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技術 乗物およびスロットル弁の駆動方法

出願人 川崎重工業株式会社
発明者 松田義基
出願日 2014年12月9日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-248991
公開日 2016年6月20日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-109079
状態 特許登録済
技術分野 絞り弁の制御および操作手段との関連機構等 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御
主要キーワード 出力上昇率 慣性状態 調整用スロット 共通スロット エンジン状態情報 ブレーキレバ バンク角α 配列方向中央
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

エンジン出力調整多様化することができる乗物およびスロットル弁駆動方法を提供する。

解決手段

複数の燃焼室を有するエンジンと、各燃焼室のそれぞれに設けられ、当該燃焼室へ流入する吸気の流量を燃焼室ごとに個別に調整するための複数のスロットル弁と、複数のスロットル弁が2以上のグループグループ分けされ、当該グループごとにスロットル弁を電気的に駆動する2以上の駆動機構と、運転者スロットル操作量および予め定められる車両状態に基づいて駆動機構を制御するスロットル制御装置と、を備え、スロットル制御装置は、予め定められる出力調整条件を満足した場合、駆動機構ごとに異なるスロットル開度指令を与える。

概要

背景

鞍乗型車両等の乗物においてエンジン燃焼室へ送られる吸気の流量を調整するためのスロットル弁電気的に駆動する電子制御スロットルを備えた構成が知られている(例えば特許文献1等参照)。

電子制御スロットルを採用することにより、運転者スロットル操作に加えて走行状態等の車両状態に基づいてエンジン出力の制御を行うことができる。

概要

エンジンの出力調整多様化することができる乗物およびスロットル弁の駆動方法を提供する。 複数の燃焼室を有するエンジンと、各燃焼室のそれぞれに設けられ、当該燃焼室へ流入する吸気の流量を燃焼室ごとに個別に調整するための複数のスロットル弁と、複数のスロットル弁が2以上のグループグループ分けされ、当該グループごとにスロットル弁を電気的に駆動する2以上の駆動機構と、運転者のスロットル操作量および予め定められる車両状態に基づいて駆動機構を制御するスロットル制御装置と、を備え、スロットル制御装置は、予め定められる出力調整条件を満足した場合、駆動機構ごとに異なるスロットル開度指令を与える。

目的

本発明は、以上のような課題を解決すべくなされたものであり、エンジンの出力調整を多様化することができる乗物およびスロットル弁の駆動方法を提供する

効果

実績

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請求項1

複数の燃焼室を有するエンジンと、各燃焼室のそれぞれに設けられ、当該燃焼室へ流入する吸気の流量を燃焼室ごとに個別に調整するための複数のスロットル弁と、前記複数のスロットル弁が2以上のグループグループ分けされ、当該グループごとに前記スロットル弁を電気的に駆動する2以上の駆動機構と、運転者スロットル操作量および予め定められる車両状態に基づいて前記駆動機構を制御するスロットル制御装置と、を備え、前記スロットル制御装置は、予め定められる出力調整条件を満足した場合、前記駆動機構ごとに異なるスロットル開度指令を与える、乗物

請求項2

前記スロットル制御装置は、前記出力調整条件を満足しない場合に、入力される運転者のスロットル操作情報に基づいて、各駆動機構に共通となる共通スロット開度指令を与え、前記出力調整条件を満足した場合に、前記2以上の駆動機構のうちの少なくとも1つの駆動機構に、前記共通スロットル開度指令を与え、その他の駆動機構に、前記共通スロットル開度指令と異なる調整用スロットル開度指令を与える、請求項1に記載の乗物。

請求項3

前記調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度時間的変化は、前記共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも大きく設定される、請求項2に記載の乗物。

請求項4

前記スロットル制御装置は、前記車両状態と前記運転者のスロットル操作情報とに基づいて、前記共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率よりも、要求される出力上昇率が大きいと判断した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定する、請求項2または3に記載の乗物。

請求項5

前記スロットル制御装置は、前記燃焼室内が不燃状態である場合において前記スロットル操作情報が出力を増大する指令を含む場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与える、請求項2から4の何れかに記載の乗物。

請求項6

前記スロットル制御装置は、エンジン駆動力とは異なる駆動力に起因するエンジン回転数の増加によるトルク低下を判断した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与える、請求項2から5の何れかに記載の乗物。

請求項7

前記スロットル制御装置は、走行中において減速比を高めるような変速を行うことにより予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を検出した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与える、請求項2から6の何れかに記載の乗物。

請求項8

前記エンジンの出力に基づいて駆動される駆動輪を備え、前記スロットル制御装置は、前記駆動輪のスリップを検出または予測した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与える、請求項2または3に記載の乗物。

請求項9

前記調整用スロットル開度指令は、前記共通スロットル開度指令に比べて、前記運転者のスロットル操作情報の依存度が小さく設定される、請求項2から8の何れかに記載の乗物。

請求項10

前記乗物の姿勢に基づいて前記出力調整条件が設定される、請求項1から8の何れかに記載の乗物。

請求項11

複数の燃焼室を有するエンジンの前記燃焼室ごとに設けられる複数のスロットル弁の駆動方法であって、予め定められる出力調整条件を満足しない場合、各スロットル弁を運転者のスロットル操作に依存する共通スロットル開度となるように駆動し、前記出力調整条件を満足した場合、前記複数のスロットル弁のうちの少なくとも1つのスロットル弁を前記共通スロットル開度となるように駆動するとともに、その他のスロットル弁を前記共通スロットル開度より運転者のスロットル操作の依存度が小さい調整用スロットル開度となるように駆動する、駆動方法。

技術分野

0001

本発明は、乗物およびスロットル弁駆動方法に関する。

背景技術

0002

鞍乗型車両等の乗物においてエンジン燃焼室へ送られる吸気の流量を調整するためのスロットル弁を電気的に駆動する電子制御スロットルを備えた構成が知られている(例えば特許文献1等参照)。

0003

電子制御スロットルを採用することにより、運転者スロットル操作に加えて走行状態等の車両状態に基づいてエンジン出力の制御を行うことができる。

先行技術

0004

国際公開2005/047672号

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、従来構成では全気筒に対して同じ吸気量制御を行うため、エンジン全体としての出力を微調整する等、エンジンの出力調整を行うことが難しい場合があった。

0006

本発明は、以上のような課題を解決すべくなされたものであり、エンジンの出力調整を多様化することができる乗物およびスロットル弁の駆動方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様に係る乗物は、複数の燃焼室を有するエンジンと、各燃焼室のそれぞれに設けられ、当該燃焼室へ流入する吸気の流量を燃焼室ごとに個別に調整するための複数のスロットル弁と、前記複数のスロットル弁が2以上のグループグループ分けされ、当該グループごとに前記スロットル弁を電気的に駆動する2以上の駆動機構と、運転者のスロットル操作量および予め定められる車両状態に基づいて前記駆動機構を制御するスロットル制御装置と、を備え、前記スロットル制御装置は、予め定められる出力調整条件を満足した場合、前記駆動機構ごとに異なるスロットル開度指令を与えるものである。

0008

上記構成によれば、複数のスロットル弁が2以上のグループにグループ分けされ、グループごとにスロットル弁のスロットル開度が電気的に制御される。したがって、スロットル開度をグループごとに異ならせることができ、エンジンの気筒ごとに得られる出力を異ならせることができる。これにより、エンジンの出力調整を多様化することができる。

0009

前記スロットル制御装置は、前記出力調整条件を満足しない場合に、入力される運転者のスロットル操作情報に基づいて、各駆動機構に共通となる共通スロット開度指令を与え、前記出力調整条件を満足した場合に、前記2以上の駆動機構のうちの少なくとも1つの駆動機構に、前記共通スロットル開度指令を与え、その他の駆動機構に、前記共通スロットル開度指令と異なる調整用スロットル開度指令を与えてもよい。これによれば、スロットル開度をグループごとに異ならせる場合においても、一部のグループにおいては共通スロットル開度指令を維持させることで、調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度を共通スロットル開度指令から大きく変化させても、エンジン全体としての出力変化の影響を小さくすることができる。したがって、エンジン出力の急激な変化を防止しつつ、エンジン出力を所望の出力に微調整することができる。

0010

前記調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化は、前記共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも大きく設定されてもよい。これによれば、スロットル開度をグループごとに異ならせる場合においても、一部のグループにおいては共通スロットル開度指令を維持させることで、調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化を共通スロットル開度指令から大きくしても、エンジン全体としての出力変化の影響を小さくすることができる。したがって、エンジン出力の急激な変化を防止しつつ、エンジン出力を所望の出力に微調整することができる。

0011

前記スロットル制御装置は、前記車両状態と前記運転者のスロットル操作情報とに基づいて、前記共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率よりも、要求される出力上昇率が大きいと判断した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定してもよい。これによれば、出力上昇率を上げるためにスロットル開度をグループごとに異ならせる(すなわち、一部のスロットル弁のスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくする)ことにより、すべてのスロットル弁のスロットル開度を大きくする場合に比べて最終的なエンジン出力の変化を抑えつつ出力上昇率を大きくすることができる。

0012

前記スロットル制御装置は、前記燃焼室内が不燃状態である場合において前記スロットル操作情報が出力を増大する指令を含む場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与えてもよい。これによれば、前記燃焼室内が不燃状態である場合において前記スロットル操作情報が出力を増大する指令を含む場合に、一部のスロットル弁のスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくすることにより、加速時における燃焼室内での燃料の突然の着火によるトルクの急激な立ち上がりを防止し、スムーズな加速を行うことができる。

0013

前記スロットル制御装置は、エンジン駆動力とは異なる駆動力に起因するエンジン回転数の増加によるトルク低下を判断した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与えてもよい。これによれば、慣性、自重等により、路面を介して与えられる気筒内の燃料爆発以外の駆動力によって、エンジン回転数の増加に起因するトルク低下が生じた場合において、一部のスロットル弁のスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくすることにより、エンジン回転数が高くなることによる燃焼室内での燃料の失火によるトルクの急激な低下を防止し、スムーズな減速を行うことができる。

0014

前記スロットル制御装置は、走行中において減速比を高めるような変速を行うことにより予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を検出した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与えてもよい。これによれば、シフトダウン時等の走行中において減速比を高めるような変速を行った際に予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を検出した場合において、一部のスロットル弁のスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくすることにより、走行中の変速によるエンジン回転数の増加に起因したトルク低下の発生を抑制し、スムーズな変速を行うことができる。

0015

前記乗物は、前記エンジンの出力に基づいて駆動される駆動輪を備え、前記スロットル制御装置は、前記駆動輪のスリップを検出または予測した場合に、前記出力調整条件を満足すると判定し、前記調整用スロットル開度指令として前記共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与えてもよい。これによれば、駆動輪がスリップしている状態またはスリップしそうな状態において、一部のスロットル弁のスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくすることにより、すべてのスロットル弁のスロットル開度を小さくする場合に比べて車両の急な変化を防止しつつエンジン出力を抑えて駆動輪のスリップを抑制することができる。

0016

前記乗物の姿勢に基づいて前記出力調整条件が設定されてもよい。乗物の姿勢によってはエンジンのトルク変化が走行状態に与える影響が大きい場合がある。このため、乗物の姿勢に応じて出力調整を行うことにより、エンジンのトルク変化が走行状態に与える影響を小さくすることができる。

0017

前記調整用スロットル開度指令は、前記共通スロットル開度指令に比べて、前記運転者のスロットル操作情報の依存度が小さく設定されてもよい。これによれば、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の何れも運転者のスロットル操作情報に基づいて決定されるとしながらも、調整用スロットル開度指令において、その依存度を小さくすることで、一部のスロットル弁のスロットル開度が共通スロットル開度指令と異なるように設定される。したがって、一部のスロットル弁のスロットル開度が共通スロットル開度指令と異なるように設定された場合においても、運転者のスロットル操作の傾向が反映されるため、運転者に違和感を与えないようにすることができる。

0018

また、本発明の他の態様に係るスロットル弁の駆動方法は、複数の燃焼室を有するエンジンの前記燃焼室ごとに設けられる複数のスロットル弁の駆動方法であって、予め定められる出力調整条件を満足しない場合、各スロットル弁を運転者のスロットル操作に依存する共通スロットル開度となるように駆動し、前記出力調整条件を満足した場合、前記複数のスロットル弁のうちの少なくとも1つのスロットル弁を前記共通スロットル開度となるように駆動するとともに、その他のスロットル弁を前記共通スロットル開度より運転者のスロットル操作の依存度が小さい調整用スロットル開度となるように駆動するものである。

0019

上記方法によれば、複数のスロットル弁が2以上のグループにグループ分けされ、スロットル開度をグループごとに異ならせることができる。したがって、エンジンの気筒ごとに得られる出力を異ならせることができ、エンジンの出力調整を多様化することができる。

発明の効果

0020

本発明は以上に説明したように構成され、エンジンの出力調整を多様化することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0021

本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す右側面図である。
図1に示す自動二輪車のスロットル制御に関連する制御系システム構成を示すブロック図である。
図1に示す自動二輪車のスロットル装置外観を示す平面図である。
燃焼室内が不燃状態となり易い状況を例示するためのスロットル開度、燃焼室内圧発生トルクの時間的変化、および各スロットル開度におけるトルクのエンジン回転数による変化を示すグラフである。
本実施の形態における微開時制御判定処理の流れを示すフローチャートである。
減速の際にシフトダウンを行うことによるエンジン回転数およびトルクの時間的変化を、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の時間的変化とともに示すグラフである。
本実施の形態におけるウィリー抑制制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
本実施の形態におけるスライド抑制制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
排気管接続態様を例示するための模式図である。
排気管の接続態様を例示するための模式図である。

実施例

0022

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。本実施形態においては、本発明を自動二輪車に適用した例について説明するが、本発明は自動二輪車の他、ATV(All Terrain Vehicle)等の運転者がシートに跨った状態で運転する鞍乗型乗物および四輪自動車を含む乗物に適用可能である。

0023

図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す右側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、路面上を転動する前輪2および後輪3を備えている。後輪3が駆動輪であり、前輪2が従動輪である。前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク4の下端部にて回転自在に支持されており、該フロントフォーク4は、その上端部に設けられたアッパーブラケット(図示せず)と該アッパーブラケットの下方に設けられたアンダーブラケット(図示せず)とを介してステアリングシャフト(図示せず)に支持されている。該ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ5によって回転自在に支持されている。アッパーブラケットには、左右へ延びるバー型のハンドル6が取り付けられている。前輪2の左右両側には前輪ブレーキディスク36Aが固定されている。フロントフォーク4の下端部には、前輪ブレーキキャリパ36Bが支持されている。前輪ブレーキディスク36Aおよび前輪ブレーキキャリパ36Bは、前輪ブレーキ36を構成し、前輪ブレーキキャリパ36Bのピストン(図示せず)が油圧により前輪ブレーキディスク36Aに押し付けられることによりブレーキ力を発生させる。

0024

ハンドル6の運転者の右手により把持される部分に設けられたスロットルグリップ7は、手首ひねりにより回転させることで後述するスロットル装置16(図2参照)を操作するためのものである。スロットルグリップ7の回転量は、スロットル操作量センサ41(図2参照)により検出され、スロットル操作量情報として、後述するエンジンECU17に送られる。スロットルグリップの前方には前輪ブレーキ36を作動させるブレーキレバー59が設けられている。ハンドル6の運転者の左手により把持される部分に設けられたグリップの前方にはクラッチレバー(図示せず)が設けられている。運転者は、ハンドル6を回動操作することにより、ステアリングシャフトを回転軸として前輪2を所望の方向へ転向させることができる。

0025

ヘッドパイプ5からは左右一対メインフレーム9が下方に傾斜しながら後方へ延びており、該メインフレーム9の後部に左右一対のピボットフレーム10が接続されている。該ピボットフレーム10には、略前後方向に延びるスイングアーム11の前端部が枢支されており、該スイングアーム11の後端部に後輪3が回転自在に軸支されている。ハンドル6の後方には燃料タンク12が設けられており、該燃料タンク12の後方に運転者騎乗用のシート13が設けられている。後輪3の右側には後輪ブレーキディスク38Aが固定されている。スイングアーム11の後端部には、後輪ブレーキキャリパ38Bが支持されている。後輪ブレーキディスク38Aおよび後輪ブレーキキャリパ38Bは、後輪ブレーキ38を構成し、後輪ブレーキキャリパ38Bのピストン(図示せず)が油圧により後輪ブレーキディスク38Aに押し付けられることによりブレーキ力を発生させる。シート13の下方かつ左右両側には、運転者が足を載せるステップ15が設けられている。右側のステップ15には、前方へ延びるブレーキペダル60が軸支されており、運転者が足で踏み込むことにより、後輪ブレーキ38を作動させることができる。

0026

ブレーキ圧は、ブレーキ圧センサ43(図2参照)により検出され、後述するエンジンECU17に送られる。また、エンジンECU17には、前輪車速センサ44(図2参照)で検出された前輪2の回転速度(前輪車速)および後輪車速センサ45(図2参照)で検出された後輪3の回転速度(後輪車速)も送られる。

0027

車体の所定位置には、車両の慣性状態を検出する慣性センサ46(図2参照)が設けられる。慣性センサ46は、車両の傾斜角ヨー角ロール角バンク角)、ピッチ角)を計測したり、車両の加速度(前後(X軸)方向の加速度、幅(Y軸)方向加速度、高さ(Z軸)方向加速度)を計測したりするものである。傾斜角を検出する慣性センサ46としては、例えばそれぞれの角度の角速度を検出するジャイロセンサを用いることができる。加速度を検出する慣性センサ46としては、例えばそれぞれの方向の加速度を検出する加速度センサを用いることができる。慣性センサ46は、例えばジャイロセンサ等により構成される。検出された各慣性状態は、車両の慣性情報として後述するエンジンECU17に送られる。

0028

前輪2と後輪3との間には、エンジンEがメインフレーム9およびピボットフレーム10に支持された状態で搭載されている。図1には、複数の燃焼室31を有するエンジンEとして並列気筒エンジンが例示されている。すなわち、エンジンEは4つの燃焼室31を有する。エンジンEの出力軸回転数(エンジン回転数)は、エンジン回転数センサ42(図2参照)で検出され、エンジン状態情報として後述するエンジンECU17に送られる。

0029

エンジンEの出力軸には変速装置(図示せず)が接続されており、この変速装置から出力される駆動力がチェーン(図示せず)を介して後輪3に伝達される。変速装置は、複数のギヤ比変速位置)を有し、変速位置がポジションセンサ47(図2参照)により検出され、後述するエンジンECU17に送られる。また、シート13の下方の内部空間には、後述するスロットル装置16、点火装置(図示せず)および燃料噴射装置(例えばインジェクタ、図示せず)等を制御するエンジン制御装置であるエンジンECU(Electric Control Unit)17が収容されている。

0030

図2は、図1に示す自動二輪車のスロットル制御に関連する制御系のシステム構成を示すブロック図である。エンジンEの吸気ポート32と吸気をエンジンEに導入する吸気ダクト33との間にはスロットル装置16が接続されている。スロットル装置16の上流側には燃料タンク12の下方に配置されたエアクリーナ(図示せず)が接続されており、前方からの走行風圧を利用して外気を取り込む構成となっている。なお、図2においてはエンジンEの排気ポートは図示を省略している。

0031

スロットル装置16は、エンジンEの4つの燃焼室31のそれぞれに設けられ、当該燃焼室へ流入する吸気の流量を燃焼室ごとに個別に調整するための複数(4つ)のスロットル弁を備える。さらに、スロットル装置16は、4つのスロットル弁を電気的に駆動する2以上の駆動機構を備える。スロットル装置16は、スロットル制御装置として機能するエンジンECU17により制御される。すなわち、エンジンECU17は、2以上の駆動機構のそれぞれを制御する。このように、本実施の形態におけるスロットル装置16は、電子制御スロットルを構成する。

0032

本実施の形態では、2つの駆動機構19A,19Bを備え、一方の駆動機構19Aが4つのスロットル弁のうちの2つのスロットル弁18A1,18A2(スロットル弁18Aと総称する)を駆動し、他方の駆動機構19Bが4つのスロットル弁のうちの残りの2つのスロットル弁18B1,18B2(スロットル弁18Bと総称する)を駆動する。このように、4つのスロットル弁18A,18Bは駆動させる駆動機構19A,19Bの異同によって2つのグループA,Bにグループ分けされている。スロットル弁を制御する駆動機構を2以上の系統に分けることにより、駆動機構ごとに燃焼室への吸気の流量を制御可能となるため、より詳細なエンジン制御が可能となる。

0033

スロットル弁18A,18Bは、グループA,Bごとに一体形成される2つのスロットルボディ20A,20Bにそれぞれ支持される。2つのスロットルボディ20A,20Bは、気筒の配列方向に沿って並んで配列される。すなわち、4つの燃焼室31が直列に並んで構成されるエンジンEに、2つのスロットルボディ20A,20Bが直列に配列された状態で取り付けられる。駆動機構19A,19Bごとにスロットルボディ20A,20Bを分けることにより、スロットルボディ20A,20B単位で駆動機構19A,19B等の組み付けを行うことができ、エンジンEの組み立てを容易に行うことができる。このように、スロットルボディ20A,20B単位でユニット化することができるため、製造コスト下げることができる。

0034

図3は、図1に示す自動二輪車のスロットル装置の外観を示す平面図である。図3に示すように、スロットル弁18A,18Bは、スロットルボディ20A,20Bに形成される円筒状の吸気導入口21に直交する回動軸22A,22B回りに回動可能に構成される。スロットル弁18A,18Bの回動軸22A,22Bは、気筒の配列方向に沿って配置され、グループA,Bごとに共通化される。すなわち、回動軸22Aには、グループAに属するスロットル弁18A1,18A2が固定され、回動軸22Bには、グループBに属するスロットル弁18B1,18B2が固定される。このように、本実施の形態における複数のスロットル弁18A,18Bを駆動する回動軸22A,22Bは、左右に(気筒の配列方向に)分断されている。

0035

回動軸22A,22Bは、互いに同一軸線上に配設される。ただし、これに限られず、例えば、回動軸22A,22Bがスロットル弁18A,18Bを通過する吸気の流れ方向(吸気導入口21の軸線方向。図3紙面前後方向)にずれて配設されてもよい。

0036

駆動機構19A,19Bのそれぞれは、回動軸22A,22Bを駆動するための回転動力を発生させるモータ23A,23Bと、モータ23A,23Bの出力軸とスロットル弁18A,18Bの回動軸22A,22Bとを接続するリンク機構24A,24Bとを備えている。リンク機構24A,24Bは、例えば所定の減速比を有する複数の減速ギヤで構成される。本実施の形態において、モータ23A,23Bは、同じ能力(例えば、最高出力最高回転数最大トルク等)を有し、リンク機構24A,24Bは、減速比が同じであるように構成される。

0037

さらに、各駆動機構19A,19Bは、スロットル弁18A,18Bの回動軸22A,22Bの回動角度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ25A,25Bをそれぞれ備えている。スロットル開度センサ25A,25Bは、例えばロータリエンコーダ等で構成される。リンク機構24A,24Bは、スロットルボディ20A,20Bとスロットル開度センサ25A,25Bとの間に設けられる。

0038

以上のように、モータ23A,23B、リンク機構24A,24Bおよびスロットル開度センサ25A,25Bは、それぞれ、グループごとに設けられる。2つのモータ23A,23Bで4つのスロットル弁18A1,18A2,18B1、18B2を駆動することにより、1つのモータで4つのスロットル弁を駆動する場合に比べて各モータ23A,23Bに必要な駆動力を減らすことができ、モータ23A,23Bを小型化することができる。

0039

また、1つのモータで4つのスロットル弁を駆動する場合に比べてスロットル弁18A,18Bの回動軸22A,22Bを短くすることができる。このため、回動軸22A,22Bに生じるねじりを減少させることができ、各スロットル弁18A,18Bにおけるスロットル開度のばらつきを抑えることができる。

0040

また、4つのスロットル弁18A,18Bを2以上の駆動機構19A,19Bで駆動するため、一の駆動機構に異常が生じた場合(例えば駆動機構19Aのモータ23A、リンク機構24Aまたはスロットル開度センサ25Aに異常が生じた場合)に、エンジンECU17が、異常が生じた当該一の駆動機構のスロットル弁(18A)を閉じ、対応する燃料噴射装置の燃料噴射を停止しつつ、他の駆動機構(例えば19A)のスロットル開度を徐々に閉じ、対応する燃料噴射装置の燃料噴射を徐々に閉じるスロットル開度に合わせて制御することができる。これにより、一の駆動機構に異常が生じた場合にすべてのスロットル弁18A,18Bを閉じることによる車両への衝撃を緩和しつつ、エンジン制御が可能な期間を長くして車両の走行可能な期間を長くすることができる。

0041

また、1つのエンジンEに対して2以上のスロットル開度センサ25A,25Bを備えることにより、別途安全装置を設ける必要がなくなる。例えば、センサを二重系とする(同じ箇所に複数のセンサを設ける)必要がなくなる。この場合、例えば、エンジンECU17は、2以上の駆動機構が共通スロットル開度指令に基づいて駆動している場合に、対応する2以上のスロットル開度センサで検出されるスロットル開度の値の差が所定値以上となると何れかの駆動機構に異常が生じていると判定することができる。また、1つのエンジンEに対して2以上の制御系統が設けられることにより、エンジン制御のための回路負荷を低減させることができる。例えば、各モータ23A,23Bへの電力供給、スロットル開度センサ25A,25Bへの電力供給および信号受信のための回路および配線として、スロットル弁を1つの制御系統で制御する従来の態様と同様の性能とした場合でも、当該回路および配線の能力に余裕を持たせることができる。

0042

モータ23A,23Bは、平面視(図3)において対応するスロットルボディ20A,20Bとスロットルボディ20A,20B(スロットル弁18A,18B)の配列方向に直交する方向に関してオーバーラップするように配設される。これにより、スロットル装置16におけるスロットルボディ20A,20Bの配列方向の長さを抑制することができる。モータ23A,23Bは、各出力軸が回動軸22A,22Bと平行になるように配設される。

0043

スロットル装置16は、駆動機構19A,19Bごとに設けられる2つの付勢機構26A,26Bを備えている。付勢機構26A,26Bのそれぞれは、駆動機構19A,19Bのそれぞれによって駆動される複数のスロットル弁18A,18Bのそれぞれを閉じる方向に付勢する。より具体的には、付勢機構26A,26Bは、回動軸22A,22Bのそれぞれを当該回動軸22A,22Bの軸線回りに付勢するように構成される。付勢機構26A,26Bは、例えばコイルばねにより構成される。

0044

付勢機構26A,26Bをスロットルボディ20A,20B間に配設することにより、スロットルボディ20A,20Bの外側に付勢機構26A,26Bを設ける必要がなくなる。複数のスロットルボディを直列に接続する従来構造では、スロットルボディ間に各スロットルボディのスロットル弁を駆動する回動軸を接続するための機構が存在するが、本構成では、両者を接続する必要がない。このため、スロットルボディ20A,20B間に付勢機構26A,26Bを設けることにより、スロットルボディ20A,20B、スロットル弁18A,18Bおよび駆動機構19A,19Bを含むスロットル装置16の燃焼室配列方向の長さを短くすることができる。なお、エンジンEの燃焼室配列方向一方側端部(例えば駆動機構19B側)にはエンジンEの出力軸の回転動力を吸気バルブおよび排気バルブ開閉駆動するためのカムシャフトに伝える動弁機構であるカムチェーン(図示せず)が配置される。このため、平面視においてカムチェーンと少なくとも一部がオーバーラップするように駆動機構19Bをスロットルボディ20Bから燃焼室配列方向に突出して配置しても、複数のスロットルボディを直列に接続する従来構造に対して燃焼室配列方向の長さに関するデメリットは生じない。すなわち、従来構造に対して付勢機構をスロットルボディ20Aの外側に設けなくてよい分だけ燃焼室配列方向の長さを短くすることができる。付勢機構26A,26Bは設けなくてもよい。付勢機構26A,26Bは設けなくてもよい。

0045

スロットル弁18の配列方向に直交する方向に関して、駆動機構19A,19Bを構成するモータ23A,23Bは、スロットルボディ20A,20Bを挟んでインジェクタ(図示せず)とは反対側に配置される。これにより、インジェクタへ燃料を供給する配管(図示せず)とモータ23A,23Bとが干渉することを防止することができる。

0046

エンジンECU17は、駆動機構19A,19Bのモータ23A,23Bおよびスロットル開度センサ25A,25Bに電気的に接続される。エンジンECU17は、各モータ23A,23Bにスロットル開度指令として電流信号を出力する。各モータ23A,23Bは、エンジンECU17から与えられたスロットル開度指令に基づいて対応するスロットル弁18A,18Bの回動軸22A,22Bを回動させる。回動軸22A,22Bの回動に伴い、スロットル弁18A,18Bの開度が変化する。エンジンECU17からの電流信号は、モータ23A,23Bの駆動電力となる。スロットル開度センサ25A,25Bは、回動軸22A,22Bの回転角度を検出し、エンジンECU17にフィードバックする。

0047

なお、エンジンECU17と各駆動機構19A,19Bとが個別に電気的に接続されるよう配線されてもよいし、駆動すべき駆動機構19A,19Bにスロットル開度指令を与えるようにエンジンECU17と駆動機構19A,19Bとが選択的に接続されることとしてもよい。

0048

スロットルボディ20A,20Bは、スロットル弁18A,18Bの配列方向中央部を基準として互いに対称形状を有している。本実施の形態において、付勢機構26A,26Bは、隣り合うスロットルボディ20A,20B間に配設されている。すなわち、付勢機構26A,26Bは、各回動軸22A,22Bの一端部に取り付けられる。また、駆動機構19A,19Bは、隣り合うスロットルボディ20A,20Bの配列方向両端側に配設される。すなわち、駆動機構19A,19Bは、各回動軸22A,22Bの他端部に取り付けられる。これにより、スロットル装置16の外側に駆動機構19A,19Bが配置されるため、メンテナンスを容易に行うことができる。

0049

ここで、スロットル制御装置として機能するエンジンECU17は、予め定められる出力調整条件を満足した場合、駆動機構19A,19Bごとに異なるスロットル開度指令を与えるように構成される。具体的には、エンジンECU17は、出力調整条件を満足しない場合に、入力される運転者のスロットル操作情報に基づいて、各駆動機構19A,19Bに共通となる共通スロットル開度指令を与える共通制御を行う。一方、出力調整条件を満足した場合、エンジンECU17は、グループAの駆動機構19Aに、共通スロットル開度指令を与え、グループBの駆動機構19Bに、共通スロットル開度指令と異なる調整用スロットル開度指令を与えるグループ別制御を行う。エンジンECU17には、出力調整条件、共通制御の実行内容、グループ別制御の実行内容、および制御の流れを示すプログラムが予め記憶され、エンジンECU17は、当該プログラムを実行することにより、スロットル制御装置として機能する。

0050

上記構成によれば、複数(4つ)のスロットル弁18A1,18A2,18B1,18B2が2つのグループA,Bにグループ分けされ、グループA,Bごとにスロットル弁18A,18Bのスロットル開度が電気的に制御される。したがって、スロットル開度をグループA,Bごとに異ならせることができる。このため、エンジンEの各燃焼室31への吸気量をグループA,Bごとに異ならせることができ、エンジンEの気筒ごとに得られる出力をグループA,Bごとに異ならせることができる。これにより、エンジンEの出力調整を多様化することができる。

0051

また、スロットル開度をグループA,Bごとに異ならせるグループ別制御を行う場合においても、一部のグループAにおいては共通制御時と同じ共通スロットル開度指令を維持させることで、グループBに対して指令される調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度を共通スロットル開度指令から大きく変化させても、エンジンE全体としての出力変化の影響を小さくすることができる。したがって、エンジン出力の急激な変化を防止しつつ、所望の出力を微調整することができる。

0052

エンジンECU17には、エンジン回転数等のエンジン状態情報、運転者のスロットル操作量情報、およびその他の車両状態情報が、前述した各センサ41〜47により検出され、入力される。車両状態情報には、車速、前後輪の車速差に基づくスリップ情報、ブレーキ圧、車両の傾斜情報等が含まれる。

0053

出力調整条件は、主に車両状態情報に基づいて設定される。エンジン状態情報も車両状態を間接的に把握するために出力調整条件の1つとして用いられ得る。ただし、出力調整条件は、エンジン状態情報のみでは設定されない。

0054

エンジンECU17には、例えば運転者によるスロットル操作量S(スロットル操作位置)とエンジン回転数Rとの組み合わせに対して予め定められる目標スロットル開度θoの値を示す静的な(staticな)制御マップが記憶されている。エンジンECU17は、当該静的な制御マップに基づいて共通スロットル開度指令を生成する。

0055

なお、すべての駆動機構19A,19Bに共通スロットル開度指令が与えられる共通制御時においてエンジン状態または車両状態等に応じて制御マップに予め定められている目標スロットル開度と異なる目標スロットル開度を共通スロットル開度指令としてもよい。この場合であっても、全ての駆動機構19A,19Bに共通スロットル開度指令が与えられるため、すべてのスロットル弁18A,18Bが同じように駆動される。

0056

エンジンECU17は、出力調整条件を満足した場合に、車両状態情報に基づいた調整用スロットル開度指令を生成する。調整用スロットル開度指令は、例えば共通スロットル開度指令の生成に用いられる静的な制御マップにおける対応値を条件に応じた調整用パラメータを用いて補正することにより生成される。すなわち、調整用スロットル開度指令は、共通スロットル開度指令に対して動的に(dynamicに)生成される。例えば、エンジンECU17は、スロットル操作量およびエンジン回転数に対する目標スロットル開度を静的な制御マップから読み出し、出力調整条件および車両状態情報に応じて当該目標スロットル開度に所定の補正係数掛けたスロットル開度にする。補正係数が1より大きければ目標スロットル開度より所定割合大きいスロットル開度にすることができ、補正係数が1より小さければ目標スロットル開度より所定割合小さいスロットル開度にすることができる。また、目標スロットル開度自体は変更せずに、目標スロットル開度への到達時間(スロットル開度の時間的変化量)を変更してもよい。

0057

これに代えて、エンジンECU17には、車両状態情報に応じた制御マップが予め記憶されていてもよい。すなわち、車両状態情報に応じた目標スロットル開度がスロットル操作量およびエンジン回転数から予め定められていてもよい。

0058

いずれにしても、調整用スロットル開度指令は、共通スロットル開度指令に比べて、運転者のスロットル操作情報の依存度が小さく設定される。これによれば、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の何れも運転者のスロットル操作情報に基づいて決定されるとしながらも、調整用スロットル開度指令において、その依存度を小さくすることで、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度が共通スロットル開度指令と異なるように設定される。したがって、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度が共通スロットル開度指令と異なるように設定された場合においても、運転者のスロットル操作の傾向が反映されるため、運転者に違和感を与えないようにすることができる。

0059

なお、調整用スロットル開度指令において、運転者のスロットル操作情報の依存度が小さいとは、運転者のスロットル操作情報に対する指令値の変化が小さいこと、および/または運転者のスロットル操作情報以外の入力に対する指令値の変化が大きいことを意味する。また、調整用スロットル開度指令において運転者のスロットル操作情報の影響を受けない場合も含み得る。

0060

以上のように、本実施の形態においては、共通制御時だけでなくグループ別制御時においてもすべてのスロットル弁18A,18Bが駆動制御される。さらに、グループ別制御時においても、運転者の要求する出力(スロットル操作量)に実際の出力を近付けるようにスロットル弁18A,18Bが駆動制御される。また、燃焼室31ごとに設けられる燃料噴射装置は、エンジンECU17により同じ燃焼室31に設けられるスロットル弁18A,18Bのスロットル開度に応じて個別に燃料噴射量が制御される。すなわち、各燃料噴射装置は、グループA,Bごとに個別に燃料噴射量が制御される。なお、空燃比吸気流量に対する燃料供給量の割合)は、共通制御時およびグループ別制御時の何れも所定の値を維持するように制御される。

0061

以下、出力調整条件の例示とともに当該出力調整条件を満たした場合のグループ別制御の態様についていくつか例示する。

0062

[微開時制御]
例えば、エンジンECU17は、車両状態と運転者のスロットル操作情報とに基づいて、共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率よりも、要求される出力上昇率が大きいと判断した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。具体的には、例えばエンジンECU17は、燃焼室31内が不燃状態である場合においてスロットル操作情報が出力を増大する指令を含む場合に、出力調整条件を満足すると判定する。より具体的には、エンジンECU17は、スロットル操作量の増大およびエンジン回転数の上昇時に予め定められた増加量より少ないトルク上昇が検出された場合に、出力調整条件を満足すると判定する。

0063

図4は、燃焼室内が不燃状態となり易い状況を例示するためのスロットル開度、燃焼室内圧、発生トルクの時間的変化、および各スロットル開度におけるトルクのエンジン回転数による変化を示すグラフである。図4に示すように、例えば停止時からゆっくり加速する場合等、エンジン回転数が所定の回転数より大きい状態でスロットル開度変化が小さい場合に、燃焼室31内が不燃状態(燃料噴射装置から噴射した燃料の一部が燃焼しない状態)となる(時刻t0未満)。

0064

この場合、スロットル開度を大きくして燃焼室31内への空気の導入量を多くすれば燃焼室31の内圧が高まり(図4に示す内圧がPaからPbに変化し)、燃焼室31内の燃料が着火して、燃焼状態(燃料噴射装置から噴射した燃料の大部分が燃焼する状態)となる。しかし、内圧がPaからPbの間(時刻t0からt1の間)は燃料に着火するかどうか分からない過渡状態となるため、不燃状態から燃焼状態への変化は、過渡状態を経る分、スロットル開度の変化から遅れることになる。燃焼室31で燃料が燃焼されることにより、エンジンEから出力されるトルクが立ち上がるため、不燃状態から燃焼状態への変化の遅れは、そのままトルクの立ち上がりの遅れとなって現れる。すなわち、過渡状態では共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率に対して、実際に得られる出力上昇率が小さいため、共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率(トルクの時間変化のグラフにおいて実線で示される)よりも、要求される出力上昇率(同じグラフにおいて破線で示される)が大きい状況となる。しかも、燃焼状態となったときの燃焼室31内の燃料の量は不燃状態から燃焼状態に移行するまでに燃料噴射装置から噴射された燃料分と、その時に燃料噴射装置から噴射された燃料分とを加えたものとなる。したがって、燃焼室31内の燃料が着火して燃焼状態となった途端、トルクの立ち上がりが急激に生じ(時刻t1)、車両に衝撃が生じる場合がある。特に、自動車に比べて軽量で走行姿勢変化の大きい鞍乗型乗物において、エンジン出力の急激な変化によって発生する衝撃は、車両への影響が大きい。

0065

このようなショックを抑えるためには燃焼室31内への空気の導入量を微増させることが必要とされる。しかし、エンジンEのすべてのスロットル弁18A,18Bに対してスロットル開度を少しだけ大きくするように制御することはスロットル開度の変化量が小さいため難しい。

0066

そこで、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくする調整用スロットル開度指令を与える微開時制御を行う。これにより、エンジンE全体として空気の導入量を微増させつつ、調整用スロットル開度指令を与えるスロットル弁18のスロットル開度の変化量を比較的に大きくすることができる。このため、エンジン出力の急激な変化を防止しつつ出力上昇率を大きくすることができる。したがって、すべてのスロットル弁18A,18Bのスロットル開度を大きくする場合に比べて車両への衝撃を抑えつつスロットル開度変化に対するトルクの追従性を良くすることができる。すなわち、実際のトルク変化を図4のトルクの時間変化のグラフにおいて破線で示されるトルク変化に近付けることができる。これにより、加速時における燃焼室内での燃料の突然の着火によるトルクの急激な立ち上がりを防止し、スムーズな加速を行うことができる。

0067

調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度は、目標スロットル開度の変更に加えてまたはこれに代えて、スロットル開度の時間的変化が、共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも大きく設定されたものでもよい。これにより、調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化を共通スロットル開度指令から大きくしても、エンジン全体としての出力変化の影響を小さくすることができる。したがって、エンジン出力の急激な変化を防止しつつ、出力上昇率を大きくすることができる。

0068

図5は、本実施の形態における微開時制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、エンジンECU17は、スロットル開度を検出し、スロットル開度が予め定められたスロットル開度のしきい値θth1未満かどうかを判定する(ステップSA1)。なお、判定に用いるスロットル開度は、スロットル開度センサ25A,25Bにより検出されるスロットル弁18A,18Bの回動角度(実際のスロットル開度)でもよいし、スロットル操作量センサにより検出されるスロットルグリップ7の回転量(スロットル操作量)でもよい。

0069

スロットル開度がしきい値θth1未満であると判定された場合(ステップSA1でYes)、エンジンECU17は、車速を検出し、車速が予め定められた車速のしきい値Vth未満かどうかを判定する(ステップSA2)。車速がしきい値Vth未満であると判定された場合(ステップSA2でYes)、エンジンECU17は、エンジン回転数を検出し、エンジン回転数が予め定められたエンジン回転数のしきい値Rthより大きいかどうかを判定する(ステップSA3)。

0070

エンジン回転数がしきい値Rthより大きい場合(ステップSA3でYes)、すなわち、スロットル開度がしきい値θth1未満であり、かつ、車速がしきい値Vth未満であり、かつ、エンジン回転数がしきい値Rthより大きい場合に、エンジンECU17は、共通スロットル開度指令で得られる出力上昇率よりも、要求される出力上昇率が大きいと判断し、上記微開時制御を行う(ステップSA4)。スロットル開度、車速およびエンジン回転数の各条件のうち1つでも満足しない場合(ステップSA1,SA2またはSA3でNo)、エンジンECU17は、微開時制御中かどうかを判定する(ステップSA5)。微開時制御中である場合(ステップSA5でYes)、テーリング処理を行い、微開時制御からすべての駆動機構19A,19Bに対して共通スロットル開度指令を与える共通制御へ移行する(ステップSA6)。

0071

スロットル開度のしきい値θth1、車速のしきい値Vthおよびエンジン回転数のしきい値Rthに加えてまたはこれに代えて、エンジンECU17には、スロットル開度(吸気圧でもよい)およびエンジン回転数からエンジンEの燃焼室31内の状態(不燃状態、過渡状態または燃焼状態)を求めるための対応関係が予め記憶され、エンジンECU17は、スロットル開度(または吸気圧)およびエンジン回転数の値から当該対応関係を用いて燃焼室31内の状態を求め、当該状態が不燃状態または過渡状態である場合に出力調整条件を満足すると判定してもよい。

0072

対応関係は、スロットル開度(または吸気圧)の各値とエンジン回転数の各値との組み合わせに対応して燃焼室31内の状態が定められたマップとして記憶されてもよいし、スロットル開度(または吸気圧)とエンジン回転数とを入力値とした演算式として記憶され、演算式の値に応じて燃焼室31内の状態が定められていてもよい。このような対応関係は、シミュレーション実車試験に基づいて予め求めることができる。

0073

[エンジン駆動力以外の駆動力発生時の制御]
また、例えば、スロットル開度が一定であっても、エンジン回転数が増加することで、エンジンEの燃焼室31内の状態が過渡状態となる可能性がある場合に、エンジンECU17が、エンジンEの燃焼室31内の状態が燃焼状態となるように、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令より大きいスロットル開度を与える制御を行ってもよい。

0074

例えば、エンジンECU17は、エンジン駆動力とは異なる駆動力に起因するエンジン回転数の増加によるトルク低下を判断した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。気筒内の燃料爆発とは異なる要因によってエンジン回転数が増加することがある。このとき、スロットル開度が一定であっても、エンジン回転数が増加することで、エンジンEの燃焼室31内の状態が不燃状態となる可能性がある。このような場合に、エンジンECU17は、エンジンEの燃焼室31内の状態が過渡状態または燃焼状態となるように、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令より大きいスロットル開度を与える制御を行う。

0075

駆動力とは異なる駆動力として、例えば走行中の車両の慣性力によって駆動輪を回転させようとする力が生じる。駆動輪が慣性力で回転させられることにより、駆動輪から動力伝達機構を介してエンジンEに駆動力が与えられる。このような慣性力の他、例えば下り坂走行時に重力によって与えられる力、走行時において追い風を受けた場合に追い風により与えられる力等がエンジン駆動力とは異なる駆動力として考えられる。

0076

このような駆動力に起因するエンジン回転数の増加によりトルクが低下する。このようなエンジン回転数の増加によるトルク低下を判断した場合に、エンジンECU17は、出力調整条件を満足すると判定し、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与えるグループ別制御を行う。例えば後述するように、シフトダウンにおけるエンジンブレーキ発生時に、燃焼室31内が一時的に過渡状態になる場合に、予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加(所定以上のトルク低下)が生じたと判断してもよい。

0077

さらに、エンジンECU17は、上記のようなグループ別制御を行うことにより、エンジンEの燃焼室31内の状態が不燃状態または過渡状態から燃焼状態に移行した場合には、調整用スロットル制御指令を与えていたスロットル弁18Bに共通スロットル制御指令を与える(共通制御に復帰する)こととしてもよい。

0078

減速時制御
また、例えば、エンジンECU17は、車両状態と運転者のスロットル操作情報とに基づいて、共通スロットル開度指令で得られる出力下降率よりも、要求される出力下降率が大きいと判断した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。具体的には、例えばエンジンECU17は、スロットル操作情報が出力を減少する指令を含む場合において燃焼室31内が過渡状態または不燃状態に移行しようとする場合に、出力調整条件を満足すると判定する。より具体的には、エンジンECU17は、スロットル操作量の減少およびエンジン回転数の下降時に予め定められた減少量より大きいトルク減少が検出された場合に、出力調整条件を満足すると判定する。減速時等のエンジン回転数の低下時においてスロットル開度が小さくなった場合に、上記図4の説明と逆の流れで燃焼室31内が燃焼状態から過渡状態を介して不燃状態に移行する場合がある。上述したように、過渡状態においては燃料が着火し難く、この結果、トルクが一気に低下してしまう。

0079

したがって、エンジンECU17は、エンジン回転数の低下時に予め定められた減少量以上のトルク低下を検出した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。そして、エンジンECU17は、このような場合に、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与える減速時制御を行う。すなわち、減速時制御においても、微開時制御と同様に、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくする調整用スロットル開度指令を与える。エンジンブレーキ制御時の調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度は、目標スロットル開度の変更に加えてまたはこれに代えて、スロットル開度の時間的変化が、共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも小さく設定されたものでもよい。

0080

これにより、減速時においてすべての気筒の燃焼室31内が不燃状態となることを防止することができ、トルクの急激な低下を防止し、スムーズな減速を行うことができる。

0081

[エンジンブレーキ制御(ブリッピングコントロール)]
また、例えば、エンジンECU17は、走行中においてシフトダウン等の減速比を高めるような変速を行うことにより予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を検出した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。図6は、減速の際にシフトダウンを行うことによるエンジン回転数およびトルクの時間的変化を、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の時間的変化とともに示すグラフである。図6において共通スロットル開度指令のグラフ(実線)として示されるように、急減速を行う際には、運転者はスロットル操作を全閉側に操作するため、スロットル開度は急速に0に近づく。これに伴いエンジンEからの出力が低下してエンジン回転数が徐々に低下する。

0082

ここで、エンジン回転数の低下中にシフトダウンが行われると、変速装置のギヤ比(減速比)が大きくなるため、駆動輪である後輪3と変速装置を介して接続されるエンジンEのエンジン回転数が増加する。なお、図6において変速位置をGa〜Geで示す。ここで、(Gaのギヤ比)<(Gbのギヤ比)<…<(Geのギヤ比)である。このようなシフトダウンに起因するエンジン回転数の増加は、トルクの急激な落ち込み(減速トルクの増大)を生じさせる。具体的には、図6に示す共通指令側トルクのグラフ(実線)として示されるように、シフトダウン時のエンジン回転数の上昇に伴ってトルクの急激な落ち込みが発生する。

0083

したがって、エンジンECU17は、エンジン回転数を検出し、エンジン回転数の単位時間当たりの変化量を算出し、シフトダウン時に予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を判断した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。予め定められた増加量は、具体的にはトルクが急速に低下するようなエンジン回転数の増加量を意味し、例えばマイナストルクとなるようなエンジン回転数の増加量が設定される。

0084

そして、エンジンECU17は、このような場合に、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与えるエンジンブレーキ制御を行う。図6に示すように、調整用スロットル開度指令は、シフトダウン時のエンジン回転数の上昇に伴ってスロットル開度を大きくするようなグラフ(破線)となる。すなわち、エンジンブレーキ制御においても、微開時制御と同様に、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令、すなわち、図6においてはスロットル開度0を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくする調整用スロットル開度指令を与える。

0085

このように、シフトダウン時に予め定められた増加量以上のエンジン回転数の増加を検出した場合において、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度を共通スロットル開度指令より大きくすることにより、図6調整用指令側トルク(破線)のグラフで示すように、シフトダウンによるエンジン回転数の増加に起因したトルク低下の発生を抑制することができる。これにより、スムーズな変速を行うことができる。

0086

さらに、複数の減速比エンジンECU17は、シフトダウン時にエンジン回転数を上昇させるブリッピングコントロールを行ってもよい。ブリッピングコントロールでは、エンジンECU17は、変速装置においてエンジンEの駆動力を駆動輪に伝えるために接続されるギヤを減速比が高くなるギヤに変更する際に、減速比の変更前後におけるギヤの回転数差を小さくするために、エンジン回転数を上昇させる。この場合、変速後に上述したのと同様のトルクの落ち込みが生じる場合がある。したがって、エンジンECU17は、ブリッピングコントロール時においても、エンジンECU17は、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を大きくする指令を与えるエンジンブレーキ制御を行う。

0087

なお、スロットル弁18を閉じる操作によって、エンジンEの燃焼室31内の状態が過渡状態となる場合には、調整用スロットル開度指令が与えられるスロットル弁18Bにおける。

0088

トラクションコントロール
また、例えば、エンジンECU17は、駆動輪である後輪3のスリップを検出または予測した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。例えば、エンジンECU17は、前輪2および後輪3の車速を検出し、これらを差し引くことで車速差を算出する。エンジンECU17は、前輪2および後輪3の車速差が予め定められた車速差のしきい値以上であるか否かを判定し、当該しきい値以上である場合に、出力調整条件を満足すると判定する。この代わりに、エンジンECU17は、駆動輪である後輪3の単位時間当たりの車速変化率があらかじめ定められた車速変化率のしきい値以上であるか否かを判定し、当該しきい値以上である場合に、出力調整条件を満足すると判定してもよい。

0089

エンジンECU17は、スリップを検出または予測した場合に、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与えるトラクションコントロールを行う。すなわち、トラクションコントロールにおいては、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくする調整用スロットル開度指令を与える。

0090

トラクションコントロール時の調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度は、目標スロットル開度の変更に加えてまたはこれに代えて、スロットル開度の時間的変化が、共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも小さく設定されたものでもよい。

0091

これによれば、駆動輪がスリップしている状態またはスリップしそうな状態において、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくすることにより、すべてのスロットル弁18A,18Bのスロットル開度を小さくする場合に比べて車両の急な変化を防止しつつ駆動輪のスリップを抑制することができる。

0092

なお、スリップの検出または予測は、前輪2および後輪3の車速差により判断する態様に限られず、公知の他の態様を採用可能である。例えば、エンジン回転数と駆動輪である後輪3の回転数との差によりスリップを検出または予測することとしてもよい。

0093

ローンチコントロール]
エンジンECU17は、発進時においてスリップを検出または予測した場合にも、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与えるローンチコントロールを行う。すなわち、ローンチコントロールもトラクションコントロールに含まれる。この場合の出力調整条件は、車速差または単位時間当たりの車速変化率がしきい値以上であることに加えて、車速自体が所定のしきい値未満であることを満足することである。

0094

ローンチコントロールにおいては、スリップよりも効率的な加速が優先されるため、エンジンECU17は、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする割合をトラクションコントロール時よりも小さくする。さらに、後述するウィリー抑制制御を併用してもよい。

0095

これによれば、発進時において駆動輪がスリップまたはスリップしそうな状態において、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくすることにより、すべてのスロットル弁18A,18Bのスロットル開度を小さくする場合に比べて車両の急な変化を防止しつつ駆動輪のスリップを抑制し、スムーズな発進を行うことができる。さらに、エンジンECU17がスロットル開度を0から徐々に大きくしながら、ローンチコントロールを行うことにより、自動発進制御を行うことも可能である。

0096

[ウィリー抑制制御]
例えば、エンジンECU17は、駆動輪である後輪3の加速によって前輪2が宙に浮くウィリー状態を検出または予測した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。具体的には、エンジンECU17は、スロットル弁18A,18Bのスロットル開度とエンジン回転数とにより定められるエンジントルクと、車両の左右方向の傾斜角(バンク角)に基づいて定められるウィリー限界トルクとの差が予め定められたしきい値より大きい場合に、出力調整条件を満足すると判定する。すなわち、この場合の出力調整条件には、車体姿勢が含まれている。鞍乗型車両は姿勢の変化が比較的大きく、姿勢によってはエンジンのトルク変化が走行状態に与える影響が大きい場合がある。したがって、車両の姿勢に応じて出力調整を行うことにより、エンジンのトルク変化が走行状態に与える影響を小さくすることができる。

0097

そこで、エンジンECU17は、ウィリー状態を検出または予測した場合に、調整用スロットル開度指令として共通スロットル開度指令よりスロットル開度を小さくする指令を与えるウィリー抑制制御を行う。すなわち、ウィリー抑制制御においては、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくする調整用スロットル開度指令を与える。

0098

ウィリー抑制制御時の調整用スロットル開度指令におけるスロットル開度も、目標スロットル開度の変更に加えてまたはこれに代えて、スロットル開度の時間的変化が、共通スロットル開度指令におけるスロットル開度の時間的変化よりも小さく設定されたものでもよい。

0099

これによれば、ウィリー状態またはウィリーしそうな状態において、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度を共通スロットル開度指令より小さくすることにより、すべてのスロットル弁18A,18Bのスロットル開度を小さくする場合に比べて車両の急な変化を防止しつつ車両がウィリー状態となるのを抑制することができる。

0100

図7は、本実施の形態におけるウィリー抑制制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、エンジンECU17は、スロットル開度およびエンジン回転数を検出し、これらに基づいて発生しているエンジントルクTeを推定する(ステップSB1)。例えば、エンジンECU17には、スロットル開度とエンジン回転数との組み合わせに対して予め定められるエンジントルクTeを示すトルク換算テーブルが予め記憶されている。エンジンECU17は、検出したスロットル開度およびエンジン回転数から対応するエンジントルクTeをトルク換算テーブルから読み出す。これに代えて、所定の演算式を用いて検出したスロットル開度およびエンジン回転数からエンジントルクTeを算出してもよい。

0101

さらに、エンジンECU17は、車両のバンク角αを検出し、予め定められる車両特性に基づいて、バンク角αに応じたウィリー限界トルクTwを算出する(ステップSB2)。車両特性の値は、例えば重心やホイールベース等に基づいて定められる係数である。ウィリー限界トルクTwは、車両のバンク角(水平面に垂直な位置を0とする)が大きいほど大きく、重心が前に位置するほど大きく、ホイールベースが長いほど大きくなる。

0102

エンジンECU17は、エンジントルクTeとウィリー限界トルクTwとの差(Te−Tw)が予め定められるしきい値ΔTthより大きいかどうかを判定する(ステップSB3)。上記差(Te−Tw)がしきい値ΔTthより大きい場合(ステップSB3でYes)、エンジンECU17は、ウィリー状態またはウィリーしそうな状態と判断し、上記ウィリー抑制制御を行う(ステップSB4)。

0103

上記差(Te−Tw)がしきい値ΔTth以下である場合(ステップSB3でNo)、エンジンECU17は、バンク角αの単位時間当たりの変化率Δαが予め定められたしきい値Δαthより大きいかどうかを判定する(ステップSB5)。上記変化率Δαがしきい値Δαthより大きい場合(ステップSB5でYes)、エンジンECU17は、ウィリーしそうな状態と判断し、上記ウィリー抑制制御を行う(ステップSB4)。上記変化率Δαがしきい値Δαth以下の場合(ステップSB5でNo)、エンジンECU17は、ウィリー抑制制御中かどうかを判定する(ステップSB6)。ウィリー抑制制御中である場合(ステップSB6でYes)、テーリング処理を行い、ウィリー抑制制御からすべての駆動機構19A,19Bに対して共通スロットル開度指令を与える共通制御へ移行する(ステップSB7)。

0104

[スライド抑制制御]
また、例えば、エンジンECU17は、車両のスライド状態を予測した場合に、出力調整条件を満足すると判定する。具体的には、エンジンECU17は、スロットル開度θが予め定められたスロットル開度のしきい値θth2より小さく、車体の左右方向の傾斜角(バンク角)αが予め定められたバンク角のしきい値αthより大きい場合に、出力調整条件を満足すると判定する。すなわち、この場合の出力調整条件にも、車体姿勢が含まれている。

0105

エンジンECU17は、車両のスライド状態を予測した場合に、調整用スロットル開度指令としてスロットル開度が大きくなるのを抑制する指令を与えるスライド抑制制御を行う。すなわち、スライド抑制制御においては、一部(グループA)のスロットル弁18Aのスロットル開度はそのままとし(共通スロットル開度指令を維持し)、残り(グループB)のスロットル弁18Bに対してスロットル開度が大きくなるのを抑制する調整用スロットル開度指令を与える。

0106

鞍乗型車両においてはコーナリング時において車体を左右方向に傾斜させる。減速しながらコーナリングする際はスロットル開度が略0となるが、コーナリング中に車体を傾斜させた状態で再加速するためにスロットル開度を大きくすると、駆動輪である後輪3がスリップしてスライドする可能性が生じる。したがって、車体を傾斜させた状態でスロットル開度が小さい場合に、エンジンECU17はスライド抑制制御を行う。スライド抑制制御において調整用スロットル開度指令が与えられるスロットル弁18Bは、スロットル開度が大きくなるのが抑制される。スロットル弁18Bはスロットル開度が小さくなるのは許容される。

0107

これによれば、車両がスライドしそうな状態において、一部のスロットル弁18Bのスロットル開度が大きくなるのを抑制することにより、すべてのスロットル弁18A,18Bのスロットル開度を小さくする場合に比べて車両の急な変化を防止しつつ車両がスライド状態となるのを抑制することができる。

0108

図8は、本実施の形態におけるスライド抑制制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、エンジンECU17は、スロットル開度を検出し、スロットル開度が予め定められたスロットル開度のしきい値θth2未満かどうかを判定する(ステップSC1)。なお、判定に用いるスロットル開度は、スロットル開度センサ25A,25Bにより検出されるスロットル弁18A,18Bの回動角度(実際のスロットル開度)でもよいし、スロットル操作量センサにより検出されるスロットルグリップ7の回転量(スロットル操作量)でもよい。

0109

スロットル開度がしきい値θth2未満であると判定された場合(ステップSC1でYes)、エンジンECU17は、バンク角αを検出し、バンク角αが予め定められたバンク角のしきい値αthより大きいかどうかを判定する(ステップSC2)。

0110

バンク角αがしきい値αthより大きいと判定された場合(ステップSC2でYes)、エンジンECU17は、幅(Y軸)方向の加速度およびヨーレート(Z軸回りの回転速度)を検出し、幅方向の加速度が予め定められた幅方向の加速度のしきい値Yaccthより大きく、ヨーレートが予め定められたヨーレートのしきい値Yawthより大きいかどうかを判定する(ステップSC3)。

0111

幅方向の加速度がしきい値Yaccthより大きくかつヨーレートのしきい値Yawthより大きいと判定された場合(ステップSC3でYes)、すなわち、スロットル開度がしきい値θth2未満であり、かつ、バンク角αがしきい値αthより大きく、かつ幅方向の加速度がしきい値Yaccthより大きく、かつ、ヨーレートのしきい値Yawthより大きい場合に、エンジンECU17は、スライドしそうな状態と判断し、上記スライド抑制制御を行う(ステップSC4)。スロットル開度およびバンク角の各条件のうち1つでも満足しない場合(ステップSC1,SC2またはSC3でNo)、エンジンECU17は、スライド抑制制御中かどうかを判定する(ステップSC5)。スライド抑制制御中である場合(ステップSC5でYes)、テーリング処理を行い、スライド抑制制御からすべての駆動機構19A,19Bに対して共通スロットル開度指令を与える共通制御へ移行する(ステップSC6)。

0112

なお、上記例では、スロットル開度、バンク角、幅方向の加速度およびヨーレートを用いてスライド抑制制御への移行を判定することとしたが、これに加えて、車速が予め定められた車速のしきい値より大きいかどうかを判定の条件に加えてもよい。この場合、例えばごく低速の場合にはスライド抑制制御よりも加速を優先させる制御を行うこともできる。また、幅方向の加速度およびヨーレートの一方または双方を用いた判断を省略してもよい。すなわち、スロットル開度およびバンク角の2つを用いて出力調整条件を満たすか否かの判定を行ってもよい。

0113

また、上記例では、調整用スロットル開度指令として、スロットル開度が大きくなるのを抑制する指令が与えられるとしたが、これに代えて、スロットル開度を0に固定する指令を調整用スロットル開度指令としてもよい。

0114

[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。

0115

例えば、上記実施の形態においては、スロットル制御装置として機能するエンジンECU17が出力調整条件を満足するか否かを判断し、出力調整条件を満足すると判断した場合に、エンジンECU17がスロットル弁18A,18Bをグループごとに駆動する2つの駆動機構19A,19Bに対して異なるスロットル指令を与える態様について説明した。しかし、これに限られず、例えば、出力調整条件を満足した場合に、運転者がスイッチなどを操作することにより、一のグループBのスロットル弁18Bに対して手動で共通スロットル開度より運転者のスロットル操作の依存度が小さい調整用スロットル開度となるように駆動可能としてもよい。

0116

また、上記実施の形態においては、乗物の姿勢に基づいて出力調整条件が設定される例としてロール角(スライド抑制制御)、ピッチ角(ウィリー抑制制御)を用いる態様について説明したが、ヨー角を用いて出力調整条件が設定されてもよい。

0117

また、上記実施の形態においては、並列四気筒エンジンについて説明したが、エンジンEが備える気筒数は二気筒以上であればよく、偶数でも奇数でもよい。また、一のグループにおける駆動機構が駆動するスロットル弁の数と他のグループにおける駆動機構が駆動するスロットル弁の数とが異なっていてもよい。例えば、並列四気筒エンジンでは上記実施の形態のように2気筒ずつをグループ化してもよいし、1気筒のグループと3気筒のグループとでグループ分けをしてもよい。なお、調整用スロットル開度指令が与えられ得るスロットル弁が設けられる燃焼室の数(気筒数)は、特に限定されないが、車両への衝撃を抑制し、エンジン出力の微調整を行うという観点では共通スロットル開度指令のみが与えられるスロットル弁が設けられる燃焼室の数(気筒数)と同数以下であることが好ましい。また、グループの分け方は、本実施の形態のように隣接する気筒を同じグループにしてもよいし、隣接していない気筒を同じグループとしてもよい。例えば、上記実施の形態におけるスロットル弁18A1,18B1を第1のグループとし、スロットル弁18A2,18B2を第2のグループとしてもよい。

0118

また、出力調整条件に応じて異なるグループ分けを行うこととしてもよい。例えば、トラクションコントロールではスロットル弁18B1,18B2に対して調整用スロットル開度指令を与え(上記実施の形態におけるグループ分けを採用し)、ローンチコントロールでは、スロットル弁18B2のみに対して調整用スロットル開度指令を与える(スロットル弁18A1,18A2,18B1を第1のグループとし、スロットル弁18B2を第2のグループとする)こととしてもよい。

0119

また、上記実施の形態においては、複数のスロットル弁を2つのグループに分ける態様について説明したが、3つ以上のグループに分けてもよい。例えば六気筒のエンジンにおいて六気筒のうちの三気筒を第1のグループとし、他の二気筒を第2のグループとし、残りの一気筒を第1のグループとして、グループごとに制御し得る構成としてもよい。この際、調整用スロットル開度指令を与えるグループを車両状態に基づいて段階的に切り替えることとしてもよい。例えば、第1の条件を満たした場合に、第3のグループに調整用スロットル開度指令を与え、その後、第2の条件を満たした場合に、第2および第3のグループに調整用スロットル開度指令を与えてもよい。

0120

また、スロットル弁18A,18Bのグループ分けに応じて排気管の接続(集合)態様を定めてもよい。図9Aおよび図9Bは排気管の接続態様を例示するための模式図である。例えば、図9Aに示すように、一の駆動機構19Aによって駆動されるスロットル弁18Aのうちの一のスロットル弁18A1が設けられる燃焼室31(図9Aにおける左端の燃焼室31)の排気口に接続される排気管34A1と、他の駆動機構19Bによって駆動されるスロットル弁18Bのうちの一のスロットル弁18B2が設けられる燃焼室31(図9Aにおける右端の燃焼室31)の排気口に接続される排気管34B2とが合流して接続され(排気管34AB1となり)、一の駆動機構19Aによって駆動されるスロットル弁18Aのうちの他のスロットル弁18A2が設けられる燃焼室31(図9Aにおける左から2番目の燃焼室31)の排気口に接続される排気管34A2と、他の駆動機構19Bによって駆動されるスロットル弁18Bのうちの他のスロットル弁18B1が設けられる燃焼室31(図9Aにおける右から2番目の燃焼室31)の排気口に接続される排気管34B1とが合流して接続され(排気管34AB2となり)、その後それらが合流して接続される(排気管34Cとなる)態様としてもよい。すなわち、排気管34は、4つの排気管34A1,34A2,34B1,34B2、2つの排気管34AB,34AB2、1つの排気管34Cの順で接続される。これにより、スロットル18Bに調整用スロットル開度指令を与えたときに、各気筒で異なるスロットル開度に制御され、各気筒の排気温度が異なった場合でも、1回目の合流(排気管34AB1,34AB2)で排気温度の平均化が行われるため、排気管全体における温度のばらつきを抑えることができる。

0121

これに代えて、例えば、図9Bに示すように、一の駆動機構19Aによって駆動されるスロットル弁18Aが設けられる燃焼室31(図9Bにおける左側の2つの燃焼室31)の排気口に接続される排気管35A1,35A2同士が合流して接続され(排気管35AAとなり)、他の駆動機構19Bによって駆動されるスロットル弁18Bが設けられる燃焼室31(図9Bにおける右側の2つの燃焼室31)の排気口に接続される排気管35B1,35B2同士が合流して接続され(排気管35BBとなり)、その後それらが合流して接続される(排気管35Cとなる)態様としてもよい。すなわち、排気管35は、4つの排気管35A1,35A2,35B1,35B2、2つの排気管35AA,35BB、1つの排気管35Cの順で接続される。

0122

この場合、共通スロットル開度指令のみが与えられるスロットル弁18Aに対応する排気管35A1,35A2と、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の何れかが与えられるスロットル弁18Bに対応する排気管35B1,35B2との間で触媒(図示せず)の担持量を異ならせてもよい。また、共通スロットル開度指令および調整用スロットル開度指令の何れかが与えられるスロットル弁18Bが設けられる燃焼室31に接続される排気管35B1,35B2および排気管35BBの方が、排気管35A1,35A2および排気管35AAに比べて排気管内温度上昇が大きくなるため、温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2および排気管35AAにおける所定箇所排気温度センサを配置して排気温度を監視したり、温度抑制対策を施したりしてもよい。温度抑制対策は、例えば、温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2,35AAの少なくとも一部に温度の上昇を抑制する構造を付加したり、当該排気管を走行風が当たり易い位置に配置したり、当該排気管をラジエータファン(図示せず)の近くに配置したりしてもよい。また、耐熱性の低い車両装備品は、温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2,35AAより温度上昇が比較的小さい排気管35B1,35B2,35BBに近付けて配置してもよい。

0123

また、排気管35がエンジンEの下方で車幅方向中心よりも何れか一方の側に偏位して配設される場合、偏位する側に温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2,35AAを配置することとしてもよい。これにより、温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2,35AAが車幅方向外方に配置されるため、当該排気管の放熱性を高めることができる。反対に、偏位する側に温度上昇が比較的小さい排気管35B1,35B2,35BBを配置することとしてもよい。これにより、温度上昇が大きくなる排気管35A1,35A2,35AAが車幅方向内方に配置されるため、車幅方向外側部の温度上昇を防ぐことができる。

0124

上記実施の形態において、センサ25A,25Bがスロットルボディ20A〜20Eのモータ23A,23Bおよびリンク機構24A,24B側に設けられる構成について説明したが、センサ25A,25Bがスロットルボディ20A〜20Eのモータ23A,23Bおよびリンク機構24A,24Bが設けられる側とは反対側に設けられてもよい。センサ25A,25Bがスロットルボディ20A〜20E付勢機構26A,26B側に設けられていてもよい。

0125

上記実施の形態においては、2以上の駆動機構において、モータの能力およびリンク機構における減速比が同じである構成について説明したが、2以上の駆動機構において、モータの能力およびリンク機構における減速比のうちの少なくとも何れか1つを異ならせることとしてもよい。また、グループごとにスロットル弁18A,18Bの大きさまたは形状を異ならせてもよい。

0126

また、上記実施の形態の構成は並列型だけに限られず、V型や水平対向型等のエンジン構造にも適用可能である。例えばV型エンジンにおいて、2列あるうちの1列の気筒(いわゆる片バンク)を一のグループとし、他の1列の気筒を他のグループとして制御してもよいし、2列あるうちの1列の気筒が複数ある場合(V型四気筒エンジン等)では、2列のうちの1列におけるある気筒と他の1列におけるある気筒とを同じグループとして制御してもよい。

0127

また、上記実施の形態においては、スロットルボディ20A,20Bがグループごとに分割された構成について説明したが、スロットルボディは、複数のグループに属するスロットル弁18A,18Bを含むように一体的に形成されてもよいし、分割された構成であっても、その分割態様がスロットル弁18A,18Bが属するグループに対応していなくてもよい。その他、駆動機構19A,19B等の配置態様も特に限定されない。

0128

また、上記実施の形態において、複数の異なる出力調整条件と、各条件を満足した場合の当該条件に応じたグループ別制御の態様(微開時制御等)とを複数例示したが、これらすべてのグループ別制御をすべて実行しなくてもよいし、上記例と異なる条件および異なる制御態様を採用してもよい。なお、実行され得る複数のグループ別制御態様において優先順位を予め付けておき、出力調整条件が重複する場合には、優先順位を比較して優先順位の高い制御態様を実行することとしてもよい。重複する制御態様が互いに相反しない内容であれば、並列して実行してもよい。

0129

また、グループ別制御を行う態様は上記態様だけに限られない。例えば、エンジンEの燃焼室31内に供給される吸気量の変化は、慣性の影響を受けるため、同じスロットル開度でもエンジン出力の変化に遅れが生じる場合がある。このような場合にも、エンジンECU17は、調整用スロットル開度指令が与えられるスロットル弁18Bにおいて吸気量変化を速めることができる。したがって、慣性の影響によるエンジン出力の変化の遅れを抑制することができる。なお、慣性の影響を受ける場合には、エンジンEの燃焼室31内の状態に拘わらずスロットル弁18Bを駆動する駆動機構19Bに対して調整用スロットル開度指令を与えることとしてもよい。すなわち、エンジンEの燃焼室31内が燃焼状態である場合(例えば前述したように駆動輪がスリップしている状態またはスリップしそうな状態)にもエンジン出力を微調整するために、グループ別制御を行ってもよい。

0130

また、エンジンECU17は、エンジンEの燃焼室31内の状態が燃焼状態である場合においてもグループ別制御を行い得る。例えば、スロットル開度の時間的変化が所定値よりも大きい場合には、スロットル弁18Bを駆動する駆動機構19Bに対してスロットル弁18Bを開閉させる速度を速くするような調整用スロットル開度指令を与えることとしてもよい。

0131

また、スロットル弁18が閉じる操作によって、エンジンEの燃焼室31内の状態が燃焼状態から過渡状態または不燃状態となる場合に、エンジンECU17は、グループ別制御を行うこととしてもよい。このとき、エンジンECU17は、スロットル弁18Bを駆動する駆動機構19Bに対して例えばスロットル開度の時間的変化(全閉となるまでの時間)を遅らせたり、スロットル開度を維持または大きくしたりするような調整用スロットル開度指令を与える。これにより、スロットル弁18Bが設けられる燃焼室31内の状態が燃焼状態に維持される。このようにして、すべての燃焼室31内の状態が過渡状態または不燃状態とならないようにすることができる。

0132

また、急減速後(エンジンブレーキ制御後)に急加速する場合、例えばコーナリング脱出時等において加速し易いように、エンジンECU17は、スロットル弁18Bの駆動機構19Bに対してスロットル全閉操作時においてもスロットル弁18Bが設けられる燃焼室31内の状態を燃焼状態に保つような(スロットル開度が0にならないような)調整用スロットル開度指令を与えるグループ別制御を行ってもよい。

0133

本発明は、スロットル操作(エンジン出力)によって車両の加減速による反応が高い乗物に好適に用いられる。具体的には、鞍乗型車両および小型滑走艇を含む鞍乗型乗物等の比較的軽量な(出力重量比が大きい)乗物に好適に用いられる。特に、燃焼室31内の状態が過渡状態になった場合のエンジン出力の変化が走行フィーリングに与える影響が大きい乗物やエンジン出力変化が比較的小さくても走行フィーリングに与える影響が大きい乗物に好適に用いられる。例えば、自動車に比べて、出力重量比の大きい自動二輪車に好適に用いられる。

0134

また、本発明は、エンジン出力の微調整に資するだけでなく、運転手のスロットル操作に比例した出力変化とするためにも有用である。

0135

本発明の乗物およびスロットル弁の駆動方法は、エンジンの出力調整を多様化するために有用である。

0136

1自動二輪車(乗物)
3後輪(駆動輪)
17エンジンECU(スロットル制御装置)
18A,18Bスロットル弁
19A,19B駆動機構
31燃焼室
41スロットル操作量センサ
42エンジン回転数センサ
43ブレーキ圧センサ
44前輪車速センサ
45 後輪車速センサ
46慣性センサ
47ポジションセンサ
E エンジン

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