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技術 インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置及び方法

出願人 株式会社東京機械製作所
発明者 長谷川俊雄市川敏之
出願日 2014年12月17日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-255660
公開日 2016年6月23日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-112860
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 固定ボルト挿通孔 位置出し作業 取り付け取り外し作業 チョッパー装置 位置決め用切り 仮取付け 各受け皿 オスネジ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月23日)のものです。
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図面 (15)

課題

大掛かりな装置を必要とせず様々なインクジェット印刷機にも設置可能なインクジェットプリントヘッド吐出不良防止装置及び方法を提供する。

解決手段

ロール状態から巻きほぐされた後に走行する連続紙印刷するインクジェット印刷機10に備わり、インクジェットプリントヘッドは、連続紙を印刷するインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対してインクジェット印刷機内の所定位置固定配置され、インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1は、インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側又は出口側の少なくとも何れかに配置されインクミスト吸着する第1のインクミスト吸着部100と、インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側と出口側との間に形成される印刷エリアの連続紙よりも下側領域に配置されインクミストを吸着する第2のインクミスト吸着部200を有する。

概要

背景

ロール状に巻かれた連続紙を巻きほぐした後にこれを一方向(所定方向)に走行させ、この走行中の連続紙の所定位置においてインクジェット印刷機プリントヘッド(以下、「インクジェットプリントヘッド」とする)を用いて液体インク吐出し、紙やフィルム等の記録媒体印刷する所謂デジタル印刷機と呼ばれるインクジェット印刷機が知られている(例えば、特許文献1参照)。

係るインクジェット印刷機は、小ロット生産、小型化、安価、低コストなどの特徴を有すると共に、高速印刷高解像度が可能な観点からも近年新聞チラシなどの印刷、タブイド印刷に用いる多くのプリンター印刷機に採用されるようになっている。このインクジェット印刷機を含めた一連印刷工程に必要な全体構成として、インクジェット印刷機と、この上流工程に配置される給紙装置、この下流工程に配置される折装置セクション装置、チョッパー装置が挙げられる。

係るインクジェット印刷機は、これによって印刷される内容をデジタル通信技術により送受信することが可能となっている。これによって、1台のインクジェット印刷機を海外離島などに設置した場合であっても、例えば国内における日刊紙の印刷及び配布にあわせて最新の情報をタイムリーに印刷することができ、このような遠隔地においても特別な輸送コストをかけることなく、かつ配布日時に従来のような遅れを生じさせることなく、国内において印刷して配布する日刊紙と同等の日刊紙を配布することができる。また、1台のインクジェット印刷機を用いることで、1日のうちに複数種類の日刊紙を混在させて印刷することができるので、国内であってもその地域や個人にあわせた最適な情報提供が可能となる。

また、上述したように様々な種類の日刊紙を混在させて印刷する作業の空き時間を効率的に利用して地域に配布する広告用のチラシなどを印刷することもできる。このようにインクジェット印刷機は、従来の新聞輪転機とは異なり多品種少量生産に適した印刷機となっている。

また、インクジェット印刷機自体の構成に関しても従来のオフセット輪転機に比べて装置の規模が小さいために、様々な利点を有している。具体的には、オフセット輪転機に比べ格段に低い消費電力を有しているので、印刷工場における省エネを図ることができる。また、オフセット輪転機に必要な様々な構成要素が不要となり、かつ軽量・コンパクト設計により印刷工場において省スペースで設置でき、基礎工事空調設備コストも削減できる。また、低騒音のため建屋側の騒音対策が不要となり設置環境を問う必要がなくなる。更に、版材湿し水などの諸資材が不要となり、省資源にもなる。

概要

大掛かりな装置を必要とせず様々なインクジェット印刷機にも設置可能なインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置及び方法を提供する。ロール状態から巻きほぐされた後に走行する連続紙に印刷するインクジェット印刷機10に備わり、インクジェットプリントヘッドは、連続紙を印刷するインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対してインクジェット印刷機内の所定位置に固定配置され、インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1は、インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側又は出口側の少なくとも何れかに配置されインクミスト吸着する第1のインクミスト吸着部100と、インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側と出口側との間に形成される印刷エリアの連続紙よりも下側領域に配置されインクミストを吸着する第2のインクミスト吸着部200を有する。

目的

本発明の目的は、大掛かりな装置を必要とせず、どのようなインクジェット印刷機にも簡単かつ迅速に設置可能なインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置及び方法を低コストで提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向走行する連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッド吐出不良防止装置であって、前記インクジェットプリントヘッドは、前記連続紙を単色又はカラー色の何れかに印刷する特定の色のインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対して前記インクジェット印刷機内の所定位置固定配置されるようになっており、前記インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、前記インクジェット印刷機を設置した状態において、前記インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側又は出口側の少なくとも何れかに配置され、前記インクジェットプリントヘッドから飛散するインクミスト吸着する第1のインクミスト吸着部と、前記インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側と出口側との間に形成される印刷エリアの前記連続紙よりも下側領域に配置され、前記インクミストを吸着する第2のインクミスト吸着部を有することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置。

請求項2

前記インクジェット印刷機は、単色印刷又はカラー印刷に対応する印刷機であって、前記インクジェットプリントヘッドは、複数のインクジェットプリントヘッドからなり、前記走行中の連続紙から飛散する紙粉が前記印刷エリアに侵入するのを防止する紙粉侵入防止部を前記複数のインクジェットプリントヘッドのうち少なくとも連続紙走行方向の最も上流に位置するインクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置。

請求項3

前記第1のインクミスト吸着部が前記走行中の連続紙から飛散する紙粉についても捉えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置。

請求項4

請求項1乃至請求項3の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を備えたことを特徴とするインクジェット印刷機。

請求項5

ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向に走行した状態の連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止方法であって、前記インクジェットプリントヘッドは、前記連続紙を単色又はカラー色の何れかに印刷する特定の色のインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対して前記インクジェット印刷機内の所定位置に固定配置されるようになっており、前記連続紙に印刷するにあたって前記請求項1乃至請求項3の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を用いることを特徴とするインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止方法。

技術分野

0001

本発明は、液滴吐出によって印刷されるインクジェット印刷機に用いるインクジェットプリントヘッド吐出不良防止装置及び方法に関する。

背景技術

0002

ロール状に巻かれた連続紙を巻きほぐした後にこれを一方向(所定方向)に走行させ、この走行中の連続紙の所定位置においてインクジェット印刷機のプリントヘッド(以下、「インクジェットプリントヘッド」とする)を用いて液体インクを吐出し、紙やフィルム等の記録媒体に印刷する所謂デジタル印刷機と呼ばれるインクジェット印刷機が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

係るインクジェット印刷機は、小ロット生産、小型化、安価、低コストなどの特徴を有すると共に、高速印刷高解像度が可能な観点からも近年新聞チラシなどの印刷、タブイド印刷に用いる多くのプリンター印刷機に採用されるようになっている。このインクジェット印刷機を含めた一連印刷工程に必要な全体構成として、インクジェット印刷機と、この上流工程に配置される給紙装置、この下流工程に配置される折装置セクション装置、チョッパー装置が挙げられる。

0004

係るインクジェット印刷機は、これによって印刷される内容をデジタル通信技術により送受信することが可能となっている。これによって、1台のインクジェット印刷機を海外離島などに設置した場合であっても、例えば国内における日刊紙の印刷及び配布にあわせて最新の情報をタイムリーに印刷することができ、このような遠隔地においても特別な輸送コストをかけることなく、かつ配布日時に従来のような遅れを生じさせることなく、国内において印刷して配布する日刊紙と同等の日刊紙を配布することができる。また、1台のインクジェット印刷機を用いることで、1日のうちに複数種類の日刊紙を混在させて印刷することができるので、国内であってもその地域や個人にあわせた最適な情報提供が可能となる。

0005

また、上述したように様々な種類の日刊紙を混在させて印刷する作業の空き時間を効率的に利用して地域に配布する広告用のチラシなどを印刷することもできる。このようにインクジェット印刷機は、従来の新聞輪転機とは異なり多品種少量生産に適した印刷機となっている。

0006

また、インクジェット印刷機自体の構成に関しても従来のオフセット輪転機に比べて装置の規模が小さいために、様々な利点を有している。具体的には、オフセット輪転機に比べ格段に低い消費電力を有しているので、印刷工場における省エネを図ることができる。また、オフセット輪転機に必要な様々な構成要素が不要となり、かつ軽量・コンパクト設計により印刷工場において省スペースで設置でき、基礎工事空調設備コストも削減できる。また、低騒音のため建屋側の騒音対策が不要となり設置環境を問う必要がなくなる。更に、版材湿し水などの諸資材が不要となり、省資源にもなる。

先行技術

0007

特開2006−082286号公報

発明が解決しようとする課題

0008

以上のようなそれ自体様々なメリットを有するインクジェット印刷機の印刷部分周辺は、インクジェットプリントヘッドが複数個組まれたものが各色分並んで固定配置されている。そして、インクジェットプリントヘッドからのインクの液滴吐出によって、紙、フィルム等の記録媒体にインクを着弾させ、様々な絵柄デジタル印刷を行うようになっている。

0009

上述した印刷を行うにあたって、インクジェットプリントヘッドからインクの液滴吐出をする際に所謂インクミストが発生する。このようなインクミストの発生は、インクジェットプリントヘッドのノズル面に付着することにより、一時的な不吐出の発生や吐出不良、異種インク付着による固着での永久的不吐出の発生、基板サーバー等の周辺電子機器電気機器故障が発生し、印刷作業の大きな妨げとなる。

0010

しかしながら、上述した特許文献及びこの特許文献中に記載されている従来技術を利用しても、所謂インクミストに関する不具合は解消せず、係るインクミストの発生によりインクジェットプリントヘッドの液滴吐出不良、基板やサーバー等の周辺電子機器の故障が発生し、インクジェットプリントヘッドやこれらの周辺電子機器の交換などで大幅なコストアップを招くことが問題となっている。特に上述したようにインクジェット印刷機を海外や離島などに設置した場合、これらの故障が発生すると、すぐに対処することができず、現地における日刊紙の配布等に深刻な影響を与えてしまう。

0011

特に昨今はデジタル印刷を行うにあたって高速化、高品質、高解像度等が求められるため、インクジェットプリントヘッドの使用数が多くなり、所謂インクミストの発生量が更に多くなっていることに加えて、印刷速度の高速化に対応するために、記録媒体である連続紙の走行速度を高めることにより、走行中の連続紙がその周囲に更なる走行風を生じさせることとなり、インクミストが多方面に飛散して上述した不具合を更に助長させることが問題となっている。

0012

また、ロール状に巻かれた連続紙から印刷対象となる連続紙を巻きほぐす際や巻きほぐし後の連続紙を高速で走行させる際に生じる所謂紙粉がインクジェットプリントヘッドからインクを吐出する領域に侵入し、これがインクミストと一体化してスラリー化したものがやがて固化してインクジェットプリントヘッドのノズルのつまりを招く問題が生じている。

0013

また、飛散したインクミストや紙粉がインクジェット印刷機内に固着することによる印刷機内の汚れを取り除く清掃作業、記録媒体である連続紙への汚れ付着及びこれに伴う印刷物である製品品質の低下の問題も生じている。

0014

なお、このようなインクジェットプリントヘッド付近印刷エリア周りの空間に飛散して浮遊するインクミストや紙粉を吸引機構強制的に吸引しようとしても、効果が薄く、構造上複雑な印刷機内部への吸引機構の更なる配置の困難性や専用の吸引機構を準備したにも関わらず、コストアップ、吸引後のインクミストや紙粉の処理の問題等から、係る吸引機構をインクジェット印刷機に備えることは別の様々な問題を生じさせることとなり、現実的な対策とはなり得ない。

0015

本発明の目的は、大掛かりな装置を必要とせず、どのようなインクジェット印刷機にも簡単かつ迅速に設置可能なインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置及び方法を低コストで提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

上述の課題を解決するために本発明の請求項1に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、
ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向に走行する連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置であって、
前記インクジェットプリントヘッドは、前記連続紙を単色又はカラー色の何れかに印刷する特定の色のインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対して前記インクジェット印刷機内の所定位置に固定配置されるようになっており、
前記インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、前記インクジェット印刷機を設置した状態において、前記インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側又は出口側の少なくとも何れかに配置され、前記インクジェットプリントヘッドから飛散するインクミストを吸着する第1のインクミスト吸着部と、前記インクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側と出口側との間に形成される印刷エリアの前記連続紙よりも下側領域に配置され、前記インクミストを吸着する第2のインクミスト吸着部を有することを特徴としている。

0017

また、本発明の請求項2に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置において、
前記インクジェット印刷機は、単色印刷又はカラー印刷に対応する印刷機であって、前記インクジェットプリントヘッドは、複数のインクジェットプリントヘッドからなり、前記走行中の連続紙から飛散する紙粉が前記印刷エリアに侵入するのを防止する紙粉侵入防止部を前記複数のインクジェットプリントヘッドのうち少なくとも連続紙走行方向の最も上流に位置するインクジェットプリントヘッドの連続紙走行方向入口側に設けたことを特徴としている。

0018

また、本発明の請求項3に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置において、
前記第1のインクミスト吸着部が前記走行中の連続紙から飛散する紙粉についても捉えることを特徴としている。

0019

また、本発明の請求項4に係るインクジェット印刷機は、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を備えたことを特徴としている。

0020

また、本発明の請求項5に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止方法は、
ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向に走行した状態の連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止方法であって、
前記インクジェットプリントヘッドは、前記連続紙を単色又はカラー色の何れかに印刷する特定の色のインクを吐出する吐出ノズルを有しかつ走行中の連続紙に対して前記インクジェット印刷機内の所定位置に固定配置されるようになっており、
前記連続紙に印刷するにあたって前記請求項1乃至請求項3の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を用いることを特徴としている。

発明の効果

0021

本発明によると、大掛かりな装置を必要とせず、どのようなインクジェット印刷機にも簡単かつ迅速に設置可能なインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置及び方法を低コストで提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置の適用対象となるインクジェット印刷機を、その上流工程に設置される給紙装置、その下流工程に設置される折装置、セクション装置、及びチョッパー装置と共に示す図である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を、本発明を適用するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドと、連続紙搬送機構と共に概略的に示す側面図である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を備えたインクジェットプリントヘッドをノズル側から見た平面図である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置の第1のインクミスト吸着手段であるインクミスト吸着カーテンを示す平面図である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置の第2のインクミスト吸着手段であるインクミスト吸着受け皿を示す底面図である。
図5に示したインクミスト吸着受け皿をその長手方向側方から見た側面図である。
図5に示したインクミスト吸着受け皿の長手方向一方の端面図図7(a))及び他方の端面図(図7(b))である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置の作用を説明する側面図である。
図5に示したインクミスト吸着受け皿の変形例を示す底面図である。
図5に示したインクミスト吸着受け皿の変形例を示す図であり、図9に示すX(a)-X(a)方向から見た側面図(図10(a))及び図9に示す長手方向一方の端面図(図10(b))である。
図9及び図10に示すインクミスト吸着受け皿に不織布を取付ける工程を示す図である。
図9及び図10に示すインクミスト吸着受け皿に不織布を取付ける工程を示す図11に続く図である。
本発明の優位性を明らかにするための従来例の図である。
図13に示した従来例との関係で本発明の優位性を明らかにする図である。

実施例

0023

本発明の一実施形態(以下「本実施形態」とする)に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向に走行した状態の連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置である。そして、インクジェットプリントヘッドは、走行中の連続紙に対してインクジェット印刷機内の所定位置に固定配置されている。また、インクジェット印刷機を設置した状態において、連続紙の走行方向に関してインクジェットプリントヘッドの連続紙進入入口側又は連続紙進入出口側の少なくとも何れかにインクジェットプリントヘッドから飛散するインクミストを吸着するインクミスト吸着カーテン(第1のインクミスト吸着部)を配置すると共に、インクジェットプリントヘッドの連続紙進入入口側と連続紙進入出口側との間に形成される印刷エリアの連続紙よりも下側にインクミストを吸着するインクミスト吸着受け皿(第2のインクミスト吸着部)を所定の領域に亘って配置している。

0024

そして、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、走行中の連続紙から飛散する紙粉が印刷エリアに侵入するのを防止する紙粉侵入防止部をインクジェットプリントヘッドの連続紙進入入口側に更に設けている。

0025

なお、本実施形態に係るインクジェット印刷機は、連続紙にカラー印刷することが可能となっており、印刷エリアは、連続紙の走行方向に並べて配置された連続紙にカラー印刷するための異なる色の複数のインクジェットプリントヘッドに対応した複数の印刷エリアからなる。

0026

また、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置は、複数の印刷エリアに設けられたインクミスト吸着カーテン(第1のインクミスト吸着部)が走行中の連続紙から飛散する紙粉についても捉えるようになっている。

0027

以下、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置について図面に基づいて具体的に説明する。なお、各図面に示す構成要素の寸法及び形状は、説明の理解の容易化を図るために適宜誇張して描いており、全てが必ずしも実際の寸法及び形状を示しているものでないことは言うまでもない。

0028

図1は、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1の適用対象となるインクジェット印刷機10をその上流工程に設置される給紙装置20と、その下流工程に設置される折装置30、セクション装置40、及びチョッパー装置50と共に示す図である。

0029

インクジェット印刷機10は、ロール状に巻かれた連続紙WRを巻きほぐして一定の速度で走行させた連続紙Wに対して所定の位置にインクジェットプリントヘッドHを固定配置し、連続走行する連続紙Wの片面もしくは両面に単色又はカラー印刷する装置である。また、折装置30は、インクジェット印刷機10から連続的に供給される連続紙Wを所定の長さに切断すると共に折り畳む装置である。また、セクション装置40は、折装置30によって切断され折られた印刷紙をその印刷物の種類ごとに集積する装置である。また、チョッパー装置50は、セクション装置40によって集積された印刷物を所定のサイズに折り畳む装置である。これらの装置によって、新聞、マガジン、チラシ、カタログマニュアル等様々な印刷物を混在させながら印刷可能としている。

0030

図2は、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1を、本発明を適用するインクジェット印刷機10に備わるインクジェットプリントヘッドHと、連続紙搬送機構と共に概略的に示す側面図である。また、図3は、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1を備えたインクジェットプリントヘッドHをノズル側から見た平面図である。

0031

図2及び図3から分かるように、本発明に係るインクジェット印刷機(以下単に「印刷機」とする)10は、連続紙Wの走行方向上流側から下流側に亘って複数箇所(本実施形態では4箇所)のそれぞれ異なる単色印刷エリアを順々に有しており、連続紙Wにカラー印刷することが可能となっている。なお、各印刷エリアは、連続紙Wにカラー印刷するために連続紙Wの走行方向に並べて配置されたそれぞれ異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットプリントヘッドHに対応した複数の印刷エリアからなり、連続紙Wの走行方向上流側からブラックシアンマゼンダイエローの印刷領域を形成している。そして、これらに対応する4つのインクジェットプリントヘッドH1,H2,H3,H4(H)も各印刷領域周囲の印刷エリアに合わせてインクジェット印刷機10の部材支持フレーム10fに固定配置されている。それぞれのインクジェットプリントヘッドH1,H2,H3,H4には、本実施形態の場合、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの水性インキ充填され、各インキがそれぞれのノズルHn1,Hn2,Hn3,Hn4(図3参照)から連続紙Wに向かって高速で吐出するようになっている。なお、カラー印刷において、本発明に適用されるインクジェットプリントヘッドの対応色はこの4色に限定されないことは言うまでもない。

0032

上述の通り、本実施形態におけるプリントヘッドHは、高速で走行する連続紙Wに正確に印刷するために図3に示すようにそれぞれの印刷エリアごとに複数のインクジェットプリントヘッドHを固定配置している。インクジェットプリントヘッドHは、連続紙Wに印刷する解像度と連続紙Wの走行速度によって個数が定められ、例えば両面カラー新聞紙の場合、最低40個、最大80個のインクジェットプリントヘッドHが印刷機内部の部材支持フレーム10fに固定配置されている。なお、このインクジェットプリントヘッドHの個数はあくまで一例である。従って、連続紙Wの走行速度の高速化や印刷解像度の更なる向上化に伴い、インクジェットプリントヘッドHの個数が変わる場合がある。

0033

連続紙Wは、この走行方向に所定間隔で配置された複数の送りローラーR(図2参照)を介して例えば毎分150m乃至200mという極めて高速度で一定の方向に送られる。各インクジェットプリントヘッドHは、上述したようにインクジェット印刷機10に固定配置されているため、極めて高速度で走行する連続紙Wの所定の印刷領域にインクジェットプリントヘッドHのノズルHnからインクを吐出して連続紙Wの紙面に所定の印刷を瞬時に行うようになっている。

0034

このような理由から本実施形態の適用対象である複数のインクジェットプリントヘッドHを備えた印刷機10は、単体のインクジェットプリントヘッド自体が動く一般的な家庭用プリンターなどとは本質的に異なり、極めて高精度で高価な多数のインクジェットプリントヘッドHを印刷機10に固定配置するという構造上の特質を有していることが理解できる。

0035

続いて、本実施形態に係るインクミスト吸着カーテン(第1のインクミスト吸着部)100について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1のインクミスト吸着カーテン100を示す平面図である。

0036

インクミスト吸着カーテン100は、例えばSUSなどのステンレス鋼でできた不織布固定バー110と、不織布固定バー110によって上端が固定されカーテン状吊り下げられた不織布150及び不織布バタツキ防止シート160を有している。不織布固定バー110は、本実施形態の場合ステンレス鋼でできた2本の断面矩形状の細長棒状体と、これらの棒状体によって不織布150及び不織布バタツキ防止シート160を挟んで固定したり、取り外す際に2つの棒状体間に隙間を生じさせて不織布固定バー110から取り去ったりする不織布固定調整ネジ120を備えている。なお、不織布固定バー110は、連続紙Wの幅に対応する長さを有している。これによって、インクミストを吸着するのに十分な幅の不織布150をカーテン状に吊り下げることができる。

0037

また、不織布固定バー110の上側の一方の端部側には、十分なインクミストを吸着した不織布150を新品の不織布150に交換する際にインクミスト吸着カーテン100を上側に向かって印刷機10の部材支持フレーム10fから引き抜くための持ち手130が備わっている。

0038

不織布150には、インクミストを吸着するのに最適な不織布が用いられている。また、不織布150の形状は、インクミスト吸着カーテン100を取り付けた際に不織布全体が連続紙Wの幅に対応する長さを有すると共に、インクミストを吸着するのに効果的な幅を有している。なお、不織布150は、1枚の不織布150から構成されていても良く、多数枚の不織布150を連続紙Wの走行方向の幅方向に並べた状態で構成されていても良い。

0039

不織布バタツキ防止シート160は、樹脂製の帯電シートなどからできており、不織布150に対応する大きさを有している。そして、本実施形態の場合、不織布150と不織布バタツキ防止シート160は、連続紙Wの走行方向に対して、不織布150が連続紙Wの走行方向上流側となり不織布バタツキ防止シート160が連続紙Wの走行方向下流側となるように両者を重ねた状態でその上端を不織布固定バー110に挟まれてカーテン状に吊り下げられている。これによって、連続紙Wが高速で走行する際に生じる走行風によって不織布150がばたつくのを防止する。なお、本発明においてバタツキ防止シートを備えることは必須の要件ではなく、このようなバタツキ防止シートを有していなくても本発明の適用範囲内であることを付言しておく。

0040

インクミスト吸着カーテン100には不織布固定バー110が備わっているので、その不織布固定バー110を図3に示すインクジェットプリントヘッドH1,H2,H3,H4の間及びインクジェットプリントヘッドH4の連続紙侵入出口側に印刷機10の支持フレーム10fにインクミスト吸着カーテン100を取り外し可能に固定するようになっている。このインクミスト吸着カーテン100の取り付け取り外し作業においては、不織布固定バー110に備わった持ち手130を介して簡単な作業でインクミスト吸着カーテン100を印刷機10の所定位置に設置して不織布150を吊り下げたり、印刷機10の所定位置から抜き去ったりすることを可能としている。

0041

続いて、本実施形態に係るインクミスト吸着受け皿200(第2のインクミスト吸着部)について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1のインクミスト吸着受け皿200を示す底面図である。また、図6は、図5に示したインクミスト吸着受け皿200をその長手方向側方から見た側面図である。また、図7は、図5に示したインクミスト吸着受け皿200の長手方向一方の端面図(図7(a))及び他方の端面図(図7(b))である。

0042

インクミスト吸着受け皿200は、例えばステンレス鋼でできた細長の板状部材からなる受け皿本体210と、同じくステンレス鋼でできておりインクミスト吸着受け皿200を印刷機10に取り付けた状態で受け皿本体210の下面に配置される不織布固定部220を有している。受け皿本体210は、連続紙Wが走行している間、その周囲を浮遊するインクミストを吸着させるのに十分な長さ及び幅を有している。

0043

具体的には、受け皿本体210の長さは、連続紙Wの幅に対応した長さとなっており、受け皿本体210の幅は、連続紙Wを高速で走行させるために所定間隔で並んで配置された送りローラー同士の間隔よりも僅かに小さくなっている。また、受け皿本体210の長手方向一方の端部には、L字状に折り曲げられた受け皿位置決め用係合片211が延在形成され、他方の端部には、L字状に折り曲げられた2つの受け皿固定用係合片212がその受け皿本体210の幅方向所定間隔で延在形成している。

0044

そして、受け皿位置決め用係合片211には、インクミスト吸着受け皿200を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10g(図2二点鎖線参照)に係合する位置決め用切り欠き部211a(図7参照)が形成されている。そして、位置決め用切り欠き部211aをここでは図示しないガイドローラー支持フレーム10gの位置決めピンに係合させることでインクミスト吸着受け皿200を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gに仮取付けするようになっている。

0045

また、受け皿本体210の長手方向において受け皿位置決め用係合片211と反対側に設けられた2本の受け皿固定用係合片212には、インクミスト吸着受け皿200を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gに固定するための固定用切り欠き部212a(図7参照)が形成されている。そして、この固定用切り欠き部212aを介して印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gの一部にネジ等で締結固定することで、インクミスト吸着受け皿200を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gにしっかりと固定するようになっている。

0046

インクミスト吸着受け皿200の不織布固定部220は、受け皿本体210よりもその長さ及び幅が若干小さくなっており、かつ不織布250を被せた際に受け皿本体210の上面において不織布250がこの面に全体的に密着するように一定の高さを有している。そして、本実施形態の場合、不織布固定部220の長手方向には所定間隔で4箇所に亘って図示しないボルト取付けメスネジ部が形成されている。

0047

不織布250は、受け皿本体上面全体を覆うように被せられた後、その両端部を不織布固定部側に折り返して不織布固定部220の幅方向中心部に形成されたボルト取付けメスネジ部に双方から重ね合わせ可能な大きさを有している(図7における太い点線で示す不織布250参照)。

0048

上述したように不織布250の両端を不織布固定部220のボルト取付けメスネジ部を覆い隠すように重ねた後、不織布抑えボルト221を不織布固定部220に形成された4つのボルト取付けメスネジ部にねじ込んで不織布250の端部を不織布固定部220に固定する。この際、不織布固定部220が若干ではあるが長手方向全体に亘ってある程度の高さを有しているので(図6及び図7参照)、不織布250を受け皿本体210に被せてその端部をボルト取付けメスネジ部に重ね合わせ、不織布抑えボルト221で不織布250を固定することで、この不織布固定部220の高さによって不織布250全体に均一な張力がかかり、受け皿本体210を覆う不織布250は受け皿本体210の上面にしっかりと接触し、波打ち等などの好ましくない現象が生じないようにしている。

0049

なお、本実施形態では使用するインクミスト吸着受け皿200に使用する不織布250は、これに対応する大きさの1枚の不織布250であっても良く、幅が狭くさほど大きくない複数枚の不織布250をインクミスト吸着受け皿200の長手方向に並べて配置してインクミスト吸着受け皿200に取り付けるようにしても良い。

0050

また、インクミスト吸着受け皿200に使用する不織布250としては、本実施形態の場合、上述したインクミスト吸着カーテン100に使用した不織布150と同一の不織布250を使用している。これにより、単一種類の不織布を用意して保管しておくだけで、インクミスト吸着カーテン100やインクミスト吸着受け皿200の何れの不織布にも使用することができ、消耗品としての不織布の購入時のコストダウンや管理のしやすさを達成している。

0051

インクミスト吸着受け皿200の印刷機10への取付けに際しては、受け皿本体210の一端に形成された受け皿固定用係合片212を印刷機10の一方のガイドローラー支持フレーム10gに備わる位置決めピンに受け皿位置決め用係合片211の取付け位置決め用切り欠き部211aを介して係合させ、受け皿本体210の他端に形成された受け皿固定用係合片212の固定用切り欠き212aを利用して印刷機10の他方のガイドローラー支持フレーム10gに蝶ネジ等をねじ込むだけで簡単に行うことができる。

0052

また、インクミスト吸着受け皿200に取り付けた不織布250がかなり汚れた際は、上述した作業と逆の作業を行うことによってインクミスト吸着受け皿200を印刷機10から簡単に取り外すことができ、そのままの新品の不織布250への交換作業を簡単かつ迅速に行うことができる。

0053

続いて、走行中の連続紙Wから飛散する紙粉が印刷エリアに侵入するのを防止する紙粉侵入防止部としての紙粉侵入防止カーテン300について説明する。本実施形態においては、連続紙Wの走行方向最も上流側に位置した第1の印刷エリアに対応するインクジェットプリントヘッドH1の連続紙走行方向連続紙進入入口側にこの紙粉侵入防止カーテン300が備わって第1の印刷エリアに紙粉が侵入するのを防止している。なお、この紙粉侵入防止カーテンの具体的構成は、上述したインクミスト吸着カーテン100と全く同一であるので、その構成の具体的説明を省略する。また、紙粉侵入防止カーテン300を印刷機10の部材支持フレーム10fに取り付けたりこれから外したりする方法についてもインクミスト吸着カーテン100と同様である。

0054

また、他の印刷エリア、即ち第2乃至4の印刷エリアにおいては第1のインクジェットプリントヘッドH1に備わったインクミスト吸着カーテン100が第2の印刷エリアに紙粉が侵入するのを防止し、第2のインクジェットプリントヘッドH2に備わったインクミスト吸着カーテン100が第3の印刷エリアに紙粉が侵入するのを防止し、第3のインクジェットプリントヘッドH3に備わったインクミスト吸着カーテン100が第4の印刷エリアに紙粉が侵入するのを防止し、第4のインクジェットプリントヘッドH4に備わったインクミスト吸着カーテン100が第4のインクジェットプリントヘッドH4より下流側に紙粉が飛散して行くのを防止している。

0055

続いて、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1の作用について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1の作用を説明する側面図である。

0056

なお、以下の本実施形態の作用に関しては、本実施形態をカラー印刷される新聞紙の印刷に適用した場合について説明する。図8に示すようにロールから巻きほぐされた連続紙Wは、新聞紙の場合、例えば毎分200mという高速度で所定の印刷エリアを通過する。この所定の印刷エリアは、図8に示すように左からブラックに対応した第1の印刷エリア、シアンに対応した第2印刷エリア、マゼンダに対応した対応した第3の印刷エリア、イエローに対応した第4の印刷エリアの4種類の印刷エリアから構成されている。そして、上述したように各インクジェットプリントヘッドHには、その所定位置にインクミスト吸着カーテン100が備わると共に、各隣接エリアの下側にはインクミスト吸着受け皿200が配置されている。また、連続紙走行方向における一番上流側の第1の印刷エリアに対応するインクジェットプリントヘッドH1の連続紙Wに対応する印刷エリアの走行方向連続紙進入入口側には、紙粉侵入防止カーテン300が取り付けられている。

0057

カラー印刷作業が開始されると、連続紙Wが高速で走行しながらインクジェット印刷機10に固定配置された各インクジェットプリントヘッドHに対応する色のインクが連続紙Wの所定領域に吐出される。この吐出されたインクの一部は紙面に印刷されず微小なインクミストとしてインクジェットプリントヘッドHの下側や連続紙Wの下側など周囲の空間に飛散してこの空間内を浮遊するようになる。このような空間内を浮遊するインクミストについて、図8においては黒い涙形の形状で描いている。なお、図8においてにおけるインクミストについては、本作用の説明の理解の容易化を図るために極端に誇張して大きく描いていることは言うまでもない。

0058

また、ロール状に巻かれた連続紙Wが巻きほぐされる際に発生する紙粉や印刷エリアに向かって走行する連続紙Wから走行中に発生する紙粉が、印刷エリア内に侵入しようとする。なお、各印刷エリアにおいても、連続紙Wが送りローラーRを介して高速度で送られると共に、連続紙Wに向かってインクジェットプリントヘッドHのノズルから常時インクが吐出されているので、これらの印刷エリア内においても紙粉が発生してインクジェットプリントヘッドHの下側やその周囲、連続紙Wの下側などの空間に紙粉が飛散して浮遊する。

0059

インクミストや紙粉が、このように各印刷エリア内に飛散して浮遊した状態となるが、本実施形態によると、以下の詳細な理由に基づき、インクミスト吸着カーテン100やインクミスト吸着受け皿200、紙粉侵入防止カーテン300を有することで、インクミストや紙粉の各印刷エリア周囲の空間内の浮遊量をかなり減らすことができる。

0060

一般的な現象としては、インクミストがインクジェットプリントヘッドHに付着した後、このインクミストが付着した部分に紙粉が付着してこの部分のインクミストと紙粉が混ざってスラリー状になった後に乾燥してインクジェットプリントヘッドHに固着してしまう。そのため、インクミスト吸着カーテン100やインクミスト吸着受け皿200にインクミストを付着させることで、印刷エリアの空間内に浮遊するインクミストの量を減らすことができ、インクジェットプリントヘッドHに付着するインクミストを極端に減らすことができる。

0061

また、印刷エリアの連続紙走行方向最も上流側に位置するインクジェットプリントヘッドHの連続紙進入入口側には、上述したインクミスト吸着カーテン100と同等の構成を有する紙粉侵入防止カーテン300が備わっているので、連続紙Wの走行方向最も上流側に位置する印刷エリアに紙粉が侵入するのを防止する。また、本実施形態においては、各印刷エリアのプリントヘッドHの連続紙進入出口側に設けたインクミスト吸着カーテン100は、紙粉が各印刷エリアの隣接する下流側の印刷エリアに侵入するのを防止する役目も果たしている。

0062

このようにして、ロール状に巻かれた連続紙Wの巻きほぐし時に多く生じる紙粉や連続紙Wの高速走行中に生じる紙粉の各印刷エリア内への侵入を効果的に防止することができる。

0063

以上の理由から、本実施形態によると、インクミスト吸着カーテン100やインクミスト吸着受け皿200にインクミストを付着させるとともに、紙粉侵入防止カーテン300やインクミスト吸着カーテン100に紙粉を付着させることで、印刷エリア周囲の空間に飛散して浮遊する紙粉の量も減らすことが可能となる。

0064

なお、連続紙Wが新聞紙として印刷される場合、連続紙Wは、裏抜け防止等のために、炭酸カルシウムからなるホワイトカーボン等、様々な成分を含んで製造されており、そのため、巻きほぐす際や高速で走行させる際に紙粉として飛散する。そのため、本実施形態によると、新聞紙を印刷する際に上述したような作用を効果的に発揮することができる。

0065

以上説明したように、本実施形態によれば、従来技術にあるインクミスト吸引機などの大型装置の設置等に伴う大幅なコストアップを招くことなく、各印刷機の型に適したバージョンで設置することが可能な所謂インクミストによる不具合を防止するインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1及び方法を提供することができる。また、インクミストカーテン及びインク受け皿用の不織布については同一のものを利用できるため、低コストを図ることができる。

0066

そして、所謂インクミストによる不具合である、インクジェットプリントヘッドHのノズル面に付着することにより起こる一時的な不吐出の発生や吐出不良、異種インク付着による固着での永久的不吐出、基板やサーバー等の装置の周辺電子機器の故障が発生することなく、高品質、高解像度なインクジェット印刷機10を提供することが可能となる。

0067

更に、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置1を設置することにより、所謂インクミストによる不具合以外にも、巻取紙から発生する所謂紙粉がインクジェットプリントヘッドに付着し、吐出不良を起こす要因も、特にインクジェットプリントヘッド前方(インクジェットプリントヘッドHの連続紙進入入口側)に紙粉侵入防止カーテン300を設置することで解消することができる。このように、不具合要因をなすインクミスト以外にも所謂紙粉による不具合をなくすことにも効果がある。

0068

続いて、上述したインクミスト吸着受け皿の変形例について説明する。図9は、図5に示したインクミスト吸着受け皿の変形例を示す底面図である。また、図10は、図5に示したインクミスト吸着受け皿の変形例を示す図であり、図9に示すX(a)-X(a)方向から見た側面図(図10(a))及び図9に示す長手方向一方の端面図(図10(b))である。

0069

本変形例に係るインクミスト吸着受け皿400は、上述のインクミスト吸着受け皿400と同等の例えばステンレス鋼等の材質でできており、上述の受け皿本体とほぼ同等の外径寸法を有した受け皿本体410と、インクミスト吸着受け皿400の取付け状態で見て受け皿本体410の裏面に設けられた不織布保持部材420とを有している。受け皿本体410には、その両端から受け皿固定片411がそれぞれ延在すると共に、受け皿本体410の裏面において幅方向中央部であって長手方向に沿って所定の間隔で細長い厚板からなる4つのボルトねじ込み部430が固定されている。なお、各受け皿固定片411には、インクミスト吸着受け皿400を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gに固定するための固定ボルト挿通孔がそれぞれ2つずつ設けられ、各ボルトねじ込み部430には、後述する不織布保持部材420の不織布挟み込み押さえ板425を固定するためのボルトをねじ込むメスネジ部430aがそれぞれ2箇所ずつ形成されている。なお、一方の受け皿固定片411に設けられた2つの固定ボルト挿通孔は長孔となっており、インクミスト吸着受け皿400の長手方向の取付け位置の微調整を行うことができるようになっている。

0070

不織布保持部材420は、図10に示す保持部材本体421と、図11に示す不織布挟み込み押さえ板425とからなる。保持部材本体421は、例えばステンレス鋼でできた2枚の同一形状の細長い板材を幅方向に折り曲げて形成され、受け皿本体410の裏面に固定されるベース部421aと、ベース部421aから同一幅で垂直に立ち上がる垂直立ち上げ部421bと、垂直立ち上げ部421bから水平方向に同一幅で延在する水平延在部421cとからなる。そして、水平延在部421cの長手方向縁部同士が受け皿本体裏面の平面視でボルトねじ込み部430を挟む程度の間隔を隔てて向き合うように各ベース部421aが受け皿本体410の裏面に取り付けられている。

0071

不織布挟み込み押さえ板425は、バネ性に富んだ金属の板材でできており、ボルトねじ込み部430の上面と同等の長さ及び幅を有し、このボルトねじ込み部430の上面に当接する押さえ板固定部425aと、押さえ板固定部425aの両側から互いに間隔が拡がるように斜めに延在する不織布押え部425bとからなる。不織布押え部425bは、不織布挟み込み押さえ板425をボルトねじ込み部430に当接させた状態においてその一部が保持部材本体421の水平延在部421cの長手方向縁部にしっかりと押し付け可能な長さを有している。

0072

不織布挟み込み押さえ板425の押さえ板固定部425aには、ボルトねじ込み部430のメスネジ部430aに対応する位置にボルト挿通孔(図示せず)が形成されている。また、不織布挟み込み押さえ板425は、不織布押え部425bの先端を作業者が手でつまんで力を入れることにより、その先端の間隔を狭めることができると共に、保持部材本体421の水平延在部421cの互いに対向する長手方向縁部に不織布450を当てた状態で不織布挟み込み押さえ板425をボルトで固定した際に不織布450のずれを防止するのに十分な弾性力を有している。

0073

続いて、本変形例に係るインクミスト吸着受け皿400に不織布450を取付ける仕方について説明する。図11は、図9及び図10に示すインクミスト吸着受け皿400に不織布450を取付ける工程を示す図である。また、図12は、図9及び図10に示すインクミスト吸着受け皿400に不織布450を取付ける工程を示す図11に続く図である。

0074

図11(a)及び図11(b)に示すように、受け皿本体410の上面に不織布450を被せた後、受け皿本体410の幅方向に沿って不織布450の各端部を不織布保持部材420の水平延在部421cの下側面まで延ばしこの水平延在部421cの長手方向縁部にしっかりと押し当てた後、水平延在部421cの裏面即ち受け皿本体410と対向する面に接するように不織布450を折り返す。

0075

次いで、図11(c)及び図11(d)に示すように、不織布挟み込み押さえ板425の不織布押え部425bの双方にそれらの外側から力を加え、不織布押え部同士の間隔が狭まるように変形させる。

0076

次いで、図12(e)に示すように不織布挟み込み押さえ板425の不織布押え部同士の間隔を更に狭めた状態で、対向する水平延在部421cの間に不織布挟み込み押さえ板425を挿入し、押さえ板固定部425aがボルトねじ込み部430の上面に当接させる。

0077

次いで、図12(f)に示すように、不織布挟み込み押さえ板425の不織布押え部425bにかける力を解除すると、不織布挟み込み押さえ板425は元の形状に戻り、水平延在部421cの長手方向縁部で折り返された不織布450を不織布挟み込み押さえ板425の不織布押え部425bと不織布保持部材420の水平延在部421cとで挟み込む。

0078

次いで、図12(g)に示すように、不織布挟み込み押さえ板425のボルト挿通孔(図示せず)に押さえ板固定ボルト431を挿通し、押さえ板固定ボルト431のオスネジ部をボルトねじ込み部430のメスネジ部430aにねじ込んで不織布450をこの挟み込まれた部分でインクミスト吸着受け皿400に対してズレが生じることなくしっかりと取付ける。

0079

以上のような手順で、インクミスト吸着受け皿400に新しい不織布450を簡単に取り付けることができる。また、インクミストやこのインクミストに紙粉が付着して固化した既に使用済みの不織布450を備えたインクミスト吸着受け皿400を印刷機10から外して、このインクミスト吸着受け皿400から汚れた不織布450を取り去る際は、この手順と逆の手順を行えば簡単にその作業を終えることができる。

0080

なお、インクミスト吸着受け皿400を印刷機10のガイドローラー支持フレーム10gに取り付けたり取り外したりするにあたっては、受け皿固定片411,412にそれぞれ形成された固定ボルト挿通孔を介してボルトを締め付けるたり緩めたりして行う。受け皿固定片411の2つの固定ボルト挿通孔は長孔になっているので、インクミスト吸着受け皿400の長手方向の位置を調整しながらガイドローラー支持フレーム10gに取り付けることができる。

0081

以上の説明から明らかなように、本変形例に係るインクミスト吸着受け皿400を用いることで、不織布交換作業に慣れていない作業者であっても、インクミスト吸着受け皿400の上面を不織布450できれいに覆うための確実な作業を極めて短時間に行うことができ、このようなメンテナンス時間により印刷機10の稼働率が低下するのを防止することができる。

0082

最後に、本発明に係るインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を備えたインクジェット印刷機を本実施例とし、このインクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置を備えていないインクジェット印刷機を本比較例として両者それぞれを用いて印刷を行った場合の状態を図面に基づいて比較説明する。

0083

図13は、上記比較例を用いて印刷を行った場合を説明する側面図である。また、図14は、上記本実施例を用いて印刷を行った場合を説明する側面図である。なお、図13及び図14においては、説明の理解の容易化を図るため、図2に示すインクジェットプリントヘッドのうち、連続紙Wの走行方向最も上流側に固定配置されたブラックインク用のインクジェットプリントヘッドのみ図示する。なお、図13及び図14においては、ブラックインク用インクジェットプリントヘッドを一例として最も上流側に示したが、これはあくまで例示的なものであり、他の色に対応するインクジェットプリントヘッドを最も上流側に配置しても良いことは言うまでもない。

0084

また、図13及び図14において、(t1)から(t4)に示す各インクジェットプリントヘッドの状態は、印刷作業が開始された時間からそれぞれ異なる時間が経過した状態を示している。具体的にはt1<t2<t3<t4となり、図13及び図14において左側から右側に向かうに従って印刷時間がより経過した状態を示すようになっている。

0085

本比較例においては、図13の(t1)に示す印刷時間から(t4)に示す印刷時間まで経過する間にこの印刷エリアにおいてインクジェットプリントヘッドのインクミスト(図中涙形の図形で図示)の量が急激に増加していき、これに伴いインクジェットプリントヘッドのノズル部にこのインクミストが付着していくことが理解できる。また、ロール状に巻かれた連続紙を巻きほぐす際に生じる紙粉(図中白い丸の図形で図示)が印刷エリア内にそのまま侵入していくことが分かる。

0086

そして、インクジェットプリントヘッドのノズル部に付着したインクミストに紙粉が付着してこれらがスラリー状になり、やがてはインクジェットプリントヘッドのノズル部に固着してインクジェットプリントヘッドの動作不良を招くことが分かる(図13における太字で示す白い丸と斜線の組み合わせ参照)。また、印刷時間が経過するごとに増加していくインクミストや紙粉は、インクジェットプリントヘッドの周囲のみならずその上方にあるここでは図示しないサーバーや基板に達してこれに付着することが理解できる。

0087

以上のように、図13に示す比較例においては、印刷時間が経過するに従ってインクジェットプリントヘッドに重大なダメージを与え、やがてはインクジェットプリントヘッドの機能不全を招いて清掃のみでは対応できず、高価なインクジェットプリントヘッドを交換する必要が生じることが理解できる。

0088

一方、図14に示す本実施例の場合、図14の(t1)に示す印刷時間から(t4)に示す印刷時間まで経過する間にこの印刷エリアにおいてインクジェットプリントヘッドのインクミスト(図中涙形の図形で図示)の量が増えていくが、これらの大部分は印刷エリア周囲の下方の空間内に留まらず、インクミスト吸着カーテンやインクミスト吸着受け皿に吸着されていることが分かる。また、インクジェットプリントヘッドの連続紙進入入口側に紙粉侵入防止カーテンを配置しているので、ロール状に巻かれた連続紙を巻きほぐす際に生じる紙粉(図中白い丸の図形で図示)が印刷エリア内に殆ど入り込まないことが分かる。また、たとえ紙粉が印刷エリア内に入り込んだり、隣接エリア内において走行中の連続紙から紙粉が発生したりしても、これらの紙粉がインクミスト吸着カーテンやインクミスト吸着受け皿において既に吸着されたインクミストに付着してやがては固化することが分かる(図14における太字で示す白い丸と斜線の組み合わせ参照)。

0089

これによって、連続印刷して印刷時間が長時間経過していっても、図14において(t4)で示すように、インクミストや紙粉はインクジェットプリントヘッド下側やこれに対応する連続紙の下側の空間、即ち印刷エリア周囲の空間内に留まることがなくかつインクジェットプリントヘッドのノズル部においても殆ど付着しないことが分かる。その結果、本実施例によると、インクミスト吸着カーテン及びインクミスト吸着受け皿を定期的に交換するメンテナンス作業を行うだけで、高価なインクジェットプリントヘッドを長期間に亘って使用可能なことが理解できる。

0090

上述の通り、本発明がこのような構成を有することで、印刷時における印刷エリア内のインクミストや紙粉の量を非常に減らすことができるので、インクミストがインクジェットプリントヘッドのノズル部に付着して、この付着したミストが溜まって液状のインクとなった部分に紙粉が更に付着してインクミストと紙粉が混ざった状態でインクジェットプリントヘッドに固着することを防止することができる。以上の本発明の特有の作用については、図14に示すインクミストと紙粉が合わさってインクジェットプリントヘッドのノズル部近くに僅か1箇所だけ丸と斜線の組み合わせで示したように付着していることからも理解できる。

0091

以上説明したとおり、本発明によると、ある一定期間印刷作業を行った後、インクミスト吸着カーテンとインクミスト吸着受け皿を上述した交換作業の要領で装置から取り外し、それぞれからインクミストや紙粉が吸着して汚れた不織布を取り去ってこれを新しい不織布に交換し、新しい不織布を付けたインクミスト吸着カーテンとインクミスト吸着受け皿を再度装置に簡単に取り付けることができる。これに加えて、インクミスト吸着カーテンとインクミスト吸着受け皿を装置から外している際にインクジェットプリントヘッド周りの汚れた部分を掃除することができる。このようにして短時間で印刷機の印刷エリア周囲の清掃作業を迅速に終了した後、再度印刷作業を開始できる。

0092

また、本発明によると、最小限の時間で印刷エリア内の清掃を完了することで、インクジェットプリントヘッドのノズルのつまりに伴う印刷不要の連続紙の発生を極端に減らすことができると共に、印刷機の稼働効率を格段に向上させることができる。これによって、多品種少量生産に適したデジタル印刷機のメリットを最大限に享受することができる。

0093

また、本発明によると、従来のように印刷作業を進めるうちにインクジェットプリントヘッドのノズル部分にインクミストや紙粉が一体化してスラリー状になった後に固着しノズルのつまりを招いてしまったり、最悪の場合、ノズルのつまりがひどくインクジェットプリントヘッドの継続使用が不可能になったりすることを防止することできる。このような状態になると、1個当たり高価なインクジェットプリントヘッド自体を交換しなければならず、予期しない出費を招く。また、インクジェットプリントヘッドを印刷機の正確な位置に固定配置する必要があるため、新しいインクジェットプリントヘッドに交換時にこのヘッド位置出し作業に大変労力や時間を要してしまうが、本発明の場合、そのような問題を生じさせずに済む。

0094

同様に、本発明によると、印刷機のサーバーや基板にインクミストと紙粉が付着して一体化してスラリー状になった後固着して装置自体が故障し、装置自体の継続使用が行うことができなくなる最悪の事態が発生することも防止することが可能である。

0095

なお、このようなインクジェットプリントヘッド付近の印刷エリア周りの空間に飛散して浮遊するインクミストや紙粉を吸引ノズルで強制的に吸引しようとしても、複雑な印刷機構内への吸引ノズルの配置の困難性や専用の吸引機構を準備することによるコストアップを招くことは明らかである。また、吸引ノズルにより局所的な部分に負圧をかけてインクミストや紙粉を強引に吸引しようとすることによって、高速で走行する連続紙の走行状態に悪影響を与えるおそれも考えられる。

0096

また、インクミストに代表される浮遊物の吸引機構に備わった吸引ノズルをインクジェット印刷機の印刷エリアに多数箇所に亘って配置しようとすると、ただでさえ印刷機の機構が複雑な上に更なる吸引ノズルが配置されることで、印刷機の定期的なメンテナンス時に作業者の手が入りにくくなりメンテナンス作業に多大な支障をきたす。更には、吸引機構の構成の簡素化を図ろうとすると、吸引された浮遊物が印刷機の設置された建屋内に放出されることとなり、作業環境が極めて悪化してしまう。

0097

一方、吸引された紙粉を印刷機の設置された建屋外にそのまま放出すると周辺環境の悪化を招いてしまう。そのため、何れの場合にせよかなり大掛かりな吸引設備を設置することとなり、コスト的に問題となる。また、吸引後のインクミストや紙粉の処理についての問題も生じてくる。このような理由から、吸引ノズルを備えた吸引機構を印刷機に備えることは、別の様々な問題を生じさせることとなり現実的な対策とはなり得ないので、この点でも本発明は極めて優れている。

0098

なお、本発明における第1のインクミスト吸着部であるインクミスト吸着カーテンは、必ずしも複数の印刷エリアの全てに設けられている必要はなく、少なくとも1つの印刷エリアに設けられていてもそれなりの作用を発揮することが可能である。また、本発明における第2のインクミスト吸着部であるインクミスト吸着受け皿についても、必ずしも複数の印刷エリアの全てに設けられている必要はなく、少なくとも1つの印刷エリアに設けられていてもそれなりの効果を発揮することが可能である。また、このインクミスト吸着受け皿200の大きさは、これに対応する連続紙の印刷エリアの広さと同等であることは必ずしも必要とされず、これより小さなものであってもそれなりの効果を発揮することが可能である。

0099

また、本発明において、複数の印刷エリアのうち、隣接する印刷エリア間に設けられた第1のインクミスト吸着部であるインクミスト吸着カーテンの全てが走行中の連続紙から飛散する紙粉についても捉える必要はなく、少なくとも1つのインクミスト吸着カーテンが走行中の連続紙から飛散する紙粉について捉えることができれば、それなりの効果を発揮することが可能である。

0100

また、本発明において、紙粉侵入防止部を複数の印刷エリアの全てにおいてそのエリアの連続紙の走行方向の上流側に設ける必要はなく、少なくとも1つの紙粉侵入防止部が複数の印刷エリアの何れかに設けられていれば、それなりの効果を発揮することが可能である。

0101

また、上述の実施形態においては、各インクジェットプリントヘッドの連続紙進入出口側にインクミスト吸着カーテンを配置したが、必ずしも各連続紙進入出口側のみにインクミスト吸着カーテンを配置する必要はなく、状況に応じて何れかの若しくは全ての印刷エリアの連続紙進入入口側にもインクミスト吸着カーテンを配置しても良い。この場合、連続紙進入入口側に配置したインクミスト吸着カーテンに必要に応じて紙粉の侵入を阻止する紙粉侵入防止カーテンの役割を持たせても良い。

0102

また、このように両者を兼用させずにインクミスト吸着カーテンと紙粉侵入防止カーテンを個別にインクジェットプリントヘッドの連続紙進入出口側や連続紙進入入口側に設けても良い。

0103

また、上述の実施形態においては、紙粉侵入防止部をインクジェットプリントヘッドの連続紙進入入口側に設けたが、これを連続紙進入入口側と連続紙進入出口側の両方に設けても良い。

0104

なお、上述の実施形態においては、インクミスト吸着カーテンにおいて不織布を用いたが、インクミストや紙粉を効果的に吸着する材質であればどのようなものを用いても良く、例えば不織布の代わりにスポンジ等を用いても良い。しかしながら、本発明においては、インクミスト吸着受け皿に不織布を用いている関係上、インクミスト吸着カーテンに不織布を用いることで、ディスポーザブルなインクミスト吸着媒体を不織布に統一することができる。これによって、大量の不織布を一括仕入れすることによってコストダウンを図ることができる。これに加えて、不織布の交換作業に伴ってインクミスト吸着カーテンに用いた不織布を利用してインクジェットプリントヘッドのノズル周囲や装置のフレーム等に付着して固化したインクミストや紙粉の汚れを取り去ることができるので、メンテナンス時における使い勝手が良い。

0105

また、上述の実施形態においては、インクミスト吸着カーテンに不織布に加えてバタツキ防止シートを備えたが、本発明においてはこのバタツキ防止シートについては必ずしも必要とするものではない。しかしながら、バタツキ防止シートを備えることで、連続紙の走行時に生じる走行風の影響を受けずに不織布にインクミストや紙粉を効果的に吸着させることができる。

0106

また、上述の実施形態においては、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色にそれぞれ対応したインクジェットプリントヘッドを利用したカラー印刷を行う場合のインクミストや紙粉によって生じる問題点を解決する方策について説明したが、本発明は必ずしもこのようなカラー印刷工程におけるインクミストや紙粉による問題点を解決することに限定されず、インクジェットプリントヘッドが例えばブラックなどの単色のみの場合においても適用可能であることは言うまでもない。具体的には、新聞印刷等において一方の面はカラー印刷とし、他方の面はブラックの単色印刷とする場合においても本発明は適用可能である。

0107

以上説明した内容におけるインクジェットプリントヘッドの数、インクミスト吸着カーテンの形状及び寸法並びに材質、紙粉侵入防止カーテンの形状及び寸法並びに材質、インクミスト吸着受け皿の形状及び寸法並びに材質については、あくまで一例を示したに過ぎず、本発明の作用を発揮する範囲内であれば適宜変更可能であることは言うまでもない。

0108

1インクジェットプリントヘッドの吐出不良防止装置
10インクジェット印刷機
10gガイドローラー支持フレーム
10f 部材支持フレーム
20給紙装置
30折装置
40セクション装置
50チョッパー装置
100インクミスト吸着カーテン
110 不織布固定バー
120 不織布固定調整ネジ
130持ち手
150 不織布
160 不織布バタツキ防止シート
200 インクミスト吸着受け皿
210 受け皿本体
211 受け皿位置決め用係合片
211a位置決め用切り欠き部
212 受け皿固定用係合片
212a 固定用切り欠き部
220 不織布固定部
221 不織布抑えボルト
250 不織布
300紙粉侵入防止カーテン
400 インクミスト吸着受け皿
410 受け皿本体
411,412 受け皿固定片
420 不織布保持部材
421保持部材本体
421aベース部
421b 垂直立ち上げ部
421c水平延在部
425 不織布挟み込み押さえ板
425a 押さえ板固定部
425b 不織布押え部
430ボルトねじ込み部
430aメスネジ部
431 押さえ板固定ボルト
450 不織布
H1,H2,H3,H4(H) インクジェットプリントヘッド
Hn1,Hn2,Hn3,Hn4ノズル
R送りローラー
W連続紙
WRロール状に巻かれた連続紙

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