図面 (/)

技術 内燃機関の制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 中村翔青柳真介伊吹卓
出願日 2014年12月5日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-247068
公開日 2016年6月20日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-109031
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の複合的制御 過給機 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御
主要キーワード 小空気量 サージ対策 Pゲイン サイクル当り サージ発生 設定ユニット サージ音 サージ状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

空気量の制御性担保しつつサージの発生を回避することのできる内燃機関制御装置を提供する。

解決手段

制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて目標空気量を決定するが、コンプレッサにサージが発生することが予測された場合は、サージを回避可能な空気量に目標空気量を修正する。制御装置は、筒内に吸入される空気の量が目標空気量になるようにEGR弁開度を制御するとともに、少なくともコンプレッサにサージが発生することが予測された場合は、EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるようにスロットルの閉度を制御する。

概要

背景

吸気通路コンプレッサが設けられた内燃機関では、コンプレッサにおけるサージの発生を抑制することが一つの課題となっている。サージが発生したときには、溜息のような吹き返し音(サージ音)が内燃機関の吸気系から発生し、これが車両の商品性を低下させるからである。サージは、コンプレッサを通過する空気の流量に対してコンプレッサの前後の圧力比が過大になることが原因で発生する。このため、車両の減速時や自動変速機シフトアップ時のように、スロットルが急速に閉じられる状況においてサージが発生しやすい。

サージの発生を抑制する技術は、例えば下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術は、可変ノズル付きターボ過給機を備えるディーゼルエンジンを対象とする制御技術である。この技術によれば、車両の減速時、コンプレッサがサージ状態になるかどうか判定され、サージ状態になると判定されたときには、サージ回避制御が行われる。サージ回避制御では、運転状態及びスロットル開度に基づく可変ノズルの目標開度と、予め定めたサージ回避用目標開度とが比較される。そして、目標開度がサージ回避用目標開度以上であれば、目標開度にしたがって可変ノズルが制御されるが、目標開度がサージ回避用目標開度よりも小さければ、サージ回避用目標開度にしたがって可変ノズルが制御される。

概要

空気量の制御性担保しつつサージの発生を回避することのできる内燃機関の制御装置を提供する。制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて目標空気量を決定するが、コンプレッサにサージが発生することが予測された場合は、サージを回避可能な空気量に目標空気量を修正する。制御装置は、筒内に吸入される空気の量が目標空気量になるようにEGR弁開度を制御するとともに、少なくともコンプレッサにサージが発生することが予測された場合は、EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるようにスロットルの閉度を制御する。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであって、空気量の制御性を担保しつつサージの発生を回避することのできる内燃機関の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

吸気通路に設けられたコンプレッサと、前記吸気通路における前記コンプレッサの下流に設けられたスロットルと、前記吸気通路における前記スロットルの下流と排気通路とを接続するEGR通路に設けられたEGR弁とを備える内燃機関制御装置において、前記コンプレッサにおけるサージの発生を予測するサージ予測手段と、内燃機関の運転状態に応じて目標空気量を決定し、前記サージ予測手段によってサージが発生することが予測された場合は、サージを回避可能な空気量に前記目標空気量を修正する目標空気量設定手段と、筒内に吸入される空気の量が前記目標空気量設定手段で設定された前記目標空気量になるように前記EGR弁の開度を制御するEGR弁制御手段と、少なくとも前記サージ予測手段によってサージが発生することが予測された場合は、前記EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるように前記スロットルの閉度を制御するスロットル制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項2

前記スロットル制御手段は、前記EGR弁制御手段による前記EGR弁の制御によって空気量が制御されている間は、前記EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるように前記スロットルの閉度を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項3

前記スロットル制御手段は、前記目標空気量を達成するために必要な量のEGRガスが前記EGR弁が全開まで開かれることなく前記吸気通路に供給されるように、前記スロットルの閉度を制御して前記スロットルの下流の圧力を低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。

請求項4

前記サージ予測手段は、前記コンプレッサの前後の圧力の比からサージ限界空気量を算出し、前記目標空気量が前記サージ限界空気量より少ない場合にサージが発生すると判断することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。

請求項5

前記目標空気量設定手段は、前記サージ予測手段によりサージが発生することが予測された場合は、前記目標空気量を前記サージ限界空気量に修正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車に搭載される内燃機関、詳しくは、吸気通路に設けられたコンプレッサと、吸気通路におけるコンプレッサの下流に設けられたスロットルと、吸気通路におけるスロットルの下流と排気通路とを接続するEGR通路に設けられたEGR弁とを備える内燃機関の制御装置に関する。

背景技術

0002

吸気通路にコンプレッサが設けられた内燃機関では、コンプレッサにおけるサージの発生を抑制することが一つの課題となっている。サージが発生したときには、溜息のような吹き返し音(サージ音)が内燃機関の吸気系から発生し、これが車両の商品性を低下させるからである。サージは、コンプレッサを通過する空気の流量に対してコンプレッサの前後の圧力比が過大になることが原因で発生する。このため、車両の減速時や自動変速機シフトアップ時のように、スロットルが急速に閉じられる状況においてサージが発生しやすい。

0003

サージの発生を抑制する技術は、例えば下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術は、可変ノズル付きターボ過給機を備えるディーゼルエンジンを対象とする制御技術である。この技術によれば、車両の減速時、コンプレッサがサージ状態になるかどうか判定され、サージ状態になると判定されたときには、サージ回避制御が行われる。サージ回避制御では、運転状態及びスロットル開度に基づく可変ノズルの目標開度と、予め定めたサージ回避用目標開度とが比較される。そして、目標開度がサージ回避用目標開度以上であれば、目標開度にしたがって可変ノズルが制御されるが、目標開度がサージ回避用目標開度よりも小さければ、サージ回避用目標開度にしたがって可変ノズルが制御される。

先行技術

0004

特開2013−249739号公報
特開2002−221050号公報
特開2006−183558号公報
特開2003−097298号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記の特許文献1に開示された技術は、可変ノズルを開いて過給圧を低下させることでサージを回避するものである。しかし、過給圧が低下すると筒内に吸入されるガスの量も低下することになる。制御対象のディーゼルエンジンがEGR装置付きの場合、筒内ガスは空気(新気)とEGRガスとで構成される。このため、筒内ガス量の低下は、筒内の空気量とEGRガス量の何れか一方或いは両方の低下を意味する。筒内のEGRガス量が低下し、EGR率が適正値に対して不足した場合には、NOxの排出量が増大することになる。一方、筒内の空気量が適正量に対して不足した場合には、スモークの発生やHCやCOの排出量の増大、さらには、失火を招いてしまう。つまり、過給圧を低下させることにより、排気ガスエミッション性能の低下等の弊害が生じてしまう。

0006

このようなことから、サージを回避する方法として、過給圧を低下させるのではなくコンプレッサを通過する空気の流量をサージが回避可能な流量まで増大させることが検討されている。コンプレッサを通過する空気の量を増やすには、スロットルを開けばよい。ディーゼルエンジンにおいても、通常、車両の減速時にはスロットルが閉じ方向に操作されるが、これを開いたままとすることでサージを回避することができる。

0007

ただし、単にスロットルを開いたままとするだけでは、筒内に吸入される空気の量が過剰になるおそれがある。車両の減速後に燃焼再開されたとき、筒内の空気量が過剰になっていると、NOxの排出量が多くなってしまう。このため、筒内の空気量は適正な量に制御される必要がある。EGR装置付きのディーゼルエンジンの場合、吸気通路に導入されるEGRガスの流量を増やせばコンプレッサを通過する空気の流量が減り、逆にEGRガスの流量を減らせば空気の流量が増える。つまり、EGR弁によってEGRガスの流量を制御することによって、間接的にコンプレッサを通過する空気の流量を制御し、ひいては、筒内の空気量を制御することができる。

0008

ところが、スロットルの閉じ具合によってはEGR弁による空気量の制御が有効に機能しない場合がある。EGR弁を経由したEGRガスの流れは、EGR弁の前後の差圧、つまり、排気通路の圧力と吸気通路の圧力との差圧によって生じる。スロットルが開いて吸気通路の圧力が高くなっている場合、なかでも減速時のように燃料噴射が停止されて排気通路の圧力が低下している場合には、EGR弁の前後の差圧は小さく大きな流量は得られない。このため、EGR弁の前後の差圧があまりに小さい場合、EGR弁は全開に固定された状態となってしまう。この状態では、EGR弁の開度によって空気量を制御することができず、エミッション性能を維持できる適正な空気量を得ることができない。

0009

本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであって、空気量の制御性担保しつつサージの発生を回避することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る制御装置は、吸気通路に設けられたコンプレッサと、吸気通路におけるコンプレッサの下流に設けられたスロットルと、吸気通路におけるスロットルの下流と排気通路とを接続するEGR通路に設けられたEGR弁とを備える内燃機関を制御する。制御される内燃機関は、好ましくは、全開位置を基本位置としてスロットルの制御が行われる内燃機関、たとえば、ディーゼルエンジンである。

0011

本発明に係る制御装置は、コンプレッサにおけるサージの発生を予測するサージ予測手段を備える。サージの発生を予測するとは、サージが発生した事実を検知或いは推定することではなく、サージが未だ発生していない状況において、内燃機関の現在及び将来の運転状態或いは運転条件に関する情報から近い将来におけるサージの発生を事前に察知することを意味する。サージの発生を予測する具体的な方法には限定はない。好ましい方法の1つは、コンプレッサの前後の圧力の比からサージ限界空気量を算出し、目標空気量(筒内に吸入される空気の量の目標値)がサージ限界空気量より少ない場合にサージが発生すると判断することである。

0012

本発明に係る制御装置は、目標空気量を設定する目標空気量設定手段を備える。目標空気量設定手段は、内燃機関の運転状態に応じて目標空気量を決定するが、サージ予測手段によってサージが発生することが予測された場合は、サージを回避可能な空気量に目標空気量を修正するように構成される。サージを回避可能な空気量は、コンプレッサの前後の圧力比との関係で決まる。好ましくは、コンプレッサの前後の圧力の比から算出することができるサージ限界空気量に目標空気量を修正する。サージ限界空気量に対して余裕のある空気量に目標空気量を修正することも勿論可能であるが、エミッション性能等を考慮すれば、修正後の目標空気量は運転状態から決まる目標空気量になるべく近いほうが好ましい。

0013

本発明に係る制御装置は、EGR弁を制御するEGR弁制御手段を備える。EGR弁制御手段は、筒内に吸入される空気の量が目標空気量設定手段で設定された目標空気量になるようにEGR弁の開度を制御するように構成される。EGR弁の開度の制御はフィードバック制御であることが好ましい。フィードバック制御では、目標空気量から計算される所定の制御量の目標値と、その制御量の実際値との差に基づいてEGR弁の開度を補正することが行われる。

0014

本発明に係る制御装置は、スロットルを制御するスロットル制御手段を備える。スロットル制御手段は、少なくともサージ予測手段によってサージが発生することが予測された場合は、EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるようにスロットルの閉度を制御するように構成される。スロットルの閉度の制御はオープンループ制御でもよいしフィードバック制御でもよい。好ましくは、スロットル制御手段は、EGR弁制御手段によるEGR弁の制御によって空気量が制御されている間は、EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるようにスロットルの閉度を制御するように構成される。より好ましくは、スロットル制御手段は、目標空気量を達成するために必要な量のEGRガスがEGR弁が全開まで開かれることなく吸気通路に供給されるように、スロットルの閉度を制御してスロットルの下流の圧力を低下させるように構成される。

発明の効果

0015

本発明に係る制御装置によれば、コンプレッサにサージが発生することが予測された場合、目標空気量がサージを回避可能な空気量に修正されるとともに、EGR弁の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるようにスロットルの閉度が制御される。そして、筒内に吸入される空気の量が修正された目標空気量になるようにEGR弁の開度が制御される。EGR弁の前後には所定値以上の大きさの差圧が確保されているので、EGR弁の開度によるEGRガスの流量の制御は有効であり、EGRガスの流量の制御を介して間接的に筒内の空気量の制御が行われる。このような動作により、本発明に係る制御装置によれば、空気量の制御性を担保しつつサージの発生を回避することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態に係るエンジンシステムの構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係る制御装置の制御構造を示す図である。
サージ予測及び目標空気量修正を説明する図である。
サージ予測及び目標空気量設定のルーチンを示すフローチャートである。
EGR弁制御のルーチンを示すフローチャートである。
スロットル制御のルーチンを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態で実現される動作を示すタイムチャートである。
EGR弁制御のルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。
スロットル制御のルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。
スロットル制御のルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。
スロットル制御のルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。

実施例

0017

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数にこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。

0018

[エンジンシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るエンジンシステムの構成を示す図である。本実施の形態の内燃機関は、ターボ過給機付きのディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)である。エンジン2には4つの気筒直列に設けられ、気筒ごとにインジェクタ8が設けられている。エンジン2は吸気マニホールド4と排気マニホールド6を備える。吸気マニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた空気(新気)が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボ過給機のコンプレッサ14が取り付けられている。吸気通路10においてコンプレッサ14の下流にはスロットル24が設けられている。吸気通路10においてコンプレッサ14とスロットル24との間にはインタークーラ22が備えられている。排気マニホールド6には排気ガスを大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボ過給機のタービン16が取り付けられている。タービン16には可変ノズル18が設けられている。排気通路12においてタービン16の下流には排気ガスを浄化するための触媒装置26が設けられている。

0019

エンジン2は、排気系から吸気系へ排気ガスを再循環させるEGR装置を備えている。EGR装置は、吸気通路10におけるスロットル24の下流の位置と排気マニホールド6とをEGR通路30によって接続している。EGR通路30にはEGR弁32が設けられている。EGR通路30においてEGR弁32の排気側にはEGRクーラ34が備えられている。EGR通路30にはEGRクーラ34をバイパスするバイパス通路36が設けられている。EGR通路30とバイパス通路36が合流する箇所には、排気ガスが流れる方向を切り替えバイパス弁38が設けられている。

0020

エンジン2には、その運転状態に関する情報を得るためのセンサが各所に取り付けられている。吸気通路10には、エアクリーナ20の下流に、吸気通路10に取り込まれた空気の流量を計測するためのエアフローメータ58が取り付けられている。コンプレッサ14の上流と下流には、それぞれ圧力センサ62,64が取り付けられている。インタークーラ22とスロットル24の間には、圧力センサ56と温度センサ60が取り付けられている。スロットル24の下流には、圧力センサ54が取り付けられている。さらに、クランク軸の回転を検出するクランク角センサ52や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ66なども設けられている。

0021

上述した各種のセンサ及びアクチュエータは、制御装置100に電気的に接続されている。制御装置100はECU(Electronic Control Unit)である。制御装置100は、エンジン2のシステム全体の制御を行うものであり、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータ主体として構成されている。ROMには、後述する各種制御のルーチンが記憶されている。制御装置100によってそれらルーチンが実行され、センサからの信号に基づいてアクチュエータが操作されることにより、エンジン2の運転が制御される。

0022

[制御装置の制御構造]
図2は、制御装置100の制御構造を示すブロック図である。図2に示す制御構造は、目標空気量設定手段としての目標空気量設定ユニット102、EGR弁制御手段としてのEGR弁制御ユニット104、スロットル制御手段としてのスロットル制御ユニット106、及び、サージ予測手段としてのサージ予測ユニット108を含む。制御装置100が含むこれらのユニットは、制御装置100のROMに記憶された制御用のルーチン或いはその一部に対応している。制御用のルーチンがROMから読みだされてCPUで実行されることによって、これらのユニットの機能が制御装置100にて実現される。

0023

目標空気量設定ユニット102の機能について説明する。目標空気量設定ユニット102は、筒内に吸入される空気量の目標値である目標空気量を設定する。目標空気量は、エンジン2に要求される燃費性能及びエミッション性能を満たすことのできる空気量であって、エンジン2の運転状態を示す情報、具体的には、エンジン回転速度及び燃料噴射量に対して適合されている。制御装置100のROMに記憶された目標空気量マップにおいて、目標空気量はエンジン回転速度と燃料噴射量とに関連付けられている。目標空気量設定ユニット102は、エンジン回転速度と燃料噴射量によって目標空気量マップを検索し、検索で得られた空気量を目標空気量として設定する。なお、検索に用いられる燃料噴射量は、インジェクタ8に対して次回設定される燃料噴射量である。

0024

目標空気量設定ユニット102は、目標空気量マップから得られた目標空気量に対して修正を加える機能を有している。この修正は、次に説明するサージ予測ユニット108からの要求を受けて行われる。サージ予測ユニット108においてサージ予測フラグオンにされている間、目標空気量設定ユニット102は、サージ予測ユニット108から与えられるサージ限界空気量に目標空気量を修正する。

0025

次に、サージ予測ユニット108の機能について説明する。サージ予測ユニット108は、コンプレッサ14におけるサージの発生を予測する。サージが発生する条件は、コンプレッサ14の前後の圧力の比(以下、コンプレッサ圧力比)とコンプレッサ14を通過する空気の流量との関係によって表すことができる。コンプレッサ前後圧力比とは、コンプレッサ14の上流の圧力に対する下流の圧力の比であり、コンプレッサ14による過給が行われている過給域では、圧力比の値は1よりも大きい値となる。コンプレッサ14を通過する空気の流量は、筒内に吸入される空気の量(1サイクル当りの空気量)に対応する。また、目標空気量は筒内の空気量の将来値(近い将来において実現される空気量)でもある。このため、ごく近い将来においてサージが発生するか否かは、コンプレッサ前後圧力比と目標空気量との関係から判断することができる。

0026

ここで、図3には、コンプレッサ前後圧力比と空気量とを軸とする平面上に、サージが発生する領域(サージ発生域)が表わされている。サージ発生域の境界における空気量、つまり、サージが発生するかどうかの判定基準となる空気量がサージ限界空気量である。図3に示すように、サージ限界空気量はコンプレッサ前後圧力比と一対一の関係にあり、コンプレッサ前後圧力比が高いほど大きくなる。サージ限界空気量とコンプレッサ前後圧力比との関係は予め実験によって調べられ、マップ化されて制御装置100のROMに記憶されている。

0027

図3には、車両が急加速して減速する場合の目標空気量の軌跡の一例が描かれている。目標空気量はエンジン2の運転状態(エンジン回転速度及び燃料噴射量)に応じて設定されるので、加速時には増大していき、減速時には減少していく。この例では、減速時、目標空気量はサージ限界空気量まで低下している。図3において点線で示す軌跡は、サージ限界空気量まで低下した後もエンジン2の運転状態から目標空気量を決めた場合の目標空気量の軌跡である。この軌跡のように目標空気量を設定した場合、サージが発生する可能性は極めて高い。サージ予測ユニット108は、目標空気量がサージ限界空気量より小さくなった場合、コンプレッサ14にサージが発生すると予測する。

0028

再び図2戻り図2に示す制御構造の説明を続ける。サージ予測ユニット108は、サージ予測フラグを提示する機能を有している。サージ予測フラグは通常はオフに設定されている。コンプレッサ14にサージが発生すると予測した場合、サージ予測ユニット108は、サージ予測フラグをオフからオンに切り替える。サージ予測フラグは、目標空気量が再びサージ限界空気量以上になるまでオンに維持される。サージ予測フラグがオンになっている間、サージ予測ユニット108は、目標空気量設定ユニット102に対してサージ限界空気量を与える。また、サージ予測フラグは、後述するスロットル制御ユニット106に対しても提示される。

0029

次に、EGR弁制御ユニット104の機能について説明する。EGR弁制御ユニット104は、目標空気量設定ユニット102から目標空気量を取得する。そして、筒内に吸入される空気の量が目標空気量になるようにEGR弁32の開度を制御する。EGR弁制御ユニット104により行われる開度制御はフィードバック制御である。ただし、EGR弁32の開度と空気量との間には直接の関係がない。このため、EGR弁32の開度と直接の関係がある制御量、具体的には、EGR率の目標値が目標空気量から計算される。EGR弁制御ユニット104は、EGR弁32のベース開度をエンジン2の運転状態を示す情報から決定するとともに、目標EGR率と実EGR率との偏差に基づいてベース開度に対する補正量を算出する。補正量は、例えば、偏差に対する比例項積分項の和として表わすことができる。EGR弁制御ユニット104は、算出したEGR弁開度をEGR弁32に対して指令値として出力する。

0030

次に、スロットル制御ユニット106の機能について説明する。スロットル制御ユニット106は、スロットル24の全開位置を基本位置として、全開位置に対する閉度によってスロットル24を制御する。スロットル制御ユニット106は、サージ予測ユニット108から提示されるサージ予測フラグがオンになった場合、ROMに記憶された目標差圧マップから、スロットル24の前後に発生させる差圧の目標値(目標差圧)を取得する。目標差圧は、EGR弁32の前後に所定値以上の大きさの差圧が生じるように、エンジン2の運転状態を示す情報(例えばエンジン回転速度や燃料噴射量)に関連付けて設定されている。

0031

サージが発生しやすい車両の減速時や自動変速機のシフトアップ時には、燃料噴射の停止或いは燃料噴射量の低減によって排気圧が低下するため、EGR弁32の前後に生じる差圧が小さくなりやすい。EGR弁32の前後に生じる差圧が小さい場合、EGR弁32を全開にしても目標空気量の達成のために必要な流量を得ることができない。このため、EGR弁32の開度が全開に固定されてしまう。EGR弁32が全開に固定されてしまうと空気量の制御ができなくなり、エミッション性能を維持できる適正な空気量を得ることができなくなる。よって、EGR弁32の前後には、空気量制御に必要な最低差圧以上の差圧を生じさせる必要がある。上記の所定値以上の大きさの差圧とは、EGR弁32による空気量制御に必要な最低差圧以上の差圧のことであり、上記の目標差圧はこれを実現できるように設定されている。スロットル制御ユニット106は、取得した目標差圧に基づいてスロットル閉度を算出し、算出したスロットル閉度をスロットル24に対して指令値として出力する。

0032

なお、空気量制御には、スロットル24による空気量制御とEGR弁32による空気量制御が含まれる。このうち本発明に関係するのはEGR弁32による空気量制御である。EGR弁32による空気量制御が行われている間、スロットル制御ユニット106は、EGR弁32の前後に空気量制御に必要な大きさの差圧が生じるようにスロットル24の閉度を制御する。サージ予測フラグがオンになっている状況での制御もこれに含まれる。ただし、サージ予測フラグがオンの場合に用いる目標差圧マップは、通常使用する目標差圧マップとは別に用意してもよい。

0033

次に、上述の各ユニット102,104,106,108の機能を制御装置100において実現するためのルーチンについてフローチャートを用いて説明する。

0034

[サージ予測及び目標空気量設定のルーチン]
図4は、上述の目標空気量設定ユニット102及びサージ予測ユニット108の機能を制御装置100において実現するためのルーチンを示すフローチャートである。制御装置100は、図4に示すルーチンを一定の制御周期で実行する。以下、このルーチンを実行した場合の処理についてステップごとに順に説明する。

0035

ステップS101では、圧力センサ62の信号より計測されたコンプレッサ14の入口における圧力(コンプレッサ上流圧力)が取得される。また、圧力センサ64の信号より計測されたコンプレッサ14の出口における圧力(コンプレッサ下流圧力)が取得される。なお、制御装置100は、これらの圧力センサ62,64を含む各センサの信号を常時受信し、各センサの信号よりエンジン2の運転状態を示す各種の状態量(上記のコンプレッサ上流圧力やコンプレッサ下流圧力もこれに含まれる)を計測している。

0036

ステップS102では、コンプレッサ上流圧力に対するコンプレッサ下流圧力の比をとることによって、コンプレッサ前後圧力比が算出される。

0037

ステップS103では、ROMに記憶されたサージ限界空気量マップが取得される。サージ限界空気量マップは、サージ限界空気量とコンプレッサ前後圧力比との関係を規定したマップである。

0038

ステップS104では、ステップS102で算出されたコンプレッサ前後圧力比によってステップS103で取得したサージ限界空気量マップが検索される。この検索により、現在のコンプレッサ前後圧力比に対応するサージ限界空気量が算出される。

0039

ステップS105では、目標空気量が取得される。目標空気量は、本ルーチンと並行して実行される他のルーチンにおいて、エンジン回転速度と燃料噴射量による目標空気量マップの検索によって決定される。

0040

ステップS106では、ステップS105で取得された目標空気量と、ステップS104で算出されたサージ限界空気量とが比較される。目標空気量がサージ限界空気量以上の大きさであれば、少なくとも次回の制御周期においてコンプレッサ14の運転域がサージ発生域に入ることはないと判断することができる。これに対し、目標空気量がサージ限界空気量より小さければ、次回の制御周期においてコンプレッサ14の運転域はサージ発生域に入ると判断することができる。よって、比較の結果に応じて、次の処理が行われる。

0041

目標空気量がサージ限界空気量以上の場合、ステップS107の処理が選択される。ステップS107では、サージ予測フラグはオフとされる。この場合、目標空気量の修正は行われない。エンジン回転速度と燃料噴射量により決定された目標空気量がそのまま最終的な目標空気量として設定される。

0042

目標空気量がサージ限界空気量より小さい場合、ステップS108及びステップS109の処理が選択される。ステップS108では、サージ予測フラグはオンとされる。ステップS106の判定の結果が肯定になってステップS107の処理が選択されるまで、サージ予測フラグはオンに維持される。

0043

そして、ステップS109では、目標空気量の修正が行われる。エンジン回転速度と燃料噴射量により決定された目標空気量に代えて、ステップS104で算出されたサージ限界空気量が新たな目標空気量として設定される。

0044

[EGR弁制御のルーチン]
図5は、上述のEGR弁制御ユニット104の機能を制御装置100において実現するためのルーチンを示すフローチャートである。制御装置100は、図5に示すルーチンを一定の制御周期で実行する。以下、このルーチンを実行した場合の処理についてステップごとに順に説明する。

0045

ステップS201では、図4に示すルーチンによって最終的に設定された目標空気量が取得される。サージ予測フラグがオフの場合、ここで取得される目標空気量はエンジン回転速度と燃料噴射量により決定された目標空気量であり、サージ予測フラグがオンの場合、ここで取得される目標空気量はサージ限界空気量である。

0046

ステップS202では、筒内の総ガス量が取得される。筒内の総ガス量は、空気量とEGRガス量との和である。筒内の総ガス量の計算方法に限定はない。例えば、図示しない筒内圧センサにより計測される筒内圧から筒内総ガス量を推定することができる。また、吸気ポート流量センサを取り付けて、その信号から筒内総ガス量を計測することもできる。

0047

ステップS203では、目標EGR率が算出される。ここでは、筒内総ガス量から目標空気量を差し引いて得られるガス量と、筒内総ガス量との比を計算することが行われ、その計算により得られた値が目標EGR率として算出される。

0048

ステップS204では、実EGR率が取得される。実EGR率の計算方法に限定はない。例えば、EGR弁32の開度とEGR弁32の前後の差圧から計算されるEGRガスの流量と、エアフローメータ58により計測される吸入空気の流量とから実EGR率を推定することができる。

0049

ステップS205では、ステップS203で算出された目標EGR率と、ステップS205で取得された実EGR率との偏差が算出される。

0050

ステップS206では、フィードバック制御に係るPゲインとIゲインがそれぞれROMに記憶されたゲインマップより取得される。

0051

ステップS207では、EGR弁32によって空気量制御を行う場合のEGR弁32のベース開度がROMに記憶されたベース開度マップより取得される。ベース開度は、EGR弁32によって空気量制御を行う場合に、目標空気量を達成するために必要なEGR弁32の開度の適合値である。ベース開度マップでは、エンジン2の運転状態或いは目標空気量にベース開度が関連付けられている。

0052

ステップS208では、ステップS205で算出されたEGR率偏差と、ステップS206で取得されたPゲイン及びIゲインとを用いて、PI制御に係るP項とI項が算出される。そして、ステップS207で取得されたベース開度にP項及びI項が補正量として加算されることにより、EGR弁開度が算出される。算出されたEGR弁開度はEGR弁32に対して指令値として出力される。

0053

[スロットル制御のルーチン]
図6は、上述のスロットル制御ユニット106の機能を制御装置100において実現するためのルーチンを示すフローチャートである。制御装置100は、図6に示すルーチンを一定の制御周期で実行する。以下、このルーチンを実行した場合の処理についてステップごとに順に説明する。

0054

ステップS301では、エアフローメータ58の信号より計測された吸入空気の流量が取得される。また、温度センサ60の信号より計測されたスロットル24の上流における温度(スロットル上流温度)が取得される。さらに、圧力センサ56の信号より計測されたスロットル24の上流における圧力(スロットル上流圧力)が取得される。

0055

ステップS302では、スロットル24の前後における目標差圧が目標差圧マップより取得される。目標差圧はEGR弁32による空気量制御に必要な最低差圧であって、具体的には3〜5kPaの範囲に設定されている。

0056

ステップS303では、ステップS301で取得したスロットル上流圧力からステップS302で取得した目標差圧を差し引くことにより、スロットル24の下流における圧力の目標値(目標スロットル下流圧力)が算出される。

0057

ステップS304では、スロットル24のモデル化式である下記の絞りの式(1)を用いてスロットル24の有効開口面積が算出される。下記の式(1)において、Gaは空気の流量[kg/sec]、μAは有効開口面積[m2]、Pusはスロットル上流圧力[Pa]、Pdsスロットル下流圧力[Pa]、Tusはスロットル上流温度[K]、Rは気体定数(J/K*kg)、κ比熱比である。“Ga”、“Pus”、“Tus”にはステップS301で取得された各計測値が入力され、“Pds”にはステップS303で算出された目標スロットル下流圧力が入力される。

0058

ステップS305では、ROMに記憶されたスロットル閉度特性マップを用いて、ステップS304で算出されたスロットル24の有効開口面積からスロットル24の閉度が算出される。スロットル閉度と有効開口面積との間には一次式近似することができる相関がある。スロットル閉度特性マップにはこの関係が定められている。算出されたスロットル閉度はスロットル24に対して指令値として出力される。

0059

[制御装置により実現される動作]
図7は、制御装置100により実現される動作を示すタイムチャートである。図7に示すタイムチャートには、アクセルペダルを踏んでいない惰行運転の状態から急加速と急減速が行われた場合のアクセル開度、燃料噴射量、目標空気量、実空気量、EGR弁開度、スロットル閉度、及び、スロットル24の前後の差圧の各時間変化が示されている。以下、このタイムチャートを参照して本実施の形態に係るエンジン制御の作用及び効果について説明する。

0060

タイムチャートでは、時点t1においてアクセル開度が全閉から全開へ切り替えられる。時点t1でのアクセル開度の変化によって燃料噴射量は急増される。そして、燃料噴射量の急増によって図示しないエンジン回転速度は上昇し、エンジン回転速度と燃料噴射量とにより決定される目標空気量も時点t1から連続的に上昇していく。このときの目標空気量の上昇速度は実現可能な最大の変化速度であり、これに実空気量を追従させるべくスロットル24は全開にされ、EGR弁32は全閉にされる。スロットル24が全開となることで、スロットル24の前後の差圧は最小値まで低下する。

0061

タイムチャートでは、時点t2においてアクセル開度が再び全開から全閉へ切り替えられている。時点t2でのアクセル開度の変化によって燃料噴射は停止される。燃料噴射の停止によって図示しないエンジン回転速度は低下し、エンジン回転速度と燃料噴射量とにより決定される目標空気量は時点t2において急減される。タイムチャートの時点t2以降の時間において、エンジン回転速度と燃料噴射量とにより決定される目標空気量の時間変化は点線で描かれている。しかし、制御装置100によれば、サージの発生を回避するために、実線で描かれているように目標空気量の修正が行われる。修正後の目標空気量は、サージを回避可能な最小空気量であるサージ限界空気量である。

0062

タイムチャートの時点t2以降の時間において、サージ対策のためにスロットル閉度を全開に維持した場合のスロットル閉度の時間変化と、それにより実現されるスロットル前後差圧の時間変化が点線で描かれている。スロットル閉度を全開に維持した場合、スロットル24の前後の差圧は最小値に維持される。時点t2以降はEGR弁32によって空気量制御が行われるが、スロットル24の前後の差圧が最小値になっている状況ではEGR弁32の前後の差圧も最小値になっている。このため、点線で描かれているようにEGR弁32の開度は全開に固定されてしまう。この場合、目標空気量を実現することができず、点線で描かれているように実空気量は目標空気量よりも過剰になってしまう。しかし、制御装置100によれば、空気量制御に必要な最低差圧を確保できるように、実線で描かれているようにスロットル24の閉度が制御される。これにより、実線で描かれているようにEGR弁32の開度が全開に固定されてしまうことがなく、EGR弁32の開度による空気量制御は有効となる。よって、制御装置100によれば、実線で描かれているように実空気量を目標空気量に追従させることができる。

0063

タイムチャートでは、時点t3において燃料噴射が再開される。このとき、点線で描かれているように実空気量が目標空気量に対して過剰になっている場合、実EGR率が適正なEGR率よりも過小となってNOxの生成量が増大してしまう。しかし、制御装置100によれば、実線で描かれているように実空気量と目標空気量との乖離を抑えることができる。また、このときの目標空気量はサージ限界空気量であり、エンジン2の運転状態から決まる空気量よりも大きいが、その差は最小限に抑えられているので、NOxの生成量の増大は抑えられている。

0064

以上説明したように、制御装置100によれば、空気量の制御性を担保しつつサージの発生を回避することができる。

0065

[EGR弁制御のルーチンの他の実施例]
図8は、上述のEGR弁制御ユニット104の機能を制御装置100において実現するためのルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。図8において、図5に示すEGR弁制御のルーチンと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図8に示すルーチンでは、図5に示すルーチンにおけるステップS203の処理がステップS211及びS212の処理に置き換えられている。

0066

ステップS211では、ベース目標EGR率がROMに記憶されたベース目標EGR率マップより取得される。このマップでは、エンジン2の運転状態或いは目標空気量にベース目標EGR率が関連付けられている。

0067

ステップS212では、目標EGR率が算出される。ここでは、ベース目標EGR率に筒内総ガス量を乗算して得られるガス量と、ベース目標EGR率に筒内総ガス量を乗算して得られるガス量と目標空気量とを合計して得られるガス量との比を計算することが行われ、その計算により得られた値が目標EGR率として算出される。

0068

[スロットル制御のルーチンの他の実施例1]
図9は、上述のスロットル制御ユニット106の機能を制御装置100において実現するためのルーチンの他の実施例1を示すフローチャートである。図9において、図6に示すスロットル制御のルーチンと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図9に示すルーチンでは、図6に示すルーチンにおけるステップS304及びS305の処理がステップS311及びS312の処理に置き換えられている。

0069

ステップS311では、ROMに記憶されたスロットル閉度マップが取得される。スロットル閉度マップは、吸入空気の流量、スロットル上流圧力、スロットル下流圧力、及びスロットル上流温度にスロットル閉度を関連付けたマップである。このマップは、適合により得られたデータをもとに作成されている。

0070

ステップS312では、ステップS301で取得された各計測値とステップS303で算出された目標スロットル下流圧力とによって、ステップS311で取得したスロットル閉度マップが検索され、検索条件に応じたスロットル閉度が算出される。算出されたスロットル閉度はスロットル24に対して指令値として出力される。

0071

[スロットル制御のルーチンの他の実施例2]
図10は、上述のスロットル制御ユニット106の機能を制御装置100において実現するためのルーチンの他の実施例2を示すフローチャートである。図6及び図9に示す各ルーチンがフィードフォワード制御によってスロットル閉度を算出するものであるのに対し、図10に示すルーチンは、フィードバック制御によってスロットル閉度を算出するものである。以下、このルーチンを実行した場合の処理についてステップごとに順に説明する。

0072

ステップS321では、圧力センサ56の信号より計測されたスロットル24の上流における圧力(スロットル上流圧力)が取得される。また、圧力センサ54の信号より計測されたスロットル24の下流における圧力(スロットル下流圧力)が取得される。

0073

ステップS322では、スロットル24の前後における目標差圧が目標差圧マップより取得される。

0074

ステップS323では、ステップS321で取得されたスロットル上流圧力からスロットル下流圧力を差し引くことにより、スロットル24の前後における実際の差圧が算出される。

0075

ステップS324では、ステップS322で取得された目標差圧と、ステップS323で算出された実際差圧との偏差が算出される。そして、この偏差をゼロにするためのスロットル閉度の補正量がフィードバック制御(例えばPI制御)によって算出される。

0076

ステップS325では、現在のスロットル閉度にステップS324で算出された補正量が加算され、新たなスロットル閉度が算出される。算出されたスロットル閉度はスロットル24に対して指令値として出力される。

0077

[スロットル制御のルーチンの他の実施例3]
図11は、上述のスロットル制御ユニット106の機能を制御装置100において実現するためのルーチンの他の実施例3を示すフローチャートである。図11において、図10に示すスロットル制御のルーチンと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図11に示すルーチンでは、図10に示すルーチンにおけるステップS323及びS324の処理がステップS331及びS332の処理に置き換えられている。

0078

ステップS331では、ステップS321で取得されたスロットル上流圧力からステップS322で取得された目標差圧を差し引くことにより、目標スロットル下流圧力が算出される。

0079

ステップS332では、ステップS321で取得された実スロット下流圧力と、ステップS331で算出された目標スロットル下流圧力との偏差が算出される。そして、この偏差をゼロにするためのスロットル閉度の補正量がフィードバック制御(例えばPI制御)によって算出される。

0080

[その他の変形例]
エンジンの吸気通路に設けられるコンプレッサは、クランクシャフトによって駆動されるものでもよく、電動モータによって駆動されるものでもよい。

0081

2エンジン
4吸気マニホールド
6排気マニホールド
8インジェクタ
10吸気通路
12排気通路
14コンプレッサ
16タービン
24スロットル
30EGR通路
32EGR弁
52クランク角センサ
54,56,62,64圧力センサ
60温度センサ
66アクセル開度センサ
100 制御装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • リカルドユーケーリミテッドの「 スプリットサイクルエンジン」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【解決手段】 スプリットサイクル内燃エンジンは、圧縮ピストンを収容する圧縮シリンダと、燃焼ピストンを収容する燃焼シリンダと、燃焼シリンダに作動流体を供給するように、圧縮シリンダと燃焼シリンダとの間に... 詳細

  • 日産自動車株式会社の「 内燃機関」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】ノッキングの要因となる吸気の吹き返しを抑制しつつ希薄燃焼に必要なタンブルを確保して、燃料消費率の向上を図る。【解決手段】内燃機関は、筒内直噴型火花点火内燃機関であり、過給を行いつつ希薄燃焼を行... 詳細

  • いすゞ自動車株式会社の「 排気浄化装置を有する車両」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】LNTを再生するためにエンジンをリッチ制御しているときに、エンジンのトルクを下げる要求があった場合でも、LNT再生の中断や効率低下、LNT浄化率の診断精度の低下を防止できる、排気浄化装置を有す... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ