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図面 (17)

課題

新規バチルスアミロリキファエン菌株及び該菌株を含む抗菌組成物を提供する。

解決手段

家畜糞便からの生菌分離において、平板培地上に抑止円を形成した菌株(寄託番号NITEABP-01844)及び該菌株を含む抗菌組成物。該菌株は、バシロマイシンLcを産出し、従来のバチルスアミロリキファシエンス菌株と比較して、多種の微生物、特にエドワジェラタルダクロストリジウムパーフリンゲンス及び植物病害カビに対して顕著に生育を阻止する。

概要

背景

(現在の農畜産業の問題)
現在の農畜産業において、感染による問題は深刻である。畜産産業経営の大型化や集団化などから合成抗菌剤及び抗生物質などの抗菌性物質の使用量が増加し、さらに微量の抗生物質が飼料効率を上げることもあって、抗生物質は1940年代以降広く使用されてきたが、それに伴い耐性菌の問題も深刻化した。
1976年の「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」では、抗生物質を添加できる飼料や量が規定され、その適正使用の遵守が求められている。さらに、2006年に施行されたいわゆるポジティブリスト制度によって抗生物質の使用は厳しく制限されるようになった。
その一方、鶏及びにおけるクロストリジウム症水産業におけるエドワジェラ感染症農作物又は家畜飼料における植物病害カビ汚染等は慢性的な問題として常に農畜産家の頭を悩ませている。

微生物資材
記述べたように、抗生物質使用への規制が強まる中、各感染症を解決する代替品として期待されているのがワクチン微生物製剤である。
ワクチンは、古くから臨床応用され鶏のサルモネラワクチン、イバラキ病ワクチン、牛伝染性鼻気管炎ワクチン、豚コレラワクチンなどが多くの感染症の予防に利用されてきた。
微生物製剤は、腸管内の環境改善のために種々開発されている。
微生物資材としては、バチルス属細菌を含有するものが複数報告されている。

先行技術)
特許文献1では、「バチルス胞子形成株を含む、水生動物のための飼料組成物」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITEABP-01844を有するバチルスアミロリキファエンスを開示又は示唆をしていない。
特許文献2では、「リポペプチド生産する有効量のバチルス細菌プロバイオティックとして含む、腸異常の予防のための医薬組成物」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITE ABP-01844を有するバチルス アミロリキファシエンスを開示又は示唆をしていない。
特許文献3では、「バチルス アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)を培養し、培養物よりイツリンAを採取することを特徴とするイツリンAの製造法」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITE ABP-01844を有するバチルス アミロリキファシエンスを開示又は示唆をしていない。

現在のバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を使用した抗菌剤では、十分な抗菌活性及び抗菌スペクトルを有していない。

概要

新規なバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物を提供する。家畜糞便からの生菌分離において、平板培地上に抑止円を形成した菌株(寄託番号NITEABP-01844)及び該菌株を含む抗菌組成物。該菌株は、バシロマイシンLcを産出し、従来のバチルスアミロリキファシエンス菌株と比較して、多種の微生物、特にエドワジェラタルダクロストリジウムパーフリンゲンス及び植物病害カビに対して顕著に生育を阻止する。なし

目的

本発明は、新規なバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

寄託番号NITEABP-01844を有する菌株

請求項2

前記菌株が、バチルスアミロリキファエンスである請求項1に記載の菌株。

請求項3

前記菌株が、バシロマイシンLcを産出する請求項1又は2に記載の菌株。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1に記載の菌株、及び/又は該菌株の培養物を有する組成物

請求項5

抗菌組成物である請求項4に記載の組成物。

請求項6

エドワジェラ症治療組成物である請求項4又は5に記載の組成物。

請求項7

クロストリジウム症治療組成物である請求項4又は5に記載の組成物。

請求項8

家畜生産性向上組成物である請求項4に記載の組成物。

請求項9

植物病害カビ予防組成物である請求項4又は5に記載の組成物。

請求項10

バシロマイシンLcを含むエドワジェラ症治療組成物。

請求項11

バシロマイシンLcを含むクロストリジウム症治療組成物。

請求項12

請求項1〜11のいずれか1に記載の組成物を含む動物用医薬品飼料飼料添加物、又は飲料水

請求項13

請求項12に記載の動物用医薬品、飼料、飼料添加物又は飲料水、並びに/又は、請求項1〜11のいずれか1に記載の組成物を、動物投与することを特徴とするエドワジェラ症、クロストリジウム症、及び/又は植物病害カビを予防、抑制、軽減、緩和、及び/又は治療しながら動物を飼育する方法。

技術分野

0001

本発明は、バチルスアミロリキファエン菌株及び該菌株を含む抗菌組成物に関する。

背景技術

0002

(現在の農畜産業の問題)
現在の農畜産業において、感染による問題は深刻である。畜産産業経営の大型化や集団化などから合成抗菌剤及び抗生物質などの抗菌性物質の使用量が増加し、さらに微量の抗生物質が飼料効率を上げることもあって、抗生物質は1940年代以降広く使用されてきたが、それに伴い耐性菌の問題も深刻化した。
1976年の「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」では、抗生物質を添加できる飼料や量が規定され、その適正使用の遵守が求められている。さらに、2006年に施行されたいわゆるポジティブリスト制度によって抗生物質の使用は厳しく制限されるようになった。
その一方、鶏及びにおけるクロストリジウム症水産業におけるエドワジェラ感染症農作物又は家畜飼料における植物病害カビ汚染等は慢性的な問題として常に農畜産家の頭を悩ませている。

0003

微生物資材
記述べたように、抗生物質使用への規制が強まる中、各感染症を解決する代替品として期待されているのがワクチン微生物製剤である。
ワクチンは、古くから臨床応用され鶏のサルモネラワクチン、イバラキ病ワクチン、牛伝染性鼻気管炎ワクチン、豚コレラワクチンなどが多くの感染症の予防に利用されてきた。
微生物製剤は、腸管内の環境改善のために種々開発されている。
微生物資材としては、バチルス属細菌を含有するものが複数報告されている。

0004

先行技術)
特許文献1では、「バチルスの胞子形成株を含む、水生動物のための飼料組成物」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITEABP-01844を有するバチルスアミロリキファシエンスを開示又は示唆をしていない。
特許文献2では、「リポペプチド生産する有効量のバチルス細菌プロバイオティックとして含む、腸異常の予防のための医薬組成物」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITE ABP-01844を有するバチルス アミロリキファシエンスを開示又は示唆をしていない。
特許文献3では、「バチルス アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)を培養し、培養物よりイツリンAを採取することを特徴とするイツリンAの製造法」を開示している。しかし、本発明の寄託番号NITE ABP-01844を有するバチルス アミロリキファシエンスを開示又は示唆をしていない。

0005

現在のバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を使用した抗菌剤では、十分な抗菌活性及び抗菌スペクトルを有していない。

先行技術

0006

特表2014-519316号公報
特開2013-173750号公報
特開平07-143897号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、新規なバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決するために、家畜糞便からの生菌分離において、平板培地上に抑止円を形成した菌株を得た。該菌株は、従来のバチルスアミロリキファシエンス菌株と比較して、多種の微生物、特にエドワジェラタルダクロストリジウムパーフリンゲンス及び植物病害カビに対して顕著に生育を阻止することを見出して、本発明を完成した。

0009

本発明は以下の通りである。
「1.寄託番号NITEABP-01844を有する菌株。
2.前記菌株が、バチルスアミロリキファシエンスである前項1に記載の菌株。
3.前記菌株が、バシロマイシンLcを産出する前項1又は2に記載の菌株。
4.前項1〜3のいずれか1に記載の菌株、及び/又は該菌株の培養物を有する組成物
5.抗菌組成物である前項4に記載の組成物。
6.エドワジェラ症治療組成物である前項4又は5に記載の組成物。
7.クロストリジウム症治療組成物である前項4又は5に記載の組成物。
8.家畜生産性向上組成物である前項4に記載の組成物。
9.植物病害カビ予防組成物である前項4又は5に記載の組成物。
10.バシロマイシンLcを含むエドワジェラ症治療組成物。
11.バシロマイシンLcを含むクロストリジウム症治療組成物。
12.前項1〜11のいずれか1に記載の組成物を含む動物用医薬品、飼料、飼料添加物、又は飲料水
13.前項12に記載の動物用医薬品、飼料、飼料添加物又は飲料水、並びに/又は、前項1〜11のいずれか1に記載の組成物を、動物投与することを特徴とするエドワジェラ症、クロストリジウム症、及び/又は植物病害カビを予防、抑制、軽減、緩和、及び/又は治療しながら動物を飼育する方法。」

発明の効果

0010

本発明の新規なバチルスアミロリキファシエンス菌株は、従来のバチルス アミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物と比較して、以下の(1)〜(3)の顕著な効果を有することを確認した。
(1)エドワジェラタルダに対する抗菌活性
(2)クロストリジウムパーフリンゲンスに対する抗菌活性
(3)植物病害カビに対する抗菌活性
さらに、本発明の新規なバチルス アミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物は、家畜の生産性向上効果サイレージ中のカビ発生抑制効果及び病原菌と同時に培養しても該病原菌の生育を顕著に阻害できることを確認した。

図面の簡単な説明

0011

16S rDNA、groEL、gyrA、polC、purH、rpoBのDNA配列を対象としたMLST(Multi Locus Sequence Typing解析に基づくバチルス属細菌系統樹
本発明の菌株が産出するペプチドクロマトグラフ
本発明の菌株が産出するペプチドの各ピーク分子量及び分子式
ピークX1の質量分析結果
ピークX2の質量分析結果
ピークX3の質量分析結果
ピークX5の質量分析結果
ピークX6の質量分析結果
ピークX7の質量分析結果
継続経口投与毒性試験結果
エドワジェラタルダ株に対する抗菌活性の結果
本発明の菌体と公知のバチルスアミロリキファシエンスとのエドワジェラ タルダ株に対する抗菌活性の比較
クロストリジウムパーフリンゲンス株に対する抗菌活性の結果
本発明の菌体と公知のバチルス アミロリキファシエンスとのクロストリジウム パーフリンゲンス株に対する抗菌活性の比較
本発明の菌体投与によるブロイラーの生産性向上の確認
植物病害カビに対する抗菌活性の結果
本発明の菌体と公知のバチルス アミロリキファシエンスとの植物病害カビに対する抗菌活性の比較

0012

本発明は、バチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物に関する。以下に、本発明を詳細に説明する。

0013

(本発明のバチルスアミロリキファシエンス菌株)
本発明のバチルス アミロリキファシエンス菌株(別名:TOA5001株、以下で、「本発明の菌株」と称する場合がある)は、家畜糞便からの生菌分離で得た。
該菌株は、下記実施例で詳細に述べるが、多種の微生物、特にエドワジェラタルダ、クロストリジウムパーフリンゲンス及び植物病害カビに対し顕著にその生育を阻止することを確認している。
該菌株は、16S rDNA配列において97%以上の相同性を示したこと、その生理生化学的性状からバチルス属細菌であると同定した。
さらに、16S rDNA、groEL、gyrA、polC、purH、rpoBのDNA配列に基づくMLST(Multi Locus Sequence Typing)解析及びDNA-DNAハイブリダイゼーション試験の結果、該菌株はバチルス アミロリキファシエンスであると同定した(参照:図1)。
本発明のバチルス アミロリキファシエンス菌株は、寄託番号NITEABP−01844として寄託されている。

0014

本発明の菌株(細菌)の菌学的性質は、以下の通りである。
グラム陽性桿菌好気性芽胞形成能運動性あり。
栄養要求性は低く、肉汁培地、SCD 培地、ブレインハートインフュジョン培地等の多様な培地に生育できる。
寒天平板培地上においては、周辺ラフ円形黄白色を呈する。さらに、培地の種類 (ブレインハートインフュジョン培地)によっては内部に粘性を持つ隆起したコロニーを形成する。

0015

本発明の菌株は、上記寄託した菌株に限定されるものではなく、バチルスアミロリキファシエンスに属し、下記で説明する抗菌リポペプチド(バシロマイシンLc)産出能を有し、かつ多種の微生物、特にエドワジェラタルダ、クロストリジウムパーフリンゲンス及び植物病害カビに対し顕著にその生育を阻止する能力を有する限り、本発明の菌株として利用可能である。
すなわち、本発明のバチルス アミロリキファシエンス菌株は、寄託菌株自体はもちろん、上記した菌学的性質を有する菌株である変異体及び子孫まで意図する。なお、変異体作成方法は、従来公知の放射線照射及びニトロソグアニジンエチルメタンスルホン酸メチルメタンスルホン酸などの化学物質処理によって得ることができる。
さらに、本発明の菌株は、下記の実施例で示されたように、生体内(特に、哺乳類体内)に投与されても毒性がない。

0016

(本発明の菌株が産出するペプチド)
本発明の菌株が産出するペプチド(特に、抗菌ペプチド)は、該菌株を培養して、カビであるアスペルギルスニガー生育抑制指標にして、公知の方法(参照:Tetrahedron Lett. 23, 3065-3068)を基にして、分取し単離ピークとして得られた図2中のピークX1〜X3、X5〜X7の濃縮物のいずれもが抗菌性を有することを確認した。
さらに、分取したこれらのピークより精製した化合物に対するアミノ酸組成分析では、いずれも(Asn+Asp):(Gln+Glu):Ser:Tyr:Thr=2:1:2:1:1の組成比であることを確認し、さらに質量分析により、精製化合物それぞれの分子量及び分子式を得た(参照:図3〜9)。
上記の結果、並びに、過去の報告{参照:J Antibiot (Tokyo). 1995 Oct;48(10):1095-103、薬学雑誌122, 651-671、J Antibiot (Tokyo). 1995 Nov;48(11):1240-7}を基にして、本発明の菌株が産出するペプチドは、バシロマイシンLc(バチロペプチン、参照;下記の化学式1)であることを同定した。

0017

β—AAは、C14〜C17からなる側鎖構造である。

0018

(本発明の菌株の培養及び該菌株が産出するペプチドの培養)
本発明の菌株は、炭素源及び窒素源、さらに必要に応じて無機塩類を含む栄養培地接種後、好気条件下で培養(例えば、振盪培養通気撹拌培養)することにより、菌体を得ることができると同時に培地中にバシロマイシンLcが産生される。
培養液の場合は、濃縮させていない培養液のままでエドワジェラタルダ、クロストリジウムパーフリンゲンス又は植物カビ病原菌の生育を抑制し、フィルター除菌後の培養液又はこれらの凍結乾燥若しくは噴霧乾燥後においても同等の活性を有する。
固体培養の場合は、本発明の菌株が生育した固体そのもの又はその混合物(例えば、別の固体との接触又は混合物、又は本発明の菌株生育固体を浸漬した液体) を用いることでエドワジェラ タルダ、クロストリジウム パーフリンゲンス又は植物カビ病原菌の生育を抑制することができる。ここで、固体とは、本発明の菌株が生育できるものならばいずれでもよいが、例えば、寒天培地、サイレージ、納豆等の原料となる植物体ヨーグルトに代表される凝乳を意味する。

0019

炭素源としては、本発明の菌株が利用できるものならばいずれでもよく、好ましくはグルコースシュークロースデンプン類セルロース混合物、その他の炭水化物を使用するのがよい。
窒素源としては、本発明の菌株が利用できるものならばいずれでもよいが、好ましくはペプトン酵母エキス、肉汁エキスなどを使用するのがよい。
さらに、必要に応じて、例えば、ナトリウム塩カリウム塩マグネシウム塩カルシウム塩硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類を培地に添加してもよい。
なお、本発明の菌株は、市販培地、例えばトリプトソイ培地、ブレインハートインフュジョン培地、肉汁培地に接種しての液体又は平板培養で生育可能である。
液体培養において少量で培養する場合は、試験管又はフラスコを用いる振盪培養が好ましい。大量に培養する場合は、他の発酵生産物の場合と同様に、通気撹拌培養するのが好適である。また、培養を大きなタンクで行う場合、はじめに前培養として比較的少量の培地に本発明の菌株を接種培養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移してそこで生産培養するのが好ましい。この場合、前培養に使用する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両者同一であってもよいし、必要ならば両者を変えてもよい。
培養条件としては、本発明の菌株が生育する範囲内で適宜変更しうるが、通常は好気条件下にて15〜45℃、好ましくは25℃〜37℃で培養するのがよい。培養時間は、培養条件や培養量によっても異なるが、通常は約1日〜1週間である。

0020

(本発明の菌株が産出するペプチドの精製方法
上記培養によって産生されたバシロマイシンLcは、酸沈殿ブタノール抽出、イオン交換樹脂又はゲル濾過等の公知の方法によって精製される。
必要に応じて、これらの精製法一種用いるだけでもよいし、複数を組み合わせてもよい。さらには、同様の原理に基づく他の精製法であってもよい。また、ODSカラムを用いたHPLCによって、バシロマイシンLcの側鎖の違いに伴う保持時間の差異を利用した分取が可能である。

0021

(本発明の菌株の回収方法
本発明の菌株を、上記培養によって得た培養液からは遠心分離及び/又は膜濃縮によって回収できる。回収した菌体をそのまま用いても良いし、必要に応じて凍結乾燥又は噴霧乾燥にかけた乾燥菌体を用いても良い。

0022

(本発明の組成物の投与方法
本発明の菌体を使用する場合は、所望の効果が発揮できる範囲内の濃度ならばいずれでもよいが、例えば、家畜への投与において、本発明の菌株が1キログラムあたり105〜109CFU (Colony forming unit) となるよう添加した飼料の給餌で好ましい。
牧草豆類、米、デントコーンアルファルファ、ルーサン、及び乾草、または食物残渣やおからなどが利用されるサイレージにおいては、特に開封してからの再貯蔵の際の好気性条件下での真菌等の増殖、即ち二次発酵による発熱変敗等の品質低下が問題となるが、サイレージの劣化を防ぐため真菌の発生を抑制するには、下記実施例より、本発明の菌株を乾草1gあたり約10万〜100万個存在する濃度で運用することが好ましい。
本発明の組成物の投与時期、投与方法及び投与量は特に限定されないが、通常、配合飼料に配合するか、混で投与すればよい。
例えば、配合飼料に配合する場合や混飼で投与(給与)する場合の投与(給与)量は0.005%〜1%(0.001g〜10.0g/1日)である。

0023

(本発明のエドワジェラ症治療組成物)
本発明のエドワジェラ症治療組成物は、少なくとも、本発明の菌体(菌株も含む)、該菌体の培養物、及び/又はバシロマイシンLcを含み、エドワジェラ症の治療効果(予防、抑制、軽減、緩和及び完治を含む)を有する。
なお、エドワジェラ症とは、エドワジェラタルダ(Edwardsiella tarda)感染を原因とする魚類の感染症である。
本発明のエドワジェラ症治療組成物の投与対象は、特に限定されないが、魚類、特に養殖魚(タイ、ヒラメハマチ、アユウナギマグロ)を対象とする。
本発明のエドワジェラ症治療組成物の投与量は、特に限定されないが、例えば、配合飼料へ0.2%〜1%添加し投与することが望ましい。

0024

(本発明のクロストリジウム症治療組成物)
本発明のクロストリジウム症治療組成物は、少なくとも、本発明の菌体(菌株も含む)、該菌体の培養物、及び/又はバシロマイシンLcを含み、クロストリジウム症の治療効果(予防、抑制、軽減、緩和及び完治を含む)を有する。
なお、クロストリジウム症とは、クロストリジウムパーフリンゲンス(Clostridium perfringens)感染を原因とする、家畜の腸炎等であり、特に、採卵鶏、ブロイラー、養豚で重大な被害を起こしている。
本発明のクロストリジウム症治療組成物の投与対象は、特に限定されないが、ヒトを除く動物(特に、哺乳動物)であるが、例えば、豚、、鶏(特に、、ブロイラー、採卵鶏)、乳牛肉牛、F1(ホルスタインと和牛との交配種)等の肥育搾乳牛、マウスである。
本発明のクロストリジウム症治療組成物の投与量は、特に限定されないが、例えば、配合飼料へ0.005%〜1%添加し投与することが望ましい。
である。

0025

(本発明の家畜の生産性向上組成物)
本発明の家畜の生産性向上組成物は、少なくとも、本発明の菌体(菌株も含む)、該菌体の培養物、及び/又はバシロマイシンLcを含み、日増体量飼料要求率、及び/又は腹腔脂肪/体重の比率の向上により家畜の生産性を向上させることができる。
本発明の家畜の生産性向上組成物の投与対象は、特に限定されないが、ヒトを除く動物(特に、哺乳動物)であるが、例えば、豚、犬、猫、魚、鶏(特に、雛、ブロイラー、採卵鶏)、乳牛、肉牛、F1(ホルスタインと和牛との交配種)等の肥育牛、搾乳牛、馬、マウスである。
本発明の家畜の生産性向上組成物の投与量は、特に限定されないが、例えば、配合飼料へ0.005%〜1%添加し投与することが望ましい。

0026

(植物病害カビ予防組成物)
本発明の植物病害カビ予防組成物は、少なくとも、本発明の菌体(菌株も含む)、該菌体の培養物、及び/又はバシロマイシンLcを含み、植物病害カビの予防効果(治療、抑制、軽減、緩和及び完治を含む)を有する。
本発明の植物病害カビ予防組成物の投与対象(塗布対象)は、特に限定されないが、植物、食品(サイレージ)、動物である。
本発明の植物病害カビ予防組成物の投与量(塗布量)は、特に限定されないが、例えば、サイレージの植物病害カビ予防に使用する場合には、本発明の菌体を乾草1gあたり約10万〜約1000万、好ましくは約100万個存在する濃度に調整するため、乾草へ0.0004%〜0.02%添加するような形態が望ましい。

0027

(本発明の組成物の用途)
本発明の組成物の用途は、以下の通りである。
(1)エドワジェラ症治療
(2)クロストリジウム症治療
(3)家畜の生産性向上
(4)植物病害カビ予防
(5)動物用飼料、飼料添加物及び飲料水
加えて、本発明は、動物用医薬品、飼料、飼料添加物又は飲料水、並びに/又は、本発明の組成物を、ヒトを除く動物に投与することを特徴とするエドワジェラ症、クロストリジウム症、及び/又は植物病害カビを予防、抑制、軽減、緩和、及び/又は治療しながらヒトを除く動物を飼育する方法も対象とする。
特に、本発明の組成物には、上記用途を有する医薬、動物医薬、飲食品、飼料添加物、飼料(配合飼料、混合飼料)が広く包含される。
また、本発明の組成物を、デンプン馬鈴薯澱粉乳糖大豆蛋白等の担体賦形剤結合材崩壊剤滑沢剤、安定剤、懸濁剤等の添加剤を配合して、周知の方法で粉剤錠剤顆粒剤カプセル剤軟膏液剤等に製剤化することができる。

0028

以下に具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。

0029

(本発明の菌株の培養及び該菌株が産出するバシロマイシンLcの精製)
本発明の菌株を培養して、さらに培養した菌株が産出したバシロマイシンLcを精製した。詳細は、以下の通りである。

0030

本発明の菌株であるバチルスアミロリキファシエンスTOA5001株を、ブレインハートインフュジョン培地に2%のペプトン及び酵母エキスを添加した前培養用培地に、接種し、30℃にて16時間振盪培養して、前培養後の培養液を得た。
次に、該前培養後の培養液を、4%のグルコース、3%のペプトン及び2%の酵母エキスを含む本培養培地に、接種し、30℃〜37℃にて2〜3日間振盪培養して、本培養後の培養液を得た。該本培養後の培養液から、14000×g 20分間の遠心分離にて菌体及び培養上清を得た。
該菌体は、凍結乾燥にかけ、乾燥粉末として、以下の実施例に使用した。
該培養上清からのバシロマイシンLc精製として、まず、酸沈殿として、塩酸でpH2に調整した培養上清を4℃にて12時間静置しバシロマイシンLcを含む沈殿を得た。該沈殿を、ろ紙上に回収し、これをメタノールにて再溶解させたものを粗精製バシロマイシンLcとして得た。粗精製バシロマイシンLcを、ロータリーエバポレーターにて乾固させ、その後40%アセトニトリルと水からなる移動相に溶解させたものを分取用サンプルとして、ODSカラムを装着したHPLCシステムにて分取した。その後、ロータリーエバポレーター又は凍結乾燥機にて乾燥させた分取成分を精製バシロマイシンLcとして得た。この精製バシロマイシンLcは質量分析で十分な結果が得られる純度であることを確認した。
以上により、本発明の菌株の乾燥粉末の菌体及び本発明の菌株が産出する精製したバシロマイシンLcを得た。

0031

(本発明の菌体の毒性確認
本発明の菌株であるバチルスアミロリキファシエンス TOA5001株の生体内毒性を単回経口投与毒性試験及び継続経口投与毒性試験により確認した。詳細は、以下の通りである。

0032

単回投与毒性試験
実施例1で得た乾燥菌体についてGLP準拠した単回経口投与毒性試験を実施した。詳しくは、6週齢SDラット雌雄を、それぞれ5匹からなる群として、対照群コーンスターチ投与)、低用量群ラットの体重1キログラムあたり3X108CFUの投与)、中用量群(同3X109CFUの投与)及び高用量群(同3X1010CFUの投与)に対し、投与後15日間観察した。

0033

(単回投与毒性試験結果)
全群において死亡例及び剖検所見の異常は認められず、雌及び雄それぞれの体重も群間有意差はなかった。

0034

(継続経口投与毒性試験)
上記単回経口投与毒性試験の結果に基づき、4週齢SD雄ラットを、それぞれ、4匹からなる群として、対照群(コーンスターチ投与)及び投与群(本発明の乾燥菌体を1匹あたり1X108CFU投与)に対し、10日間毎日投与した。

0035

(継続経口投与毒性試験結果)
全群において死亡例及び剖検所見の異常は認められず、体重増加は対照群と有意差がないこと、日ごとに全糞便を回収し培養法にて測定した投与した菌株数は、投与期間を通じて投与量とほぼ同じ1X108前後で検出されることを確認した(参照:図10)。

0036

以上の試験結果より、本発明の菌株を生体内(特に、哺乳類の生体内)に投与しても毒性がないことを確認した。

0037

(エドワジェラ症治療効果の確認)
本発明の菌体が、エドワジェラ症治療効果を有するかを確認した。より詳しくは、本発明の菌体が、エドワジェラ症の病原菌であるエドワジェラタルダに対する抗菌活性を有するかどうか、さらには、公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性を比較した。

0038

(本発明の菌体によるエドワジェラタルダに対する抗菌活性の確認)
抗エドワジェラ タルダ活性を以下の手法で確認した。
ブレインハートインフュジョン(BHI)液体培地に接種後30℃にて16時間振盪培養した本発明の菌株をBHI平板培地の中央に画線塗抹培養後、その周囲に同条件で培養したエドワジェラ タルダSU226株、SU53株又はNUF806株を塗抹し好気条件30℃で培養した。
培養結果図11に示す。図11から明らかなように、それぞれのエドワジェラ タルダ株に対する明瞭な抑止円がバチルスアミロリキファシエンスTOA5001株の周囲に形成された。

0039

(本発明の菌体と公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性の比較)
本発明の菌体の抗菌活性を、同種他菌株の抗菌活性と比較した。詳細は、以下の通りである。

0040

特許番号3560653に記載のバチルスアミロリキファシエンス IAM1523株(現在のJCM20197株)等のバチルス アミロリキファシエンス各菌株を菌株保存機関より入手し、いずれの菌株も実施例1に記載の方法に従い、同一の培養条件で培養した。
本培養開始から38時間、48時間、及び60時間後の時点で、バチルス アミロリキファシエンス各菌株の培養液を採取し、15000xg の遠心分離後、0.45μmのフィルターで除菌ろ過した除菌培養上清を力価試験に供した。
力価試験では、除菌培養上清を等量の滅菌水で順次希釈し2倍希釈系列とした溶液を調製した。一方、エドワジェラタルダ用力価試験培地として2倍濃度のTSI液体培地(調製時にろ紙にて寒天を除去したもの)を用意した。2倍濃度のTSI液体培地にエドワジェラ タルダ SU53株を接種後、即座に上述の除菌培養上清2倍希釈系列溶液と等量混合し、30℃好気条件にて静置培養した。
培養後の力価評価において、除菌培養上清の2倍希釈系列のうちエドワジェラ タルダ SU53株の生育を抑止した最大の希釈倍率を本実験における便宜上の力価としてバチルス アミロリキファシエンス 各菌株の抗エドワジェラ タルダ活性を定量数値化した(エドワジェラ タルダの生育に伴い、TSI培地は当初の赤橙色から黄変し、更には産生する硫化水素によって黒みを帯びる。観察時、培地が当初の赤色のままであった場合をエドワジェラ タルダの生育を抑止したと判断した。観察例として、除菌培養上清の4倍希釈液迄は赤橙色であったが8倍希釈液では濁りのある黄色を呈していた場合、4倍希釈液がエドワジェラ タルダの生育を抑止できる最小濃度として力価4とした)。

0041

力価試験の結果を図12に示す。図12から明らかなように、本発明の菌株の抗菌活性は、従来のバチルスアミロリキファシエンスの抗菌活性と比較して、38時間では少なくとも16倍(16/1)、48時間では少なくとも16倍(32/2)及び60時間では少なくとも32倍(64/2)であることを確認した。

0042

(クロストリジウム症治療効果の確認)
本発明の菌体が、クロストリジウム症治療効果を有するかを確認した。より詳しくは、本発明の菌体が、クロストリジウム症の病原菌であるクロストリジウムパーフリンゲンスに対する抗菌活性を有するかどうか、さらには、公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性を比較した。

0043

(本発明の菌体によるクロストリジウムパーフリンゲンスに対する抗菌活性の確認)
抗クロストリジウム活性を以下の手法で確認した。
ブレインハートインフュジョン(BHI)液体培地に接種後30℃にて16時間振盪培養した本発明の菌株をBHI平板培地の中央に画線塗抹し好気培養した後、その周囲にBHI液体培地にて37℃にて16時間嫌気培養したクロストリジウム パーフリンゲンスATCC13124株を塗抹し嫌気条件37℃で培養した。
培養結果を図13に示す。図13から明らかなように、クロストリジウム パーフリンゲンス株に対する明瞭な抑止円がバチルスアミロリキファシエンス TOA5001株の周囲に形成された。

0044

(本発明の菌体と公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性の比較)
本発明の菌体の抗菌活性を、同種他菌株の抗菌活性と比較した。詳細は、以下の通りである。

0045

バチルスアミロリキファシエンス各菌株を菌株保存機関より入手し、いずれの菌株も実施例1に記載の方法に従い同一の培養条件で培養した。本培養開始から48時間及び60時間後の時点でバチルス アミロリキファシエンス各菌株の培養液を採取し、15000xg の遠心分離後、0.45μmのフィルターで除菌ろ過した除菌培養上清を力価試験に供した。
力価試験では、除菌培養上清を等量の滅菌水で順次希釈し2倍希釈系列とした溶液を調製した。一方、クロストリジウムパーフリンゲンス用力価試験培地として2倍濃度のGAM液体培地を用意した。2倍濃度のGAM液体培地にクロストリジウム パーフリンゲンスATCC13124株を接種後、即座に上述の除菌培養上清2倍希釈系列溶液と等量混合し、嫌気条件37℃にて静置培養した。
培養後の力価評価として、除菌培養上清の2倍希釈系列のうちクロストリジウム パーフリンゲンス ATCC13124株の生育を抑止した最大の希釈倍率を当該実験における便宜上の力価として定義し、バチルス アミロリキファシエンス 各菌株の抗クロストリジウム パーフリンゲンス活性を定量数値化した。

0046

力価試験の結果を図14に示す。図14から明らかなように、本発明の菌株の抗菌活性は、従来のバチルスアミロリキファシエンスの抗菌活性と比較して、48時間では少なくとも8倍以上(128/16)及び60時間では少なくとも5.6倍以上(90/16)倍であることを確認した。

0047

(家畜のクロストリジウム汚染低減および生産性向上の確認)
本発明の菌体が、家畜のクロストリジウム感染汚染を低下させ、さらに生産性を向上させるかどうかを確認した。詳細は、以下の通りである。

0048

試験区として、抗コクシジウム投与区生ワクチン投与区、本発明の菌株投与区及び対照区を各区18羽にて設けた。いずれの区もブロイラーの飼育開始から共通の組成の飼料を給餌したが、抗コクシジウム剤投与区では飼料にサリノマイシン50ppmを含有させ、本発明の菌株投与区ではバチルスアミロリキファシエンス TOA5001株を飼料1gあたり2×105となるよう含有させた。また、生ワクチン投与区では日生研鶏コク弱毒3価生ワクチン(TAM)(アイメリアテネラ、アイメリア アッセルブリーナ、アイメリアマキシマによる鶏コクシジウム症発症抑制)を生後5日目に投与した。
全区共通の作業として、ブロイラーの28日齢時、各区18羽のうち10羽に対しコクシジウムの強制投与、即ちアイメリア テネラ及びアイメリア マキシマそれぞれ5×103を経口投与した。コクジジウムを投与した10羽のうち5羽を36日齢時に、残りの5羽を49日齢時に評価した。

0049

試験結果を図15に示す。
0〜28日齢における日増体量及び飼料要求率に関して、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、優れていた。
コクシジウムを強制投与しなかった各試験区の0〜49日齢における飼料効率に関して、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、同等又は優れていた。
コクシジウムを28日齢時に強制投与した各試験区の0〜49日齢における日増体重に関して、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、優れていた。
盲腸内容物中のアイメリアのオーシスト数に関し、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、優れていた。
盲腸組織評価スコアに関し、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、同等又は優れていた。
小腸及び大腸のクロストリジウムパーフリンゲンスの菌数に関し、本発明の菌株投与区のみ検出限界以下であった。
体重に占める腹腔内脂肪の比率に関し、本発明の菌株投与区は、他のいずれの区と比較して、優れていた。これは可食部の割合が高いことを意味している。
上より、本発明の菌株は、クロストリジウム症治療効果(クロストリジウム パーフリンゲンス汚染の低減効果)だけでなく、日増体量、飼料要求率及び腹腔内脂肪の比率の向上により、家畜の生産性を向上させることを確認した。

0050

(植物病害カビ予防効果の確認)
本発明の菌体が、植物病害カビ予防効果を有するかを確認した。より詳しくは、本発明の菌体が、植物病害カビの病原菌である各菌に対する抗菌活性を有するかどうか、さらには、公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性を比較した。

0051

(植物病害カビの病原菌である各菌に対する抗菌活性の確認)
ブレインハートインフュジョン(BHI)液体培地に接種後30℃にて16時間振盪培養した本発明の菌株をBHI平板培地の中央に画線塗抹培養後、その周囲に同条件で培養したアスペルギルスニガーATCC16404株、フザリウムオキシスポラム87573株、フザリウムニベール 87253株又はジベレラゼアエ JCM9873株を塗抹し好気条件30℃で培養した。
培養結果を図16に示す。図16から明らかなように、それぞれのカビに対する明瞭な抑止円、特にアスペルギルス ニガーに対しては培地周縁に至るまでの抑止円がバチルスアミロリキファシエンス TOA5001株の周囲に形成された。

0052

(本発明の菌体と公知のバチルスアミロリキファシエンスとの抗菌活性の比較)
抗植物病害カビ活性を以下の手法で確認した。
バチルス アミロリキファシエンス各菌株を菌株保存機関より入手し、いずれの菌株も実施例1に記載の方法に従い同一の培養条件で培養した。本培養開始から48時間、及び60時間後の時点でバチルス アミロリキファシエンス各菌株の培養液を採取し、15000xg の遠心分離後、0.45μmのフィルターで除菌ろ過した除菌培養上清を下記の力価試験に供した。
力価試験では、除菌培養上清を等量の滅菌水で順次希釈し2倍希釈系列とした溶液を調製した。一方、カビ用力価試験培地として2倍濃度のPDA液体培地(調製時にろ紙にて寒天を除去したもの)を用意した。2倍濃度のPDA液体培地にアスペルギルスニガーATCC16404株を接種後、即座に上述の除菌培養上清2倍希釈系列溶液と等量混合し、好気条件30℃にて静置培養した。
培養後の力価評価として、除菌培養上清の2倍希釈系列のうちアスペルギルス ニガー ATCC16404株の生育を抑止した最大の希釈倍率を当該実験における便宜上の力価として定義し、バチルス アミロリキファシエンス 各菌株の抗カビ活性を定量数値化した。

0053

力価試験の結果を図17に示す。図17から明らかなように、本発明の菌株の抗菌活性は、従来のバチルスアミロリキファシエンスの抗菌活性と比較して、38時間では少なくとも32倍(32/1)、48時間では少なくとも64倍(64/1)及び60時間では少なくとも32倍(32/1)倍であることを確認した。

0054

(サイレージ中の植物病害カビ予防効果の確認)
本発明の菌体が、サイレージ中の植物病害カビ予防効果を確認した。詳細は、以下の通りである。

0055

試験用の牧草として、60〜70%程度の水分に予乾したイタリアンライグラスを使用した。基本的な動作として保存用ガラス瓶に、約1kgのイタリアンライグラスを秤りとった。牧草をガラス容器内に詰め込む際には細い木製の丸太などを用い、空気が入らないように密集するように実施した。ガラス管を中央に突き刺したゴム栓をガラス瓶に密栓した。ガラス管の上部にはゴム管を装着し上部はクリップ密封した。ゴム管の中央部には、ナイフで上下2cmほどに切れ目を入れ内部から発生するガス排出口を作成した。
試験区として、本発明の菌株乾燥粉末をイタリアンライグラス1kgに対し1%の割合で混合した。この際、乾草1gあたりには本発明の菌株は約100万個存在していた。対象区として本発明の菌株乾燥粉末に使用した賦形剤と同じバレイショデンプンをイタリアンライグラス1kgに対して1%添加した。
試験品は25℃の培養器内保管し、10日間後にゴム栓を外し、ガラス瓶内の試料をすべて新聞紙の上に出し再度、ガラス瓶に詰め直した。再度ゴム栓を装着し、密栓し再度25℃にて保管した。さらに10日間保存した後、すべての試料を出し、真菌の含有数を測定した。真菌の測定には、ポテトデキストロース寒天培地を用い、25℃で7日間培養し真菌の出現集落計測し菌数を算出した。

0056

上記菌数の算出結果として、カビの菌数として対象区では1gあたり平均200個以上であったのに対し、本発明の菌株含有試料では、1gあたり10個であった。
以上により、本発明の菌株が、サイレージ中のカビの発生を抑制する作用があることが確認され、サイレージの二次発酵を抑制させる添加物としての有用性がある。

0057

(本発明の菌株による同時培養でのカビに対する抗菌活性の確認)
本発明の菌株を予め培養しているのではなく、カビと同時に接種した状況下であってもカビを抑制できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。

0058

邪魔板付フラスコにて調製したブレインハートインフュジョン(BHI)液体培地にフザリウムオキシスポラム87573株又はフザリウムニベール 87253株を接種すると同時に本発明の菌株を接種した試験群、各カビのみを接種した対照群を設け、好気条件30℃にて振盪培養した。
振盪培養2日後に培養液を採取し、滅菌水で順次希釈した10倍希釈系列溶液を用いてMPN菌数試験に供した。カビ用MPN試験培地として各希釈段階に対し5本用意した2倍濃度のPDA液体培地(調製時にろ紙にて寒天を除去した後、カビのみを生育させるためクロラムフェニコールを添加したもの)に対し、上述の培養液の10倍希釈系列溶液を等量混合後、好気条件30℃にて静置培養した。

0059

フザリウムオキシスポラム87573株に関し、当該菌株のみを接種し培養した対照群では培養液1mlあたり1.6×1010より多い菌数となったのに対し、当該菌株及び本発明の菌株を同時接種し培養した試験群では培養液1mlあたり7.0×103の菌数となり、当該カビの菌数は本発明の菌株の共存によって少なくとも100万分の一以下に低減されることが確認された。
フザリウムニベール 87253株に関し、対照群では培養液1mlあたり9.2×109の菌数となったのに対し、試験群では培養液1mlあたり7.9×103の菌数となり、当該カビの菌数は本発明の菌株の共存によって少なくとも100万分の一以下に低減されることが確認された。
以上により、本発明の菌株は、病原菌と同時に培養しても、該病原菌の生育を顕著に阻害できることを確認した。

0060

(本発明の菌株による同時培養でのエドワジェラタルダに対する抗菌活性の確認)
本発明の菌株を予め培養しているのではなく、エドワジェラ タルダと同時に、しかもエドワジェラ タルダの方がより多い菌数となるよう接種した状況下であってもエドワジェラ タルダを抑制できるかを確認した。詳細は、以下の通りであり、本実施例にて示される菌数は全てMPN菌数試験法にて算出した。

0061

邪魔板付フラスコにて調製した海水ミネラル添加ブロー液体培地にヒラメ腎臓より分離したエドワジェラタルダNUF806株を培地1mlあたり1.3×106(MPN菌数試験法換算)となるよう接種すると同時に本発明の菌株を培地1mlあたり1.7×104(以下、BA少数群)、1.7×102(以下、BA最少数群)又は無接種(以下、対照群)を設け、好気条件25℃にて振盪培養した。
振盪培養24、48、72時間後に培養液を採取し、滅菌生理食塩水で順次希釈した10倍希釈系列溶液を用いてMPN菌数試験に供した。エドワジェラ タルダ用MPN試験培地として各希釈段階に対し5本用意した2倍濃度のTSI液体培地(調製時にろ紙にて寒天を除去した後、エドワジェラ タルダのみを生育させるためバンコマイシンを添加したもの)に対し、上述の培養液の10倍希釈系列溶液を等量混合後、好気条件37℃にて静置培養した。

0062

エドワジェラタルダNUF806株のみを接種した対照群での培養液1mlあたりの菌数は、振盪培養24時間後で既に1.4×109に達し、48時間後で2.2×109、72時間後で7.0×109と漸次的に増加した。
一方、初期菌数においてエドワジェラ タルダの1%程度の菌数を接種したBA少数群での培養液1mlあたりのエドワジェラ タルダ NUF806株菌数は、振盪培養24時間後で2.0×105未満に減り、48時間後で80、72時間後で検出限界の20未満にまで減少した。
さらに、初期菌数においてエドワジェラ タルダの0.01%程度の菌数を接種したBA最少数群での培養液1mlあたりのエドワジェラ タルダ NUF806株菌数は、振盪培養24時間後で1.3×107となったが、48時間後で1300と顕著に減少し、72時間後で330とさらに減少した。
以上により、初期菌数の相対比において、本菌株の接種菌数がエドワジェラ タルダの1%程度の場合であれば、48時間後にはエドワジェラ タルダの菌数は検出限界近くまで減少すること(同時期の対照群に比べて2000万分の一以下の菌数)、また、0.01%程度にしか過ぎない場合であっても、エドワジェラ タルダの菌数は72時間のうちに顕著に減少すること(同時期の対照群に比べて2000万分の一以下の菌数)を確認した。

実施例

0063

結論
以上の実施例から、本発明の菌体(菌株)又は本発明の抗菌組成物は、以下の効果を有することを確認した。
(1)生体内に投与しても毒性がない。
(2)公知のバチルスアミロリキファシエンスと比較して、顕著なエドワジェラタルダに対する抗菌活性。
(3)公知のバチルス アミロリキファシエンスと比較して、顕著なクロストリジウムパーフリンゲンスに対する抗菌活性。
(4)公知のバチルス アミロリキファシエンスと比較して、顕著な植物病害カビに対する抗菌活性。
(5)家畜の生産性の向上。
(6)サイレージ中の植物病害カビ予防効果。
(7)病原菌(例えば、カビ、エドワジェラ タルダ)と同時に培養しても、該病原菌の生育を顕著に阻害できる。

0064

本発明は、新規なバチルスアミロリキファシエンス菌株及び該菌株を含む抗菌組成物を提供することができる。

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