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技術 吸収性物品

出願人 花王株式会社
発明者 一萬田俊明
出願日 2014年12月12日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-251451
公開日 2016年6月23日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2016-112081
状態 特許登録済
技術分野 吸収性物品とその支持具
主要キーワード 被押圧物 累積比率 バキュームエアー 導液路 間欠配置 仮想中心線 型抜き加工 断面視形状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

排泄回数が複数回にわたる場合でも、吸収体内での液拡散性が高く液吸収性に優れる吸収性物品を提供すること。

解決手段

吸収性コア40に、該吸収性コア40を厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部5が、股下部1Mを通って縦方向Xに延びるように形成されている。吸収性コア40における非積繊部5と横方向Yにおいて隣接する部位のうち、少なくとも股下部1Mに位置する部位は、該吸収性コア40の他の部位に比して吸水性ポリマー粒子粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域45である。小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子は、吸収性コア40の他の部位に存する吸水性ポリマー粒子と同等物破砕されたものである。非積繊部5において肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合している。

概要

背景

吸収性物品の典型的な形態としては、液透過性表面シート液不透過性裏面シート及び両シート間に配置された縦長の吸収体具備しているものが挙げられる。また、吸収体としては、木材パルプ等のセルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する透水性コアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の製造時には吸水性ポリマー等の吸収性コア形成材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで形状化する役割などを果たす。

また従来、吸収性物品において尿等の排泄液縦方向への拡散性を向上させる等の目的で、吸収性コアに該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部を縦方向に延びるように形成すること行われている。例えば特許文献1には、吸収性コアの溝部(非積繊部)の周縁から平面方向に少なくとも10mm以内に位置する溝部近傍領域に、吸収速度の遅い吸水性ポリマーを配設し、該溝部近傍領域以外の溝部遠隔領域に、吸収速度の早い吸水性ポリマーを配設することが記載されている。また特許文献1には、吸収性コアの溝部(非積繊部)において、該吸収性コアの上下に位置する2枚のコアラップシートどうしを接合することも記載されている。特許文献1によれば、吸収性コアがこのように構成されていることにより、尿等の排泄液が吸収性コアの溝部近傍の領域から溝部遠隔の領域に向かって徐々に浸透するため、吸収性コアによる液体の拡散性を向上させることができるとされている。

また特許文献2には、吸収性コアの非積繊部を画成する周壁に吸水性ポリマー粒子が多く存在すると、液吸収後の吸水性ポリマー粒子がゲルブロックを形成して非積繊部を閉塞するおそれがあることに鑑み、斯かる不都合を防止するために、非積繊部を画成する周壁を、主として吸水性繊維密集することによって形成された表層部分から形成し、該表層部分よりも内側の内方部分を、吸水性繊維と吸水性ポリマー粒子とが一様に混合された状態とすることが記載されている。

概要

排泄回数が複数回にわたる場合でも、吸収体内での液拡散性が高く液吸収性に優れる吸収性物品を提供すること。吸収性コア40に、該吸収性コア40を厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部5が、股下部1Mを通って縦方向Xに延びるように形成されている。吸収性コア40における非積繊部5と横方向Yにおいて隣接する部位のうち、少なくとも股下部1Mに位置する部位は、該吸収性コア40の他の部位に比して吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域45である。小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子は、吸収性コア40の他の部位に存する吸水性ポリマー粒子と同等物破砕されたものである。非積繊部5において肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合している。

目的

本発明は、前記知見に基づきなされたもので、着用者腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に該股間部に配される股下部と、該股下部を通って縦方向に延びる吸収体とを具備する吸収性物品であって、前記吸収体は、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、該吸収性コアと両コアラップシートとはそれぞれ接着剤を介して互いに接合されており、前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部が、前記股下部を通って縦方向に延びるように形成されており、前記吸収性コアにおける前記非積繊部と横方向において隣接する部位のうち、少なくとも前記股下部に位置する部位は、該吸収性コアの他の部位に比して該吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域であり、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子は、前記吸収性コアの他の部位に存する前記吸水性ポリマー粒子と同等物が破砕されたものであり、前記非積繊部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合している吸収性物品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

着用者腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に該股間部に配される股下部と、該股下部を通って縦方向に延びる吸収体とを具備する吸収性物品であって、前記吸収体は、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、該吸収性コアと両コアラップシートとはそれぞれ接着剤を介して互いに接合されており、前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部が、前記股下部を通って縦方向に延びるように形成されており、前記吸収性コアにおける前記非積繊部と横方向において隣接する部位のうち、少なくとも前記股下部に位置する部位は、該吸収性コアの他の部位に比して該吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域であり、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子は、前記吸収性コアの他の部位に存する前記吸水性ポリマー粒子と同等物破砕されたものであり、前記非積繊部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合している吸収性物品。

請求項2

前記小粒径吸水性ポリマー存在領域は、前記吸収性コアにおける前記非積繊部以外の他の部位に比して、前記セルロース系繊維の含有量が少ない請求項1に記載の吸収性物品。

請求項3

前記小粒径吸水性ポリマー存在領域は、該小粒径吸水性ポリマー存在領域と横方向において隣接する前記非積繊部に比して、縦方向長さが短い請求項1又は2に記載の吸収性物品。

請求項4

前記小粒径吸水性ポリマー存在領域における前記吸水性ポリマー粒子の粒径は、縦方向中央部が最も小さく、該縦方向中央部から縦方向外方に向かうに従って漸次増加し、該縦方向中央部が前記股下部に位置する請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。

請求項5

前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートが何れも不織布である請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。

請求項6

請求項2に記載の吸収性物品の製造方法であって、積繊材料が積繊される集積用凹部を外面に有し、該集積用凹部を一方向に搬送しつつ、内部側からの吸引によって生じた空気流に乗って搬送された積繊材料を、吸引孔を複数有する多孔性部材で形成された該集積用凹部の底部に積繊させる積繊装置を用い、空気流に乗せて供給した積繊材料を、該集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を有し、前記積繊装置は、前記集積用凹部を外周面に有する回転ドラムと、該回転ドラムの外周面に積繊材料を前記空気流に乗せて供給する第1のダクト及び第2のダクトとを備え、該第2のダクトは、該第1のダクトよりも該回転ドラムの回転方向の下流側に積繊材料を供給するようになされており、前記多孔性部材の外面に、前記非積繊部に対応して、難又は非通気性の非積繊部形成部材が前記回転ドラムの回転方向に延びるように配置されており、前記非積繊部形成部材は、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に対応する部分が、該非積繊部形成部材の長手方向と直交する幅方向の断面視において、前記多孔性部材に近い順に、相対的に該幅方向の長さが長い第1の部分と、相対的に該幅方向の長さが短い第2の部分とを有しており、前記第1の部分は、前記第2の部分よりも幅方向の外方に延出する張り出し部を有しており、前記積繊工程において、前記第1のダクトから前記セルロース系繊維のみを含む第1の積繊材料を供給して、前記多孔性部材及び前記張り出し部それぞれの外面上に該第1の積繊材料を積繊させた後、前記第2のダクトから前記セルロース系繊維及び前記吸水性ポリマー粒子を含む第2の積繊材料を供給して、積繊された該第1の積繊材料上に重ねて積繊させて、前記吸収性コアの前駆体を得、前記吸収性コアの前駆体における、前記集積用凹部内において前記張り出し部上に積繊した部分を厚み方向に圧縮して、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域を形成する、吸収性物品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。

背景技術

0002

吸収性物品の典型的な形態としては、液透過性表面シート液不透過性裏面シート及び両シート間に配置された縦長の吸収体具備しているものが挙げられる。また、吸収体としては、木材パルプ等のセルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する透水性コアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の製造時には吸水性ポリマー等の吸収性コア形成材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで形状化する役割などを果たす。

0003

また従来、吸収性物品において尿等の排泄液縦方向への拡散性を向上させる等の目的で、吸収性コアに該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部を縦方向に延びるように形成すること行われている。例えば特許文献1には、吸収性コアの溝部(非積繊部)の周縁から平面方向に少なくとも10mm以内に位置する溝部近傍領域に、吸収速度の遅い吸水性ポリマーを配設し、該溝部近傍領域以外の溝部遠隔領域に、吸収速度の早い吸水性ポリマーを配設することが記載されている。また特許文献1には、吸収性コアの溝部(非積繊部)において、該吸収性コアの上下に位置する2枚のコアラップシートどうしを接合することも記載されている。特許文献1によれば、吸収性コアがこのように構成されていることにより、尿等の排泄液が吸収性コアの溝部近傍の領域から溝部遠隔の領域に向かって徐々に浸透するため、吸収性コアによる液体の拡散性を向上させることができるとされている。

0004

また特許文献2には、吸収性コアの非積繊部を画成する周壁に吸水性ポリマー粒子が多く存在すると、液吸収後の吸水性ポリマー粒子がゲルブロックを形成して非積繊部を閉塞するおそれがあることに鑑み、斯かる不都合を防止するために、非積繊部を画成する周壁を、主として吸水性繊維密集することによって形成された表層部分から形成し、該表層部分よりも内側の内方部分を、吸水性繊維と吸水性ポリマー粒子とが一様に混合された状態とすることが記載されている。

先行技術

0005

特開2012−179286号公報
特開2012−139381号公報

発明が解決しようとする課題

0006

使い捨ておむつにおいては通常、着用者排尿部に対向する排泄対向部及びその近傍に尿が集中的に排泄されるところ、その排泄された尿が、該排泄部対向部から面方向に、特におむつの縦方向(長手方向)にスムーズに拡散することで、吸収体が本来有する吸収性能が有効活用され、それによって液戻りが低減され、ドライ感の良好な着用感が得られるようになる。特許文献1及び2記載の技術は何れも、吸収性コアにこれを厚み方向に貫通する非積繊部を縦方向に延びるように形成する技術であり、尿等の排泄液の縦方向への拡散性を向上させ得る技術であるが、吸収性物品の着用中に排尿が複数回に及ぶ使用態様に十分に対応しているとは言い難いものであった。即ち、従来の吸収性物品の着用中においては、排泄部対向部に対して1回目の排泄液の排泄があった後に、さらに2回目の排泄が排泄部対向部に対してなされた場合、吸収体における排泄部対向部及びその近傍に位置する部分は、1回目の排泄液の多くを吸収保持した状態で2回目の排泄液に晒されるため、該部分が本来有する吸収容量を超える過剰量の排泄液が該部分に滞留することになり、そのため吸収体による排泄液の拡散・吸収がスムーズに作用せず、液戻りが起こりやすい。初回のみならず、2回目以降の排泄に対しても、その排泄液の拡散性が高く、液吸収性に優れる吸収性物品は未だ提供されていない。

0007

従って本発明は、排泄回数が複数回にわたる場合でも、吸収体内での液拡散性が高く液吸収性に優れる吸収性物品に関する。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前記非積繊部が形成された吸収性コアについて種々検討した結果、該非積繊部と横方向において隣接する部位のうち、排泄部対向部を含む股下部に存する吸水性ポリマー粒子を破砕して、該股下部の通液性を意図的に低下させることによって、該股下部による2回目以降の排泄液の吸収保持を抑制し、そうすることによって、該股下部で吸収保持されなかった2回目以降の排泄液が該非積繊部を通って縦方向に拡散され、該股下部よりも縦方向外方に位置する部位にて吸収保持されるようになり、排泄回数が複数回にわたる場合でも高い液拡散性を示す吸収性コアが得られることを知見した。

0009

本発明は、前記知見に基づきなされたもので、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に該股間部に配される股下部と、該股下部を通って縦方向に延びる吸収体とを具備する吸収性物品であって、前記吸収体は、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、該吸収性コアと両コアラップシートとはそれぞれ接着剤を介して互いに接合されており、前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部が、前記股下部を通って縦方向に延びるように形成されており、前記吸収性コアにおける前記非積繊部と横方向において隣接する部位のうち、少なくとも前記股下部に位置する部位は、該吸収性コアの他の部位に比して該吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域であり、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子は、前記吸収性コアの他の部位に存する前記吸水性ポリマー粒子と同等物が破砕されたものであり、前記非積繊部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合している吸収性物品を提供するものである。

発明の効果

0010

本発明によれば、排泄回数が複数回にわたる場合でも、吸収体内での液拡散性が高く液吸収性に優れる吸収性物品が提供される。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態を示す表面シート側即ち肌対向面側の一部破断平面図である。
図2は、図1のI−I線断面の模式的な横断面図である。
図3は、図1に示すおむつに配されている吸収体の肌対向面を模式的に示す平面図である。
図4は、吸収体における小粒径吸水性ポリマー存在領域の形成工程の概略斜視図である。
図5は、本発明に係る吸収体の製造方法の実施に使用可能な製造装置の概略斜視図である。
図6は、図5に示す積繊装置における集積用凹部を含む回転ドラムの外周部を平面状に展開して示した図である。
図7(a)は、図6のII−II線断面を模式的に示す断面図、図7(b)は、図6のIII−III線断面を模式的に示す断面図である。
図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、図6に示す集積用凹部内にて積繊物即ち吸収性コアの前駆体が形成される様子を模式的に示す断面図(図7(a)相当図)である。
図9(a)は、図6に示す集積用凹部内で形成された積繊物即ち吸収性コアの前駆体についての図6のII−II線断面を模式的に示す断面図、図9(b)は、該吸収性コアの前駆体についての図6のIII−III線断面を模式的に示す断面図である。
図10は、図5に示す積繊装置の集積用凹部における非積繊部形成部材張り出し部の他の一例を示す図7(a)相当図である。

実施例

0012

以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本実施形態の使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、着用時に着用者の腹側に配される腹側部1F及び背側に配される背側部1Rとそれらの間に位置する股下部1Mとを有すると共に、腹側部1Fから股下部1Mを介して背側部1Rに延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。

0013

おむつ1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配され、着用時に着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された液不透過性ないし撥水性の裏面シート3とを具備している。吸収体4は、両シート2,3間に介在配置されており、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をしており縦長である。

0014

本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。

0015

表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。裏面シート3は、図1に示す如き展開且つ伸張状態のおむつ1の外形を形成している。表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート3としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。裏面シート3には、例えば、液不透過性のフィルムシート単独の形態と、該フィルムシートの非肌対向面側に外装シートとして例えば不織布を積層配置した形態とがある。

0016

おむつ1は、股下部1Mを含む縦方向Xの中央部における、縦方向Xに沿う両側縁内向き円弧状に湾曲しており、図1に示す如き平面視において、縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状をなしている。股下部1Mは、吸収体4を縦方向に3等分した場合の縦方向中央部に位置する領域であり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される図示しない排泄部対向部を含んでいる。排泄部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央即ちおむつ1を縦方向Xに二分する仮想中心線よりもやや背側部1R寄り偏倚した位置にある。

0017

腹側部1F及び背側部1Rそれぞれの縦方向Xの端部であるウエスト部における表面シート2と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材31が横方向Yに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時における該ウエスト部には、弾性部材31の収縮によりウエストギャザーが形成される。また、おむつ1の表面シート2側における縦方向Xに沿う左右両側には、それぞれサイドシート34が配されている。サイドシート34は、縦方向Xに沿う内側縁部と、該内側縁部よりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部とを有し、図1に示す如き平面視において、該内側縁部は吸収体4と重なり、該外側縁部は吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出し裏面シート3と接合されている。着用者の脚周りに配される左右のレッグ部におけるサイドシート34と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材32が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時におけるレッグ部には、弾性部材32の収縮により一対のレッグギャザーが形成される。また、サイドシート34の内側縁部には、糸状の弾性部材33が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時には弾性部材33の収縮により少なくとも股下部1Mに立体ギャザーが形成される。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、各弾性部材31,32,33及びサイドシート34は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。

0018

図1に示すように、おむつ1の背側部1Rの縦方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ35,35が設けられている。ファスニングテープ35には、機械的面ファスナーオス部材からなる図示しない止着部が取り付けられている。また、おむつ1の腹側部1Fの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域36が形成されている。被止着領域36は、腹側部1Fの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段(例えば、接着剤やヒートシール等)で接合固定して形成されており、ファスニングテープ35の前記止着部を着脱自在に止着可能になされている。

0019

吸収体4は、液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面を被覆する肌側コアラップシート41と、該吸収性コア40の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシート42とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41,42とはそれぞれホットメルト型接着剤等の接着剤を介して互いに接合されている。吸収性コア40は単層構造であり、図1に示す如き平面視において、股下部1Mに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状をなし、縦方向Xに長い形状を有している。

0020

吸収性コア40は、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含んでいる。吸水性コア40の具体例として、セルロース系繊維を含む繊維集合体に吸水性ポリマー粒子を保持させたものが挙げられる。この繊維集合体は、繊維の機械絡み合い繊維どうし接着融着等により形成されたシート状物であり、具体例としては紙、不織布、それらの複合体等が挙げられる。吸水性ポリマー粒子は、繊維集合体の内部において三次元的に分散されている。

0021

コアラップシート41,42としては、透液性シート材料を用いることができ、例えば、紙、不織布等を用いることができる。特に不織布は、紙よりも破断伸度が大きく、変形したとしても破れにくいため好ましい。また、吸収性コア40の後述する小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、吸収性コア40をコアラップシート41,42ごと厚み方向に圧縮することによって形成されるところ、この圧縮工程でコアラップシート41,42が破れないようにする観点からも、コアラップシート41,42としては不織布が好ましい。コアラップシート41,42として使用可能な不織布としては、この種の吸収性物品において構成部材として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの不織布は、親水化処理が施された繊維からなる親水性不織布であっても良い。

0022

吸収性コア40に用いるセルロース系繊維としては、この種の吸収性コアに通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパルプNBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;藁、ケナフ等の非木材パルプ等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0023

吸収性コア40に用いる吸水性ポリマー粒子としては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るものが好ましく、例えば、デンプン架橋カルボキシルメチルセルロースアクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体が挙げられる。吸水性ポリマー粒子の粒径は、後述する破砕処理を施す前の吸水性ポリマー粒子の粒径、即ち、吸収性コア40における後述する小粒径吸水性ポリマー存在領域45以外の他の領域(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に存する吸水性ポリマー粒子の粒径として、好ましくは2〜1500μm、さらに好ましくは50〜1000μmである。

0024

本実施形態においては後述するように、吸収体4の一部に圧縮処理を施してその被圧縮部に存する吸水性ポリマー粒子を破砕することによってその粒径を小さくし、吸収体4の一部の通液性を意図的に低下させる一方、吸収体4の残りの部分には圧縮処理を施さずに該残りの部分に存する吸水性ポリマー粒子の吸収性能をフル活用して高い通液性を有するようにしているところ、斯かる構成を確実に実現する観点から、吸水性ポリマー粒子としては、基本的に吸収性能が高いものを用いることが好ましく、具体的には、表面架橋二次架橋)処理が施された吸水性ポリマー粒子が好ましい。このような、通液性が部分的に異なる吸収体(吸収性コア)を得る他の方法としては、通液性の異なる複数種の吸水性ポリマー粒子を用いる方法、例えば、表面架橋処理された通液性の高い吸水性ポリマー粒子と表面架橋処理されておらず通液性の低い吸水性ポリマー粒子とを用いる方法があるが、性質の異なる複数種の吸水性ポリマー粒子を特定箇所に配置することの製造工程上の困難性を考慮すると、本実施形態のように、吸収性コアに用いる吸水性ポリマー粒子としては1種類のみを用い、且つ吸収性コアの一部に存する吸水性ポリマー粒子を破砕してその粒径を小さくし、該一部の通液性を低下させる方法がより優れている。

0025

肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とは、1)1枚の連続したシートであっても良く、2)それぞれ別体のシートであっても良い。前記1)の場合は例えば、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したコアラップシートを用いることができる。この1枚のコアラップシートは例えば、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆していても良い。その場合、この1枚のコアラップシートにおいて、吸収性コア40の肌対向面を被覆する部分が肌側コアラップシート41、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する部分が非肌側コアラップシート42である。

0026

前記2)の場合は、肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とで、幅方向Yの長さ即ち幅は同じでも良く、異なっていても良い。両シート41,42で幅が異なる場合は、どちらが長くても良い。例えば、肌側コアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面の最大幅と同じ幅を有する、換言すれば、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆可能な大きさを有するものとし、非肌側コアラップシート42は、該シート41よりも幅広にすることができる。その幅広の非肌側コアラップシート42は、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から幅方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の肌対向面に対向配置された肌側コアラップシート41上に巻き上げられ、該シート41の縦方向Xに沿う両側縁部を被覆していても良い。

0027

吸収性コア40には、該吸収性コア40を厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部5が、股下部1Mを通って縦方向Xに延びるように形成されている。本実施形態における非積繊部5は、平面視において矩形形状をなし、その長手方向を縦方向Xに一致させて吸収性コア40の横方向Yの中央に2本形成されており、少なくとも股下部1Mの前記排泄部対向部を通って縦方向Xに延びている。図3に示すように、2本の非積繊部5,5は、吸収性コア40又はおむつ1を横方向Yに二分して縦方向Xに延びる縦中心線Lxを基準として対称に形成されている。吸収性コア40の肌対向面において、各非積繊部5の横方向Yの長さ即ち幅はその縦方向Xの全長に亘って一定であり、また図示していないが、吸収性コア40の非肌対向面においても、各非積繊部5の横方向Yの幅はその縦方向Xの全長に亘って一定である。

0028

非積繊部5は、吸収性コア40の製造時における、吸収性コア40の形成材料、例えば木材パルプ等の繊維材料、吸水性ポリマー粒子等の積繊工程において、吸収性コア40の形成材料の積繊を意図的に阻害して形成された部位である。非積繊部5を有する吸収性コア40は、従来公知の吸収性コアの製造方法に従って製造することができ、例えば、図5に示す如き製造装置(積繊装置)を用い、空気流に乗せて供給した吸収性コア40の形成材料を、回転ドラムの外周面に形成された成形型上に吸引して積繊させて吸収性コア40を得る方法において、該成形型として所定パターンの成形型、例えば、非積繊部5に対応する部位が周辺部に比して上方に突出している成形型を用いることで製造することができる。斯かる製造方法で得られた吸収性コア40において、形成材料が存在していない部分が非積繊部5である。尚、非積繊部5を有する吸収性コア40の他の製造方法として、非積繊部を有していない吸収性コアを製造し、該吸収性コアの所定部位エンボス加工型抜き加工切削加工等の後加工を施して非積繊部を形成する方法を採用することもできる。

0029

図2に示すように、非積繊部5においては肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合している。本実施形態においては、両シート41,42の接合部は、吸収体4の厚み方向において非肌対向面側即ち裏面シート3側に偏在しており、非肌側コアラップシート42は平坦であるが、肌側コアラップシート41は非積繊部5の形成位置において凹状に窪んでいる。また本実施形態においては、両シート41,42の接合部は、非積繊部5の縦方向Xの全長に亘って連続している。

0030

非積繊部5における両シート41,42の接合部は、例えば次のようにして形成することができる。即ち、両シート41,42の少なくとも一方における非積繊部5の対応位置に予めホットメルト型接着剤等の接着剤を塗布しておき、吸収性コア40を両シート41,42で被覆して吸収体4を得た後、吸収体4の非積繊部5を肌対向面側から押圧処理して肌側コアラップシート41を非肌側コアラップシート42側に押し込むことにより、非積繊部5において両シート41,42を接合させることができる。この非積繊部5の押圧処理は、熱を伴うか若しくは伴わないエンボス又は超音波エンボス等の公知のエンボス加工を採用できる。非積繊部5の押圧処理として、例えば熱を伴うエンボス加工の如き加熱加圧処理を採用した場合、両シート41,42は互いに加熱圧着されるため、接着剤による接着力と相俟って両シート41,42どうしは強固に接合し得る。この場合、非肌側コアラップシート42は平坦であるが、肌側コアラップシート41は非積繊部5の形成位置において凹状に窪むことになる。尚、非積繊部5の押圧処理は、非積繊部5の形成位置にて非肌側コアラップシート42を肌側コアラップシート41側に押し込んで行っても良く、あるいは非積繊部5の形成位置にて両シート41,42を同時に押圧して行っても良い。前者の場合、肌側コアラップシート41は平坦であるが、非肌側コアラップシート42は非積繊部5の形成位置において凹状に窪むこととなり、後者の場合、非積繊部5における両シート41,42の接合部は、吸収体4の厚み方向の中央部に位置し、両シート41,42はそれぞれ非積繊部5の形成位置において凹状に窪むこととなる。

0031

本実施形態のおむつ1の主たる特徴の1つとして、吸収性コア40における非積繊部5と横方向Yにおいて隣接する部位、即ち、非積繊部5に沿って縦方向Xに延びてこれを画成する側壁部及びその近傍のうち、少なくとも股下部1Mに位置する部位が、該吸収性コア40の他の部位に比して吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域45である点が挙げられる。図1及び図3中、ドットが付された領域が小粒径吸水性ポリマー存在領域45である。本実施形態においては、2本の非積繊部5,5それぞれを画成する一対の側壁部及びその近傍それぞれにおける少なくとも股下部1Mに位置する部位が、小粒径吸水性ポリマー存在領域45となっており、複数(4個)の小粒径吸水性ポリマー存在領域45が横方向Yに間欠配置されている。複数の小粒径吸水性ポリマー存在領域45はそれぞれ平面視長方形形状をなし、互いに同形状同寸法である。

0032

このように、吸収性コア40における非積繊部5の周辺部の一部が小粒径吸水性ポリマー存在領域45であるのに対し、吸収性コア40における非積繊部5及び小粒径吸水性ポリマー存在領域45以外の他の部位は、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に比して吸水性ポリマー粒子の粒径が大きい、大粒吸水性ポリマー存在領域46である。本実施形態においては、2本の非積繊部5,5に挟まれた領域の横方向Yの中央部、即ち、吸収性コア40の横方向Yの中央及びその近傍が、大粒径吸水性ポリマー存在領域46となっており、一方の非積繊部5と横方向Yにおいて隣接する小粒径吸水性ポリマー存在領域45と、他方の非積繊部5と横方向Yにおいて隣接する小粒径粒径吸水性ポリマー存在領域45との間に、大粒径吸水性ポリマー存在領域46が介在している。

0033

小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子は、吸収性コア40の他の部位、即ち大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子と同等物が破砕されたものである。つまり、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子と大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子とは、組成的には同一で粒径のみが異なり、前者の方が後者よりも粒径が小さく粒が細かい。

0034

小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、吸収体4の前駆体における該領域45の形成予定部位を、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工等によって、厚み方向に圧縮することによって形成されている。吸収体4の前駆体は、小粒径吸水性ポリマー存在領域45が形成されておらず、該前駆体を構成する吸収性コアに含まれる吸水性ポリマー粒子(大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子と同等物)の粒径が均一な吸収体であり、非積繊部5が形成された吸収性コア40と該吸収性コア40を被覆するコアラップシート41,42とを備え、非積繊部5において両コアラップシート41,42どうしが接合している。この吸収体4の前駆体に対する圧縮処理によって、その圧縮された部位に存する吸水性ポリマー粒子、即ち、大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子と同等物が破砕されて、小粒径吸水性ポリマー存在領域45が形成される。そのため、圧縮処理(吸水性ポリマー粒子の破砕処理)が施されておらず厚み方向に圧密化されていない大粒径吸水性ポリマー存在領域46が相対的に低密度であるのに対し、小粒径吸水性ポリマー存在領域45は圧密化されていて相対的に高密度である。

0035

また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、圧縮処理による吸水性ポリマー粒子の破砕がなされていることに起因して、斯かる圧縮処理がなされていない大粒径吸水性ポリマー存在領域46に比して厚みが薄い。そのため、図2に示すように、吸収体4又は吸収性コア40の肌対向面には、圧密化の有無による厚み差に起因する段差が生じている。この段差を挟んで相対的に低い位置に存するのが圧密化された小粒径吸水性ポリマー存在領域45、相対的に高い位置に存するのが圧密化されていない大粒径吸水性ポリマー存在領域46である。但し、図2の段差は、説明容易の観点から誇張して記載されており、実際の段差を必ずしも正確に示しているわけではない。

0036

図4には、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の形成工程の一例が模式的に示されている。図4に示す小粒径吸水性ポリマー存在領域45の形成方法においては、吸収体4の前駆体4’に対してプレスロール10を用いて圧縮処理を施す。プレスロール10は、周面にエンボス凸部11aが突出形成された円筒形状のエンボスロール11と、周面が平滑な円筒形状のアンビルロール12とを含んで構成されており、両ロール11,12の間隙クリアランス)を通過する被押圧物(吸収体4の前駆体4’)に対して、エンボス凸部11aを押し付けることで該被押圧物を押圧可能に構成されている。エンボス凸部11aは、吸収体4の前駆体4’における小粒径吸水性ポリマー存在領域45の形成予定部位に対応して形成されており、平面視においてエンボスロール11の周方向に延びる長方形形状をなし、エンボスロール11の回転軸方向に複数本(4本)が間欠配置されている。ここで、「平面視」とは、エンボスロール11の周面の法線方向(エンボスロール11の回転軸方向と直交する方向)の外方から見た場合を意味する。吸収体4の前駆体4’における非積繊部5,5それぞれと横方向Yにおいて隣接する部位は、両ロール11,12の間隙を通過する際にエンボスロール11のエンボス凸部11aによって押圧され、その押圧によって該部位に存する吸水性ポリマー粒子が破砕され、小粒径吸水性ポリマー存在領域45となる。吸収体4の前駆体4’における非積繊部5以外の非押圧部位は、吸水性ポリマー粒子が破砕されずにプレスロール10の通過前と実質的に同じ状態で存しており、小粒径吸水性ポリマー存在領域45との相対的な大小関係で吸水性ポリマー粒子の粒径が大きい大粒径吸水性ポリマー存在領域46となる。

0037

吸水性ポリマー粒子の破砕の程度は、エンボスロール11とアンビルロール12との間隙(クリアランス)を調整することによって制御可能である。通常、ロール11,12間の間隙を狭くするほど、その間隙に存する吸水性ポリマー粒子の破砕の程度が激しくなり、結果として、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子の粒径が小さくなる。吸水性ポリマー粒子の破砕を確実に行うためには、両ロール11,12の間隙は、少なくとも吸収体4の前駆体4’に含まれる吸水性ポリマー粒子、即ち吸収体4(吸収性コア40)の大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子のメジアン径以下となっている必要がある。

0038

吸水性ポリマー粒子のメジアン径は、吸水性ポリマー粒子の質量基準粒径分布から求めることができる。粒径分布はJIS Z 8801に規定される標準ふるいを用い、JIS Z 8815によるふるい分け法により測定される。尚、標準ふるいとしては、目開きが最大で850μm、最小で106μmとして、目開きの程度が数段階のふるいを用い、且つその数段階のふるいの中から、ふるい分け対象の吸水性ポリマー粒子の粒径に応じて適宜選択する。目的とする吸水性ポリマー粒子のメジアン径は、標準ふるいを用いて得られた粒径分布を累積分布としてグラフ化し、累積比率50%に相当する粒子径として求めることができる。

0039

プレスロール10を構成する一対のロール11,12の材質としては、硬質ゴムシリコンゴムシリコンスポンジ等も考えられるが、吸水性ポリマー粒子の破砕を確実に行うためには、硬度が高く硬い材質が好ましく、その観点から金属が好ましい。また、プレスロール10の圧縮機構としては、油圧式、空気式が考えられるが、空気式の場合、空気が圧縮されてしまうため、圧縮時に生じる微振動を吸収してしまい、吸水性ポリマー粒子を破砕しにくいので、油圧式が好ましい。

0040

本実施形態のおむつ1においては、前述したように、吸収性コア40に、液の導通路として機能する一対の非積繊部5,5が股下部1Mの前記排泄部対向部を通って縦方向Xに延びるように形成されているため、着用者の排泄部から前記排泄部対向部及びその近傍に向けて排泄された尿等の排泄液は、表面シート2を透過して非積繊部5に流入した後、非積繊部5によって縦方向Xの前後に拡散され、これによって吸収性コア40の吸収容量が有効活用され、吸収速度の向上が図られる。

0041

このような理想的な液拡散メカニズムは、吸収性コアに被積繊部が形成された従来のおむつにおいても発現し得るものであるが、前述したように、従来のおむつにおいて斯かる液拡散メカニズムが作用するのは、実質的に、着用後に初めて行われる1回目の排泄に対してのみであり、2回目以降の排泄に対しては、排泄部対向部及びその近傍に、それらが本来有する吸収容量を超える過剰量の排泄液が滞留するため、排泄液の面方向の拡散及び吸収が促進されず、液戻りが起こりやすい状態となる。

0042

これに対し、本実施形態においては、排泄部対向部を含む股下部1Mに、吸収性コア40の他の部位に比して吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい小粒径吸水性ポリマー存在領域45が、非積繊部5と横方向Yにおいて隣接するように形成されているため、非積繊部5による排泄液の縦方向Xへの拡散が促進され、吸収性コア40全体が有効に活用され高い吸収速度を示し得る。即ち、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子は、前述したように、大粒径吸水性ポリマー存在領域46に存する吸水性ポリマー粒子と同等物を破砕してなるものであるところ、その破砕処理によって、該吸水性ポリマー粒子が表面架橋処理されたものである場合にはその内部の一次架橋部が露出することにより、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の通液性が低下する。また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45における吸水性ポリマー粒子間の空隙は、破砕される前のそれに比して小さくなっており、吸水性ポリマー粒子が液を吸収して膨潤した後はさらに小さくなるため、この吸水性ポリマー粒子間空隙の低下によっても小粒径吸水性ポリマー存在領域45の通液性が低下する。そうすると、おむつ1の股下部1M(排泄部対向部及びその近傍)においては、通液性の低い一対の小粒径吸水性ポリマー存在領域45,45間に導液路として機能する非積繊部5が介在配置されていることになる。斯かる構成により、排泄部対向部及びその近傍に排泄され非積繊部5に存している尿等の排泄液が、小粒径吸水性ポリマー存在領域45を介して吸収性コア40の内部(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に浸透することが難しくなるため、該排泄液の大部分は、非積繊部5を通って排泄部対向部及びその近傍よりも縦方向Xの外方に移行し、その移行過程において排泄部対向部から離れた位置にて、非積繊部5の側方に位置する小粒径吸水性ポリマー存在領域45を介して面方向に拡散され、大粒径吸水性ポリマー存在領域46にて吸収される。このような縦方向Xへの液拡散性の促進作用により、本実施形態のおむつ1においては、2回目以降の排泄による排泄液を、その排泄よりも前の排泄による排泄液の吸収部位よりもさらに縦方向Xの外方位置にて吸収することが促進され、それによって、排泄部対向部及びその近傍での排泄液の滞留やそれに起因する液戻り等の不都合が効果的に防止される。また、通液性の低い小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、非積繊部5の周辺部のみに部分的に形成されており、吸収性コア40の大部分を占めているのは、吸水性ポリマー粒子が破砕されていない大粒径吸水性ポリマー存在領域46であるため、吸収性コア40は実用上十分な液吸収能を有しており、小粒径吸水性ポリマー存在領域45による作用効果と相俟って、排泄回数が複数回にわたる場合でも優れた液吸収性を示すことができる。

0043

また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45を含む非積繊部5の周辺部に存する吸水性ポリマー粒子が排泄液を吸収して膨潤した場合、ゲルブロックを形成して非積繊部5を閉塞することが懸念されるが、本実施形態においては、非積繊部5において肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合しているため、非積繊部5の周辺部の吸水性ポリマー粒子の膨潤及び該周辺部の壊れが抑制され、それらに起因する非積繊部5の閉塞が効果的に抑制される。また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子は破砕されていて粒が小さいために比較的移動しやすく、それ故小粒径吸水性ポリマー存在領域45の保形性の低下が懸念されるが、本実施形態においては、非積繊部5において肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合しているため、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子の移動が抑制され、斯かる懸念が払拭されている。

0044

また、非積繊部5の閉塞は、吸水性ポリマー粒子の膨潤のみならず、おむつ1の着用中に着用者の体圧を受けることによっても起こり得る。即ち、おむつ1の着用中に着用者の体圧によって吸収性コア40における非積繊部5の周辺部が壊れる場合があり、その場合は非積繊部5が閉塞するおそれがある。これに対し、本実施形態のおむつ1においては、前述したように、吸収性コア40における非積繊部5の周辺部の大部分を占める小粒径吸水性ポリマー存在領域45が圧密化されて剛性が向上しているため、着用者の体圧によっては壊れにくく、吸収性コア40の壊れによる非積繊部5の閉塞が生じ難い。小粒径吸水性ポリマー存在領域45の圧密化は、該領域45に存する吸水性ポリマー粒子の膨潤による非積繊部5の閉塞も効果的に抑制し得る。

0045

前述した小粒径吸水性ポリマー存在領域45による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、吸収性コア40における非積繊部5及び小粒径吸水性ポリマー存在領域45以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に存する吸水性ポリマー粒子のメジアン径46Pに対する、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子のメジアン径45Pの比率、即ち径45P/径46Pは、好ましくは0.01以上0.8以下、更に好ましくは0.1以上0.5以下である。
小粒径吸水性ポリマー存在領域45に存する吸水性ポリマー粒子の粒径45Pは、好ましくは2μm以上、そして、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下、より具体的には、好ましくは2μm以上300μm以下、さらに好ましくは2μm以上150μm以下である。
吸収性コア40における非積繊部5及び小粒径吸水性ポリマー存在領域45以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に存する吸水性ポリマー粒子の粒径46Pは、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは800μm以下、より具体的には、好ましくは50μm以上1000μm以下、さらに好ましくは100μm以上800μm以下である。
前記の吸収性コア40の各領域(小粒径吸水性ポリマー存在領域45、大粒径吸水性ポリマー存在領域46)における吸水性ポリマー粒子の粒径は、メジアン径であり、以下の方法によって測定することができる。

0046

<吸収性コア中の吸水性ポリマーの粒径の測定方法
吸収性コア40の複数の領域における吸水性ポリマー粒子の粒径及び粒径分布は、顕微鏡観察により確認することができる。
まず、吸収性コア40の複数の領域(小粒径吸水性ポリマー存在領域45、大粒径吸水性ポリマー存在領域46)それぞれから、所定面積の一部分を切り出し、その一部分の中に含まれる吸水性ポリマー粒子を、プレパラート等の顕微鏡観察用基台にそれぞれ広げる。このとき、異なる領域から切り出された吸水性ポリマー粒子が混ざり合わないように注意する。
そして、顕微鏡観察用基台に載せた吸水性ポリマー粒子を顕微鏡にて観察して、その粒径を計測する。粒径の計測は、顕微鏡観察用基台に対して鉛直方向の上面から観察された2次元の像の中で任意の一方向を定め、その方向に沿った粒子の長さを計測することにより実施し、その際、観察中の像の中にある粒子を無作為に抽出し、少なくとも50個以上の粒子の粒径を計測する。粒径分布は、それらの粒径のデータ群を任意の分画に分けてヒストグラム化することで得ることができる。
こうして計測した吸水性ポリマー粒子の粒径のデータ群の中央値、即ち、粒径のデータを粒径の大小順に序列化した場合にその序列の中央にくる値がメジアン径であり、このメジアン径を、吸収性コアの各領域における吸水性ポリマー粒子の粒径とする。

0047

本発明において、吸収性コアにおける吸水性ポリマー粒子の粒径の大小は、前述した吸水性ポリマー粒子の圧縮処理(破砕処理)の度合いと対応している。即ち、本発明において、吸水性ポリマー粒子の粒径が小さくなることは、吸水性ポリマー粒子が圧縮処理によって破砕されて細かくなることを意味しており、また、粒径が小さくなるその程度は、圧縮処理の度合いに依存し、圧縮処理の度合いに比例して吸水性ポリマー粒子の粒径は小さくなり、圧縮処理の度合いが増すとそれが施される吸水性ポリマー粒子はより細かくなる。また、このように吸水性ポリマー粒子の粒径を小さくするべく圧縮処理を施した後の状態では、その粒径分布は、圧縮処理を施す前に比べてより小さめにシフトし、メジアン径も小さくなる。つまり、吸収性コア40においては、小粒径吸水性ポリマー存在領域45における吸水性ポリマー粒子の粒径分布は、大粒径吸水性ポリマー存在領域46のそれに比べて、小さめにシフトしており、メジアン径も小さい。

0048

本実施形態においては、図3に示すように、小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、該小粒径吸水性ポリマー存在領域45と横方向Yにおいて隣接する非積繊部5の縦方向Xの全長に亘って形成されておらず、該非積繊部5に比して縦方向Xの長さが短い。そのため、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの両端から非積繊部5が延出している。斯かる構成は、排泄部対向部から縦方向Xに離れた位置での排泄液の吸収を促進するのに有効である。即ち、通液性の低い小粒径吸水性ポリマー存在領域45が非積繊部5の両側に該非積繊部5の全長に亘って形成されていると、複数回の排泄を経て非積繊部5の全域に排泄液が行き渡った場合に、排泄液の行き場が無くなってしまうおそれがあるが、本実施形態のように、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの長さを非積繊部5のそれよりも短くすることにより、非積繊部5の全域に排泄液が行き渡った後においても、排泄液の吸収部位を排泄部対向部から遠い位置にコントロールすることが可能となる。非積繊部5の縦方向Xの長さに対する、これに隣接する小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの長さの比率、即ち後者/前者は、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上、そして、好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下、より具体的には、好ましくは0.3以上0.9以下、さらに好ましくは0.5以上0.8以下である。

0049

前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、吸収体4における各部の寸法等は下記範囲にあることが好ましい。
非積繊部5の縦方向Xの長さは、吸収性コア40の縦方向Xの長さに対して、好ましくは30%以上、さらに好ましくは45%以上、そして、好ましくは90%以下、さらに好ましくは75%以下、より具体的には、好ましくは20%以上90%以下、さらに好ましくは30%以上75%以下である。
非積繊部5の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7mm以上、そして、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは13mm以下、より具体的には、好ましくは5mm以上15mm以下、さらに好ましくは7mm以上13mm以下である。
小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの長さは、吸収性コア40の縦方向Xの長さに対して、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下、より具体的には、好ましくは20%以上80%以下、さらに好ましくは30%以上60%以下である。
小粒径吸水性ポリマー存在領域45の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下、より具体的には、好ましくは2mm以上15mm以下、さらに好ましくは5mm以上10mm以下である。
吸収性コア40の坪量、即ち、小粒径吸水性ポリマー存在領域45及び大粒径吸水性ポリマー存在領域46の坪量は、好ましくは200g/m2以上、さらに好ましくは300g/m2以上、そして、好ましくは800g/m2以下、さらに好ましくは700g/m2以下、より具体的には、好ましくは200g/m2以上800g/m2以下、さらに好ましくは300g/m2以上700g/m2以下である。

0050

また、吸収性コア40の肌対向面の面積に占める小粒径吸水性ポリマー存在領域45の面積の割合、即ち小粒径吸水性ポリマー存在領域45の面積率は、好ましくは2%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下、より具体的には、好ましくは2%以上30%以下、さらに好ましくは5%以上15%以下である。前述したように、小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、非積繊部5による縦方向Xへの液拡散性の向上に寄与するものであるが、通液性が低いため、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の面積率が大きすぎると、吸収性コア40全体の液吸収性が低下するおそれがあるため、該面積率は前記範囲に設定することが好ましい。

0051

また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45における吸水性ポリマー粒子の粒径は、基本的には、該領域45の全域に亘って均一であるが、部分的に異なっていても良い。具体的には例えば、小粒径吸水性ポリマー存在領域45における吸水性ポリマー粒子の粒径は、縦方向Xの中央部が最も小さく、該縦方向中央部から縦方向Xの外方に向かうに従って漸次増加していても良く、その場合、該縦方向中央部が股下部1M(前記排泄部対向部)に位置することが好ましい。つまり、小粒径吸水性ポリマー存在領域45における吸水性ポリマー粒子の破砕の程度は、縦方向中央部が相対的に大きく、該縦方向中央部を挟んで縦方向Xの両側に位置する縦方向両端部が相対的に小さくても良い。このような、「吸水性ポリマー粒子の粒径が縦方向Xにおいて変化する小粒径吸水性ポリマー存在領域45」を採用した場合、吸水性ポリマー粒子の破砕の程度が大きく粒径が小さい該領域45の縦方向中央部は、通液性が最も低く、吸水性ポリマー粒子の破砕の程度が小さく粒径が大きい該領域45の縦方向両端部は、該縦方向中央部に比して通液性が高いので、前述した、「小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの長さが非積繊部5のそれよりも短い」という構成による作用効果と同様に、非積繊部5を通る排泄液の吸収部位を排泄部対向部から遠い位置にコントロールすることが可能となる。また特に、「吸水性ポリマー粒子の粒径が縦方向Xにおいて変化する小粒径吸水性ポリマー存在領域45」を採用すると共に、「小粒径吸水性ポリマー存在領域45の縦方向Xの長さが非積繊部5のそれよりも短い」という構成を採用した場合には、非積繊部5の縦方向Xの両端部と横方向Yにおいて隣接する部分は、小粒径吸水性ポリマー存在領域45ではなく大粒径吸水性ポリマー存在領域46であって通液性に優れているため、非積繊部5の周辺部には縦方向Xに沿って通液性の異なる3種類の領域が形成されることになり、それによって、非積繊部5を通る排泄液の吸収部位を排泄部対向部から遠い位置にコントロールすることがより一層容易になる。小粒径吸水性ポリマー存在領域45において吸水性ポリマー粒子の粒径(吸水性ポリマー粒子の破砕の程度)を部分的に異ならせる方法としては、例えば前述したプレスロール10による圧縮処理(図4参照)において、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の形成予定部位におけるある部分と他の部分とで、ロール11,12の間隙を変えたり、あるいはプレスロール10を通過させる回数を変えたりする方法が挙げられる。

0052

また、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の通液性を低下させて該領域45による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、小粒径吸水性ポリマー存在領域45は、吸収性コア40における非積繊部5以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に比して、セルロース系繊維の含有量が少ないことが好ましい。一般に、セルロース系繊維の含有量が多いと通液性が向上する傾向があるので、小粒径吸水性ポリマー存在領域45についてはセルロース系繊維の含有量を少なくすることで、該領域45に存する吸水性ポリマー粒子の破砕と相俟って該領域45の通液性をより一層低下させ、それによって、前述した排泄液の縦方向Xへの液拡散をより一層促進させることが可能となる。

0053

吸収性コア40における非積繊部5以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)におけるセルロース系繊維の含有量に対する、小粒径吸水性ポリマー存在領域45におけるセルロース系繊維の含有量の割合は、好ましくは0%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以下、より具体的には、好ましくは0%以上80%以下、さらに好ましくは0%以上50%以下である。
小粒径吸水性ポリマー存在領域45におけるセルロース系繊維の含有量は、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の全質量に対して、好ましくは0質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、より具体的には、好ましくは0質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは0質量%以上20質量%以下である。
大粒径吸水性ポリマー存在領域46におけるセルロース系繊維の含有量は、大粒径吸水性ポリマー存在領域46の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、より具体的には、好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上60質量%以下である。

0054

このように、小粒径吸水性ポリマー存在領域45におけるセルロース系繊維の含有量を吸収性コア40の他の部位即ち大粒径吸水性ポリマー存在領域46に比して少なくするには、吸収性コア40又は吸収性コアの前駆体の製造時における、吸収性コア40の形成材料(具体的にはセルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子)の積繊工程において、小粒径吸水性ポリマー存在領域45の形成予定部位と、非積繊部5を除くそれ以外の部位である大粒径吸水性ポリマー存在領域46とで、それぞれの部位専用の形成材料を積繊させることによって実施できる。ここでいう「吸収性コアの前駆体」は、前述した圧縮処理による吸水性ポリマー粒子の破砕がなされていない以外は吸収性コア40と同じある。

0055

より具体的には例えば、積繊材料(吸収性コアの形成材料)が積繊される集積用凹部を外面に有し、該集積用凹部を一方向に搬送しつつ、内部側からの吸引によって生じた空気流に乗って搬送された積繊材料を、吸引孔を複数有する多孔性部材で形成された該集積用凹部の底部に積繊させる積繊装置を用い、空気流に乗せて供給した積繊材料を、該集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程において、先ず、該集積用凹部の底部における、非積繊部5及び小粒径吸水性ポリマー存在領域45以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に対応する位置に、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む第1の積繊材料を積繊し、次いで、小粒径吸水性ポリマー存在領域45に対応する位置に、該第1の積繊材料に比してセルロース系繊維の含有量が少ない第2の積繊材料を積繊する製造方法が挙げられる。この第2の積繊材料は、セルロース系繊維を含まずに吸水性ポリマー粒子のみを含んでいても良い。

0056

このように、吸収性コア40又は吸収性コアの前駆体を製造するに際してその形成材料として、積繊時期の異なる2種類の材料(第1の積繊材料及び第2の積繊材料)を用いる場合には、図5に示す如き、形成材料供給用ダクトを複数有する積繊装置が有用である。図5に示す積繊装置60は、集積用凹部70を外周面61aに有する回転ドラム61と、外周面61aに積繊材料を供給する第1のダクト62及び第2のダクト63とを備え、第2のダクト63は、第1のダクト62よりも回転ドラム61の回転方向R1の下流側に積繊材料を供給する。回転ドラム61の回転方向R1は集積用凹部70の搬送方向と一致する。

0057

積繊装置60についてさらに説明すると、積繊装置60は、図5に示すように、回転ドラム61の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール64と、トランスファーロール64の下方に配されたバキュームコンベア65と、切断装置としてのカッターロール66とを備え、さらに、バキュームボックス67が、回転ドラム61の周方向における第2のダクト63とトランスファーロール64との間に設けられ、メッシュベルト68が、バキュームボックス67と回転ドラム61との間及びトランスファーロール64と回転ドラム61との間を通るように配されている。

0058

回転ドラム61の内部は、仕切板によって相互に独立した複数の空間に仕切られている。回転ドラム61の回転中心軸部には図示しない吸気ファンが接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム61内の仕切られた複数の空間の圧力を個々に調整できるようになされている。回転ドラム61の外周面61aに設けられた集積用凹部70に積繊材料を積繊する際には、通常、外周面61aがダクト62,63で覆われた領域に対応する回転ドラムの内部空間を負圧にし、そうすることでダクト62,63内に、積繊材料を外周面61aに搬送する空気流(バキュームエアー)が生じる。ダクト62,63は、それぞれ、その一端側が回転ドラム61の外周面61aを覆っており、他端側には、図示しない積繊材料導入装置を有し、この積繊材料導入装置からセルロース系繊維、吸水性ポリマー粒子がダクト62,63内に導入される。

0059

積繊装置60においては、図5に示すように、回転ドラム61が方向R1に回転し、その外周面61aに設けられた集積用凹部70がダクト62,63に覆われた部分を搬送されているときに、該集積用凹部70内にダクト62,63から供給されたセルロース系繊維、吸水性ポリマー粒子等の積繊材料が積繊されて積繊物が形成される。こうして集積用凹部70内に形成された積繊物は、吸収性コアの前駆体40’である。集積用凹部70内の吸収性コアの前駆体40’は、バキュームボックス67の対向位置にくると、バキュームボックス67からの吸引によって、メッシュベルト68に吸い付けられた状態となり、その状態で、トランスファーロール64と回転ドラム61との最接近部又はその近傍まで搬送される。そして、メッシュベルト68に吸い付けられた状態の吸収性コアの前駆体40’は、トランスファーロール64側からの吸引により、集積用凹部70から離型し、メッシュベルト68と共にトランスファーロール64上へと転写される。トランスファーロール64上に転写された吸収性コアの前駆体40’は、トランスファーロール64側からの吸引を受けながら搬送され、トランスファーロール64の下方に配されたバキュームコンベア65上に導入された、コアラップシート43上へと受け渡される。しかる後、コアラップシート43の搬送方向に沿う両側部が折り返され、吸収性コアの前駆体40’の上下両面がコアラップシート43に被覆される。そして、コアラップシート43に被覆された状態の吸収性コアの前駆体40’は、コアラップシート43と共に、カッターロール66によって所定の大きさに切断される。こうして吸収体前駆体4’が得られる。積繊装置60の基本構成は公知の積繊装置と同じである。

0060

積繊装置60における集積用凹部70には、小粒径吸水性ポリマー存在領域45におけるセルロース系繊維の含有量を吸収性コア40又は吸収性コアの前駆体40’の他の部位即ち大粒径吸水性ポリマー存在領域46に比して少なくするための工夫が施されている。以下、この工夫について図6及び図7を参照して説明する。

0061

図6及び図7に示すように、集積用凹部70の底部は、吸引孔を多数有する通気性の多孔性部材71から形成されており、多孔性部材71の外面に積繊材料が積繊される。多孔性部材71は、回転ドラム61の内部側からの吸引によって生じた空気流(バキュームエアー)を回転ドラム61の外部に伝え、該空気流に乗って運ばれてくるセルロース系繊維、吸水性ポリマー粒子等の積繊材料を透過させずに保持し、空気のみを透過させる通気性のプレートである。多孔性部材71の外面には、集積用凹部70内に形成される積繊物である吸収性コアの前駆体40’の非積繊部5に対応して、実質的に空気を通さない難又は非通気性の非積繊部形成部材72が配置されている。非積繊部形成部材72は、図6に示す如き平面視において一方向に長い細長形状をなし、その長手方向を回転ドラム61の回転方向R1(集積用凹部70の搬送方向)に一致させて、製造目的物である吸収性コアの前駆体40’における非積繊部5と同数(2個)配置されている。集積用凹部70が回転ドラム61内の負圧に維持された空間(回転ドラム61の外周面61aがダクト62,63で覆われた領域)上を通過しているときには、集積用凹部70の底部において、非積繊部形成部材72の非配置部では、回転ドラム61の内部側からの吸引が行われるので、該非配置部に積繊材料が積繊されるのに対し、非積繊部形成部材72の配置部では、該吸引が非積繊部形成部材72によって阻害されるため、該配置部に積繊材料が積繊されない。

0062

非積繊部形成部材72は、図7に示すように、その長手方向両端部720,720と、該両端部720,720に挟まれた長手方向中央部721とで、断面形状が異なっている。即ち、非積繊部形成部材72の長手方向端部720は、図7(b)に示すように、長手方向と直交する幅方向Y1の長さ即ち幅が一定であるのに対し、非積繊部形成部材72の長手方向中央部721は、図7(a)に示すように、多孔性部材71から離れるに従って(先端に向けて)幅が徐々に短くなる先細りテーパー状をなしており、長手方向端部720の回転方向R1に沿う側縁の延長線から幅方向Y1の外方に延出する、断面視直角三角形形状の張り出し部722を有している。非積繊部形成部材72の幅方向Y1は、おむつ1の横方向Yに相当する。後述するように、積繊材料の集積用凹部70内への供給方法を工夫することで、集積用凹部70内に形成される積繊物における、張り出し部722上に積繊される部分のセルロース系繊維の含有量を、他の部分に比して少量にコントロールすることが可能となる。

0063

このような構成の集積用凹部70に対し、第1のダクト62及び第2のダクト63から積繊材料としてセルロース系繊維、吸水性ポリマー粒子を供給するに際し、集積用凹部70の搬送方向の上流側に位置する第1のダクト62からは、セルロース系繊維のみを含み吸水性ポリマー粒子を含まない第1の積繊材料M1を供給し、下流側に位置する第2のダクト63からは、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む第2の積繊材料M2を供給する。図8には、集積用凹部70内にこれらの積繊材料M1,M2が積繊される様子が示されている。集積用凹部70が第1のダクト62で覆われた領域を通過した直後で第2のダクト63で覆われた領域に導入される直前においては、図8(a)に示すように、集積用凹部70の底部における非積繊部形成部材72の非配置部に、セルロース系繊維のみを含む第1の積繊材料M1が積繊され、集積用凹部70が第2のダクト63で覆われた領域を通過した後においては、図8(b)に示すように、集積用凹部70の底部に積繊した第1の積繊材料M1上に、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子が混合された状態の第2の積繊材料M2が積繊され、集積用凹部70内に吸収性コアの前駆体40’が形成される。

0064

図9には、こうして集積用凹部70内に形成された吸収性コアの前駆体40’の各部の断面が示されている。吸収性コアの前駆体40’において、非積繊部形成部材72に対応する部分は積繊材料M1,M2が存在せず、非積繊部形成部材72の断面視形状と同形状の非積繊部5である。また、吸収性コアの前駆体40’において、張り出し部722上に積繊した部分45’は、積繊材料M1,M2が積繊する張り出し部722の外面が多孔性部材71の外面から斜めに延びる斜面であるため、多孔性部材71上に積繊された部分46’に比して、セルロース系繊維のみを含む積繊材料M1の積繊量即ち坪量が少ない。従って、部分45’は、吸収性コアの前駆体40’における非積繊部5以外の他の部分46’に比してセルロース系繊維の含有量が少ない。つまり、吸収性コアの前駆体40’においては、張り出し部722上に積繊材料が積繊してなる部分45’が、相対的にセルロース系繊維の含有量が少ないセルロース系繊維低含有領域であり、多孔性部材71上に積積繊材料が積繊してなる部分46’が、相対的にセルロース系繊維の含有量が多いセルロース系繊維高含有領域である。

0065

こうして得られた吸収性コアの前駆体40’をコアラップシート43で被覆してなる吸収体前駆体4’に対し、図4に示す如く圧縮処理し、セルロース系繊維低含有領域45’を厚み方向に圧縮して該領域45’に存する吸水性ポリマー粒子を破砕すると、小粒径吸水性ポリマー存在領域45となる。吸収体前駆体4’にこのような圧縮処理を施して得られる吸収体は、コアラップシート43が1枚の連続したシートである点でのみ、図3等に示す吸収体4と実質的に異なる。

0066

積繊物におけるセルロース系繊維の含有量をコントロールする部材として機能する、非積繊部形成部材72における張り出し部722を有する部分の幅方向Y1に沿う断面視形状は、図7(a)に示す如き、先端に向けて幅方向Y1の長さ即ち幅が徐々に短くなる先細りのテーパー状に制限されず、要は、多孔性部材71に近い順に、幅の広い第1の部分と、該第1の部分よりも幅の狭い第2の部分とを有する形状であれば良い。図10に示す非積繊部形成部材72Aの長手方向中央部721は、幅方向Y1に沿う断面視において、多孔性部材71に近い順に、幅が一定の四角形形状の第1の部分721Bと、該第1の部分721Bに連接され、幅が一定で且つ該第1の部分721Bよりも幅が短い四角形形状の第2の部分721Tと有し、第1の部分721Bの幅方向Y1の両端部が張り出し部722となっている。図10に示す非積繊部形成部材72Aを備えた集積用凹部70に、前記の如くセルロース系繊維のみを含む第1の積繊材料と、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む第2の積繊材料とを積繊する場合には、先ず、該第1の積繊材料を、第1の部分721Bの高さを超えて第2の部分721Tの一部が埋まる程度まで積繊させ、次いで、該第2の積繊材料を積繊させれば良い。

0067

要するに、小粒径吸水性ポリマー存在領域45におけるセルロース系繊維の含有量が吸収性コア40の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域46)に比して少ない、吸収性コアの製造方法の一例は、次の通りである。
積繊材料が積繊される集積用凹部70を外面に有し、該集積用凹部70を一方向に搬送しつつ、内部側からの吸引によって生じた空気流に乗って搬送された積繊材料を、吸引孔を複数有する多孔性部材71で形成された該集積用凹部70の底部に積繊させる積繊装置60を用い、空気流に乗せて供給した積繊材料を、該集積用凹部70に吸引して積繊させる積繊工程を有し、
前記積繊装置60は、前記集積用凹部70を外周面61aに有する回転ドラム61と、該外周面61aに積繊材料を前記空気流に乗せて供給する第1のダクト62及び第2のダクト63とを備え、該第2のダクト63は、該第1のダクト62よりも該回転ドラム61の回転方向R1の下流側に積繊材料を供給するようになされており、
前記多孔性部材71の外面に、前記非積繊部5に対応して、難又は非通気性の非積繊部形成部材72が前記回転ドラム61の周方向(回転方向R1)に延びるように配置されており、
前記非積繊部形成部材72は、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域45に対応する部分が、該非積繊部形成部材72の長手方向(回転方向R1)と直交する幅方向Y1の断面視において、前記多孔性部材71に近い順に、相対的に該幅方向の長さが長い第1の部分721Bと、相対的に該幅方向の長さが短い第2の部分721Tとを有しており、
前記第1の部分721Bは、前記第2の部分721Tよりも幅方向Y1の外方に延出する張り出し部722を有しており、
前記積繊工程において、前記第1のダクト62からセルロース系繊維のみを含む第1の積繊材料M1を供給して、前記多孔性部材71及び前記張り出し部722それぞれの外面上に該第1の積繊材料M1を積繊させた後、前記第2のダクト63からセルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む第2の積繊材料M2を供給して、積繊された該第1の積繊材料M1上に重ねて積繊させて、前記吸収性コア40の前駆体40’を得、
前記吸収性コアの前駆体における、前記集積用凹部70内において前記張り出し部722上に積繊した部分(セルロース系繊維低含有領域)45’を厚み方向に圧縮して、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域45を形成する。

0068

以上、本発明について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。例えば前記実施形態では、吸収性コア40における非積繊部5は2本であったが、1本でも良く、3本以上でも良い。例えば、吸収性コア40に非積繊部5を1本形成する場合、その1本の非積繊部5は、吸収性コア40を横方向Yに二分して縦方向Xに延びる縦中心線Lx(図3参照)上に形成することができる。本発明の吸収性物品は、前記実施形態の如き展開型の使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される尿、経血軟便等の体液の吸収に用いられる物品を広く包含し、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン生理用ショーツ等も包含される。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。

0069

<1>
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に該股間部に配される股下部と、該股下部を通って縦方向に延びる吸収体とを具備する吸収性物品であって、
前記吸収体は、セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子を含む液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、該吸収性コアと両コアラップシートとはそれぞれ接着剤を介して互いに接合されており、
前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通する孔からなる非積繊部が、前記股下部を通って縦方向に延びるように形成されており、
前記吸収性コアにおける前記非積繊部と横方向において隣接する部位のうち、少なくとも前記股下部に位置する部位は、該吸収性コアの他の部位に比して該吸水性ポリマー粒子の粒径が小さい、小粒径吸水性ポリマー存在領域であり、
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子は、前記吸収性コアの他の部位に存する前記吸水性ポリマー粒子と同等物が破砕されたものであり、
前記非積繊部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合している吸収性物品。

0070

<2>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域は、前記吸収性コアにおける前記非積繊部以外の他の部位に比して、前記セルロース系繊維の含有量が少ない前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記吸収性コアにおける前記非積繊部以外の他の部位(大粒径吸水性ポリマー存在領域)における前記セルロース系繊維の含有量に対する、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域における前記セルロース系繊維の含有量の割合は、好ましくは0%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以下である前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域における前記セルロース系繊維の含有量は、該小粒径吸水性ポリマー存在領域の全質量に対して、好ましくは0質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である前記<1>〜<3>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<5>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域は、該小粒径吸水性ポリマー存在領域と横方向において隣接する前記非積繊部に比して、縦方向長さが短い前記<1>〜<4>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<6>
前記非積繊部の縦方向長さに対する、これに隣接する前記小粒径吸水性ポリマー存在領域の縦方向長さの比率、即ち後者/前者は、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上、そして、好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である前記<1>〜<5>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<7>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域における前記吸水性ポリマー粒子の粒径は、縦方向中央部が最も小さく、該縦方向中央部から縦方向外方に向かうに従って漸次増加し、該縦方向中央部が前記股下部に位置する前記<1>〜<6>の何れか一項に記載の吸収性物品。

0071

<8>
前記非積繊部は、平面視において矩形形状をなし、その長手方向を縦方向に一致させて前記吸収性コアの横方向中央に2本形成されており、
前記吸収性コアにおける2本の前記非積繊部に挟まれた領域の横方向中央部、即ち、該吸収性コアの横方向中央及びその近傍は、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に比して前記吸水性ポリマー粒子の粒径が大きい、大粒吸水性ポリマー存在領域であり、
2本の前記非積繊部のうちの一方と横方向において隣接する前記小粒径吸水性ポリマー存在領域と、他方と横方向において隣接する前記小粒径粒径吸水性ポリマー存在領域との間に、前記大粒径吸水性ポリマー存在領域が介在している前記<1>〜<7>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性コアにおける前記非積繊部及び前記小粒径吸水性ポリマー存在領域以外の他の部位(前記大粒径吸水性ポリマー存在領域)に存する前記吸水性ポリマー粒子のメジアン径46Pに対する、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子のメジアン径45Pの比率、即ち径45P/径46Pは、好ましくは0.01以上0.8以下、更に好ましくは0.1以上0.5以下である前記<1>〜<8>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<10>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子の粒径45Pは、好ましくは2μm以上、そして、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下である前記<1>〜<9>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収性コアにおける前記非積繊部及び前記小粒径吸水性ポリマー存在領域以外の他の部位(前記大粒径吸水性ポリマー存在領域)に存する前記吸水性ポリマー粒子の粒径46Pは、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは800μm以下である前記<1>〜<10>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<12>
前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートが何れも不織布である前記<1>〜<11>の何れか一項に記載の吸収性物品。

0072

<13>
前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとで1枚の連続したシートを構成している前記<1>〜<12>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<14>
前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートは、それぞれ、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布である前記<1>〜<13>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<15>
前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートは、それぞれ、親水化処理が施された繊維からなる親水性不織布である前記<1>〜<14>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸水性ポリマー粒子は、表面架橋(二次架橋)処理が施された吸水性ポリマー粒子である前記<1>〜<15>の何れか一項に記載の吸収性物品。

0073

<17>
前記非積繊部は、平面視において矩形形状をなし、その長手方向を縦方向に一致させて前記吸収性コアの横方向中央に2本形成されており、少なくとも前記股下部に存する排泄部対向部を通って縦方向に延びている前記<1>〜<16>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面それぞれにおいて、前記非積繊部の横方向長さ即ち幅は、その縦方向の全長に亘って一定である前記<1>〜<17>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<19>
前記非積繊部における前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとの接合部は、該非積繊部の縦方向の全長に亘って連続している前記<1>〜<18>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<20>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に存する前記吸水性ポリマー粒子と、前記吸収性コアの他の部位即ち前記大粒径吸水性ポリマー存在領域に存する吸水性ポリマー粒子とは、組成的には同一で粒径のみが異なり、前者の方が後者よりも粒径が小さく粒が細かい前記<1>〜<19>の何れか一項に記載の吸収性物品。

0074

<21>
前記非積繊部の縦方向長さは、前記吸収性コアの縦方向長さに対して、好ましくは30%以上、さらに好ましくは45%以上、そして、好ましくは90%以下、さらに好ましくは75%以下である前記<1>〜<20>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<22>
前記非積繊部の横方向長さ即ち幅は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7mm以上、そして、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは13mm以下である前記<1>〜<21>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<23>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域の縦方向長さは、前記吸収性コアの縦方向長さに対して、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下である前記<1>〜<22>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<24>
前記小粒径吸水性ポリマー存在領域の横方向長さ即ち幅は、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下である前記<1>〜<23>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<25>
前記吸収性コアの肌対向面の面積に占める前記小粒径吸水性ポリマー存在領域の面積の割合、即ち前記小粒径吸水性ポリマー存在領域の面積率は、好ましくは2%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下である前記<1>〜<24>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<26>
前記吸収性コアにおける前記非積繊部以外の他の部位(前記大粒径吸水性ポリマー存在領域)における前記セルロース系繊維の含有量は、該他の部位(該大粒径吸水性ポリマー存在領域)の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である前記<1>〜<25>の何れか一項に記載の吸収性物品。

0075

<27>
前記<2>及び<3>に記載の吸収性物品の製造方法であって、
積繊材料が積繊される集積用凹部を外面に有し、該集積用凹部を一方向に搬送しつつ、内部側からの吸引によって生じた空気流に乗って搬送された積繊材料を、吸引孔を複数有する多孔性部材で形成された該集積用凹部の底部に積繊させる積繊装置を用い、空気流に乗せて供給した積繊材料を、該集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を有し、
前記積繊装置は、前記集積用凹部を外周面に有する回転ドラムと、該回転ドラムの外周面に積繊材料を前記空気流に乗せて供給する第1のダクト及び第2のダクトとを備え、該第2のダクトは、該第1のダクトよりも該回転ドラムの回転方向の下流側に積繊材料を供給するようになされており、
前記多孔性部材の外面に、前記非積繊部に対応して、難又は非通気性の非積繊部形成部材が前記回転ドラムの回転方向に延びるように配置されており、
前記非積繊部形成部材は、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域に対応する部分が、該非積繊部形成部材の長手方向と直交する幅方向の断面視において、前記多孔性部材に近い順に、相対的に該幅方向の長さが長い第1の部分と、相対的に該幅方向の長さが短い第2の部分とを有しており、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも幅方向の外方に延出する張り出し部を有しており、
前記積繊工程において、前記第1のダクトから前記セルロース系繊維のみを含む第1の積繊材料を供給して、前記多孔性部材及び前記張り出し部それぞれの外面上に該第1の積繊材料を積繊させた後、前記第2のダクトから前記セルロース系繊維及び前記吸水性ポリマー粒子を含む第2の積繊材料を供給して、積繊された該第1の積繊材料上に重ねて積繊させて、前記吸収性コアの前駆体を得、
前記吸収性コアの前駆体における、前記集積用凹部内において前記張り出し部上に積繊した部分を厚み方向に圧縮して、前記小粒径吸水性ポリマー存在領域を形成する、吸収性物品の製造方法。

0076

1使い捨ておむつ(吸収性物品)
1F腹側部
1M股下部
1R 背側部
2表面シート
3裏面シート
4吸収体
4’ 吸収体の前駆体
40吸収性コア
40’吸収性コアの前駆体
41肌側コアラップシート
42 非肌側コアラップシート
45小粒径吸水性ポリマー存在領域
45’セルロース系繊維低含有領域
46大粒径吸水性ポリマー存在領域
46’ セルロース系繊維高含有領域
5 非積繊部
60積繊装置
61回転ドラム
62 第1のダクト
63 第2のダクト
70集積用凹部
71多孔性部材
72 非積繊部形成部材
720 非積繊部形成部材の長手方向端部
721 非積繊部形成部材の長手方向中央部
722張り出し部
M1 第1の積繊材料(セルロース系繊維のみ)
M2 第2の積繊材料(セルロース系繊維及び吸水性ポリマー粒子)
X縦方向
Y 横方向
Y1 非積繊部形成部材の長手方向(集積用凹部の搬送方向)と直交する幅方向

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