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技術 磁気センサ

出願人 浜松光電株式会社
発明者 大橋俊幸棚町貴志
出願日 2014年12月3日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2014-244714
公開日 2016年6月20日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-109472
状態 特許登録済
技術分野 感知要素の出力の伝達及び変換 磁気的変量の測定 ホール/MR素子
主要キーワード 鉤型形状 歯車ピッチ 折り返し回数 余弦波状 電気回路装置 回転方向幅 中心線間 ピーク値付近
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図面 (18)

課題

磁性体の移動を検出する磁気センサにおいて、磁性体の凹凸部の形状及びピッチによる出力電圧波形に対する影響を少なくして、低製造コストを実現する。

解決手段

磁気センサは、同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型のGMR素子22a〜22dと、GMR素子22a〜22dに対してバイアス磁界印加するバイアス磁石30とを備え、磁性体である歯車40の回転を検出する。GMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dは、同一の平面内に所定間隔を隔てて配置されている。バイアス磁石30は、前記平面内にてGMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dとの中心を結ぶ直線に直交する方向に対して所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界がGMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dとに印加されるように配置されている。

概要

背景

従来から、同一に構成されてブリッジ接続された一対のGMR素子と、一対のGMR素子に対してバイアス磁界印加するバイアス磁石とを備え、磁性体の移動を検出する磁気センサは知られている。例えば、下記特許文献1には、同一平面内に一対のGMR素子を配置し、前記平面内にて一対のGMR素子の中心を結ぶ直線と平行な方向であって反対向きの同じ強度のバイアス磁界が一対のGMR素子に印加されるようにバイアス磁石を配置した磁気センサが示されている。そして、一対のGMR素子を配置した平面が外周面凹凸を有する磁性体(歯車)の凹凸面に対向し、かつ一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が磁性体の移動方向(歯車の回転方向)になるように、この磁気センサを配置して、磁性体の移動によるGMR素子の抵抗変化に応じた電圧波形をブリッジ接続された一対のGMR素子から出力するようにしている。

また、下記特許文献2には、磁化方向が一方向に固定された強磁性体ピン相と、電流が主として流れる非磁性体を介してピン層に積層された強磁性体のフリー層とからなる一対のSV−GMR素子を用いて、外周面に凹凸を有する磁性体(歯車)の移動を検出する磁気センサが示されている。この磁気センサにおいても、一対のSV−GMR素子はブリッジ接続されていて、磁性体の移動によるSV−GMR素子の抵抗変化に応じた電圧を出力する。ただし、この磁気センサにおいては、一対のSV−GMR素子を同一平面内に配置するとともに、一対のSV−GMR素子の各ピン層の磁化方向を、前記平面内にて一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線と直交する方向であって互いに反対方向としておき、一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線と直交する同一方向に同じ強度のバイアス磁界が一対のSV−GMR素子に印加されるようにバイアス磁石を配置している。そして、一対のSV−GMR素子を配置した平面が外周面に凹凸を有する磁性体(歯車)の凹凸面に対向し、かつ一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線が磁性体の移動方向(歯車の回転方向)と直交する方向になるように、この磁気センサを配置して、磁性体の移動によるGMR素子の抵抗変化に応じた電圧をブリッジ接続された一対のGMR素子から出力するようにしている。

概要

磁性体の移動を検出する磁気センサにおいて、磁性体の凹凸部の形状及びピッチによる出力電圧波形に対する影響を少なくして、低製造コストを実現する。 磁気センサは、同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型のGMR素子22a〜22dと、GMR素子22a〜22dに対してバイアス磁界を印加するバイアス磁石30とを備え、磁性体である歯車40の回転を検出する。GMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dは、同一の平面内に所定間隔を隔てて配置されている。バイアス磁石30は、前記平面内にてGMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dとの中心を結ぶ直線に直交する方向に対して所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界がGMR素子22a,22cとGMR素子22b,22dとに印加されるように配置されている。

目的

本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、磁性体の凹凸部の形状及びピッチによる出力電圧波形に対する影響を少なくして、低製造コストを実現する磁気センサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子と、前記一対のGMR素子に対してバイアス磁界印加するバイアス磁界印加手段とを備え、磁性体の移動を検出する磁気センサであって、前記一対のGMR素子を同一の平面内に所定間隔を隔てて配置し、かつ前記バイアス磁界印加手段を、前記平面内にて前記一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交する方向に対して所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界が前記一対のGMR素子に印加されるように配置したことを特徴とする磁気センサ。

請求項2

前記一対のGMR素子は、絶縁基板に形成された線状のグラニュラ薄膜又は線状の人口格子膜で構成され、かつ前記絶縁基板には前記一対のGMR素子に電気接続された複数の電極が設けられている請求項1に記載の磁気センサ。

請求項3

前記一対のGMR素子、前記絶縁基板及び前記複数の電極は、樹脂により成型されたパッケージ内に収容され、かつ前記複数の電極に電気接続された複数の導電性リードフレームを、前記パッケージから突出させた請求項2に記載の磁気センサ。

請求項4

前記バイアス磁界印加手段を、直方体状であって長尺状の第1面をN極に磁化するとともに前記第1面の反対側の第2面をS極に磁化した永久磁石で構成し、前記永久磁石を、前記第1面又は前記第2面を前記一対のGMR素子に対向させ、かつ前記一対のGMR素子に対向した前記第1面又は前記第2面における2つの長辺間の中心線が前記一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に対して前記所定角度だけ傾き、かつ前記一対のGMR素子の中心を結ぶ直線の中点が前記中心線上の点に対向するように配置した請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の磁気センサ。

請求項5

移動方向に対して直交する方向に延設された少なくとも1つの凸部又は凹部を有する磁性体の移動の検出に適用され、前記一対のGMR素子を、前記一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が前記磁性体の移動方向に直交するように配置した請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の磁気センサ。

請求項6

前記一対のGMR素子は、長手方向と短手方向の形状異方性を有し、かつ前記一対のGMR素子を、長手方向が一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交するように配置した請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載の磁気センサ。

請求項7

同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子からなる第1組のGMR素子と、前記第1組のGMR素子とそれぞれ同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子からなる第2組のGMR素子と、前記第1組の一対のGMR素子及び前記第2組の一対のGMR素子に対してバイアス磁界をそれぞれ印加するバイアス磁界印加手段とを備えた磁気センサであって、前記第1組の一対のGMR素子を同一の平面内に所定間隔を隔てて配置し、前記第2組の一対のGMR素子を、前記平面内に所定間隔を隔てるとともに、前記第2組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が前記第1組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線と所定距離隔てて平行になるように配置し、かつ前記バイアス磁界印加手段を、前記平面内にて前記第1組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線及び前記第2組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交する方向に対してそれぞれ所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界が前記第1組の一対のGMR素子及び前記第2組の一対のGMR素子にそれぞれ印加されるように配置したことを特徴とする磁気センサ。

技術分野

0001

本発明は、磁性体の移動を検出する磁気センサに関する。

背景技術

0002

従来から、同一に構成されてブリッジ接続された一対のGMR素子と、一対のGMR素子に対してバイアス磁界印加するバイアス磁石とを備え、磁性体の移動を検出する磁気センサは知られている。例えば、下記特許文献1には、同一平面内に一対のGMR素子を配置し、前記平面内にて一対のGMR素子の中心を結ぶ直線と平行な方向であって反対向きの同じ強度のバイアス磁界が一対のGMR素子に印加されるようにバイアス磁石を配置した磁気センサが示されている。そして、一対のGMR素子を配置した平面が外周面凹凸を有する磁性体(歯車)の凹凸面に対向し、かつ一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が磁性体の移動方向(歯車の回転方向)になるように、この磁気センサを配置して、磁性体の移動によるGMR素子の抵抗変化に応じた電圧波形をブリッジ接続された一対のGMR素子から出力するようにしている。

0003

また、下記特許文献2には、磁化方向が一方向に固定された強磁性体ピン相と、電流が主として流れる非磁性体を介してピン層に積層された強磁性体のフリー層とからなる一対のSV−GMR素子を用いて、外周面に凹凸を有する磁性体(歯車)の移動を検出する磁気センサが示されている。この磁気センサにおいても、一対のSV−GMR素子はブリッジ接続されていて、磁性体の移動によるSV−GMR素子の抵抗変化に応じた電圧を出力する。ただし、この磁気センサにおいては、一対のSV−GMR素子を同一平面内に配置するとともに、一対のSV−GMR素子の各ピン層の磁化方向を、前記平面内にて一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線と直交する方向であって互いに反対方向としておき、一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線と直交する同一方向に同じ強度のバイアス磁界が一対のSV−GMR素子に印加されるようにバイアス磁石を配置している。そして、一対のSV−GMR素子を配置した平面が外周面に凹凸を有する磁性体(歯車)の凹凸面に対向し、かつ一対のSV−GMR素子の中心を結ぶ直線が磁性体の移動方向(歯車の回転方向)と直交する方向になるように、この磁気センサを配置して、磁性体の移動によるGMR素子の抵抗変化に応じた電圧をブリッジ接続された一対のGMR素子から出力するようにしている。

先行技術

0004

特開平9−329462号公報
特開2005−233795号公報

0005

しかしながら、上記特許文献1に記載された磁気センサにあっては、磁性体における凹凸部の形状及びピッチにより、出力電圧波形振幅が大きく変化するとともに、出力電圧波形に大きな歪みも発生する(すなわち、出力電圧波形が正弦波形から大きくずれる)。したがって、この磁気センサにおいては、磁性体の凹凸部の形状及びピッチに合わせてGMR素子を配置する必要があり、移動が検出される磁性体ごとに磁気センサを用意する必要があるという問題がある。

0006

上記特許文献2に記載された磁気センサでは、出力電圧は磁性体の凹凸部のピッチには影響されない。しかし、ピン層の磁化方向が異なる一対のSV−GMR素子を同一平面上に配置するためには、予め用意しておいた一対のSV−GMR素子を基体上(特許文献2ではバイアス磁石上)に配置して固定する必要があり、磁気センサの製造工程が複雑になって磁気センサの製造コストが高くなる。

0007

本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、磁性体の凹凸部の形状及びピッチによる出力電圧波形に対する影響を少なくして、低製造コストを実現する磁気センサを提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。

0008

前述した目的を達成するため、本発明の特徴は、同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子(22a,22b又は22c,22d)と、一対のGMR素子に対してバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加手段(30)とを備え、磁性体の移動を検出する磁気センサであって、一対のGMR素子を同一の平面内に所定間隔を隔てて配置し、かつバイアス磁界印加手段を、前記平面内にて一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交する方向に対して所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界が一対のGMR素子に印加されるように配置したことにある。

0009

この場合、例えば、一対のGMR素子は、絶縁基板(21)に形成された線状のグラニュラ薄膜又は線状の人口格子膜で構成され、かつ絶縁基板には一対のGMR素子に電気接続された複数の電極(23a〜23d)が設けられている。また、例えば、一対のGMR素子、絶縁基板及び複数の電極は、樹脂により成型されたパッケージ(10)内に収容され、かつ複数の電極に電気接続された複数の導電性リードフレーム(13a〜13d)を、パッケージから突出させている。

0010

また、例えば、バイアス磁界印加手段を、直方体状であって長尺状の第1面をN極に磁化するとともに第1面の反対側の第2面をS極に磁化した永久磁石で構成し、永久磁石を、第1面又は第2面を一対のGMR素子に対向させ、かつ一対のGMR素子に対向した第1面又は第2面における2つの長辺間の中心線が一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に対して前記所定角度だけ傾き、かつ一対のGMR素子の中心を結ぶ直線の中点が前記中心線上の点に対向するように配置する。また、例えば、磁気センサは、移動方向に対して直交する方向に延設された少なくとも1つの凸部又は凹部を有する磁性体の移動の検出に適用され、一対のGMR素子を、一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が磁性体の移動方向に直交するように配置する。

0011

上記本発明に係る磁気センサを用いて、磁性体で構成した歯車の回転を検出するためには、一対のGMR素子を配置した平面が歯車の歯の外周面に対向し、かつ一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が歯車の回転方向と直交するように、磁気センサを歯車に対して配置する。そして、歯車を回転させれば、一対のGMR素子の抵抗値は磁性体の移動に応じて逆方向に変化して、ブリッジ接続された一対のGMR素子から歯車の回転に応じた正弦波状の信号が得られる。そして、後述する第2実験結果(図8参照)からも分かるように、歯車ピッチが変化しても、高精度の正弦波状の信号を出力電圧として得ることができ、歯車の回転位置を高精度で検出することができる。なお、本発明に係る磁気センサは、歯車以外の磁性体の移動の検出にも利用できる。ただし、この場合の出力は正弦波状には変化しない。また、本発明の磁気センサにおいては、磁界強度検知型の一対のGMR素子を同一に構成して平面内に配置すればよいので、例えば同一構成の一対のGMR素子を絶縁基板などの基体上に形成すればよく、磁気センサを簡単に構成できる。

0012

また、本発明の他の特徴は、一対のGMR素子は、長手方向と短手方向の形状異方性を有し、かつ一対のGMR素子を、長手方向が一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交するように配置したことにある。これによれば、後述する第1実験結果(図7参照)からも分かるように、長手方向が一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に平行になるように配置した場合に比べて、高い感度異方性が得られ、大きな出力を得ることができる。

0013

また、本発明の他の特徴は、同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子からなる第1組のGMR素子(22a,22b又は22c,22d)と、第1組のGMR素子とそれぞれ同一に構成されてブリッジ接続された磁界強度検知型の少なくとも一対のGMR素子からなる第2組のGMR素子(22a,22b又は22c,22d)と、第1組の一対のGMR素子及び第2組の一対のGMR素子に対してバイアス磁界をそれぞれ印加するバイアス磁界印加手段(60)とを備えた磁気センサであって、第1組の一対のGMR素子を同一の平面内に所定間隔を隔てて配置し、第2組の一対のGMR素子を、前記平面内に所定間隔を隔てるとともに、第2組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が第1組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線と所定距離隔てて平行になるように配置し、かつバイアス磁界印加手段を、前記平面内にて第1組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線及び第2組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線に直交する方向に対してそれぞれ所定角度傾いた方向であって、反対向きの等しい強度のバイアス磁界が第1組の一対のGMR素子及び第2組の一対のGMR素子にそれぞれ印加されるように配置したことにある。

0014

この本発明の他の特徴においても、磁性体で構成した歯車の回転を検出するためには、第1及び第2組の一対のGMR素子を配置した平面が歯車の歯の外周面に対向し、かつ一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が歯車の回転方向と直交するように、磁気センサを歯車に対して配置する。そして、歯車を回転させれば、前述のように、ブリッジ接続された第1及び第2の一対のGMR素子から歯車の回転に応じた正弦波状の信号がそれぞれ得られる。第1組及び第2組の一対のGMR素子は、第2組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が第1組の一対のGMR素子の中心を結ぶ直線と所定距離隔てて平行になるように配置されているので、第2組のブリッジ接続された一対のGMR素子から得られる正弦波状の信号は、第1組のブリッジ接続された一対のGMR素子から得られる正弦波状の信号とは位相が異なる。したがって、これによれば、位相の異なる2つの正弦波状の信号を用いて歯車の回転角度を簡単かつ高精度で検出できる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1実施形態に係る磁気センサのチップパッケージ内の概略構成を示す平面図である。
図1の磁気センサにおけるセンサチップの拡大平面図である。
図1の磁気センサの斜視図である。
図1の磁気センサのブリッジ回路図である。
図1の磁気センサによる磁性体歯車の回転の検出状態を示す斜視図である。
印加磁界強度に対するGMR素子の抵抗値の変化特性を示すグラフである。
ブリッジ接続したGMR素子のバイアス磁界方向による感度異方性を示すグラフである。
(A)(B)(C)は、異なる凹凸ピッチを有する3種類の磁性体歯車の回転を、図1の磁気センサ(第1実施形態に係る磁気センサ)により検出した検出信号波形図である。
比較例に係る磁気センサのチップパッケージ内の概略構成を示す平面図である。
図9の磁気センサにおけるセンサチップの拡大平面図である。
図9の磁気センサによる磁性体歯車の回転の検出状態を示す斜視図である。
(A)(B)(C)は、異なる凹凸ピッチを有する3種類の磁性体歯車の回転を、図9の磁気センサ(比較例に係る磁気センサ)により検出した検出信号の波形図である。
磁性体歯車の凹凸ピッチに対する図1の磁気センサ(第1実施形態に係る磁気センサ)の出力値と、図9の磁気センサ(比較例に係る磁気センサ)の出力値との比較を示すグラフである。
本発明の第2実施形態に係る磁気センサのチップパッケージ内の概略構成を示す平面図である。
図14の磁気センサの斜視図である。
図14の磁気センサ(第2実施形態に係る磁気センサ)の出力電圧波形図である。
歯車以外の磁性体の移動の検出に磁気センサを適用した例を示す概略図である。

実施例

0016

a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る磁気センサのチップパッケージ10内の概略構成を示す平面図である。図2図1の磁気センサにおけるセンサチップ20の拡大平面図であり、図3図1の磁気センサの斜視図である。なお、本明細書においては、図1の上下方向を磁気センサの前後方向(図1の下側を磁気センサの前側、図1の上側を磁気センサの後側)とし、図1の左右方向を磁気センサの左右方向とし、かつ図1における紙面表裏方向を磁気センサの上下方向として説明する。

0017

チップパッケージ10は、エポキシ樹脂により、直方体状に構成されている。チップパッケージ10内には、チップパッケージ10の上下方向のほぼ中央位置にて上下面に平行にして、薄板状に非磁性導電体材料(例えば、銅板)で形成されたアイランド部11、突出部12a,12b及びリードフレーム部13a〜13dが組み込まれている。

0018

アイランド部11は、平面視で長方形状に構成され、チップパッケージ10の左右方向の中央位置かつ前後方向の若干後方位置に配置されている。アイランド部11の左右辺及び前後辺は、チップパッケージ10の左右辺及び前後辺とそれぞれ平行である。突出部12a,12bは、平面視で鉤型形状にアイランド部11と一体形成され、内側端部の後端をアイランド部11の前端にそれぞれ接続させ、外側端部の前端をチップパッケージ10の前面から突出させている。なお、突出部12a,12bは、アイランド部11の周囲にエポキシ樹脂を流し込んで、アイランド部11、突出部12a,12b及びリードフレーム部13a〜13dをチップパッケージ10内に固定する際に、アイランド部11を支持するために設けられている。リードフレーム部13a〜13dも、平面視で鉤型形状を有し、それらの前端部をアイランド部11の前部近傍に位置させ、それらの後端部をチップパッケージ10の後面から突出させている。

0019

アイランド部11の前部上面には、センサチップ20が固定されている。センサチップ20は、シリコンガラスセラミック等の絶縁体材料長方形の板状に構成された絶縁基板21を備えている。絶縁基板21は、本実施形態では、前後方向の長さL1が1.05mmに設定され、左右方向の長さL2がそれぞれ1.8mmに設定され、厚みが0.4mmに設定されている。この絶縁基板21は、その左右辺及び前後辺をチップパッケージ10の左右辺及び前後辺とそれぞれ平行にして、ダイボンド材によりアイランド部11の上面に固着されている。

0020

絶縁基板21の上面には、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)22a〜22d及び電極23a〜23dが配置されている。GMR素子22a〜22dは、Ag−FeCoからなる線状のグラニュラ薄膜で構成されており、絶縁基板21の上面上にスパッタリング法を用いてグラニュラ薄膜を成膜することにより、絶縁基板21上に形成されている。GMR素子22a,22dは絶縁基板21の上面における左側かつ前側部分に設けた長方形領域21aに成膜され、GMR素子22b,22cは絶縁基板21の上面における右側かつ前側部分に設けた長方形領域21bに成膜されている。長方形領域21a,21bの形状及び大きさは同じであり、前後方向の長さを左右方向の長さよりも大きくしている。長方形領域21a,21bの左右辺は絶縁基板21及びチップパッケージ10の左右辺とそれぞれ平行であるとともに、長方形領域21a,21bの前後辺は絶縁基板21及びチップパッケージ10の前後辺とそれぞれ平行である。また、長方形領域21a,21bの前後方向の位置は同じであり、すなわち長方形領域21a,21bの前辺から絶縁基板21及びチップパッケージ10の前辺までの距離は同じであり、長方形領域21a,21bは絶縁基板21の左右方向の中心線CL1に対して左右対称に位置する。これらの長方形領域21a,21bにおいては、本実施形態では、前後方向の長さL3が0.4825mmに設定され、左右方向の長さL4が0.3mmに設定されている。また、長方形領域21aの右端から長方形領域21bの左端までの長さL5は、本実施形態では0.92mmに設定されている。そして、GMR素子22a,22dの中心とGMR素子22b,22cの中心との間の距離L6は、1.22mmである。

0021

GMR素子22a,22dは、長方形領域21a上に、長手方向を前後方向にするとともに短手方向を左右方向にして、それぞれ複数の折り返し部がある線状に形成されている。より具体的には、GMR素子22a,22dは、長方形領域にて、前後方向に一直線状に一定長さ(長さL3よりも若干短い長さ)延設させた後に折り返して、前記一直線状に延びた前端部又は後端部を湾曲させて若干長さだけ左右方向に延設して、さらに前記一直線状に延設させた方向と反対方向に一直線状に延設することを繰返す。

0022

また、GMR素子22a,22dは、隣合う線状部分の左右方向の間隔を大きくした部分と、隣合う線状部分の左右方向の間隔を小さくした部分とを有するように、折り返して構成されている。そして、GMR素子22aにおける隣合う線状部分の左右方向の間隔を大きくした部分に、GMR素子22dにおける隣合う線状部分の左右方向の間隔を小さくした部分を侵入させるとともに、GMR素子22dにおける隣合う線状部分の左右方向の間隔を大きくした部分に、GMR素子22aにおける隣合う線状部分の左右方向の間隔を小さくした部分を侵入させる。なお、これらのGMR素子22a,22bの折り返し回数は、例えば、GMR素子22a,22dの前後方向に延設された直線部分の本数が17本となるように設定されている。

0023

GMR素子22b,22cは、長方形領域21b上に、長手方向を前後方向にするとともに短手方向を左右方向にして、それぞれ複数の折り返し部がある線状に形成されている。GMR素子22b,22cも、GMR素子22a,22dと同様に構成されている。そして、GMR素子22bは、前記中心線CL1に対して、GMR素子22aと左右対称になるように配置されている。また、GMR素子22cは、前記中心線CL1に対して、GMR素子22dと左右対称になるように配置されている。

0024

電極23a〜23dは、薄板状に非磁性の導電体材料(例えば、アルミニウム)で、絶縁基板21上に平面視で正方形状にパターン形成されている。電極23aはGMR素子22b,22cの後方に位置し、電極23bはGMR素子22a,22dの後方に位置する。電極23a,23bは、前記中心線CL1に対して左右対称に配置されている。電極23cはGMR素子22b,22cの左方であって前記中心線CL1とGMR素子22b,22cの間に位置し、電極23dはGMR素子22a,22dの右方であって前記中心線CL1とGMR素子22a,22dの間に位置する。電極23a,23bは、前記中心線CL1に対して左右対称に配置されている。

0025

また、絶縁基板21上には、GMR素子22a〜22dと電極23a〜23dとをそれぞれ電気接続するための配線パターン24が形成されている。この配線パターン24も、薄板状の非磁性の導電体材料(例えば、アルミニウム)で構成されている。GMR素子22aの一端(右上端)は配線パターン24により電極23aに電気接続され、GMR素子22aの他端(左下端)は配線パターン24により電極23cに接続されている。GMR素子22bの一端(右下端)は配線パターン24により電極23bに電気接続され、GMR素子22bの他端(左上端)は配線パターン24により電極23cに接続されている。これにより、GMR素子22a,22bはハーフブリッジ接続されている。また、GMR素子22cの一端(左上端)は配線パターン24により電極23aに電気接続され、GMR素子22cの他端(右下端)は配線パターン24により電極23dに接続されている。GMR素子22dの一端(左下端)は配線パターン24により電極23bに電気接続され、GMR素子22dの他端(右上端)は配線パターン24により電極23dに接続されている。これにより、GMR素子22c,22dもハーフブリッジ接続されている。

0026

電極23a〜23dは、導電線(例えば、金線)からなるワイヤ14a〜14dを介して、リードフレーム部13a〜13dにそれぞれ電気接続されている。リードフレーム部13aには外部に設けた電気回路装置から電圧Vが供給され、リードフレーム部13bは前記電気回路装置により接地されている。リードフレーム13c,13dは、前記電気回路装置に電圧O1,O2をそれぞれ出力する。これにより、GMR素子22a〜22dは図4に示すように、フルブリッジ回路を構成している。また、前記電気回路装置は差動増幅器25を備えており、差動増幅器25は出力電圧O1,O2の差分電圧を出力する。

0027

チップパッケージ10の下面には、永久磁石である直方体のバイアス磁石30がダイボンド材により固着されている。バイアス磁石30は、本実施形態では、ネオジウムと鉄を主原料としたネオジウム磁石からなり、上面及び下面の長辺及び短辺の長さL7,L8がそれぞれ7mm、3mmに設定され、厚みL9が3mmに設定されている。また、バイアス磁石30は、厚み方向を2等分する面を境界として分極されて境界面に対して垂直方向2極着磁されており、上側がN極になっているとともに、下側がS極になっている。そして、バイアス磁石30は、その上面の中心位置を、GMR素子22a,22dとGMR素子22b,22cの中心を通る中心線CL2と前記中心線CL1との交点位置に対向させ、かつその上面の両長辺間の中心を通る中心線CL3を中心線CL2に対して所定角度(本実施形態では45度)傾斜させている。これによって、バイアス磁石30は、図1のGMR素子22a〜22d上に記した矢印方向の磁界を発生し、GMR素子22a〜22dには、それぞれ長手方向すなわち前記中心線CL1に対して前記所定角度(本実施形態では45度)傾斜した方向のバイアス磁界が印加される。ただし、GMR素子22a,22dに印加されるバイアス磁界の方向は、GMR素子22b,22cに印加されるバイアス磁界の方向と反対になる。また、本実施形態においては、バイアス磁石30の上面からGMR素子22a〜22dまでの距離は、1.0mmに設定されている。

0028

前記のように構成した磁気センサは次のようにして製造される。まず、電極23a〜23d及び配線パターン24を、絶縁基板21上にパターン形成する。そして、絶縁基板21の上面上にスパッタリング法を用いてグラニュラ薄膜を成膜することにより、GMR素子22a〜22dを形成する。なお、前記とは逆に、GMR素子22a〜22dを形成した後に、電極23a〜23d及び配線パターン24を形成してもよい。これにより、絶縁基板21上にGMR素子22a〜22d、電極23a〜23d及び配線パターン24を設けたセンサチップ20が完成する。

0029

次に、アイランド部11、突出部12a,12b及びリードフレーム部13a〜13dを図1に示す位置に配置し、アイランド部11部の上面上に絶縁基板21の下面をダイボンド材により接着することにより、アイランド部11上にセンサチップ20を固着する。なお、この場合も、前記とは逆に、アイランド部11上にセンサチップ20を固着した後に、アイランド部11、突出部12a,12b及びリードフレーム部13a〜13dを図1に示す位置に配置してもよい。次に、電極23a〜23dとリードフレーム部13a〜13dにワイヤ14a〜14dの両端をそれぞれワイヤボンディング超音波加熱接続)により接続して、電極23a〜23dとリードフレーム部13a〜13dとをワイヤ14a〜14dを介して電気接続する。

0030

その後、エポキシ樹脂を用いて、センサチップ20、アイランド部11、突出部12a,12bの後部、リードフレーム部13a〜13dの前部、及びワイヤ14a〜14dを内部に収容するとともに、突出部12a,12bの前部及びリードフレーム部13a〜13dの後部を突出させたチップパッケージ10をモールド成型する。次に、チップパッケージ10の下面に、事前に着磁したバイアス磁石30の上面をダイボンド材により接着することにより、チップパッケージ10及びバイアス磁石30が一体となった磁気センサが完成する。

0031

このようにして製造される磁気センサにおいては、電極23a〜23d及び配線パターン24を絶縁基板21上にパターン形成するとともに、GMR素子22a〜22dを絶縁基板21上にグラニュラ薄膜を成膜形成するだけで、センサチップ20が製造される。そして、センサチップ20をアイランド部11に固着するとともに、電極23a〜23dとリードフレーム13a〜13dとをワイヤ14a〜14dにより電気接続し、かつモールド成型によりセンサチップ20、アイランド部11、突出部12a,12b、リードフレーム部13a〜13d及びワイヤ14a〜14dを含むチップパッケージ10が製造される。そして、チップパッケージ10にバイアス磁石30を固着するだけで磁気センサが完成するので、磁気センサを簡単に製造できる。

0032

次に、このようにして製造された磁気センサを用いて磁性体である歯車40の回転を検出する磁性体の移動検出装置について説明する。歯車40は、円形の外周面上にそれぞれ同じ形状及び大きさの方形状の凸部(歯)41と凹部を交互に配置させている。磁気センサは、図5に示すように、チップパッケージ10の上面が歯車40の歯41の外周面に平行に対向し、かつチップパッケージ10(センサチップ20)の前後方向(図1の中心線CL1の方向)が歯車40の回転方向(歯41の移動方向)に一致、すなわちGMR素子22a〜22dの長手方向が歯車40の回転方向に一致するように、図示しない固定部品により歯車40に対して配置される。そして、この第1実施形態では、GMR素子22a〜22dの上表面から前記一つの歯41の外周面までの距離は0.8mmに設定されている。歯車40の回転方向は、図1においてチップパッケージ10の右側に矢印で示す方向であり、図5において歯車40の下側に示す矢印の方向である。

0033

このように磁気センサを歯車40に対して配置した状態で、歯車40を回転させると、GMR素子22a,22dをそれらの素子面に対して平行に通過する磁界と、GMR素子22b,22cをそれらの素子面に対して平行に通過する磁界は互いに反対方向であって、それらの磁界強度は、180度の位相差をもってそれぞれほぼ正弦波状に変化する。具体的には、GMR素子22a,22dをそれらの素子面に対して平行に通過する磁界であって歯車40の回転方向と反対方向成分を有する磁界強度(この磁界強度を正の印加磁界強度とする)は、GMR素子22a,22dが隣合う2つの歯41の中間位置にあるとき正の所定強度であり、歯車40の回転に従って前記正の所定強度から徐々に大きくなった後、小さくなって、GMR素子22a,22dが一つの歯41に対向する位置に来ると、ほぼ前記正の所定強度に戻る。歯車40がさらに回転すると、前記正の印加磁界強度はほぼ前記正の所定値より徐々に小さくなった後、大きくなって、GMR素子22a〜22dが隣合う2つの歯41の中間位置に来ると、前記正の所定強度に戻る。なお、前記正の印加磁界強度の変化は、ほぼ正弦波状である。

0034

一方、GMR素子22b,22cをそれらの素子面に対して平行に通過する磁界であって歯車40の回転方向と同一方向成分を有する磁界強度(この磁界強度を負の印加磁界強度とする)は、GMR素子22b,22cが隣合う2つの歯41の中間位置にあるとき負の所定強度であり、歯車40の回転に従って前記負の所定強度から徐々に小さくなった後、大きくなって、GMR素子22a〜22dが一つの歯41に対向する位置に来ると、ほぼ前記負の所定強度に戻る。歯車40がさらに回転すると、前記負の印加磁界強度はほぼ前記負の所定強度より徐々に大きくなった後、小さくなって、GMR素子22a〜22dが隣合う2つの歯41の中間位置に来ると、前記負の所定強度に戻る。なお、前記負の印加磁界強度の変化も、ほぼ正弦波状である。また、前記正の所定強度と前記負の所定強度の絶対値は等しい。

0035

前記正の印加磁界強度の変化により、図6実線で示す印加磁界強度に対するGMR素子の抵抗値の変化特性からも理解できるように、歯車40が歯41の1ピッチ分だけ回転する時間を1周期として、GMR素子22a〜22dの抵抗値はほぼ正弦波状に変化する。そして、GMR素子22b,22cの抵抗値変化は、GMR素子22a,22dの抵抗値変化に対して、180度(歯車40の歯41の1/2ピッチ)だけ位相を異ならせる。

0036

したがって、図4に示す電気回路装置から、磁性体からなる歯車40の回転を表し、歯41の1ピッチ分を1周期とする正弦波信号からなる、図8(A)〜(C)に示すような出力電圧信号が取り出される。この場合、GMR素子22a〜22dはフルブリッジ接続され、出力電圧O1,O2の差分電圧が差動増幅器25から出力されるので、大きな振幅値を有する歯車40の回転検出信号を得ることができる。

0037

次に、上記第1実施形態の磁気センサを用いた歯車40の回転検出による効果について、実験結果に基づいて説明する。

0038

a1.第1実験結果
まず、チップパッケージ10にバイアス磁石30を固着した上記第1実施形態の磁気センサに外部磁界を印加して、上記電気回路装置の差動増幅器25の出力電圧(差分電圧)を測定した。この場合、外部磁界の印加方向を中心線CL1(図1参照)の方向すなわちGMR素子22a〜22dの長手方向にして、磁界強度を正負に変化させてGMR素子22a〜22dに外部磁界を印加した。なお、この外部磁界の方向は、図1に矢印で示す歯車40の回転方向と反対方向(図1の上方向)を正方向として、前記回転方向(図1の下方向)を負方向とする。具体的には、外部磁界強度を、0KA/mから約22KA/mまで徐々に上昇させた後に、約−22KA/mまで徐々に下降させ、その後に0KA/mまで上昇させた。なお、この外部磁界の印加は、上述した歯車40の回転によるGMR素子22a〜22dに対する印加磁界の変化に対応する。

0039

そして、外部磁界強度の所定値ずつの変化ごとに、差動増幅器25の出力電圧値を測定した。この測定結果図7のグラフに実線で示す。これによれば、広動作磁界範囲で、高いリニア特性を有し、ヒステリシスの無い出力特性が得られたことが分かる。

0040

次に、前記測定と同じ上記第1実施形態の磁気センサを用いて、外部磁界の印加方向を中心線CL2(図1参照)の方向すなわちGMR素子22a〜22dの短手方向に、磁界強度を正負に変化させてGMR素子22a〜22dに外部磁界を印加した。なお、この外部磁界の方向は、図1の左方向を正方向として、図1の右方向を負方向とする。そして、外部磁界強度を、前記場合と同様に、約−22KA/mから約22KA/mの範囲で変化させた。

0041

そして、外部磁界強度の所定値ずつの変化ごとに、差動増幅器25の出力電圧値を測定した。この測定結果を図7のグラフに破線で示す。これによっても、比較的広動作磁界範囲で、高いリニア特性を有し、ヒステリシスの無い出力特性が得られたことが分かる。しかし、この測定結果から、外部磁界の印加方向をGMR素子22a〜22dの短手方向とした場合には、外部磁界の印加方向をGMR素子22a〜22dの長手方向にした場合に比べて、出力電圧値の変化は15〜20%程度低下している。すなわち、外部磁界の印加方向をGMR素子22a〜22dの長手方向にした場合には、外部磁界の印加方向をGMR素子22a〜22dの短手方向にした場合に比べて、15〜20%程度高い感度異方性が得られることが分かった。

0042

これについて考察すると、図6の実線は、GMR素子の長手方向を磁界の印加方向としたときにおける、印加磁界強度に対するGMR素子の抵抗値の変化特性を示す一般的なグラフである。図6の破線は、GMR素子の短手方向を磁界の印加方向としたときにおける、印加磁界強度に対するGMR素子の抵抗値の変化特性を示す一般的なグラフである。すなわち、前記感度異方性に関しては、前記長手方向を磁界の印加方向とする場合の方が、前記短手方向を磁界の印加方向とする場合よりも、印加磁界強度に対するGMR素子の抵抗値の変化が大きくなることからも理解される。

0043

この第1実験結果から、GMR素子22a〜22dの長手方向において磁界強度を変化させることが、GMR素子22a〜22dの短手方向において磁界強度を変化させることよりも好ましいことが分かる。したがって、上記第1実施形態のように、GMR素子22a〜22dの長手方向が歯車40の回転方向に一致するように、磁気センサを歯車40に対して配置することが好ましい。その結果、上記第1実施形態の歯車40の回転検出においては、振幅の大きくかつ高精度な正弦波状の出力電圧を得ることができる。

0044

a2.第2実験結果
次に、歯車ピッチの異なる歯車40に対して、上記第1実施形態のように磁気センサを配置して、歯車40を回転させて出力電圧を測定した。なお、ここで言う歯車ピッチとは、隣合う2つの歯41の回転方向幅の中心と歯車40の回転中心を結ぶ2つの直線が前記隣合う歯41の外周面と交差する2点間円周方向の長さ、すなわち直線距離ではなく前記2点間の円弧の長さである。また、次の図8のおける電気角とは、1歯車ピッチを360度に対応させたものである。

0045

図8(A)は歯車ピッチが2.36mmである場合の測定結果であり、図8(B)は歯車ピッチが3.14mmである場合の測定結果であり、図8(C)は歯車ピッチが4.71mmである場合の測定結果である。図8(A)(B)(C)においては、測定結果である出力電圧の変化を実線で示し、出力電圧波形と正弦波形との比較のために正弦波形を破線で示している。

0046

この第2実験結果によれば、歯車ピッチが小さくなると、出力電圧の振幅値は低下するものの、いずれの場合でも、出力電圧はほぼ正弦波状に変化する。その結果、上記第1実施形態にように構成した磁気センサを用いて、上記第1実施形態のように歯車40に対して磁気センサを配置すれば、歯車ピッチが変化しても、高精度の正弦波信号を出力電圧として得ることができ、歯車40の回転位置を高精度で検出することができる。

0047

a3.第3実験結果
次に、上記背景技術(特許文献1)で説明したように、一対のGMR素子の中心を結ぶ直線が歯車の回転方向になるように磁気センサを配置して、歯車の回転の測定結果と、上記第1実施形態の測定結果とを比較する。

0048

この場合、比較対象となる磁気センサにおいても、図9に示すように、上記第1実施形態のチップパッケージ10と同様なチップパッケージ10’内に、上記第1実施形態のアイランド部11、突出部12a,12b及びリードフレーム部13a〜13dと同様なアイランド部11’、突出部12a’,12b’及びリードフレーム部13a’〜13d ’が組み込まれている。

0049

アイランド部11’の前部上面には、センサチップ20’が固定されている。センサチップ20’は、上記第1実施形態の絶縁基板21と同様に絶縁基板21’の下面をアイランド部11’の上面に固着させている。また、絶縁基板21’の上面には、図10に示すように、上記第1実施形態の電極23a〜23d及び配線パターン24と同様な電極23a’〜23d’及び配線パターン24’が設けられている。また、電極23a’〜23d’は、上記第1実施形態のワイヤ14a〜14dと同様なワイヤ14a’〜14d’により、リードフレーム部13a’〜13d ’に電気接続されている。

0050

この場合も、図10に示すように、絶縁基板21’には、GMR素子22a’,22d’が絶縁基板21’の上面における左側かつ前側部分に設けた長方形領域21a’に配置されるとともに、GMR素子22b’,22c’が絶縁基板21’の上面における右側かつ前側部分に配置されている。これらのGMR素子22a’〜22d’も、上記第1実施形態の場合と同様に、グラニュラ薄膜で形成されている。ただし、GMR素子22a’,22d’は、長方形領域21a’上に、長手方向を左右方向にするとともに短手方向を前後方向にして、それぞれ複数の折り返し部がある線状に形成されている。GMR素子22b’,22c’は、長方形領域21b’上に、長手方向を左右方向にするとともに短手方向を前後方向にして、それぞれ複数の折り返し部がある線状に形成されている。

0051

そして、GMR素子22a’,22b’は、絶縁基板21’の左右方向の中心線CL1’に対してそれぞれ左右対称に配置されている。また、GMR素子22c’,22d’も、前記中心線CL1’に対してそれぞれ左右対称に配置されている。なお、長方形領域21a’,21b’の面積は上記第1実施形態の長方形領域21a,21bの面積と同じであるとともに、GMR素子22a’〜22d’の線状部分の幅、長手方向及び短手方向の総長さも上記第1実施形態のGMR素子22a〜22dの線状部分の幅、長手方向及び短手方向の総長さとそれぞれ同じである。また、GMR素子22a’,22d’(長方形領域21a’)の中心位置とGMR素子22b’,22c’(長方形領域21b’)の中心位置との距離L10(素子ピッチ)は、上記第1実施形態の場合と同じ1.22mmである。

0052

チップパッケージ10’の下面には、上記第1実施形態のバイアス磁石30と同様に、ネオジウムと鉄を主原料としたネオジウム磁石で構成した直方体状のバイアス磁石30’が固着されている。このバイアス磁石30’においては、その上面及び下面は正方形で各辺の長さはそれぞれ3mm、3mmに設定され、厚みが5mmに設定されている。また、このバイアス磁石30’も、厚み方向を2等分する面を境界として分極されて境界面に対して垂直方向に2極に着磁されており、上側がN極になっているとともに、下側がS極になっている。そして、バイアス磁石30’は、その上面の中心位置を、GMR素子22a’,22d’とGMR素子22b’,22c’の中心を通る中心線CL2’と前記中心線CL1’との交点位置に対向させ、かつその上面の前後方向の一対の辺を前記中心線CL1’に平行にしている。これによって、バイアス磁石30’は、図9のGMR素子22a’〜22d ’上に記した矢印方向の磁界が発生し、GMR素子22a’〜22d ’には、それぞれ長手方向にバイアス磁界が印加される。この場合も、GMR素子22a’,22d’に印加されるバイアス磁界の方向は、GMR素子22b’,22c’に印加されるバイアス磁界の方向と反対になる。また、この場合も、バイアス磁石30’の上面からGMR素子22a’〜22d ’までの距離は、1.0mmに設定されている。

0053

そして、前記のように構成した磁気センサを用いた上記第1実施形態と同様な歯車40の回転の検出においても、図11に示すように、チップパッケージ10’の上面を歯車40の外周面に平行に対向させて、図示しない固定部品により歯車40に対して配置される。ただし、この場合には、磁気センサは、チップパッケージ10’の左右方向(中心線CL2’の方向)が歯車40の回転方向(歯41の移動方向)に一致、すなわちGMR素子22a’〜22d ’の長手方向が歯車40の回転方向に一致するように、歯車40に対して配置される。また、この場合も、GMR素子22a’〜22d ’の上表面から前記一つの歯41までの距離は0.8mmに設定されている。なお、歯車40の回転方向は、図9においてチップパッケージ10の右側に矢印で示す方向であり、図11において歯車40の下側に示す矢印の方向である。

0054

このように磁気センサを歯車40に対して配置した状態で、歯車40を回転させると、GMR素子22a’,22d’をそれらの素子面に対して平行に通過する磁界と、GMR素子22b’,22c’をそれらの素子面に対して平行に通過する磁界は互いに反対方向であって、それらの磁界強度は、180度の位相差をもってそれぞれほぼ正弦波状に変化する。具体的な磁界強度の変化は、上記説明した第1実施形態の場合と同じである。そして、GMR素子22a’〜22d ’を上記第1実施形態で説明したように電気回路装置に接続すれば(図4参照)、歯車40の回転を表し、歯41の1ピッチ分を1周期とする正弦波信号からなり、図12(A)〜(C)に示すような出力電圧信号が取り出される。

0055

図12(A)は歯車ピッチが2.36mmである場合の測定結果であり、図12(B)は歯車ピッチが3.14mmである場合の測定結果であり、図12(C)は歯車ピッチが4.71mmである場合の測定結果である。図12(A)(B)(C)においても、測定結果である出力電圧の変化を実線で示し、出力電圧波形と正弦波形との比較のために正弦波形を破線で示している。

0056

この第2実験結果によっても、歯車ピッチが小さくなると、出力電圧の振幅値は低下する。そして、歯車ピッチが3.14mmである場合には、図12(B)に示すように、出力電圧波形はほぼ正弦波状に変化する。しかし、歯車ピッチが2.36mmである場合、及び歯車ピッチが4.71mmである場合には、出力電圧波形は正弦波状に変化しない。すなわち、先行技術に示された磁気センサによる従来の歯車40の回転検出においては、出力電圧波形が、歯車ピッチに応じて大きく変化するとともに、正弦波形から大きくずれる。その結果、上記第1実施形態(本方式)によれば、前記先行技術(従来方式)の場合に比べて、歯車ピッチが変化しても、出力として高精度な正弦波信号を得ることができ、歯車の高精度な回転位置の検出が可能となる。

0057

さらに、図13は、歯車ピッチを変化させた場合における、上記第1実施形態(本方式)による出力電圧のピーク間差電圧を実線で示し、前記先行技術(従来方式)による出力電圧のピーク間の差電圧を破線で示している。これによれば、上記第1実施形態(本方式)によれば、前記先行技術(従来方式)による場合に比べて、歯車ピッチが小さな領域で大きな出力電圧が得られることも理解できる。

0058

b.第2実施形態
次に、磁性体である歯車40の回転を表す2相信号を出力する磁気センサについて説明する。図14は、第2実施形態に係る磁気センサのチップパッケージ50内の概略構成を示す平面図である。図15は、図14の磁気センサの斜視図である。なお、この第2実施形態においても、図14の上下方向を磁気センサの前後方向(図14の下側を磁気センサの前側、図14上側を磁気センサの後側)とし、図14の左右方向を磁気センサの左右方向とし、かつ図14における紙面の表裏方向を磁気センサの上下方向として説明する。

0059

チップパッケージ50は、上記第1実施形態と同様に、エポキシ樹脂により直方体状に構成されている。ただし、チップパッケージ50は、磁気センサの前後方向(及び左右方向)に対して傾けて配置されている。この場合も、チップパッケージ50内には、チップパッケージ50の上下方向のほぼ中央位置にて上下面に平行にして、薄板状に非磁性の導電体材料(例えば、銅板)で形成されたアイランド部51、突出部52a,52b及びリードフレーム部53a〜53hが組み込まれている。

0060

アイランド部51は、平面視で略長方形状に構成され、チップパッケージ50のほぼ中央位置に、各辺をチップパッケージ50の上下面の各辺にほぼ平行にして配置されている。突出部52a,52bは、上記第1実施形態の突出部12a,12bと同一機能を有するもので、平面視で長尺状のほぼ長方形状に形成されている。突出部52aは、その右下端をアイランド部51に接続させてアイランド部51と一体形成され、その左上端をチップパッケージ50の左上側面から突出させている。突出部52bは、その右下端をチップパッケージ50の右下側面から突出させている。リードフレーム部53a〜53d及びリードフレーム部53e〜53hは、上記第1実施形態のリードフレーム部13a〜13dとそれぞれ同一機能を有するもので、平面視で長尺状のほぼ長方形状に形成されている。リードフレーム部53a,53f,53g,53hは、それらの右下端をチップパッケージ50の右下側面から突出させている。リードフレーム部53b,53c,53d,53eは、それらの左上端をチップパッケージ50の左上側面から突出させている。
面から突出させている。

0061

アイランド部51の上面には、2つのセンサチップ20A,20Bが固定されている。これらのセンサチップ20A,20Bは、上記第1実施形態のセンサチップ20と同様に構成されているので、それらの具体的な構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同じ符号を付して説明を省略する。

0062

センサチップ20A,20Bは、前後位置及び左右位置をそれぞれ異ならせて絶縁基板21上に配置され、センサチップ20Bは、アイランド部51の上面上にて、センサチップ20Aを180度回転させて配置されている。センサチップ20Aにおける絶縁基板21の左右方向の中心線CL1、及びセンサチップ20Bにおける絶縁基板21の左右方向の中心線CL1は共に前後方向に延びており、前記2つの中心線CL1,CL1は互いに平行である。また、センサチップ20AにおけるGMR素子22a,22dとGMR素子22b,22cの中心を通る中心線CL2、及びセンサチップ20BにおけるGMR素子22a,22dとGMR素子22b,22cの中心を通る中心線CL2は共に左右方向に延びており、前記2つの中心線CL2,CL2は互いに平行である。

0063

センサチップ20A,20Bの左右方向の配置に関しては、8個全てのGMR素子22a〜22dが歯車40の歯41の回転方向と直交する方向の幅内に収まっていればよく、センサチップ20A,20Bの両中心線CL1,CL1間の距離は適当に設定される。しかし、センサチップ20A,20Bの両中心線CL2,CL2間の距離L11は、2相の出力信号の位相差に関係するので、必要とする2相の出力信号の位相差に対応させて設定する必要がある。具体的には、前記必要とする2相の出力信号の位相差をαとするならば、歯車40の歯41の1ピッチの長さをLpとしたとき、前記距離L11は下記数1の関係にあるように設定される。
(数1)
L11/Lp=α/2π

0064

本第2実施形態では、歯41の1ピッチが3.14mmの歯車40の回転を検出し、かつ90度の位相の異なる2つの出力信号を得るために、前記距離L11は後述する歯車40の歯41の1ピッチである3.14mmの1/4である0.785mmに設定されている。

0065

センサチップ20Aの電極23a〜23dは、上記第1実施形態のワイヤ14a〜14dと同様なワイヤ54a〜54dを介して、リードフレーム部53a〜53dにそれぞれ電気接続されている。センサチップ20Bの電極23a〜23dは、上記第1実施形態のワイヤ14a〜14dと同様なワイヤ55a〜55dを介して、リードフレーム部53e〜53hにそれぞれ電気接続されている。リードフレーム部53a,53eには外部に設けた電気回路装置から電圧Vが供給され、リードフレーム部53b,53fは前記電気回路装置により接地されている。リードフレーム部53c,53gは前記電気回路装置に電圧O1,O1をそれぞれ出力し、リードフレーム部53d,53hは前記電気回路装置に電圧O2,O2をそれぞれ出力する。これにより、センサチップ20AのGMR素子22a〜22dは図4に示す第1フルブリッジ回路を構成するとともに、センサチップ20BのGMR素子22a〜22dも図4に示す第2フルブリッジ回路を構成する。なお、前記電気回路装置が第1及び第2フルブリッジ回路に関する差動増幅器25をそれぞれ備えている点も上記第1実施形態と同じであり、センサチップ20A,20Bに関する各出力電圧O1,O2の差分電圧がそれぞれ出力される。

0066

チップパッケージ50の下面には、図15に示すように、永久磁石である直方体のバイアス磁石60がダイボンド材により固着されている。バイアス磁石60は、上記第1実施形態と同様に構成されており、この場合も、上面及び下面の長辺及び短辺の長さがそれぞれ7mm、3mmに設定され、厚みが3mmに設定されている。そして、バイアス磁石60は、その上面の中心位置を、センサチップ20Aにおける両中心線CL1,CL2の交点と、センサチップ20Bにおける両中心線CL1,CL2の交点とを結ぶ直線の中点に対向させ、かつその上面の両長辺間の中心を通る中心線CL3をセンサチップ20A,20Bにおける両中心線CL2,CL2に対して所定角度(本実施形態では45度)傾斜させている。これによって、バイアス磁石60は、図14のセンサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a〜22d上にそれぞれ記した矢印方向の磁界を発生し、センサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a〜22dには、それぞれ長手方向すなわちセンサチップ20A,20Bにおける中心線CL1,CL1に対して前記所定角度(本実施形態では45度)傾斜した方向のバイアス磁界が印加される。この場合も、センサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a,22dに印加されるバイアス磁界の方向は、センサチップ20A,20BにおけるGMR素子22b,22cに印加されるバイアス磁界の方向とそれぞれ反対になる。また、この第2実施形態においても、バイアス磁石60の上面からセンサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a〜22dまでの距離は、1.0mmに設定されている。

0067

このように構成した第2実施形態に係る一対のセンサチップ20A,20Bを有する磁気センサも、上記第1実施形態の場合と同様に製造される。そして、前記製造された磁気センサを用いて磁性体である歯車40の回転の検出においては、上記第1実施形態の場合と同様に、磁気センサは、チップパッケージ50の上面が歯車40の歯41の外周面に平行に対向し、かつチップパッケージ50(センサチップ20A,20B)の前後方向(図14の両中心線CL1,CL1の方向)が歯車40の回転方向(歯41の移動方向)に一致、すなわちセンサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a〜22dの長手方向が歯車40の回転方向に一致するように、図示しない固定部品により歯車40に対して配置される。この場合、歯車40の歯41の1ピッチは、3,14mmである。そして、この第2実施形態においても、センサチップ20A,20BにおけるGMR素子22a〜22dの上表面から前記一つの歯41の外周面までの距離は0.8mmに設定されている。また、歯車40の回転方向は、図14においてチップパッケージ50の右側に矢印で示す方向である。

0068

このように磁気センサを歯車40に対して配置した状態で、歯車40を回転させると、上記第1実施形態で説明したように、センサチップ20A,20Bに対応した一対の電気回路装置(図4参照)から、第1及び第2フルブリッジ回路の一対の正弦波状の差分電圧信号がそれぞれ出力される。この場合、歯車40の回転方向に直交するセンサチップ20Aにおける中心線CL2とセンサチップ20Bにおける中心線CL2との距離L11は、歯車40の歯41の1ピッチの1/4である。したがって、この第2実施形態においては、図16に実線及び破線で示すように、90度位相の異なる一対の出力A,Bを得ることができる。

0069

その結果、歯車40の回転を表す正弦波状の出力A及び余弦波状の出力Bを得ることができ、出力A,Bを用いた逆正接アークタンジェント演算により、歯車40の回転角度を簡単に計算することもできる。また、上記第1実施形態に係る磁気センサにおいても、歯車40の回転角度を計算することはできるが、出力変化の少ないピーク値付近では1相出力のみでは検出角度の精度は悪化する。これに対して、この第2実施形態によれば、2相の出力A,Bを用いることにより、歯車40の回転角度を高精度で得ることができる。

0070

なお、前記第2実施形態においては、2相の出力A,Bを得るようにしたが、さらに多相の出力を得るようにしてもよい。この場合、出力数に等しい複数のセンサチップをチップパッケージ内に組込み、複数のセンサチップからの出力を得るようにすればよい。そして、前記第2実施形態のように、前記中心線CL2に対応した複数のセンサチップの中心線を歯車40の回転方向に直交させ、前記複数のセンサチップの中心線の間隔を所定の距離に定めるように、複数のセンサチップをチップパッケージ内に組込むようにする。例えば、120度ずつ位相の異なる3つの出力を得るためには、前記第2実施形態のセンサチップ20A,20Bに加えて、前記中心線CL2に対応した他の1つのセンサチップの中心線が前記中心線CL2に平行であり、各センサチップの前記中心線間の距離が歯車40の歯41の1ピッチ長さの1/3となるように、3つのセンサチップをチップパッケージ内に組込むようにすればよい。

0071

c.変形例
上記第1及び第2実施形態においては、各種長さ及び距離L1〜L11を所定の値に設定したが、この値は適宜変更され得る。また、上記第1及び第2実施形態においては、バイアス磁石30,60のチップパッケージ10,50(センサチップ20,20A,20B)側をN極にして反対側をS極に磁化したが、このN極とS極を逆にしてもよい。また、上記第1及び第2実施形態では、アイランド部11,51及び突出部12a,12b,52a,52bを、リードフレーム13a〜13d,53a〜53hと同様な非磁性の導電板で構成した。しかし、アイランド部11,51及び突出部12a,12b,52a,52bは導電性を必要としないので、非磁性であれば、導電性を有さない材料の薄板を用いてもよい。

0072

また、上記第1及び第2実施形態においては、4個のGMR素子22a〜22dでフルブリッジ回路を構成し、フルブリッジ回路から正弦波状の出力信号を得て、歯車40の回転を検出するようにした。しかし、出力値は小さくなるが、2個のGMR素子22a,22b(又は22c,22d)でハーフブリッジ回路を構成し、ハーフブリッジ回路から正弦波状の出力信号を得て、歯車40の回転を検出するようにしてもよい。

0073

また、上記第1及び第2実施形態においては、バイアス磁石30,60によるバイアス磁界の方向が歯車40の回転方向に対して45度だけ傾斜させるようにした。しかし、センサチップ20,20A,20BにおけるGMR素子22a,22dとGMR素子22b,22cに反対方向のバイアス磁界が付与され、かつ歯車40の回転によりGMR素子22a,22dとGMR素子22b,22cとにおける磁界強度の逆方向の変化を得ることができれば、前記45度の傾斜角度を異ならせてもよい。例えば、前記傾斜角度は、20〜70度程度の範囲内であれば、正弦波状の出力を得ることができて歯車40の回転を検出できる。

0074

また、上記第1及び第2実施形態においては、面内感磁素子である磁界強度検知型のGMR素子として、グラニュラ薄膜を用いたGMR素子22a〜22dを用いた。しかし、これに代えて、面内感磁素子である磁界強度検知型のGMR素子として、人工格子型のGMR素子を用いることができる。この人工格子型のGMR素子は、例えば、日本応用磁気学会誌Vol.15,No51991,P813〜821の「人工格子の磁気抵抗効果」と題する論文に記載されている数オングストロームから数十オングストロームの厚さの磁性層非磁性層とを交互に積層させた積層体、いわゆる人工格子膜((Fe/Cr)n,(パーマロイ/Cu/Co/Cu)n,(Co/Cu)nなど)で構成される。

0075

また、上記第1及び第2実施形態では、GMR素子22a〜22dの長手方向を歯車40の回転方向に一致させて、歯車40の回転によりGMR素子22a〜22dの長手方向の磁界強度を変化させるようにした。しかし、GMR素子22a〜22dの短手方向を歯車40の回転方向に一致させて、歯車40の回転によりGMR素子22a〜22dの短手方向の磁界強度を変化させてもよい。これによっても、上述した第1実験結果で説明したように、振幅は多少減少するものの、歯車40の回転に応じた正弦波状の出力信号を得ることができる。また、GMR素子22a〜22dの長手方向又は短手方向を歯車40の回転方向に一致させずに、GMR素子22a〜22dの長手方向(又は短手方向)を歯車40の回転方向に対して傾斜させてもよい。

0076

また、上記第1及び第2実施形態では、GMR素子として、グラニュラ薄膜を折り返しながら直線状に延設させたGMR素子22a〜22dを用いた。しかし、このGMR素子22a〜22dに代えて、渦巻き状のGMR素子を用いてもよい。この渦巻き状のGMR素子とは、絶縁基板上に、外側から内側に渦巻き状に線状のグラニュラ薄膜(又は人工格子膜)を延設させ、内側端から外側に渦巻き状に線状のグラニュラ薄膜(又は人工格子膜)を延設させたものである。

0077

また、上記第1及び第2実施形態では、バイアス磁界印加手段として、永久磁石であるバイアス磁石30,60を用いているが、これに代えて磁気コイルを用い、磁気コイルに電流を流すことによりバイアス磁界を発生させてもよい。

0078

また、上記第1及び第2実施形態では、磁気センサを磁性体からなる歯車40の回転を検出する検出装置に適用した。しかし、上述した磁気センサは、歯車40でなくても、図17に示すように、磁性体からなる円盤状部材70の外周面に凹凸を形成した一つ以上の凸部71を有するような円盤状部材の回転の検出にも適用され得る。また、円盤状部材の外周面に一つ以上の凹部を有する円盤状部材の回転検出にも適用され得る。この場合も、上記第1及び第2実施形態の場合と同様に、凸部71の外周面に対向させて上述した磁気センサを配置すればよい。さらには、回転体でなくても、磁性体からなり凸部又は凹部を有していて直線的に移動する移動体の検出にも、上述した磁気センサは適用され得る。この場合も、移動体の凹凸部に対向させて上述した磁気センサを配置すればよい。

0079

10,50…チップパッケージ、11,51…アイランド部、13a〜13d,53a〜53h…リードフレーム部、14a〜14d,54a〜54d,55a〜55d…ワイヤ、20,20A,20B…センサチップ、21…絶縁基板、22a〜22d…GMR素子、23a〜23d…電極、24…配線パターン、30,60…バイアス磁石、40…歯車

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