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技術 アスピリン療法を必要とする患者を治療するための方法

出願人 ポーゼンインコーポレイテッド
発明者 プラチェトカジョンアール.
出願日 2015年12月28日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-255645
公開日 2016年6月9日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-104778
状態 拒絶査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医薬品製剤
主要キーワード 例示的実施 水溶性コーティング 一次解析 接着防止剤 タブレット製剤 スラッグ 評価スコア 数値パラメータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

非ステロイド系抗炎症剤関連潰瘍発症するリスクがある患者における、疼痛または炎症・心血管疾患等を治療し、且つ消化不良関連症状の発症を低減するための、錠剤単位剤形薬学的組成物の提供。

解決手段

コアと2つ以上の層を含み、a)該コアがアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、b)第1層が該コアを取り囲み、且つ3.5以下のpHおよび37℃の温度の水性媒体中に溶解しないコーティングを有し、c)少なくとも1つの第2層が、1つまたは複数の単位剤形の投与後に被験体胃内pHを少なくとも3.5に上げるのに有効な量の、該剤形がpHに関係なく水性媒体中に置かれたとき即座に溶解する、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含み、該第2層が該第1層のコーティングを取り囲み、少なくとも14日間継続して投与されるように用いられる、薬学的組成物。

概要

背景

発明の背景
アスピリンはNSAIDであり、アセチルサリチル酸の一般名である。アスピリンは熱を下げるために、また、筋肉痛歯痛風邪および頭痛などの症状から疼痛和らげるために使用される。それはまた、関節炎関節リウマチ強直性脊椎炎および変形性関節症などの症状において疼痛や炎症を軽減するために使用されることがある。アスピリンは抗凝固剤でもあり、低用量アスピリンは、心臓発作や脳卒中を含めて、心血管疾患につながる可能性のある血塊を減らすために用いられることが多い。その予防上の使用に加えて、それはまた心血管疾患の治療にも使用される。低用量アスピリンは心血管および脳血管事象の予防に推奨されており、米国では推定5000万人が心臓保護のためにアスピリンを服用している。

アスピリンは血小板によるトロンボキサンA2(「TxA2」)合成の強力な阻害剤であって、血小板の凝集と付着を軽減させ、それゆえ動脈血栓症リスクを低減する(Awtry, et al.,Circulation 101:1206-1218 (2000)(非特許文献1); Gengo, et al., J. Clin. Pharmacol. 48:335-343 (2008)(非特許文献2))。アスピリンのこの心臓保護効果は、血小板のTxA2生成が血清中95%を超えて低下するまで、抗血小板薬によって実現されない(Patrono, et al., New Eng. J. Med. 353:2373-2382 (2005)(非特許文献3); Platelets, 第2版, Michelson編, Elseiver (2007)中のGrosser, et al.「Thromboxane Generation」(非特許文献4))。例えば、血漿中のTxA2の95%抑制は、TxA2代謝産物である11-dh-TXB2の尿中排泄率の50〜75%だけの低下に相当するが、それはこの尿中代謝産物の血小板外の供給源のためである(Hart, et al., Pharmacotherapy 23(5):579-584 (2003)(非特許文献5))。

アスピリンおよび他のNSAIDは依然として疼痛、炎症および心血管疾患のための重要な治療法でありつづける一方で、慢性的なNSAID療法では、上部消化管(「UGI」)の潰瘍形成および潰瘍合併症、例えば出血穿孔など、の相当なリスクが認められる。こうしたリスクは使用と共に経時的に増加する。従来型のNSAIDの使用に伴う胃十二指腸潰瘍(「GDU」)の累積発症率は、プラセボの場合の3〜7%に対して、3ヶ月で25〜30%、6ヶ月で45%と高いことが報告されている。どのような時点でも、NSAID使用者におけるUGI潰瘍の発症率は30%と高くなることが推定されている。UGI潰瘍を発症するNSAID使用者に関連づけられる特定のリスク要因は、年齢>50およびUGI潰瘍または出血の発症歴である。慢性的NSAID使用者における潰瘍発症率の増加に関連した作用機序は複雑でありうるが、胃酸が、UGI粘膜保護機構の低下と相まって、この病理に寄与していると考えられる。UGI粘膜の傷害としては、点状出血びらん、および潰瘍が挙げられる。さらに、ひとたび粘膜傷害が発生すると、酸には通常の止血および治癒を害する能力がある。これらの要因が、一部のNSAIDの既知抗血小板作用と重なって、胃腸(「GI」)傷害および出血のリスクを高める可能性がある。NSAIDのUGI作用にはさらに以下が含まれる:消化不良(NSAID療法を受けた患者の最大40%が経験)、びらん性食道炎(「EE」)(定期的NSAID患者の21%が経験)、および胃食道逆流症の症状の増加。

こうしたリスクが理由で、医師は一般的に、たとえ低用量アスピリンが高用量アスピリンと同様の有益な治療効果を及ぼさないとしても、心血管疾患または脳卒中を予防するために低用量アスピリンを処方することを選ぶ。むしろ、医師は一般的に、治療効果がアスピリン療法に伴うリスクを上回る場合、例えば患者が既存の心血管疾患をかかえている場合にのみ、高用量アスピリンを処方する。したがって、アスピリンの製剤がアスピリン療法に伴うリスクを低減するならば、例えば心血管疾患または脳卒中の予防的治療のため、患者に高用量アスピリン療法を受けさせることが望ましいだろう。かくして、当技術分野では、特に慢性的な治療において、アスピリン療法に伴うリスクを低減するアスピリンの製剤が必要とされている。

概要

非ステロイド系抗炎症剤関連潰瘍を発症するリスクがある患者における、疼痛または炎症・心血管疾患等を治療し、且つ消化不良の関連症状の発症を低減するための、錠剤単位剤形薬学的組成物の提供。コアと2つ以上の層を含み、a)該コアがアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、b)第1層が該コアを取り囲み、且つ3.5以下のpHおよび37℃の温度の水性媒体中に溶解しないコーティングを有し、c)少なくとも1つの第2層が、1つまたは複数の単位剤形の投与後に被験体胃内pHを少なくとも3.5に上げるのに有効な量の、該剤形がpHに関係なく水性媒体中に置かれたとき即座に溶解する、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含み、該第2層が該第1層のコーティングを取り囲み、少なくとも14日間継続して投与されるように用いられる、薬学的組成物。なし

目的

さらに他の態様において、酸抑制剤の治療有効量は、1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量であり、ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体または環境のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出(coordinated release)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

疼痛または炎症に対する被験体治療に用いるための、錠剤単位剤形薬学的組成物であって、該錠剤がコアと2つ以上の層を含み、ここで、a)コアがアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、b)第1層が該コアを取り囲み、かつ3.5以下のpHおよび37℃の温度の水性媒体中に溶解しないコーティングを有し、かつc)少なくとも1つの第2層が、1つまたは複数の単位剤形の投与後に被験体の胃内pHを少なくとも3.5に上げるのに有効な量の、該剤形がpHに関係なく水性媒体中に置かれたとき即座に溶解する、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含み、該第2層が該第1層のコーティングを取り囲み、治療が少なくとも14日間継続され、かつ治療が被験体の消化不良関連症状発症を低減する、薬学的組成物。

請求項2

コアが81〜325mgのアスピリンを含む、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項3

第2層が15〜40mgのオメプラゾールを含む、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項4

コアが81mgのアスピリンを含み、かつ第2層が40mgのオメプラゾールを含む、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項5

コアが325mgのアスピリンを含み、かつ第2層が40mgのオメプラゾールを含む、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項6

被験体の疼痛または炎症が、変形性関節症関節リウマチ強直性脊椎炎頭痛歯痛風邪筋肉痛心血管疾患、癌、脳血管疾患、またはこれらの組み合わせと関連している、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項7

疼痛または炎症が心血管疾患と関連している、請求項6記載の薬学的組成物。

請求項8

治療が少なくとも28日間継続される、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項9

オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩が、剤形を経口投与するとき被験体の胃液のpHを少なくとも4.5に上げるのに有効な量で存在する、請求項1記載の薬学的組成物。

請求項10

薬学的組成物が、グレード3/4のLanzaスコアを、コーティングされてないアスピリンと比較して、10%まで減少する、薬剤に使用するための請求項2記載の薬学的組成物。

請求項11

薬学的組成物が、グレード3/4のLanzaスコアを、コーティングされてないアスピリンと比較して、10%まで減少する、請求項5記載の薬学的組成物。

請求項12

薬学的組成物が、コーティングされてないアスピリンと比較して、尿中11-dh-TXB2のレベルを低下させる、請求項5記載の薬学的組成物。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月25日付けの米国特許仮出願第61/220,483号および2009年10月5日付けの米国特許仮出願第61/248,755号の恩典を主張するものであり、両出願の全内容を参照により本明細書に組み入れる。

0002

発明の分野
本開示は、非ステロイド系抗炎症剤(「NSAID」)関連潰瘍発症するリスクがある患者における疾患または障害治療する方法であって、それを必要とする患者に、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩と酸抑制剤とを含有する単位剤形薬学的組成物をリスクのある患者に投与し、それによって患者の潰瘍発症リスクを低減することによる方法に関する。

背景技術

0003

発明の背景
アスピリンはNSAIDであり、アセチルサリチル酸の一般名である。アスピリンは熱を下げるために、また、筋肉痛歯痛風邪および頭痛などの症状から疼痛和らげるために使用される。それはまた、関節炎関節リウマチ強直性脊椎炎および変形性関節症などの症状において疼痛や炎症を軽減するために使用されることがある。アスピリンは抗凝固剤でもあり、低用量アスピリンは、心臓発作や脳卒中を含めて、心血管疾患につながる可能性のある血塊を減らすために用いられることが多い。その予防上の使用に加えて、それはまた心血管疾患の治療にも使用される。低用量アスピリンは心血管および脳血管事象の予防に推奨されており、米国では推定5000万人が心臓保護のためにアスピリンを服用している。

0004

アスピリンは血小板によるトロンボキサンA2(「TxA2」)合成の強力な阻害剤であって、血小板の凝集と付着を軽減させ、それゆえ動脈血栓症のリスクを低減する(Awtry, et al.,Circulation 101:1206-1218 (2000)(非特許文献1); Gengo, et al., J. Clin. Pharmacol. 48:335-343 (2008)(非特許文献2))。アスピリンのこの心臓保護効果は、血小板のTxA2生成が血清中95%を超えて低下するまで、抗血小板薬によって実現されない(Patrono, et al., New Eng. J. Med. 353:2373-2382 (2005)(非特許文献3); Platelets, 第2版, Michelson編, Elseiver (2007)中のGrosser, et al.「Thromboxane Generation」(非特許文献4))。例えば、血漿中のTxA2の95%抑制は、TxA2代謝産物である11-dh-TXB2の尿中排泄率の50〜75%だけの低下に相当するが、それはこの尿中代謝産物の血小板外の供給源のためである(Hart, et al., Pharmacotherapy 23(5):579-584 (2003)(非特許文献5))。

0005

アスピリンおよび他のNSAIDは依然として疼痛、炎症および心血管疾患のための重要な治療法でありつづける一方で、慢性的なNSAID療法では、上部消化管(「UGI」)の潰瘍形成および潰瘍合併症、例えば出血穿孔など、の相当なリスクが認められる。こうしたリスクは使用と共に経時的に増加する。従来型のNSAIDの使用に伴う胃十二指腸潰瘍(「GDU」)の累積発症率は、プラセボの場合の3〜7%に対して、3ヶ月で25〜30%、6ヶ月で45%と高いことが報告されている。どのような時点でも、NSAID使用者におけるUGI潰瘍の発症率は30%と高くなることが推定されている。UGI潰瘍を発症するNSAID使用者に関連づけられる特定のリスク要因は、年齢>50およびUGI潰瘍または出血の発症歴である。慢性的NSAID使用者における潰瘍発症率の増加に関連した作用機序は複雑でありうるが、胃酸が、UGI粘膜保護機構の低下と相まって、この病理に寄与していると考えられる。UGI粘膜の傷害としては、点状出血びらん、および潰瘍が挙げられる。さらに、ひとたび粘膜傷害が発生すると、酸には通常の止血および治癒を害する能力がある。これらの要因が、一部のNSAIDの既知抗血小板作用と重なって、胃腸(「GI」)傷害および出血のリスクを高める可能性がある。NSAIDのUGI作用にはさらに以下が含まれる:消化不良(NSAID療法を受けた患者の最大40%が経験)、びらん性食道炎(「EE」)(定期的NSAID患者の21%が経験)、および胃食道逆流症の症状の増加。

0006

こうしたリスクが理由で、医師は一般的に、たとえ低用量アスピリンが高用量アスピリンと同様の有益な治療効果を及ぼさないとしても、心血管疾患または脳卒中を予防するために低用量アスピリンを処方することを選ぶ。むしろ、医師は一般的に、治療効果がアスピリン療法に伴うリスクを上回る場合、例えば患者が既存の心血管疾患をかかえている場合にのみ、高用量アスピリンを処方する。したがって、アスピリンの製剤がアスピリン療法に伴うリスクを低減するならば、例えば心血管疾患または脳卒中の予防的治療のため、患者に高用量アスピリン療法を受けさせることが望ましいだろう。かくして、当技術分野では、特に慢性的な治療において、アスピリン療法に伴うリスクを低減するアスピリンの製剤が必要とされている。

先行技術

0007

Awtry, et al.,Circulation 101:1206-1218 (2000)
Gengo, et al., J. Clin. Pharmacol. 48:335-343 (2008)
Patrono, et al., New Eng. J. Med. 353:2373-2382 (2005)
Platelets, 第2版, Michelson編, Elseiver (2007)中のGrosser, et al.「Thromboxane Generation」
Hart, et al., Pharmacotherapy 23(5):579-584 (2003)

0008

本開示は、特に慢性的な治療において、アスピリン療法に伴うリスク、例えば望ましくない胃腸の副作用および他の安全上の懸念を軽減するアスピリン併用治療発見に基づいている。特定の態様において、前記治療は、a)胃内pHレベルを上げる酸抑制剤と、b)その酸抑制剤と協調して放出されるように特別に製剤化されたアスピリンとを組み合わせる単一の協調的な単位剤形の投与を含み、その単位剤形の投与によって、アスピリン療法に伴うリスク、例えばアスピリンが胃十二指腸粘膜に及ぼしうる有害作用が軽減されるようになる。短時間または長時間作用型の酸抑制剤が本明細書に開示する単位剤形中で効果的に使用され得る。特定の態様では、この治療は他の胃腸の潰瘍原(ulcerogen)から患者を保護できるという追加の利点を有する。さもなければ、この潰瘍原の作用はアスピリン療法に起因する胃保護プロスタグランジン破壊によって増強される可能性がある。

0009

一局面において、本開示は、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物を投与することによって、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を予防または治療することに関する。別の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療するための、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物の投与が、限定するものではないが、胃十二指腸潰瘍または十二指腸潰瘍の発生のリスクを低下させることを含めて、潰瘍を発症する患者のリスクを低減させる。さらに別の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療するための、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物の投与が、患者の胸焼けに関連した症状を軽減させる。さらに別の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療するための、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物の投与が、患者の消化不良に関連した症状を軽減させる。さらに別の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療するための、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物の投与が、患者の尿中11-デヒドロトロンボキサンのレベルを低下させる。別の態様において、本開示は、予防または治療が必要な患者における疾患または障害を予防または治療することに関し、ここにおいて、前記疾患または障害は疼痛、炎症、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、がん脳血管疾患、またはこれらの組み合わせである。

0010

本明細書に開示する態様のそれぞれにおいて、患者に投与される単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に、患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量の、治療有効量の酸抑制剤と、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩とを含有する;その場合、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩は、周囲の媒体または環境のpHが約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上であるときにのみ、単位剤形から放出される。いくつかの態様では、単位剤形の薬学的組成物は、a)その剤形が、pHに関係なく、水性媒体中に置かれたとき、即座に溶解する治療有効量の酸抑制剤を、例えば1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに有効な量で、含有する。他の態様では、単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに有効な量の酸抑制剤を含有する。特定の態様では、単位剤形の薬学的組成物は、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含有する;その場合、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩は、約3.5、3.0、2.5、2.0、1.5またはそれ以下のpHの水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングによって包囲されている。他の態様では、単位剤形の薬学的組成物は、b)アスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、その場合、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩は、周囲の媒体または環境のpHが約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上であるときにのみ、単位剤形から放出される。特定の態様では、水性媒体がさらに約37℃の温度である。

0011

さらに他の態様において、酸抑制剤の治療有効量は、1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量であり、ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体または環境のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出(coordinated release)を提供する。そのような薬学的組成物は米国特許第6,926,907号に記載されており、その全内容を参照により本明細書に組み入れる。さらに他の態様では、単位剤形の薬学的組成物が上記の酸抑制剤とアスピリンまたはその薬学的に許容される塩との任意の混合物を含有する。

0012

本開示の特定の態様において、患者におけるNSAID関連消化管潰瘍のリスクは、短期的もしくは慢性的NSAID治療、患者の年齢(例えば、患者が50歳以上である場合)、またはそれらの組み合わせに関連づけることができる。本明細書に開示する態様では、単位剤形の薬学的組成物が患者に7日間、10日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、またはそれ以上にわたって投与される。他の態様では、単位剤形の薬学的組成物が頻繁にまたは慢性的に患者に投与される。

0013

別の局面において、本明細書に開示する単位投与形態の薬学的組成物は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、またはその両方を発症する患者のリスクを低減させる。さらに別の局面において、本明細書に開示する薬学的組成物で治療される疾患または障害には、限定するものではないが、疼痛、炎症、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、がん(例えば、結腸がん)またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。他の態様では、本明細書に開示する単位投与形態の薬学的組成物は、心血管疾患または脳血管疾患を予防または治療するために投与することができる。

0014

多くの研究は、アスピリンをはじめとするNSAIDががんを予防し得るという証拠を提供している。実験的および疫学的(非無作為化)研究は、無作為化臨床試験と共に、NSAIDがある種のがんに対して予防効果をもち得ることを示している。こうした結果はいくつかの結腸直腸がんにおいて確認されており、他のがん部位についても示唆している。他の態様では、本明細書に開示する単位投与形態の薬学的組成物は、がんを予防または治療するために投与することができ、そうしたがんとして、限定するものではないが、以下が挙げられる:胆道がん、脳がん、乳がん子宮頸がん絨毛癌、結腸がん、子宮内膜がん食道がん線維肉腫胃がんヘパトーマ、上皮内新生物リンパ腫肝臓がん肺がん(例:小細胞および非小細胞)、メラノーマ神経芽腫口腔がん、卵巣がん膵臓がん前立腺がん直腸がん、肉腫皮膚がん精巣がん甲状腺がん腎がんグリア芽腫腺癌アデノーマ星状細胞腫膀胱腫瘍骨癌脳腫瘍バーキットリンパ腫カポジ肉腫非ホジキンリンパ腫ホジキンリンパ腫腫瘍乳腺癌子宮頸癌結腸癌腎臓癌肝臓癌肺癌卵巣癌膵臓癌前立腺癌直腸癌皮膚癌胃癌精巣癌、甲状腺癌軟骨肉腫、絨毛癌、線維腫、線維肉腫、グリア芽腫、グリオーマ、ヘパトーマ、組織球腫平滑筋芽腫平滑筋肉腫白血病、リンパ腫、脂肪肉腫細胞、乳癌髄芽腫、メラノーマ、転移癌、筋腫骨髄腫、卵巣癌、形質細胞腫、神経芽腫、神経膠腫骨原性肉腫膵臓腫瘍下垂体癌、腎腫瘍網膜芽腫横紋筋肉腫、肉腫、精巣腫瘍胸腺腫子宮癌ウィルムス腫瘍、ならびに他の癌および肉腫。特定の態様では、本明細書に開示する薬学的組成物は、結腸がんまたは結腸直腸がんを予防または治療するために患者に投与される。

0015

さらなる局面において、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物は、酸抑制剤を、その剤形が患者に投与される、例えば経口投与されるとき、患者の胃液のpHを少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5またはそれ以上に上げるのに有効な量で含むことができる。酸抑制剤は約5mg〜約1000mgの量で単位剤形中に存在し得る。特定の態様では、酸抑制剤がオメプラゾールエソメプラゾールランソプラゾールパントプラゾールラベプラゾールデクスランソプラゾール、およびテナトプラゾール、またはそれらの薬学的に許容される塩である。特定の態様では、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物は、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を、例えば約10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、または100mgの量で含有する。他の態様では、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物は、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩を、例えば約30mg〜約1300mgの量で、あるいは約75mg、81mg、100mg、150mg、162mg、300mg、325mg、500mg、または650mgの量で含有する。

0016

さらに他の局面において、薬学的組成物は患者への1日1回以上の投与のために製剤化される。一態様では、単位剤形が経口投与に適するものである。特定の態様では、単位剤形が錠剤連続送達タブレット製剤カプセル剤ビーズまたはミニタブレットを含むカプセル剤であり得る。一局面において、単位剤形はコアと2つ以上の層で構成される錠剤であり、その場合、i)コアはアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、ii)第1層がそのコアを取り囲み、該層は3.5以下のpH、例えば3.0、2.5、2.0、1.5、1.0またはそれ以下のpHおよび/または約37℃の温度の水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングであり、そしてiii)少なくとも1つの第2層は第1層を取り囲み、かつ酸抑制剤を含む。いくつかの態様では、第1層が例えば腸溶性コーティング(「EC」)または徐放性コーティングであり得る。他の態様では、単位剤形が薬理学的に不活性水溶性コーティングまたはフィルムでさらに包囲されてもよい。別の態様では、本明細書に開示する単位剤形の投与によって、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の短期的または慢性的な1日投与量を必要とする患者のコンプライアンスが向上する。

0017

一局面において、単位剤形の薬学的組成物を患者に投与することは、アスピリン、例えば腸溶性もしくは非腸溶性のアスピリン、またはその薬学的に許容される塩を単独で用いる治療よりも、潰瘍の発症リスクを減少させるのに効果的である。別の局面においては、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物を患者に投与することは、アスピリン、例えば腸溶性もしくは非腸溶性のアスピリン、またはその薬学的に許容される塩を単独で用いて、それを必要とする患者を治療することよりも、患者の胸焼けに関連した症状を軽減させる。さらに別の局面において、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物を患者に投与することは、アスピリン、例えば腸溶性もしくは非腸溶性のアスピリン、またはその薬学的に許容される塩を単独で用いて、それを必要とする患者を治療することよりも、患者の消化不良を軽減させる。さらに別の局面では、本明細書に開示する単位剤形の薬学的組成物を患者に投与することは、アスピリン、例えば腸溶性もしくは非腸溶性のアスピリン、またはその薬学的に許容される塩を単独で用いて、それを必要とする患者を治療することよりも、患者の尿中11-デヒドロトロンボキサンのレベルを低下させる。

0018

本開示の別の態様は、哺乳動物への経口投与に適する単位剤形の固体薬学的組成物であり、その薬学的組成物は、a)その剤形が、pHに関係なく、水性媒体中に置かれたとき、即座に溶解するオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩、およびb)3.5以下のpHおよび/または約37℃の温度の水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングによって包囲されたアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含有する。一態様では、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩は、その剤形を哺乳動物に経口投与するとき、哺乳動物の胃液のpHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに有効な量で組成物中に存在する。別の態様では、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が約75mg、81mg、100mg、150mg、162mg、300mg、325mg、500mg、または650mgである。さらに別の態様では、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩の量が約10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、または100mgである。単位剤形の固体薬学的組成物は、患者に1日1回以上投与するように製剤化することができる。特定の態様では、単位剤形の固体薬学的組成物が経口投与に適している。他の態様では、単位剤形の固体薬学的組成物が錠剤、連続送達タブレット製剤、カプセル剤、ビーズまたはミニタブレットを含むカプセル剤であり得る。別の局面において、単位剤形の固体薬学的組成物は、コアと2つ以上の層で構成される錠剤であり、その場合、i)コアはアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、ii)第1層がそのコアを取り囲み、該層は3.5以下のpH、例えば3.0、2.5、2.0、1.5、1.0またはそれ以下のpHおよび/または約37℃の温度の水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングであり、そしてiii)少なくとも1つの第2層が第1層を取り囲み、かつオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの態様では、第1層が例えば腸溶性コーティング(「EC」)または徐放性コーティングであり得る。他の態様では、単位剤形の固体薬学的組成物が薬理学的に不活性の水溶性コーティングまたはフィルムでさらに包囲されてもよい。
[本発明1001]
アスピリンに応答する疾患または障害のためにNSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者を治療する方法であって、
a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも3.5に上げるのに有効な量の、該剤形がpHに関係なく水性媒体中に置かれたとき即座に溶解するオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩、および
b)3.5以下のpHおよび37℃の温度の水性媒体に実質的に溶解しないコーティングによって包囲されている、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩
を含有する単位剤形の薬学的組成物を、該患者に投与する段階を含み、
該投与が少なくとも14日間継続される、方法。
[本発明1002]
前記患者が1つまたは複数の前記単位剤形を少なくとも28日間毎日投与される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記患者がその患者の年齢のために潰瘍形成のリスクが高い、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩が、前記剤形を経口投与するとき患者の胃液のpHを少なくとも4.5に上げるのに有効な量で存在する、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に81〜650mgで存在する、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に325〜650mgで存在する、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1007]
オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に15〜40mgで存在する、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1008]
アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に81〜650mgで存在する、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記患者が疼痛または炎症のために治療される、本発明1001〜1004または1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記疼痛または炎症が変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、がん、脳血管疾患、またはこれらの組み合わせと関連している、本発明1009の方法。
[本発明1011]
単位剤形の薬学的組成物が前記患者における胸焼けまたは消化不良の関連症状を軽減する、本発明1001の方法。
[本発明1012]
単位剤形がコアと2つ以上の層で構成される錠剤であり、ここで、
a)コアがアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、
b)第1層が該コアを取り囲み、かつ3.5以下のpHの水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングを有し、かつ
c)少なくとも1つの第2層がオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含み、第1層のコーティングを取り囲む、
本発明1001または1002の方法。
[本発明1013]
オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に15〜40mgで存在し、かつアスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が前記単位剤形中に81〜650mgで存在する、本発明1012の方法。
[本発明1014]
前記患者が疼痛または炎症のために治療される、本発明1012または1013の方法。
[本発明1015]
単位剤形が、オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩とアスピリンまたはその薬学的に許容される塩の協調放出を提供する、本発明1012〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
a)前記投与が少なくとも28日間継続し、
b)オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩の量が15〜40mgであり、かつ
c)アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の量が81〜650mgである、
本発明1001の方法。
[本発明1017]
前記患者が疼痛または炎症のために治療される、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記疼痛または炎症が変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、癌、脳血管疾患、またはこれらの組み合わせと関連している、本発明1017の方法。
[本発明1019]
単位剤形がコアと2つ以上の層で構成される錠剤であり、ここで、
a)コアがアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、
b)第1層が該コアを取り囲み、かつ3.5以下のpHの水性媒体中に実質的に溶解しないコーティングを有し、かつ
c)少なくとも1つの第2層がオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含み、第1層のコーティングを取り囲む、
本発明1016〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
単位剤形の薬学的組成物が前記患者における胸焼けまたは消化不良の関連症状を軽減する、本発明1016〜1019のいずれかの方法。

図面の簡単な説明

0019

以下の図面は本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに実証するために含められる。本発明は、本明細書に提示した具体的な態様の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面の1つまたは複数を参照することにより、より良く理解することができる。
PA32520およびPA32540に関する3つの第I相試験からプールされた胃十二指腸データを示す。図1に関する詳しい情報は実施例1で以下に見いだすことができる。
PA32520に関する第I相試験での28日目の尿中11-dh-TXB2の変化を示す。図2に関する詳しい情報は実施例2で以下に見いだすことができる。
PA32540の放出プロファイルを示し、実施例3で以下により詳しく説明される。

0020

発明の詳細な説明
用語「酸抑制剤」には、限定するものではないが、プロトンポンプ阻害剤およびヒスタミンH2受容体アンタゴニストが含まれる。プロトンポンプ阻害剤の例として、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、デクスランソプラゾール、およびテナトプラゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒスタミンH2受容体アンタゴニストの例としては、シメチジンラニチジン、エブロジン(ebrotidine)、パブチジン(pabutidine)、ラフチジンロキサチジン(loxtidine)、ニザチジン、およびファモチジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0021

用語「リスクのある患者」とは、年齢>50歳であるために、またはUGI潰瘍もしくは出血の発症歴をもつ患者であるために、NSAID関連潰瘍のリスクがある患者をさす。一態様において、リスクのある患者は、50歳以上の年齢のためにNSAID関連潰瘍のリスクがある患者である。さらに別の態様において、リスクのある患者は、UGI潰瘍もしくは出血の発症歴のためにNSAID関連潰瘍のリスクがある患者である。

0022

用語「鏡像異性的に純粋」とは、そこに含まれる2つの可能な鏡像異性体の合計量のうち、少なくとも指定された鏡像異性体を約75%含む化合物をさす。さまざまな態様において、「鏡像異性的に純粋」とは、そこに含まれる2つの可能な鏡像異性体の合計量のうち、指定された鏡像異性体を少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.9%含む化合物をさす。

0023

明細書中で用いる「薬学的に許容される」という用語は、「薬学的に許容される」として特定されている対象が患者/被験体への投与に適しており、かつ生理学的に許容されることを示す。例えば、用語「薬学的に許容される塩」は適切な、生理学的に許容される塩を意味する。

0024

「アスピリンまたはその薬学的に許容される塩」という語句は、アスピリンの遊離塩基、アスピリンの薬学的に許容される塩、および/またはアスピリンの遊離塩基とアスピリンの少なくとも1種の薬学的に許容される塩との混合物をさす。

0025

「オメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩」という語句は、オメプラゾールの遊離塩基、オメプラゾールの薬学的に許容される塩、および/またはオメプラゾールの遊離塩基とオメプラゾールの少なくとも1種の薬学的に許容される塩との混合物をさす。

0026

本明細書中で用いる「単位剤形」または「単位用量形態」という用語は、薬剤投与用の単一の実在物をさす。例えば、酸抑制剤とアスピリンもしくはその薬学的に許容される塩の両方を含む単一の錠剤またはカプセル剤は単位剤形である。本開示の単位剤形は、胃内pHを上昇させかつ胃十二指腸粘膜へのアスピリンの有害作用を軽減する方法で、連続した薬剤放出を提供することができ、例えば、酸抑制剤が最初に放出され、アスピリンの放出は、GI管のpHが少なくとも3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上昇するまで、遅延される。「単位剤形」はまた、「固定用量形態」(fixed dosage form)または「固定用量合剤」(fixed dosage combination)と呼ぶことができ、さもなければ、これらは相互に交換可能である。

0027

アスピリンまたはその薬学的に許容される塩および/または酸抑制剤の投与量に関して、「約」という用語は、当技術分野内で許容可能な、明確に定められた投与量からの変動を反映することを意図している。本明細書で挙げたpH値および/または範囲に関して、用語「約」は、規定した数と実質的に同じ結果を達成し得る、規定した数の上下変動を含むことを意図している。

0028

語句「実質的に含まない」と共に用いる数値に関して、この数値は、規定した数と実質的に同じ結果を達成し得る、規定した数の上下変動を含むことを意図している。語句「実質的に含まない」とは、約95%〜約99.99%含まないことを意味する。例えば、実質的に含まないは、約95%含まない、約96%含まない、約97%含まない、約98%含まない、約99%含まない、または約99.99%含まないことを意味し得る。本開示において、さまざまに規定した範囲の各々は、各範囲の規定した最小値最大値の間の各数値パラメータを含むように連続的であることを意図している。例えば、約1〜約4の範囲には、約1、1、約2、2、約3、3、約4、および4が含まれる。

0029

一態様は、治療を必要とする患者に単位剤形の薬学的組成物を投与することによって、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療することを含む方法に関し、その単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量の酸抑制剤と、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩とを含有し;ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出を提供し;そして、単位剤形の薬学的組成物が潰瘍を発症する患者のリスクを低減させるものである。

0030

別の態様は、治療を必要とする患者に単位剤形の薬学的組成物を投与することによって、慢性的NSAID治療を必要としかつNSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疾患または障害を治療することを含む方法に関し、その単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量の酸抑制剤と、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩とを含有し;ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出を提供し;そして、単位剤形の薬学的組成物が潰瘍を発症する患者のリスクを低減させるものである。

0031

さらに別の態様は、治療を必要とする患者に単位剤形の薬学的組成物を投与することによって、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疼痛、炎症、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、がん、またはこれらの任意の組み合わせの兆候および症状を治療することを含む方法に関し、その単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量の酸抑制剤と、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩とを含有し;ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出を提供し;そして、単位剤形の薬学的組成物が潰瘍を発症する患者のリスクを低減させるものである。

0032

さらに別の態様は、治療を必要とする患者に単位剤形の薬学的組成物を投与することによって、慢性的NSAID治療を必要としかつNSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者における疼痛、炎症、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、がん、またはこれらの任意の組み合わせの兆候および症状を治療することを含む方法に関し、その単位剤形の薬学的組成物は、a)1つまたは複数の単位剤形の投与後に患者の胃内pHを少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上に上げるのに十分な量の酸抑制剤と、b)治療有効量のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩とを含有し;ここで、単位剤形は、i)酸抑制剤の少なくとも一部が周囲の媒体のpHとは無関係に放出され、かつii)周囲の媒体のpHが少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩が単位剤形から放出されないような、酸抑制剤とアスピリンの協調放出を提供し;そして、単位剤形の薬学的組成物が潰瘍を発症する患者のリスクを低減させるものである。

0033

さらなる態様において、本明細書に開示する薬学的組成物により治療される疾患または障害は、疼痛および炎症から選択される。さらに別の態様では、本明細書に開示する薬学的組成物により治療される疾患または障害は、変形性関節症、関節リウマチ、または強直性脊椎炎である。さらに別の態様では、本明細書に開示する薬学的組成物により治療される疾患または障害は、頭痛、歯痛、風邪、筋肉痛、心血管疾患、またはこれらの任意の組み合わせである。別の態様では、本明細書に開示する薬学的組成物により治療される疾患または障害は、がんである。さらに他の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者は>50歳である。さらに別の態様では、NSAID関連潰瘍を発症するリスクがある患者はUGI潰瘍または出血の発症歴がある。

0034

さらなる態様において、単位剤形の薬学的組成物は胃十二指腸潰瘍を発症する患者のリスクを低減させる。さらに他の態様では、単位剤形の薬学的組成物が十二指腸潰瘍を発症する患者のリスクを低減させる。さらなる態様では、単位剤形の薬学的組成物が胃潰瘍を発症する患者のリスクを低減させる。

0035

別の態様において、NSAID治療が必要な患者に本開示の単位剤形の薬学的組成物を投与することは、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンを投与されているNSAID治療が必要な患者よりも、胃潰瘍を発症する患者を少なくする。さらに別の態様では、NSAID治療が必要な患者に本開示の単位剤形の薬学的組成物を投与することは、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンを投与されているNSAID治療が必要な患者よりも、十二指腸潰瘍を発症する患者を少なくする。さらに別の態様では、NSAID治療が必要な患者に本開示の単位剤形の薬学的組成物を投与することは、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンを投与されているNSAID治療が必要な患者よりも、胸焼けに関連した症状を呈する患者を少なくする。別の態様では、NSAID治療が必要な患者に本開示の単位剤形の薬学的組成物を投与することは、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンを投与されているNSAID治療が必要な患者よりも、消化不良を起こす患者を少なくする。さらに別の態様では、NSAID治療が必要な患者に本開示の単位剤形の薬学的組成物を投与することは、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンを投与されているNSAID治療が必要な患者と比較して、患者の尿中11-デヒドロトロンボキサンのレベルを低下させる。さらに他の実施形態では、患者は、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンで治療されるよりも、本開示の単位剤形の薬学的組成物で長く治療される。さらに別の態様では、長期治療患者コンプライアンスが、腸溶性または非腸溶性のアスピリンであろうと、アスピリンと比較して、本明細書に開示する薬学的組成物により改善される。

0036

さらに他の態様において、単位剤形の薬学的組成物は、少なくとも1つのコアと、少なくとも第1層および第2層とを含む多層錠剤であり、ここで、
i)コアはアスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含み、
ii)第1層は、周囲の媒体のpHが約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上であるとき、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも放出し始めるコーティングであり、かつ
iii)第2層は酸抑制剤を含み、その酸抑制剤の少なくとも一部が約0またはそれより高いpH、例えば0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0のpHで、放出される。

0037

さらなる態様において、酸抑制剤は約1.0またはそれより高いpHで多層錠剤から放出される。さらに他の態様では、酸抑制剤が約0〜約2.0のpHで多層錠剤から放出される。さらに他の態様では、多層錠剤に含まれる酸抑制剤の少なくとも一部分が腸溶性コーティングで被覆されていない。さらに他の態様では、多層錠剤の第1層が腸溶性コーティングまたは徐放性コーティングである。さらに他の態様では、多層錠剤が重炭酸ナトリウムを実質的に含まない。さらに他の態様では、酸抑制剤が鏡像異性的に純粋である。

0038

別の態様において、本明細書に開示する薬学的組成物中のアスピリンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量は30mgおよび1300mgから選択される。さらに他の態様では、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が81mgである。さらに他の態様では、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が325mgである。さらに他の態様では、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が650mgである。別の態様では、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が75mg、100mg、150mg、162mg、300mg、または500mgである。別の態様では、アスピリンが遊離塩基として存在し得る。さらに別の態様では、アスピリンがアスピリンの薬学的に許容される塩の相当する量で存在し得る。

0039

一態様において、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約1〜1000mgの酸抑制剤を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約5〜650mgのプロトンポンプ阻害剤を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約5〜50mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩、あるいは約15、20、30、または40mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約5〜100mgのエソメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩、あるいは約20、30、または40mgのエソメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約10〜150mgのランソプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約10〜200mgのパントプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約15〜100mgのデクスランソプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約10〜150mgのテナトプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約30〜1300mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約5〜100mgのラベプラゾールまたはその薬学的に許容される塩、あるいは約20mgのラベプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。

0040

一態様において、単位剤形の薬学的組成物は約81mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約20mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約325mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約20mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約81mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約40mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約325mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約40mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。一態様では、単位剤形の薬学的組成物は約650mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約15mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約650mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約20mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。さらに別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は約650mgのアスピリンまたはその薬学的に許容される塩、および約40mgのオメプラゾールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。

0041

特定の態様において、治療の期間は約1週間、10日間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月またはそれ以上とすることができ、慢性的な治療であり得る。

0042

さらに他の態様において、単位剤形の薬学的組成物は、アスピリンまたはその薬学的に許容される塩を含むコアと、周囲の媒体のpHが約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上であるときアスピリンを少なくとも放出し始めるコーティングを含む第1層と、酸抑制剤を含み、その酸抑制剤の少なくとも一部分が腸溶性コーティングで包囲されていない第2層とを含む多層錠剤である。一態様では、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.5%の酸抑制剤が腸溶性コーティングで包囲されていない。さらに別の態様では、多層錠剤が重炭酸ナトリウムを実質的に含まない。さらに別の態様では、多層錠剤が重炭酸ナトリウムを完全に(すなわち、100%)含まない。

0043

一態様において、本明細書に開示する薬学的組成物の投与計画は、1日1回以上である。別の態様では、投与量は少なくとも約10時間の期間で分けられる。別の態様では、単位剤形の薬学的組成物は、患者が食事を取る前に、例えば食事を取る約30〜60分前に与えられる。別の態様では、本開示の薬学的組成物は、短期間またはより長い期間にわたって、例えば慢性的に、患者に治療のために投与することができる。

0044

本明細書に開示する薬学的組成物には、限定するものではないが、例えば、当技術分野で標準的な方法に従って製造できる錠剤およびカプセル剤が含まれる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16編, A Oslo編集, Easton, Pa. (1980)を参照されたい)。適当な担体としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:水、塩溶液アルコール類アラビアガム植物油ベンジルアルコール類ポリエチレングリコール類ゼラチン炭水化物、例えばラクトースアミロースまたはデンプンステアリン酸マグネシウムタルクケイ酸パラフィン香油脂肪酸エステルヒドロキシメチルセルロースポリビニルピロリドンカルナウバワックスコロイド状二酸化ケイ素クロスカルメロースナトリウムモノステアリン酸グリセリンヒプロメロースメタクリル酸コポリマー分散体メチルパラベンポリソルベート80ポリデキストロースポビドンプロピレングリコールプロピルパラベン二酸化チタン、およびクエン酸トリエチル

0045

一態様において、本明細書に開示する薬学的組成物を構成する層の少なくとも1つは、標準的なコーティング技術を用いて施され得る。層材料有機または水性溶媒中に溶解するものでも、分散するものでもよい。層材料は、限定するものではないが、例えば次の材料の1つまたは複数を含むことができる:メタクリル酸コポリマー、シェラックフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルアセテートフタレートトリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースカルボキシメチルエチルセルロース酢酸フタル酸セルロース、および/または他の適当なポリマー。第1層が溶解するpHは、選択されるポリマーもしくはポリマーの組合せおよび/またはペンダント基によって調整可能である。例えば、ポリマー薄膜溶解特性遊離カルボキシル基エステル基の比により変化しうる。これらの層はまた、薬学的に許容される可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、フタル酸ジブチルトリアセチンポリエチレングリコールポリソルベートまたは他の可塑剤などを含んでもよい。本明細書に開示する薬学的組成物中では、例えば分散剤着色剤接着防止剤、および消泡剤などの添加剤も使用できる。

0046

一態様において、本明細書に開示する薬学的組成物は2層または多層錠剤の形態であり得る。2層錠剤では、その錠剤の1つの部分/層が、必要な用量の酸抑制剤またはその薬学的に許容される塩を、任意の適切な賦形剤溶解助剤滑沢剤充填剤などと共に含み;その錠剤の第2の部分/層が、必要な用量のアスピリンまたはその薬学的に許容される担体を、任意の賦形剤、溶解剤、滑沢剤、充填剤などと共に含む。別の態様では、アスピリンまたは薬学的に許容される担体の部分/層が、少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上のpHで溶解するポリマーコーティングによって包囲される。さらに別の態様では、アスピリンまたは薬学的に許容される担体の部分/層は、周囲の環境のpHが少なくとも約3.5、4.0、4.5、5.0、5.5またはそれ以上になるまで放出を遅らせるコーティングによって包囲される。

0047

アスピリンまたはその薬学的に許容される塩は、スラッグ形成法、低または高剪断造粒法、湿式造粒法、または流動層造粒法などの方法によって顆粒化することができる。これらの方法のうち、スラッグ形成法は一般的に硬度が低く砕けやすい錠剤をもたらす。低剪断造粒法、高剪断造粒法、湿式造粒法および流動層造粒法は一般的に、より硬くて砕けにくい錠剤をもたらす。

0048

本発明はさらに、以下の実施例でさらに明確に説明される。実施例は例示のみの目的で提供されることを理解すべきである。上記の説明および実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および修飾を行って本発明を多様な用途および条件に適合させることができる。その結果、本発明は本明細書に記載する例示的実施例によって限定されるものではなく、本明細書に添付の特許請求の範囲によって規定される。

0049

実施例1
胃十二指腸粘膜傷害のリスクの低減を示す、PA32520 (EC-ASA 325mg+IRオメプラゾール20mgの単一錠剤)およびPA32540 (EC-ASA 325mg+IRオメプラゾール40mgの単一錠剤)に関する3つの第I相4週間内視鏡検査
通常のベースライン内視鏡所見(Lanzaスコア0)を有する合計240人の健康なボランティアが、遅延放出(「DR」)アスピリン(「ASA」)325mgと即時放出(「IR」)オメプラゾール(20または40mg)の固定合剤の胃十二指腸効果を内視鏡検査で評価する3つの第I相単盲検無作為化比較試験に参加した。2つの試験では、EC-ASA 81mgまたは325mgに対してPA32520 (DR ASA 325mg+IRオメプラゾール20mg)を評価した。3番目の試験では、PA32540 (DR ASA 325mg+IRオメプラゾール40mg)をEC-ASA 325mgと比較した。すべての薬剤は1日1回4週間投与した。内視鏡検査の結果は1988年のLanzaスコアリングを用いて評価した。Lanzaスコアリングは、NSAID誘発性のGI管潰瘍の重症度を次のスケールで評価するシステムである:0=目に見え病変なし、1=1個の出血またはびらん、2=2〜10個の出血またはびらん、3=11〜25個の出血またはびらん、4=25個より多い出血またはびらん、あるいは潰瘍。一次エンドポイントは、4週目グレード3またはグレード4のLanzaスコアを有する被験者の割合であった;追加の評価項目には、4週間での胃または十二指腸潰瘍(「GU/DU」)の発生率および薬物動態が含まれていた。データは3つの試験を通してプールされた。

0050

図1に示すように、PA製品についてのグレード3または4のLanzaスコアおよびGU/DUの発生率はEC-ASAより低かった。グレード3または4のLanzaスコアに関して、結果は次のとおりであった:PA32520対EC-ASA 81mg (9.9%対20.5%、p=0.151);PA32520対EC-ASA 325mg (9.9%対42.5%、p<0.001);PA32540対EC-ASA 81mg (2.5%対20.5%、p=0.014);PA32540対EC-ASA 325mg (2.5%対42.5%、p<0.001)。GU/DUの発生率に関して、結果は次のとおりであった:PA32520対EC-ASA 81mg (2.5%対5.1%、p=0.595);PA32520対EC-ASA 325mg (2.5%対13.8%、p=0.009);PA32540対EC-ASA 81mg (2.5%対5.1%、p=0.615);PA32540対EC-ASA 325mg (2.5%対13.8%、p=0.059)。表1に示すように、14日目および28日目の平均胃内pH値は、EC-ASAのときよりPA32520のときに高くなっており、また、より高いパーセントのPA32520被験者がpH>3を有していた。血漿サリチル酸の薬物動態は、PA32520またはPA32540およびEC-ASA 325mgを単回投与および反復投与の両方で投与した後に類似していた。PA32520は良好な耐容性を示し、EC-ASA 325mgと同様のGI有害事象頻度をもたらした。1日1回のPA32520またはEC-ASA 81mgを用いる27日間の治療により誘起された胃十二指腸粘膜損傷統計的有意差は認められなかったが、PA32520では損傷がより少ない傾向にあった。PA32520は、14日目の十二指腸のグレード3または4のLanzaスコアおよび14日目の十二指腸びらん数に基づいて、EC-ASA 81mgより少ないGI粘膜損傷を誘発した。PA32520は、14日目と28日目に平均胃内pHを上昇させかつ14日目に胃内pH>3を有する被験者の割合を高める上で、EC-ASAアスピリン81mgよりも統計的に有意に良好であった。

0051

(表1)

1Wilcoxon順位和検定
SD=標準偏差

0052

EC-ASAについての胃十二指腸のグレード3または4のLanzaスコアおよびGU/DUの発生率は用量依存的であった。DR ASAとIRオメプラゾールの固定用量合剤は、プロトンポンプ阻害剤に対し用量依存的であった胃十二指腸のグレード3または4のLanzaスコアおよびGU/DUの有意な減少と関連していた。PA32540は最少の胃十二指腸損傷を示して、長期ASA療法を必要とするリスクのある患者に対して重要な選択肢を提供することができる。

0053

実施例2
PA32520 (EC-ASA 325mg+IRオメプラゾール20mgの単一錠剤)に関する2つの第I相4週間内視鏡検査は、より大きなトロンボキサン抑制とより少ない上部消化管損傷を示す
無作為化単盲検比較第I相試験において、確立された方法論(Lanzaスコア)および尿中11-デヒドロトロンボキサン(「11-dh-TXB2」)を用いる胃十二指腸粘膜の変化が、1日用量のPA32520または81mg EC-ASAにより処置された、胃十二指腸粘膜損傷の内視鏡所見がない(Lanzaスコア0)、80人の健康なボランティア(平均年齢57〜58歳)で検討された。別の第I相試験(n=80)では、胃十二指腸粘膜の変化に及ぼすPA32520対325mg EC-ASA単独の効果が、80人の健康なボランティアで検討された。一次エンドポイントは、28日目のLanzaグレード3または4(>20個のびらん/出血または潰瘍)であった;二次エンドポイントは、14日目のグレード3または4、28日目の胃または十二指腸潰瘍、および4週間後の尿中11-dh-TXB2のベースラインからの変化を含んでいた。試験の評価は、ベースライン、14日目、および28日目に実施した。

0054

表2に示すように、PA32520はEC-ASA単独よりも50%〜84%少ない胃十二指腸粘膜の損傷と関連していた。図2に示すように、PA32520はEC-ASA 81mgと比較して11-dh-TXB2のより大きな減少と関連していた(それぞれ、ベースラインからの-75%対-68%の平均パーセント変化;p=0.008)。EC-ASA 81mg処置群と比較して、PA32520処置群では3倍以上もの多くの被験者に、80%を超えるベースラインから27日目までの尿中11-dh-TXB2排泄率の減少が見られた。

0055

(表2)

*一次解析

0056

EC-ASA単独での治療は、UGI損傷の高い有病率と関連づけられ、これはPA32520療法により改善される。EC-ASA 81mgと比較して、PA32520はトロンボキサンのインビボ生成のすぐれた阻害をもたらす。PA32520は、断続的に、短期治療のために、または慢性的にASAを服用している大規模患者集団だけでなく、ASAで治療される患者に対しても重要な選択肢を提供することができる。プロトンポンプ阻害剤と組み合わせた高用量ASAは、UGI損傷の減少およびより大きなトロンボキサン抑制をもたらすことができる。

0057

実施例3
PA32520 (EC-ASA 325mg+IRオメプラゾール20mgの単一錠剤)およびPA32540 (EC-ASA 325mg+IRオメプラゾール40mgの単一錠剤)に関する4つの第I相4週間内視鏡検査は、EC-ASAとの生物学的同等性、より大きなトロンボキサン抑制、およびより少ない上部消化管損傷を示す
PA32520およびPA32540を用いる4つの第I相試験では、EC-ASAとの生物学的同等性、UGI安全性、およびトロンボキサンの阻害を評価した。EC-ASA 325mg/日に対するPA32540からのアスピリンの生物学的同等性は、36人の健康なボランティア(平均年齢32歳)で単回投与オープンラベルクロスオーバー試験にて検討した。3つの単盲検反復投与無作為化試験では、通常のベースライン内視鏡所見(Lanzaスコア0)を有する健康な成人(>50歳)を、PA32520、PA32540、EC-ASA 81mg/日、またはEC-ASA 325mg/日のいずれかで処置した。PA32520対EC-ASA 81mg/日については、11-dh-TXB2も測定した。エンドポイントは、14日目にグレード3または4のLanzaスコアを有する被験者の割合、28日目にグレード3または4のLanzaスコアを有する被験者の割合、および4週間の治療後の尿中11-d-TXB2の濃度であった。

0058

PA32540はEC-ASA 325mg/日と生物学的に同等であることがわかった;AUC0-無限時間についての幾何学的LSM比(90%CI)は1.095 (0.967, 1.239)であり、Cmaxについては1.077 (0.959, 1.209)であった。図3は、13日目のPA32540の放出プロファイルを示す;PA32540中のIRオメプラゾールはサリチル酸の薬物動態プロファイルに影響を与えなかった。オメプラゾールはPA32540からすみやかに吸収されて、約1時間の平均排出半減期体循環から排出された。PA32540からのサリチル酸の血漿曝露は、PA32540の単回投与と反復投与のどちらの投与後にも、市販のEC-ASA 325mgに類似していた。この観察は、PA32540に関連する損傷の減少が、より低用量のアスピリンの全身曝露によるものではないことを説明する。さらに、それは、PA32540中の即時放出オメプラゾールがサリチル酸の薬物動態に影響を与えないことを示している。PA32540の慢性投与は十分に耐容性であった。4週間の処置後、EC-ASA 325mg/日と比較して、PAはUGI傷害(Lanzaスコア3または4、>20個のびらん、出血、または潰瘍)の84%〜90%減少と関連していた(p<0.003)。28日目のLanzaスコア3または4レベルの傷害は、PA32520患者の9.8%に発生し、EC-ASA 81mg/日患者の20.5%に発生した(p=0.22)。ベースラインでの尿中11-dh-TXB2は、PA32520の場合が853.2pg/mgクレアチニン(「Cr」)であり、EC-ASA 81mg/日の場合が884.6pg/mg Crであった(p=0.97)。表3に示すように、4週間の処置後、11-dh-TXB2は、EC-ASA 81mg/日(245.2pg/mg Cr)よりもPA32520 (175.5pg/mg Cr)の場合に有意に低かった;p=0.005。

0059

(表3)4週間の処置後の尿中11-d-TXB2

*P=0.005

0060

PA32540はEC-ASA 325mg/日と生物学的に同等であるが、UGI安全性を有意に改善する。さらに、PA32520は尿中11-dh-TXB2をEC-ASA 81mg/日より顕著に抑制する。PAは胃十二指腸傷害の有意な減少と関連しており、PA32540は最少の胃十二指腸損傷および最少の全体的GI有害事象を実証した。したがって、ASA単独による脳卒中および一過性脳虚血発作二次予防はUGI損傷と関連づけられ、それゆえ、より低用量のASAまたは代替抗血栓薬を必要とすることがあるが、PAは、例えば心血管疾患、脳卒中および一過性脳虚血発作の二次予防のために、より高用量のASAを許容する可能性がある。

0061

実施例4
胃十二指腸潰瘍の発生率の有意な減少を示す鎮痛用量のPA65020 (2錠のEC-ASA 325mg+IRオメプラゾール20mg)に関する第I相4週間内視鏡検査
施設第I相無作為化二重盲検試験において、PA65020 (n=20)またはEC-ASA 650mg (n=20)を、通常のベースライン内視鏡所見(Lanzaスコア0)を有する健康なボランティア(>50歳)に、病院で1日2回28日間投与した。PA65020の各用量は、1錠のPA32520と1錠のEC-ASA 325mgとして投与した。EC-ASA 650mgは2個のEC-ASA 325mg錠剤として投与した。ASAの1日あたりの総用量は1300mgであった。結果の評価は、28日目にグレード3またはグレード4のLanzaスコアを満たす、内視鏡で証明された胃および/または十二指腸病変の存在(一次エンドポイント)、胃十二指腸潰瘍の発生率、ならびにmSODA (消化不良評価スコアの変更された重症度、範囲2〜47)、胸焼けおよび有害事象による消化不良関連腹痛の評価を含んでいた。

0062

合計40人の被験者(平均年齢59.7歳)を処置した。表4に示すように、28日目に、グレード3または4のLanzaスコアの発生率は、EC-ASA 650mg群(17例、すなわち85%)よりもPA65020群(3例、すなわち15%)で有意に低かった;P<0.001。28日目のGU/DUの発生率もまた、PA65020対EC-ASA 650mg (0%対40%、P=0.003)で有意に低かった。28日目に、mSODAのベースラインからの平均変化は、PA65020の場合が0で、EC-ASA 650mgの場合が0.7であった。EC-ASA 650mg群の被験者(75%)と比較して、より多くのPA65020被験者(90%)が試験期間を通じて胸焼けを感じなかった。平均サリチル酸トラフ濃度は、PA65020処置群とEC-ASA 650処置群の間で14日目(17.8mcg/mL対19.0mcg/mL)と28日目(13.5mcg/mL対13.3mcg/mL)の両日に類似しており、それゆえ、サリチル酸濃度の差異は、EC-ASA 650mg処置と比較してPA65020処置で潰瘍が存在しないことのLanzaスコアの低下の説明とはなり得ない。最も多く報告された有害事象はGIに関連しており、主に消化不良(各処置群で2例)および胃の不快感(PA65020群での0例に対してEC-ASA 650mg群での3例)であった。

0063

(表4)

0064

鎮痛用量の店頭販売ASAは、1ヶ月の処置後に、ほとんどの被験者に顕著な粘膜損傷を生じさせた。PA65020はGU/DUのリスクの有意な減少と関連しており、ASAの鎮痛用量を必要とするリスクのある患者に対して重要な選択肢を提供することができる。

実施例

0065

本明細書に開示され、特許請求された組成物および方法のすべては、過度の実験を行うことなく、本開示に照らして実施することができる。本発明の組成物および方法は好ましい態様に関して説明されているが、当業者には、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物および/または方法ならびに本方法の工程または工程の順序に変更を適用し得ることが明らかだろう。より具体的には、同じまたは類似の結果が達成される限り、本明細書に記載された作用物質の代わりに、化学的または生理学的に関連している特定の作用物質を使用できることが明らかだろう。当業者に明らかな、すべてのそのような類似の代替物および変更は、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神、範囲および概念に含まれるものと見なされる。

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