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技術 ノンハロゲン架橋性樹脂組成物、架橋絶縁電線及びケーブル

出願人 日立金属株式会社
発明者 岩崎周菊池龍太郎橋本充
出願日 2014年12月3日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2014-245104
公開日 2016年6月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2016-108391
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 無機絶縁材料 有機絶縁材料 絶縁導体(1) 絶縁導体(3) 絶縁導体(4)
主要キーワード 絶縁内層 質量パーセント濃度 絶縁外層 ポリマブレンド 吸熱効果 酢酸ビニル量 ポリマ成分 地下水脈
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月20日)のものです。
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図面 (4)

課題

解決手段

本発明の一態様において、導体11と、導体11の周囲を被覆する絶縁層12とを有し、絶縁層12がノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる架橋絶縁電線を提供する。前記ノンハロゲン架橋性樹脂組成物においては、高密度ポリエチレンエチレンアクリル酸エステル無水マレイン酸元共重合体30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30質量部で構成されるポリマブレンド100質量部に対して、金属水酸化物120〜200質量部が混合されている。

概要

背景

鉄道車両自動車機器用などに適用される電線には、必要に応じて、高い耐摩耗性低温性難燃性などが要求される。高い摩耗性を得るために、高密度ポリエチレン(HDPE)等の高結晶性を有するポリマベースとする樹脂組成物を電線の絶縁層の材料として用いる技術が知られているが、高密度ポリエチレンはフィラー受容性が低いため、少量の添加で難燃性を付与することができる、ハロゲン系難燃剤赤リンなどのリン系難燃剤が従来用いられてきた。

しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時にハロゲンガスを発生させるため、世界的に高まりつつある環境問題への配慮に欠ける。また、赤リンなどのリン系難燃剤も、燃焼時にホスフィンが発生する問題や、廃却時にリン酸を生成させて地下水脈汚染する問題がある。

このような問題を回避することのできる樹脂組成物として、高密度ポリエチレンをベースポリマとし、金属水酸化物難燃剤として用いられた難燃性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1、2は、高密度ポリエチレン、エチレンアクリル酸エステル無水マレイン酸元共重合体等を含むポリマブレンドに、金属水酸化物が混合された難燃性樹脂組成物を開示している。

概要

難燃性に優れ、かつ、機械的特性低温特性、及び電気的特性に優れたノンハロゲン架橋性樹脂組成物架橋絶縁電線及びケーブルを提供する。本発明の一態様において、導体11と、導体11の周囲を被覆する絶縁層12とを有し、絶縁層12がノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる架橋絶縁電線を提供する。前記ノンハロゲン架橋性樹脂組成物においては、高密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30質量部で構成されるポリマブレンド100質量部に対して、金属水酸化物120〜200質量部が混合されている。

目的

本発明は、難燃性に優れ、かつ、機械的特性、低温特性、及び電気的特性に優れたノンハロゲン架橋性樹脂組成物、架橋絶縁電線及びケーブルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高密度ポリエチレンエチレンアクリル酸エステル無水マレイン酸元共重合体30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30質量部で構成されるポリマブレンド100質量部に対して、金属水酸化物120〜200質量部が混合された、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物

請求項2

前記無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体のガラス転移点が−55℃以下である、請求項1に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

請求項3

前記エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル量が10質量%以上である、請求項1又は2に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

請求項4

前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムの一方、又は両方である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

請求項5

導体と、前記導体の周囲を被覆する、単層又は多層絶縁層と、を有し、前記絶縁層の最外層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、架橋絶縁電線

請求項6

前記絶縁層が多層であり、前記絶縁層の前記導体に接する最内層が、ポリオレフィン100質量部に対して、金属水酸化物100質量部以下が混合されたノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、請求項5に記載の架橋絶縁電線。

請求項7

前記絶縁層の最内層に含まれる前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの一方、又は両方である、請求項6に記載の架橋絶縁電線。

請求項8

絶縁電線と、前記絶縁電線の周囲を被覆するシースと、を有し、前記シースが、請求項1〜4のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、ケーブル

技術分野

背景技術

0002

鉄道車両自動車機器用などに適用される電線には、必要に応じて、高い耐摩耗性低温性難燃性などが要求される。高い摩耗性を得るために、高密度ポリエチレン(HDPE)等の高結晶性を有するポリマベースとする樹脂組成物を電線の絶縁層の材料として用いる技術が知られているが、高密度ポリエチレンはフィラー受容性が低いため、少量の添加で難燃性を付与することができる、ハロゲン系難燃剤赤リンなどのリン系難燃剤が従来用いられてきた。

0003

しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時にハロゲンガスを発生させるため、世界的に高まりつつある環境問題への配慮に欠ける。また、赤リンなどのリン系難燃剤も、燃焼時にホスフィンが発生する問題や、廃却時にリン酸を生成させて地下水脈汚染する問題がある。

0004

このような問題を回避することのできる樹脂組成物として、高密度ポリエチレンをベースポリマとし、金属水酸化物難燃剤として用いられた難燃性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1、2は、高密度ポリエチレン、エチレンアクリル酸エステル無水マレイン酸元共重合体等を含むポリマブレンドに、金属水酸化物が混合された難燃性樹脂組成物を開示している。

先行技術

0005

特開2002−60557号公報
特開2004−156026号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来の金属水酸化物が難燃剤として用いられた難燃性樹脂組成物においては、十分な難燃性を得るために、金属水酸化物を高充填する必要があり、そのために機械的特性低温特性、及び電気特性が低下するという問題があった。

0007

そこで、本発明は、難燃性に優れ、かつ、機械的特性、低温特性、及び電気的特性に優れたノンハロゲン架橋性樹脂組成物、架橋絶縁電線及びケーブルを提供することを目的の1つとする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[4]のノンハロゲン架橋性樹脂組成物を提供する。また、本発明の他の態様は、下記[5]〜[7]の架橋絶縁電線を提供する。さらに、本発明の他の態様は、下記[8]のケーブルを提供する。

0009

[1]高密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30質量部で構成されるポリマブレンド100質量部に対して、金属水酸化物120〜200質量部が混合された、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

0010

[2]前記無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体のガラス転移点が−55℃以下である、前記[1]に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

0011

[3]前記エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル量が10質量%以上である、前記[1]又は[2]に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

0012

[4]前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムの一方、又は両方である、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物。

0013

[5]導体と、前記導体の周囲を被覆する、単層又は多層の絶縁層と、を有し、前記絶縁層の最外層が、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、架橋絶縁電線。

0014

[6]前記絶縁層が多層であり、前記絶縁層の前記導体に接する最内層が、ポリオレフィン100質量部に対して、金属水酸化物100質量部以下が混合されたノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、前記[5]に記載の架橋絶縁電線。

0015

[7]前記絶縁層の最内層に含まれる前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの一方、又は両方である、前記[6]に記載の架橋絶縁電線。

0016

[8]絶縁電線と、前記絶縁電線の周囲を被覆するシースと、を有し、前記シースが、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる、ケーブル。

発明の効果

0017

本発明によれば、難燃性に優れ、かつ、機械的特性、低温特性、及び電気的特性に優れたノンハロゲン架橋性樹脂組成物、架橋絶縁電線及びケーブルを提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、第2の実施の形態に係る架橋絶縁電線としての単層絶縁電線の径方向の断面図である。
図2は、第3の実施の形態に係る架橋絶縁電線としての2層絶縁電線の径方向の断面図である。
図3は、第4の実施の形態に係るケーブルの径方向の断面図である。

0019

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。

0020

〔第1の実施の形態〕
(ノンハロゲン架橋性樹脂組成物)
本発明の第1の実施形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物は、高密度ポリエチレン(A1)、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)10〜30質量部で構成されるポリマブレンド(A)100質量部に対して、金属水酸化物(B)120〜200質量部が混合された、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物である。

0021

すなわち、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物は、ポリマブレンド(A)と、ポリマブレンド(A)100質量部に対して120〜200質量部の金属水酸化物(B)とを含む。

0022

そして、ポリマブレンド(A)は、高密度ポリエチレン(A1)、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)を含む。

0023

そして、ポリマブレンド(A)100質量部中の各成分の含有量は、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)が30〜50質量部であり、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)が5〜20質量部であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)が10〜30質量部である(ポリマブレンド(A)中の各成分の質量パーセント濃度は、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)が30〜50質量%であり、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)が5〜20質量%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)が10〜30質量%である)。

0024

なお、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物は、その効果を発揮する限り、ベースポリマとしてポリマブレンド(A)以外のポリマ成分を含んでもよいが、ポリマブレンド(A)を90質量%以上含有することが好ましく、95質量%以上含有することがより好ましく、100質量%含有する(ベースポリマがポリマブレンド(A)のみから構成される)ことがさらに好ましい。

0025

また、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤難燃助剤紫外線吸収剤光安定剤軟化剤滑剤着色剤補強剤界面活性剤無機充填剤可塑剤金属キレート剤発泡剤相溶化剤加工助剤、安定剤等を添加することができる。

0026

高密度ポリエチレン(A1)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)は、フィラー受容性が異なり、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)と無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)は、フィラー界面の密着力及び低温特性が異なる。

0027

ポリマブレンド(A)において、高密度ポリエチレン(A1)は、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)と相溶することにより、フィラー受容性が向上し、また、耐摩耗性と低温特性が向上すると考えられる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)は、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)と相溶することにより、伸び特性が向上し、また、フィラー界面が強化されて電気的特性が向上すると考えられる。このため、本実施の形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物は、十分な難燃性が得られる量の金属水酸化物を含むが、機械的特性、低温特性、及び電気的特性も十分であり、機械的特性、電気的特性、低温特性、及び難燃性を高度にバランスよく有する。なお、本明細書におけるノンハロゲン架橋性樹脂組成物の機械的特性、電気的特性、低温特性、及び難燃性は、架橋後の特性を指すものとする。

0028

(高密度ポリエチレン(A1))
高密度ポリエチレン(A1)の密度は、0.942以上であって、融点分子量には特に限定されない。

0029

ポリマブレンド(A)100質量部中の高密度ポリエチレン(A1)の含有量は、55質量部であ、30〜45質量部であることが好ましい。

0030

(エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2))
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)は、グラフト共重合体よりも無水マレイン酸量が多いため、フィラーとの密着性が強固であり、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物の機械強度を向上させることができる。特に、耐摩耗性の向上に有効である。

0031

上述のように、ポリマブレンド(A)100質量部中のエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)の含有量は30〜50質量部であるが、30質量部未満である場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の耐摩耗性が不十分となり、50質量部を越える場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の伸び特性が不十分となる。

0032

エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)としては、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸3元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル−無水マレイン酸3元共重合体等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。

0033

エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(A2)中のアクリル酸エステル量、及び無水マレイン酸量は特に限定されないが、フィラーとの密着性の観点から、アクリル酸エステル量が5〜30質量%、無水マレイン酸量が2.8〜3.6質量%であることが好ましい。

0034

(無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3))
エチレン−α−オレフィン共重合体は、低温環境下での柔軟性に優れており、無水マレイン酸で変性すると、水酸化マグネシウム等のフィラーとの密着性を強化することが可能となる。このため、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)は、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物の低温特性を向上させることができる。

0035

上述のように、ポリマブレンド(A)100質量部中の無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)の含有量は5〜20質量部であるが、5質量部未満である場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の低温特性が不十分となり、20質量部を越える場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の耐摩耗性が不十分となる。

0036

エチレン−α−オレフィン共重合体として、例えば、炭素数が3〜12のα−オレフィンとエチレンとの共重合体を用いることができる。炭素数が3〜12のα−オレフィンとエチレンとの共重合体としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン、1−ヘプテン1−オクテン等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。特に、1−ブテンを用いることが好ましい。

0037

ノンハロゲン架橋性樹脂組成物の低温特性をより向上させるため、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体(A3)のガラス転移点が−55℃以下であることが好ましく、−65℃以下であることがより好ましい。

0038

(エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4))
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)は、フィラー受容性が高く、燃焼時に脱酢酸による吸熱効果があるため、難燃性が高い。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)に、無水マレイン酸やビニルシラン等をグラフトしてもよい。

0039

上述のように、ポリマブレンド(A)100重量部中のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)の含有量は10〜30質量部であるが、10質量部未満である場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の伸び特性及び低温特性が不十分となり、30質量部を越える場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の耐摩耗性が不十分となる。

0040

また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A4)中の酢酸ビニル量は多い方がよく、10質量%以上であることが好ましい。

0041

(金属水酸化物(B))
上述のように、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物における金属水酸化物(B)の含有量は、ポリマブレンド(A)100質量部に対して120〜200質量部であるが、120質量部未満である場合はノンハロゲン架橋性樹脂組成物の難燃性が不十分となり、200質量部を越えるとノンハロゲン架橋性樹脂組成物の伸び特性が不十分となる。

0042

金属水酸化物(B)としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。中でも、水酸化マグネシウムは、メイン脱水反応が進行する温度が350℃と高く、難燃性に優れるため、金属水酸化物(B)として好ましい。

0043

金属水酸化物(B)には、分散性などを考慮し、脂肪酸等によって表面処理を施すことができる。この脂肪酸としては、シランカップリング剤チタネート系カップリング剤ステアリン酸等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。特に、高い耐熱性を必要とする場合には、シランカップリング剤による表面処理を施すことが好ましい。

0044

架橋方法
本実施形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物の架橋方法としては、有機過酸化物硫黄化合物、又はシラン化合物等を用いた化学架橋や、電子線、放射線等による照射架橋、その他の化学反応を利用した架橋等、従来知られた処理方法を用いることができ、いずれの架橋方法を用いてもよい。

0045

〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる絶縁層を有する架橋絶縁電線についての形態である。

0046

図1は、第2の実施の形態に係る架橋絶縁電線としての単層絶縁電線10の径方向の断面図である。

0047

単層絶縁電線10は、線状の導体11と、導体11の周囲を被覆する絶縁層12とを有する。単層絶縁電線10が有する絶縁層は、絶縁層12のみからなる単層であるので、絶縁層12が単層絶縁電線10の最外層となる。

0048

導体11の材料として、銅、軟銅、銀、アルミニウム等の既知の材料を用いることができる。また、耐熱性を向上させるため、これらの材料の表面に錫めっきニッケルめっき、銀めっき、金めっき等が施されてもよい。

0049

絶縁層12は、第1の実施の形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる。このため、単層絶縁電線10は、伸び特性、耐摩耗性等の機械的特性や、低温曲げ特性等の低温特性、直流定性等の電気的特性、難燃性に優れる。絶縁層12は、例えば、導体11上に押出成形された後、架橋処理が施される。

0050

〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態に係る架橋絶縁電線は2層絶縁電線であり、第2の実施の形態に係る架橋絶縁電線としての単層絶縁電線とは、絶縁層が多層である点において異なる。

0051

図2は、第3の実施の形態に係る架橋絶縁電線としての2層絶縁電線20の径方向の断面図である。

0052

2層絶縁電線20は、線状の導体11と、導体11の周囲を被覆する絶縁内層21と、絶縁内層21の周囲を被覆する絶縁外層22を有する。2層絶縁電線20が有する絶縁層は、絶縁内層21と絶縁外層22からなる2層であるので、絶縁内層21が2層絶縁電線20の最内層となり、絶縁外層22が2層絶縁電線20の最外層となる。

0053

絶縁外層22は、第2の実施の形態に係る絶縁層12と同様に、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる。このため、2層絶縁電線20は、伸び特性、耐摩耗性等の機械的特性や、低温曲げ特性等の低温特性、直流安定性等の電気的特性、難燃性に優れる。

0054

絶縁内層21は、ハロゲンを含まない材料からなることが好ましい。電気的特性を重視する場合には、ポリマ成分100質量部に対して、金属水酸化物100質量部以下が混合された樹脂組成物からなることが好ましい。100質量部を超えると、絶縁内層21の電気的特性が悪化するおそれがある。

0055

絶縁内層21のポリマ成分としては、例えば、ポリオレフィンを用いることができる。このポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン低密度ポリエチレン超低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。

0056

絶縁内層21と絶縁外層22は、例えば、導体11上に2層同時に押出成形された後、架橋処理が施される。

0057

2層絶縁電線20は、絶縁内層21と絶縁外層22の間に他の層を含んでもよい。

0058

〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなるシースを有するケーブルについての形態である。

0059

図3は、第4の実施の形態に係るケーブル30の径方向の断面図である。

0060

ケーブル30は、絶縁電線31と、絶縁電線31の周囲を被覆するシース32とを有する。

0061

絶縁電線31は、導体33と、導体33の周囲を被覆する絶縁層34を有する。導体33及び絶縁層34の材料は特に限定されず、それぞれ既知の材料を用いて形成することができる。また、上述の第2の実施の形態に係る単層絶縁電線10、又は第3の実施の形態に係る2層絶縁電線20を絶縁電線31として用いてもよい。また、図3に示される例では、ケーブル30は3本の絶縁電線31を有しているが、ケーブル30中の絶縁電線31の本数は特に限定されない。

0062

シース32は、第1の実施の形態に係るノンハロゲン架橋性樹脂組成物からなる。このため、ケーブル30は、伸び特性、耐摩耗性等の機械的特性や、低温曲げ特性等の低温特性、直流安定性等の電気的特性、難燃性に優れる。シース32は、成形された後、架橋処理が施される。

0063

ケーブル30は、必要に応じて、編組線等の他の部材を有していてもよい。

0064

(実施の形態の効果)
上記第1〜4の実施の形態によれば、難燃性に優れ、かつ、機械的特性、低温特性、及び電気的特性に優れたノンハロゲン架橋性樹脂組成物、架橋絶縁電線及びケーブルを提供することができる。

0065

以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。

0066

〔実施例1〜14及び比較例1〜9〕
図1及び2に示される架橋絶縁電線を以下のようにして製造した。
(1)導体11として、構成37本/0.18mmの錫めっき導体を用いた。
(2)以下の表1及び表2に示す各種成分を配合し、14インチオープンロールにて混練した樹脂組成物を造粒機ペレット化し、外層用材料及び内層用材料を得た。
(3)図1の単層絶縁電線10の製造においては、得られた外層用材料を0.26mmの厚さになるように40mm押出機にて導体11上に押出成形し、絶縁層12を形成した。
(4)図2の2層絶縁電線20の製造においては、得られた内層用材料と外層用材料をそれぞれ0.1mm、0.16mmの厚さになるように40mm押出機で導体11上に2層同時に押出成形し、絶縁内層21と絶縁外層22を形成した。
(5)得られた絶縁電線に電子線を照射し(照射量15Mrad)、各々の絶縁層に架橋処理を施した。

0067

得られた架橋絶縁電線を以下に示す各種評価試験によって評価した。評価結果を表1〜2に示す。

0068

(1)引張試験
導体11を引き抜いた後の絶縁層について、引張速度200mm/minで引張試験を実施した。引張試験における破断伸び引張破断伸び)が50%以上を合格(○)と判定し、50%未満を不合格(×)と判定した。

0069

(2)低温曲げ試験
架橋絶縁電線を−40℃の低温槽に4時間以上放置し、φ1.75mm及びφ7.0mmのマンドレルに6回巻き付けた。φ1.75mm及びφ7.0mmのマンドレルへの巻き付けで絶縁層が割れなかったものを◎、φ1.75mmで割れ、φ7.0mmで割れなかったものを○、φ1.75mm及びφ7.0mmへの巻き付けでともに割れたものを×とした。

0070

(3)難燃性試験
長さ600mmの架橋絶縁電線を垂直に保ち、炎を60秒間当てた。炎を取り去った後、60秒以内に消火したものを合格(○)と判定し、60秒以内に消火しなかったものを不合格(×)と判定した。

0071

(4)耐摩耗性試験
架橋絶縁電線に対し、EN50305.5.2に準拠した耐摩耗性試験を実施した。絶縁層に荷重をかけながら鋼ブレード往復運動させて絶縁層を摩耗させ、ブレードが導体11に達するまでのブレードの往復数(摩耗サイクル数)が150サイクル以上であったものを合格(○)と判定し、150サイクル未満であったものを不合格(×)と判定した。

0072

(5)電気的特性試験
架橋絶縁電線に対し、EN50305.6.7に準拠した300V直流安定性試験を実施した。240時間短絡しなかったものを優(◎)と判定し、100時間以上240時間未満で短絡したものを良(○)と判定し、100時間未満で短絡したものを可(△)と判定した。

0073

(6)総合評価
総合評価として、上記試験のすべての評価結果が◎又は○のものを合格(◎)と判定し、△が含まれるものを合格(○)と判定し、×が含まれるものを不合格(×)と判定した。

0074

0075

0076

表1に示されるように、実施例1〜11においては、すべての評価結果が◎又は○であったため、総合評価として合格(◎)と判定した。

0077

実施例12においては、電気的特性試験(直流安定性試験)において50時間で短絡したため、判定は△であったが、他の評価は○であったため、総合評価として合格(○)と判定した。

0078

実施例13においては、電気的特性試験(直流安定性試験)において20時間で短絡したため、判定は△であったが、他の評価は○であったため、総合評価として合格(○)と判定した。

0079

実施例14においては、電気的特性試験(直流安定性試験)において25時間で短絡したため、判定は△であったが、他の評価は○であったため、総合評価として合格(○)と判定した。

0080

表2に示されるように、比較例1においては、外層用材料において高密度ポリエチレンの代わりに低密度ポリエチレンを用いたため、摩耗サイクル数が138と少なく、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0081

比較例2においては、外層用材料においてエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体の添加量が少な過ぎるため、摩耗サイクル数が140と少なく、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0082

比較例3においては、外層用材料においてエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体の添加量が多過ぎるため、引張破断伸びが40%と低く、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0083

比較例4においては、外層用材料において無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体が添加されていないため、低温曲げ試験でφ1.75mm及びφ7.0mmのマンドレルに巻き付けた際に割れが発生し、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0084

比較例5においては、外層用材料において無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の添加量が多過ぎるため、摩耗サイクル数が117と少なく、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0085

比較例6においては、外層用材料においてエチレン−酢酸ビニル共重合体の添加量が少な過ぎるため、引張破断伸びが20%と非常に低く、不合格(×)と判定された。また、低温曲げ試験でφ1.75mm及びφ7.0mmのマンドレルに巻き付けた際に割れが発生し、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0086

比較例7においては、外層用材料においてエチレン−酢酸ビニル共重合体の添加量が多過ぎるため、摩耗サイクル数が130と少なく、不合格(×)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0087

比較例8においては、外層用材料において水酸化マグネシウムの添加量が多過ぎるため、引張破断伸びが40%と低く、不合格(×)と判定された。また、電気的特性試験(直流安定性試験)において5時間で短絡したため可(△)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0088

比較例9においては、外層用材料において水酸化マグネシウムの添加量が少な過ぎるため、難燃性試験で全焼し、不合格(×)と判定された。また、電気的特性試験(直流安定性試験)において25時間で短絡したため、可(△)と判定された。したがって、総合評価は不合格(×)と判定した。

0089

以上の結果は、機械的特性、低温特性、電気的特性、及び難燃性に優れた架橋絶縁電線、ケーブルを得るためには、絶縁層の最外層又はシースを構成する樹脂組成物が、高密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体30〜50質量部、無水マレイン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体5〜20質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30質量部で構成されるポリマブレンド100質量部に対して、金属水酸化物120〜200質量部が混合された、ノンハロゲン架橋性樹脂組成物であることが求められることを裏付けている。

0090

以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。

実施例

0091

また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。

0092

10単層絶縁電線
11、33導体
12、34絶縁層
20 2層絶縁電線
21絶縁内層
22絶縁外層
30ケーブル
32 シース

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