図面 (/)

技術 コーヒー含有飲料の製造方法

出願人 アサヒ飲料株式会社
発明者 藤田淳史西郷亮子
出願日 2014年12月10日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2014-250142
公開日 2016年6月20日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2016-106605
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー
主要キーワード ポラリティ キリマンジャロ 検出液 抽出液量 電気伝導度検出器 ブラックコーヒー カラム抽出 Brix値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

コーヒー含有飲料製造効率を向上させる。

解決手段

コーヒー含有飲料の製造方法は、コーヒー生豆凍結乾燥させる工程と、前記コーヒー生豆を焙煎して焙煎豆を作製する工程と、前記焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する工程と、を備える。

概要

背景

コーヒー抽出液を含むコーヒー含有飲料については、たとえば風味を向上させる観点等から、様々な検討がなされている。このような技術としては、たとえば特許文献1および2に記載されるものが挙げられる。

特許文献1には、浅煎りコーヒー豆から抽出液を取得する工程と、当該抽出液を50〜90℃の範囲の温度で濃縮する工程と、を含むコーヒーエキスの製造方法が記載されている。特許文献2には、(A)クロロゲン酸類0.01〜1質量%を含有し、(B)一芳香環性多価フェノールの合計量が飲料中0.2〜6ppmである、容器詰コーヒー飲料が記載されている。

概要

コーヒー含有飲料の製造効率を向上させる。コーヒー含有飲料の製造方法は、コーヒー生豆凍結乾燥させる工程と、前記コーヒー生豆を焙煎して焙煎豆を作製する工程と、前記焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する工程と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

コーヒー生豆凍結乾燥させる工程と、前記コーヒー生豆を焙煎して焙煎豆を作製する工程と、前記焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する工程と、を備えるコーヒー含有飲料の製造方法。

請求項2

請求項1に記載のコーヒー含有飲料の製造方法において、前記コーヒー生豆を凍結乾燥させる前記工程は、前記コーヒー生豆の含水率が9重量%未満となるよう凍結乾燥を行うコーヒー含有飲料の製造方法。

請求項3

請求項1または2に記載のコーヒー含有飲料の製造方法において、超純水を添加してBrix値を1.0に調整した前記コーヒー抽出液100mlに対するクロロゲン酸含有量をC1とし、カフェインの含有量をC2として、C2/C1が2.0以上であるコーヒー含有飲料の製造方法。

請求項4

請求項3に記載のコーヒー含有飲料の製造方法において、超純水を添加してBrix値を1.0に調整した前記コーヒー抽出液100mlに対するリン酸クエン酸リンゴ酸ギ酸、および酢酸の合計の含有量C3が64(mg/100ml)以上であるコーヒー含有飲料の製造方法。

請求項5

請求項1〜4いずれか一項に記載のコーヒー含有飲料の製造方法において、前記コーヒー抽出液を抽出する前記工程の後において、前記コーヒー抽出液を容器内に充填する工程をさらに備えるコーヒー含有飲料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、コーヒー含有飲料の製造方法に関する。

背景技術

0002

コーヒー抽出液を含むコーヒー含有飲料については、たとえば風味を向上させる観点等から、様々な検討がなされている。このような技術としては、たとえば特許文献1および2に記載されるものが挙げられる。

0003

特許文献1には、浅煎りコーヒー豆から抽出液を取得する工程と、当該抽出液を50〜90℃の範囲の温度で濃縮する工程と、を含むコーヒーエキスの製造方法が記載されている。特許文献2には、(A)クロロゲン酸類0.01〜1質量%を含有し、(B)一芳香環性多価フェノールの合計量が飲料中0.2〜6ppmである、容器詰コーヒー飲料が記載されている。

先行技術

0004

特開2011−62127号公報
特開2009−28013号公報

発明が解決しようとする課題

0005

コーヒー抽出液を含むコーヒー含有飲料の製造においては、その製造効率を向上させることが求められている。

課題を解決するための手段

0006

本発明によれば、
コーヒー生豆凍結乾燥させる工程と、
前記コーヒー生豆を焙煎して焙煎豆を作製する工程と、
前記焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する工程と、
を備えるコーヒー含有飲料の製造方法が提供される。

発明の効果

0007

本発明によれば、コーヒー含有飲料の製造効率を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0008

本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法を示すフロー図である。
焙煎豆の断面構造を示すSEM写真である。

0009

以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。

0010

本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法は、次のように行われる。まず、コーヒー生豆を凍結乾燥させる。次いで、上記コーヒー生豆を焙煎して焙煎豆を作製する。次いで、上記焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する。これにより得られるコーヒー抽出液を用いてコーヒー含有飲料を得ることができる。

0011

本発明者は、コーヒー含有飲料の製造効率を向上させるため、その製造方法について鋭意検討した。その結果、凍結乾燥させたコーヒー生豆を焙煎することにより、焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する際の抽出効率を向上させることができることを新たに見出した。抽出効率は、たとえば以下の式により算出することができる。
抽出効率=(抽出液量(g)×抽出液のBrix値)/焙煎豆使用量(g)
このため、本実施形態によれば、コーヒー抽出液の抽出効率を向上させることができ、コーヒー含有飲料の製造効率の向上に寄与することが可能となる。

0012

なお、本実施形態において、コーヒー含有飲料とは、少なくともコーヒー抽出液を含む飲料を指す。このため、乳等のコーヒー抽出液以外の成分の含有量にかかわらず、コーヒー抽出液を含む飲料についてはコーヒー含有飲料として扱うことができる。また、コーヒー抽出液とは、コーヒー生豆を焙煎して得られる焙煎豆から抽出された抽出液である。

0013

以下、本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法について詳細に説明する。

0014

図1は、本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法を示すフロー図である。
まず、コーヒー生豆を凍結乾燥させる(S1)。コーヒー生豆は、焙煎されていないコーヒー豆である。本実施形態においては、たとえば含水率が9重量%以上15重量%以下であるコーヒー生豆に対して凍結乾燥を行うことができる。なお、コーヒー生豆の含水率とは、コーヒー生豆全体に対する水分量の割合(重量%)を指す。また、凍結乾燥をしていないコーヒー生豆の含水率は、たとえば穀類水分計を用いて測定することができる。

0015

本実施形態においては、凍結乾燥させたコーヒー生豆を焙煎して得られた焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出することによって、上述したように抽出効率の向上を図ることができる。これは、焙煎直前におけるコーヒー生豆の含水量を、凍結乾燥によって低減させることによるものと考えられる。すなわち、凍結乾燥によってコーヒー生豆内の細胞形態変化劣化を抑えつつ含水量を低減させることができるため、その後の焙煎によって得られる焙煎豆中の多孔質構造(以下、ハニカム構造とも呼ぶ)をより効果的に膨らませることができ、これが抽出効率の向上に寄与しているものと推測される。このため、コーヒー含有飲料の製造効率の向上を図ることが可能となる。

0016

また、凍結乾燥によってコーヒー生豆の含水量を低減させることにより、焙煎時間の短縮を図ることもできる。このような観点からも、コーヒー含有飲料の製造効率を向上させることが可能である。さらには、上述のように、凍結乾燥によって焙煎豆内のハニカム構造が膨らんだ状態を実現することにより、得られるコーヒー抽出液中におけるリン酸クエン酸リンゴ酸ギ酸、および酢酸等に例示される各種酸の量や香気量を増大させることも可能となる。したがって、すっきりした後味を有し、かつ香り豊かなコーヒー含有飲料の実現に寄与することもできる。

0017

コーヒー生豆の凍結乾燥は、たとえばコーヒー生豆の含水率が9重量%未満となるように行うことができる。これにより、抽出効率の向上や焙煎時間の短縮、各種酸の量や香気量を増大といった効果をより顕著に発揮させることができる。本実施形態においては、コーヒー生豆の含水率が好ましくは6重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下となるように、コーヒー生豆の凍結乾燥を行うことができる。

0018

なお、凍結乾燥後におけるコーヒー生豆の含水率は、たとえば次のように算出することができる。まず、コーヒー生豆の凍結乾燥前における重量Wa(g)と凍結乾燥後における重量Wb(g)との差(Wa−Wb)を脱水量として算出する。次いで、凍結乾燥前のコーヒー生豆の含水量Wc(g)から上記脱水量を引いた値を、凍結乾燥後のコーヒー生豆の含水量Wd(g)として求める。そして、(Wd/Wb)×100(重量%)を、凍結乾燥後におけるコーヒー生豆の含水率として算出する。

0019

凍結乾燥の諸条件は、求められる凍結乾燥後のコーヒー生豆の含水率等に応じて、それぞれ適切に選択することが可能である。本実施形態における凍結乾燥は、たとえばホール豆状のコーヒー生豆に対して、温度−40℃以上−20℃以下の条件で予備凍結を行った後、温度40℃以上80℃以下、真空度40Pa以上610Pa以下の条件で乾燥させることにより行うことが可能である。このように、凍結乾燥の条件を適切に選択することによって、より効果的に抽出効率の向上や各種酸の量の増大を図ることが可能となる。

0020

コーヒー生豆としては、とくに限定されないが、たとえばメキシコ、グアテマラ、ブルーマウンテンクリスタルマウンテン、コスタリカ、コロンビア、ベネズエラブラジル・サントスハワイ・コナ、モカ、ケニアキリマンジャロマンリン、およびロブスタが挙げられる。本実施形態においては、たとえばこれらのうちの一種または二種以上を含むコーヒー生豆を使用してコーヒー抽出液を作製することができる。

0021

次いで、凍結乾燥させたコーヒー生豆を焙煎する(S2)。これにより、焙煎豆が作製される。本実施形態においては、上述のように凍結乾燥させて含水率を低減させたコーヒー生豆を用いるため、焙煎時間の短縮を図ることが可能である。コーヒー生豆の焙煎は、たとえばコーヒー生豆を凍結乾燥させた後、コーヒー生豆の含水率を9重量%未満、好ましくは6重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下に維持した状態で行うことができる。

0022

焙煎の条件は、所望する焙煎度合いに応じて適宜変更することができる。たとえば焙煎機内部の温度プロファイルや焙煎時間等を調整することによって、焙煎豆の焙煎度合いを制御することが可能である。本実施形態においては、たとえば浅煎り、中煎り、および深煎りのいずれかの焙煎度合いに焙煎された焙煎豆を作製することができる。また、焙煎豆の焙煎度合いを示す色差計により測定されるL値は、たとえば15.0以上27.0以下とすることができる。

0023

次いで、焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する(S3)。
コーヒー抽出液の抽出は、たとえば上記で得られた焙煎豆を粉砕して得た粉砕物を、水を主成分として含む溶媒に浸漬することにより行うことができる。溶媒としては、とくに限定されないが、たとえばミネラルウォーター水道水蒸留水、および海洋深層水を用いることができる。焙煎豆の粉砕条件は、とくに限定されず、抽出方法等に応じて適切に選択され得る。なお、粉砕直後の粉砕物を用いてコーヒー抽出液の抽出を行うことが、得られるコーヒー含有飲料の風味を向上させる観点からより好ましい。

0024

抽出方法は、とくに限定されないが、たとえばドリップ式抽出法、浸漬抽出法、カラム抽出法、およびエスプレッソ式抽出法を用いることができる。本実施形態におけるコーヒー抽出液の作製方法の一例としては、焙煎豆を細挽きして得た粉砕物を、温度50℃以上100℃以下の水を主成分として含む溶媒によってドリップ抽出することによりコーヒー抽出液を得る方法が挙げられる。

0025

抽出工程(S3)においては、使用する焙煎豆の重量をW1(g)とし、当該焙煎豆を用いて得られるコーヒー抽出液の重量をW2(g)とした場合に、W2/W1が5以上30以下であることが好ましい。これにより、コーヒーの味を効率的に抽出しつつ、雑味成分の量を抑えることが可能となる。また、得られるコーヒー抽出液の糖度計を用いて測定されるBrix値は、1.0以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましい。これにより、コーヒーの風味を効率的に向上させることができる。

0026

本実施形態においては、超純水を添加してBrix値を1.0に調整したコーヒー抽出液100mlに対するクロロゲン酸の含有量をC1(mg/100ml)とし、カフェインの含有量をC2(mg/100ml)とした場合において、たとえばC2/C1が2.0以上であることが好ましい。コーヒー抽出液においては、使用する焙煎豆の焙煎度合いが進行することにより、カフェインの含有量C2は増大し、クロロゲン酸の含有量C1は減少する傾向にある。このため、C2/C1は、コーヒー抽出液の作製において使用した焙煎豆の焙煎度合いを示す指標とすることができる。本発明者は、コーヒー含有飲料に適度な風味を付与し得る程度に十分な焙煎度合いの焙煎豆を使用した場合において、C2/C1が2.0以上となることを知見した。このため、コーヒー抽出液のC2/C1を2.0以上とすることにより、良好な風味を有するコーヒー含有飲料を実現することが可能となる。

0027

得られるコーヒー抽出液のC2/C1を、たとえば2.0以上3.5未満とすることによって、味が濃く、酸味の豊かなコーヒー抽出液が得られる。また、得られるコーヒー抽出液のC2/C1を、たとえば3.5以上10未満とすることによって、味の濃さと酸味を有しつつも、厚みのある味わいを実現することができる。また、得られるコーヒー抽出液のC2/C1を、たとえば10以上とすることによって、すっきりと飲みやすいコーヒー抽出液が得られる。

0028

また、コーヒー抽出液のC2/C1は、たとえば20.0以下とすることが、焦げ感を抑えつつ、すっきりと飲みやすい味わいを実現する観点から好ましい。また、後述する含有量C3を好適な範囲に制御することを容易とする観点からは、コーヒー抽出液のC2/C1が10未満であることがより好ましい。なお、C2/C1は、たとえばコーヒー生豆を焙煎する際の焙煎度合いを調整する等のコーヒー抽出液の作製方法を適切に調整することによって制御することが可能である。

0029

コーヒー抽出液の、クロロゲン酸の含有量C1(mg/100ml)とカフェインの含有量C2(mg/100ml)は、たとえば次のようにして測定することができる。まず、コーヒー抽出液に対し超純水を添加してBrix値を1.0に調整した後、限外ろ過フィルタユニットによって1000rpm、30分の条件でろ過することによりサンプルを得る。次いで、当該サンプル100ml中におけるカフェインの含有量C2(mg/100ml)およびクロロゲン酸の含有量C1(mg/100ml)を、UHPLC(Ultra High Performance Liquid Chromatograph)を用いて測定する。UHPLCとしては、たとえばNexera((株)島津製作所)を用いることができる。検出器としては、たとえばPDA(Photodiode Array Detector)検出器を用いることができる。測定条件は、たとえば以下のように設定される。
カラム:ZORBAX EclipsePlus C18(アジレント・テクノロジー(株))
カラムオーブン温度:45℃
移動相A液:0.17%リン酸含む超純水
移動相B液:0.17%リン酸含むメタノール
ポンプ流量:1.2ml/min
注入量:3μl
セル温調温度:40℃

0030

本実施形態においては、超純水を添加してBrix値を1.0に調整したコーヒー抽出液100mlに対するリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量をC3(mg/100ml)とした場合において、たとえば含有量C3が64(mg/100ml)以上とすることができる。これにより、得られるコーヒー含有飲料の後味のすっきりさをより効果的に向上させることが可能となる。本実施形態では、C2/C1が2.0以上であって、かつ含有量C3が64(mg/100ml)以上であることが、コーヒー含有飲料の風味を向上させる観点から好ましい。

0031

本発明者は、コーヒー含有飲料の後味の改善に、コーヒー抽出液中におけるリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量C3が関与していることを新たに知見した。このため、コーヒー抽出液における含有量C3を増大させることを検討した。しかしながら、コーヒー抽出液中におけるリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量C3は、使用する焙煎豆の焙煎度合いが進行するにつれて減少していく傾向にある。すなわち、コーヒー含有飲料に適度な風味を付与し得る程度に十分な焙煎度合いの焙煎豆を使用した場合には、含有量C3が低下してしまうことが懸念される。このため、焙煎度合いの指標となり得るC2/C1が2.0以上であって、かつ含有量C3が64(mg/100ml)以上であるコーヒー抽出液を実現することは困難であった。

0032

鋭意検討の結果、本発明者は、コーヒー抽出液の作製方法を高度に制御することによって、十分な焙煎度合いの焙煎豆を使用しつつも、含有量C3を高い数値範囲に維持することができることを見出した。たとえばコーヒー生豆に対して凍結乾燥を行うことや、凍結乾燥の条件を適切に選択すること、焙煎度合いを調整すること等が、適度な風味を付与するための十分な焙煎度合いとしつつ含有量C3を良好な範囲内に制御するために重要な要素であると考えられる。本実施形態では、このような知見に基づいてコーヒー含有飲料の作製方法を適切に制御し、C2/C1が2.0以上であって、かつ含有量C3が64(mg/100ml)以上であるコーヒー抽出液を実現するものである。

0033

得られるコーヒー含有飲料の後味のすっきりさをより効果的に向上させる観点からは、含有量C3が65(mg/100ml)以上であることがより好ましく、66(mg/100ml)以上であることがとくに好ましい。一方で、含有量C3の上限値は、とくに限定されないが、80(mg/100ml)とすることができる。また、コーヒー含有飲料の風味を向上させる観点からは、たとえばC2/C1を3.5以上とし、かつ含有量C3を64(mg/100ml)以上とすることがより好ましい。

0034

コーヒー抽出液の含有量C3(mg/100ml)は、たとえば次のようにして測定することができる。まず、コーヒー抽出液に対し超純水を添加してBrix値を1.0に調整した後、0.45μmディスポーザブルシリンジフィルタでろ過することによりサンプルを得る。次いで、当該サンプル100ml中におけるリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸それぞれの含有量(mg/100ml)を、HPLC(High Performance Liquid Chromatograph)を用いて測定する。HPLCとしては、たとえばProminence((株)島津製作所)を用いることができる。検出器としては、たとえば電気伝導度検出器を用いることができる。測定条件は、たとえば以下のように設定される。
カラム:Shim−packSCR−102H(8mm×300mm、7μm)((株)島津製作所)
ガードカラム:Shim−pack SCR−102H(6mm×50mm、7μm)((株)島津製作所)
カラムオーブン温度:50℃
移動相:p−トルエンスルホン酸水溶液(5mmol/L)
検出液:p−トルエンスルホン酸(5mmol/L)およびEDTA(100μmol/L)を含むBis−Tris水溶液(20mmol/L)
ポンプ流量(移動相):0.8ml/min
ポンプ流量(検出液):0.8ml/min
注入量:10μl
ポラリティ:+
セル温度自動設定
そして、上記サンプル100ml中におけるリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸それぞれの含有量の測定結果から、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸および酢酸の含有量の合計C3(mg/100ml)を算出する。

0035

次いで、コーヒー抽出液を、他の添加物と混合する(S4)。これにより、コーヒー抽出液と、他の添加物と、を含むコーヒー含有飲料が得られる。なお、本実施形態では、上記他の添加物を添加せず、コーヒー抽出液単体をコーヒー含有飲料として扱ってもよい。

0036

上記他の添加物は、たとえば甘味成分香味成分乳成分乳化剤、安定剤、抗酸化剤、およびpH調整剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。甘味成分は、たとえば砂糖等の糖類、マルチトールおよびエリスリトール等の糖アルコール、ならびにアスパルテームアセスルファムカリウムスクラロースおよびステビア等の高甘味度甘味料等から選択される一種または二種以上を含むことができる。香味成分は、たとえば香料およびエキス等から選択される一種または二種以上を含むことができる。乳成分は、たとえば牛乳生乳脱脂乳、部分脱脂乳、生クリーム濃縮乳練乳、全粉乳、および脱脂粉乳等から選択される一種または二種以上を含むことができる。乳化剤は、たとえばグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルユッカ抽出物サポニンレシチン、およびポリソルベート等から選択される一種または二種以上を含むことができる。安定剤は、たとえばカゼインナトリウム等を含むことができる。抗酸化剤は、たとえばアスコルビン酸アスコルビン酸ナトリウム、およびエリソルビン酸ナトリウム等から選択される一種または二種以上を含むことができる。pH調整剤は、たとえば炭酸カリウム重曹水酸化カリウムリン酸水素カリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、およびリン酸水素ニナトリウム等から選択される一種または二種以上を含むことができる。また、コーヒー含有飲料中には、上記他の添加物として、各種栄養成分、抽出物、各種エキス酸味料着色剤、および希釈剤等の食品添加物塩基性アミノ酸やクエン酸等の付加機能を与える添加物、ならびにカフェイン等のコーヒーの呈味に関連する添加物等をから選択される一種または二種以上の成分をさらに含んでいてもよい。

0037

本実施形態においては、コーヒー含有飲料全体に対するコーヒー抽出液の含有量は、たとえば20重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましい。これにより、コーヒー含有飲料における風味向上に寄与することができる。一方で、コーヒー含有飲料全体に対するコーヒー抽出液の含有量は、たとえば100重量%以下とすることができ、他の添加物を含む場合には98重量%以下とすることができる。なお、コーヒー含有飲料がブラックコーヒーである場合には、たとえばコーヒー含有飲料全体に対するコーヒー抽出液の含有量は80重量%以上98重量%以下とすることができる。また、コーヒー含有飲料が乳入りコーヒーである場合には、たとえばコーヒー含有飲料全体に対するコーヒー抽出液の含有量は20重量%以上80重量%以下とすることができる。

0038

次いで、コーヒー抽出液を含むコーヒー含有飲料を容器内に充填する(S5)。これにより、容器詰めコーヒー含有飲料が得られる。本実施形態においては、たとえばコーヒー含有飲料を密閉容器内に充填することにより容器詰めコーヒー含有飲料を形成する。この密閉容器としては、とくに限定されないが、たとえばスチール缶またはアルミニウム缶等の缶類ガラス瓶等の瓶類紙製容器、およびレトルトパウチが挙げられる。

0039

本実施形態においては、コーヒー含有飲料を容器へ充填して得られた容器詰めコーヒー含有飲料に対して、たとえばレトルト殺菌を施すことができる。レトルト殺菌は、たとえば120℃以上140℃以下、5分以上30分以下の条件により行うことができる。このようにして殺菌された容器詰めコーヒー飲料は、製品として供されることとなる。

0040

本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法は、たとえばこのようにして行われる。

0041

上記実施の形態によれば、以下の発明が開示されている。
(付記1)
コーヒー含有飲料を製造するために用いられるコーヒー抽出液であって、
超純水を添加してBrix値を1.0に調整した前記コーヒー抽出液100mlに対するクロロゲン酸の含有量をC1(mg/100ml)とし、カフェインの含有量をC2(mg/100ml)とし、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量をC3(mg/100ml)とした場合において、以下の(a)および(b)を満たすコーヒー抽出液。
(a)C2/C1が2.0以上である
(b)C3が64(mg/100ml)以上である
(付記2)
付記1に記載のコーヒー抽出液を含むコーヒー含有飲料。

0042

なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。

0043

次に、本発明の実施例について説明する。

0044

(コーヒー抽出液の作製)
各実施例について、次のようにコーヒー抽出液を作製した。まず、含水率が13重量%であるコーヒー生豆を、含水率が5.2重量%となるように凍結乾燥させた。凍結乾燥は、ホール豆状のコーヒー生豆に対して、温度−40℃以上−20℃以下の条件で予備凍結を行った後、温度40℃以上80℃以下、真空度40Pa以上610Pa以下の条件で乾燥させることにより行った。

0045

なお、凍結乾燥後のコーヒー生豆の含水率は、次のように算出した。まず、コーヒー生豆の凍結乾燥前における重量Wa(g)と凍結乾燥後における重量Wb(g)との差(Wa−Wb)を脱水量として算出した。次いで、凍結乾燥前のコーヒー生豆の含水量Wc(g)から上記脱水量を引いた値を、凍結乾燥後のコーヒー生豆の含水量Wd(g)として求めた。そして、(Wd/Wb)×100(重量%)を、凍結乾燥後におけるコーヒー生豆の含水率として算出した。

0046

次いで、凍結乾燥後のコーヒー生豆を表1に示すL値となるように焙煎して焙煎豆を得た。次いで、焙煎豆30gからコーヒー抽出液約450gを抽出した。抽出は、上記で得られた焙煎豆を粉砕した後、97℃の温水によってドリップ抽出することにより行った。このようにしてコーヒー抽出液(Brix値は1.0以上)を得た。

0047

各比較例については、凍結乾燥を行わなかった点を除いて、各実施例と同様にしてコーヒー抽出液(Brix値は1.0以上)を作製した。なお、各比較例に係るコーヒー抽出液の作製において、焙煎前におけるコーヒー生豆の含水率は9重量%以上であった。

0048

(焙煎豆の観察)
図2は、焙煎豆の断面構造を示すSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。図2(a)が比較例1に係る焙煎豆を、図2(b)が実施例1に係る焙煎豆を、それぞれ示している。図2からは、凍結乾燥を行った実施例1の焙煎豆の方が、凍結乾燥を行わなかった比較例1の焙煎豆と比較して、内部のハニカム構造がより膨らんでいることが分かる。

0049

(抽出効率の評価)
各実施例および各比較例について、焙煎豆からコーヒー抽出液を抽出する工程における抽出効率を評価した。抽出効率は、コーヒー抽出液の抽出液量(g)と、コーヒー抽出液のBrix値と、焙煎豆の使用量(g)と、から以下の式を用いて算出した。
抽出効率=(抽出液量(g)×抽出液のBrix値)/焙煎豆使用量(g)
結果を表1に示す。

0050

0051

(コーヒー抽出液の成分分析1)
各実施例および各比較例について、得られたコーヒー抽出液のリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の含有量を次のようにして分析した。まず、コーヒー抽出液に対し超純水を添加してBrix値を1.0に調整した後、0.45μmディスポーザブルシリンジフィルタ(Mixed Cellulose Ester)でろ過することによりサンプルを得た。次いで、当該サンプル100ml中におけるリン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸それぞれの含有量(mg/100ml)を、HPLC(Prominence((株)島津製作所)、検出器:電気伝導度ポストカラム)を用いて以下の条件により測定した。
カラム:Shim−packSCR−102H(8mm×300mm、7μm)((株)島津製作所)
ガードカラム:Shim−pack SCR−102H(6mm×50mm、7μm)((株)島津製作所)
カラムオーブン温度:50℃
移動相:p−トルエンスルホン酸水溶液(5mmol/L)
検出液:p−トルエンスルホン酸(5mmol/L)およびEDTA(100μmol/L)を含むBis−Tris水溶液(20mmol/L)
ポンプ流量(移動相):0.8ml/min
ポンプ流量(検出液):0.8ml/min
注入量:10μl
ポラリティ:+
セル温度:自動設定
得られた測定値から、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量C3(mg/100ml)を算出した。結果を表2に示す。

0052

(コーヒー抽出液の成分分析2)
各実施例および各比較例について、得られたコーヒー抽出液のカフェインおよびクロロゲン酸の含有量を次のようにして分析した。まず、コーヒー抽出液に対し超純水を添加してBrix値を1.0に調整した後、限外ろ過フィルタユニット(Amicon Ultra)によって1000rpm、30分の条件でろ過することによりサンプルを得た。次いで、当該サンプル100ml中におけるカフェインの含有量C2(mg/100ml)およびクロロゲン酸の含有量C1(mg/100ml)を、UHPLC(Nexera((株)島津製作所)、検出器:PDA)を用いて以下の条件により測定した。
カラム:ZORBAX EclipsePlus C18(アジレント・テクノロジー(株))
カラムオーブン温度:45℃
移動相A液:0.17%リン酸含む超純水
移動相B液:0.17%リン酸含むメタノール
ポンプ流量:1.2ml/min
注入量:3μl
セル部温調温度:40℃
得られた測定値から、クロロゲン酸の含有量C1に対するカフェインの含有量C2の比C2/C1を算出した。結果を表2に示す。

0053

0054

表1からは、L値が同等の実施例と比較例を比較した場合において、実施例の方が高い抽出効率が得られていることが分かる。このように、本実施形態に係るコーヒー含有飲料の製造方法を採用することによって、抽出効率を向上させることができることが示されている。なお、L値が同等の実施例と比較例として、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、をそれぞれ比較することができる。また、表2からは、実施例1、2において、C2/C1が2.0以上であるにもかかわらず、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、ギ酸、および酢酸の合計の含有量C3が64(mg/100ml)以上と高い値を示していることが分かる。すなわち、十分な焙煎を行いつつも、これらの酸の含有量を高い値に維持できていることが示されている。

0055

(コーヒー含有飲料の作製)
各実施例および各比較例について、次のようにしてコーヒー含有飲料を作製した。まず、表1に示すコーヒー抽出液100重量部と、グラニュー糖10重量部と、牛乳22重量部と、乳化剤0.15重量部と、重曹0.25重量部と、を混合した。これにより得られたコーヒー含有飲料を密閉容器であるに充填した。次いで、124℃、17分の条件でレトルト殺菌を行った。これにより、容器詰めコーヒー含有飲料を作製した。

0056

(後味の評価)
各実施例および各比較例について、上記で得られたコーヒー含有飲料の後味を以下のように評価した。まず、同程度のL値であるコーヒー抽出液を使用した実施例と比較例のそれぞれについて、コーヒー含有飲料の後味がすっきりしているか否かをパネル30人に5段階(5が最も良好)で評点を付けてもらい、その平均値を算出した。次いで、これらの平均値の差について有意差検定両側検定)を有意水準5%で行った。ここでは、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3についてそれぞれ検定を行った。その結果、全ての実施例において、比較例よりも有意に良いと判定された。

実施例

0057

また、実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれについて、上記で得られたコーヒー含有飲料の後味がすっきりしているか否かをパネル7人に5段階(5が最も良好)で評点をつけてもらい、その平均点を算出した。その結果、実施例1、2に係るコーヒー含有飲料においてとくに高い数値が得られた。この結果から、C3が64(mg/100ml)以上であるコーヒー抽出液を使用したコーヒー含有飲料については、とくにすっきりした後味が実現されていることが分かる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ