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技術 車両用灯具システム

出願人 株式会社小糸製作所
発明者 片池裕介
出願日 2014年12月4日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2014-245716
公開日 2016年6月20日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2016-107743
状態 特許登録済
技術分野 車両の外部照明装置、信号 照明装置の素子の配置,冷却,密封,その他 非携帯用の照明装置またはそのシステム
主要キーワード 中央領 非照射状態 三次関数 調光速度 点灯用電力 Bモード エクステンション部材 消灯指示
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

配光パターン切り替える際の違和感を抑制する技術を提供する。

解決手段

制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第2の配光パターンから第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。

概要

背景

従来、複数の半導体発光素子を並べた光源を用いた車両用前照灯考案されている(特許文献1)。この車両用前照灯は、車両前方所定範囲照射する配光パターンを形成するように構成されている。また、配光パターンは、複数の部分領域が集まって構成されている。各部分領域は、対応する半導体発光素子が点灯している際に照射される。そして、複数の半導体発光素子のそれぞれを点消灯制御することにより、様々な配光パターンが形成される。これにより、例えば、複数の部分領域のうち1つの部分領域に前方車が存在していることを検出した場合、その部分領域に対応する半導体発光素子を消灯することで、該当する部分領域を非照射状態にし、前方車の運転者グレアを与えることを抑制できる。

概要

配光パターンを切り替える際の違和感を抑制する技術を提供する。制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第2の配光パターンから第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。

目的

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とする

効果

実績

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請求項1

アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、前記複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターン車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、前記複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、前記第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、前記第2の配光パターンから前記第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する前記複数の部分領域のうち照度増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で前記第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の前記切替部分領域を照射する前記半導体発光素子の駆動を制御する、ことを特徴とする車両用灯具システム

請求項2

アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、前記複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターンを車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、前記複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数種類の配光パターンに含まれる第4の配光パターンから第5の配光パターンへ切り替えている途中において、前記第5の配光パターンとは異なる第6の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、前記第5の配光パターンから前記第6の配光パターンへ切り替える際に、該第6の配光パターンを構成する前記複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T2で前記第6の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の前記切替部分領域を照射する前記半導体発光素子の駆動を制御する、ことを特徴とする車両用灯具システム。

請求項3

アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、前記複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターンを車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、前記複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備え、前記制御部は、(1)前記複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、前記第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、前記第2の配光パターンから前記第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する前記複数の部分領域のうち照度が増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で前記第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の前記切替部分領域を照射する前記半導体発光素子の駆動を制御し、(2)前記複数種類の配光パターンに含まれる第4の配光パターンから第5の配光パターンへ切り替えている途中において、前記第5の配光パターンとは異なる第6の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、前記第5の配光パターンから前記第6の配光パターンへ切り替える際に、該第6の配光パターンを構成する前記複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T2(T2>T1)で前記第6の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の前記切替部分領域を照射する前記半導体発光素子の駆動を制御する、ことを特徴とする車両用灯具システム。

請求項4

前記制御部は、取得した前方状況に応じた情報が車両前方に曲路が存在していることを示している場合、切り替える配光パターンを構成する複数の前記切替部分領域のうち、前記曲路の曲がる方向にある領域に対応する第1の切替部分領域の明るさを増大させ、前記曲がる方向にある領域の反対側の領域に対応する第2の切替部分領域の明るさを減少させるように、前記第1の切替部分領域および前記第2の切替部分領域を照射するそれぞれの前記半導体発光素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用灯具システム。

請求項5

前記制御部は、取得した自車両の走行状況に応じた情報が高速走行中であることを示している場合、切り替える配光パターンを構成する複数の前記切替部分領域のうち、当該配光パターンの中央領域に対応する第1の切替部分領域の明るさを増大させ、当該配光パターンの端部領域に対応する第2の切替部分領域の明るさを減少させるように、前記第1の切替部分領域および前記第2の切替部分領域を照射するそれぞれの前記半導体発光素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用灯具システム。

技術分野

0001

本発明は、車両前方の状況や車両走行状況に応じた配光パターンを形成する車両用灯具システムに関する。

背景技術

0002

従来、複数の半導体発光素子を並べた光源を用いた車両用前照灯考案されている(特許文献1)。この車両用前照灯は、車両前方の所定範囲照射する配光パターンを形成するように構成されている。また、配光パターンは、複数の部分領域が集まって構成されている。各部分領域は、対応する半導体発光素子が点灯している際に照射される。そして、複数の半導体発光素子のそれぞれを点消灯制御することにより、様々な配光パターンが形成される。これにより、例えば、複数の部分領域のうち1つの部分領域に前方車が存在していることを検出した場合、その部分領域に対応する半導体発光素子を消灯することで、該当する部分領域を非照射状態にし、前方車の運転者グレアを与えることを抑制できる。

先行技術

0003

特開2013−54993号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上述のような配光パターンの一部の領域を状況に応じて照射したり非照射にしたりする場合、半導体発光素子を目標の明るさまで点灯したり、消灯または減光したりするためにある程度の切替え時間が必要となる。明るさを変化させる方法は種々あり得るが、配光パターンの切替え制御や素子駆動回路構成が簡略化できることから、常に一定の割合で明るさを変化させるように制御することが一案である。

0005

しかしながら、状況に応じて複数の領域の明るさをそれぞれ個別に変化させる場合、変化前の半導体発光素子の明るさや目標となる半導体発光素子の明るさによっては、各領域が目標の明るさに到達するまでに必要な時間(切替え時間)が異なる。そのため、配光パターンを変化させる状況によっては、ドライバが違和感を抱く場合がある。

0006

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配光パターンを切り替える際の違和感を抑制する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具システムは、アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターンを車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備える。制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第2の配光パターンから第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。ここで、配光パターンとは、一部の部分領域の明るさが異なっている場合だけでなく、全ての部分領域の明るさが同じ場合も含まれうる。また、第1の配光パターンと第3の配光パターンが同じ場合もあり得る。

0008

この態様によると、照度が増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合であっても、所定時間T1で第3の配光パターンへの切替えが行われる。そのため、例えば、複数の切替部分領域のそれぞれの照度変化が異なる場合であっても、それぞれの切替部分領域における調光のタイミングを揃えることができる。なお、配光パターンは、全ての部分領域が照射されていない場合も含まれうる。

0009

本発明の別の態様もまた、車両用灯具システムである。この車両用灯具システムは、アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターンを車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備える。制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる第4の配光パターンから第5の配光パターンへ切り替えている途中において、第5の配光パターンとは異なる第6の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第5の配光パターンから第6の配光パターンへ切り替える際に、該第6の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T2で第6の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。なお、第4の配光パターンと第6の配光パターンが同じ場合もあり得る。

0010

この態様によると、照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合であっても、所定時間T2で第6の配光パターンへの切替えが行われる。そのため、例えば、複数の切替部分領域のそれぞれの照度変化が異なる場合であっても、それぞれの切替部分領域における調光のタイミングを揃えることができる。

0011

本発明のさらに別の態様もまた、車両用灯具システムである。この車両用灯具システムは、アレイ状に配列された複数の半導体発光素子を有し、複数の半導体発光素子のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域によって構成される配光パターンを車両前方に形成する灯具ユニットと、取得した前方状況に応じた情報または自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、複数の半導体発光素子を調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する制御部と、を備える。制御部は、(1)複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる第3の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第2の配光パターンから第3の配光パターンへ切り替える際に、該第3の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度が増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T1で第3の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御し、(2)複数種類の配光パターンに含まれる第4の配光パターンから第5の配光パターンへ切り替えている途中において、第5の配光パターンとは異なる第6の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合であって、第5の配光パターンから第6の配光パターンへ切り替える際に、該第6の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合、所定時間T2(T2>T1)で第6の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。

0012

この態様によると、例えば、グレアを抑制するために切替部分領域を増光傾向から減光傾向へ変化させる場合には、比較的速やかに配光パターンの切替えを行える。一方、例えば、視認性を高めるために増光する際には、調光速度が速すぎると運転者に違和感を与えるため、比較的緩やかに配光パターンの切替えを行える。

0013

制御部は、取得した前方状況に応じた情報が車両前方に曲路が存在していることを示している場合、切り替える配光パターンを構成する複数の切替部分領域のうち、曲路の曲がる方向にある領域に対応する第1の切替部分領域の明るさを増大させ、曲がる方向にある領域の反対側の領域に対応する第2の切替部分領域の明るさを減少させるように、第1の切替部分領域および第2の切替部分領域を照射するそれぞれの半導体発光素子の駆動を制御してもよい。これにより、例えば、運転者の視線を曲路の曲がる方向に誘導できる。

0014

制御部は、取得した自車両の走行状況に応じた情報が高速走行中であることを示している場合、切り替える配光パターンを構成する複数の切替部分領域のうち、当該配光パターンの中央領域に対応する第1の切替部分領域の明るさを増大させ、当該配光パターンの端部領域に対応する第2の切替部分領域の明るさを減少させるように、第1の切替部分領域および第2の切替部分領域を照射するそれぞれの半導体発光素子の駆動を制御してもよい。これにより、遠方の視認性を向上できる。

0015

なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。

発明の効果

0016

本発明によれば、配光パターンを切り替える際の違和感を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0017

本実施の形態に係る車両用灯具システムに用いられる灯具ユニットを含む車両用灯具概略構造を示す水平断面図である。
光源ユニットの概略構造を示す斜視図である。
車両用灯具によって形成される配光パターンを模式的に示す図である。
実施の形態に係る車両用灯具システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
実施例1における配光パターンの切替え前後での、所定の複数の切替部分領域の照度変化と照度変化速度との関係を説明するための図である。
実施例2における配光パターンの切替え前後での、所定の複数の切替部分領域の照度変化と照度変化速度との関係を説明するための図である。
配光パターンを切り替えるタイミングによって切替部分領域の照度変化速度を適正化する技術を説明するための図である。
曲路における配光パターンを模式的に示す図である。
図9(a)は、ハイビーム用配光パターンPH1から曲路用配光パターンPH4への切替えにより明るさが変化する切替部分領域の照度変化を示す図である。
高速走行用配光パターンを模式的に示す図である。

実施例

0018

以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。

0019

図1は、本実施の形態に係る車両用灯具システムに用いられる灯具ユニットを含む車両用灯具の概略構造を示す水平断面図である。車両用灯具10は、ランプボディ12と、ランプボディ12の前端開口部に取り付けられる透光カバー14とを有する。ランプボディ12と透光カバー14とで形成される灯室内には、ロービーム用灯具ユニット20L及びハイビーム用灯具ユニット20Hとが収容される。ロービーム用灯具ユニット20L及びハイビーム用灯具ユニット20Hは、それぞれ図示しない支持部材によってランプボディ12に取り付けられる。また、これらの灯具ユニットの存在領域に開口部を有するエクステンション部材16が、ランプボディ12又は透光カバー14に固定され、ランプボディ12の前面開口部と灯具ユニットとの間の領域が覆われる。

0020

ロービーム用灯具ユニット20Lは、いわゆる反射型灯具であり、光源バルブ21とリフレクタ23とを有する。ロービーム用灯具ユニット20Lは、光源バルブ21から出射した光をリフレクタ23により灯具前方反射させ、反射した光の一部を図示しない遮光板カットして、ロービーム用の配光パターンを形成する。光源バルブ21の先端には光源バルブ21から直接前方に出射する光をカットするシェード25が設けられる。なお、ロービーム用灯具ユニット20Lの構造は特にこれに限定されず、後述するハイビーム用灯具ユニット20Hと同様にプロジェクタ型の灯具であってもよい。

0021

ハイビーム用灯具ユニット20Hは、いわゆるプロジェクタ型の灯具であり、投影レンズ22と、ハイビーム照射用の光源26を備えた光源ユニット24と、投影レンズ22及び光源ユニット24を保持するホルダ28とを有する。投影レンズ22は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであり、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置される。投影レンズ22は、その周縁部がホルダ28の前端側に保持される。

0022

光源ユニット24は、光源26が光軸Ax方向前方を向くように配置されて、ホルダ28の後端側に保持される。後述するように、本実施の形態の光源ユニット24は、アレイ状(n×m:m、nは1以上の整数)に配列された複数のLEDで構成される。ホルダ28は、図示しない支持部材を介してランプボディ12に取り付けられる。なお、ハイビーム用灯具ユニット20Hの構造は特にこれに限定されず、ロービーム用灯具ユニット20Lと同様に反射型の灯具であってもよい。

0023

図2は、光源ユニットの概略構造を示す斜視図である。光源ユニット24は、光源26と、支持プレート30と、ヒートシンク32とを有する。光源26は、例えば発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子で構成される複数の個別光源26a〜26hを有する。個別光源26a〜26hは、水平一列に互いに隣接するように配置され、支持プレート30の前方側表面に固定される。個別光源26a〜26hは、後述するADBモードにおいて、第1制御部100及び第2制御部104により互いに独立に光の照射が制御される。なお、個別光源の数や配置は特に限定されない。また、複数の発光素子によって、1つの個別光源が形成されてもよい。

0024

ヒートシンク32は、光源26から発せられる熱を放散させるための部材であり、支持プレート30の車両後方側表面に保持される。光源ユニット24は、支持プレート30を介してホルダ28に固定される。

0025

図3は、車両用灯具によって形成される配光パターンを模式的に示す図である。図3では、灯具前方の所定位置、例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを示している。

0026

車両用灯具10では、ロービーム用灯具ユニット20Lの照射光により、ロービーム用配光パターンPLが形成される。ロービーム用配光パターンPLは、V−V線よりも右側に、H−H線と平行に延びる対向車線側カットオフラインCL1を、V−V線よりも左側に、対向車線側カットオフラインCL1よりも高い位置でH−H線と平行に延びる自車線側カットオフラインCL2を、そして対向車線側カットオフラインCL1と自車線側カットオフラインCL2との間に、両者をつなぐ斜めカットオフラインCL3をそれぞれ有する。なお、ロービーム用灯具ユニット20Lは、右側通行時に前走車や歩行者にグレアを与えないように配慮された配光パターンである、ドーバーロービーム用配光パターンを形成してもよい。

0027

また、車両用灯具10では、ハイビーム用灯具ユニット20Hの照射光により、ハイビーム用配光パターンPHが形成される。ハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLに対して付加的に形成される配光パターンである。ハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLのカットオフラインよりも上方に照射領域が形成されるように、ロービーム用配光パターンPLに対して付加される。ハイビーム用配光パターンPHは、個別光源26a〜26hのそれぞれによって形成される部分パターン(部分領域)PHa〜PHhが合成されてなる配光パターンである。また、ハイビーム用灯具ユニット20Hは、ADBモードにおいて各部分パターンPHa〜PHhの形成/非形成の組合せにより、自車又は前方車両の状況に応じて形状の異なる複数の付加配光パターンを形成することができる。

0028

つまり、ハイビーム用灯具ユニット20Hは、複数の半導体発光素子(個別光源26a〜26h)のそれぞれの照射領域に対応する複数の部分領域(PHa〜PHh)によって構成されるハイビーム用配光パターンPHを車両前方に形成できる。

0029

続いて、本実施の形態に係る車両用灯具システムにより実行されるADBモードについて詳細に説明する。図4は、実施の形態に係る車両用灯具システムの構成を説明するための機能ブロック図である。なお、第1制御部100や第2制御部104、車両制御部108等は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図4では適宜、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックはハードウェアソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。

0030

本実施の形態に係る車両用灯具システム1は、ハイビーム用灯具ユニット20Hと、自動配光制御モードとしてのADBモードを実行する第1制御部100と、ハイビーム用灯具ユニット20Hに電力を供給する灯具駆動部102と、灯具駆動部102からハイビーム用灯具ユニット20Hへの給電を制御する第2制御部104と、を備える。ハイビーム用灯具ユニット20Hは、各個別光源26a〜26hの点消灯の切替えにより部分パターンPHa〜PHhの形成/非形成を切り替えることで、互いに異なる非照射領域を有する複数の配光パターンを形成可能な灯具ユニットである。ハイビーム用灯具ユニット20Hは、各個別光源26a〜26hの点消灯の切替えに加えて、各個別光源26a〜26hの輝度調整により部分パターンPHa〜PHhの照度を調整することで、複数の配光パターンを切り替えてもよい。上記の部分パターンの「非形成」には、前方車両の運転者にグレアを与えない程度に低照度の部分パターンを形成することが含まれてもよい。また、「非照射領域」には、同様に低照度の領域が含まれてもよい。

0031

第1制御部100は、配光制御ECUであり、例えば車両200内に配置される。第1制御部100は、車両200に設けられる点灯スイッチ106からハイビーム用灯具ユニット20Hの点灯指示があると、給電を指示する信号を電力供給部としての車両制御部108に送る。また、点灯スイッチ106からハイビーム用灯具ユニット20Hの消灯指示があると、給電の停止を指示する信号を車両制御部108に送る。

0032

車両制御部108は、例えばボディーコントロールモジュール(BCM)で構成される。車両制御部108は、車両200に搭載されるバッテリ110から電力が供給され駆動する。また、車両制御部108は、第1制御部100から給電指示信号を受信すると、バッテリ110から供給される電力を灯具駆動部102に供給し、第1制御部100から給電停止指示信号を受信すると、バッテリ110から供給される電力の灯具駆動部102への供給を停止する。

0033

また、第1制御部100は、点灯スイッチ106からハイビーム用灯具ユニット20Hの点灯指示があり、かつADBモードの実行指示がなされた場合に、ADBモードを実行する。ADBモードでは、自車又は前方車両の状況に応じて、配光パターンの形成又は非形成が選択され、また配光パターンを形成する場合は複数の配光パターンから形成する配光パターンが選択される自動配光制御が実施される。

0034

第1制御部100は、例えば車両200に搭載される検知部としてのカメラ112が取得する情報に基づいて、前方車両の存否及び存在位置を含む前方車両の状況を検知することができる。カメラ112は、撮像した画像データの画像解析を行い、撮像範囲内の前方車両を検知する。そして、この結果を第1制御部100に送る。なお、前方車両を検知する検知部としては、カメラ112に代えて例えばミリ波レーダ赤外線レーダなど他の検知装置が用いられてもよく、またそれらが組み合わされてもよい。また、第1制御部100は、例えば車両200に搭載される検知部としての車速センサ114が取得する情報に基づいて、自車の走行/停止を含む、自車の状況を検知することができる。

0035

第1制御部100は、カメラ112及び/又は車速センサ114の情報を取得して自車あるいは前方車両の状況を検知し、ハイビーム用灯具ユニット20Hにより配光パターンを形成すべきか否か、及び配光パターンを形成する場合にはどのような形状の配光パターンを形成すべきかを判断する。

0036

例えば、車速センサ114の情報に基づいて、自車が停車中であることが検知された場合、第1制御部100はハイビーム用灯具ユニット20Hによる配光パターンの非形成を選択する。また、カメラ112の情報に基づいて、部分パターンPHa〜PHhの照射範囲のいずれにも前方車両が重なることが検知された場合、第1制御部100はハイビーム用灯具ユニット20Hによる配光パターンの非形成を選択する。第1制御部100は、ハイビーム用灯具ユニット20Hによる配光パターンの非形成を選択した場合、当該選択の結果を示す信号(以下では適宜、「選択結果信号」と称する)を第2制御部104に送信する。

0037

また、例えば、車速センサ114の情報に基づいて、自車が走行中であることが検知され、またカメラ112の情報に基づいて、部分パターンPHa〜PHhの照射範囲の少なくとも1つに前方車両が存在しないことが検知された場合、ハイビーム用灯具ユニット20Hによる配光パターンの形成を選択する。また、第1制御部100は、形成する配光パターンとして、前方車両と重なる部分パターンの非形成と残りの部分パターンの形成との組合せで得られる配光パターンを選択する。そして、第1制御部100は、選択結果信号を第2制御部104に送る。第1制御部100から第2制御部104への選択結果信号の送信は、例えばLIN(Local Interconnect Network)通信、あるいはCAN(Controller Area Network)通信で行われる。

0038

第2制御部104は、ADBモードにおいて、第1制御部100から受領する選択結果信号に基づいて、車両制御部108から灯具駆動部102へ供給される電力の、灯具駆動部102からハイビーム用灯具ユニット20Hへの給電を制御する。具体的には、第2制御部104は、第1制御部100の選択の結果に基づいて、灯具駆動部102からハイビーム用灯具ユニット20Hの各個別光源26a〜26hへの給電と非給電とを決定する。

0039

これにより、第1制御部100が配光パターンの非形成を選択した場合には、灯具駆動部102がハイビーム用灯具ユニット20Hへの給電を停止し、ハイビーム用灯具ユニット20Hによる配光パターンの形成が回避される。また、第1制御部100が配光パターンの形成を選択した場合には、灯具駆動部102が電力をハイビーム用灯具ユニット20Hに供給し、選択した配光パターンがハイビーム用灯具ユニット20Hにより形成される。なお、第2制御部104は、例えば灯具駆動部102の内部に組み込まれるマイクロコントローラで構成され、車両用灯具10内に配置される。

0040

車両用灯具システム1は、点灯スイッチ106によりADBモードの実行指示がなされていない場合、自車又は前方車両の状況によらず点灯スイッチ106のオンオフの切替えにより、ハイビーム用配光パターンPHの形成及び非形成が切り替えられる手動配光制御モードを実行する。手動配光制御モードにおいて、第1制御部100は、ハイビーム用灯具ユニット20Hの点灯指示があると、灯具駆動部102から全ての個別光源26a〜26hに給電するよう第2制御部104に指示する。

0041

第1制御部100及び第2制御部104は、車両200に搭載されるイグニッションスイッチ116を介してバッテリ110に接続される。イグニッションスイッチ116のオンとオフの切替えにより、バッテリ110から第1制御部100及び第2制御部104への電力の供給、非供給が切り替えられる。したがって、第1制御部100及び第2制御部104は、ハイビーム用灯具ユニット20Hの点灯用電力を給電する車両制御部108の電源(いわゆるバッテリ電源)とは独立した電源(いわゆるイグニッション電源)からの電力で駆動する。

0042

また、点灯スイッチ106によりロービーム用灯具ユニット20Lの点灯指示がなされると、第1制御部100は、灯具駆動部102からロービーム用灯具駆動部118へ給電するよう第2制御部104へ指示する。ロービーム用灯具駆動部118へ供給される電力は、ロービーム用灯具駆動部118からロービーム用灯具ユニット20Lに供給される。これにより、ロービーム用灯具ユニット20Lが点灯してロービーム用配光パターンPLが形成される。

0043

次に、ADBモードの実行(点灯)、終了(消灯)の切り替わり時における個別光源の制御や、ADBモードにおいて形成可能な複数種類の配光パターンのうちの1つの配光パターンから他の配光パターンに切り替わる際の個別光源の制御について、例を挙げて説明する。

0044

ADBモードにおいては、複数の個別光源を調光することで、全点灯、全消灯を含む様々な配光パターンを形成することができる。そのため、配光パターンの切替え前後での各個別光源の点灯状態は様々であり、配光パターンを切り替える際の違和感をなるべく運転者に抱かせない制御が求められる。違和感を抱く状況は様々であり、必ずしも一定の状況のみで発生するものではないが、例えば、以下のような状況が想定される。

0045

(1)配光パターンP1から配光パターンP2へ切り替える場合と、配光パターンP2から配光パターンP3へ切り替える場合とで、切替えにかかる時間がばらばら、あるいは切替えにかかる時間のばらつきが大きい場合、(2)配光パターンを構成する複数の照射領域のうち、明るさを変化させる切替部分領域が複数の場合、各切替部分領域における明るさ(照度)が目標の明るさに収束するタイミングがばらばら、あるいは収束するタイミングのばらつきが大きい場合、等が挙げあれる。

0046

(実施例1)
実施例1では、複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる他の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合の制御について説明する。図5は、実施例1における配光パターンの切替え前後での、所定の複数の切替部分領域の照度変化と照度変化速度との関係を説明するための図である。

0047

なお、図5や後述の図6で示すグラフ縦軸には、光源の照度および出力Dutyの割合が併記されているが、必ずしも照度と出力Dutyとが厳密な比例関係にある必要はなく、出力Dutyの増加に伴い照度が徐々に増大するような特性を持つ光源であればよい。

0048

上述のように、本実施の形態に係る車両制御部108、第1制御部100および第2制御部104(以下、適宜「制御部」と称する。)は、カメラ112等により取得した前方状況に応じた情報や車速センサ114等により取得した自車両の走行状況に応じた情報に基づいて、複数の個別光源26a〜26hを調光制御し、複数種類の配光パターンを実現する。以下では、少なくとも2つ(複数)の個別光源を調光する場合を例に説明する。

0049

例えば、カメラ112で取得した情報等に基づいて、ハイビーム用配光パターンPHを構成する部分領域PHd,PHeに前方車(自車線側を走行する前走車や対向車線側を走行する対向車)の存在を検出した場合、制御部は、前方車にグレアを与えないように部分領域PHd,PHeの照度を下げるべくハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。具体的には、図5に示すように、制御部は、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが50%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが25%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH’を形成する。

0050

その後、例えば、部分領域PHdから前方車がいなくなり、部分領域PHeにおける前方車との距離が大きくなったような状況において、ハイビーム用灯具ユニット20Hは、前方の視認性を向上するために各部分領域PHd,PHeの照度を上げるべく、個別光源26d,26eへ供給する電力のDutyを制御する。具体的には、図5に示すように、制御部は、所定の切替え時間t0後に、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが100%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが50%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH''を形成する。

0051

このように、部分ハイビーム用配光パターンPH’(第1の配光パターン)から部分ハイビーム用配光パターンPH''(第2の配光パターン)へ切り替えている途中において、車両前方の状況が大きく変化する場合がある。例えば、前方車が部分領域PHdや部分領域PHeに再度進入してきたり、前方車と自車両との距離が近づいてきたりする場合である。このような状況が図5に示す時間t1において生じていた場合、そのまま部分ハイビーム用配光パターンPH''へ増光させ続けると前方車の乗員にグレアを与える可能性が高くなる。

0052

そこで、それまでの部分ハイビーム用配光パターンPH''とは異なる他の配光パターンへ切り替える必要がある。他の配光パターンとしては種々あり得るが、実施例1に係るハイビーム用灯具ユニット20Hは、前方車等へのグレアを抑制するために各部分領域PHd,PHeの照度を下げるべく、個別光源26d,26eへ供給する電力のDutyを制御する。具体的には、図5に示すように、制御部は、所定の切替え時間t1+T1後に、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが25%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが0%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH'''(他の配光パターン)を形成する。

0053

なお、部分ハイビーム用配光パターンPH''への調光中に部分ハイビーム用配光パターンPH'''へ切替えを開始(時間t1)してから、部分ハイビーム用配光パターンPH'''の形成が完了するまでの時間T1は、以下の式(1)を満たすように設定するとよい。
t1<t1+T1<t0・・・式(1)

0054

つまり、制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる部分ハイビーム用配光パターンPH’から部分ハイビーム用配光パターンPH''へ切り替えている途中において、部分ハイビーム用配光パターンPH''から部分ハイビーム用配光パターンPH'''へ切り替える際に、部分ハイビーム用配光パターンPH'''を構成する複数の部分領域のうち照度が増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域PHd,PHeが存在する場合、所定時間T1で部分ハイビーム用配光パターンPH'''への切替えが行われるように、切替部分領域PHd,PHeを照射する個別光源26d,26eの駆動を制御する。

0055

また、部分ハイビーム用配光パターンPH’への調光中に部分ハイビーム用配光パターンPH''へ切り替わる場合、制御部は、切替部分領域PHdの照度変化速度ΔLdが、切替部分領域PHdの明るさが変化する前の照度Ldおよび目標となる照度Ld’との照度変化の大きさ|Ld−Ld’|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHdを照射する個別光源26dの駆動を制御する。

0056

また、制御部は、切替部分領域PHeの照度変化速度ΔLeが、切替部分領域PHeの明るさが変化する前の照度Leおよび目標となる照度Le’との照度変化の大きさ|Le−Le’|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHeを照射する個別光源26eの駆動を制御する。

0057

つまり、|Ld−Ld’|>|Le−Le’|の場合、ΔLd>ΔLeとなっている。そのため、制御部は、照度変化の大きさ|L*−L*’|(*はa〜hの任意の記号)に応じて照度変化速度ΔLが大きくなるように、該当する切替部分領域を照射する個別光源の駆動を制御することで、切替部分領域の照度変化が大きい場合であっても、配光パターンの切替えに必要な時間の増大を抑えられる。

0058

これにより、照度が増光傾向から減光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合であっても、所定時間T1で部分ハイビーム用配光パターンPH'''への切替えが行われる。そのため、例えば、複数の切替部分領域のそれぞれの照度変化が異なる場合であっても、それぞれの切替部分領域における調光のタイミングを揃えることができる。ここで、所定時間T1は例えば1.0s以下、好ましくは、0.8s以下、より好ましくは、0.7s以下であるとよい。なお、本実施例では、T1=0.4sである。

0059

(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に、複数種類の配光パターンに含まれる第1の配光パターンから第2の配光パターンへ切り替えている途中において、第2の配光パターンとは異なる他の配光パターンへ切り替える状況を検出した場合の制御について説明する。なお、実施例1との主な相違点は、他の配光パターンを構成する複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合を想定している点である。以下では、実施例1との相違点を中心に説明する。

0060

図6は、実施例2における配光パターンの切替え前後での、所定の複数の切替部分領域の照度変化と照度変化速度との関係を説明するための図である。

0061

例えば、カメラ112で取得した情報等に基づいて、ハイビーム用配光パターンPHを構成する部分領域PHd,PHeに前方車(自車線側を走行する前走車や対向車線側を走行する対向車)の存在が検出されない若しくは存在が遠方だった場合、制御部は、前方の視認性を向上させるために部分領域PHd,PHeの照度を上げるべくハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。具体的には、図6に示すように、制御部は、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが100%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが50%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH’を形成する。

0062

その後、例えば、部分領域PHdや部分領域PHeに前方車の存在が確認され、距離が近づいてきたような状況において、ハイビーム用灯具ユニット20Hは、前方車に対するグレアを抑制するために各部分領域PHd,PHeの照度を下げるべく、個別光源26d,26eへ供給する電力のDutyを制御する。具体的には、図6に示すように、制御部は、所定の切替え時間t0後に、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが50%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが25%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH''を形成する。

0063

このように、部分ハイビーム用配光パターンPH’(第1の配光パターン)から部分ハイビーム用配光パターンPH''(第2の配光パターン)へ切り替えている途中において、車両前方の状況が大きく変化する場合がある。例えば、前方車が部分領域PHdや部分領域PHeに存在しなくなったり、前方車と自車両との距離が遠く離れたりする場合である。例えば、このような状況が図6に示す時間t1において生じていた場合、そのまま部分ハイビーム用配光パターンPH''へ減光させ続けると前方の視認性が悪いままとなる。

0064

そこで、それまでの部分ハイビーム用配光パターンPH''とは異なる他の配光パターンへ切り替える必要がある。他の配光パターンとしては種々あり得るが、実施例2に係るハイビーム用灯具ユニット20Hは、車両前方の視認性を向上するために各部分領域PHd,PHeの照度を上げるべく、個別光源26d,26eへ供給する電力のDutyを制御する。具体的には、図6に示すように、制御部は、所定の切替え時間t1+T2後に、部分領域PHdを照射する個別光源26dへ供給する電力の出力Dutyが100%、部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが75%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御し、部分ハイビーム用配光パターンPH'''(他の配光パターン)を形成する。

0065

なお、部分ハイビーム用配光パターンPH''への調光中に部分ハイビーム用配光パターンPH'''へ切替えを開始(時間t1)してから、部分ハイビーム用配光パターンPH'''の形成が完了するまでの時間T2は、以下の式(2)を満たすように設定するとよい。
t1<t0<t1+T2・・・式(2)

0066

つまり、制御部は、複数種類の配光パターンに含まれる部分ハイビーム用配光パターンPH’から部分ハイビーム用配光パターンPH''へ切り替えている途中において、部分ハイビーム用配光パターンPH''から部分ハイビーム用配光パターンPH'''へ切り替える際に、部分ハイビーム用配光パターンPH'''を構成する複数の部分領域のうち照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域PHd,PHeが存在する場合、所定時間T2で部分ハイビーム用配光パターンPH'''への切替えが行われるように、切替部分領域PHd,PHeを照射する個別光源26d,26eの駆動を制御する。

0067

また、部分ハイビーム用配光パターンPH’への調光中に部分ハイビーム用配光パターンPH''へ切り替わる場合、制御部は、切替部分領域PHdの照度変化速度ΔLdが、切替部分領域PHdの明るさが変化する前の照度Ldおよび目標となる照度Ld’との照度変化の大きさ|Ld−Ld’|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHdを照射する個別光源26dの駆動を制御する。

0068

また、制御部は、切替部分領域PHeの照度変化速度ΔLeが、切替部分領域PHeの明るさが変化する前の照度Leおよび目標となる照度Le’との照度変化の大きさ|Le−Le’|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHeを照射する個別光源26eの駆動を制御する。

0069

つまり、|Ld−Ld’|<|Le−Le’|の場合、ΔLd<ΔLeとなっている。そのため、制御部は、照度変化の大きさ|L*−L*’|(*はa〜hの任意の記号)に応じて照度変化速度ΔLが大きくなるように、該当する切替部分領域を照射する個別光源の駆動を制御することで、切替部分領域の照度変化が大きい場合であっても、配光パターンの切替えに必要な時間の増大を抑えられる。

0070

これにより、照度が減光傾向から増光傾向へ変化する切替部分領域が複数存在する場合であっても、所定時間T2で部分ハイビーム用配光パターンPH'''への切替えが行われる。そのため、例えば、複数の切替部分領域のそれぞれの照度変化が異なる場合であっても、それぞれの切替部分領域における調光のタイミングを揃えることができる。ここで、所定時間T2は例えば3.0s以下、好ましくは、2.7s以下、より好ましくは、2.5s以下であるとよい。なお、本実施例では、T2=2.4sである。

0071

なお、実施例2に係る車両用灯具10は、実施例1と同様の制御をすることも可能である。この場合、所定時間T2(T2>T1)を満たすように、他の配光パターンへの切替えが行われるように、複数の切替部分領域を照射する半導体発光素子の駆動を制御する。これにより、例えば、グレアを抑制するために切替部分領域を増光傾向から減光傾向へ変化させる場合には、比較的速やかに配光パターンの切替えを行える。一方、例えば、視認性を高めるために増光する際には、調光速度が速すぎると運転者に違和感を与えるため、比較的緩やかに配光パターンの切替えを行える。

0072

(実施例3)
図7は、配光パターンを切り替えるタイミングによって切替部分領域の照度変化速度を適正化する技術を説明するための図である。なお、実施例3では、一つの切替部分領域に着目して説明する。

0073

例えば、切替部分領域PHeに前方車が存在しているため、個別光源26eのみが消灯している部分ハイビーム用配光パターンPH2が形成されている状況において、前方車が切替部分領域PHeからいなくなる場合について説明する。この場合、制御部は、切替部分領域PHeを照射する個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが100%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hの制御を開始する。実施例3にかかる制御部は、消灯されていた個別光源26eを3[s]で100%点灯させるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。

0074

個別光源26eを点灯させている途中において、切替部分領域PHeに前方車が再度含まれるようになると(図7の時間が2.0[s]のタイミング)、制御部は、個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが0%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hの制御を変更する。ここで、個別光源26eを点灯制御する際の制御終了時間(制御開始から3[s]後)を変更しないとすると、個別光源26eにおける照度は照度変化速度ΔL3で低下し最終的に消灯することになる。この場合、消灯制御に1[s]かかることから、前方車にグレアを与える可能性が高くなる。

0075

そこで、実施例3にかかる制御部は、点灯制御開始時に設定されている制御終了時間(制御が完了する時間)にかかわらず、切替部分領域PHeの照度変化速度ΔL1が、切替部分領域PHeの明るさが変化する前の照度Laおよび目標となる照度Lb(実施例3では0)との照度変化の大きさ|La−Lb|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHeを照射する個別光源26eの駆動を制御する。その結果、実施例3に係る制御では、消灯制御に切り替わってから消灯が完了するまでの時間が0.4[s]で済む。

0076

また、他の状況として、個別光源26eを点灯させている途中において、切替部分領域PHeに前方車が再度含まれるようになると(図7の時間が1.6[s]のタイミング)、制御部は、個別光源26eへ供給する電力の出力Dutyが0%になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hの制御を変更する。

0077

そして、制御部は、点灯制御開始時に設定されている制御終了時間(制御が完了する時間)にかかわらず、切替部分領域PHeの照度変化速度ΔL2が、切替部分領域PHeの明るさが変化する前の照度La’および目標となる照度Lb(実施例3では0)との照度変化の大きさ|La’−Lb|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHeを照射する個別光源26eの駆動を制御する。その結果、このような状況であっても、実施例3に係る制御では、消灯制御に切り替わってから消灯が完了するまでの時間が0.4[s]で済む。

0078

また、実施例3に係る制御では、点灯途中で消灯制御に切り替わってから消灯が完了するまでに必要な時間のばらつきがない(抑えられる)ため、運転者に与える違和感を少なくできる。なお、実施例3では、点灯途中で消灯制御に切り替える場合について説明したが、この技術思想は消灯途中で点灯制御に切り替える場合でも適用できる。また、消灯制御は、光源が完全に発光しないようにする場合だけでなく、光源を減光する場合も含まれる。

0079

(実施例4)
実施例4では、車両前方に曲路がある場合の配光パターンの切替え制御について説明する。図8は、曲路における配光パターンを模式的に示す図である。

0080

制御部は、カメラ112等で取得した前方状況に応じた情報が車両前方に曲路(カーブ)が存在していることを示している場合、それまでの通常のハイビーム用配光パターンPH1から曲路用配光パターンPH4へ切り替えるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。そして、制御部は、曲路用配光パターンPH4を構成する複数の切替部分領域(PHa,PHb,PHc,PHg,PHh)のうち、曲路の曲がる方向にある左側領域に対応する第1の切替部分領域PHg,PHhの明るさを増大させ、曲がる方向にある領域の反対側の右側領域に対応する第2の切替部分領域PHa,PHb,PHcの明るさを減少させるように、第1の切替部分領域および第2の切替部分領域を照射するそれぞれの個別光源26a〜26c,26g、26hの駆動を制御する。

0081

図9(a)は、ハイビーム用配光パターンPH1から曲路用配光パターンPH4への切替えにより明るさが変化する切替部分領域の照度変化を示す図である。図9(b)は、実施例4に係る曲路用配光パターンPH4への切替えの際の切替部分領域の照度変化と照度変化速度との関係を説明するための図である。

0082

ハイビーム用配光パターンPH1を形成している状態において、制御部は、カメラ112で取得した情報等に基づいて車両前方に曲路が存在していることを検出すると、切替部分領域PHg,PHhを照射する個別光源26g,26hへ供給する電力の出力Dutyをそれまでの75%から100%(増光)になるように、また、切替部分領域PHa〜PHcを照射する個別光源26a〜26cへ供給する電力の出力Dutyをそれまでの75%から25%(減光)になるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。その結果、図9に示すように曲路の曲がる方向である左側領域が明るく、曲路の曲がる方向の反対側の右側領域が暗い曲路用配光パターンPH4が形成される。これにより、例えば、運転者の視線を曲路の曲がる方向に誘導できる。

0083

ハイビーム用配光パターンPH1から曲路用配光パターンPH4へ切り替わる場合、制御部は、図9(b)に示すように、第1切替部分領域PHg,PHhの照度変化速度ΔL1が、第1切替部分領域PHg,PHhの明るさが変化する前の照度Laおよび目標となる照度Lbとの照度変化の大きさ|La−Lb|に応じて大きくなるように、第1切替部分領域PHg,PHhを照射する個別光源26g,26hの駆動を制御する。同時に、制御部は、第2切替部分領域PHa〜PHcの照度変化速度ΔL2が、第2切替部分領域PHa〜PHcの明るさが変化する前の照度Laおよび目標となる照度Lb’との照度変化の大きさ|La−Lb’|に応じて大きくなるように、切替部分領域PHa〜PHcを照射する個別光源26a〜26cの駆動を制御する。

0084

そして、制御部は、それぞれの照度変化速度ΔL1,ΔL2に基づいて第1切替部分領域PHg、PHhおよび第2切替部分領域PHa〜PHcを照射する個別光源26a〜26c,26g,26hの駆動を制御する。これにより、第1切替部分領域PHg、PHhと第2切替部分領域PHa〜PHcとにおける照度変化が収束(完了)するまでに必要な時間のばらつきが抑えられ、配光パターンの一部の領域での照度変化の収束が遅れる(早まる)といった状況を防止できる。

0085

(実施例5)
実施例5では、高速走行時における遠方の視認性を向上する場合の配光パターンの切替え制御について説明する。図10は、高速走行用配光パターンを模式的に示す図である。

0086

制御部は、車速センサ114等で取得した自車両の走行状況に応じた情報が高速走行中であることを示している場合、それまでの通常のハイビーム用配光パターンPH1から高速走行用配光パターンPH5へ切り替えるようにハイビーム用灯具ユニット20Hを制御する。そして、制御部は、高速走行用配光パターンPH5を構成する複数の切替部分領域(PHa,PHb、PHd,PHe,PHg,PHh)のうち、高速走行用配光パターンPH5の中央領域に対応する第1切替部分領域PHd,PHeの明るさを増大させ、高速走行用配光パターンPH5の端部領域に対応する第2の切替部分領域PHa,PHb,PHg,PHhの明るさを減少させるように、第1の切替部分領域および第2の切替部分領域を照射するそれぞれの個別光源26a,26b,26d,26e,26g,26hの駆動を制御する。これにより、遠方の視認性を向上できる。

0087

以上、本発明を上述の実施の形態や各実施例を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態や各実施例に限定されるものではなく、実施の形態や各実施例の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態や各実施例における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態や各実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。

0088

上述の照度変化速度と照度変化の大きさとの関係は、一次関数で表される比例関係の場合だけでなく、二次関数三次関数指数関数で表される関係であってもよい。照度変化速度と照度変化の大きさとの関係は、車両用灯具システムが備える記憶部に関数として記憶されていてもよいし、テーブルとして記憶されていてもよい。

0089

1車両用灯具システム、 10車両用灯具、 20Hハイビーム用灯具ユニット、 20Lロービーム用灯具ユニット、 24光源ユニット、 26光源、 100 第1制御部、 102灯具駆動部、 104 第2制御部、 108車両制御部、 112カメラ、 114車速センサ、 PH1ハイビーム用配光パターン、 PH2部分ハイビーム配光パター、 PH4曲路用配光パターン、 PH5高速走行用配光パターン、 T1 所定時間、 T1 時間、 T2 所定時間、 T2,t1 時間。

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