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技術 免震装置

出願人 オイレス工業株式会社
発明者 和氣知貴
出願日 2015年1月6日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-001197
公開日 2016年6月20日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2016-109286
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 積層体(2) 高分子組成物 ばね
主要キーワード 剛性金属板 撹拌混合器 熱導電性フィラー 機械的疲労 円形凹所 減衰体 水平方向荷重 流動現象
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

安定したひずみ依存性温度依存性及び面圧依存性を有すると共に繰り返し加振に対しての降伏荷重の変化が少なく、長時間地震における繰り返し加振に対して安定したエネルギ吸収性能を有する免震装置を提供すること。

解決手段

免震装置1は、弾性層3及び剛性層7が互いに交互に積層されてなる積層弾性体8と、積層弾性体8の円柱中空部11に圧入されている減衰体12からなる柱体円柱体14とを具備しており、減衰体12の夫々は、熱伝導性フィラーと、黒鉛と、熱硬化性樹脂とを含有している。

概要

背景

弾性層及び剛性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、この積層弾性体の内周面で規定された円柱中空部充填された鉛プラグとを有した免震装置は、特許文献1及び2により知られているように、上部構造物荷重を支持した上で、地震等による地盤振動の上部構造物への伝達を積層弾性体によりできるだけ阻止すると共に上部構造物に伝達された振動を鉛プラグにより可及的に速やかに減衰させるように、地盤と上部構造物との間に設置される。

免震装置に用いられる斯かる鉛プラグは、振動エネルギを好ましく吸収して、塑性変形後も振動エネルギ吸収に伴って発生する熱により容易に再結晶して機械的疲労を招来しないために、振動エネルギ吸収体として極めて優れている。

概要

安定したひずみ依存性温度依存性及び面圧依存性を有すると共に繰り返し加振に対しての降伏荷重の変化が少なく、長時間地震における繰り返し加振に対して安定したエネルギ吸収性能を有する免震装置を提供すること。免震装置1は、弾性層3及び剛性層7が互いに交互に積層されてなる積層弾性体8と、積層弾性体8の円柱状中空部11に圧入されている減衰体12からなる柱体円柱体14とを具備しており、減衰体12の夫々は、熱伝導性フィラーと、黒鉛と、熱硬化性樹脂とを含有している。

目的

本発明は、上記諸点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、免震効果に対する各依存性、例えば安定したひずみ依存性、温度依存性及び面圧依存性を有すると共に繰り返し加振に対しての降伏荷重の変化が少なく、長時間地震における繰り返し加振に対して安定したエネルギ吸収性能を有する免震装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

剛性層及び弾性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、少なくともこの積層弾性体の内周面で規定された少なくとも一つの柱状中空部に配された減衰体からなる柱体とを備えており、減衰体は、熱伝導性フィラー黒鉛熱硬化性樹脂とを含んでいる免震装置

請求項2

剛性層及び弾性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、少なくともこの積層弾性体の内周面で規定された少なくとも一つの柱状中空部に配されていると共に柱状中空部の軸方向に積層された複数個の減衰体からなる柱体とを備えており、各減衰体は、熱伝導性フィラーと黒鉛と熱硬化性樹脂とを含んでいる免震装置。

請求項3

減衰体は、熱伝導フィラー35〜70体積%と、黒鉛5〜50体積%と、熱硬化性樹脂10〜30体積%とを含んでいる請求項1又は2に記載の免震装置。

請求項4

熱伝導フィラーは、金属酸化物金属窒化物金属炭化物及び金属水酸化物粒子のうちの一種若しくは二種以上を含んでいる請求項1から3のいずれか一項に記載の免震装置。

請求項5

黒鉛は、人造黒鉛及び天然黒鉛のうちの少なくとも一方からなる請求項1から4のいずれか一項に記載の免震装置。

請求項6

熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂を含んでいる請求項1から5のいずれか一項に記載の免震装置。

請求項7

減衰体は、ゴム粉末及び結晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方を更に含んでいる請求項1から6のいずれか一項に記載の免震装置。

請求項8

減衰体は、ゴム粉末40体積%以下と結晶性ポリエステル樹脂25体積%以下とのうちの少なくとも一方を含んでいる請求項7に記載の免震装置。

請求項9

ゴム粉末は、加硫ゴム粉末及びシリコーンゴム粉末のうちの少なくとも一方からなる請求項7又は8に記載の免震装置。

請求項10

柱体は、積層弾性体と共に積層方向荷重をも支持するようになっている請求項1から9のいずれか一項に記載の免震装置。

技術分野

0001

本発明は、減衰体具備した免震装置に関する。

背景技術

0002

弾性層及び剛性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、この積層弾性体の内周面で規定された円柱中空部充填された鉛プラグとを有した免震装置は、特許文献1及び2により知られているように、上部構造物荷重を支持した上で、地震等による地盤振動の上部構造物への伝達を積層弾性体によりできるだけ阻止すると共に上部構造物に伝達された振動を鉛プラグにより可及的に速やかに減衰させるように、地盤と上部構造物との間に設置される。

0003

免震装置に用いられる斯かる鉛プラグは、振動エネルギを好ましく吸収して、塑性変形後も振動エネルギ吸収に伴って発生する熱により容易に再結晶して機械的疲労を招来しないために、振動エネルギ吸収体として極めて優れている。

先行技術

0004

特開平9−105440号公報
特開2000−346132号公報
特開2009−133481号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、鉛は、周知のとおりその比重が極めて大きいために、積層弾性体に鉛プラグを組み込んだ免震装置においては、その施工現場への運搬及び構造物への施工には、極めて大きな労力を必要とする上に、面圧依存性、即ち、支持する重量の異なる上部構造物に応じた免震効果を発揮できる特性を得ることができないという問題がある。

0006

特許文献3には、エラストマー組成物鉄粉等の粉体を配合した組成物から製造したプラグを組み込んだ免震装置が提案されているが、斯かる免震装置でも、面圧依存性についての考慮が払われていない。

0007

本発明は、上記諸点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、免震効果に対する各依存性、例えば安定したひずみ依存性、温度依存性及び面圧依存性を有すると共に繰り返し加振に対しての降伏荷重の変化が少なく、長時間地震における繰り返し加振に対して安定したエネルギ吸収性能を有する免震装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の免震装置は、剛性層及び弾性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、少なくともこの積層弾性体の内周面で規定された少なくとも一つの柱状中空部、好ましくは円柱状中空部に配された減衰体からなる柱体、好ましくは円柱体とを備えており、減衰体は、熱伝導性フィラー黒鉛熱硬化性樹脂とを含んでいる。

0009

本発明の免震装置はまた、剛性層及び弾性層が交互に積層されてなる積層弾性体と、少なくともこの積層弾性体の内周面で規定された少なくとも一つの柱状中空部、好ましくは円柱状中空部に配されていると共に柱状中空部、好ましくは円柱状中空部の軸方向に積層された複数個の減衰体からなる柱体、好ましくは円柱体とを備えており、各減衰体は、熱伝導性フィラーと黒鉛と熱硬化性樹脂とを含んでいる。

0010

本発明の免震装置によれば、減衰体は、付加される振動に起因する繰り返し剪断変形を相互の摩擦により減衰させる熱伝導性フィラーと、同じく付加される振動に起因する繰り返し剪断変形を少なくとも熱伝導性フィラーとの摩擦により減衰させる黒鉛と、減衰体の初期形状保持のためにこれらを相互に接着すると共に高温硬化する熱硬化性樹脂とを含んでいるので、長時間継続して作用する地震において、エネルギ吸収に伴う減衰体の温度上昇が生じても熱硬化性樹脂が溶融しないので、熱硬化性樹脂の溶融化による熱伝導性フィラー相互及び熱伝導性フィラーと黒鉛との間の低摩擦をもった流動現象を回避でき、熱伝導性フィラー自体の相互の摩擦及び黒鉛の熱伝導性フィラーとの摩擦による本来の減衰効果を温度上昇に拘わらず継続して維持できる結果、硬化後、エネルギ吸収性能の低下を来すことがない。

0011

また、柱状中空部に配されていると共に柱状中空部の軸方向に積層されている複数個の減衰体からなる柱体を備えた本発明の免震装置によれば、減衰体間の相対的変位と各減衰体での剪断(撓み)変形とにより好ましい柱体の変位追従性を得ることができる。

0012

本発明において、熱硬化性樹脂は、最初の地震の減衰体の剪断変形で減衰体に対するその形状保持性解除される一方、硬化後の剪断変形でその粉砕粒子化が行われる結果、硬化後をも含めてその後の地震においては、熱硬化性樹脂自体の相互摩擦、熱伝導性フィラー及び黒鉛間の相互摩擦で、熱伝導性フィラー及び黒鉛による繰り返し剪断変形の減衰に同様にして寄与するようになっている。

0013

熱伝導性フィラーは、減衰効果に加えて、減衰体の形状を保持する形状保持効果及び減衰体中で生じる摩擦熱放散する放熱効果をも有するので、製造時及び剪断変形後の柱体の型崩れ及び地震での柱体の温度上昇を防ぎ得る。

0014

熱伝導性フィラーは、好ましい例では、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化カルシウム(CaO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)等の金属酸化物窒化硼素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)及び窒化ケイ素(Si3N4)等の金属窒化物炭化ホウ素(B4C)、炭化アルミニウム(Al4C3)、炭化ケイ素(SiC)及び炭化チタン(TiC)等の金属炭化物並びに水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム〔Ca(OH)2〕及び水酸化亜鉛〔Zn(OH)2〕等の金属水酸化物の粒子のうちの一種若しくは二種以上を含んでおり、就中、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素及び炭化ケイ素等の粒子は、高い熱伝導性を有すると共に分散性の観点から熱伝導性フィラーとして更に好ましい。

0015

熱伝導性フィラーは、好ましくは、平均粒径10μmmから50μmの粒度をもっており、特に、粒度の異なる粒子、例えば平均粒径が10μm程度の細かい粒度の金属酸化物と平均粒径が50μm程度の粗い粒度の金属酸化物とを50:50又は40:60の割合で配合してなる熱伝導性フィラーでは、分散した50μm程度の粗い粒度の金属酸化物の粒子間の隙間が10μm程度の細かい粒度の金属酸化物の粒子で埋められているために、金属酸化物の粒子の連続性が得られて熱放散性が高められており、また、異なる金属酸化物の粒子、例えば酸化アルミニウムの粒子と酸化マグネシウムの粒子とを50:50の割合で配合してなる熱伝導性フィラーでは、熱の放散性が高められている。

0016

これら金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物及び金属炭化物等の粒子から選択される熱伝導性フィラーの減衰体に対する配合割合は、好ましくは、35〜70体積%である。配合割合が35体積%未満では、ヒステリシス履歴曲線で囲まれる領域の面積で評価される減衰性に不安定さを招来し、また配合割合が70体積%を超えると、減衰体の成形性を悪化させ、所望の形状、例えば円盤状(円板状)又は円柱状の減衰体の作製が難しくなる。

0017

黒鉛は、好ましくは、人造黒鉛及び鱗片状黒鉛等の天然黒鉛のうちの少なくとも一方からなり、黒鉛の好ましい例としての鱗片状黒鉛は、鱗片状(フレーク状)をなし、粒状の黒鉛に比べると大きな表面面積を有しており、減衰体が振動、衝撃等の外力を受けたときに生じるその層間すべり摩擦と、熱伝導性フィラーとの摩擦とにより当該振動、衝撃等の外力を減衰する作用をより効果的に発揮する。黒鉛には、好ましくは、平均粒径が100μmを超えるものを用い、鱗片状黒鉛には、好ましくは、平均粒径が100μ〜1000μm、より好ましくは500μm〜700μmの接触面積の大きい粒径のものを用いる。

0018

黒鉛、特に鱗片状黒鉛の減衰体に対しての配合割合は、好ましくは、5〜50体積%である。配合割合が5体積%未満では十分な摩擦減衰が発揮されず、また、配合割合が50体積%を超えると、減衰体の成形性を悪化させる虞があり、仮に成形できたとしても減衰体の強度を低下させ、脆さが発現する。

0019

熱硬化性樹脂は、減衰体の形成材料粘着性及び圧縮成形性を付与する。例えば、熱硬化性樹脂を含む減衰体において、熱硬化性樹脂は、その空隙率を減少させる作用を発揮して耐久性を向上させる。減衰体に対する熱硬化性樹脂の配合割合は、好ましくは、10〜30体積%である。配合割合が10体積%未満では、減衰体の形成材料に十分な粘着性を付与し難く、また配合割合が30体積%を超えると、減衰体の形成材料の混練り加工性、成形性を悪化させる虞がある。

0020

熱硬化性樹脂は、好ましくは、フェノール樹脂を含んでおり、フェノール樹脂としては、各種のフェノール類ホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させてなるレゾール型フェノール樹脂酸触媒の存在下で反応させてなるノボラツク型フェノール樹脂を例示し得、具体的には、群栄化学工業株式会社製の「レジトップアルキル基炭素数8のアルキルフェノール樹脂):軟化点78〜105℃」等を例示し得る。

0021

好ましい例では、減衰体は、熱伝導フィラー35〜70体積%と、黒鉛5〜50体積%と、熱硬化性樹脂10〜30体積%とを含んでいる。

0022

本発明の免震装置において、減衰体は、他の成分として、加硫ゴム及びシリコーンゴムのうちの少なくとも一方のゴム粉末及び結晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方を更に含んでいてもよく、ゴム粉末の配合割合は、減衰体の成分組成に対して、好ましくは40体積%以下、より好ましくは7〜30体積%であり、結晶性ポリエステル樹脂の配合割合は、減衰体の成分組成に対して、好ましくは25体積%以下、より好ましくは3〜22体積%である。

0023

ゴム粉末、特に加硫ゴム粉末は、成形して得られる減衰体に柔軟性を付与して当該減衰体の動き易さを助長すると共にエネルギ吸収量を増大させる役割を果たす。加硫ゴム粉末には、好ましくは、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムアクリルゴムACM)、エチレン酢酸ビニルゴム又はエチレンメチルアクリレート共重合体等の加硫ゴムを粉砕して形成される平均粒径が90μmの粉砕粉末が使用され、これら粉砕粉末の一種又は二種以上が選択されて使用される。

0024

シリコーンゴムは、無機のゴムであり、耐熱性耐寒性耐候性電気絶縁性難燃性無毒性などに優れた特長を兼ね備えており、シリコーンゴムとして、メチルシリコーンゴム(MQ)、ビニル・メチルシリコーンゴム(VMQ)、フェニル・メチルシリコーンゴム(PMQ)を好ましい例として挙げることができる。

0025

ゴム粉末の配合割合は、熱伝導性フィラー、黒鉛、特に鱗片状黒鉛及び熱硬化性樹脂からなる減衰体又は熱伝導性フィラー、黒鉛、特に鱗片状黒鉛、熱硬化性樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂からなる減衰体に対して、好ましくは40体積%以下、より好ましくは7〜30体積%である。

0026

結晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリグルコール酸、ポリ乳酸ポリカプロラクトン及びポリエチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステルポリエチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリブチレンナフタレート及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等の半芳香族ポリエステルエステル系エラストマー等を例示し得る。結晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、東洋紡株式会社製の「バイロンGM900」、「バイロンGM920」及び「バイロンGM990」(いずれも商品名)等を挙げることができる。結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、好ましくは10000〜35000、より好ましくは15000〜30000である 。

0027

本明細書において「平均粒径」は、レーザー回析散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。

0028

好ましい例では、柱状中空部に配されている、好ましくは、柱状中空部に圧入されている減衰体からなる柱体は、積層弾性体と共に積層方向の荷重をも支持するようになっているが、これに代えて、柱体は、専ら振動エネルギを吸収するようになっていてもよい。

0029

本発明において、剛性を有する剛性層及び弾性を有する弾性層は、好ましい例では、円環状であるが、これに代えて、多角形、例えば四角形の環状であってもよく、積層弾性体は、柱状中空部が一つの場合において、通常は、筒状であるが、剛性層及び弾性層が円環状である場合には、円筒状であり、これに代えて、剛性層及び弾性層が多角形、例えば四角形の環状である場合には、四角筒状であってもよい。

0030

本発明において、柱状中空部は、一個又は複数個であってもよく、複数個の柱状中空部が積層弾性体の内周面で規定されている場合には、全ての柱状中空部に本発明に係る減衰体からなる柱体が配されている必要はなく、要求される機能、効果との観点にから一部の柱状中空部に減衰体からなる柱体が、好ましくは圧入されて配されてもよく、また、一個又は複数個の柱状中空部に配された柱体が複数個の減衰体からなる場合、当該複数個の全ての減衰体が本発明に係る減衰体からなっている必要はなく、一部の減衰体が本発明に係る減衰体であってもよい。

発明の効果

0031

本発明によれば、安定したひずみ依存性、温度依存性及び面圧依存性を有すると共に繰り返し加振に対しての降伏荷重の変化が少なく、長時間地震における繰り返し加振に対して安定したエネルギ吸収性能を有する免震装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0032

図1は、本発明の免震装置の実施の形態の好ましい例の縦断面説明図である。
図2は、図1に示す例の積層弾性体の平面説明図である。
図3は、図1に示す例の円柱体の斜視説明図である。
図4は、図1に示す例の動作説明図である。
図5は、図1に示す例の水平方向の変位水平方向荷重との関係を示す説明図である。
図6は、鉛直面圧15MPaにおける図1に示す例の水平方向の変位と水平方向荷重との関係の試験結果の説明図である。
図7は、加振回数と降伏荷重維持率との関係の試験結果の説明図である。
図8は、加振回数と降伏荷重維持率との関係の試験結果の説明図である。

0033

次に、本発明を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの具体例に何等限定されないのである。

0034

図1から図3において、本例の免震装置1は、円環状のゴム等の弾性板2からなる複数の弾性層3並びに円環状の剛性金属板等からなる薄肉剛性鋼板4、厚肉剛性鋼板5及び6を有した複数の剛性層7が互いに加硫接着されて交互に積層されてなる円筒状の積層弾性体8と、積層弾性体8の外周面被覆した円筒状の被覆層9と、積層弾性体8の円柱状の内周面10で規定された円柱状中空部11に圧入されていると共に円柱状中空部11の軸方向(上下方向)Vに密に積層された複数個の円盤状(円板状)の減衰体12からなる円柱体14と、厚肉剛性鋼板5及び6に夫々ボルト13を介して連結された上フランジプレート15及び下フランジプレート16と、円柱状中空部11の上端及び下端に位置する減衰体12の上面及び下面において上フランジプレート15及び下フランジプレート16と厚肉剛性鋼板5及び6とを互いに剪断方向(水平方向)Hに関して固定する円盤状(円板状)の剪断キー17とを具備しており、複数個の減衰体12が密に多層積み重ねられて配された円柱状中空部11は、内周面10に加えて、下方の剪断キー17の上面18と上方の剪断キー17の下面19とによって規定されている。

0035

弾性層3及び薄肉剛性鋼板4を軸方向Vにおいて挟んだ厚肉剛性鋼板5及び6は、積層弾性体8の上下端面側の夫々に配されており、円柱状中空部11の最下端に位置する減衰体12は、円柱状中空部11の下端部を規定する厚肉剛性鋼板6の内周面に密に接して配されており、円柱状中空部11の最上端に位置する減衰体12は、円柱状中空部11の上端部を規定する厚肉剛性鋼板5の内周面に密に接して配されている。

0036

各減衰体12は、円形の一端面20及び一端面20に対面する円形の他端面21並びに一端面20及び他端面21を橋絡した円筒状の側面22で規定されており、最上端に位置する減衰体12の一端面20は、一方では、上フランジプレート15の円形凹所25において、他方では、厚肉剛性鋼板5の円形凹所26において、夫々上フランジプレート15及び厚肉剛性鋼板5に嵌装された上方の剪断キー17の下面19に密に接触しており、最下端に位置する減衰体12の他端面21は、一方では、下フランジプレート16の円形凹所27において、他方では、厚肉剛性鋼板6の円形凹所28において、夫々下フランジプレート16及び厚肉剛性鋼板6に嵌装された下方の剪断キー17の上面18に密に接触しており、最上端及び最下端に位置する減衰体12を除く他の減衰体12は、その一端面20及び他端面21で隣接する減衰体12の他端面21及び一端面20に密に接触しており、減衰体12の夫々は、一端面20に対して平行な方向である水平方向Hにおける他端面21の一端面20に対する相対的な剪断(撓み)変形で当該剪断変形のエネルギを吸収して当該剪断変形を減衰させるようになっている。

0037

斯かる免震装置1は、上フランジプレート15側が上部構造物31に、下フランジプレート16側が下部構造物である基礎32に、夫々ボルト33を介して連結されて固定されており、こうして上部構造物31と基礎32との間に配された免震装置1は、積層弾性体8と円柱体14とによって上部構造物31の積層方向(鉛直方向)Vの荷重を支持するようになっている。

0038

減衰体12の夫々は、基本的に、熱伝導性フィラーと、黒鉛と、主として粘着付与剤として機能する熱硬化性樹脂とを含有している。

0039

各減衰体12は、熱伝導性フィラー、黒鉛として鱗片状黒鉛及び熱硬化性樹脂粉末又はこれらに更に加えるゴム粉末及び結晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方を所定量の割合に量し、これらをミキサーなどの撹拌混合機投入して均一に撹拌混合し、この混合物ニーダー混練機)に投入し、加熱混練し、加熱混練された減衰体材料を80〜150℃の温度に加熱された金型の円柱状中空部に充填し、成型圧力10〜100N/mm2で圧縮成形し、圧縮成形後、金型の円柱状中空部で加圧状態を維持しながら徐冷し、ついで金型の円柱状中空部から取り出すことにより製造される。

0040

円盤状(円板状)の減衰体12を多層に積み重ねてなる円柱体14を有した免震装置1を製造するには、まず、中央部に円孔を備えた円環状のゴム板等の弾性板2と中央部に円孔を備えた円環状の剛性金属板等からなる薄肉剛性鋼板4とを交互に積層して、その最下面及び最上面に中央部に円孔を備えた環状の剛性金属板等からなる厚肉剛性鋼板5及び6を配置し、型内における加圧下での加硫によりこれらを相互に固定して、中央部に円柱状中空部11を備えた円筒状の積層弾性体8を作製し、その後、複数個の円盤状(円板状)の減衰体12からなる円柱体14を円柱状中空部11に形成すべく、円柱状中空部11に複数個の円盤状(円板状)の減衰体12を圧入して積層する。減衰体12の圧入は、円盤状(円板状)の減衰体12が積層弾性体8の内周面10に対して隙間が生じないようにして、複数個の円盤状(円板状)の減衰体12の夫々を油圧ラム等により円柱状中空部11に順次押し込んで行う。減衰体12の圧入後、剪断キー17を円柱状中空部11の下端部及び上端部に、その上面18を最下端に位置する減衰体12の一端面20に、その下面19を減衰体12の他端面21に隙間なしに接触させて配し、上下フランジプレート15及び16を厚肉剛性鋼板5及び6にそれぞれボルト13を介して取り付ける。なお、型内における加圧下での加硫による積層弾性体8の形成において、薄肉剛性鋼板4並びに厚肉剛性鋼板5及び6の外周面を覆って、弾性板2からなる弾性層3にゴム等からなる被覆層9が一体的に形成されるようにするとよい。

0041

免震装置1は、円柱状中空部11に該円柱状中空部11の軸方向に沿って多層に積み重ねられた複数個の円盤状(円板状)の減衰体12が圧入されており、振動、衝撃等により基礎32に対して上部構造物31が水平方向Hに移動されて水平方向Hの剪断力を受けた際には、図4に示すように、積層弾性体8と共に減衰体12が水平方向Hに剪断変形して水平方向Hの振動エネルギを吸収し、振動、衝撃等の外力を速やかに減衰させることができる。熱伝導性フィラー、黒鉛としての鱗片状黒鉛及び熱硬化性樹脂からなる減衰体材料又はこれらにゴム粉末及び結晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方を含有した減衰体材料から製造した円盤状(円板状)の減衰体12が円柱状中空部11に多層に積み重ねられ、かつ圧入されてなる円柱体14を具備した免震装置1は、安定したひずみ依存性、温度依存性及び面圧依存性の特性を有すると共に長時間地震における繰り返し加振に対して安定した性能を有する。

0042

実施例1〜実施例10
熱導電性フィラー及び黒鉛としての鱗片状黒鉛及び熱硬化性樹脂としてのフェノール樹脂又はこれらにゴム粉末及び結晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方を表1及び表2に示す配合割合(体積%)に秤量し、これらをミキサーなどの撹拌混合器に投入し、均一に撹拌混合した混合物を120℃の温度に加熱したニーダーに投入し、加熱しながら混錬して減衰体材料を作製し、この減衰体材料を120℃の温度に加熱した金型の円柱状中空部に充填し、成型圧力60N/mm2で圧縮成形し、圧縮成形後、金型の円柱状中空部で加圧状態を保持しながら減衰体材料を徐冷し、常温まで冷却した後、金型の円柱状中空部から直径φ50mm、長さ10mmの円盤状(円板状)の減衰体12を取り出した。

0043

0044

0045

外径が250mmで、厚みが1.4mmであって剛性を有する薄肉剛性鋼板4を23枚と、同じく外径が250mmで、厚みが2.0mmであって弾性を有する弾性板(加硫天然ゴム:ゴム剪断弾性率G=0.4N/mm2)2を24枚とを交互に積層し、更に、その下面及び上面に、直径70mmの円形凹所26及び28を夫々有すると共に同じく外径が250mmで、厚みが25mmである厚肉剛性鋼板5及び6を配置し、これらを内径260mmの型内における加圧下での加硫により相互に固定した高さ130.2mmであって、径方向の厚み5mmの円筒状の被覆層9で被覆された積層弾性体(高さ130.2mm、外径250mm)8の中央部の円柱状中空部11に、直径が50mmで、厚みが10mmであって実施例1ないし実施例10からなる円盤状(円板状)の減衰体12を11個積み重ね、かつ隙間なく圧入して図1に示す免震装置1を作製した。

0046

免震装置1の減衰性能、面圧依存性及び降伏荷重維持率については、次の方法により評価した。

0047

<減衰性能>
免震装置1に、鉛直方向に5MPa、10MPa、15MPa及び20MPaの夫々の鉛直面圧Pを負荷した状態で水平方向Hに0.33Hzの加振周波数で加振して水平方向剪断変形(±48mm=±100%剪断歪)を生じさせた。免震装置1の下端に対するその上端の水平方向の変位(横軸δ)と免震装置1の水平方向荷重(水平力)(縦軸Q)との関係(水平復元力特性図)を示す図5において、ヒステリシス曲線実線)で囲まれた領域の面積ΔWが大きくなるほど、振動エネルギを多く吸収できることを意味するが、ここでは、水平方向剪断変形、即ち±100%剪断歪における切片荷重(降伏荷重)Qd(ヒステリシス曲線が縦軸Qと交差する点での水平方向荷重Qd1及び│Qd2│を用いて、式:Qd=(Qd1+│Qd2│)/2で計算した値)で円柱体14の減衰性能を評価(切片荷重Qdが大きくなるほど、ヒステリシス曲線で囲まれた領域の面積が広くなり、減衰性能が優れることを示す)した。

0048

<面圧依存性>
免震装置1に、先に示した5MPa、10MPa、15MPa及び20MPaの鉛直面圧(鉛直荷重)Pを夫々負荷し、各鉛直面圧Pにおける切片荷重Qdを求め、10MPa、15MPa及び20MPaの各鉛直面圧Pによる切片荷重Qdの変化を、鉛直面圧5MPaの切片荷重Qdを1.00とした比(倍率)で算出して、この比で面圧依存性を評価した。この比が鉛直面圧Pの増加に伴って増加する免震装置1は、鉛直面圧Pに応じた切片荷重Qdを発生し、支持する荷重の異なる上部構造物に応じた免震効果を発揮できる特性を有することになる。

0049

面圧依存性の試験結果を示す表1及び表2から分かるように、表1及び表2に示す減衰体材料からなる円柱体14の夫々を具備した免震装置1は、鉛直面圧Pの上昇につれて切片荷重Qdが増加し、具体的には、各鉛直面圧Pにおける切片荷重Qと鉛直面圧5MPaでの切片荷重との比が、鉛直面圧Pが5MPaに対して2倍の10MPaで、1.28〜1.48、鉛直面圧Pが5MPaに対して3倍の15MPaで、1.52〜1.92、そして、鉛直面圧Pが5MPaに対して4倍の20MPaで、1.82〜2.31となって、鉛直面圧Pに応じて切片荷重Qdの値が増加し、鉛直面圧Pとなる積載荷重に応じた免震効果を得ることができる。図6は、実施例6の円柱体14を具備した免震装置1における水平方向の変位δ(mm)と水平方向荷重(水平力)Q(kN)との関係である水平復元力特性の試験結果(ヒステリシス曲線)を示す。

0050

円柱体14に代えて円柱状の鉛(鉛プラグ)を具備した免震装置における鉛直面圧5MPaでの切片荷重と、鉛直面圧10MPa、15MPa及び20MPaの夫々での切片荷重との比は、鉛直面圧10MPaで1.02、鉛直面圧15MPaで1.04、そして、鉛直面圧20MPaで1.06であり、鉛プラグを具備した免震装置では、支持する荷重が異なっても、切片荷重が殆ど変化せず、荷重の異なる上部構造物に応じた免震効果を発揮する面圧依存性の観点から、斯かる鉛プラグを圧入した免震装置は、本例の免震装置1よりも劣っている。

0051

<加振回数とエネルギ吸収性能の維持率(降伏荷重維持率)>
免震装置1に、(1)水平方向変形率100%、0.1Hz及び(2)水平方向変形率300%、0.33Hzの繰り返し加振を行い、エネルギ吸収性能の維持率を降伏荷重維持率(=Qdn/Qd1、ここで、Qd1は、一回目の加振での切片荷重Qdの値であって、Qdnは、n回目の加振での切片荷重Qdの値)として求める試験を行った。

0052

水平方向変形率100%及び周波数0.1Hzの4サイクル加振試験では、図7に示す試験結果から、実施例9と比較例1及び2との免震装置に性能の大きな差は見られなかったが、水平方向変形率300%及び周波数0.33Hzの10サイクルの加振試験では、図8に示す試験結果から、実施例9の免震装置1は、降伏荷重変化率が小さく、長時間地震における繰り返し加振に対して性能が安定していることが分かる。

0053

試験において使用した比較例1の免震装置は、積層弾性体8の中央部の円柱状中空部11に円柱体14に代えて鉛プラグを圧入した免震装置であり、比較例2の免震装置は、鉛プラグの代わりに、熱導電性フィラー、鱗片状黒鉛、加硫ゴム粉末、結晶性ポリエステル樹脂及びクマロン樹脂からなる減衰体材料を圧縮成形して得られる円柱体を圧入した免震装置である。

実施例

0054

なお、円柱状中空部11に一個の減衰体12からなる円柱体14を隙間なく圧入した免震装置1でも、上記と同様の効果が得られることを確認した。

0055

1免震装置
2弾性板
3弾性層
4薄肉剛性鋼板
5、6厚肉剛性鋼板
7剛性層
8積層弾性体
9被覆層
10内周面
11円柱状中空部
12減衰体
14 円柱体

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