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技術 加温配膳用蓋付き食器

出願人 国立大学法人鳥取大学ヤマト化工株式会社
発明者 成瀬隆弘亀川祥子荒川博史
出願日 2014年12月2日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2014-244018
公開日 2016年6月20日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-106675
状態 特許登録済
技術分野 食卓容器
主要キーワード 耐熱プラスチック製 強化磁器 料理素材 配膳用 滞留状態 食器内 作りたて 冷蔵機
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月20日)のものです。
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図面 (9)

課題

作りたて食事を1〜2時間程度加温状態で保持しても、作りたての状態を保持することができる加温配膳用蓋付食器を提供すること。

解決手段

本発明の一実施形態の加温配膳用蓋付き食器は、上部に外側方伸びつば部12が形成された皿状の食器10と、下部に外側方へ伸びるつば部21が形成された逆皿状の蓋20と、を有し、皿状の食器10の内面側の上部には段13が形成され、逆皿状の蓋20には皿状の食器10の段13上に載置されるガイド壁23が形成され、ガイド壁23には複数箇所切り欠き24が形成されており、逆皿状の蓋20を皿状の食器10の開口を覆うように載置した際に、皿状の食器10のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間を介してガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24による開口が露出するようになされている。

概要

背景

医療施設福祉施設では、温かいメニューは温かく、冷たいメニューは冷たく提供するために、多くは温冷配膳車を使用して食事を提供している(特許文献1参照)。温冷配膳車は、70℃前後の保温機能を有する温蔵機能部分と保冷機能を有する冷蔵機能部分とを備えている。この温冷配膳車による食事提供は、一般的にトレイにセットした作りたての食事を温冷配膳車の庫内に入れ、保温が必要な部分が温蔵機能部分に配置され、常温ないし冷蔵が必要な部分が冷蔵機能部分に配置されるようにして、喫食者配膳するようになっている。

なお、温蔵機能のみを備えている加温配膳車が用いられる場合もあり、また、近年は、温蔵機能及び冷蔵機能だけでなく、再加熱機能及び再冷蔵機能を備えたいわゆる再加熱カートが用いられる場合もある(特許文献2参照)。以下では、これらの温蔵機能を有する配膳車を纏めて加温配膳用配膳車ということがある。これらの加温配膳用配膳車を用いる場合、料理盛り付けが終わってから喫食者に提供されるまでに0.5〜2時間程度かかることがある。

加温配膳用配膳車での料理加温は、調理された料理が熱による蒸れや乾燥により影響を受け、食味低下の原因となり、加温時間が長くなるとなおさらその影響が大きくなってくる。乾燥しないように食器に蓋をしてしまうと、揚げ物の場合は、料理素材中の水分が衣に表出してくることで、本来のパリッとした食感を損ない、食味を落としてしまう。逆に、麺類の場合は、食器に蓋がないと、熱により水分がぬけ、すぐに乾燥してしまう。

また、蓋付き食器の蓋が密閉式の場合には、喫食時に料理が冷えると食器内部が減圧状態となって蓋を取り外し難くなるため、蓋の一部にガス抜きの切り欠きないし孔を設けることが行われている。例えば、下記特許文献3に開示されている温冷配膳車用の蓋付き食器50は、図8A及び図8Bに示したように、下部に外側方へ延びるつば部51が形成された蓋52と、食器53とを有し、蓋52には食器53の内周側面54に当接するガイド壁55が形成されているとともに、つば部51の下面側には凹溝56が形成されている。蓋52で食器53の開口を覆うと、食器53の上縁57が蓋52のつば部51に形成されている凹溝56と係合するが、料理が冷却された際に食器53の内部が低圧とならないようにするために、凹溝56の一部に僅かに溝深さを深くした切り込み溝58を形成し、この切り込み溝58を介して外部と空気の流通が可能となされている。

概要

作りたての食事を1〜2時間程度加温状態で保持しても、作りたての状態を保持することができる加温配膳用蓋付き食器を提供すること。本発明の一実施形態の加温配膳用蓋付き食器は、上部に外側方へ伸びるつば部12が形成された皿状の食器10と、下部に外側方へ伸びるつば部21が形成された逆皿状の蓋20と、を有し、皿状の食器10の内面側の上部には段13が形成され、逆皿状の蓋20には皿状の食器10の段13上に載置されるガイド壁23が形成され、ガイド壁23には複数箇所に切り欠き24が形成されており、逆皿状の蓋20を皿状の食器10の開口を覆うように載置した際に、皿状の食器10のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間を介してガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24による開口が露出するようになされている。

目的

医療施設や福祉施設では、温かいメニューは温かく、冷たいメニューは冷たく提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上部に外側方伸びつば部が形成された皿状の食器と、下部に外側方へ伸びるつば部が形成された逆皿状の蓋と、を有し、前記皿状の食器の内面側の上部には段が形成され、前記逆皿状の蓋には前記皿状の食器の前記段上に載置されるガイド壁が形成され、前記ガイド壁には複数箇所切り欠きが形成されており、前記逆皿状の蓋を前記皿状の食器の開口を覆うように載置した際に、前記皿状の食器のつば部と前記逆皿状の蓋のつば部との間には所定間隔の隙間が形成され、前記隙間を介して前記ガイド壁に形成された前記複数箇所の切り欠きによる開口が露出するようになされている、加温配膳用蓋付き食器。

請求項2

前記ガイド壁の下端側の稜線部には、前記稜線部と直交する方向にアールが付けられている、請求項1に記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項3

前記ガイド壁の前記切り欠きとの境界部には、前記稜線部に沿ってアールが付けられている、請求項1又は2に記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項4

前記ガイド壁は前記稜線部に沿って波形に形成されている、請求項3に記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項5

前記ガイド壁の内径は、前記逆皿状の蓋の胴の外径よりも大きく、前記逆皿状の蓋の前記つば部の外径よりも小さくされている、請求項1〜4の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項6

前記逆皿状の蓋のつば部における下面側には前記つば部の外周に沿って溝が形成されている、請求項1〜5の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項7

前記逆皿状の蓋の頂部には凹部が形成されている、請求項1〜6の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項8

前記逆皿状の蓋の見返し部はアールがつけられている、請求項1〜5の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項9

前記皿状の食器のつば部における下面側には、前記つば部の外周に沿って、複数箇所に溝が形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項10

前記皿状の食器の見込み部には複数箇所に線状の凸部が形成されている、請求項1〜9の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項11

前記皿状の食器の胴の外方には、前記内面側に形成された段の内径より大径かつ外径よりも小径とされた、下向きの段が形成されている、請求項1〜10の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項12

前記皿状の食器の外形寸法は前記逆皿状の蓋の外形寸法よりも小とされている、請求項1〜11の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

請求項13

さらに、前記皿状の食器よりも深さが深く、上縁の径が前記皿状の食器のつば部に形成された複数箇所の溝に当接する大きさの別の食器を備えている、請求項1〜12の何れかに記載の加温配膳用蓋付き食器。

技術分野

0001

本発明は、作りたて食事を1〜2時間程度加温状態で保持しても、作りたての状態を保持することができる加温配膳用蓋付食器に関する。

背景技術

0002

医療施設福祉施設では、温かいメニューは温かく、冷たいメニューは冷たく提供するために、多くは温冷配膳車を使用して食事を提供している(特許文献1参照)。温冷配膳車は、70℃前後の保温機能を有する温蔵機能部分と保冷機能を有する冷蔵機能部分とを備えている。この温冷配膳車による食事提供は、一般的にトレイにセットした作りたての食事を温冷配膳車の庫内に入れ、保温が必要な部分が温蔵機能部分に配置され、常温ないし冷蔵が必要な部分が冷蔵機能部分に配置されるようにして、喫食者配膳するようになっている。

0003

なお、温蔵機能のみを備えている加温配膳車が用いられる場合もあり、また、近年は、温蔵機能及び冷蔵機能だけでなく、再加熱機能及び再冷蔵機能を備えたいわゆる再加熱カートが用いられる場合もある(特許文献2参照)。以下では、これらの温蔵機能を有する配膳車を纏めて加温配膳用配膳車ということがある。これらの加温配膳用配膳車を用いる場合、料理盛り付けが終わってから喫食者に提供されるまでに0.5〜2時間程度かかることがある。

0004

加温配膳用配膳車での料理加温は、調理された料理が熱による蒸れや乾燥により影響を受け、食味低下の原因となり、加温時間が長くなるとなおさらその影響が大きくなってくる。乾燥しないように食器に蓋をしてしまうと、揚げ物の場合は、料理素材中の水分が衣に表出してくることで、本来のパリッとした食感を損ない、食味を落としてしまう。逆に、麺類の場合は、食器に蓋がないと、熱により水分がぬけ、すぐに乾燥してしまう。

0005

また、蓋付き食器の蓋が密閉式の場合には、喫食時に料理が冷えると食器内部が減圧状態となって蓋を取り外し難くなるため、蓋の一部にガス抜きの切り欠きないし孔を設けることが行われている。例えば、下記特許文献3に開示されている温冷配膳車用の蓋付き食器50は、図8A及び図8Bに示したように、下部に外側方へ延びるつば部51が形成された蓋52と、食器53とを有し、蓋52には食器53の内周側面54に当接するガイド壁55が形成されているとともに、つば部51の下面側には凹溝56が形成されている。蓋52で食器53の開口を覆うと、食器53の上縁57が蓋52のつば部51に形成されている凹溝56と係合するが、料理が冷却された際に食器53の内部が低圧とならないようにするために、凹溝56の一部に僅かに溝深さを深くした切り込み溝58を形成し、この切り込み溝58を介して外部と空気の流通が可能となされている。

先行技術

0006

特開2000−225024号公報
特開平10−236536号公報
特開2014−064761号公報

発明が解決しようとする課題

0007

これらの加温配膳用配膳車で使用されている食器は、蓋の一部に切り欠きないし孔を設けて食器内部と外部と間に空気の流通が可能となされているため、食器内部の料理が冷えても蓋は容易に取り外し可能となる。しかしながら、これらの切り欠きないし孔は、サイズが小さいために、加温配膳後に料理が冷えた際の食器内部の低圧化を抑制することには有効であるが、食器内部の熱流通が悪化して水蒸気もってしまう。そのため、料理の盛り付けが終わってから喫食者に提供されるまでの時間が長い場合には、例えば、ご飯物の丼メニューにおいてはご飯に具のタレが染み込んでしまうし、天ぷらなどでは衣が水分を吸収してベチャベチャ感が増してしまい、また、麺類において麺がに入っている場合には麺が延びてしまい、いずれも食感が損なわれる。

0008

これに対し、切り欠きないし孔のサイズを大きくすれば、熱流通が良好となるので加温配膳時に水蒸気が食器内に籠もることが少なくなるが、切り欠きないし孔の近傍では乾燥が進んでしまう。加えて、加温配膳用配膳車では、トレイの容積に限りがあるため、トレイに載置し得る食器の数及びサイズに限りがある。そのため、従来の加温配膳用配膳車で使用されている食器では、例えば、ご飯物の丼メニューにおいてご飯と具とを分けて配置したり、麺類において麺と汁とを分けて配置したりすることは、食器の数を増やす必要があるため、直ちには採用することが困難である。

0009

本発明の第1の態様によれば、従来の一般的な蓋付き食器に比して、加温配膳用配膳車の庫内に入れても、熱流通が良好となり、かつ、部分的に水蒸気が外部に排出されて乾燥することが少なくなるので、喫食までの時間が長くなっても食感を維持することができる加温配膳用蓋付き食器を提供することができる。さらに、本発明の第2の態様によれば、食器部分を二層構造の蓋付き食器とすることができるため、限られたトレイの容積でも多くの種類の料理を供給することができる加温配膳用蓋付き食器を提供することができる。

課題を解決するための手段

0010

本発明の一態様の加温配膳用蓋付き食器によれば、
上部に外側方へ伸びるつば部が形成された皿状の食器と、
下部に外側方へ伸びるつば部が形成された逆皿状の蓋と、
を有し、
前記皿状の食器の内面側の上部には段が形成され、
前記逆皿状の蓋には前記皿状の食器の前記段上に載置されるガイド壁が形成され、
前記ガイド壁には複数箇所に切り欠きが形成されており、
前記逆皿状の蓋を前記皿状の食器の開口を覆うように載置した際に、前記皿状の食器のつば部と前記逆皿状の蓋のつば部との間には所定間隔の隙間が形成され、前記隙間を介して前記ガイド壁に形成された前記複数箇所の切り欠きによる開口が露出するようになされている、加温配膳用蓋付き食器が提供される。

0011

本発明の一態様の加温配膳用蓋付き食器の内部は、ガイド壁に形成された複数箇所の切り欠きの一部分及び皿状の食器のつば部と逆皿状の蓋のつば部との間に形成されている所定間隔の隙間とを介して、外部と流通している。このガイド壁に形成された複数箇所の切り欠きの一部分の面積は一般的な蓋付き食器に形成されているガス抜きの切り欠きないし孔よりも十分に広くすることができ、しかも、ガイド壁に形成される複数箇所の切り欠きは加温配膳用蓋付き食器の外周囲に偏りなく形成することができる。

0012

そのため、係る態様の加温配膳用蓋付き食器によれば、皿状の食器の内部に調理後の料理を盛り付け、逆皿状の蓋で覆って70℃前後に加温された加温配膳用配膳車の庫内に入れても、熱流通が良好となって水蒸気が食器内に籠もることが少なくなり、かつ、水蒸気が部分的に外部に排出されて乾燥することが少なくなるので、喫食までの数時間程度にわたって作りたての食感を維持することができるようになる。

0013

なお、本発明における「加温配膳」とは、温蔵機能のみを備えている加温配膳車で用いる場合だけでなく、温蔵機能及び冷蔵機能の両者を備えた温冷配膳車の温蔵機能部分で使用する場合、さらには、温蔵機能、冷蔵機能、再加熱機能及び再冷蔵機能を備えたいわゆる再加熱カートの温蔵機能で用いる場合も含む。

0014

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器は、ガイド壁に形成された複数箇所の切り欠きの一部が外部に露出しているため、加温配膳用配膳車から加温された蓋付き食器を取り出した後に冷えても内部が減圧状態にならず、容易に逆皿状の蓋を取り外すことができる。なお、逆皿状の蓋のガイド壁に形成される切り欠きの数としては、少なくとも2個あれば一応の作用効果を奏するが、切り欠きの数が少ないと熱流通が悪化して内部の水蒸気の滞留状態が場所によって変化するため、4個以上が好ましく、8〜16個程度とすることがより好ましい。また、切り欠きの大きさや皿状の食器のつば部と逆皿状の蓋のつば部との間に形成される隙間の大きさは、皿状の食器及び逆皿状の蓋の大きさによっても変化するために実験的に最適な寸法を見出せばよいが、隙間の寸法としては2〜5mm程度が好ましく、隙間を介して外部に露出する切り欠き部分の高さは0.5〜2.5mm程度とすることが好ましい。

0015

係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記ガイド壁の下端側の稜線部には、前記稜線部と直交する方向にアール(R)が付けられていることが好ましい。このような構成を備えていると、ガイド壁の下端側の稜線部がっていないので、安全性に優れるようになるとともに、段とガイド壁の下端側の稜線部との間に水滴が溜まり難くなるので、逆皿状の蓋を取った際に水滴が飛び散ることが少なくなって料理の食感の維持につながるようになる。

0016

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記ガイド壁の前記切り欠きとの境界部には、前記稜線部の延在方向に沿ってアールが付けられていることが好ましい。係る場合においては、前記ガイド壁は前記稜線部に沿って波形に形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、ガイド壁の下端側の稜線部が尖っていないので、安全性に優れるようになるとともに、段とガイド壁の下端側の稜線部との間に水滴が溜まり難くなるので、逆皿状の蓋を取った際に水滴が飛び散ることがより少なくなってより料理の食感の維持につながるようになる。

0017

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記ガイド壁の内径は、前記逆皿状の蓋の胴の外径よりも大きく、前記逆皿状の蓋の前記つば部の外径よりも小さくされていることが好ましい。このような構成を備えていると、複数の逆皿状の蓋をひっくり返して重ねた際に、胴の内側に重ねられた逆皿状の蓋の胴が挿入され、かつ、ガイド壁の稜線部が重ねられた逆皿状の蓋のつば部に当接するため、安定した状態に積み重ねることができるようになる。

0018

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記逆皿状の蓋のつば部における下面側には前記つば部の外周に沿って溝が形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、逆皿状の蓋を取り外すときこの溝に指が掛かるため、指が滑らず、容易に逆皿状の蓋を取り外すことができるようになる。なお、溝は連側的に形成されていても複数個断続的に形成されていてもよい。

0019

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記逆皿状の蓋の頂部には凹部が形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、凹部が皿の底を形成し、凹部によって形成された周囲の土手部分が皿の高台を形成するので、皿状の蓋をひっくり返してテーブル等に載置した際に安定した状態で載置することができるようになる。また、皿状の食器に逆皿状の蓋をセットした状態、あるいは丼を加えて二層構造にした状態で逆皿状の蓋の上に重ねることができ、カートのトレイにセットするまで料理を入れた状態で重ねておけるようになる。

0020

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記逆皿状の蓋の見返し部はアールがつけられていることが好ましい。このような構成を備えていると、逆皿状の蓋の見込み部に水滴が付着しても、この水滴は容易に見返し部及びガイド壁を経て皿状の食器へ向かって流れていくので、逆皿状の蓋を取った際に水滴が飛び散ることが少なくなって料理の食感の維持につながるようになる。

0021

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記皿状の食器のつば部における下面側には、前記つば部の外周に沿って、複数箇所に溝が形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、皿状の食器を持ち上げる際にこの溝に指が掛かるため、滑らずに容易に皿状の食器を持ち上げることができるようになる。加えて、皿状の食器を丼等の別の食器の開口部を塞ぐように載置した場合、この溝の存在によって皿状の食器と別の食器の上縁との間に隙間が生じるので、加温配膳用配膳車から加温された蓋付き食器及び別の食器を取り出した後に冷えても、別の食器の内部が減圧状態にならず、蓋付き食器を容易に取り外すことができるようになる。

0022

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記皿状の食器の見込み部には複数箇所に線状の凸部が形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、皿状の食器の内部に調理後の料理を盛り付けた場合、料理が皿状の食器の見込み部に直接接触することがないので、料理から滴下した水分や油分が料理に接触し難くなり、喫食までの時間が長くなっても作りたての食感を維持することができるようになる。

0023

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記皿状の食器の胴の外方には、前記内面側に形成された段の内径より大径かつ外径よりも小径とされた、下向きの段が形成されていることが好ましい。このような構成を備えていると、複数の皿状食器を重ねると、一方の皿状の食器の胴の内側に別の皿状の食器の胴が挿入され、かつ、一方の皿状の食器の内面側に形成された段上に別の皿状の食器の胴の外方に形成された下向きの段が当接するため、安定した状態に積み重ねることができるようになる。

0024

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、前記皿状の食器の外形寸法は前記逆皿状の蓋の外形寸法よりも小とされていることが好ましい。このような構成を備えていると、逆皿状の蓋におけるつば部に指を掛けやすくなり、逆皿状の蓋を皿状の食器にかぶせること及び皿状の食器から取り外すことが容易となる。

0025

また、係る態様の加温配膳用蓋付き食器においては、さらに、前記皿状の食器よりも深さが深く、上縁の径が前記皿状の食器のつば部に形成された複数箇所の溝に当接する大きさの別の食器を備えているものとしてもよい。このような構成を備えていると、二層構造の蓋付き食器となるため、限られたトレイの容積でも多くの種類の料理を供給することができるようになる。加えて、別の食器の上縁と皿状の食器のつば部との間には複数箇所に溝が形成されているため、この溝部を介して別の食器と外部の間に空気の流通がなされるため、料理が冷えても別の食器の内部が減圧状態とはならず、皿状の食器を別の食器から容易に取り外すことができるようになる。

図面の簡単な説明

0026

図1Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における皿状の食器の平面図であり、図1Bは同じく底面図である。
図2Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における皿状の食器の正面図であり、図2Bは図1AのIIB−IIB線に沿った断面図であり、図2Cは図1BのIIC−IIC線に沿った断面図であり、図2Dは同じく皿状の食器を2個積み重ねた際の縦断面図である。
図3Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における逆皿状の蓋の平面図であり、図3Bは同じく底面図である。
図4Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における逆皿状の蓋の正面図であり、図4Bは図3AのIVB−IVB線に沿った縦断面図であり、図4Cは同じく2個の逆皿状の蓋を積み重ねた際の縦断面図である。
図5Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器の平面図であり、図5Bは同じく正面図であり、図5Cは図5AのVC−VC線に沿った縦断面図である。
図6Aは実施形態2の加温配膳用蓋付き食器の平面図であり、図6Bは同じく正面図である。
図6AのVII−VII線に沿った縦断面図である。
図8Aは従来のふた付き食器の部分断面図であり、図8Bは蓋の断面図である。

実施例

0027

以下、図面を参照して本発明の各実施形態の加温配膳用蓋付き食器を説明する。ただし、以下に示す各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための加温配膳用蓋付き食器を例示するものであって、本発明をこれらのものに特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。

0028

[実施形態1]
実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における皿状の食器10を図1及び図2を用いて説明する。なお、図1Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における皿状の食器の平面図であり、図1Bは同じく底面図である。また、図2Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における皿状の食器の正面図であり、図2Bは図1AのIIB−IIB線に沿った断面図であり、図2Cは図1BのIIC−IIC線に沿った断面図であり、図2Dは同じく皿状の食器を2個積み重ねた際の縦断面図である。

0029

この皿状の食器10は、平面視で円形状をしており、胴11の上部側に外側方へ伸びるつば部12が形成されている。胴11とつば部12との接合部の内面側には所定深さの段13が形成されており、胴11の外面側の中段には外方へ突出し、下側に向いた別の段14が形成されている。また、皿状の食器10の見込み部(内側の底部)15の表面には、複数の直線状の凸部16が形成されており、皿状の食器10の底部外表面には複数、ここでは4個の突起17が形成されている。

0030

見込み部15の表面に形成された複数の直線状の凸部16は、皿状の食器10内に盛りつけられた料理(図示省略)が、直線状の凸部16上に載置され、直接皿状の食器10の見込み部15の表面と接触しないようにするためのものである。これにより、皿状の食器10内に盛りつけられた料理が加温された際、水分や油分が滲出してきて直接皿状の食器10の見込み部15に溜まっても、これらの水分や油分が料理に再接触し難くなるため、料理の食感が劣化することが抑制される。また、皿状の食器10の底部外表面形成された複数の突起17は、皿状の食器10をテーブルやトレイ上に載置したときに、皿状の食器10の底部外表面に形成された水滴によって皿状の食器10が滑らないようにするためのものである。

0031

この皿状の食器10においては、段13の内径L1は別の段14の内径L3よりも大径かつ外径L4よりも小径とされ、段13の外径L2は別の段14の外径L4よりも大径、すなわち、L2>L4>L1>L3とされている。これにより、例えば2個の皿状の食器10a及び10bを積み重ねると、図2Dに示したように、下側の皿状の食器10aの胴11aの内側に上の皿状の食器10bの胴11bが挿入され、かつ、下側の皿状の食器10aの段13a上に上側の皿状の食器10bの胴11bの外方に形成された下向きの別の段14bが当接するため、安定した状態に積み重ねることができるようになる。

0032

また、皿状の食器10のつば部12における下面側には、つば部12の外周に沿って、複数箇所、ここでは4箇所に溝18が形成されている。この溝18の存在により、皿状の食器10を持ち上げる際に、この溝18に指が掛かるため、指が滑らずに容易に皿状の食器10を持ち上げることができるようになる。

0033

次に、実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における逆皿状の蓋20を図3及び図4を用いて説明する。なお、図3Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における逆皿状の蓋の平面図であり、図3Bは同じく底面図である。また、図4Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器における逆皿状の蓋の正面図であり、図4Bは図3AのIVB−IVB線に沿った縦断面図であり、図4Cは同じく2個の逆皿状の蓋を積み重ねた際の縦断面図である。

0034

この逆皿状の蓋20は、下部に外側方へ伸びるつば部21が形成されており、胴22とつば部21との接合部には、下側に向かって環状にガイド壁23が形成されている。ガイド壁23には複数個、ここでは12個の切り欠き24が形成されている。ガイド壁23の下端側の稜線部25には、稜線部25の延在方向と直交する方向にアールが付けられているとともに、ガイド壁23の切り欠き24との境界部にも稜線部25の延在方向に沿ってアールが付けられている。これにより、ガイド壁23は、稜線部25の延在方向と直交する方向に滑らかな表面とされているとともに、稜線部25の延在方向にも滑らかな表面となされており、実質的に波形の形状を有するようになる。なお、ガイド壁23に形成する切り欠き24の形状としては、台形状、方形状、三角形状としても良いが、波形とすると製造が容易となるとともに美観も優れるようになる。

0035

ガイド壁23の内径L5は、逆皿状の蓋20の胴22の外径L6よりも大きく、逆皿状の蓋20のつば部21の外径L7よりも小さくされている。これにより、例えば2個の逆皿状の蓋20a及び20bを積み重ねると、図4Cに示したように、下側の逆皿状の蓋20aの胴22aの上側に逆皿状の蓋20bの胴22bが重ねられ、かつ、上側の逆皿状の蓋20bのガイド壁23bの稜線部25bが下側の逆皿状の蓋20aのつば部21a上に当接するため、安定した状態に積み重ねることができるようになる。なお、図示省略したが、2個の逆皿状の蓋20a及び20bをそれぞれひっくり返して積み重ねても、同様に安定した状態に積み重ねることができるようになる。

0036

また、逆皿状の蓋20におけるつば部21の下面側には、つば部21の外周に沿って、溝26が形成されている。この溝26は、逆皿状の蓋20を持ち上げる際にこの溝26に指が掛かるようにして、逆皿状の蓋20を容易に持ち上げることができるようにするためのものである。ここでは連続した溝26の例を示したが、断続的に複数箇所に亘って溝を設けてもよい。

0037

また、逆皿状の蓋20の頂部には、凹部27が形成されている。逆皿状の蓋20は、喫食時に皿状の食器10から取り外され、逆さにしてテーブルやトレイ上に載置されるが、凹部27が皿の底を形成し、凹部27によって形成された周囲の土手部分28が皿の高台を形成するので、安定した状態で載置することができるようになる。さらに、逆皿状の蓋20の内部の見返し部29にはアールが形成されてなだらかな曲面とされている。見返し部29にアールが形成されていると、逆皿状の蓋20の内表面に形成された水滴は、逆皿状の蓋20の内面に沿ってガイド壁23の稜線部25側に移行するため、皿状の食器10内に盛り付けられている料理上に滴下することが抑制される。

0038

次いで、上述した皿状の食器10と逆皿状の蓋20とを組み合わせた実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30を図5を用いて説明するが、図5においては図1図4に記載した部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。なお、図5Aは実施形態1の加温配膳用蓋付き食器の平面図であり、図5Bは同じく正面図であり、図5Cは図5AのVC−VC線に沿った縦断面図である。

0039

実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30は、逆皿状の蓋20を皿状の食器10の開口を覆うように載置したものである。このとき、逆皿状の蓋20におけるガイド壁23の稜線部25は、皿状の食器10の段13上に当接するように載置される。また、ガイド壁23の高さは、皿状の食器のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部21との間には所定間隔W(図5B参照。以下同じ。)の隙間が形成されるようになされている。

0040

これにより、ガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24は、一部が皿状の食器10の段13を形成する外周壁により閉止されるが、残りの一部が所定間隔Wの隙間を介して外部に露出するようになされている。そのため、皿状の食器10の内部は、ガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24の一部及び皿状の食器10のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部21との間に形成されている所定間隔Wの隙間とを介して、外部と流通していることになる。このガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24の外部と流通している部分の面積は一般的な蓋付き食器に形成されているガス抜きの孔よりも十分に大きくすることができ、しかも、外部と流通しているガイド壁23に形成された複数箇所の切り欠き24は加温配膳用蓋付き食器10の外周囲に偏りなく形成することができる。

0041

最適な外部に露出している切り欠き24部分の大きさや皿状の食器10のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部21との間に形成される隙間の大きさは、皿状の食器10及び逆皿状の蓋20の大きさや、切り欠きの数によっても変化するため、実験的に最適な寸法を見出せばよい。医療施設や福祉施設で使用されている皿状の食器の外径は、トレイに載置する必要上、大きくても20cm程度であり、通常は15cm程度のものが多く使用されている。

0042

また、逆皿状の蓋20のガイド壁23に形成する切り欠き24の数は、少なくとも2個あれば一応の作用効果を奏する。しかし、切り欠き24の数が少ない場合には、所定の熱流通を達成するためには切り欠き24のサイズを大きくする必要があり、切り欠き24の近傍では乾燥し易くなる。そのため、切り欠き24の数は、4個以上が好ましく、8〜16個程度とすることがより好ましい。これにより、皿状の食器10の内部に調理後の料理を盛り付け、逆皿状の蓋20で覆って70℃前後に加温された加温配膳用配膳車の庫内に入れても、熱流通が良好となるので水蒸気が皿状の食器10内に籠もることが少なくなり、かつ、部分的に水蒸気が外部に排出されて乾燥することも少なくなるので、喫食までの時間が長くなっても、作りたての食感を維持することができるようになる。

0043

しかも、実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30によれば、ガイド壁23の下端側の稜線部25は、稜線部25の延在方向と直交する方向及び稜線部25の延在方向にそってアールが付けられているので、ガイド壁23の下端側の稜線部25が尖っていないため、ガイド壁23の下端側の稜線部25に手が触れても手が切れるおそれがなくなる。加えて、皿状の食器10の段13とガイド壁23の下端側の稜線部25との間に溜まる水滴が少なくなるので、逆皿状の蓋20を取った際に滴下する水滴の量が少なくなる。

0044

また、実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30においては、図5Bに示したように、皿状の食器10のつば部12の外形寸法は逆皿状の蓋20つば部21の外形寸法よりもΔLだけ小さくされている。なお、ΔLとしては、1〜3mm程度でよく、特に2mm程度とすることが好ましい。このような構成を採用した理由は、逆皿状の蓋20におけるつば部21が皿状の食器10のつば部12よりも外方へ突出した状態となるため、逆皿状の蓋20を皿状の食器10に丁寧に被せることができるとともに、逆皿状の蓋20のつば部21に指をかけ易くなるため、逆皿状の蓋20を皿状の食器10から取り外すことが容易となるためである。

0045

[実験例]
実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30及びガイド壁に切り欠きを形成しない以外は実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30と同様の構成の比較例の蓋付き食器を用いて、以下の条件で加温試験を行った。実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30の皿状の食器10としては、セラミックス強化磁器製であって、つば部12を含めた外径が約18.5cm、段13の深さが約4mm、段13部分の外径L2(図2A参照)が約15cm、段13から見込み部15までの深さが約5cmのものを用いた。逆皿状の蓋20としては、同じくセラミックス強化磁器製であって、つば部21を含めた外径L7(図4B参照)が約19cm、ガイド壁23の高さが約8mm、溝の深さが約5mmのものを用いた。

0046

この皿状の食器10の開口部に逆皿状の蓋20を嵌合させると、皿状の食器10のつば部12と逆皿状の蓋20のつば部21との間に形成される隙間の間隔Wが約4mmとなり、この隙間を介して外部に露出する切り欠き24による開口部の高さHは約1mmとなる。なお、逆皿状の蓋20のつば部21の外径と皿状の食器10のつば部12との外径の差に基づくΔLは約2.5mmである。

0047

(加温実験条件
実験例1〜3では、食材としてエビ天、しそ天、シイタケ天等を用い、実験例4〜6では食材として茹で上げたそうめんを用いた。天ぷらを用いた理由は、湿度や油の回り等により揚げたてパリパリ感を保温の間に維持することが最も難しい料理であるためであり、そうめんを用いた理由は、他の麺類に比べて細く、乾燥の度合いを見るのに最も適しているからである。

0048

実験例1:実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30を用い、食材としては天ぷらを用いて70℃で1時間加温した。
実験例2:加温時間を2時間とした以外は実験例1と同様に加温した。
実験例3:比較例の蓋付き食器を用い、実験例1と同様に加温した。

0049

実験例4:実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30を用い、食材としては茹で上げたそうめんを用いて70℃で1時間加温した。
実験例5:加温時間を2時間とした以外は実験例4と同様に加温した。
実験例6:比較例の蓋付き食器を用い、実験例4と同様に加温した。

0050

(加温実験結果)
上記実験例1〜6の結果を纏めると次のとおりとなった。
実験例1:天ぷらの表面は湿気もなく、パリパリ感も損なわれておらず、また、天ぷらの衣に油も回っていなかった。さらに、皿状の食器10の見込み部15にも、油や水分の落ちも少なく、問題ないレベルであった。
実験例2:加温時間が実験例1の2倍となったが、エビ天ぷらの側面は少し柔らかい部分もあるが、全体的に実験例1の場合と同様に湿気もなく、しそのパリパリ感も損なわれていなかった。
実験例3:天ぷらの表面に湿気が出ており、衣の表面はパリパリ感の低下が見られた。また、皿状の食器10の見込み部15には、油や水分が多く見られ、天ぷらの裏面はしっとりとしてきていた。

0051

実験例4:そうめんの表面のしっとり感は損なわれておらず、乾燥することもなかった。
実験例5:加温時間が実験例1の2倍となったため、そうめんの表面のしっとり感は損なわれてきており、切り欠きによる開口の周囲近傍のそうめんに乾燥部分が見られた。
実験例6:そうめんの表面のしっとり感は損なわれず、乾燥することもなかった。

0052

以上のことを整理すると、実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30を用いた天ぷらの1時間加温では表面のパリパリ感は全く損なわれておらず、調理直後の食感をほぼ保つことができており、油の表出に関してもほとんど問題ないレベルである。また、同じく、天ぷらの2時間加温でも表面のパリパリ感の低下は少なく、食感は損なわれていない。また、実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30を用いたそうめんの1時間加温では、乾燥については問題が生じないが、そうめんが細いこともあり、それ以上の加温時間では、徐々にそうめんの表面が乾燥してくるため、長時間の加温は問題となる。

0053

他の各種の加温試験を行った結果も考慮すると、隙間の間隔Wとしては2〜5mm程度が好ましく、隙間を介して外部に露出する切り欠き24による開口の高さHは0.5〜2.5mm程度とすることが好ましい。また、切り欠き24による開口の数を多くすると、全体的にまんべんなく熱流通させることができるようになるため、良好な効果奏することができるようになる。

0054

[実施形態2]
実施形態2の加温配膳用蓋付き食器40を図6及び図7を用いて説明するが、図5に示した実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30と同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。なお、図6Aは実施形態2の加温配膳用蓋付き食器の平面図であり、図6Bは同じく正面図である。図7図6AのVII−VII線に沿った縦断面図である。

0055

実施形態2の加温配膳用蓋付き食器40は、図5に示した実施形態1の加温配膳用蓋付き食器30に対して別の食器としての丼41を組合せて2層構造の食器としてものである。この丼41は、皿状の食器10よりも深さが深く、上縁42の径が皿状の食器10のつば部12に形成された複数箇所の溝18に当接する大きさとなっている。丼41の形状は、図6B及び図7に示したように、一般的なものである。

0056

実施形態2の加温配膳用蓋付き食器40では、皿状の食器10のつば部12に形成されている溝18は複数箇所に断続的に形成されているから、丼41の上縁42は溝18に位置する部分で隙間が形成されていることになる。そのため、この隙間を介して丼41の内部と外部との間に空気の流通がなされる。これにより、料理が冷えても別の食器の内部が減圧状態とはならず、皿状の食器を別の食器から容易に取り外すことができるようになる。なお、実施形態2の加温配膳用蓋付き食器40の高さは、温冷配膳車等の庫内空間に納めやすいようにするため、10〜15cm程度とすることが好ましい。

0057

しかも、医療施設や福祉施設による配膳はトレイによって行われるが、トレイのサイズには限りがあるので、食器の数をむやみに増加させることはできない。それに対し、実施形態2の加温配膳用蓋付き食器40では、丼41部分と皿状の食器10部分とに区分して料理を提供することができる。そのため、例えばご飯物の丼メニューにおいては、ご飯を丼41に、具を皿状の食器10に盛ることによって供給することができるため、加温配膳に時間がかかっても、最初からご飯の上に具を盛って供給した場合のように、ご飯に具のタレが染み込んでしまったり、具の衣が水分を吸収してベチャベチャ感が増したりすることがなくなるので、長時間にわたって調理直後の食感をいじすることができるようになる。また、麺類においては、麺を皿状の食器10に、汁を丼41に盛って供給することができるため、麺がのびてしまうことがなくなるので、加温配膳に時間がかかっても、長時間にわたって調理直後の食感を維持することができるようになる。

0058

加えて、例えば丼物のご飯と具とがそれぞれ別の食器に盛ってある場合、喫食者が丼物とは異なる別の料理であると誤って食する場合もあるが、それぞれの食器が重ねてあればそのような誤認識を減らすことができ、喫食者に美味しい状態で食してもらうことができるようになる。なお、上記実施形態1の各実験例では、皿状の食器及び逆皿状の食器としてセラミック強化磁器製のものを用いた例を示したが、耐熱プラスチック製のものや通常の磁器製ないし陶器製のものを用いても同様の作用効果を奏する。係る点は、実施形態2における丼の場合も同様である。

0059

10、10a、10b…皿状の食器11、11a、11b…胴
12…つば部 13、13a…段
14、14b…別の段 15…見込み部(内側の底部)
16…凸部 17…突起
18…溝 20、20a、20b…逆皿状の蓋
21…つば部 22、22a、22b…胴
23、23b…ガイド壁24…切り欠き
25…稜線部 26…溝
27…凹部 28…土手部分
29…見返し部 30、40…加温配膳用蓋付き食器
41…丼 42…上縁

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