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図面 (7)

課題

アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジン制御装置を提供する。

解決手段

排気通路排気ガス浄化する三元触媒が設けられたエンジンの制御装置は、混合気における空燃比を検出する空燃比検出部と、目標空燃比を設定する目標空燃比設定部と、燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出部と、検出されたアルコール濃度を基に、燃料の理論空燃比を検出する理論空燃比検出部とを備える。目標空燃比は、アルコール濃度が高いほど、検出された理論空燃比からリーン側シフトした値に設定される。

概要

背景

一般的に、車両用エンジンでは、燃費向上の観点から、燃焼室に供給される空気と燃料の質量混合比(空燃比:空気の質量/燃料の質量)が、酸素と燃料が過不足なく反応するときの値(理論空燃比)またはこれに近い値に設定される。具体的には、排気ガス中の残存酸素濃度を測定して、当該濃度が高いときには空燃比を小さくし(リッチ側にシフトさせ)、当該濃度が低いときには空燃比を大きくする(リーン側にシフトさせる)制御が行われる。

上記燃料として一般的にはガソリン軽油が用いられるが、石油消費量や排気ガス中の二酸化炭素を削減するといった目的のため、エタノールメタノール等のアルコールを含有する燃料を使用可能なエンジンが実用化されている。アルコール分子酸素原子を含むため、燃料のアルコール濃度が高いほど上記理論空燃比は小さくなる。理論空燃比は、E0(ガソリン100%)では約14.7であり、E100(エタノール100%、実際には水を約5%含む含水エタノール)では約9.0である。

例えば特許文献1には、三元触媒による排気浄化効率を向上させる目的で、燃料のアルコール濃度を検出し、検出したアルコール濃度に応じた理論空燃比を算出し、当該アルコール濃度が高いほど空燃比の目標値(目標空燃比)を上記理論空燃比からリッチ側にシフトさせるように構成されたエンジンの制御装置が開示されている。

ここで、燃料の燃焼により発生する排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等の有害物質が含まれる。これらの有害物質は、エンジンの排気通路に設けられた三元触媒により酸化または還元されて除去される。しかし、三元触媒による各有害物質の浄化率は、HCとCOについては空燃比が理論空燃比よりリッチになるほど低下し、NOxについてはリーンになるほど低下する。

概要

アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置を提供する。排気通路に排気ガスを浄化する三元触媒が設けられたエンジンの制御装置は、混合気における空燃比を検出する空燃比検出部と、目標空燃比を設定する目標空燃比設定部と、燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出部と、検出されたアルコール濃度を基に、燃料の理論空燃比を検出する理論空燃比検出部とを備える。目標空燃比は、アルコール濃度が高いほど、検出された理論空燃比からリーン側にシフトした値に設定される。

目的

本発明は、アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

排気通路排気ガス浄化する三元触媒が設けられ、アルコールを含有する燃料使用可能なエンジンを制御するエンジンの制御装置であって、空気と燃料の混合気における空燃比を検出する空燃比検出部と、前記空燃比の目標値である目標空燃比を設定する目標空燃比設定部と、前記燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出部と、前記アルコール濃度検出部により検出されたアルコール濃度を基に、前記燃料の理論空燃比を検出する理論空燃比検出部とを備え、前記目標空燃比設定部は、前記アルコール濃度が高いほど、前記理論空燃比検出部により検出された理論空燃比からリーン側シフトした目標空燃比を設定することを特徴とする、エンジンの制御装置。

請求項2

前記三元触媒の劣化を検出する劣化検出部を備え、前記目標空燃比設定部は、前記劣化検出部により前記三元触媒の劣化が検出されたときに、前記目標空燃比設定部により設定された目標空燃比をリッチ側に所定量補正することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの制御装置。

請求項3

前記所定量は、前記アルコール濃度が高いほど小さいことを特徴とする、請求項2に記載のエンジンの制御装置。

技術分野

0001

本発明は、アルコールを含有する燃料使用可能なエンジンを制御するエンジンの制御装置に関する。

背景技術

0002

一般的に、車両用のエンジンでは、燃費向上の観点から、燃焼室に供給される空気と燃料の質量混合比(空燃比:空気の質量/燃料の質量)が、酸素と燃料が過不足なく反応するときの値(理論空燃比)またはこれに近い値に設定される。具体的には、排気ガス中の残存酸素濃度を測定して、当該濃度が高いときには空燃比を小さくし(リッチ側にシフトさせ)、当該濃度が低いときには空燃比を大きくする(リーン側にシフトさせる)制御が行われる。

0003

上記燃料として一般的にはガソリン軽油が用いられるが、石油消費量や排気ガス中の二酸化炭素を削減するといった目的のため、エタノールメタノール等のアルコールを含有する燃料を使用可能なエンジンが実用化されている。アルコール分子酸素原子を含むため、燃料のアルコール濃度が高いほど上記理論空燃比は小さくなる。理論空燃比は、E0(ガソリン100%)では約14.7であり、E100(エタノール100%、実際には水を約5%含む含水エタノール)では約9.0である。

0004

例えば特許文献1には、三元触媒による排気浄化効率を向上させる目的で、燃料のアルコール濃度を検出し、検出したアルコール濃度に応じた理論空燃比を算出し、当該アルコール濃度が高いほど空燃比の目標値(目標空燃比)を上記理論空燃比からリッチ側にシフトさせるように構成されたエンジンの制御装置が開示されている。

0005

ここで、燃料の燃焼により発生する排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等の有害物質が含まれる。これらの有害物質は、エンジンの排気通路に設けられた三元触媒により酸化または還元されて除去される。しかし、三元触媒による各有害物質の浄化率は、HCとCOについては空燃比が理論空燃比よりリッチになるほど低下し、NOxについてはリーンになるほど低下する。

先行技術

0006

特開昭62−294740号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記の通り、燃料のアルコール濃度が高いほど理論空燃比が小さくなり、同じ吸入空気量に対して供給すべき燃料の量が増加する。また、アルコールの単位質量当たりのエネルギ発生量はガソリン等に比べて小さいため、同じ要求駆動力満足するために供給すべき燃料の量はアルコール濃度が高いほどさらに増加する。従って、特許文献1のように、アルコール濃度が高くなるほど、三元触媒によるHCとCOの浄化率が低いリッチ側に目標空燃比をシフトさせると、三元触媒により浄化されずに車外へ排出されるHCとCOの量が増加する。

0008

本発明は、アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置を提供することを課題とする。

0009

本発明は、エンジンの排気通路に設けられた三元触媒が劣化した場合であっても、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置を提供することを更なる課題とする。

課題を解決するための手段

0010

請求項1に記載の発明は、排気通路に排気ガスを浄化する三元触媒が設けられ、アルコールを含有する燃料を使用可能なエンジンを制御するエンジンの制御装置であって、
空気と燃料の混合気における空燃比を検出する空燃比検出部と、
前記空燃比の目標値である目標空燃比を設定する目標空燃比設定部と、
前記燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出部と、
前記アルコール濃度検出部により検出されたアルコール濃度を基に、前記燃料の理論空燃比を検出する理論空燃比検出部とを備え、
前記目標空燃比設定部は、前記アルコール濃度が高いほど、前記理論空燃比検出部により検出された理論空燃比からリーン側にシフトした目標空燃比を設定することを特徴とする。

0011

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記三元触媒の劣化を検出する劣化検出部を備え、
前記目標空燃比設定部は、前記劣化検出部により前記三元触媒の劣化が検出されたときに、前記目標空燃比設定部により設定された目標空燃比をリッチ側に所定量補正することを特徴とする。

0012

本願の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記所定量は、前記アルコール濃度が高いほど小さいことを特徴とする。

発明の効果

0013

本願請求項1に記載の発明によれば、燃料のアルコール濃度が高いほど、三元触媒によるHCとCOの浄化率が高いリーン側に目標空燃比がシフトするので、浄化されずに車外へ排出されるHCとCOの量を充分に削減できる。また、アルコールはガソリン等よりも燃焼温度が低く、燃料のアルコール濃度が高いほどNOxの発生量が低下するので、目標空燃比がシフトしたとしてもNOxの排出量の増大が抑制される。
このようにして、アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置が実現する。

0014

本願請求項2に記載の発明によれば、三元触媒が劣化するとリーン側でNOxの浄化率が低下してしまうという事実に鑑みて、三元触媒の劣化が検出されると目標空燃比がリッチ側に補正され、これによりNOxの排出量の増大が抑制される。
このようにして、三元触媒が劣化した場合であっても、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置が実現する。

0015

請求項3に記載の発明によれば、燃料のアルコール濃度が高いほどNOxの発生量が低下するという事実に鑑みて、燃料のアルコール濃度が高いほど、請求項2における目標空燃比のリッチ側へのシフト量が小さくされるので、NOxの排出量の増大を抑制しつつHC、COについても排出量の増大を抑制することが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態によるエンジンの制御装置を示す図である。
エタノール濃度と理論空燃比の関係を示す図である。
エタノール濃度に応じた目標空燃比の設定方法を示す図である。
(a)は、エタノール濃度に応じた目標空燃比の補正方法を示す図であり、(b)は、エタノール濃度に応じた目標空燃比の補正量を示す図である。
目標空燃比の設定方法を示すフローチャートである。
空気過剰率と三元触媒による有害物質の浄化率との関係を示す図である。

実施例

0017

以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

0018

図1は、本発明の実施の形態によるエンジンの制御装置を示す図である。
エンジン1は、エタノール等のアルコールを含有する燃料を使用することが可能なエンジンであり、フレックス燃料車(FFV:Flexible Fuel Vehicle)に搭載される。以下では、アルコールがエタノールである場合について説明するが、アルコールはメタノール等であってもよい。

0019

エンジン1は、図示しないクランクシャフトに連結されて摺動自在に設けられたピストン11、ピストン11の上方に形成された燃焼室12、燃焼室12内に燃料を噴射するインジェクタ燃料噴射弁)13、燃焼室12内に供給される空気と燃料との混合気に火花点火する点火プラグ14などを備える。エンジン1は、燃焼室12内に直接燃料が噴射されるいわゆる直噴エンジンであるが、吸気ポート内に燃料を噴射するいわゆるポート噴射式エンジンであってもよい。また、図1にはエンジン1として1つの気筒を図示しているが、実際には複数の気筒が備えられている。

0020

エンジン1の吸気通路15には、エンジン1の空気吸入量を調節するスロットル弁(図示せず)などが設けられている。エンジン1の排気通路16には、排気ガスを浄化する触媒装置が接続されている。本実施形態で、触媒装置は直キャタリスト(以下、直キャタと称す)21とアンダーフットキャタリスト(以下、アンダーフットキャタと称す)22から構成されている。直キャタ21とアンダーフットキャタ22はそれぞれ三元触媒を含有する。アンダーフットキャタ22は直キャタ21を補助する機能を有する。

0021

また、エンジン1の排気通路16には、直キャタ21の上流側にA/FセンサリニアO2センサ)31が設けられ、直キャタ21とアンダーフットキャタ22との間にO2センサ32が設けられている。A/Fセンサ31は、排気ガス中の酸素濃度未燃ガス濃度を基に、燃焼室に供給される空気と燃料の混合気における空燃比を検出するラフ(LAF:Linear Air Fuel Ratio)センサである。A/Fセンサ31は空燃比検出部の一例である。O2センサ32は、直キャタ21により浄化された排気ガス中の酸素濃度を検出する。

0022

A/Fセンサ31とO2センサ32はPCM(パワートレインコントロールモジュール)40に接続されている。PCM40は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)などから構成されるマイクロプロセッサである。以下、ROMとRAMを区別せず単にメモリと称す。

0023

PCM40は、A/Fセンサ31とO2センサ32からの信号を受信し、インジェクタ13と点火プラグ14へ制御信号を送信する。なお、図示していないが、PCM40はエンジン回転数センサアクセル開度センサなどからも信号を受信し、スロットル弁アクチュエータなどへも制御信号を送信する。

0024

PCM40により、エタノール濃度検出部、理論空燃比検出部、劣化検出部および目標空燃比設定部が実現される。以下、これらの構成について説明する。

0025

エタノール濃度検出部.
PCM40のエタノール濃度検出部は、燃料のエタノール濃度を検出するように構成されている。
PCM40のメモリには、図2に示すエタノール濃度E−理論空燃比Tのマップが記憶されている。理論空燃比Tは、エタノール濃度Eが高いほど小さくなり、エタノール0%で14.7、エタノール100%で9.0である。エタノール濃度検出部は、(1)エタノールの濃度を仮設定し、(2)仮設定した濃度についての理論空燃比(仮理論空燃比)を図2のマップから決定し、(3)仮理論空燃比で燃料を噴射するようにインジェクタ13に制御信号を送信する。

0026

このとき、A/Fセンサ31により検出された空燃比が仮理論空燃比より大きければ、実際のエタノール濃度は仮設定した濃度よりも高かったと判定し、空燃比が仮理論空燃比より小さければ、実際のエタノール濃度は仮設定した濃度よりも小さかったと判定する。仮設定するエタノールの濃度を修正しつつ上記(1)から(3)を繰り返し、A/Fセンサ31により検出される空燃比が仮理論空燃比に一致したときのエタノール濃度Eを検出値として決定する。

0027

あるいは、燃料のエタノール濃度を直接に検出するセンサが設けられてもよい。例えば、屈折率誘電率を測定するセンサが設けられてもよい。

0028

理論空燃比検出部.
PCM40の理論空燃比検出部は、燃料の理論空燃比を検出するように構成されている。理論空燃比検出部は、図2のマップを用いて、エタノール濃度検出部により検出されたエタノール濃度Eに対応する理論空燃比Tを決定する。

0029

劣化検出部.
PCM40の劣化検出部は、直キャタ21に含有される三元触媒の劣化を検出するように構成されている。
三元触媒は、劣化すると酸素吸蔵能が低下する。従って、酸素吸蔵能の低下を検出することで直キャタ21に含有される三元触媒の劣化を検出できる。酸素吸蔵能の低下は、いわゆるCmax法により検出される。例えば、直キャタ21の上流側で排気ガスの空燃比をリッチ・リーンに交互に制御し、その間にO2センサ32により直キャタ21が吸放出する酸素量を計測し、酸素吸蔵能を検出する。劣化検出部は、直キャタ21の酸素吸蔵能の低下量がしきい値を超えているときに、直キャタ21に含有される三元触媒が劣化していると決定する。

0030

目標空燃比設定部.
PCM40の目標空燃比設定部は、空燃比の目標値である目標空燃比を設定するように構成されている。
まず、目標空燃比設定部は、理論空燃比検出部により検出された理論空燃比Tからリーン側にシフトした目標空燃比A1を図3のように設定する。図3において、実線は目標空燃比A1を、破線は理論空燃比Tを示す。目標空燃比設定部は、PCM40のメモリに記憶されたエタノール濃度E−シフト量のマップを呼び出し、エタノール濃度Eに対応するシフト量を決定する。図3に示すように、シフト量(A1−T)は、エタノール濃度Eが高いほど大きい。なお、図3では、シフト量がエタノール濃度に対して直線的に変化するように図示しているが、これに限定されることはない。

0031

次に、目標空燃比設定部は、劣化検出部により直キャタ21が劣化していると決定されたときに、設定した目標空燃比A1を図4(a)のようにリッチ側に補正して目標空燃比A2を得る。図4(a)において、実線は目標空燃比A2を、一点鎖線は目標空燃比A1を、破線は理論空燃比Tを示す。目標空燃比設定部は、PCM40のメモリに記憶された図4(b)のエタノール濃度E−補正量のマップを呼び出し、エタノール濃度Eに対応する補正量を決定する。図4(b)に示すように、補正量(A1−A2)は、エタノール濃度Eが高いほど小さい。図4(a)に示すように、目標空燃比A2は理論空燃比Tより小さくてもよい。なお、図4(b)では、補正量がエタノール濃度に応じて直線的に変化するように図示しているが、これに限定されることはない。

0032

次に、図5のフローチャートを用いて、PCM40による処理手順のステップS1〜8について説明する。

0033

(S1)A/Fセンサ31、O2センサ32などからの信号がPCM40に入力される。
(S2)エタノール濃度検出部により、A/Fセンサ31からの信号を基に燃料のエタノール濃度Eが検出される。
(S3)理論空燃比検出部により、ステップS2で検出されたエタノール濃度Eを基に理論空燃比Tが検出される。
(S4)目標空燃比設定部により、エタノール濃度Eを基に目標空燃比の理論空燃比Tからのシフト量が決定される。
(S5)目標空燃比設定部により目標空燃比A1が設定される。

0034

(S6)劣化検出部により、O2センサ32からの信号を基に直キャタ21が劣化しているか否かが決定される。劣化していない場合(No)には、目標空燃比A1で燃料を噴射するようにインジェクタ13に制御信号が送信される。
(S7)ステップS6で、経年劣化やその他の異常により直キャタ21が劣化していると決定された場合(Yes)、目標空燃比設定部によりエタノール濃度Eを基に目標空燃比の補正量が決定される。
(S8)目標空燃比設定部により目標空燃比A1が目標空燃比A2に補正される。

0035

次に、空気過剰率と三元触媒による有害物質の浄化率との関係を示す図6を用いて、本実施形態による作用を説明する。
図6の上側の図は、三元触媒が劣化していないときの浄化率特性を、下側の図は、三元触媒が劣化したときの浄化率特性を示す。図6横軸は空気過剰率λ(空燃比/理論空燃比)を示す。空気過剰率λが大きいほど空燃比はリーン(酸素過剰)である。図6縦軸は三元触媒による各有害物質の浄化率を示す。実線はNOx、破線はHC、一点鎖線はCOの浄化率を示す。三元触媒によるHCとCOの浄化率は、空燃比が理論空燃比よりリッチになるほど低下し、NOxの浄化率はリーンになるほど低下する傾向がある。また、三元触媒が劣化するとリーン側でNOxの浄化率が低下する傾向がある。なお、図6は、本発明者らによりO2センサを用いて測定したものであるが、他の測定方法でも図6と同様の傾向が得られる。

0036

図6で符号aを付した矢印は、エタノール濃度が低い場合の、図3で説明した目標空燃比A1の理論空燃比Tからのシフトを示す。矢印aで示すリーン側へのシフトにより、HCとCOの浄化率が上昇する。一方、同シフトによりNOxの浄化率は低下する。エタノール濃度が高い場合、シフト量は矢印aよりも大きくなり、NOxの浄化率はより低下する。しかし、エタノール濃度Eが高いほどNOxの発生量が低下するので、結果としてNOxの排出量の増大が抑制される。

0037

図6で符号bを付した矢印は、矢印aと同じ低エタノール濃度についての、図4で説明した目標空燃比A1の目標空燃比A2への補正を示す。矢印bで示すリッチ側への補正により、NOxの浄化率が上昇する。三元触媒が劣化するとリーン側でNOxの浄化率が低下するので、目標空燃比の補正によりNOxの排出量の増大が抑制される。一方、同シフトによりHCとCOの浄化率は若干低下する。しかし、本実施形態では、アルコール濃度Eが高いほどNOxの発生量が低下するという事実に鑑みて、エタノール濃度Eが高いほど目標設定値の補正量を小さくする制御が行われる。これにより、NOxの排出量の増大は抑制される一方、HC、COについても排出量の増大が抑制される。

0038

以上、上記実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、上記実施形態には種々の変形、改良が加えられてよく、従って本発明には種々の変形例が存在する。

0039

例えば、上記実施形態で、PCM40の劣化検出部は、直キャタ21に含有される三元触媒が劣化しているか否かを決定したが、酸素吸蔵能の低下量についてしきい値を複数設定することにより、劣化の程度を連続的に検出してもよい。

0040

以上のように、本発明によれば、アルコール濃度が高い燃料を用いる場合にも、他の有害成分の排出量の増大を抑制しながらHC、COの排出量増加を防止可能なエンジンの制御装置が実現するから、この種の制御装置を備えた車両の製造産業分野において本発明が好適に利用される可能性がある。

0041

1エンジン
12燃焼室
13インジェクタ
15排気通路
21直キャタリスト
31 A/Fセンサ
32O2センサ
40PCM
Eエタノール濃度
T理論空燃比
A1目標空燃比
A2 目標空燃比

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