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技術 冷延鋼帯の線状溝形成方法および方向性電磁鋼板の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 小林弘和
出願日 2014年12月11日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-251175
公開日 2016年6月23日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-113643
状態 特許登録済
技術分野 電解清浄、電解エッチング 感光性樹脂・フォトレジストの処理 軟質磁性材料 電磁鋼板の製造
主要キーワード 固化部分 回転方向幅 塗布段階 溝付ロール レーザー光照射装置 線状溝 硬質クロム 線状溝形成
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月23日)のものです。
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図面 (3)

課題

露光マスクを使用することなく、高速かつ高精度にパターン形成されたエッチング用のレジスト被膜を用いて形成される線状溝形成方法を提供する。

解決手段

冷延鋼帯に対し、感光可溶化するポジ型レジストインクを塗布した後、乾燥してレジスト被膜を形成し、ついで、点状に収束したレーザー光を冷延鋼帯幅方向走査して感光部分を形成し、さらに現像液にて該感光部分のレジスト被膜を除去した後、該レジスト被膜除去部分の冷延鋼帯を溶解し、除去して線状溝を形成する。

概要

背景

方向性電磁鋼板は、主に変圧器鉄心用材料として用いられ、その磁気特性が良好であることが要求されているが、特に、鉄心として使用する場合は、エネルギー損失を小さくするため、磁気特性の中でも特に鉄損を小さくすることが求められる。

従来、鉄損を小さくする方法として、Siの含有量を上げて鋼板電気抵抗を増大させることや、結晶方位を(110)[001]方位に高度に揃えること、鋼板の板厚を薄くすることなどが試みられてきた。

しかし、上記した冶金学的な方法のみによる鉄損低減には限界があった。そこで、さらに鉄損を低減させる方法として、人為的に磁区細分化する手法が試みられている。

磁区の細分化方法には、特許文献1に記載されたように、仕上げ焼鈍済みの鋼板表面にレーザー照射する方法がある。しかしながら、この方法は、レーザー照射後鉄損改善には効果があるものの、その後施される歪取り焼鈍によって鉄損の劣化をきたすという問題がある。そのため、歪取り焼鈍を必須工程とする巻鉄心用の鋼板にこの方法を適用することは好ましくない。

また、歪取り焼鈍を行っても鉄損の劣化が抑制できる技術として、特許文献2には、レジストインクを線状にパターン塗布した後、エッチングを行う手法が開示されている。

さらに、ネガ型フォトエッチングレジストを塗布して、精密な線状溝パターンを形成した実施例が特許文献3に記載されている。また、特許文献4には、ポジ型レジストを塗布して線状溝パターンを形成した実施例が記載されている。

概要

露光マスクを使用することなく、高速かつ高精度にパターン形成されたエッチング用のレジスト被膜を用いて形成される線状溝の形成方法を提供する。冷延鋼帯に対し、感光可溶化するポジ型のレジストインクを塗布した後、乾燥してレジスト被膜を形成し、ついで、点状に収束したレーザー光を冷延鋼帯幅方向走査して感光部分を形成し、さらに現像液にて該感光部分のレジスト被膜を除去した後、該レジスト被膜除去部分の冷延鋼帯を溶解し、除去して線状溝を形成する。

目的

本発明は、上記した課題を有利に解決し、連続的に走行する冷延鋼帯上にエッチング用のレジスト被膜を、露光用フォトマスクを使用することなく、高速かつ高精度にパターン形成し、それをエッチングすることによって製造される微細で均一な線状溝を備えることで、高い磁気特性を有する方向性電磁鋼板を得ることができる方法を、その製造に供して有利な帯状冷延鋼板と共に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

連続して走行する冷延鋼帯に対し、感光可溶化するポジ型レジストインクを塗布した後、乾燥してレジスト被膜を形成し、ついで、点状に収束したレーザー光を冷延鋼帯幅方向走査して感光部分を形成し、さらに現像液にて該感光部分のレジスト被膜を除去した後、該レジスト被膜除去部分の冷延鋼帯を溶解し、除去して線状溝を形成することを特徴とする冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項2

前記レジスト被膜の膜厚を15μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項3

前記レジスト被膜の膜厚を5μm未満とすることを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項4

前記線状溝を、冷延鋼帯の幅方向に対する角度で30°以下とし、かつ冷延鋼帯長手方向に20mm以下のピッチで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項5

前記レーザー光を照射する露光装置を、鋼帯幅方向に対して2台以上配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項6

前記レーザー光の幅を、1μm以上500μm以下の範囲とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項7

前記線状溝の溝深さを5μm以上とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された線状溝を有する冷延鋼帯を用いて方向性電磁鋼板を製造する方法であって、上記冷延鋼帯に脱炭焼鈍および最終仕上げ焼鈍を施す工程を有することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、変圧器などの電気機器における鉄心などの用途に用いられる方向性電磁鋼板用冷延鋼帯に施す線状溝形成方法、および、その形成方法によって得られる線状溝を有した冷延鋼帯を用いる方向性電磁鋼板の製造方法に関する。

背景技術

0002

方向性電磁鋼板は、主に変圧器の鉄心用材料として用いられ、その磁気特性が良好であることが要求されているが、特に、鉄心として使用する場合は、エネルギー損失を小さくするため、磁気特性の中でも特に鉄損を小さくすることが求められる。

0003

従来、鉄損を小さくする方法として、Siの含有量を上げて鋼板電気抵抗を増大させることや、結晶方位を(110)[001]方位に高度に揃えること、鋼板の板厚を薄くすることなどが試みられてきた。

0004

しかし、上記した冶金学的な方法のみによる鉄損低減には限界があった。そこで、さらに鉄損を低減させる方法として、人為的に磁区細分化する手法が試みられている。

0005

磁区の細分化方法には、特許文献1に記載されたように、仕上げ焼鈍済みの鋼板表面にレーザー照射する方法がある。しかしながら、この方法は、レーザー照射後鉄損改善には効果があるものの、その後施される歪取り焼鈍によって鉄損の劣化をきたすという問題がある。そのため、歪取り焼鈍を必須工程とする巻鉄心用の鋼板にこの方法を適用することは好ましくない。

0006

また、歪取り焼鈍を行っても鉄損の劣化が抑制できる技術として、特許文献2には、レジストインクを線状にパターン塗布した後、エッチングを行う手法が開示されている。

0007

さらに、ネガ型フォトエッチングレジストを塗布して、精密な線状溝パターンを形成した実施例が特許文献3に記載されている。また、特許文献4には、ポジ型レジストを塗布して線状溝パターンを形成した実施例が記載されている。

先行技術

0008

特公昭57−2252号公報
特許第2942074号公報
特許第3488333号公報
特公平5−69284号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献2に記載の方法では、レジストインクの塗布段階において、線状溝が潰れていたり、途切れていたりするとエッチングにおいて均一な線状溝が形成されず、磁気特性にばらつきが生じてしまうといった問題があった。また、特許文献2に記載のコーティングより線状パターンを形成する方法においては、塗布部と未塗布部との境界付近膜厚は、レベリング作用によって液が流れて膜厚が薄くなってしまうために十分な絶縁性が確保できないといった問題があった。

0010

上記問題を解決するために、エッチング処理時間を短縮しようと、最初から強力なエッチング処理を施すと、塗布部と未塗布部との境界付近の薄膜部分溝形状にムラができてしまう。また、より細い形状の溝パターンを作製し、エッチング負荷を低減しようとした場合には、パターン塗布したレジスト液濡れ広がって、未塗布部が潰れてしまうため、ある程度未塗布部に幅のある太いパターンを形成しなければならないといった問題があった。

0011

また、特許文献3に記載された実施例のように、ネガ型のレジスト塗料では光を照射した部分が固化するため、細い線状溝パターンを形成する電磁鋼板磁区細分化の用途では、エッチングのマスク部分となるレジスト被膜残存部分固化部分)が大部分となる。そのため、大面積光照射を行う必要があり、効率が悪いと共に、光照射装置規模も大きくなってしまうといった課題があった。

0012

さらに、特許文献4に記載されたように、ポジ型のレジスト塗料を用いれば、光照射を行う面積は小さくできるものの、この技術では、所望のパターンのフォトマスクをすることが必要なため、特に連続的に走行する冷延鋼帯に対し、幅方向に線状で細かいピッチのパターンを短時間でかつ高精度に形成するには課題が残っていた。

0013

本発明は、上記した課題を有利に解決し、連続的に走行する冷延鋼帯上にエッチング用のレジスト被膜を、露光用のフォトマスクを使用することなく、高速かつ高精度にパターン形成し、それをエッチングすることによって製造される微細で均一な線状溝を備えることで、高い磁気特性を有する方向性電磁鋼板を得ることができる方法を、その製造に供して有利な帯状冷延鋼板と共に提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.連続して走行する冷延鋼帯に対し、感光可溶化するポジ型のレジストインクを塗布した後、乾燥してレジスト被膜を形成し、ついで、点状に収束したレーザー光を冷延鋼帯幅方向に走査して感光部分を形成し、さらに現像液にて該感光部分のレジスト被膜を除去した後、該レジスト被膜除去部分の冷延鋼帯を溶解し、除去して線状溝を形成することを特徴とする冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0015

2.前記レジスト被膜の膜厚を15μm以下とすることを特徴とする前記1に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0016

3.前記レジスト被膜の膜厚を5μm未満とすることを特徴とする前記1に記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0017

4.前記線状溝を、冷延鋼帯の幅方向に対する角度で30°以下とし、かつ冷延鋼帯長手方向に20mm以下のピッチで形成することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0018

5.前記レーザー光を照射する露光装置を、鋼帯幅方向に対して2台以上配置することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0019

6.前記レーザー光の幅を、1μm以上500μm以下の範囲とすることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0020

7.前記線状溝の溝深さを5μm以上とすることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の冷延鋼帯の線状溝形成方法。

0021

8.前記1〜7のいずれかに記載の方法により形成された線状溝を有する冷延鋼帯を用いて方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
上記冷延鋼帯に脱炭焼鈍および最終仕上げ焼鈍を施す工程を有することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

発明の効果

0022

本発明によれば、露光マスクを使用することなく、連続的に走行する冷延鋼帯上にエッチング用のレジスト被膜を、高速かつ高精度にパターン形成できるので、微細で均一な線状溝を形成することができる。その結果、極めて高い磁気特性を有する方向性電磁鋼板を得ることができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の実施工程を示す図である。
本発明においてレジスト被膜が厚い場合の様子を説明する図である。

0024

以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、連続して通板される冷延鋼帯(以下、単に鋼帯ともいう)に、図1に示す工程を経て、エッチング(冷延鋼帯の溶解、除去)により線状溝を形成する方法である。
まず、本発明では、鋼帯に、塗布装置を用いて感光で可溶化するポジ型のレジストインクを塗布する。その際の塗布方法は、ドライ膜厚換算で15μm以下の膜厚を有するレジスト被膜を形成できる方式であれば特に限定されず、鋼帯への被膜塗装によく用いられるロールコーター等を使用することができる。その他、装置の設置スペース、塗料の物性等に応じてスリットダイ方式カーテンコーター方式、インクジェット方式およびスプレー方式などが適宜選択できる。

0025

その際、塗布するレジストインクは、感光性の樹脂材料調合した、光照射により可溶化し、光照射していない部分がエッチング時のマスクとして残存するポジタイプのレジストインクとする。ポジ型のレジストインクを用いることで、塗布部、未塗布部を形成する必要がないため、塗布不良によって溝パターンが途切れたり、引っ付いたりすることがなく均一な溝パターンを形成することができる。

0026

また、ポジ型のレジストインクを用いることで、液の濡れ広がりによる溝パターン潰れやムラが発生しない。さらには、光照射する際の面積を小さくすることができ、照射装置の負荷を低減することが可能となって、露光処理時間を短縮し、動いたままの鋼帯に、溝パターンを施すことが可能となる。

0027

他方、塗布後のレジストインクの乾燥は、塗料の乾燥温度を確保できれば良く、IHでも熱風乾燥炉でも、工場ユーティリティ環境等により適宜選択できる。
その際、レジストインクを塗布後乾燥したレジスト被膜(レジストドライ被膜ともいう)の膜厚を15μm以下とすることが重要である。というのは、15μmを超えてもエッチングする際の抵抗については問題ないレベルを確保できるものの、光照射する際に被膜下部まで十分に露光できずにパターン化が困難となる(図2の(II)A)からである。

0028

また、レジスト被膜の膜厚が15μmを超えると、被膜下部まで十分に露光させるためには、強力かつ長時間の露光を行う必要があり、周囲の領域も露光の影響を受ける(図2の(II)B)。そのため、矩形のパターンが上手く形成されずに、照射部周囲も可溶化してしまい除去後の膜厚に勾配が生じてしまう。このような勾配が膜厚に生じると、エッチング時の抵抗不足による溝形状不良が発生し(図2の(III))、磁気特性が悪化するおそれが招来する。

0029

レジスト被膜の膜厚は、より好ましくは5μm未満である。溝形状の変形がより少ないからである。鋼帯のエッチング時の保護膜の役割さえ確保できれば、薄くても構わない。なお、レジスト被膜の膜厚の下限は、特に限定されないが、工業的に0.5μm程度である。

0030

本発明において、レジスト被膜の膜厚は、被膜断面観察により無作為に選択した10箇所の被膜厚みから平均の膜厚を用いる。

0031

本発明における光照射は、以下の光照射装置を用いて行う。
レジスト被膜を可溶化させるための特定波長域の光を含んだ光を照射する光照射装置は、光を点状に収束したレーザー光として照射し、鋼帯の幅方向に走査して最終的に作製する線状溝パターン状に露光できる機能を備えている。その際、レーザー光を走査する角度は鋼帯の板面法線方向に対して50°以下とする。それより走査角度が大きいと点状に収束させたビーム径および照射強度の変化が大きくなり所定の精度で露光することが困難となる。好ましくは30°以下である。係る装置とすることで、連続的に走行する鋼帯に対して光をマスクする装置を設ける必要がなく、連続的に高速で必要箇所への光照射を実施することができるからである。なお、本発明で、点状とは、露光幅程度に収束した線状(ビーム状)のレーザー光の露光位置での形状を表したものである。

0032

また、上記光照射装置は、鋼帯幅方向に2台以上並べて設置することが好ましい。複数台並べて設置することで1台が受け持つ幅を小さくし、強い照射強度でより短時間の露光処理が可能となって、鋼帯の通板速度アップすることが可能となるからである。

0033

露光する線状パターン(線状溝の形成パターン)は、鋼帯幅方向に対して30°以内の角度とすることが好ましい。これより角度が大きいと最終製品における鉄損改善効果が十分に得られないからである。

0034

また、露光する線状パターン(線状溝の形成パターン)は、鋼帯長手方向のピッチで、20mm以下の範囲とする。この範囲よりピッチが広いと十分な鉄損改善効果が得られないからである。なお、上記ピッチは、好ましくは、1mm以上である。

0035

さらに、露光する幅(レーザー光の幅)は、1μm以上500μm以下とすることが好ましい。1μmより幅が狭いと、エッチングにより形成される溝幅が狭くなり過ぎて溝途切れが発生するおそれが招来する一方で、500μmより広いと、十分な鉄損改善効果が得られなくなるからである。

0036

光照射によって可溶化させた部分(感光部分)のレジスト被膜の除去方法は、レジスト組成によって適宜選択されるが、有機溶剤アルカリ系溶液に浸漬する方法が容易である。また、レジスト被膜の除去速度を速めるために、事前に鋼帯を加熱する、溶液温度を上げる、溶液槽内に流れを発生させる、噴流ノズルを設けるなどを行ってもよい。

0037

次に、レジスト被膜が除去された部分の鋼帯のエッチング方法について説明する。
鋼帯のエッチングは、化学エッチング電解エッチングどちらでもよいが、通電量により溝深さを設定できるため、電解エッチングの方が制御性は良好である。電解エッチングの場合には、NaCl水溶液、KCl水溶液等の電解浴中で行うのが好ましいが、詳細な限定はなく、常法に依れば良い。
エッチングする溝深さは、5μm以上とすることが好ましい。それより溝深さが浅いと十分な鉄損改善効果が得られない。なお、エッチングする溝深さの上限は、特に限定されないが、工業的に板厚の半分程度である。

0038

エッチング後の鋼帯は、レジスト被膜剥離設備に搬送される。下流工程に悪影響を及ぼすエッチング後の不要レジスト被膜をレジスト剥離設備にて除去し、鋼板の洗浄を行う。その後、かかる鋼板に対して脱炭焼鈍(一次再結晶焼鈍)を施した後、最終仕上げ焼鈍(二次再結晶焼鈍)を施すことによって、本発明に従う方向性電磁鋼板を製造することができる。

0039

なお、本発明において、上述した以外の鋼帯や、方向性電磁鋼板の製造方法は、常法に従えば良い。

0040

質量%で、Siを3.3%含有した、板厚:0.23mmの冷間圧延後の鋼帯に対して、表1に記載した条件でポジ型レジストインキ塗布を行い、ついで、乾燥、光照射、感光部分の除去、電解エッチングを行った。その後、残存するレジスト被膜を除去し、脱炭焼鈍を施し、最終仕上げ焼鈍を行った後、磁気特性について評価した。
なお、今回、作製した線状溝の溝形状は、鋼帯幅方向に対する角度を10°、鋼帯長手方向の溝ピッチを3mm、溝幅を50μm、溝深さを30μmとした。
レジスト被膜の形成には、アクリル基含有樹脂ビニルエーテル化合物等を成分とするレジストインキを用いた。乾燥炉は熱風乾燥炉を用いて炉温:250℃にて乾燥した。レーザー式の光照射装置はOrbotech社製のUVレーザー装置を用いた。レーザー光は、アルゴンイオンレーザーを使用した。ビーム径は40μm程度になるよう調整し、紫外線照射量はおよそ50mW/cm2とした。露光後の可溶化したレジストの除去はアルカリ溶液中への浸漬により行った。

0041

比較例として、従来法のオフセットグラビアロール印刷によってレジストインキをパターン印刷し、エッチングを行った鋼板も作製し、磁気特性について評価した。
オフセットグラビアロール塗布装置において、各ロール材質はグラビアロールが硬質クロム鍍金をほどこした溝付ロールオフセットロールゴムライニングしたゴムロールを使用した。グラビアロールの溝形状は、非塗布部の回転方向幅が100μm、塗布部の回転方向幅が3mmのものを用いた。ゴムライニング厚は20mm、ゴムはウレタンゴム硬度はHs80°である。各ロールのロール径はグラビアロール、オフセットロール共に250mmである。使用した塗布液アルキド系樹脂を主成分とするレジストインクである。エチレングリコールモノブチルエーテル希釈し20℃時での粘度が1500mPa・s程度となるよう調整して使用した。
電解エッチングは、NaCl電解浴中で電流密度:30A/dm2、所定の溝深さとなるまで数十秒間の処理を行った。

0042

本実施例で、W17/50は1.7T、50Hzでの鉄損を示す。また、外観は、線状溝に途切れや変形が見受けられるものは×、軽微な溝深さ変動、変形がみられるものは△〜○、美麗な直線状の溝が均一な深さに形成されているものは◎とした。
発明例および比較例の鉄損および外観の評価結果を表1に示す。

0043

0044

表1に示すように、発明例では、ポジ型レジストインクレーザー光照射装置の使用によって、露光マスクを使用することなく、均一なレジスト被膜パターンを形成し、エッチングにより均一な線状溝を形成することが可能となることが分かる。また、磁気特性においても優良な結果を示している。

0045

比較例である、従来のオフセットグラビアロール印刷を使用した場合には、塗布ムラやインクの濡れ広がりが発生して、外観欠陥、溝潰れとなり、精度の高い均一な線状溝を保てずに、エッチング後の磁気特性においても劣位な結果となった。

実施例

0046

なお、本実施例では、基材として厚さ0.23mmの冷間圧延後の鋼帯を用いて電磁鋼板としたものを用いたが、本発明は、これに限定されることなく、他の厚みの鋼帯、電磁鋼板にも同様に適用することができる。

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