記ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層の厚み(T2)とが、以下の関係式(a)及び(b)を満たすことを特徴とする三層フィルム(但し、2つのT2は互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。)である。
(a)20μm≦T1≦50μm
(b)0.3≦T2/T1≦1.5
本発明の第一の態様において、ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層が2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来する構造単位を含有することが好ましい。

0006

本発明の第一の態様において、ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層が、さらに、以下の構造単位(1)及び(2)を含有することが好ましい。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基ナフチレン基ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子アルキル基又はアリール基置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子カルボニル基スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0007

本発明の第二の態様は、前記第一の態様の三層フィルムが絶縁層として用いられ、この絶縁層の少なくとも片面に金属層が形成されている積層板である。
本発明の第二の態様において、前記金属層の最大高さ(Rz)が0.5〜2.5μmで形成されていることが好ましい。
本発明の第二の態様において、前記金属層は銅を含むことが好ましい。
本発明の第三の態様は、前記第五の態様の積層板を用いたプリント回路基板である。

0008

本発明の第四の態様は、溶媒液晶ポリマーとを含む液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布し、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う液状組成物塗布工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる、三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)及び(2)を含有する三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0009

本発明の第五の態様は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物中にポリイミド樹脂フィルムを含浸させ、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う含浸工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる、三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)及び(2)を含有する三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0010

本発明の第六の態様は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物と、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂液状組成物と、を準備する工程と、支持体上に前記液状組成物、前記ポリアミック酸樹脂液状組成物、前記液状組成物とをこの順に三層に塗布する工程と、前記三層の液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、三層フィルム形成工程と、が含まれる、三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)及び(2)を含有する三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

発明の効果

0011

本発明によれば、プリント配線基板用の積層体に用いた際に、寸法安定性と電気特性に優れる三層フィルム、及び該三層フィルムの製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の三層フィルムを説明するための模式図である。
本発明の三層フィルムを用いた積層体を説明するための模式図である。
本発明の第三の態様の三層フィルムの製造方法を説明するための概略図である。

0013

≪三層フィルム≫
まず、本発明の第一の態様である三層フィルムについて、図1を用いて説明する。
図1に、本発明の三層フィルム20を示す。三層フィルム20は、ポリイミド樹脂フィルム21の両面にヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層22a及び22bが積層されている。言い換えれば、三層フィルム20は、ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層22a及び22bと、前記液晶ポリマー層22a及び22bに挟まれたポリイミド樹脂フィルム21とを含む。
三層フィルム20は、ポリイミド樹脂フィルム21の厚み(T1)とヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマー層22a及び22bそれぞれの厚み(T2)とが、以下の関係式(a)及び(b)を満たし、2つのT2(図1中のT2a及びT2b)は互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。
(a)20μm≦T1≦50μm
(b)0.3≦T2/T1≦1.5

0014

[ポリイミド樹脂フィルム]
ポリイミド樹脂は、ジアミン類テトラカルボン酸二無水物出発原料として、重縮合によって得られる縮合型ポリイミドである。言い換えれば、ポリイミド樹脂は、ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物を出発原料とした重縮合反応物である縮合型ポリイミドである。ジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミドの合成に通常用いられる芳香族ジアミン類脂環式ジアミン類脂肪族ジアミン類等を用いることができる。ジアミン類は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
また、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物脂環式テトラカルボン酸二無水物脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を用いることができ、特に制限されることはない。テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
また、上記ジアミン類及びテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれか一方において、フッ素基トリフルオロメチル基水酸基スルホン基、カルボニル基、複素環、長鎖アルキル基等からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を1つあるいは複数有していてもよい。
本明細書において、モノマー重合された物質に対して使用される、用語「重合反応物」、「重縮合反応物」、「樹脂」等は、前記モノマーから導かれる構成単位繰り返し単位ともいう)からなる「重合反応物」、「重縮合反応物」、「樹脂」等を意味する。

0015

このようなポリイミドの中でも、ポリイミド樹脂フィルム21を形成した場合の機械強度屈曲性の観点から、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
ジアミン類については、芳香族ジアミン類、脂環式ジアミン類、脂肪族ジアミン類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリイミド樹脂フィルム21を形成した場合の機械強度、屈曲性の観点から、ジアミンとしては、芳香族ジアミンが好ましい。

0016

ポリイミド樹脂フィルムとしては、市販のポリイミド樹脂(PI)フィルムを用いることができ、例えば、宇部興産(株)製PIフィルム(U−ピレックスS、U−ピレックスR)、東レデュポン製PIフィルム(カプトン)、SKCコーロンPI社製PIフィルム(IF30、IF70、LV300)が挙げられる。

0017

本発明において、ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)は、下記(a)の式を満たす。
(a)20μm≦T1≦50μm
ここで、ポリイミド樹脂フィルムの厚さは、ポリイミド樹脂フィルムの任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なおポリイミド樹脂フィルムの厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、液晶ポリマー層22a及び22bなど、他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。
本発明において、入手が容易であるという観点から、ポリイミド樹脂フィルムの厚さは、20μm≦T1≦40μmであることが好ましく、20μm≦T1≦30μmであることがより好ましい。
ポリイミド樹脂フィルムの厚みが上記下限値以上であると、三層フィルムの絶縁特性姿勢保持機能を確保でき、上記上限値以下であると、適度な柔軟性を確保できる。

0018

[液晶ポリマー]
本発明の三層フィルムの液晶ポリマー層に用いる液晶ポリマーは、ヒドロキシカルボン酸をメソゲン基とする液晶ポリマーである。典型的な例としては、単独の又は複数種芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、単独の又は複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸芳香族ジオール芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を重合(重縮合)させてなるもの、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。言い換えれば、単独の又は複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合反応物、単独の又は複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の重合反応物(重縮合反応物)、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合反応物が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸に由来するメソゲン基は、特に限定されないが、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位を含有することが好ましい。ここで、メソゲン基とは、液晶分子の中に含まれる分子形状が棒状又は板状で分子長鎖に沿って剛性が高い分子鎖のことである。メソゲン基は、液晶ポリマーの主鎖又は側鎖のいずれか一方又は両方に存在してもよいが、高耐熱性を求めるならば主鎖に存在することが好ましい。
本発明においては、液晶ポリマーは、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位を含有することが好ましい。

0019

液晶ポリマーは、下記(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、を有することがより好ましい。

0020

(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0021

前記ハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。

0022

前記アルキル基の例としては、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、好ましくは1〜10である。

0023

前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、好ましくは6〜20である。
Ar1〜Ar4で表される前記基にある水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1〜Ar4で表される前記基毎に、それぞれ独立に、好ましくは2個以下であり、より好ましくは1個である。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は好ましくは1〜10である。

0024

繰返し単位(1)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1がp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar1がm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar1が2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びAr1がジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。

0025

繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Ar2がp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びAr2が4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。

0026

繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリマーを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは10モル%以上37.5モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上37.5モル%以下、よりさらに好ましくは25モル%以上37.5モル%以下である。

0027

同様に、繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは10モル%以上37.5モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上37.5モル%以下、よりさらに好ましくは25モル%以上37.5モル%以下である。

0028

ヒドロキシカルボン酸を由来とするメソゲン基の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは55モル%以下、より好ましくは20モル%以上50モル%以下、さらに好ましくは25モル%以上45モル%以下、よりさらに好ましくは30モル%以上45モル%以下である。液晶ポリマーにおいて、ヒドロキシカルボン酸を由来とするメソゲン基の含有量が55モル%より高いと、得られる液晶ポリマーは後述する溶媒に溶けにくくなる傾向にあるため、液晶ポリマー層が得られにくい傾向にある。

0029

繰返し単位(1)の含有量と繰返し単位(2)の含有量との割合は、[繰返し単位(1)の含有量]/[繰返し単位(2)の含有量](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1〜1/0.9、より好ましくは0.95/1〜1/0.95、さらに好ましくは0.98/1〜1/0.98である。

0030

なお、液晶ポリマーは、繰返し単位(1)〜(2)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリマーは、繰返し単位(1)〜(2)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは0モル%より多く10モル%以下、より好ましくは0モル%より多く5モル%以下である。

0031

液晶ポリマーは、繰返し単位(2)として、XとYとのいずれか一方又は両方がイミノ基であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位と、芳香族ジアミンに由来する繰返し単位と、のいずれか一方又は両方を有すると、溶媒に対する溶解性が優れるために好ましく、繰返し単位(2)として、XとYとのいずれか一方又は両方がイミノ基であるもののみを有すると、より好ましい。

0032

液晶ポリマーは、ヒドロキシカルボン酸を由来とするメソゲン基と、繰り返し単位(1)〜(2)とがランダムに結合しているものでもよいし、液晶性を示すのであればブロックコポリマーでもよい。

0033

液晶ポリマーは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマー溶融重合させ、得られた重合物プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリマーを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム酢酸第一錫、テトラブチルチタネート酢酸鉛酢酸ナトリウム酢酸カリウム三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。

0034

液晶ポリマーは、その流動開始温度が、好ましくは250℃以上、より好ましくは250℃以上350℃以下、さらに好ましくは260℃以上330℃以下である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり高いと、有機溶媒に対する溶解性が低くなり易かったり、溶液の粘度が高くなり易かったりする。

0035

なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kgf/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリマーを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリマーの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。

0036

本発明において、液晶ポリマー層は、前述のような液晶ポリマーと溶媒とを含む液状組成物により形成することができる。溶媒としては有機溶媒が好ましく、有機溶媒は、用いる液晶ポリマーが溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリマー]/[液晶ポリマー+有機溶媒])で溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。

0038

有機溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物を主成分とする溶媒(非プロトン性溶媒)、特にハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とする溶媒が好ましい。この非プロトン性化合物としては、液晶ポリマーを溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒を用いることが好ましい。また、有機溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。

0039

また、有機溶媒としては、液晶ポリマーを溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5(単位:デバイ)である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、上述の非プロトン性化合物であって、双極子モーメントが3〜5である化合物を用いることがより好ましい。
また、有機溶媒全体に占める双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。

0040

非プロトン性化合物であり、且つ双極子モーメントが3〜5である化合物としては、ジメチルスルホキシド(双極子モーメント:4.1デバイ)、N,N−ジメチルアセトアミド(3.7デバイ)、N,N−ジメチルホルムアミド(3.9デバイ)、N−メチルピロリドン(4.1デバイ)を例示することができる。

0041

また、有機溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とするとする溶媒が好ましく、上述の非プロトン性化合物であって、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることがより好ましい。また、有機溶媒全体に占める1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。

0042

非プロトン性化合物であり、且つ1気圧における沸点が220℃以下である化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点:160℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)を例示することができる。

0043

(液状組成物)
液状組成物中の液晶ポリマーの含有量は、液晶ポリマー及び有機溶媒の合計量に対して、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上45質量%以下であり、所望の粘度の液状組成物が得られるように、適宜調整される。

0044

また、液状組成物は、本発明の三層フィルムの効果を損なわない範囲で、充填材添加剤、液晶ポリマー以外の樹脂等の成分を1種以上含んでもよい。

0045

充填材の例としては、シリカアルミナ酸化チタンチタン酸バリウムチタン酸ストロンチウム水酸化アルミニウム炭酸カルシウム等の無機充填材;及びレベリング剤硬化エポキシ樹脂架橋ベンゾグアナミン樹脂架橋アクリル樹脂等の有機充填材が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは0質量部以上100質量部以下である。

0046

添加剤の例としては、レベリング剤、消泡剤酸化防止剤紫外線吸収剤難燃剤及び着色剤が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは0質量部以上5質量部以下である。

0047

液晶ポリマー以外の樹脂の例としては、ポリプロピレンポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィドポリエーテルケトンポリカーボネートポリエーテルスルホンポリフェニレンエーテル及びその変性物ポリエーテルイミド等の液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂グリシジルメタクリレートポリエチレンとの共重合体等のエラストマー;及びフェノール樹脂エポキシ樹脂シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、その含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは0質量部以上20質量部以下である。

0048

液状組成物は、液晶ポリマー、有機溶媒、及び必要に応じて用いられる他の成分を、一括で又は適当な順序で混合することにより調製することができる。他の成分として充填材を用いる場合は、液晶ポリマーを有機溶媒に溶解させて、液状組成物を得た後、この液状組成物に充填材を分散させることにより調製することが好ましい。

0049

本発明において、液晶ポリマー層の厚み(T2)は、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)との関係において、下記式(b)を満たす。
(b)0.3≦T2/T1≦1.5

0050

本発明において、「液晶ポリマー層の厚み」とは、ポリイミド樹脂フィルムの両面に積層された液晶ポリマー層のそれぞれの厚みを意味する。具体的には、図1中のT2a及びT2bのそれぞれが上記式(b)を満たす。
ここで、液晶ポリマー層の厚さは、液晶ポリマー層の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお液晶ポリマー層の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、ポリイミド樹脂フィルムなどの他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。

0051

本発明において、液晶ポリマー層の厚み(T2)は、前記ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)との関係が0.35≦T2/T1≦1.4の範囲であることが好ましく、0.4≦T2/T1≦1.3の範囲であることが特に好ましい。

0052

本発明の三層フィルムにおいて、例えば厚みが25μmのポリイミド樹脂フィルムを採用した場合、液晶ポリマー層の厚みは、7.5μm〜50μmが好ましく、8μm〜40μmがより好ましく、9μm〜35μmであることが特に好ましい。

0053

本発明の三層フィルムにおいて、液晶ポリマー層の厚み(図1中のT2a及びT2b)は、互いに独立し、同一であってもよく、異なっていてもよい。本発明においては、同一であることが好ましいが、本発明の効果を奏し、さらに三層フィルムに反りが生じない範囲であれば適宜調整・変更することができる。
例えば、ポリイミド樹脂フィルムが反りを防止できる程度の硬さを有する場合には、液晶ポリマー層の厚み(図1中のT2a及びT2b)に差を設けてもよい。
液晶ポリマー層の厚み(図1中のT2a及びT2b)を異なるものとする場合、例えばT2aの厚みとT2bの厚みの差は、±10%以内とすることが好ましく、±5%以内とすることがより好ましく、±3%以内とすることが特に好ましい。

0054

液晶ポリマーは、優れた低吸湿性絶縁性機械的強度等を有するため、液晶ポリマー層をポリイミド樹脂フィルムの両面に積層することにより、吸湿性を有するポリイミド樹脂フィルムの吸湿作用を高く抑制することができる。このため、本発明の三層フィルムに金属を積層させたプリント回路基板等が多湿環境に置かれた場合や、水に浸漬した場合であっても、ポリイミド樹脂フィルムの吸湿性に起因する電気特性の劣化を高く抑えることができる。

0055

また、液晶ポリマー層の厚み(T2)が、ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)との関係において、上記所定の上限値以下とすることにより、本発明の三層フィルムに金属を積層させた場合に、該金属積層体の寸法安定性を良好なものとすることができる。
さらに、液晶ポリマー層の厚み(T2)が、ポリイミド樹脂フィルムの厚み(T1)との関係において、上記所定の下限値以上とすることにより、ポリイミド樹脂フィルムの吸湿作用を高く抑制することができる。このため、本発明の三層フィルムに金属を積層させた場合に、該金属積層体の伝送損失を低下させる作用を高度に発現することができる。本発明の三層フィルムは、該三層フィルムの両面に金属層を積層した際、特に、高度な寸法安定性及び伝送損失低下作用を発現できる。従って、本発明の三層フィルムは、該三層フィルムの両面に金属層を積層して得られる積層体に用いることが好ましい。

0056

本発明の三層フィルムを好適に用いることができる積層体としては、例えば図2に示すように、本発明の三層フィルム20の両面に、金属層30a、30bを積層したものが挙げられる。すなわち、積層体は、金属層30a及び30bと、金属層30a及び30bに挟まれた三層フィルム20を含む。
金属層としては、銅、アルミ、銀又はこれらから選択される一種以上の金属を含む合金が好ましい。中でも、より優れた導電性を有する点から、銅又は銅合金が好ましい。そして、金属層は、材料の取扱いが容易で、簡便に形成でき、経済性にも優れる点から、金属箔からなるものが好ましく、銅箔からなるものがより好ましい。金属層を三層フィルムの両面に設ける場合、これら金属層の材質は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
金属層の厚さは、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは3〜35μmであり、さらに好ましくは5〜20μmである。
ここで、金属層の厚さは、金属層の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお金属層の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、液晶ポリマー層など、他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。

0057

≪三層フィルムの製造方法1≫
本発明の第二の態様は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布し、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う液状組成物塗布工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる本発明の第一の態様の三層フィルムの製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位(1)〜(2)とを含有することを特徴とする本発明の第一の態様の三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0058

[液状組成物塗布工程]
本発明の三層フィルムの製造方法は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布し、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う液状組成物塗布工程を有する。
溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物及びポリイミド樹脂フィルムに関する説明は、前記本発明の三層フィルム中における説明と同様である。
前記の液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布する方法としては、例えば、ローラーコート法ディップコーター法、スプレイコーター法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段が挙げられる。塗布時の温度は10〜40℃であることが好ましい。

0059

本発明においては、上記の塗布方法により、ポリイミド樹脂フィルムの両面に液状組成物を塗布する。この際、液晶ポリマー層が前記所定の厚みとなるように、液状組成物の塗布量を調整する。

0060

[溶媒除去工程]
前記[液状組成物塗布工程]の後、前記液状組成物中の溶媒を除去する。
ここで、溶媒の除去方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発により行うことが好ましい。該溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧通風などの方法が挙げられるが、中でも生産効率取り扱い性の観点から加熱して蒸発させることが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発せしめることがより好ましい。
溶媒除去工程における加熱処理は、溶液組成物に適用した溶媒により適宜選択すればよく、60〜200℃で60〜600秒間加熱処理すればよく、120〜600秒間であることが好ましい。下限値以上とすることで、溶媒が十分に除去され、得られた三層フィルムにおいて、ブロッキングが抑制される。
また、[溶媒除去工程]における溶媒の除去は完全である必要はなく、次の[加熱処理工程]で残存溶媒が除去されてもよい。液晶ポリマー層の表面荒れを防止する観点から、本[溶媒除去工程]により、溶媒を除去しておくことが好ましい。

0061

[加熱処理工程]
前記[溶媒除去工程]の後、加熱処理を行う。加熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気下で三層フィルムに熱を加えて加熱する方法が採用できる。加熱処理条件は、採用した液状組成物によって適宜調整すればよく、例えば、250℃から400℃の範囲で1分間から4時間行えばよい。

0062

本発明の第二の態様の三層フィルムの製造方法においては、まず、ポリイミド樹脂フィルムの片面に液状組成物を塗布し、前記液状組成物中の溶媒を除去する。次に、この操作をもう一方の面にも繰り返し行い、最後に加熱処理をすることにより、本発明の第一の態様の三層フィルムを得ることができる。

0063

≪三層フィルムの製造方法2≫
本発明の第三の態様は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物中にポリイミド樹脂フィルムを含浸させ、前記液状組成物で前記ポリイミド樹脂フィルムを覆う含浸工程と、前記液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位を含有することを特徴とする本発明の第一の態様の三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0064

[含浸工程]
含浸工程では、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物中にポリイミド樹脂フィルムを含浸させる。含浸時間は、30秒から5分間が好ましい。含浸時の温度は10〜40℃であることが好ましい。
溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物及びポリイミド樹脂フィルムに関する説明は、前記本発明の三層フィルム中における説明と同様である。
含浸工程後は、液状組成物が含浸されたポリイミド樹脂フィルムを、その厚さよりも間隔が狭い一対のロール間を通過させる。本工程により、ポリイミド樹脂フィルムの表面に過剰に付着した液状組成物を除去することができる。

0065

図3は、長尺のポリイミド樹脂フィルムを用い、含浸工程及びロール通過工程を連続的に行う方法を説明するための概略図である。ただし、ここに示すのは一例であり、本発明における含浸工程は、ここに示すものに限定されない。
ポリイミド樹脂フィルム10は、ガイドローラー4及びガイドローラーG1により誘導されて矢印方向に移動し、浸漬槽3で液状組成物Wに浸漬され、次いで、液状組成物含浸直後のポリイミド樹脂フィルム11は、浸漬槽3から引き上げられ、一対のロール5A及び5Bを備えたスクイズロール5に送られる。一対のロール5A及び5Bは、前記ポリイミド樹脂フィルム11を挟むように対向配置され、これらの間隔が、少なくとも前記ポリイミド樹脂フィルム11の厚さ(ポリイミド樹脂フィルム10とこれに含浸された液状組成物Wとを含む合計の厚さ)よりも狭くなるように調整されている。前記ポリイミド樹脂フィルム11は、このような一対のロール5A及び5B間を通過することで絞られ、余分な液状組成物が除去されると共に、液状組成物が内部に十分に含浸された液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルム12となる。

0066

一対のロール5A及び5Bは、自ら回転(自回転)するものでもよいし、液状組成物含浸直後のポリイミド樹脂フィルム11の走行に伴って回転するものでもよい。一対のロール5A及び5Bが、自回転するものである場合、液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルム12における液状組成物の付着量を容易に調整でき、また、目的とする液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルムの表面も十分にならされ、表面の平滑性が向上する。

0067

液晶ポリマー層の膜厚は、浸漬槽3からの引き上げ速度や、スクイズロール5において、一対のロール5A及び5B間の間隔を調整することにより、所定の膜厚に調整した三層フィルムを得ることができる。

0068

本発明の第三の態様における[溶媒除去工程]及び[加熱工程]に関する説明は、前記本発明の第二の態様における説明と同様である。
具体的には、[溶媒除去工程]として、ロール5A及び5B間を通過した前記液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルムを、60〜200℃で60〜600秒間加熱処理すればよく、120〜600秒間であることが好ましい。
この加熱処理により、液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルムに含浸された液状組成物の溶媒が蒸発して除去され、目的とする三層フィルムが得られる。
そして、[加熱工程]として、例えば、250℃から400℃の範囲で1分間から4時間加熱処理を行えばよい。加熱処理の温度及び時間をこのように設定することにより、ボイドが低減された三層フィルムが安定して得られる。

0069

≪三層フィルムの製造方法3≫
本発明の第四の態様は、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物と、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂液状組成物とを準備する工程と、支持体上に前記液状組成物、前記ポリアミック酸樹脂液状組成物、前記液状組成物とをこの順に三層に塗布する工程と、前記三層の液状組成物中の溶媒を除去する溶媒除去工程と、加熱処理工程と、が含まれる製造方法であって、前記液晶ポリマーとして、2−ヒドロキシ安息香酸又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する構造単位と、以下の構造単位を含有することを特徴とする本発明の第一の態様の三層フィルムの製造方法である。
(1)−CO−Ar1−CO−
(2)−X−Ar2−Y−
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(3)で表される基を示す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、又はAr2で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(3)−Ar3−Z−Ar4−
(Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)

0070

[ポリアミック酸樹脂液状組成物]
ポリイミド樹脂は、ポリイミドの前駆体、即ち、ポリアミック酸からの脱水転化反応により得られる。当該転化反応を行う方法としては、熱によってのみ行う熱キュア法と、化学脱水剤を使用する化学キュア法の2つの方法が知られている。
ポリアミック酸は、例えば特許文献1に記載されているように、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを原料に重合させることにより、得ることができる。ポリアミック酸を200℃以上の加熱(熱キュア法)又は化学閉環剤によって処理(化学キュア法)することにより、脱水・環化反応を進め、ポリイミド樹脂を得ることができる。

0071

[支持体上に溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物、ポリアミック酸樹脂液状組成物、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物とをこの順に三層に塗布する工程]
本工程において、支持体としては、通常、ガラス等が用いられるが、導体を用いることもできる。かかる導体としては、金、銀、銅、アルミニウムニッケルステンレスなどの金属板または金属箔が挙げられる。
溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物及びポリアミック酸樹脂液状組成物を支持体上に流延する方法としては、前記溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物又はポリアミック酸樹脂液状組成物を、必要に応じて、フィルターなどによってろ過し、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物及びポリアミック酸樹脂液状組成物中に含まれる異物を除去した後、支持体上にローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段により表面平滑かつ均一に流延し、その後、溶媒を除去することによって得ることができる。
支持体上には、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物、ポリアミック酸樹脂液状組成物、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物とをこの順に三層に塗布する。この際、液晶ポリマー層が前記所定の厚みとなるように、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物の塗布量を調整する。

0072

本発明の第四の態様における[溶媒除去工程]に関する説明は、前記本発明の第二の態様における説明と同様である。

0073

[三層フィルム形成工程]
次いで加熱処理し、支持体を剥離して三層フィルムを得ることができる。ここで、加熱処理することに替えて、化学閉環剤によって処理することにしてもよい。この場合の化学閉環剤としては、ポリアミド酸からポリイミドを得るのに使用されているものを用いることができ、例えば、ピリジン、無水酢酸安息香酸等が用いられる。加熱処理する場合には、窒素雰囲気下で250〜400℃の温度範囲とするのがよい。

0074

本発明の第四の態様の三層フィルムの製造方法においては、支持体上に、まず、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物を塗布し、前記液状組成物中の溶媒を除去する。次に、ポリアミック酸樹脂液状組成物を塗布し、前記ポリアミック酸樹脂液状組成物の溶媒を除去する。さらに、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物を塗布し、前記液状組成物中の溶媒を除去する。最後に加熱処理又は化学閉環剤によって処理を行い、支持体から剥離することにより、三層フィルムを得ることができる。
また、本発明の第四の態様の三層フィルムの製造方法においては、支持体上に、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物、ポリアミック酸樹脂液状組成物及び溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物をこの順に塗布し、前記液状組成物中の溶媒を除去する。最後に加熱処理又は化学閉環剤によって処理を行い、支持体から剥離することにより、三層フィルムを得てもよい。

0075

≪積層板≫
本発明の第五の態様は、前記第二〜四の態様により得られた三層フィルムが絶縁層として用いられ、この絶縁層の少なくとも片面に金属層が形成されている積層板である。
本発明の積層板は、前記三層フィルムの少なくとも片面に金属層が形成されていればよいが、両面に金属層が積層されていることが好ましい。すなわち、積層板は、第1及び第2の金属層と、第1及び第2の金属層に挟まれた三層フィルムとを含んでいることが好ましい。前記三層フィルムの両面に金属層が積層された積層板としてより具体的には、図2に示す積層体であって、図2中の30a及び30bが金属層である積層板である。

0076

上記三層フィルムに積層する金属層について説明する。
本発明の積層板における金属層は、300℃で熱処理後の引張弾性率が60GPa以下であり、破断点応力が150MPa以下である銅箔である。該引張弾性率に係る下限としては、実用的な範囲で10GPa以上であり、20GPa以上であると好ましい。該破断点応力に係る下限としては、実用的な範囲で20MPa以上であると好ましく、30MPa以上であると特に好ましい。 本発明に用いられる金属層の種類としては、電解により形成された層、圧延により形成された層のいずれであってもよいが、上記の特性の金属層の一例として、銅箔を得るためには、当業分野で周知であるHigh Temperature Elongation(高温高伸び銅箔、以下「HTE銅箔」と略す)や圧延銅箔として市販されている銅箔から、JIS C2151で規定される手法にて引張弾性率と破断点応力を求めて、選択することができる。

0077

本発明の積層板に用いられる金属層の厚みは、好ましくは5μmを越えて35μm以下の範囲である。特に9〜28μmの範囲にあることが好ましい。金属層の厚みが上記の範囲であると、積層板の製造時に、金属層のテンションの調整が容易であり、得られる積層板の屈曲性が、より向上するため好ましい。
ここで、金属層の厚さは、金属層の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお金属層の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、三層フィルムなど、他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。
また、積層板にける、金属層の最大高さ(Rz)は、0.5〜2.5μmの範囲内にあることが好ましく、0.6〜2.4μmの範囲内がより好ましく、0.6〜2.2μmの範囲内が特に好ましい。
本発明に適用する金属層として好ましいものを具体的に例示すると、銅箔が好ましく、中でも、HTE銅箔としては例えば、SQ−HTE銅箔(三井金属鉱業社製)、3EC−M3S−HTE銅箔(三井金属鉱業社製)、NS−HTE銅箔(三井金属鉱業社製)、3EC−HTE銅箔(三井金属鉱業社製)、F2−WS銅箔(古河電工社製)、HLB(日本電解社製)、CF−T4X−DS−SVR(福田金属箔粉社製)等が挙げられ、圧延銅箔としては例えば、RCF−T5B−HPC(福田金属箔粉社製)、BHY−22B−T(JX日鉱日石金属社製)、BHY−22B−HA(JX日鉱日石金属社製)、BHYA−T(JX日鉱日石金属社製)、BHYA−HA(JX日鉱日石金属社製)等が挙げられる。これらの銅箔は市場から容易に入手可能である。

0078

本発明の積層板に上記の特性を有する銅箔を用いることにより、金属層と樹脂層との密着性にも優れ、柔軟性および耐折性も良好な積層板を実現することができる。

0079

前記三層フィルムと金属層とを一体化する方法としては、金属層と三層フィルムとを熱プレスする方法が好適に用いられる。例えば、常用プレス機を用いて、200〜350℃、3〜10MPaの圧力で、10分間〜60分間保持して、熱プレスを行う方法が挙げられる。
このようにして得られる本発明の液晶ポリマー積層板は、寸法安定性、低吸湿性などの優れた特性から、近年注目されているビルドアップ工法などにより得られる半導体パッケージマザーボード用の多層プリント基板フレキシブルプリント配線基板テープオートメティッドボンディング用フィルム等に好適に用いられる。

0080

<プリント回路基板>
本発明の第六の態様は、前記三層フィルムを絶縁層として用いたことを特徴とするプリント回路基板である。本発明のプリント回路基板は、絶縁層として前記三層フィルムを用いること以外は、公知のプリント回路基板と同様の構成とすることができ、同様の方法で製造できる。すなわち、プリント回路基板は、三層フィルムを含む絶縁層と、前記三層フィルム上に位置する回路パターンとを含む。言い換えれば、プリント回路基板は、少なくとも一つの三層フィルムを含む絶縁層と、絶縁層の少なくとも第1の面と第2の面の一方に形成された回路パターンとを含む。絶縁層は、一つの三層フィルムからなってもよいし、複数の三層フィルムが積層されていてもよい。回路パターンは、第1の面のみに位置してもよく、第1の面に第1の回路パターンが位置し、第2の面に第2の回路パターンが位置していてもよい。

0081

本発明のプリント回路基板は、例えば、一枚の前記三層フィルムからなる絶縁層、若しくは複数枚の前記三層フィルムが積層されてなる絶縁層の、片面又は両面に、金属層が設けられた積層体を作製し、かかる積層体の金属層にエッチング等により所定の回路パターンを形成し、この回路パターンが形成された積層体をそのまま、又は必要に応じて二枚以上を積層することにより、製造できる。本発明のプリント回路基板は、三層フィルムの両面に金属層が積層されたものであることが好ましい。つまり、プリント回路基板は、三層フィルムと、三層フィルムの第1の面に位置する第1の回路パターンと、三層フィルムの第2の面に位置する第2の回路パターンとを含むことが好ましい。

0082

複数枚の前記三層フィルムが積層された絶縁層の場合、これら複数枚の三層フィルムは、すべて同じでもよいし、一部のみ同じでもよく、すべて異なっていてもよい。また、その枚数は2枚以上であれば特に限定されない。このような絶縁層は、例えば、複数枚の三層フィルムを、その厚さ方向に重ね合わせ、加熱プレスして互いに融着させ、一体化させることで作製できる。

0083

金属層の材質は、銅、アルミ、銀又はこれらから選択される一種以上の金属を含む合金が好ましい。なかでも、より優れた導電性を有する点から、銅又は銅合金が好ましい。そして、金属層は、材料の取扱いが容易で、簡便に形成でき、経済性にも優れる点から、金属箔からなるものが好ましく、銅箔からなるものがより好ましい。金属層を絶縁層の両面に設ける場合、これら金属層の材質は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
金属層の厚さは、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは3〜35μmであり、さらに好ましくは5〜20μmである。
ここで、金属層の厚さは、金属層の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお金属層の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、三層フィルムなど、他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。

0084

金属層を設ける方法としては、金属箔を絶縁層の表面に融着させる方法、金属箔を絶縁層の表面に接着剤接着させる方法、絶縁層の表面をめっき法、スクリーン印刷法又はスパッタリング法により、金属粉又は金属粒子被覆する方法が例示できる。

0085

絶縁層が、複数枚の前記三層フィルムが積層されてなる場合には、これら三層フィルムをその厚さ方向に重ねて配置し、最も外側に位置する一方の又は両方の三層フィルムの表面に、さらに金属箔を重ねて、これら金属箔及び複数枚の三層フィルムを加熱プレスすることで、絶縁層を形成するときに、絶縁層の片面又は両面に金属層も同時に設けることができる。

0086

金属層をパターニングすることにより、回路パターンを形成する。回路パターンを形成する方法としては、エッチング等が例示できる。エッチング(加工)に関し簡単に説明する。まず、該金属層が所定の回路パターンになるように、該金属層のマスキングを行う。次いで、マスキングされた金属層の部分とマスキングされていない金属層の部分において、後者の金属層の部分をウェット法薬剤処理)というエッチング加工によって除去する。このエッチング加工に用いる薬剤としては、例えば塩化第二鉄水溶液が挙げられる。また、該マスキングとしては、市販のエッチングレジストドライフィルムを用いればよい。
次いで、マスキングされた金属層部分からエッチングレジストやドライフィルムをアセトンや水酸化ナトリウム水溶液で除去する。このようにして金属層をパターニングすることにより、所定の回路パターン(配線)形成することができる。

0087

以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。

0088

<製造例1>
攪拌装置トルクメータ窒素ガス導入管温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(以下、「HNA」と記載する。)677.4g(3.6モル)、4−ヒドロキシアセトニリド(以下、「APAP」と記載する。)332.6g(2.2モル)、イソフタル酸(以下、「IPA」と記載する。)99.7g(0.6モル)、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸(以下、「DEDA」と記載する。)413.2g(1.6モル)、及び無水酢酸673.8g(6.6モル)を仕込んだ。
反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機粉砕後、偏光顕微鏡(NIKON社製ECLIPSE LV100POV)を用いた観察により230℃で液晶相特有シュリーレン模様を示すことが確認された。更に、粉末状の液晶ポリマーを窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固相重合反応を進めた。得られた液晶ポリマー粉末100gをN−メチル−2−ピロリドン900gに加え、120℃に加熱し完全に溶解し、褐色透明な液晶ポリマー溶液組成物(1)を得た。

0089

<製造例2>
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、4−ヒドロキシアセトアニリド(以下、「APAP」と記載する。)332.6g(2.2モル)、イソフタル酸(以下、「IPA」と記載する。)99.7g(0.6モル)、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸(以下、「DEDA」と記載する。)413.2g(1.6モル)及び無水酢酸269.5(2.6モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、偏光顕微鏡観察を室温から400℃まで昇温しながら実施したが、液晶相特有のシュリーレン模様は観察できなかった。

0090

[実施例1]
液晶ポリマー溶液組成物(1)を市販のポリイミド樹脂フィルムである膜厚25μmのカプトンH(東レデュポン社製)の上にフィルムアプリケーター塗布厚み100μm)を用いて片面を塗布し、熱風乾燥機で100℃で加熱して溶媒を除去し、この操作をもう一方の面にも繰り返して行い、高温熱風乾燥機で300℃に加熱処理して三層フィルム(液晶ポリマー/ポリイミド/液晶ポリマー=10μm/25μm/10μm)を得た。

0091

上記で得られた三層フィルムを絶縁層としてその両面に銅箔(JX日鉱日石金属(株)製の「BHY−22B−T」(厚さ18μm、Rz=0.7μm))を積層した。これを高温真空プレス機川精機(株)製の「KVHC−PRESS」、縦300mm、横300mm)により、温度340℃、圧力5MPaの条件にて20分間にわたって熱プレスして一体化させることにより、両面銅張積層板を得た。

0092

上記で得られた両面銅張積層板について、TDR測定を行い50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、グランド層を有する配線幅が110μm、長さが100mmの回路パターンを形成した。

0093

<伝送損失測定>
回路パターンが形成されたプリント回路パターンについて、アジレント・テクノロジー(株)製の測定プローブ「E8363B」を用いて伝送損失(S21パラメーター)を測定した。23℃48時間水への浸漬前後で周波数GHz、10GHz、20GHz、40GHzにおける伝送損失を測定した。
水への浸漬前の5GHz、10GHz、20GHz、40GHzにおける伝送損失を表3、4に示す。また、23℃×48h浸漬前後の伝送損失(周波数5GHz)の変化率を表3、4に示す。

0094

<寸法安定性評価
塩化第二鉄溶液(木田社製、40°ボーメ)を用いて、両面銅張積層板から銅箔を全て除去し、JIS C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して、熱機械分析装置リガク社製「Thermo plus TMA8310」)を用いて、20mm×50mmの試験片(絶縁層)に2.5gの荷重をかけながら、窒素気流下、5℃/分で250℃まで昇温時の面内の熱膨張係数を測定した(温度範囲50〜250℃:1Stスキャン)。その結果を表1及び2に示す。

0095

[実施例2]
実施例1においてフィルムアプリケータ—の塗布厚みを200μmに変更して三層フィルム(液晶ポリマー/ポリイミド/液晶ポリマー=20μm/25μm/20μm)を得る以外同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。得られた銅張積層板について、TDR測定を行い50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、配線幅が142μm、長さが100mmとなった。

0096

[実施例3]
実施例1において市販のポリイミド樹脂フィルムである膜厚25μmのユーピレックスS(宇部興産社製)を使用した以外同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。得られた銅張積層板について、TDR測定を行い、50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、配線幅が110μm、長さが100mmであった。

0097

[実施例4]
実施例1において、銅箔(古河電工(株)製の「F2−WS」(厚さ18μm、Rz=2.1μm))を積層した以外、同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。得られた銅張積層板について、TDR測定を行い、50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、配線幅が110μm、長さが100mmとなった。

0098

[実施例5]
実施例1においてフィルムアプリケータ—の塗布厚みを250μmに変更して三層フィルム(液晶ポリマー/ポリイミド/液晶ポリマー=25μm/25μm/25μm)を得る以外同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。

0099

[実施例6]
実施例1においてフィルムアプリケータ—の塗布厚みを335μmに変更して三層フィルム(液晶ポリマー/ポリイミド/液晶ポリマー=33.5μm/25μm/33.5μm)を得る以外同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。

0100

[比較例1]
実施例1においてフィルムアプリケータ—の塗布厚みを50μmに変更して三層フィルム(液晶ポリマー/ポリイミド/液晶ポリマー=5μm/25μm/5μm)を得る以外同様の操作を行い、銅張積層板を作製した。得られた銅張積層板について、TDR測定を行い50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、配線幅が95μm、長さが100mmとなった。水浸漬前後での伝送損失の変化が23%と大きいことがわかった。

0101

[比較例2]
市販のポリイミド樹脂フィルムを使用した銅張積層板であるエスパネックス−MB(新日鐵住金化学社製、ポリイミド膜厚50μm)を用いてTDR測定を行い50Ωとなるようにプリント回路基板を作製した結果、配線幅が110μm、長さが100mmとなった。
次いでモデルサンプルについて、アレンジト・テクノロジー(株)製の測定プローブ「E8363B」を用いて、プリント回路基板の伝送損失(S21パラメーター)を測定した。
水浸漬前後での伝送損失の変化が35%と大きいことがわかった。

0102

[比較例3]
液晶ポリマー溶液組成物(1)を銅箔(JX日鉱日石金属(株)製の「BHY−22B−T」(厚さ18μm、Rz=0.7μm))の上にフィルムアプリケーター(塗布厚み500μm)を用いて片面を塗布し、熱風乾燥機を用いて100℃で加熱して溶媒を除去し、高温熱風乾燥機で300℃に加熱処理して片面銅張積層板(50μm)を得た。

0103

上記で得られた片面銅張積層板の液晶ポリマー上にさらに銅箔(JX日鉱日石金属(株)製の「BHY−22B−T」(厚さ18μm、Rz=0.7μm))を積層し、高温真空プレス機(北川精機(株)製の「KVHC−PRESS」、縦300mm、横300mm)により、温度340℃、圧力5MPaの条件にて20分間にわたって熱プレスして一体化させることにより、両面銅張積層板を得た。

0104

塩化第二鉄溶液(木田社製、40°ボーメ)を用いて、両面銅張積層板から銅箔を全て除去し、JIS C6481「プリント配線用銅張積層板試験方法」に準拠して、熱機械分析装置(リガク社製「Thermo plus TMA8310」)を用いて、20mm×50mmの試験片(絶縁層)に2.5gの荷重をかけながら、窒素気流化、5℃/分で250℃まで昇温時の面内の熱膨張係数を測定した(温度範囲50〜250℃、1Stスキャン)。三層フィルムと比べ、大きく膨張し寸法変化が大きいことがわかった。

0105

[比較例4]
市販の液晶ポリマーフィルム(クラレ社製クスター50μm)を絶縁層としてその両面に銅箔(JX日鉱日石金属(株)製の「BHY−22B−T」(厚さ18μm、Rz=0.7μm))を積層した。これを高温真空プレス機(北川精機(株)製の「KVHC−PRESS」、縦300mm、横300mm)により、温度340℃、圧力5MPaの条件にて20分間にわたって熱プレスして一体化させることにより、両面銅張積層板を得た。

0106

塩化第二鉄溶液(木田社製、40°ボーメ)を用いて、両面銅張積層板から銅箔を全て除去し、JIS C6481「プリント配線用銅張積層板試験方法」に準拠して、熱機械分析装置(リガク社製「Thermo plus TMA8310」)を用いて、20mm×50mmの試験片(絶縁層)に2.5gの荷重をかけながら、窒素気流化、5℃/分で250℃まで昇温時の面内の熱膨張係数を測定した(温度範囲50〜250℃、1Stスキャン)。三層フィルムと比べ、大きく収縮し寸法変化が大きいことがわかった。

0107

0108

0109

0110

0111

上記結果に示したとおり、本発明の三層フィルムを用いた実施例1〜4の両面銅張積層板は、比較例1の両面銅張積層板に比べて水浸漬前後の伝送損失の変化率が低く、さらに、寸法安定性も良好であった。
また、実施例5〜6のように液晶ポリマー層を厚くさせた場合でも寸法安定性が良好なものであった。実施例5〜6の三層フィルムは液晶ポリマー層が厚いため、実施例5〜6の三層フィルムを用いてプリント回路基板を作製した場合、該プリント回路基板の伝送損失の変化率は、実施例1〜4と同等又はそれ以上に低くなるという効果を十分に奏することができる。
なお、比較例3〜4は、本発明の三層フィルムと比べ、寸法変化が大きかったため、伝送損失の測定は行わなかった。

0112

上述のように、本明細書の実施例においては、溶媒と液晶ポリマーとを含む液状組成物をポリイミド樹脂フィルム上に塗布することにより、三層フィルムを製造した。三層フィルムは、該方法の他、下記<含浸による三層フィルムの製造方法>又は<順次塗布による三層フィルム製造方法>においても製造することができ、該方法により製造される三層フィルムと上記実施例において製造した三層フィルムとは、同様の効果を奏するものである。

0113

<含浸による三層フィルムの製造方法>
市販のポリイミド樹脂フィルムであるカプトン200H(東レデュポン社製;50μm)を液晶ポリマー溶液組成物(1)に室温で1分間浸漬してから引き上げ、過剰に表面に付着した液晶ポリマーを落とすため、一対のロール間を通過させた後、熱風乾燥機で溶媒を蒸発させ、さらに、高温熱風乾燥機を用いて、加熱処理を行うことで三層フィルムが作製できる。
この際、引き上げ速度を調整することで、液晶ポリマーの膜厚も調整できる。

実施例

0114

<順次塗布による三層フィルム製造方法>
支持体として、SUS箔上に液晶ポリマー溶液組成物(1)、ポリアミック酸樹脂液状組成物、液晶ポリマー溶液組成物(1)の順に塗布し、熱風乾燥機を用いて100℃で加熱して溶媒を除去、次いで330℃に加熱処理を行い、支持体から剥離することで三層フィルムが作製できる。

0115

20・・・三層フィルム、21・・・ポリイミド樹脂フィルム、22a、22b・・・液晶ポリマー層、30a、30b・・・金属層、3・・・浸漬槽、4・・・ガイドローラー、5・・・スクイズロール、5A,5B・・・ロール、10・・・ポリイミド樹脂フィルム、11・・・液状組成物含浸直後のポリイミド樹脂フィルム、12・・・液状組成物含浸ポリイミド樹脂フィルム、W・・・液状組成物、G1・・・ガイドローラー

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