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技術 電解液および電気化学デバイス

出願人 ソニー株式会社
発明者 中山有理川崎秀樹守岡宏之
出願日 2015年12月21日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-248815
公開日 2016年6月2日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-103483
状態 特許登録済
技術分野 混成電池 二次電池(その他の蓄電池) 燃料電池(本体) 電気二重層コンデンサ等
主要キーワード メタノール除去後 パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオン 補助用電源 Mg金属 ラマン散乱測定 マグネシウムイオン電池 携帯音楽プレイヤー 開回路状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

非エーテル系溶媒を用いた、電気化学的に可逆なマグネシウム析出溶解反応を示す電解液、その製造方法およびこの電解液を用いた電気化学デバイスを提供する。

解決手段

電解液は、スルホンからなる溶媒またはスルホンと非極性溶媒とからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解したものであり、マグネシウムイオン含有非水電解液である。スルホンとしてはエチル−n−プロピルスルホンなどのアルキルスルホンを用いる。マグネシウム塩としては塩化マグネシウムなどを用いる。この電解液は、マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する。この電解液を、マグネシウムイオン電池などの電気化学デバイスの電解質層に用いる。

概要

背景

マグネシウムイオン電池は、マグネシウムリチウムに比べて資源的に豊富ではるかに安価であり、酸化還元反応によって取り出すことができる単位体積当たりの電気量が大きく、電池に用いた場合の安全性も高いことから、リチウムイオン電池代わる次世代の二次電池として注目されている。

従来、マグネシウムイオン電池用のマグネシウム電解液は、エーテル系の溶媒を用いたものしかなく、特にテトラヒドロフラン(THF)を用いた電解液の特性が最も良いとされていた(特許文献1、2および非特許文献1参照。)。

しかしながら、THFをはじめとするエーテル系溶媒は、揮発性が高く、毒性を持つものも多いため、取り扱いが困難であった。また、エーテル系溶媒を用いたマグネシウム電解液の電位窓(電解液が分解しない状態で印加することができる最大電圧)は、高くても3.0V程度と小さいため、マグネシウム金属負極を用いた電圧の高い電池を作ることができなかった。

以上のような理由から、これまでTHF以外の溶媒を用いたマグネシウム電解液の開発が進められてきた。その結果、マグネシウム合金に対しては使用可能なマグネシウム電解液が見出されている(非特許文献2参照。)。

特許文献3には、非エーテル系溶媒であるアルキルスルホンを電解液の溶媒に用いた非水電解質電池が開示されている。具体的には、この非水電解質電池は、正極と、アルミニウムカルシウムおよびマグネシウムから選ばれる元素を少なくとも一種以上含む負極と、非水電解液とを具備する。この非水電解液は、R1 R2 SO2 (式中、R1 、R2 はアルキル基を表す。)で表されるアルキルスルホンと、このアルキルスルホンとアルミニウム塩カルシウム塩およびマグネシウム塩から選ばれる少なくとも一種を溶解する有機溶媒との混合溶媒中に少なくともアルミニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有し、その有機溶媒としてγ−ブチロラクトンアセトニトリルおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも一種を用いたものである。

概要

非エーテル系溶媒を用いた、電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示す電解液、その製造方法およびこの電解液を用いた電気化学デバイスを提供する。電解液は、スルホンからなる溶媒またはスルホンと非極性溶媒とからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解したものであり、マグネシウムイオン含有非水電解液である。スルホンとしてはエチル−n−プロピルスルホンなどのアルキルスルホンを用いる。マグネシウム塩としては塩化マグネシウムなどを用いる。この電解液は、マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する。この電解液を、マグネシウムイオン電池などの電気化学デバイスの電解質層に用いる。

目的

そこで、本開示が解決しようとする課題は、非エーテル系溶媒を用いた、マグネシウム金属に対して使用可能で、電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示す電解液およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スルホンからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液

請求項2

マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する請求項1記載の電解液。

請求項3

上記スルホンはR1 R2 SO2 (式中、R1 、R2 はアルキル基を表す。)で表されるアルキルスルホンまたはアルキルスルホン誘導体である請求項2記載の電解液。

請求項4

上記アルキルスルホンは、ジメチルスルホンメチルエチルスルホン、メチル−n−プロピルスルホン、メチル−i−プロピルスルホン、メチル−n−ブチルスルホン、メチル−i−ブチルスルホン、メチル−s−ブチルスルホン、メチル−t−ブチルスルホン、エチルメチルスルホンジエチルスルホン、エチル−n−プロピルスルホン、エチル−i−プロピルスルホン、エチル−n−ブチルスルホン、エチル−i−ブチルスルホン、エチル−s−ブチルスルホン、エチル−t−ブチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、ジ−i−プロピルスルホン、n−プロピル−n−ブチルスルホン、n−ブチルエチルスルホン、i−ブチルエチルスルホン、s−ブチルエチルスルホンおよびジ−n−ブチルスルホンからなる群より選ばれた少なくとも一種であり、上記アルキルスルホン誘導体はエチルフェニルスルホンである請求項3記載の電解液。

請求項5

上記マグネシウム塩は、塩化マグネシウム臭化マグネシウムヨウ化マグネシウム過塩素酸マグネシウムテトラフルオロホウ酸マグネシウム、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム、ヘキサフルオロヒ酸マグネシウム、パーフルオロアルキルスルホン酸マグネシウムおよびパーフルオロアルキルスルホニルイミド酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を含む請求項4記載の電解液。

請求項6

金属イオンアルミニウムベリリウムホウ素、ガリウムインジウムケイ素、スズ、チタンクロム、鉄、コバルトおよびランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種の原子または原子団陽イオンからなる塩あるいは水素、アルキル基、アルケニル基アリール基ベンジル基アミド基フッ化物イオン塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン過塩素酸イオンテトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、パーフルオロアルキルスルホン酸イオンおよびパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンからなる群より選ばれた少なくとも一種の原子、有機基または陰イオンからなる塩をさらに含有する請求項5記載の電解液。

請求項7

マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程とを有する電解液の製造方法。

請求項8

上記低沸点溶媒がアルコールである請求項7記載の電解液の製造方法。

請求項9

スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液。

請求項10

上記非極性溶媒は誘電率およびドナー数がいずれも20以下である非水溶媒である請求項9記載の電解液。

請求項11

上記非極性溶媒は、芳香族炭化水素エーテルケトンエステルおよび鎖状炭酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも一種である請求項10記載の電解液。

請求項12

上記芳香族炭化水素はトルエンベンゼンo−キシレンm−キシレンp−キシレンまたは1−メチルナフタレン、上記エーテルはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、上記ケトンは4−メチル−2−ペンタノン、上記エステルは酢酸メチルまたは酢酸エチル、上記鎖状炭酸エステルは炭酸ジメチル炭酸ジエチルまたは炭酸エチルメチルである請求項11記載の電解液。

請求項13

マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程と、上記低沸点溶媒を除去した上記溶液に非極性溶媒を混合する工程とを有する電解液の製造方法。

請求項14

上記低沸点溶媒がアルコールである請求項13記載の電解液の製造方法。

請求項15

電解液を有し、上記電解液は、スルホンからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液またはスルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電気化学デバイス

請求項16

上記電気化学デバイスはマグネシウムを用いる電池キャパシタセンサまたはマグネシウムイオンフィルタである請求項15記載の電気化学デバイス。

請求項17

上記電池は二次電池空気電池または燃料電池である請求項16記載の電気化学デバイス。

請求項18

上記二次電池は、電解質層として上記電解液を有するマグネシウムイオン電池である請求項17記載の電気化学デバイス。

技術分野

0001

本開示は、電解液、電解液の製造方法および電気化学デバイスに関する。本開示は、より詳細には、例えば、マグネシウム(Mg)イオン電池などの電解質層に用いて好適な電解液およびその製造方法ならびにこの電解液を用いたマグネシウムイオン電池などの各種の電気化学デバイスに関する。

背景技術

0002

マグネシウムイオン電池は、マグネシウムがリチウムに比べて資源的に豊富ではるかに安価であり、酸化還元反応によって取り出すことができる単位体積当たりの電気量が大きく、電池に用いた場合の安全性も高いことから、リチウムイオン電池代わる次世代の二次電池として注目されている。

0003

従来、マグネシウムイオン電池用のマグネシウム電解液は、エーテル系の溶媒を用いたものしかなく、特にテトラヒドロフラン(THF)を用いた電解液の特性が最も良いとされていた(特許文献1、2および非特許文献1参照。)。

0004

しかしながら、THFをはじめとするエーテル系溶媒は、揮発性が高く、毒性を持つものも多いため、取り扱いが困難であった。また、エーテル系溶媒を用いたマグネシウム電解液の電位窓(電解液が分解しない状態で印加することができる最大電圧)は、高くても3.0V程度と小さいため、マグネシウム金属負極を用いた電圧の高い電池を作ることができなかった。

0005

以上のような理由から、これまでTHF以外の溶媒を用いたマグネシウム電解液の開発が進められてきた。その結果、マグネシウム合金に対しては使用可能なマグネシウム電解液が見出されている(非特許文献2参照。)。

0006

特許文献3には、非エーテル系溶媒であるアルキルスルホンを電解液の溶媒に用いた非水電解質電池が開示されている。具体的には、この非水電解質電池は、正極と、アルミニウムカルシウムおよびマグネシウムから選ばれる元素を少なくとも一種以上含む負極と、非水電解液とを具備する。この非水電解液は、R1 R2 SO2 (式中、R1 、R2 はアルキル基を表す。)で表されるアルキルスルホンと、このアルキルスルホンとアルミニウム塩カルシウム塩およびマグネシウム塩から選ばれる少なくとも一種を溶解する有機溶媒との混合溶媒中に少なくともアルミニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有し、その有機溶媒としてγ−ブチロラクトンアセトニトリルおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも一種を用いたものである。

0007

特表2003−512704号公報
特開2009−21085号公報
特開2003−100347号公報

先行技術

0008

Nature Communications Volume: 2, Article number: 427DOI: doi:10.1038/ncomms1435
Electrochemistry Communications 16 (2012) 103-106

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献3に開示された非水電解液は、マグネシウム金属に対して使用可能で、電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示すか否かについては、何ら記載されていない。従って、特許文献3にかかわらず、マグネシウム金属に対して使用可能な電解液は、依然としてエーテル系溶媒を用いたもののみであると言える。

0010

そこで、本開示が解決しようとする課題は、非エーテル系溶媒を用いた、マグネシウム金属に対して使用可能で、電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示す電解液およびその製造方法を提供することである。

0011

本開示が解決しようとする他の課題は、上記のような優れた電解液を用いた電池などの電気化学デバイスを提供することである。

0012

上記課題およびその他の課題は、添付図面を参照した本明細書の以下の記述によって明らかとなるであろう。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、マグネシウム金属に対して使用可能な電解液として、スルホンからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解した電解液またはスルホンと非極性溶媒とからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解した電解液が有効であることを見出した。そして、実際にマグネシウム金属に対して、マグネシウムの可逆な析出溶解反応を示すことを確認し、本開示に至った。本発明者らの知る限り、スルホン系溶媒を用いたマグネシウム電解液が電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示す報告はこれまでにない。

0014

すなわち、上記課題を解決するために、本開示は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である。

0015

この電解液は、スルホンにマグネシウム塩が溶解したことによりマグネシウムイオンを含有するマグネシウムイオン含有非水電解液である。この電解液は、典型的には、マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する。

0016

スルホンは、典型的には、R1 R2 SO2 (式中、R1 、R2 はアルキル基を表す。)で表されるアルキルスルホンまたはアルキルスルホン誘導体である。ここで、R1 、R2 の種類(炭素数および組み合わせ)は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。R1 、R2 の炭素数はいずれも好適には4以下である。また、R1 の炭素数とR2 の炭素数との和は、好適には4以上7以下であるが、これに限定されるものではない。R1 、R2 は、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などである。アルキルスルホンは、具体的には、ジメチルスルホンDMS)、メチルエチルスルホン(MES)、メチル−n−プロピルスルホン(MnPS)、メチル−i−プロピルスルホン(MiPS)、メチル−n−ブチルスルホン(MnBS)、メチル−i−ブチルスルホン(MiBS)、メチル−s−ブチルスルホン(MsBS)、メチル−t−ブチルスルホン(MtBS)、エチルメチルスルホンEMS)、ジエチルスルホン(DES)、エチル−n−プロピルスルホン(EnPS)、エチル−i−プロピルスルホン(EiPS)、エチル−n−ブチルスルホン(EnBS)、エチル−i−ブチルスルホン(EiBS)、エチル−s−ブチルスルホン(EsBS)、エチル−t−ブチルスルホン(EtBS)、ジ−n−プロピルスルホン(DnPS)、ジ−i−プロピルスルホン(DiPS)、n−プロピル−n−ブチルスルホン(nPnBS)、n−ブチルエチルスルホン(nBES)、i−ブチルエチルスルホン(iBES)、s−ブチルエチルスルホン(sBES)およびジ−n−ブチルスルホン(DnBS)からなる群より選ばれた少なくとも一種である。アルキルスルホン誘導体は、例えば、エチルフェニルスルホン(EPhS)である。

0017

マグネシウム塩は、例えば、塩化マグネシウム(MgCl2 )、臭化マグネシウム(MgBr2 )、ヨウ化マグネシウム(MgI2 )、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO4 )2 )、テトラフルオロホウ酸マグネシウム(Mg(BF4 )2 )、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム(Mg(PF6)2 )、ヘキサフルオロヒ酸マグネシウム(Mg(AsF6 )2 )、パーフルオロアルキルスルホン酸マグネシウム(Mg(Rf1SO3 )2 ;Rf1はパーフルオロアルキル基)およびパーフルオロアルキルスルホニルイミド酸マグネシウム(Mg((Rf2SO2 )2 N)2 ;Rf2はパーフルオロアルキル基)からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む。これらのマグネシウム塩の中でも、MgX2 (X=Cl、Br、I)が特に好適なものである。

0018

電解液は、必要に応じてさらに添加剤を含有してもよい。この添加剤は、例えば、金属イオンがアルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびランタン(La)からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子または原子団陽イオンからなる塩である。あるいは、添加剤は、水素、アルキル基、アルケニル基アリール基ベンジル基アミド基フッ化物イオン(F- )、塩化物イオン(Cl- )、臭化物イオン(Br- )、ヨウ化物イオン(I- )、過塩素酸イオン(ClO4 - )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 - )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6- )、ヘキサフルオロヒ酸イオン(AsF6 - )、パーフルオロアルキルスルホン酸イオン(Rf1SO3 - ;Rf1はパーフルオロアルキル基)およびパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオン(Rf2SO2 )2 N- ;Rf2はパーフルオロアルキル基)からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子、有機基または陰イオンからなる塩であってもよい。この添加剤の添加により、電解液のイオン伝導度の向上を図ることができる。

0019

また、本開示は、
マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、
上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、
上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程とを有する電解液の製造方法である。

0020

マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒としては、マグネシウム塩が可溶な溶媒のうち、選択するスルホンよりも沸点の低い溶媒であれば基本的にはどのようなものを用いてもよく、必要に応じて選ばれるが、好適にはアルコールが用いられる。アルコールは、一価アルコールでも多価アルコールでもよく、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよい。アルコールとしては、具体的には、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノールイソプロパノール)、1−ブタノール2−ブタノール(sec−ブタノール)、2−メチル−1−プロパノールイソブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、1−ペンタノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0021

また、本開示は、
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である。

0022

非極性溶媒は、必要に応じて選ばれるが、好適には、誘電率およびドナー数がいずれも20以下である非水溶媒である。この非極性溶媒は、より具体的には、例えば、芳香族炭化水素、エーテル、ケトンエステルおよび鎖状炭酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも一種である。芳香族炭化水素は、例えば、トルエンベンゼンo−キシレンm−キシレンp−キシレン、1−メチルナフタレンなどである。エーテルは、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどである。ケトンは、例えば、4−メチル−2−ペンタノンなどである。エステルは、例えば、酢酸メチル酢酸エチルなどである。鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル炭酸ジエチル炭酸エチルメチルなどである。

0023

スルホンおよびマグネシウム塩については、上記と同様である。また、必要に応じて、電解液に上記と同様な添加剤を加えてもよい。

0024

また、本開示は、
マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、
上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、
上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程と、
上記低沸点溶媒を除去した上記溶液に非極性溶媒を混合する工程とを有する電解液の製造方法である。

0025

スルホン、マグネシウム塩および低沸点溶媒については、上記と同様である。

0026

また、本開示は、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電気化学デバイスである。

0027

電気化学デバイスは、基本的にはどのようなものであってもよいが、具体的には、例えば、マグネシウムを用いる各種の電池、キャパシタセンサ、マグネシウムイオンフィルタなどである。マグネシウムを用いる電池は、二次電池、空気電池燃料電池などである。二次電池は、例えば、電解質層として上記の電解液を有するマグネシウムイオン電池である。

0028

また、本開示は、
二次電池と、
上記二次電池に関する制御を行う制御手段と、
上記二次電池を内包する外装とを有し、
上記二次電池が、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電池パックである。

0029

この電池パックにおいて、制御手段は、例えば、二次電池に関する充放電過放電または過充電の制御を行う。

0030

また、本開示は、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である二次電池から電力の供給を受ける電子機器である。

0031

また、本開示は、
二次電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有し、
上記二次電池が、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電動車両である。

0032

この電動車両において、変換装置は、典型的には、二次電池から電力の供給を受けてモータを回転させ、駆動力を発生させる。このモータは、回生エネルギーを利用することもできる。また、制御装置は、例えば、二次電池の電池残量に基づいて車両制御に関する情報処理を行う。この電動車両は、例えば、電気自動車電動バイク電動自転車鉄道車両などのほか、いわゆるハイブリッド車も含む。

0033

また、本開示は、
二次電池から電力の供給を受け、および/または、電力源から二次電池に電力を供給するように構成され、
上記二次電池が、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電力システムである。

0034

この電力システムは、およそ電力を使用するものである限り、どのようなものであってもよく、単なる電力装置も含む。この電力システムは、例えば、スマートグリッド家庭用エネルギー管理システムHEMS)、車両など含み、蓄電も可能である。

0035

また、本開示は、
電力が供給される電子機器が接続されるように構成され、
二次電池を有し、
上記二次電池が、
電解液を有し、
上記電解液は、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液である電力貯蔵電源である。

0036

この電力貯蔵用電源の用途は問わず、基本的にはどのような電力システムまたは電力装置にも用いることができるが、例えば、スマートグリッドに用いることができる。

発明の効果

0037

本開示によれば、非エーテル系溶媒であるスルホンを用いた、マグネシウム金属に対して使用可能で、電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示す電解液を得ることができる。そして、この優れた電解液を電解質層に用いることにより、マグネシウムイオン電池などの高性能の電気化学デバイスを実現することができる。

図面の簡単な説明

0038

実施例1の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例1の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例2の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例2の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例3の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例3の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例1の電解液の酸化分解を起こし始める酸化電位を調べるためのCV測定結果を示すグラフである。
実施例1の電解液の 1HNMRスペクトルを示す略線図である。
実施例1〜3の電解液の 1H NMRスペクトルを示す略線図である。
実施例1〜3の電解液のXANESスペクトルを示す略線図である。
実施例1〜3の電解液の動径構造関数を示す略線図である。
実施例1の電解液の酸化分解電位三種類の作用極を用いて調べるためのCV測定結果を示すグラフである。
MgCl2 −EnPS−トルエン3元相図を示す略線図である。
実施例4の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
実施例5の電解液のCV測定結果を示すグラフである。
第3の実施の形態によるマグネシウムイオン電池を示す略線図である。
実施例6のコイン電池の構成を示す分解斜視図である。
実施例6のコイン電池の充放電特性測定結果を示す略線図である。
LiPF6/EC−DMC電解液を用いてリチウム金属を銅上に析出させた試料走査型電子顕微鏡写真を示す図面代用写真である。
実施例1の電解液を用いてマグネシウム金属を銅上に析出させた試料の走査型電子顕微鏡写真を示す図面代用写真である。

実施例

0039

以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(電解液およびその製造方法)
2.第2の実施の形態(電解液およびその製造方法)
3.第3の実施の形態(マグネシウムイオン電池)

0040

〈1.第1の実施の形態〉
[電解液]
第1の実施の形態による電解液は、スルホンからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解したマグネシウムイオン含有非水電解液である。これらのスルホンおよびマグネシウム塩は、例えば、既に挙げたものの中から必要に応じて選ばれる。電解液中のマグネシウム塩に対するスルホンのモル比は、例えば4以上35以下であり、典型的には6以上16以下であり、好適には7以上9以下であるが、これに限定されるものではない。この電解液は、典型的には、マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する。

0041

[電解液の製造方法]
この電解液は、例えば次のようにして製造することができる。

0042

まず、アルコールにマグネシウム塩を溶解させる。マグネシウム塩としては、好適には無水マグネシウム塩が用いられる。通常、マグネシウム塩はスルホンには溶解しないが、アルコールには良く溶解する。こうしてアルコールにマグネシウム塩を溶解させると、マグネシウムにアルコールが配位する。アルコールは、例えば、既に述べたものの中から必要に応じて選ばれる。アルコールとしては、好適には、脱水アルコールが用いられる。次に、こうしてアルコールにマグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる。この後、この溶液を減圧下で加熱することによりアルコールを除去する。こうしてアルコールを除去する過程で、マグネシウムに配位したアルコールがスルホンと交換(あるいは置換)する。以上により、目的とする電解液が製造される。

0043

この第1の実施の形態によれば、非エーテル系溶媒であるスルホンを用いて、マグネシウム金属に対して使用可能で、室温で電気化学的に可逆なマグネシウムの析出溶解反応を示すマグネシウムイオン含有非水電解液を得ることができる。この電解液は、一般にTHFのようなエーテル系溶媒よりも沸点が高いため揮発性が低く、安全性も高いスルホンを溶媒に用いているため、取り扱いが容易になることから、例えばマグネシウムイオン電池を製造する場合のプロセスの大幅な簡略化を図ることができる。また、この電解液は、THFを溶媒に用いた従来のマグネシウム電解液に比べて電位窓が広いため、マグネシウムイオン二次電池正極材料選択肢広がり、実現することができる二次電池の電圧、すなわちエネルギー密度の向上を図ることができる。さらに、この電解液は組成が単純であるため、電解液自体のコストの大幅な低減を図ることができる。

0044

〈2.第2の実施の形態〉
[電解液]
第2の実施の形態による電解液は、スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解したマグネシウムイオン含有非水電解液である。これらのスルホン、マグネシウム塩および非極性溶媒は、例えば、既に挙げたものの中から必要に応じて選ばれる。電解液中のマグネシウム塩に対するスルホンのモル比は、例えば4以上20以下であり、典型的には6以上16以下、好適には7以上9以下であるが、これに限定されるものではない。この電解液は、典型的には、マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する。

0045

[電解液の製造方法]
この電解液は、例えば次のようにして製造することができる。

0046

まず、アルコールにマグネシウム塩を溶解させる。これによって、マグネシウムにアルコールが配位する。マグネシウム塩としては、好適には、無水マグネシウム塩が用いられる。アルコールは、例えば、既に述べたものの中から必要に応じて選ばれる。次に、こうしてアルコールにマグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる。次に、この溶液を減圧下で加熱することによりアルコールを除去する。こうしてアルコールを除去する過程で、マグネシウムに配位したアルコールがスルホンと交換する。この後、アルコールを除去した溶液に非極性溶媒を混合する。非極性溶媒は、例えば、既に述べたものの中から必要に応じて選ばれる。以上により、目的とする電解液が製造される。

0047

この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。

0048

〈実施例1〉
以下のようにしてMg電解液(Mg−EnPS)を調製した。

0049

試薬の計量および混合操作グローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で行った。脱水メタノール(ナカライテスク社製)100mLをスターラ撹拌しながら、無水塩化マグネシウム(II)(MgCl2 )(アルドリッチ社製)3.81gを加えた。MgCl2 をメタノールに溶解させる際に若干の発熱があることを、接触型温度計(T2;testo 社製)による反応容器外部の温度測定により確認した。この発熱は、メタノールがMgに配位する際の反応熱によるものであり、メタノール中のMgはメタノールが配位した構造を有していると考えられる。また、MgCl2 溶解後も若干の白濁があった。これは、メタノール中に残存している水とMgとが反応し、Mg(OH)2 が生成したことによるものと考えられる。白濁はごくわずかであるため、濾過せずに合成を継続した。

0050

MgCl2 溶解後、スターラ撹拌しながらEnPS43.6gを加えた。

0051

上記溶液を大気混入しない状態を保ちながらグローブボックス外に出し、ロータリーポンプ(G−110D;ULVAC社製)を用いて減圧しながら、120℃で2時間加熱攪拌することで、メタノールを除去した。メタノールが減少すると白色沈殿が生成するが、減圧加熱を継続すると生成した沈殿物は溶解した。この溶解度の変化は、Mgの配位子がメタノールからEnPSに交換したことによるものであると考えられる。メタノールの除去は、 1HNMR測定によって確認した。

0052

メタノール除去後の試料には、MgCl2 をメタノールに溶解した際の白濁が残っているため、グローブボックス内にて濾過(ポア径0.45μm;Whatman 製)した。

0053

合成された電解液はMg:Cl:EnPS=1:2:8(mol比)、Mg濃度:0.95mol/Lであった。

0054

〈実施例2〉
以下のようにしてMg電解液(Mg−EnPS−トルエン)を調製した。

0055

試薬の計量および混合操作はグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で行った。実施例1の電解液(Mg−EnPS)11.8gをスターラ撹拌しながら、低水分トルエン(ナカライテスク社製)1.9gを加えた。

0056

合成された電解液はMg:Cl:EnPS=1:2:8(mol比)、MgCl2 :トルエン=1:2(重量比)、Mg濃度:0.78mol/Lであった。

0057

〈実施例3〉
以下のようにしてMg電解液(Mg−EnPS−BF4 )を調製した。

0058

試薬の計量および混合操作はグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で行った。実施例1の電解液(Mg−EnPS)11.8gをスターラ撹拌しながら、AgBF4 (東京化成社製)3.9g(電解液中のMgCl2 :AgBF4 =1:2(mol比))を加えた。AgBF4 を加えると発熱があることを、接触型温度計(T2;testo 社製)による反応容器外部の温度測定により確認し、この発熱によって試料の温度が40℃を超えない程度の速度でAgBF4 を加えた。この発熱は、AgClが生成する際の反応熱であり、生成したAgClは析出する。全てのAgBF4 を加えてから1日スターラ攪拌した後、遠心分離(Chibitan II ;MILLIPORE 社)(最大RCF;5200×g(51000m/s2 )、10min)と濾過(ポア径0.45μm;Whatman 製)にてAgClを取り除いた。

0059

合成された電解液はMg:EnPS=1:8(mol比)、Mg:BF4 =1:2(mol比)、Mg濃度:0.95mol/Lであった。

0060

[電解液のサイクリックボルタンメトリーCV)測定]
上述のようにして調製した実施例1〜3の電解液の電気化学特性を調べるために、電解液のサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。測定には三極式セル電解液量1mL)を用い、作用極に白金(Pt)電極(直径1.6mm;BAS社製)を用い、対極および参照極にマグネシウム(Mg)ワイヤ(直径1.6mm;ニラコ社製)を用いた。測定はグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)にて、室温で行った。

0061

サイクル目の測定は、開回路状態OCV)から始め、参照電極電位に対する作用極の電位を、まず還元側へ−1.5V程度まで低下させ、次に酸化側へ2.0V程度まで上昇させ、最後にOCVに戻すように、OCV→−1.5V程度→+2.0V程度→OCVの順で変化させた。電位を挿引する速度は5mVとした。

0062

図1および図2は実施例1の電解液(Mg−EnPS)のCV測定結果を示すグラフである。図1および図2横軸は、参照電極の電位に対する作用極の電位である(以下、同様)。これらの図から、Mgが可逆的に溶解および析出できる電解液を、MgCl2 とEnPSのみの組成にて合成できたことがわかる。図2より、サイクル数が大きくなるに従って、酸化および還元時に流れる電流が大きくなっていることがわかる。これは、電極表面の状態が変化しているためであると考えられる。また、CV測定後に、作用極および作用極の下部分に黒色析出物が存在した。これは、還元によって生じたMgであり、酸化側の電流量が還元側の電流量に比べて小さいのは、還元によって生じたMgが電極表面から剥離したためであると考えられる。

0063

図3および図4は実施例2の電解液(Mg−EnPS−トルエン)のCV測定結果を示すグラフである。これらの図からも、Mgが可逆的に溶解および析出できる電解液を、MgCl2 、EnPS、トルエンの組成にて合成できたことがわかる。図1および図2との比較より、トルエンを加えてもMgの酸化および還元が始まる電位はほとんど変化しないことがわかる。これは、酸化および還元に関係するMg錯体の構造が類似していることを示唆している。しかし、トルエンを加えると、電解液の粘度が低くなるにもかかわらず、酸化時、還元時に流れる電流がともに小さくなっている。これは、トルエンを加えることで、電解質のイオンとしての解離状態が変化していることを示唆している。なお、図4においては、実施例1の電解液(Mg−EnPS)で見られたような、サイクル数が大きくなるに従って、酸化および還元時に流れる電流が大きくなるような傾向は見られず、サイクルごとにランダム電流値を示した。

0064

図5および図6は実施例3の電解液(Mg−EnPS−BF4 )のCV測定結果を示すグラフである。これらの図からわかるように、実施例3の電解液は、実施例1の電解液(Mg−EnPS)および実施例2の電解液(Mg−EnPS−トルエン)のCV測定結果と異なる波形をしており、複数の酸化還元を示した。このことは、実施例3の電解液中の酸化および還元に関係するMg錯体の構造が、実施例1、2の電解液中のものと異なることを示唆している。また、実施例3の電解液のみ塩素を含まない電解液であることを考えると、実施例1、2の電解液で確認できた酸化、還元挙動に塩素が重要な働きをしている可能性が高い。合成時に使用したAgが残存している影響もある。

0065

図7は、実施例1の電解液(Mg−EnPS)の酸化分解を起こし始める酸化電位を調べるためのCV測定結果を示すグラフである。電位を挿引する速度は10mVとした。この結果、図7からわかるように、実施例1の電解液(Mg−EnPS)では、作用極の電位がマグネシウム参照極の電位よりも3.5V以上高い場合に酸化分解が起こった。

0066

[ 1HNMR測定]
実施例1〜3の電解液の合成中間体および実施例1〜3の電解液の 1H NMRを測定し、マグネシウムへのEnPSの配位について検討した。 1H NMRの測定にはVarian社製INOVA400(400MHz)を用いた。電解液は重溶媒を加えると電解質の環境が変化するため、原液のまま測定した。そのため、重溶媒によるロッキングは行わず測定し、別に測定した外部標準を用いてケミカルシフト補正した。外部標準としては、重クロロホルムを用い、そこに含まれる重溶媒化していないクロロホルムのピーク位置を7.26ppmとした。測定試料は、約0.6mLをグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で5mmφのNMR管に封入して作製した。

0067

図8に、電解液合成時の配位交換の様子を考察する目的で、実施例1の電解液(Mg−EnPS)の 1HNMR測定結果を、EnPSおよび比較のために合成したEnPS−MeOH、Mg−EnPS−MeOHの結果と合わせて示す。EnPS−MeOHは実施例1の電解液(Mg−EnPS)合成時と同じ比率でEnPSとメタノールとを混合した試料、Mg−EnPS−MeOHは実施例1の電解液(Mg−EnPS)合成時と同じ比率でメタノールにMgCl2 を溶解した後にEnPSを加えた試料である。全てのスペクトルは、EnPSのシグナルのうち、最もMgへの配位の影響を受けにくいと考えられる、EnPS中のノルマルプロピル末端部分(図8に示すEnPSの構造式のa)のピークで、縦軸、横軸ともに正規化した。

0068

図8において、EnPS−MeOHのスペクトルと、EnPS−MeOHにMgCl2 を加えた試料(Mg−EnPS−MeOH)のスペクトルとを比較すると、Mg−EnPS−MeOHのメタノールの方が、メチル基部分(図8に示すメタノールのf)のピークが低磁場シフトしており、水酸基部分(図8に示すメタノールのg)のピークがブロード化している。このことは、MgにメタノールがOH部分で配位していることを示唆している。また、EnPSの酸素に最も近い水素(図8に示すEnPSの構造式のc、d)のピークもMg−EnPS−MeOHの方がわずかながら低磁場シフトしていることから、EnPSも配位していると考えられる。さらに、これらのピークが1種類しか観測されないことから、メタノールおよびEnPSは、NMRの観測時間に比べて速い速度で配位子交換していると考えられる。

0069

次に、Mg−EnPS−MeOHのスペクトルと、Mg−EnPS−MeOHからメタノールを取り除いた試料(Mg−EnPS)のスペクトルとを比較すると、Mg−EnPSの酸素に最も近い水素(図8に示すEnPSの構造式のc、d)のピークの方が低磁場シフトしている。このことは、メタノールを除去することで、EnPSがマグネシウムにより多く、またはより強く配位したことを示唆している。

0070

以上のことより、MgCl2 をメタノールに溶解した際には、MgにはメタノールまたはClが配位しており、そこにEnPSを加えることでメタノールとEnPS、およびClが配位した状態となる。そこからメタノールを除去することでMgにEnPSおよびClが配位した構造をとると考えられる。

0071

図9に、実施例1の電解液(Mg−EnPS)のトルエン希釈と、AgBF4 による塩素除去の影響を考察する目的で、実施例1の電解液(Mg−EnPS)、実施例2の電解液(Mg−EnPS−トルエン)および実施例3の電解液(Mg−EnPS−BF4 )の 1HNMR測定結果を、EnPSおよび比較のために合成したEnPS−トルエンの結果と合わせて示す。EnPS−トルエンは実施例2の電解液(Mg−EnPS−トルエン)合成時と同じ比率でEnPSとトルエンとを混合した試料である。全てのスペクトルは、EnPSのシグナルのうち、最もMgへの配位の影響を受けにくいと考えられる、EnPS中のノルマルプロピル末端部分(図9に示すEnPSの構造式のa)のピークで、縦軸、横軸ともに正規化した。

0072

図9において、EnPSのスペクトルとEnPS−トルエンのスペクトルとを比較すると、EnPS−トルエンのEnPSの酸素に最も近い水素(図9に示すEnPSの構造式のc、 d)のピークが高磁場シフトしている。このことから、トルエンを加えると、EnPSの状態が変化することがわかる。このことを踏まえ、Mg−EnPSとMg−EnPS−トルエンのスペクトルを比較すると、Mg−EnPS−トルエンのEnPSの酸素に最も近い水素(図9に示すEnPSの構造式のc、d)のピークがわずかながら高磁場シフトしていることから、トルエンを加えることで、マグネシウムとの結合にも何らかの変化が生じている可能性がある。

0073

次に、Mg−EnPSとMg−EnPS−BF4 のスペクトルを比較すると、Mg−EnPS−BF4 のピークがすべてブロード化している。これは、Mg−EnPS−BF4 はMg−EnPSに比べて高粘度であるためであると考えられる。

0074

図10には、実施例1の電解液(Mg−EnPS)、実施例2の電解液(Mg−EnPS−トルエン)および実施例3の電解液(Mg−EnPS−BF4 )のXAFS(X-rayAbsorption Fine Structure)測定の結果、XANESスペクトルを示した。また、図11には動径構造関数|F(R)|(RはMgからの距離)を示したが、この図から、Mg−EnPSおよびMg−EnPS−トルエン中のMgが4配位2量体構造を、Mg−EnPS−BF4 が6配位単量体構造を持つことが明らかである。これらの4配位2量体構造および6配位単量体構造は下記の通りである。ただし、LはCl- またはEnPSである。

0075

図12は、実施例1の電解液(Mg−EnPS)の酸化分解電位を三種類の作用極を用いて測定した結果を示す。図12の横軸はMgに対する作用極の電位、縦軸は電流密度である。三種類の作用極はステンレス鋼(SUS316)、白金(Pt)およびニッケル(Ni)である。図12より、三種類の作用極のいずれを用いても、酸化分解電位は3.6Vと、エーテル系溶媒を用いた従来の電解液の酸化分解電位(〜2.5V)に比べて高いことがわかる。

0076

図13はMgCl2 −EnPS−トルエン3元相図を示す。図13中、黒丸および白丸の点は実験を行った電解液試料の組成を示し、黒丸はCV測定において酸化還元挙動を示さない電解液試料、白丸はCV測定において酸化還元挙動を示す電解液試料である。この結果より、図13中の点描を付した領域がCV測定において酸化還元挙動を示す領域であることがわかる。

0077

〈実施例4〉
以下のようにしてMg電解液(Mg−EiPS)を調製した。

0078

試薬の計量および混合操作はグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で行った。脱水メタノール(ナカライテスク社製)100mLをスターラ撹拌しながら、無水塩化マグネシウム(II)(MgCl2 )(アルドリッチ社製)3.81gを加えた。MgCl2 をメタノールに溶解させる際に若干の発熱があることを、接触型温度計(T2;testo 社製)による反応容器外部の温度測定により確認した。この発熱は、メタノールがMgに配位する際の反応熱によるものであり、メタノール中のMgはメタノールが配位した構造を有していると考えられる。また、MgCl2 溶解後も若干の白濁がある。これは、メタノール中に残存している水とMgとが反応し、Mg(OH)2 が生成したことによるものと考えている。白濁はごくわずかであるため、濾過せずに合成を継続した。

0079

MgCl2 溶解後、スターラ撹拌しながらEiPS43.6gを加えた。

0080

上記溶液を大気が混入しない状態を保ちながらグローブボックス外に出し、ロータリーポンプ(G−110D;ULVAC社製)を用いて減圧しながら、110℃で2時間加熱攪拌することで、メタノールを除去した。メタノールが減少すると白色沈殿が生成するが、減圧加熱を継続すると生成した沈殿物は溶解する。この溶解度の変化は、Mgの配位子がメタノールからEiPSに交換したことによるものであると考えられる。メタノールの除去は、 1HNMR測定によって確認した。

0081

メタノール除去後の試料には、MgCl2 をメタノールに溶解した際の白濁が残っているため、グローブボックス内にて濾過(ポア径0.45μm;Whatman 製)した。

0082

合成された電解液はMg:Cl:EiPS=1:2:8(mol比)、Mg濃度:1.00mol/Lであった。

0083

〈実施例5〉
以下のようにしてMg電解液(Mg−DnPS)を調製した。

0084

試薬の計量および混合操作はグローブボックス内(Ar/露点−80〜−90℃)で行った。脱水メタノール(ナカライテスク社製)100mLをスターラ撹拌しながら、無水塩化マグネシウム(II)(MgCl2 )(アルドリッチ社製)3.81gを加えた。MgCl2 をメタノールに溶解させる際に若干の発熱があることを、接触型温度計(T2;testo 社製)による反応容器外部の温度測定により確認した。この発熱は、メタノールがMgに配位する際の反応熱によるものであり、メタノール中のMgはメタノールが配位した構造を有していると考えられる。また、MgCl2 溶解後も若干の白濁がある。これは、メタノール中に残存している水とMgとが反応し、Mg(OH)2 が生成したことによるものと考えている。白濁はごくわずかであるため、濾過せずに合成を継続した。

0085

MgCl2 溶解後、スターラ撹拌しながら、あらかじめホットスターラを用いて溶解しておいたDnPS48.1gを加えた。

0086

上記溶液を大気が混入しない状態を保ちながらグローブボックス外に出し、ロータリーポンプ(G−110D;ULVAC社製)を用いて減圧しながら、120℃で2時間加熱攪拌することで、メタノールを除去した。メタノールが減少すると白色沈殿が生成するが、減圧加熱を継続すると生成した沈殿物は溶解する。この溶解度の変化は、Mgの配位子がメタノールからDnPSに交換したことによるものであると考えられる。メタノールの除去は、 1HNMR測定によって確認した。

0087

メタノール除去後の試料には、MgCl2 をメタノールに溶解した際の白濁が残っているため、グローブボックス内にて濾過(ポア径0.45μm;Whatman 製)した。

0088

合成された電解液はMg:Cl:DnPS=1:2:8(mol比)であった。

0089

図14および図15はそれぞれ実施例4の電解液(Mg−EiPS)および実施例5の電解液(Mg−DnPS)のCV測定結果を示すグラフである。これらの図から、実施例4の電解液(Mg−EiPS)および実施例5の電解液(Mg−DnPS)とも、Mgが可逆的に溶解および析出できる電解液を合成できたことがわかる。

0090

〈3.第3の実施の形態〉
[マグネシウムイオン電池]
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態においては、第1または第2の実施の形態による電解液を電解質層に用いたマグネシウムイオン電池について説明する。

0091

図16はこのマグネシウムイオン電池の基本構成を模式的に示す。

0092

図16に示すように、このマグネシウムイオン電池は、正極10と負極20とが電解液からなる電解質層30を介して対向した構造を有する。正極10としては、例えば、硫黄(S)、フッ化黒鉛((CF)n )、各種の金属(例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)など)の酸化物ハロゲン化物などを正極活物質として用いたものが用いられるが、これに限定されるものではない。負極20としては、例えば、マグネシウム金属単体またはマグネシウム合金からなるものが用いられ、典型的には板状あるいは箔状に形成されるが、これに限定されるものではなく、粉末を用いて形成することも可能である。電解質層30を構成する電解液としては、第1または第2の実施の形態による電解液が用いられる。

0093

[マグネシウムイオン電池の動作]
このマグネシウムイオン電池においては、充電時には、マグネシウムイオン(Mg2+)が正極10から電解質層30を通って負極20に移動することにより電気エネルギー化学エネルギーに変換して蓄電する。放電時には、負極20から電解質層30を通って正極10にマグネシウムイオンが戻ることにより電気エネルギーを発生させる。

0094

〈実施例6〉
マグネシウム(Mg)を負極、硫黄(S)を正極とし、MgCl2 /EnPS=1/8(mol)、MgCl2 /トルエン=1/4(wt)で調製したMgCl2 /EnPS/トルエン電解液を用いてコイン電池を作製した。

0095

このコイン電池の構成を図17に示す。図17に示すように、コイン電池51にガスケット52を載せ、硫黄からなる正極53、グラスフィルター製のセパレーター54、厚さ250μmのMg板からなる負極55、厚さ500μmのステンレス鋼板からなるスペーサー56、コイン電池蓋57の順に積層した後、コイン電池缶51をかしめて封止した。スペーサー56はコイン電池蓋57に予めスポット溶接しておいた。

0096

このコイン電池の充放電特性を測定した。図18はその結果を示す。図18より、サイクル劣化はTHFを溶媒に用いた従来の電解液(非特許文献1参照。)の劣化に比べて小さいが、これはスルホンに硫黄が溶けにくい(硫黄はTHFに溶ける)という溶媒の違いによるものと考えられる。

0097

硫黄からなる正極から電解液への硫黄の溶出ラマン散乱測定により調べた。その結果を表1に示す。

0098

0099

表1より、MgCl2 :EnPS:トルエン=1:8:4、MgCl2 :EnPS=1:8への硫黄の溶解性は、ラマン散乱測定の検出限界以下であった。これに対して、0.25M Mg(AlCl2 Et2 )/THFには、1.8〜2wt%程度の硫黄が溶解する。

0100

トルエンに硫黄が溶解するため、硫黄系正極を用いる場合には、トルエンの含有量が少ないか、トルエンを含まない電解液組成が望ましい。

0101

次に、Mgの析出形態について調べた結果について説明する。図19は、LiPF6/EC−DMC電解液を用いた場合に負極側の集電体(例えばCu)上に析出したLi金属図20は、MgCl2 /EnPS電解液を用いた場合にCu上に析出したMg金属を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した結果を示す。図19および図20より、LiPF6 /EC−DMC電解液を用いてLi金属を析出させた場合には、Cu上にデンドライトが形成されるのに対し、MgCl2 /EnPS電解液を用いてMg金属を析出させた場合には、Cu上にデンドライトは形成されないことがわかる。このことから、Li金属負極の課題が、Mg金属負極では解決することができる可能性があると言うことができる。

0102

この第3の実施の形態によれば、スルホンにマグネシウム塩が溶解した電解液またはスルホンと非極性溶媒とからなる溶媒にマグネシウム塩が溶解した電解液を用いた新規な高性能のマグネシウムイオン電池を実現することができる。

0103

このマグネシウムイオン電池は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)、携帯電話コードレスフォン子機ビデオムービーデジタルスチルカメラ電子書籍電子辞書携帯音楽プレイヤーラジオヘッドホンゲーム機ナビゲーションシステムメモリーカード心臓ペースメーカー補聴器電動工具電気シェーバー冷蔵庫エアコンテレビステレオ温水器電子レンジ食器洗浄器洗濯機乾燥機照明機器玩具医療機器ロボット、ロードコディショナー、信号機、鉄道車両、ゴルフカート電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの駆動用電源または補助用電源、住宅をはじめとする建築物または発電設備用の電力貯蔵用電源などに搭載し、あるいは、これらに電力を供給するために使用することができる。電気自動車において、電力を供給することにより電力を駆動力に変換する変換装置は、一般的にはモーターである。車両制御に関する情報処理を行う制御装置としては、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う制御装置などが含まれる。このリチウム硫黄電池は、いわゆるスマートグリッドにおける蓄電装置としても用いることができる。このような蓄電装置は、電力を供給するだけでなく、他の電力源から電力の供給を受けることにより蓄電することができる。他の電力源としては、例えば、火力発電原子力発電水力発電太陽電池風力発電地熱発電、燃料電池(バイオ燃料電池を含む)などを用いることができる。

0104

以上、本開示の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。

0105

例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。

0106

なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)スルホンからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液。
(2)マグネシウムにスルホンが配位した4配位2量体構造を有するマグネシウム錯体を含有する前記(1)に記載の電解液。
(3)上記スルホンはR1 R2 SO2 (式中、R1 、R2 はアルキル基を表す。)で表されるアルキルスルホンまたはアルキルスルホン誘導体である前記(1)または(2)に記載の電解液。
(4)上記アルキルスルホンは、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチル−n−プロピルスルホン、メチル−i−プロピルスルホン、メチル−n−ブチルスルホン、メチル−i−ブチルスルホン、メチル−s−ブチルスルホン、メチル−t−ブチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチル−n−プロピルスルホン、エチル−i−プロピルスルホン、エチル−n−ブチルスルホン、エチル−i−ブチルスルホン、エチル−s−ブチルスルホン、エチル−t−ブチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、ジ−i−プロピルスルホン、n−プロピル−n−ブチルスルホン、n−ブチルエチルスルホン、i−ブチルエチルスルホン、s−ブチルエチルスルホンおよびジ−n−ブチルスルホンからなる群より選ばれた少なくとも一種であり、上記アルキルスルホン誘導体はエチルフェニルスルホンである前記(3)に記載の電解液。
(5)上記マグネシウム塩は、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、テトラフルオロホウ酸マグネシウム、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム、ヘキサフルオロヒ酸マグネシウム、パーフルオロアルキルスルホン酸マグネシウムおよびパーフルオロアルキルスルホニルイミド酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を含む前記(1)から(4)のいずれかに記載の電解液。
(6)金属イオンがアルミニウム、ベリリウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、スズ、チタン、クロム、鉄、コバルトおよびランタンからなる群より選ばれた少なくとも一種の原子または原子団の陽イオンからなる塩あるいは水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基、アミド基、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、パーフルオロアルキルスルホン酸イオンおよびパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンからなる群より選ばれた少なくとも一種の原子、有機基または陰イオンからなる塩をさらに含有する前記(1)から(5)のいずれかに記載の電解液。
(7)マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程とを有する電解液の製造方法。
(8)上記低沸点溶媒がアルコールである前記(7)に記載の電解液の製造方法。
(9)スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液。
(10)上記非極性溶媒は誘電率およびドナー数がいずれも20以下である非水溶媒である前記(9)に記載の電解液。
(11)上記非極性溶媒は、芳香族炭化水素、エーテル、ケトン、エステルおよび鎖状炭酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも一種である前記(9)または(10)に記載の電解液。
(12)上記芳香族炭化水素はトルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンまたは1−メチルナフタレン、上記エーテルはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、上記ケトンは4−メチル−2−ペンタノン、上記エステルは酢酸メチルまたは酢酸エチル、上記鎖状炭酸エステルは炭酸ジメチル、炭酸ジエチルまたは炭酸エチルメチルである前記(11)に記載の電解液。
(13)マグネシウム塩が可溶な低沸点溶媒にマグネシウム塩を溶解させる工程と、上記低沸点溶媒に上記マグネシウム塩を溶解させた溶液にスルホンを溶解させる工程と、上記スルホンを溶解させた上記溶液から上記低沸点溶媒を除去する工程と、上記低沸点溶媒を除去した上記溶液に非極性溶媒を混合する工程とを有する電解液の製造方法。
(14)上記低沸点溶媒がアルコールである前記(13)に記載の電解液の製造方法。
(15)電解液を有し、上記電解液が、
スルホンからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液
または
スルホンと非極性溶媒とからなる溶媒と、
上記溶媒に溶解したマグネシウム塩とを有する電解液を有する電気化学デバイス。
(16)上記電気化学デバイスはマグネシウムを用いる電池、キャパシタ、センサまたはマグネシウムイオンフィルタである前記(15)に記載の電気化学デバイス。
(17)上記電池は二次電池、空気電池または燃料電池である前記(16)に記載の電気化学デバイス。
(18)上記二次電池は、電解質層として上記電解液を有するマグネシウムイオン電池である前記(17)に記載の電気化学デバイス。

0107

10…正極、20…負極、30…電解質層

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