図面 (/)

技術 型締装置及び成形装置

出願人 東芝機械株式会社
発明者 渡會浩平安田大祐
出願日 2014年12月8日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2014-247983
公開日 2016年6月20日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-107306
状態 特許登録済
技術分野 チル鋳造・ダイキャスト プラスチック等の成形用の型
主要キーワード ブレーキ付電動機 ナット装置 雄ねじ状 巻き掛け伝動機構 基準型 リニア式 移動プラテン ダイカスト品
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

高精度に分割ナット装置タイバーとの相対的な位置決めが可能な型締装置を提供する。

解決手段

型締装置3は、固定プラテン9に連結され、移動プラテン11側に被係合部13bを有するタイバー13と、移動プラテン11に設置された型締シリンダ17と、型締シリンダ17のピストン29に連結され、被係合部13bと噛み合い可能なハーフナット装置37と、ハーフナット装置37の移動を規制するストッパ装置39と、を有している。ストッパ装置39は、少なくとも駆動部47と、駆動部47の駆動により移動プラテン11に対して型開閉方向に駆動され、ハーフナット装置37に対して固定プラテン9側から係合可能なストッパ部51と、を有し、駆動部47とストッパ部51との間に巻き掛け伝動機構が介在していない。

概要

背景

成形サイクル毎型厚調整を行う2プラテン式の型締装置が知られている(例えば特許文献1又は2)。例えば、特許文献1の型締装置は、固定金型を保持する固定ダイプレートと、移動金型を保持し、型開閉方向に移動可能な移動ダイプレートと、固定ダイプレートに内蔵された型締ピストンと、一端が型締ピストンに固定され、他端に雄ねじ状の被係合部を有するタイバーと、移動ダイプレートに連結され、タイバーの被係合部に係脱可能な分割ナット装置とを有している。この型締装置は、成形サイクルにおいて、まず、移動ダイプレートを固定ダイプレート側(型閉方向)へ移動させ、型閉じを行う。この際、分割ナット装置はタイバーに対して移動し、分割ナット装置とタイバーの被係合部とが型厚に応じた位置関係となる。次に、型締ピストンを駆動することによって、分割ナット装置と被係合部とが噛み合い可能に、これらのねじ溝の1ピッチ未満の距離でタイバーの位置が調整される(型厚調整がなされる)。その後、分割ナット装置と被係合部とが噛み合わされ、型締ピストンが駆動されることにより、タイバーが伸長されて型締めがなされる。

特許文献3では、上記のような成形サイクル毎の型厚調整を安定化させるために、ストッパを設けている。具体的には、特許文献3の型締装置は、固定金型を保持する固定ダイプレートと、移動金型を保持し、型開閉方向に移動可能な移動ダイプレートと、固定ダイプレートに内蔵された型締ピストンと、一端が移動ダイプレートに連結され、他端に雄ねじ状の被係合部を有するタイバーと、型締ピストンに連結され、タイバーの被係合部に係脱可能な分割ナット装置とを有している。この型締装置では、移動ダイプレートの移動に伴って、タイバー(被係合部)が型締ピストン及び分割ナット装置に対して移動する。ストッパは、成形サイクル前に型厚に応じた位置に予め調整されており、被係合部と分割ナット装置が噛み合い可能な位置に型締ピストンを位置決めするように、型締ピストンに当接する。これにより、分割ナット装置を被係合部に噛み合わせるときの両者の相対位置が安定する。なお、この当接は、型締めにおける型締ピストンの移動方向とは反対側からなされる。

特許文献3において、ストッパは、複数のタイバーに対応して複数設けられている。複数のストッパは、一のステッピングモータ駆動力チェーンを介して複数のストッパに伝達され、これにより、型開閉方向に駆動される。

概要

高精度に分割ナット装置とタイバーとの相対的な位置決めが可能な型締装置を提供する。型締装置3は、固定プラテン9に連結され、移動プラテン11側に被係合部13bを有するタイバー13と、移動プラテン11に設置された型締シリンダ17と、型締シリンダ17のピストン29に連結され、被係合部13bと噛み合い可能なハーフナット装置37と、ハーフナット装置37の移動を規制するストッパ装置39と、を有している。ストッパ装置39は、少なくとも駆動部47と、駆動部47の駆動により移動プラテン11に対して型開閉方向に駆動され、ハーフナット装置37に対して固定プラテン9側から係合可能なストッパ部51と、を有し、駆動部47とストッパ部51との間に巻き掛け伝動機構が介在していない。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

固定プラテンと、前記固定プラテンに対して型開閉方向に移動可能な移動プラテンと、前記固定プラテン及び前記移動プラテンの一方のプラテンに連結され、前記固定プラテン及び前記移動プラテンの他方のプラテン側に被係合部を有するタイバーと、前記他方のプラテンに設置され、内部に前記型開閉方向に移動可能なピストンを有する型締シリンダと、前記ピストンに連結され、前記被係合部と噛み合い可能な分割ナット装置と、前記分割ナット装置の前記他方のプラテンに対する前記一方のプラテン側への移動を規制するストッパ装置と、を有し、前記ストッパ装置は、少なくとも駆動部と、前記駆動部の駆動により前記他方のプラテンに対して前記型開閉方向に駆動され、前記分割ナット装置に対して前記一方のプラテン側から係合可能なストッパ部と、を有し、前記駆動部と前記ストッパ部との間に巻き掛け伝動機構が介在していない型締装置

請求項2

前記ストッパ装置は、さらに前記駆動部の回転を前記型開閉方向の並進運動に変換する変換機構を有し、前記ストッパ部は、前記変換機構の並進運動により前記他方のプラテンに対して前記型開閉方向に駆動される請求項1に記載の型締装置。

請求項3

前記変換機構は、前記駆動部の出力軸に同心状に固定されたピニオンと、前記型締シリンダのシリンダ部をその軸回りに囲む環状に形成され、外周側に前記ピニオンに噛み合うギヤ部を有するとともに、内周側に雌ねじ部を有するナットギヤと、前記シリンダ部に設けられ、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、を有し、前記ストッパ部は、前記ナットギヤの前記一方のプラテンとは反対側の面により構成されている請求項2に記載の型締装置。

請求項4

複数の前記タイバーと、前記複数のタイバーに対応して設けられた複数の前記ストッパ装置と、前記複数のストッパ装置の駆動部を独立に制御可能な制御装置と、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の型締装置。

請求項5

前記型締シリンダを制御することにより、前記ピストンを前記一方のプラテンとは反対側に移動させて前記分割ナット装置を前記ストッパ部から離反させ、その離反させた状態で、前記駆動部を制御することにより、所定の型厚情報に基づいて算出された位置へ前記ストッパ部を移動させる、制御装置を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の型締装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の型締装置を備えた成形装置

技術分野

0001

本発明は、金型開閉及び型締めする型締装置及び成形装置成形機)に関する。成形装置は、例えば、ダイカストマシン射出成形機である。

背景技術

0002

成形サイクル毎型厚調整を行う2プラテン式の型締装置が知られている(例えば特許文献1又は2)。例えば、特許文献1の型締装置は、固定金型を保持する固定ダイプレートと、移動金型を保持し、型開閉方向に移動可能な移動ダイプレートと、固定ダイプレートに内蔵された型締ピストンと、一端が型締ピストンに固定され、他端に雄ねじ状の被係合部を有するタイバーと、移動ダイプレートに連結され、タイバーの被係合部に係脱可能な分割ナット装置とを有している。この型締装置は、成形サイクルにおいて、まず、移動ダイプレートを固定ダイプレート側(型閉方向)へ移動させ、型閉じを行う。この際、分割ナット装置はタイバーに対して移動し、分割ナット装置とタイバーの被係合部とが型厚に応じた位置関係となる。次に、型締ピストンを駆動することによって、分割ナット装置と被係合部とが噛み合い可能に、これらのねじ溝の1ピッチ未満の距離でタイバーの位置が調整される(型厚調整がなされる)。その後、分割ナット装置と被係合部とが噛み合わされ、型締ピストンが駆動されることにより、タイバーが伸長されて型締めがなされる。

0003

特許文献3では、上記のような成形サイクル毎の型厚調整を安定化させるために、ストッパを設けている。具体的には、特許文献3の型締装置は、固定金型を保持する固定ダイプレートと、移動金型を保持し、型開閉方向に移動可能な移動ダイプレートと、固定ダイプレートに内蔵された型締ピストンと、一端が移動ダイプレートに連結され、他端に雄ねじ状の被係合部を有するタイバーと、型締ピストンに連結され、タイバーの被係合部に係脱可能な分割ナット装置とを有している。この型締装置では、移動ダイプレートの移動に伴って、タイバー(被係合部)が型締ピストン及び分割ナット装置に対して移動する。ストッパは、成形サイクル前に型厚に応じた位置に予め調整されており、被係合部と分割ナット装置が噛み合い可能な位置に型締ピストンを位置決めするように、型締ピストンに当接する。これにより、分割ナット装置を被係合部に噛み合わせるときの両者の相対位置が安定する。なお、この当接は、型締めにおける型締ピストンの移動方向とは反対側からなされる。

0004

特許文献3において、ストッパは、複数のタイバーに対応して複数設けられている。複数のストッパは、一のステッピングモータ駆動力チェーンを介して複数のストッパに伝達され、これにより、型開閉方向に駆動される。

先行技術

0005

特開2005−297020号公報
特開2003−334648号公報
特開平2−18009号公報

発明が解決しようとする課題

0006

分割ナット装置とタイバーの被係合部とを噛み合わせるときの相対位置が適切でないと、例えば、分割ナット装置及び被係合部が傷むおそれがある。その結果、例えば、適切な型締力を得ることができなくなるおそれがある。従って、より高精度に分割ナット装置とタイバーの被係合部との相対的な位置決めが可能な型締装置及び成形装置が提供されることが望まれる。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様に係る型締装置は、固定プラテンと、前記固定プラテンに対して型開閉方向に移動可能な移動プラテンと、前記固定プラテン及び前記移動プラテンの一方のプラテンに連結され、前記固定プラテン及び前記移動プラテンの他方のプラテン側に被係合部を有するタイバーと、前記他方のプラテンに設置され、内部に前記型開閉方向に移動可能なピストンを有する型締シリンダと、前記ピストンに連結され、前記被係合部と噛み合い可能な分割ナット装置と、前記分割ナット装置の前記他方のプラテンに対する前記一方のプラテン側への移動を規制するストッパ装置と、を有し、前記ストッパ装置は、少なくとも駆動部とと、前記駆動部の駆動により前記他方のプラテンに対して前記型開閉方向に駆動され、前記分割ナット装置に対して前記一方のプラテン側から係合可能なストッパ部と、を有し、前記駆動部と前記ストッパ部との間に巻き掛け伝動機構が介在していない。

0008

好適には、前記ストッパ装置は、さらに前記駆動部の回転を前記型開閉方向の並進運動に変換する変換機構と、を有し、前記ストッパ部は、前記変換機構の並進運動により前記他方のプラテンに対して前記型開閉方向に駆動される。

0009

好適には、前記変換機構は、前記駆動部の出力軸に同心状に固定されたピニオンと、前記型締シリンダのシリンダ部をその軸回りに囲む環状に形成され、外周側に前記ピニオンに噛み合うギヤ部を有するとともに、内周側に雌ねじ部を有するナットギヤと、前記シリンダ部に設けられ、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、を有し、前記ストッパ部は、前記ナットギヤの前記一方のプラテンとは反対側の面により構成されている。

0010

好適には、前記型締装置は、複数の前記タイバーと、前記複数のタイバーに対応して設けられた複数の前記ストッパ装置と、前記複数のストッパ装置の駆動部を独立に制御可能な制御装置と、を有する。

0011

好適には、前記型締装置は、前記型締シリンダを制御することにより、前記ピストンを前記一方のプラテンとは反対側に移動させて前記分割ナット装置を前記ストッパ部から離反させ、その離反させた状態で、前記駆動部を制御することにより、所定の型厚情報に基づいて算出された位置へ前記ストッパ部を移動させる、制御装置を有する。

0012

本発明の一態様に係る成形装置は、上記の型締装置を備えている。

発明の効果

0013

本発明によれば、例えば、電動機からストッパ部までにおける遊びが低減されることから、高精度に分割ナット装置とタイバーの被係合部との相対的な位置決めを行うことができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施形態に係るダイカストマシンの要部構成を、型開状態で示す模式図。
図1のダイカストマシンの要部構成を型閉状態で示す模式図。
図2の領域IIIを拡大して示す断面図。
図2の領域IIIを図3とは異なる状態で示す断面図。
図1のダイカストマシンが実行するストッパの位置調整のための処理の手順を示すフローチャート

実施例

0015

(ダイカストマシンの構成)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るダイカストマシン1の要部構成を示す、一部に断面図を含む側面図である。図1は、ダイカストマシン1の型開状態を示している。図2は、ダイカストマシン1の型閉状態を示している。

0016

ダイカストマシン1は、固定金型103及び移動金型105を含む金型101の内部に溶湯溶融状態の金属、成形材料の一例)を射出し、金型101内で溶湯を固化させてダイカスト品成形品の一例)を製造するための装置である。

0017

ダイカストマシン1は、例えば、金型101の型開閉及び型締めを行う型締装置3と、金型101内に溶湯を射出する不図示の射出装置と、ダイカスト品を固定金型103又は移動金型105から押し出す不図示の押出装置と、これらの各装置を制御する制御装置5とを有している。

0018

型締装置3は、例えば、ベース7と、ベース7上に設けられ、固定金型103を保持する固定ダイプレート9と、ベース7上に設けられ、移動金型105を保持する移動ダイプレート11と、固定ダイプレート9及び移動ダイプレート11に架け渡される複数のタイバー13とを有している。

0019

ベース7は、例えば、工場の床面等に載置されている。固定ダイプレート9及び移動ダイプレート11は、互いに対向するようにベース7上に配置されている。固定ダイプレート9は、移動ダイプレート11に対向する金型取付面に固定金型103を保持しており、ベース7に対して固定されている。一方、移動ダイプレート11は、固定ダイプレート9に対向する金型取付面に移動金型105を保持し、ベース7に対して、型開閉方向(固定ダイプレート9に対して近接・離反する方向)に移動可能に設けられている。

0020

移動ダイプレート11の固定ダイプレート9に近接する方向(型閉方向)への移動により、金型101の型閉じが行われる(図2)。また、移動ダイプレート11の固定ダイプレート9から離反する方向(型開方向)への移動により、金型101の型開きが行われる(図1)。

0021

タイバー13は、例えば、金型101の周囲に複数本設けられている。具体的には、例えば、概略矩形の固定ダイプレート9及び移動ダイプレート11の4隅側に合計で4本設けられている。4本のタイバー13は、例えば、金型101を中心に、上下対称及び左右対称に配置されている。タイバー13は、少なくとも型閉状態において固定ダイプレート9及び移動ダイプレート11に架け渡されることが可能な長さを有している。

0022

タイバー13の固定ダイプレート9側の部分(例えば端部)は、固定ダイプレート9に連結されている。従って、図2に示す型閉状態において、タイバー13の移動ダイプレート11側の部分(例えば端部)を移動ダイプレート11に対してその背後(固定ダイプレート9とは反対側、図の紙面左側)に引っ張ることにより、タイバー13を伸長させ、その伸長量に応じた型締力を発生させることができる。

0023

なお、タイバー13と固定ダイプレート9との連結は、ねじ等を用いてなされていてもよいし、金型交換におけるタイバー13の引き抜きを容易にするために、固定ダイプレート9に設置され、タイバー13に係合可能な係合装置によってなされていてもよい。ただし、いずれにせよ、タイバー13は、複数の成形サイクルに亘って、固定ダイプレート9に連結された状態が維持される。

0024

型締装置3は、例えば、いわゆる複合型の型締装置により構成されており、型開閉を行うための駆動手段と型締めを行うための駆動手段とを別個に有している。具体的には、型締装置3は、例えば、型開閉を行うための電動式型開閉駆動装置15と、型締めを行うための型締シリンダ17とを有している。

0025

型開閉駆動装置15は、例えば、回転式の電動機19と、電動機19の回転を並進運動に変換して移動ダイプレート11に伝達するねじ機構21とを有している。ねじ機構21は、例えば、ボールねじ機構により構成されており、ベース7に支持されたねじ軸23と、移動ダイプレート11に固定され、不図示のボールを介してねじ軸23に螺合されたナット25とを有している。

0026

ねじ軸23は、型開閉方向に延びるように配置され、また、軸回りに回転可能且つ軸方向に移動不可能に支持されている。ナット25は、移動ダイプレート11に固定されることにより、軸回りに回転不可能且つ軸方向に移動可能である。電動機19の回転が直接又は適宜な歯車機構等を介して間接的にねじ軸23に伝達され、ねじ軸23が回転されると、ナット25が軸方向に移動する。これにより、ナット25に固定されている移動ダイプレート11が型開閉方向に移動する。

0027

型締シリンダ17は、例えば、移動ダイプレート11の背後に設置されている。また、型締シリンダ17は、例えば、タイバー13毎に設けられており、本実施形態では、合計4つ設けられている。型締シリンダ17によってタイバー13を引っ張ることにより、上述のように型締力を発生させることができる。

0028

制御装置5は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置等を有するコンピュータを含んで構成されている。制御装置5は、型締装置3、不図示の射出装置及び不図示の押出装置等の動作を制御する。例えば、制御装置5は、予め設定された情報及び不図示のセンサ位置センサ又は圧力センサ)等の信号に基づいて、各装置の駆動装置ドライバ及び/又は液圧回路(例えば油圧回路)に制御信号を出力する。

0029

図3は、図2の領域IIIを拡大して示す断面図である。図4は、図2の領域IIIを図3とは異なる状態で示す断面図である。なお、以下では、4つの型締シリンダ17のうち一の型締シリンダ17に関して説明するが、他の型締シリンダ17についても同様である。

0030

型締シリンダ17は、例えば、型開閉方向に平行に設置されたシリンダ部27と、シリンダ部27内をその軸方向(型開閉方向)に摺動可能なピストン29とを有している。ピストン29をタイバー13に係合させ、ピストン29を後方(固定ダイプレート9とは反対側、紙面左側)に移動させることにより、タイバー13を引っ張ることができる。

0031

シリンダ部27は、例えば、概略、筒状に構成されており、ねじ31によって移動ダイプレート11の背後に固定されている。シリンダ部27は、適宜な数の部材が組み合わされて構成されてよい。例えば、シリンダ部27は、ピストン29が摺動するチューブ33と、チューブ33の後方に固定されたカバー35とを含んでいる(さらに、これらの各部材が2以上の部材から構成されていてもよい。)。

0032

ピストン29は、例えば、シリンダ部27内を2つのシリンダ室(前側室27f及び後側室27r)に区画するピストン本体29aと、シリンダ部27から前方(固定ダイプレート9側、紙面右側)へ延び出る前方突出部29bと、シリンダ部27から後方へ延び出る後方突出部29cとを有している。ピストン29の軸芯には、タイバー13がピストン29に対して軸方向に移動可能に挿通されている。ピストン29は適宜な数の部材から構成されてよい。

0033

前側室27f及び後側室27rに選択的に作動液(例えば油)を供給することによって、ピストン29を型開閉方向に駆動することができる。タイバー13をピストン29に挿通することによって、例えば、不要なモーメントの発生を抑制しつつ、ピストン29からタイバー13に型開閉方向の力を伝えることができる。前方突出部29b及び後方突出部29cは、例えば、ピストン29のシリンダ部27及びタイバー13に対する傾斜抑制、並びに、前側室27f及び後側室27rの作動液の漏れ抑制等に寄与する。後方突出部29cは、後述するように、タイバー13とピストン29との係合にも寄与する。

0034

型締装置3は、上述した構成に加えて、タイバー13とピストン29との係合及びその解除を行うハーフナット装置37と、ハーフナット装置37の係合(噛み合い)を安定化させるためのストッパ装置39とを有している。

0035

ハーフナット装置37において、その基本的な動作原理を実現する構成は、公知の構成と同様とされてよい。例えば、ハーフナット装置37は、互いに対向する1対のハーフナット41と、1対のハーフナット41をその開閉方向(互いに近接・離反する方向)に移動可能に支持する支持部材43と、ハーフナット41を開閉方向に駆動するナット開閉シリンダ45とを有している。なお、ナット開閉シリンダ45は、ハーフナット装置とは別個の装置として定義されてもよい。

0036

ハーフナット41の内周側には複数の係合溝41gが形成されている。一方、タイバー13の移動ダイプレート11側の部分(例えば端部)の外周面には、複数の係合溝41gに嵌る複数の突条13p(別の観点ではその間の複数の溝)を有する被係合部13bが形成されている。従って、被係合部13bが1対のハーフナット41間に位置した状態でハーフナット41が閉じられると、ハーフナット41と被係合部13bとは噛み合う(図3)。これにより、ハーフナット装置37とタイバー13とが型開閉方向において係合される。また、ハーフナット41が開かれることにより、前記の係合が解除される(図4)。

0037

各係合溝41g(及び各突条13p)は、例えば、タイバー13に直交する平面内にてタイバー13回りに周回するように延びている。また、複数の係合溝41g(及び複数の突条13p)は、互いに同一の形状であるとともに、一定のピッチでタイバー13に沿って配列されている。複数の係合溝41g(及び複数の突条13p)のピッチは、適宜に設定されてよいが、一例として、約30mmである。なお、図3及び図4では、係合溝41g(及び突条13p)は、型開閉方向において対称な形状とされているが、鋸刃のように非対称な形状であってもよい。また、係合溝41g(及び突条13p)は、タイバー13に直交するように延びるものではなく、螺旋状に延びるものであってもよい。

0038

支持部材43は、ハーフナット41を自身に対してその開閉方向(型開閉方向に直交する方向)に移動可能に支持しており、その一方でハーフナット41を自身に対して型開閉方向に移動不可能に支持している。また、支持部材43は、例えば、不図示のねじ等により型締シリンダ17のピストン29の後部(後方突出部29c)に固定されている。従って、ハーフナット41とタイバー13の被係合部13bとが上述のように噛み合うと、ピストン29とタイバー13とが型開閉方向において係合されることになる。これにより、例えば、ピストン29の駆動によってタイバー13を引っ張り、型締力を生じることが可能となる。

0039

ナット開閉シリンダ45は、液圧シリンダ又は空圧シリンダによって構成されている。1対のハーフナット41は、例えば、不図示の連結機構によって連結されており、一のナット開閉シリンダ45によって、その開閉方向に駆動される。なお、ハーフナット41毎にナット開閉シリンダ45が設けられてもよい。また、シリンダに代えて、電動機等の適宜な駆動装置が設けられてもよい。

0040

ハーフナット41及びタイバー13の被係合部13bは、適切に噛み合わされるように(係合溝41gと突条13pとが対向し、係合溝41gと突条13p間の溝とが対向しないように)、ハーフナット41を閉じる前に、複数の係合溝41gのピッチ未満の距離で型開閉方向の相対位置が調整される必要がある。

0041

ここで、型閉状態では(図2)、移動ダイプレート11は、型厚(金型101の厚さ)に応じた距離で固定ダイプレート9と対向する。タイバー13は固定ダイプレート9に連結されているから、型閉状態における、移動ダイプレート11と被係合部13bとの型開閉方向における相対位置は型厚に応じて決まる。ひいては、型閉状態における、ハーフナット41と被係合部13bとが噛み合い可能な、ハーフナット41の移動ダイプレート11に対する型開閉方向の位置は、型厚に応じて決まる。

0042

そこで、本実施形態では、型閉状態において、ストッパ装置39によって、ハーフナット41(ピストン29)を移動ダイプレート11(シリンダ部27)に対して、型厚に基づいて決められた一定の位置に位置決めする。これにより、ハーフナット41と被係合部13bとは噛み合い可能な位置に調整される。ストッパ装置39の構成は、以下のとおりである。

0043

ストッパ装置39は、例えば、回転式の電動機47と、電動機47の回転を型開閉方向の並進運動に変換する伝達機構49と、伝達機構49の並進運動により型開閉方向に駆動され、ハーフナット装置37に対して係合可能なストッパ部51と、を有している。

0044

電動機47は、例えば、電動機本体47aと、電動機本体47aから延び出る出力軸47bとを有している。電動機本体47aは、特に図示しないが、界磁及び電機子の一方を含むステータと、界磁及び電機子の他方を含み、ステータに対して回転可能なロータとを有している。出力軸47bはロータに固定されており、その軸回りに回転する。

0045

電動機47は、例えば、不図示のエンコーダを有し、不図示のサーボドライバサーボアンプ)とともにサーボ機構を構成する。ただし、電動機47は、ステッピングモータ等によって構成されていてもよい。また、電動機47は、ブレーキ付のものであってもよい。後述する電動機47の停止時において、電動機47は、例えば、トルクフリーの状態とされる。ただし、ブレーキ付電動機のブレーキが利用されてもよい。

0046

電動機47は、例えば、出力軸47bが型開閉方向に平行になるように配置されている。より具体的には、電動機47は、例えば、出力軸47bが固定ダイプレート9側を向くように配置されている。これにより、出力軸47bの外周面を型締シリンダ17の外周面に近づけつつ、電動機本体47aの配置スペースを型締シリンダ17の後方(固定ダイプレート9とは反対側)に確保できる。電動機本体47a(ステータ)は、例えば、適宜な連結部材53を介して型締シリンダ17のシリンダ部27に固定されている。

0047

伝達機構49は、例えば、電動機47側から順に、ピニオン55、ナットギヤ57及び雄ねじ部35aを有している。すなわち、伝達機構49は、例えば、摩擦伝動機構によって構成されている。

0048

ピニオン55は、いわゆる外歯車且つ平歯車であり、その外周面に、軸に平行な方向(型開閉方向)に切られた複数の歯を有している。ピニオン55は、電動機47の出力軸47bに同心状に固定されており、出力軸47bとともにその軸回りに回転する。

0049

ナットギヤ57は、型締シリンダ17のシリンダ部27(カバー35)をその軸回りに囲む環状部材である。ナットギヤ57は、外周側にギヤ部57aを有するとともに、内周側に雌ねじ部57bを有している。

0050

ギヤ部57aは、いわゆる外歯車且つ平歯車であり、その外周面に、軸に平行な方向(型開閉方向)に切られた複数の歯を有している。ギヤ部57aの軸とピニオン55の軸とは平行であり、また、ギヤ部57aとピニオン55とは噛み合っている。従って、ピニオン55がその軸回りに回転すると、その回転はギヤ部57aに伝達され、ナットギヤ57はその軸回りに回転する。また、両者は平歯車であることから、噛み合いを維持したまま、軸方向に相対移動可能である。

0051

ギヤ部57aの歯数は、例えば、ピニオン55の歯数よりも多い。従って、ピニオン55(出力軸47b)の回転は、減速してギヤ部57aに伝達される。その結果、例えば、ギヤ部57aを駆動するために必要な電動機47の駆動力を小さくしたり、ギヤ部57aの回転位置の制御を高精度化したりすることができる。

0052

ギヤ部57a及びピニオン55の歯幅(歯の軸方向(型開閉方向)の長さ)は、適宜に設定されてよい。例えば、ギヤ部57a及びピニオン55の歯幅は、両歯車が噛み合いを維持したまま軸方向に相対移動可能な距離が、係合溝41gのピッチ以上(好ましくは2ピッチ以上)となるように設定されている。また、例えば、ギヤ部57aの歯幅は、ピニオン55の歯幅よりも長い。なお、ナットギヤ57は、内周側に雌ねじ部57bを有するものであることから、ある程度の長さを軸方向に有していることが好ましい部材であり、歯幅を確保しやすい。

0053

雌ねじ部57bは、内周面にねじ溝が切られることによって構成されている。そのリード角又はピッチ等は適宜に設定されてよい。ただし、後述するように、ハーフナット装置37の位置決めの際には、ハーフナット装置37からナットギヤ57に対して軸方向の力が加えられる。このときにナットギヤ57が回転を伴って軸方向に移動してしまわないように、リード角はある程度小さくされていることが好ましい。

0054

雄ねじ部35aは、シリンダ部27(カバー35)の一部によって構成されている。すなわち、雄ねじ部35aは、シリンダ部27の外周面にねじ溝が切られることによって構成されている。雄ねじ部35aは、シリンダ部27の一部であることから、移動ダイプレート11に対して、型開閉方向に移動不可能且つその軸回りに回転不可能である。そして、雄ねじ部35aは、ナットギヤ57の雌ねじ部57bに螺合している。

0055

従って、ナットギヤ57が回転されると(矢印y1)、ナットギヤ57は、シリンダ部27(移動ダイプレート11)に対して型開閉方向に移動する(矢印y2)。すなわち、ナットギヤ57に伝達された回転は、ナットギヤ57の並進運動に変換される。雄ねじ部35a及び雌ねじ部57bの螺合が維持される距離(並進運動のストローク)は、適宜に設定されてよいが、例えば、係合溝41gのピッチ以上である。

0056

なお、雌ねじ部57b及び雄ねじ部35aにより構成されるねじ機構は、例えば、雌ねじ部57b及び雄ねじ部35aが摺動する、いわゆるすべりねじ機構であることが好ましい。ハーフナット装置37からナットギヤ57に対して軸方向の力が加えられたときに、ナットギヤ57が回転を伴って軸方向に移動してしまうおそれを低減する観点からである。ただし、そのようなおそれが十分に低ければ、ねじ機構は、雌ねじ部57bと雄ねじ部35aとの間にボールが介在するボールねじ機構であっても構わない。

0057

ストッパ部51は、例えば、ナットギヤ57の背面(固定ダイプレート9とは反対側の面、図の紙面左側の面)によって構成されている。なお、図では、ストッパ部51は、ナットギヤ57の他の部分とは別の部材によって構成されているが、ストッパ部51は、他の部分と一体的に形成されていても構わない。ストッパ部51を他の部分とは別の部材で形成する場合には、ストッパ部51は、例えば、反発係数が他の部分よりも低くなるようにされることが好ましい。ストッパ部51は、例えば、ナットギヤ57の全周に亘って設けられている。

0058

一方、ハーフナット装置37の支持部材43は、その前端面(固定ダイプレート9側の面)が型締シリンダ17のシリンダ部27の後端面よりも外周側に広がることによって構成された被当接部43aを有している。

0059

従って、支持部材43は、ストッパ部51に対して固定ダイプレート9側へ当接し、これにより、ハーフナット装置37(ピストン29)の移動ダイプレート11(シリンダ部27)に対する固定ダイプレート9側への移動が規制される。電動機47の駆動及び停止によってストッパ部51を型開閉方向の適宜な位置に予め位置決めしておき、型締シリンダ17の後側室27rに作動液を供給してピストン29を固定ダイプレート9側へ移動させれば、ハーフナット装置37を移動ダイプレート11に対して安定して一定の位置に位置決めすることができる。

0060

被当接部43aは、例えば、ナットギヤ57の略全周に対向(当接)するように設けられている。ただし、電動機47が設けられている側においては、電動機47の配置スペースを確保するために、被当接部43aは設けられていない。被当接部43aは、例えば、ナットギヤ57の軸回りの半周以上、より好ましくは、3/4周以上に亘って設けられている。

0061

なお、図3及び図4は模式図であることから、支持部材43に一のハッチングを付して示しているが、実際には、支持部材43は、複数の部材から構成されてよい。例えば、支持部材43は、ハーフナット41をその開閉方向に移動可能に支持する部材と、当該部材とピストン29との間に介在して両者を固定するとともに被当接部43aを有する部材とを含んでいてもよい(さらにこれら各部材が2以上の部材から構成されてもよい。)。

0062

また、本実施形態ではハーフナット装置37とピストン29とは連結されて共に移動するから、被当接部43aは、ハーフナット装置37の一部と捉えられることもできるし、ピストン29の一部と捉えられることもできる。本願では、便宜的に、被当接部43aをハーフナット装置37の一部として捉えて説明している。

0063

上記の構成に加え、型締装置3は、型締シリンダ17の周辺に、移動ダイプレート11に設けられ、ピストン29(ハーフナット装置37)の型開閉方向の位置を検出する位置センサ59を有している。位置センサ59は、例えば、ピストン29に固定的な不図示のスケール部とともに磁気式又は光学式リニアエンコーダを構成するものであってもよいし、レーザー測長器によって構成され、ピストン29に固定的な部位との距離を測るものであってもよい。位置センサ59の検出結果は、制御装置5に出力される。

0064

既に述べたように、図3及び図4に示された構成は、複数のタイバー13それぞれに設けられている。制御装置5は、各ピストン29に設けられた位置センサ59の検出値に基づいて、後述するように各ハーフナット装置37の位置を特定できる。また、制御装置5は、各電動機47(各電動機47に対応する不図示のドライバ)に対して、互いに独立に制御信号を出力可能である。従って、ハーフナット装置37と被係合部13bとの噛み合い調整は、タイバー13毎に独立に行われる。

0065

(ダイカストマシンの動作)
以上の構成を有するダイカストマシン1の動作を説明する。

0066

(成形サイクルにおける動作)
まず、ダイカストマシン1の成形サイクルにおける動作を説明する。

0067

成形サイクルにおいては、既に述べたように、タイバー13は固定ダイプレート9と連結された状態が維持される。成形サイクル開始時においては、例えば、図1に示すように、ダイカストマシン1は型開状態とされている。すなわち、移動ダイプレート11は、型開位置に位置しており、固定金型103と移動金型105とは離反している。ハーフナット41は開かれており、型締シリンダ17のピストン29とタイバー13とは互いに係合されていない。

0068

図1の型開状態から、制御装置5は、移動ダイプレート11を型閉方向へ移動させるように、型開閉駆動装置15の電動機19を駆動する不図示のドライバに制御信号を出力する。移動ダイプレート11が型閉方向へ移動すると、図2に示すように、移動金型105が固定金型103に接し、型閉状態とされる。

0069

制御装置5は、型閉状態となる前の適宜な時期から、又は、型閉状態とされた以後、型締シリンダ17の後側室27rに適宜な圧力で作動液が供給されるように、不図示の液圧回路を制御する。これにより、型締シリンダ17のピストン29及びピストン29に連結されたハーフナット装置37は、ハーフナット装置37の被当接部43aがストッパ部51に当接する位置まで前進した状態とされる。このときのストッパ部51の位置は、型締装置3に現に保持されている金型101の型厚に基づいて設定されており、ハーフナット41とタイバー13の被係合部13bとが噛み合い可能な位置とされている。

0070

次に、制御装置5は、ハーフナット41を閉じるように、ナット開閉シリンダ45に対する作動液(又はエア)の給排を制御する不図示の液圧(又は空圧回路に制御信号を出力する。これにより、型締シリンダ17のピストン29とタイバー13とが型開閉方向において互いに係合される。

0071

次に、制御装置5は、型締シリンダ17の前側室27fに作動液を供給するように不図示の液圧回路を制御する。これにより、型締シリンダ17のピストン29が固定ダイプレート9とは反対側へ移動し、タイバー13が引っ張られる。そして、タイバー13の伸長量に応じた型締力が生じる。なお、この際、ハーフナット装置37の被当接部43aは、ストッパ部51から離れる(ハーフナット41が開いた状態であるが図4参照)。

0072

制御装置5は、適宜な方法により型締力を検出する。例えば、制御装置5は、位置センサ59によってタイバー13の伸長量を取得し、ひいては、型締力を取得する。また、例えば、制御装置5は、前側室27fの圧力を検出する不図示の圧力センサの検出結果に基づいて型締力を取得してもよい。

0073

型締力が所定値に達して型締めが完了すると、制御装置5は、金型101内に溶湯を供給するように不図示の射出装置を制御する。金型101内に射出された溶湯は、凝固してダイカスト品になる。

0074

その後、制御装置5は、前側室27fと不図示のタンクとを接続して前側室27fの圧抜きを行うように不図示の液圧回路を制御する。これにより、タイバー13の伸長が解除され、ハーフナット装置37の被当接部43aはストッパ部51に当接する。

0075

次に、制御装置5は、ハーフナット41を開き、ピストン29とタイバー13との係合を解除する。次に、制御装置5は、移動ダイプレート11を図1に示す型開位置へ移動させる。その後、金型101の洗浄離型剤の塗布等の次のサイクルの準備が行われる。

0076

(ストッパの位置調整における動作)
図5は、ダイカストマシン1が実行するストッパの位置調整のための処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、例えば、金型交換時、又は、ダイカストマシン1の稼働時(複数の成形サイクルの前)等において行われる。

0077

まず、ステップST1では、制御装置5は、型締装置3が現に保持している(又は保持する予定の)金型101の型厚の情報を取得する。当該情報は、例えば、不図示の入力装置を介して作業者によって入力されてもよいし、記録媒体、又は、ネットワークを介して接続されたコンピュータから読み出されてもよい。

0078

ステップST2では、制御装置5は、取得した型厚に基づいて、ハーフナット41と被係合部13bとが噛み合い可能なハーフナット41(ピストン29、ストッパ部51)の移動ダイプレート11(シリンダ部27)に対する位置を算出する。その具体的な算出方法は適宜に設定されてよい。

0079

一例を挙げると、制御装置5は、ハーフナット41の係合溝41gのピッチの情報と、所定の基準型厚の情報と、この基準型厚である場合に型接触したときに、ハーフナット41と被係合部13bとが噛み合い可能なストッパ部51の移動ダイプレート11に対する位置(基準位置)の情報とを保持している。そして、取得した型厚と基準型厚との差をピッチで割ったときの小数点以下の値(余り)を取得する。そして、その小数点以下の値を基準位置に加算して、ハーフナット41が噛み合い可能なストッパ部51の移動ダイプレート11に対する位置を算出する。

0080

ステップST3では、制御装置5は、後側室27rに作動液を供給してピストン29を前進させ、ハーフナット装置37の被当接部43aがストッパ部51に当接した状態とする。

0081

ステップST4では、制御装置5は、位置センサ59の検出値を取得する。ステップST3によって被当接部43aはストッパ部51に当接しているから、移動ダイプレート11(シリンダ部27)に対するハーフナット装置37(ピストン29)の位置を検出する位置センサ59によって、間接的に、ストッパ部51の移動ダイプレート11に対する位置が検出されることになる。すなわち、タイバー13の伸長量(型締力)を検出する位置センサ59が型厚調整に兼用される。

0082

ステップST5では、制御装置5は、前側室27fに作動液を供給してピストン29を後退させ、ハーフナット装置37の被当接部43aをストッパ部51から離す。なお、このときのピストン29の移動距離は適宜に設定されてよいが、例えば、ピストン29は、後退限まで移動する。

0083

ステップST6では、制御装置5は、ステップST2において算出した位置へストッパ部51を移動させるように、電動機47を制御する。このとき、例えば、制御装置5は、電動機47の回転数を電動機47のエンコーダから取得し、この回転数を所定の変換式によってストッパ部51の移動量に変換し、この移動量をステップST4で取得されたストッパ部51の位置に加算することによって、ストッパ部51の位置を取得する。

0084

ステップST7では、制御装置5は、ステップST3と同様に、後側室27rに作動液を供給してピストン29を前進させ、ハーフナット装置37の被当接部43aがストッパ部51に当接した状態とする。

0085

ステップST8では、制御装置5は、ステップST4と同様に、位置センサ59の検出値を取得する。そして、制御装置5は、その検出された位置と、ステップST2で算出された位置とが一致するか(差が所定の閾値未満であるか)否かを判定する。一致しないときは、何らかの異常が生じたことになるから、例えば、不図示の表示装置を介して作業者に警告を表示する。

0086

以上のとおり、本実施形態では、型締装置3は、固定ダイプレート9と、固定ダイプレート9に対して型開閉方向に移動可能な移動ダイプレート11と、一方のダイプレート(本実施形態では固定ダイプレート9)に連結され、他方のダイプレート(本実施形態では移動ダイプレート11)側に被係合部13bを有するタイバー13と、他方のダイプレート(移動ダイプレート11)に設置され、内部に型開閉方向に移動可能なピストン29を有する型締シリンダ17と、ピストン29に連結され、被係合部13bと噛み合い可能なハーフナット装置37と、ハーフナット装置37の他方のダイプレート(移動ダイプレート11)に対する一方のダイプレート(固定ダイプレート9)側への移動を規制するストッパ装置39と、を有している。ストッパ装置39は、少なくとも電動機47と、電動機47の駆動により他方のダイプレート(移動ダイプレート11)に対して型開閉方向に駆動され、ハーフナット装置37に対して一方のダイプレート(固定ダイプレート9)側から係合可能なストッパ部51と、を有し、電動機47とストッパ部51との間にベルト及び/又はチェーンなどを有した巻き掛け伝動機構が介在していない。

0087

従って、既に述べたように、型閉状態において、後側室27rに作動液を供給してピストン29(ハーフナット装置37)をシリンダ部27(移動ダイプレート11)に対して固定ダイプレート9側へ付勢し、その一方で、ハーフナット装置37の移動ダイプレート11に対する固定ダイプレート9側への移動を、電動機47の駆動及び停止によって位置決めされたストッパ部51によって規制することにより、簡便且つ安定的にハーフナット装置37と被係合部13bとの噛み合い調整を行うことができる。さらに、例えば、電動機47とストッパ部51との間においては、ベルト及び/又はチェーンなどを有した巻き掛け伝動機構が設けられないことから、遊びが比較的小さい。その結果、例えば、電動機の高精度の位置制御によって、ストッパ部51を高精度に位置決めし、ひいては、噛み合い調整を高精度に行うことができる。そして、噛み合い調整の高精度化によって、例えば、ハーフナット41及び被係合部13bが傷むおそれを低減できる。また、本実施形態では、ピストン29とハーフナット装置37とが連結されていることから、ハーフナット装置37をピストン29に圧接するための機構(特許文献3参照)は不要であり、また、ストッパ部51は、ピストン29に当接してピストン29の移動を規制する(特許文献3参照)のではなく、ハーフナット装置37に当接してピストン29の移動を規制できる。その結果、全体としての構造が簡素化される。

0088

また、本実施形態では、伝達機構49は、電動機47の出力軸47bに同心状に固定されたピニオン55と、型締シリンダ17のシリンダ部27をその軸回りに囲む環状に形成され、外周側にピニオン55に噛み合うギヤ部57aを有するとともに、内周側に雌ねじ部57bを有するナットギヤ57と、シリンダ部27に設けられ、雌ねじ部57bに螺合する雄ねじ部35aと、を有している。ストッパ部51は、ナットギヤ57の一方のダイプレート(固定ダイプレート9)とは反対側の面により構成されている。

0089

従って、例えば、伝達機構49全体は、構成が簡素で、且つ、体積が小さく、その一方で、ハーフナット装置37からの力を受けるナットギヤ57の径を大きくできる。径を大きくできることにより、例えば、ハーフナット装置37又はナットギヤ57に作用する力を広い範囲に分散して、大きな力を安定して受けることができ、また、リード角を小さくすることも容易化される。その結果、例えば、噛み合い調整が安定化する。また、例えば、大きな力を受けることができるから、溶湯が凝固した後、前側室27fの圧抜きをしたときに、タイバー13の収縮によるハーフナット装置37からストッパ部51への衝撃にも耐えることができる。

0090

また、本実施形態では、型締装置3は、複数のタイバー13と、複数のタイバー13に対応して設けられた複数のストッパ装置39と、複数のストッパ装置39の電動機47を独立に制御可能な制御装置5と、を有している。

0091

従って、例えば、固定ダイプレート9又は移動ダイプレート11の傾き等によって、複数のタイバー13間でハーフナット装置37と被係合部13bとの噛み合い位置が互いに微妙に異なる場合において、タイバー13毎に最適な噛み合い調整を行うことができる。

0092

また、本実施形態では、型締装置3は、制御装置5を有し、制御装置5は、型締シリンダ17を制御することにより、ピストン29を一方のダイプレート(固定ダイプレート9)とは反対側に移動させてハーフナット装置37をストッパ部51から離反させ(ステップST5)、その離反させた状態で、電動機47を制御することにより、所定の型厚情報に基づいて算出された位置へストッパ部51を移動させる(ステップST6)。

0093

従って、例えば、電動機47によりストッパ部51の位置を調整するとき、ピストン29の摺動抵抗等は電動機47の負荷にならない。その結果、例えば、電動機47を小型化してコストを削減することができる。

0094

本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。

0095

成形機(成形装置)は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、射出成形機であってもよいし、木粉熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出、縦型締横射出であってもよい。

0096

型締装置は、移動ダイプレート側に、型締シリンダ、分割ナット装置及びストッパ装置が設けられるものに限定されない。実施形態とは逆に、固定ダイプレート側に、型締シリンダ、分割ナット装置及びストッパ装置が設けられてもよい。なお、この場合、タイバーは、複数の成形サイクルに亘って移動ダイプレートに連結されており、型開閉においては、移動ダイプレートとともに移動する。

0097

なお、以上の実施形態において、ダイカストマシン1は成形装置の一例である。固定ダイプレート9は一方のダイプレートの一例であり、一方のプラテンの一例であり、他方のダイプレートの一例であり、他方のプラテンの一例である。移動ダイプレート11は他方のダイプレートの一例であり、他方のプラテンの一例であり、一方のダイプレートの一例であり、一方のプラテンの一例である。ハーフナット装置37は分割ナット装置の一例である。電動機47は、駆動部の一例である。伝達機構49は、変換機構の一例である。

0098

ストッパ装置は、回転式の駆動部、変換機構及びストッパ部を有しているものに限定されない。例えば、ストッパ装置は、少なくともリニア式の駆動部と、ストッパ部とを有し、リニア式の駆動部の駆動によりストッパ部が移動プラテンに対して型開閉方向に駆動され、分割ナット装置に対して固定プラテン側から係合することができるように構成されてよい。
すなわち、ストッパ装置は、少なくとも駆動部と、ストッパ部とを有し、駆動部とストッパ部との間に巻き掛け伝動機構のような遊びが比較的大きい変換機構等が介在していなければよい。

0099

型締装置の型開閉装置は、電動式のものではなく、型開閉用の液圧シリンダであってもよい。型締シリンダは、ダイプレートに連結されるのではなく、ダイプレートに内蔵されるものであってもよい。分割ナット装置は、ハーフナット装置に限定されず、適宜な分割数ナット装置であってよい。電動機とストッパ部との間の伝達機構は、実施形態に示した以外に、適宜に変更されてよい。

0100

1…ダイカストマシン、3…型締装置、9…固定ダイプレート(一方のダイプレート、一方のプラテン、他方のダイプレート、他方のプラテン)、11…移動ダイプレート(他方のダイプレート、他方のプラテン、一方のダイプレート、一方のプラテン)、13…タイバー、13b…被係合部、17…型締シリンダ、29…ピストン、37…ハーフナット装置(分割ナット装置)、39…ストッパ装置、47…電動機(駆動部)、49…伝達機構(変換機構)、51…ストッパ部、103…固定金型、105…移動金型。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 有限会社ティミスの「 アルミニウム合金の成型方法」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】鋳造成型時に発生する「巣」等の内部欠陥を除去してダイカスト鋳造品の強度の向上を図り、耐磨耗性・耐熱強度性・強靭性等を有するアルミニウム加工製品とする。【解決手段】半凝固材料であるアルミニウム合... 詳細

  • 住友ゴム工業株式会社の「 タイヤ用ゴム部材の熱入れ装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】生産性に優れる熱入れ装置の提供。【解決手段】熱入れ装置2は、ゴム部材に熱入れをする複数のミル(6、8及び10)を備えている。熱入れ装置2は、複数のミルでの熱入れに先立ってゴム部材Rを加熱する加... 詳細

  • キョーラク株式会社の「 成形装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】簡易な機構で分割金型にかかる型締め力を均一にすることができる成形装置を提供する。【解決手段】本発明によれば、一対の分割金型3と、型締め装置2を備える、成形装置1であって、前記型締め装置2は、プ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ