図面 (/)

技術 内燃機関の点火装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 脇田和慶倉内淳史
出願日 2014年12月18日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-255773
公開日 2016年6月23日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-114039
状態 未査定
技術分野 内燃機関の点火装置 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御
主要キーワード 再点火動作 燃料噴射弁用 蓄積速度 コイル電圧 基本点火 再点火 ダウンサイジング 高回転状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

失火が発生した場合に、1つの点火コイルを用いて再点火動作を実行し、失火をより確実に回避することができる内燃機関点火装置を提供する。

解決手段

本発明による内燃機関の点火装置では、点火コイル2の1次コイル2bの印加電圧VINとしてバッテリ電圧VBATを用いた点火動作を、基本点火動作として実行する。また、基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合には、基本点火動作の後に、1次コイル2bの印加電圧VINを昇圧回路7による昇圧電圧BSTに切り替え、1次コイル2bの印加電圧VINとして昇圧電圧VBSTを用いた点火動作を、再点火動作として実行する(図2のステップ11、12)。

概要

背景

最近の内燃機関として、燃費の向上などを図るために、燃料噴射弁から燃焼室燃料を直接、噴射するとともに、燃焼室内に極リーン混合気を生成し、燃焼させるものが知られている。また、極リーンの混合気は燃焼しにくく、失火が生じやすいことから、その点火を確実に行うために、例えば、1つの気筒に2組の点火コイルを設け、交互に駆動することにより、1燃焼サイクルにおいて複数回の点火動作多重点火)を実行する点火装置も知られている。

しかし、上記の点火装置では、各気筒に2組の点火コイルを設置する必要があり、そのことが内燃機関のダウンサイジングの妨げになる。また、混合気の実際の燃焼状態にかかわらず、多重点火が常時、実行されるため、実際には失火の発生又はそのおそれがないにもかかわらず、多重点火が実行されることがあり、その場合には、点火のための電気エネルギが無駄に消費されるとともに、点火コイルの過熱による劣化を早めるおそれがある。

また、従来の他の点火装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この点火装置では、内燃機関の回転角速度の変動状態から失火の有無を判定し、失火ありと判定されたときに、次回以降の燃焼サイクルにおいて、点火コイルの1次コイル通電時間を延長することにより、点火エネルギを増大させることで、失火を回避するようにしている。

概要

失火が発生した場合に、1つの点火コイルを用いて再点火動作を実行し、失火をより確実に回避することができる内燃機関の点火装置を提供する。本発明による内燃機関の点火装置では、点火コイル2の1次コイル2bの印加電圧VINとしてバッテリ電圧VBATを用いた点火動作を、基本点火動作として実行する。また、基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合には、基本点火動作の後に、1次コイル2bの印加電圧VINを昇圧回路7による昇圧電圧BSTに切り替え、1次コイル2bの印加電圧VINとして昇圧電圧VBSTを用いた点火動作を、再点火動作として実行する(のステップ11、12)。

目的

本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、失火が発生した場合に、1つの点火コイルを用いて再点火動作を実行でき、それにより、失火をより確実に回避することができる内燃機関の点火装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

点火コイルの1次コイル電圧印加及び遮断することにより、2次コイルに誘導起電力を発生させ、点火プラグ火花放電させる点火動作によって、燃焼室内の混合気点火する内燃機関点火装置であって、バッテリと、当該バッテリの電圧を昇圧する昇圧回路と、前記1次コイルへの電圧の印加又は遮断を切り替えるための第1スイッチング素子と、前記1次コイルの印加電圧を前記バッテリ電圧又は前記昇圧回路により昇圧された昇圧電圧に切り替えるための第2スイッチング素子と、前記第1及び第2スイッチング素子を制御することにより、前記1次コイルの印加電圧として前記バッテリ電圧を用いた点火動作を、基本点火動作として実行させる制御手段と、失火が発生しているか否かを判定する失火判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合には、前記基本点火動作の後に、前記1次コイルの印加電圧として前記昇圧電圧を用いた点火動作を、再点火動作として実行させることを特徴とする内燃機関の点火装置。

請求項2

前記内燃機関は、ソレノイドへの電圧の印加により前記燃焼室に燃料噴射する燃料噴射弁を有し、前記ソレノイドの印加電圧を前記バッテリ電圧又は前記昇圧電圧に切り替えるための第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子をさらに備え、前記制御手段は、前記第1〜第4スイッチング素子を制御することにより、前記バッテリ電圧又は前記昇圧電圧を前記1次コイル及び前記ソレノイドに互いに異なるタイミングで印加することによって、前記点火コイル及び前記燃料噴射弁を駆動することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の点火装置。

請求項3

前記2次コイルに発生した電圧を2次コイル電圧として検出する2次コイル電圧検出手段をさらに備え、前記失火判定手段は、前記基本点火動作の後に検出された2次コイル電圧が所定値よりも小さいときに、失火が発生したと判定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の点火装置。

請求項4

前記昇圧電圧を検出する昇圧電圧検出手段と、当該検出された昇圧電圧に応じて、前記再点火動作のための前記1次コイルの印加時間を設定する印加時間設定手段と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の点火装置。

技術分野

0001

本発明は、1気筒に対して1つの点火コイルを用い、失火発生状態に応じて点火動作を行う内燃機関点火装置に関する。

背景技術

0002

最近の内燃機関として、燃費の向上などを図るために、燃料噴射弁から燃焼室燃料を直接、噴射するとともに、燃焼室内に極リーン混合気を生成し、燃焼させるものが知られている。また、極リーンの混合気は燃焼しにくく、失火が生じやすいことから、その点火を確実に行うために、例えば、1つの気筒に2組の点火コイルを設け、交互に駆動することにより、1燃焼サイクルにおいて複数回の点火動作(多重点火)を実行する点火装置も知られている。

0003

しかし、上記の点火装置では、各気筒に2組の点火コイルを設置する必要があり、そのことが内燃機関のダウンサイジングの妨げになる。また、混合気の実際の燃焼状態にかかわらず、多重点火が常時、実行されるため、実際には失火の発生又はそのおそれがないにもかかわらず、多重点火が実行されることがあり、その場合には、点火のための電気エネルギが無駄に消費されるとともに、点火コイルの過熱による劣化を早めるおそれがある。

0004

また、従来の他の点火装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この点火装置では、内燃機関の回転角速度の変動状態から失火の有無を判定し、失火ありと判定されたときに、次回以降の燃焼サイクルにおいて、点火コイルの1次コイル通電時間を延長することにより、点火エネルギを増大させることで、失火を回避するようにしている。

先行技術

0005

特開平10−47216号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述したように、従来の点火装置では、失火ありと判定されたときに、点火エネルギを増大させるために、点火コイルの1次コイルの通電時間が延長される。しかし、1燃焼サイクルにおいて点火に適した期間は限られ、内燃機関の高回転状態では特にその期間(時間)がより短くなる。これに対し、上記のように通電時間を単純に延長した場合には、点火動作全体に要する時間が長くなるため、この点火動作を、失火ありと判定された今回の燃焼サイクルにおける再点火動作(多重点火)として実行することは困難である。このため、この従来の点火装置では、1次コイルの通電時間の延長を伴う点火動作を次回以降の燃焼サイクルにおいて実行することを前提としており、今回の燃焼サイクルにおいて最終的に失火を解消することはできない。

0007

本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、失火が発生した場合に、1つの点火コイルを用いて再点火動作を実行でき、それにより、失火をより確実に回避することができる内燃機関の点火装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、点火コイル2の1次コイル2bに電圧印加及び遮断することにより、2次コイル2cに誘導起電力を発生させ、点火プラグ1で火花放電させる点火動作によって、燃焼室内の混合気に点火する内燃機関の点火装置であって、バッテリ6と、バッテリ6の電圧VBATを昇圧する昇圧回路7と、1次コイル2bへの電圧の印加又は遮断を切り替えるための第1スイッチング素子(実施形態における(以下、本項において同じ)第1トランジスタQ1)と、1次コイル2bの印加電圧VINをバッテリ電圧VBAT又は昇圧回路7により昇圧された昇圧電圧BSTに切り替えるための第2スイッチング素子(第2トランジスタQ2)と、第1及び第2スイッチング素子を制御することにより、1次コイル2bの印加電圧VINとしてバッテリ電圧VBATを用いた点火動作を、基本点火動作として実行させる制御手段(ECU4)と、失火が発生しているか否かを判定する失火判定手段(ECU4、図2のステップ2)と、を備え、制御手段は、基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合には、基本点火動作の後に、1次コイル2bの印加電圧VINとして昇圧電圧VBSTを用いた点火動作を、再点火動作として実行させること(図2のステップ11、12)を特徴とする。

0009

この内燃機関の点火装置は、点火コイルの1次コイルへの電圧の印加及び遮断により、2次コイルに誘導起電力を発生させ、点火プラグで火花放電させる点火動作によって、混合気の点火を行うものであり、1次コイルへの電圧の印加又は遮断は、第1スイッチング素子によって切り替えられる。また、点火装置は、バッテリと、バッテリの電圧を昇圧する昇圧回路を備えており、1次コイルの印加電圧が、第2スイッチング素子によって、バッテリ電圧又は昇圧回路による昇圧電圧に切り替えられる。これらの第1及び第2スイッチング素子の動作を制御手段で制御することによって、1次コイルの印加電圧としてバッテリ電圧を用いた基本点火動作が実行される。

0010

また、この基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合には、基本点火動作の後に、1次コイルの印加電圧として昇圧電圧を用いた再点火動作が実行される。このように、失火と判定された場合に、1次コイルの印加電圧をより高い昇圧電圧に切り替えることにより、点火プラグの火花放電に必要な点火(磁気エネルギをより短時間で蓄積し、点火動作に要する時間を短縮できる。その結果、1つの点火コイルを用い、基本点火動作に引き続いて再点火動作を実行でき、失火をより確実に回避することができる。この場合、再点火動作は、今回の燃焼サイクルにおいて失火判定に引き続いて実行してもよく、あるいは次回以降の燃焼サイクルにおいて実行してもよい。前者の場合には特に、今回の燃焼サイクルにおいて発生した失火状態を有効に解消することができる。

0011

さらに、本発明では、1つの点火コイルで再点火動作が可能であるので、2組の点火コイルを用いて多重点火を行う従来の装置と異なり、コンパクトに配置でき、内燃機関のダウンサイジングを妨げることはない。また、通常は基本点火動作を実行し、失火が発生していると判定された場合に限り、再点火動作を実行するので、多重点火を常時、実行する従来の場合と比較し、より少ない電気エネルギで、効率良く失火を回避できるとともに、点火コイルの過熱による劣化を抑制することができる。

0012

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の点火装置において、内燃機関は、ソレノイド5aへの電圧の印加により燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁5を有し、ソレノイド5aの印加電圧をバッテリ電圧VBAT又は昇圧電圧VBSTに切り替えるための第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子(第3トランジスタQ3、第4トランジスタQ4)をさらに備え、制御手段は、第1〜第4スイッチング素子を制御することにより、バッテリ電圧VBAT又は昇圧電圧VBSTを1次コイル2b及びソレノイド5aに互いに異なるタイミングで印加することによって、点火コイル2及び燃料噴射弁5を駆動することを特徴とする。

0013

この構成によれば、燃料噴射弁は電磁式のものであり、そのソレノイドにバッテリ電圧又は昇圧電圧を印加することによって、燃焼室に燃料が噴射される。ソレノイドの印加電圧は、第3及び第4スイッチング素子によって、バッテリ電圧又は昇圧電圧に切り替えられる。そして、制御手段で第1〜第4スイッチング素子を制御することにより、バッテリ電圧又は昇圧電圧を1次コイル及びソレノイドに互いに異なるタイミングで印加することによって、点火コイル及び燃料噴射弁が駆動される。

0014

以上のように、第1〜第4スイッチング素子を含む共通の駆動回路と共通の制御手段を用いて、点火装置と燃料噴射弁を駆動することができる。また、燃料噴射弁が燃焼室に燃料を噴射するタイプの場合、その駆動回路が昇圧回路を有し、ソレノイドの印加電圧を昇圧回路による昇圧電圧からバッテリ電圧に切り替えながら燃料噴射弁を駆動することが、比較的一般に行われている。したがって、例えば、そのような燃料噴射弁用の既存の駆動回路に、第1及び第2スイッチング素子などを組み込むだけで、点火装置と燃料噴射弁に共用される本発明の駆動回路を容易に実現することが可能である。

0015

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の点火装置において、2次コイル2cに発生した電圧を2次コイル電圧VC2として検出する2次コイル電圧検出手段(ECU4)をさらに備え、失火判定手段は、基本点火動作の直後に検出された2次コイル電圧VC2が所定値(しきい値VREF)よりも小さいときに、失火が発生したと判定すること(図2のステップ2)を特徴とする。

0016

点火動作によって混合気が正常に着火し、燃焼している場合には、燃焼によるイオン電流が発生するため、点火動作によって上昇した2次コイル電圧は、その後、緩やかに低下する。これに対し、失火が発生した場合には、イオン電流が発生しないため、2次コイル電圧は、点火動作の後に急激に低下する。したがって、基本点火動作の直後に検出された2次コイル電圧が所定値よりも小さいときには、失火が発生していると適切に判定することができる。また、この判定方法によれば、判定の結果が基本点火動作の後に比較的短い時間で得られるので、今回の燃焼サイクルにおいて失火判定に引き続いて再点火動作を行う場合には特に、再点火動作を時間的な余裕をもって行うことができる。

0017

請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の点火装置において、昇圧電圧VBSTを検出する昇圧電圧検出手段(ECU4)と、検出された昇圧電圧VBSTに応じて、再点火動作のための1次コイル2bの印加時間TEAを設定する印加時間設定手段(ECU4、図2のステップ5、図3)と、をさらに備えることを特徴とする。

0018

前述したように、1次コイルに電圧を印加したときの点火エネルギの蓄積速度は、印加電圧に応じて変化する。この構成によれば、再点火動作のための1次コイルの印加時間を検出された実際の昇圧電圧に応じて設定するので、1次コイルの再印加を過不足なく行い、必要な点火エネルギを効率的に得ることができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態による内燃機関の点火装置を燃料噴射弁の駆動装置とともに示す図である。
多重点火制御処理を示すフローチャートである。
多重点火制御処理で用いられるマップである。
実施形態によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。

実施例

0020

以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、本発明が適用された内燃機関の点火装置は、点火プラグ1と、点火プラグ1に火花放電を発生させるための点火コイル2と、点火コイル2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3を制御する電子制御ユニット(以下「ECU」という)4などを備えている。

0021

内燃機関(図示せず)は、例えば4つの気筒を有しており、各気筒に、点火プラグ1及び点火コイル2と、燃焼室に燃料を直接、噴射する燃料噴射弁5が設けられている。図1に示すように、燃料噴射弁5は駆動回路3に接続されており、燃料噴射弁5の動作は、ECU4により駆動回路3を介して制御される。すなわち、駆動回路3及びECU4は、点火プラグ1及び燃料噴射弁5の駆動・制御のために共用されている。

0022

また、駆動回路3は、バッテリ6の電圧VBATを昇圧するための昇圧回路7と、後述する各種の切替動作を行うスイッチング素子としての第1〜第5トランジスタQ1〜Q5などを有する。

0023

点火コイル2は、鉄心2aと、鉄心2aに巻かれた1次コイル2b及び2次コイル2cで構成されている。1次コイル2bの一端は、ダイオードD1、ソレノイドS1及びコンデンサC1を介して、バッテリ6に接続され、他端は、バイポーラ型の第1トランジスタQ1のコレクタに接続されている。第1トランジスタQ1のエミッタアースに接続され、ベースはECU4に接続されている。2次コイル2cの一端は、燃焼室に臨む点火プラグ1の一対の電極の一方に接続され、2次コイル2cの他端及び点火プラグ1の他方の電極は、アースに接続されている。

0024

以上の構成により、ECU4から第1トランジスタQ1のベースにスイッチング信号(以下「点火信号」という)SIが入力されると、第1トランジスタQ1がオンすることで、点火コイル2の1次コイル2bにバッテリ電圧VBATが印加され、1次コイル2bが通電される。その後、第1トランジスタQ1がオフされると、1次コイル2bの印加(通電)が遮断され、2次コイル2cの両端に高圧の誘導起電力が発生し、この誘導起電力が点火プラグ1の電極間で火花放電することで、1次コイル2bの印加電圧VINとしてバッテリ電圧VBATを用いた点火動作が行われる。

0025

また、第1トランジスタQ1のエミッタとアースの間には抵抗R1が設けられ、エミッタ−抵抗R1間はECU4に接続されており、その出力に基づき、ECU4は、1次コイル2bの電圧VC1を検出する。同様に、2次コイル2cとアースの間には抵抗R2が設けられ、2次コイル2c−抵抗R2間はECU4に接続されており、その出力に基づき、ECU4は、2次コイル2cの電圧(以下「2次コイル電圧」という)VC2を検出する。

0026

昇圧回路7は、2組のソレノイドL0、電界効果型のトランジスタQ0、及びダイオードD0と、コンデンサC0で構成されている。2つのソレノイドL0、L0の一端は、バッテリ6の出力側に互いに並列に接続され、各ソレノイドL0の他端は、トランジスタQ0のドレインに接続されている。トランジスタQ0のソースはアースに接続され、ゲートはECU4に接続されている。また、各ダイオードD0は、ソレノイドL0とトランジスタQ0のドレインとの間に接続されるとともに、コンデンサC0の入力側に接続されている。

0027

以上の構成の昇圧回路7では、ECU4から各トランジスタQ0のゲートにスイッチング信号SVIが入力されると、トランジスタQ0がオンすることで、バッテリ電圧VBATが各ソレノイドL0に印加され、電気エネルギが蓄えられる。この状態からトランジスタQ0がオフされると、ソレノイドL0に蓄えられた電気エネルギが、ダイオードD0を介してコンデンサC0に供給・蓄電されることによって、昇圧が行われる。また、コンデンサC0の出力側はECU4に接続されており、それにより、昇圧回路7の出力電圧である昇圧電圧VBSTが検出される。

0028

また、昇圧回路7のコンデンサC0の出力側は、電界効果型の第2トランジスタQ2のドレインに接続されている。第2トランジスタQ2のソースは、点火コイル2の1次コイル2bの一端に接続され、ゲートはECU4に接続されている。この構成によれば、ECU4から第2トランジスタQ2のゲートにスイッチング信号SCIが入力されると、第2トランジスタQ2がオンすることで、点火コイル2の1次コイル2bに昇圧電圧VBSTが印加され、その後、第2トランジスタQ2がオフされることによって、1次コイル2bの印加電圧VINとして昇圧電圧VBSTを用いた点火動作が行われる。

0029

昇圧回路7のコンデンサC0の出力側はさらに、電界効果型の第3トランジスタQ3のドレインに接続されている。第3トランジスタQ3のソースは、燃料噴射弁5のソレノイド5aの一端に接続され、ゲートはECU4に接続されている。また、燃料噴射弁5のソレノイド5aの他端は、バイポーラ型の第5トランジスタQ5のコレクタに接続されている。第5トランジスタQ1のエミッタはアースに接続され、ベースはECU4に接続されている。

0030

また、バッテリ6の出力側は、ダイオードD1と昇圧回路7のソレノイドL0との間において、バイポーラ型の第4トランジスタQ4のエミッタに接続されている。第4トランジスタQ4のコレクタは、ツェナーダイオードD2を介して燃料噴射弁5のソレノイド5aの一端側に接続され、さらにツェナーダイオードD3を介してアースに接続されており、ベースはECU4に接続されている。

0031

以上の構成により、前述した点火コイル2側の第2トランジスタQ2をオフにした状態で、ECU4から第3トランジスタQ3のゲートにスイッチング信号SCFが入力されると、第3トランジスタQ3がオンすることで、燃料噴射弁5のソレノイド5aに昇圧回路7から昇圧電圧VBSTが印加される。また、この状態で、ECU4から第5トランジスタQ5のベースにスイッチング信号SFが入力されると、ソレノイド5aに昇圧電圧VBSTによる大きな駆動電流が供給されることによって、燃料噴射弁5が開弁し、燃焼室に燃料が噴射される。

0032

また、この開弁の後、第3トランジスタQ3をオフするとともに、ECU4から第4トランジスタQ4のベースにスイッチング信号SBFが入力されると、第4トランジスタQ4がオンすることで、ソレノイド5aの印加電圧がバッテリ電圧VBATに切り替えられる。これにより、ソレノイド5aに、バッテリ電圧VBATによる、より小さな駆動電流(保持電流)が供給されることによって、燃料噴射弁5が開弁状態に保持される。さらに、その後、第4及び第5トランジスタQ4、Q5がオフされることで、燃料噴射弁5が閉弁する。

0033

図1に示すように、ECU4には、クランク角センサ21から、パルス信号であるCRK信号及びTDC信号が入力される。CRK信号は、所定のクランク角度(例えば1°)ごとに入力される。ECU4は、CRK信号に基づき、内燃機関の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。

0034

TDC信号は、いずれかの気筒において、内燃機関のピストン(図示せず)が吸気行程開始時の上死点付近の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、したがって、内燃機関が4気筒の場合にはクランク角度180°ごとに出力される。ECU4は、TDC信号及びCRK信号に基づき、TDC信号の発生タイミングを基準とするクランク角CAを、気筒ごとに算出する。

0035

また、ECU4には、アクセル開度センサ22から、車両のアクセルペダル(図示せず)の操作量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が入力され、さらに、図示しない各種のセンサから、内燃機関の運転状態(例えば冷却水温吸入空気量やEGR量など)を表す検出信号が入力される。

0036

ECU4は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などを有するマイクロコンピュータで構成されている。ECU4は、上述したセンサセンサ21、22及び各種のセンサからの検出信号などに応じて、燃料噴射弁5による燃料噴射量及び燃料噴射時期や点火装置による点火時期を算出する。そして、それらの算出結果に基づき、前述した第1〜第5トランジスタQ1〜Q5及び昇圧回路7のトランジスタQ0へのスイッチング信号のオン/オフを制御することによって、燃料噴射弁5の燃料噴射動作及び点火装置の点火動作を制御する。本実施形態では、ECU4が、制御手段、失火判定手段、2次コイル電圧検出手段、昇圧電圧検出手段、及び印加時間設定手段に相当する。

0037

なお、上記の燃料噴射時期は例えば圧縮行程に設定され、点火時期は例えば燃料噴射時期の後の膨張行程に設定されており、この関係から、燃料噴射弁5の印加と点火コイル2の印加及び遮断は、互いに異なるタイミングで実行される。したがって、共通の駆動回路3及びECU4を用いて、燃料噴射弁5及び点火コイル2を異なるタイミングで順に駆動することにより、燃料噴射及び点火動作を支障なく行うことができる。

0038

図2は、ECU4で実行される多重点火制御処理を示す。この多重点火制御は、バッテリ電圧VBATを用いた通常の点火動作(以下「基本点火動作」という)を実行した直後から、例えば膨張行程の終期までの所定の期間において、CRK信号の入力に同期して気筒ごとに実行される。

0039

本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、再点火動作モードフラグF_IGRが「1」であるか否かを判別する。この答えがNOで、再点火動作モード中でないときには、ECU4で検出された2次コイル電圧VC2が、失火判定用の所定のしきい値VREFよりも小さいか否かを判別する(ステップ2)。

0040

この判別は、2次コイル電圧VC2の以下の特性に基づくものである。すなわち、点火動作によって混合気が正常に着火し、燃焼している場合には、燃焼によるイオン電流が発生するため、図4(d)(クランク角CA:CAIGR以降)に示すように、点火動作によって上昇した2次コイル電圧VC2は、緩やかに低下する状態を経た後、さらに値0付近まで低下する。これに対し、失火が発生した場合には、イオン電流が発生しないため、図4(d)(CA:CA2〜CAIGR)に示すように、2次コイル電圧VC2は、点火動作の後に値0付近まで急激に低下する。

0041

以上の特性に基づき、ステップ2の答えがNOで、2次コイル電圧VC2がしきい値VREF以上のときには、基本点火動作によって混合気が正常に燃焼し、失火が発生していないと判定し、再点火動作を実行しないものとして、そのまま本処理を終了する。

0042

一方、ステップ2の答えがYESで、2次コイル電圧VC2がしきい値VREFを下回っているときには、失火が発生していると判定し、ステップ3以降の再点火動作モードに移行し、失火状態を解消するための再点火動作を実行する。

0043

まず、ステップ3では、再点火動作モード中であることを表すために、再点火動作モードフラグF_IGRを「1」にセットする。また、第2トランジスタQ2にスイッチング信号SCIを出力することによって、点火コイル2の1次コイル2bの印加電圧VINを、基本点火動作時のバッテリ電圧VBATから昇圧電圧VBSTに切り替える(ステップ4)。

0044

次に、検出されたアクセル開度AP及びエンジン回転数NEなどに応じて、再点火時期CAIGRをクランク角CA基準で算出する(ステップ5)。次に、検出された昇圧電圧VBSTに応じ、図3に示すマップを検索することによって、1次コイル2bの印加時間TEAを算出する(ステップ6)。このマップでは、昇圧電圧VBSTが高いほど、1次コイル2bへの電圧の印加による点火エネルギの蓄積速度が大きく、点火プラグ1の火花放電に必要な点火エネルギがより短い時間で得られるため、印加時間TEAはより小さな値に設定されている。

0045

次に、算出された印加時間TEAを、エンジン回転数NE及び換算係数KTCを用いて、印加クランク角度CAEAに換算する(ステップ7)とともに、この印加クランク角度CAEAを再点火時期CAIGRから減算することによって、再印加開始時期ASTを算出し(ステップ8)、本処理を終了する。

0046

以上のように再点火動作モードに移行した後には、前記ステップ1の答えがYESになり、その場合には、ステップ9において、クランク角CAが再点火時期CAIGRに等しいか否かを判別し、その答えがNOのときには、クランク角CAが再印加開始時期CASTに等しいか否かを判別する(ステップ10)。この答えがNOのときには、そのまま本処理を終了する。

0047

一方、ステップ10の答えがYESで、クランク角CAが再印加開始時期CASTに達したときには、第1トランジスタQ1に点火信号SIを出力することによって、1次コイル2bへの昇圧電圧VBSTの印加を開始し(ステップ11)、本処理を終了する。

0048

その後、前記ステップ9の答えがYESになり、クランク角CAが再点火時期CASRTに達したときに、点火信号SIをオフし、1次コイル2bの印加を遮断することによって、再点火動作を実行する(ステップ12)。最後に、再点火動作モードフラグF_IGRを「0」にリセットし(ステップ13)、本処理を終了する。

0049

図4は、これまでに説明した実施形態によって得られる動作例を示す。この例は、基本点火動作の後に失火が発生し、それに応じて実行した再点火動作によって失火状態が解消された例である。本例では、まずクランク角CA=CA1のときに、点火信号SIが出力されることで、1次コイル2bへのバッテリ電圧VBATの印加が開始され、その後、CA=CA2のときに印加が遮断されることで、基本点火動作が実行される。

0050

この基本点火動作の後に失火が発生すると、2次コイル電圧VC2がしきい値VREFを下回ることにより、失火が発生していると判定され(図2のステップ2:YES、CA=CA3)、それに応じて再点火動作が実行される。具体的には、1次コイル2bの印加電圧VINをバッテリ電圧VBATから昇圧電圧VBSTに即座に切り替える(ステップ4)とともに、再点火時期CAIGR及び1次コイル2bの再印加開始時期CASTが算出される(ステップ5、8)。

0051

そして、クランク角CAが再印加開始時期CASTになったときに、1次コイル2bの印加が開始される(ステップ11)。この場合、印加電圧VINとして、より高い昇圧電圧VBSTが用いられるので、バッテリ電圧VBATの場合と比較して、1次コイル電流IC1がより速く増加し、点火プラグ1の火花放電に必要な点火エネルギがより短い時間で得られる。

0052

その後、クランク角CAが再点火時期CAIGRになったときに、1次コイル2bの印加を遮断することによって、再点火動作が実行され、それにより、失火状態が解消されている。

0053

以上のように、本実施形態によれば、基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合、それに引き続き、点火コイル2の印加電圧VINをバッテリ電圧VBATから昇圧電圧VBSTに切り替え、再点火動作を実行する。これにより、点火プラグ1の火花放電に必要な点火エネルギがより短時間で蓄積されるので、今回の燃焼サイクルにおいて1つの点火コイル2で再点火動作を実行でき、失火状態を解消することができる。

0054

また、1つの点火コイル2で再点火動作が可能であるので、2組の点火コイルを用いて多重点火を行う従来の装置と異なり、コンパクトに配置でき、内燃機関のダウンサイジングを妨げることはない。さらに、通常は基本点火動作を実行し、失火が発生したと判定された場合に限り、再点火動作を実行するので、多重点火を常時、実行する従来の場合と比較し、より少ない電気エネルギで、効率良く失火を回避できるとともに、点火コイルの過熱による劣化を抑制することができる。

0055

また、第1〜第5トランジスタQ1〜Q5や昇圧回路7を含む共通の駆動回路3と共通のECU4を用いて、点火コイル2と燃料噴射弁5を駆動できるとともに、例えば、燃料噴射弁用の既存の駆動回路に、第1及び第2トランジスタQ1、Q2などを組み込むだけで、駆動回路3を容易に実現することができる。

0056

さらに、基本点火動作の直後における燃焼状態に応じたイオン電流を反映する2次コイル電圧VC2に基づき、失火を判定するので、この失火の判定を適切かつ迅速に行えるとともに、失火判定に引き続く再点火動作を時間的な余裕をもって行うことができる。また、再点火動作のための1次コイル2bの印加時間TEAを検出された実際の昇圧電圧VBSTに応じて設定するので、1次コイル2bの再印加を過不足なく行い、再点火動作に必要な点火エネルギを効率的に得ることができる。

0057

なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、基本点火動作の後に失火が発生していると判定された場合、それに引き続き、再点火動作が今回の燃焼サイクルにおいて実行される。本発明は、これに限らず、失火発生と判定された場合には、失火が発生しやすい状況にあるとして、再点火動作を、今回の燃焼サイクルに加えて、次回以降の例えば所定回数の燃焼サイクルにおいて実行してもよく、あるいは、次回の燃焼サイクル以降においてのみ実行してもよい。

0058

また、実施形態では、失火の判定を、イオン電流を反映した2次コイル電圧VC2を用いて行っているが、他の適当な手法で行ってもよいことはもちろんであり、例えば内燃機関の回転速度の変動状態に基づく判定手法を採用することが可能である。

0059

さらに、実施形態では、点火装置用の駆動回路3及びECU4を、燃料噴射弁5用のものと共用しているが、別個に構成してもよいことはもちろんである。また、実施形態で示した駆動回路3の構成は、あくまで例示であり、第1及び第2スイッチング素子の制御により、点火コイル2の印加と遮断を切り替え、印加電圧をバッテリ電圧と昇圧電圧に切り替えることが可能である限り、任意の構成を採用することができる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。

0060

1点火プラグ
2点火コイル
2b 1次コイル
2c 2次コイル
3駆動回路
4 ECU(制御手段、失火判定手段、2次コイル電圧検出手段、昇圧電圧検出手段、印加時間設定手段)
5燃料噴射弁
5aソレノイド
6バッテリ
7昇圧回路
Q1 第1トランジスタ(第1スイッチング素子)
Q2 第2トランジスタ(第2スイッチング素子)
Q3 第3トランジスタ(第3スイッチング素子)
Q4 第4トランジスタ(第4スイッチング素子)
VIN 1次コイルの印加電圧
VBATバッテリ電圧
VBST 昇圧電圧
VC2 2次コイル電圧
VREF しきい値(所定値)
TEA 印加時間

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ