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図面 (20)

課題

光から化学物質への変換効率を高めた光電気化学反応装置を提供する。

解決手段

第1の電解液領域21aと、第2の電解液領域21bと、第1の電解液領域と第2の電解液領域とを接続するイオン移動経路22とを有する電解液槽2と、第1の電解液領域21aにおいて第1の電解液1aに浸漬された還元電極層31と、第2の電解液領域21bにおいて第2の電解液1bに浸漬された酸化電極層32と、還元電極層31に電気的に接続された第1の面と第1の面に対向し酸化電極層32に電気的に接続された第2の面とを有する光電変換層33と、を備える光電変換セル3と、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを分離するように設けられた複数のイオン交換膜4a,4bと、を具備する光電気化学反応装置10。

概要

背景

近年、エネルギー問題環境問題の観点から、植物の光合成模倣して太陽光電気化学的に化学物質に変換する人工光合成技術の開発が進められている。太陽光を化学物質に変換してボンベタンク貯蔵する場合、太陽光を電気に変換して蓄電池に貯蔵する場合に比べて、エネルギーの貯蔵コストを低減することができ、また貯蔵ロスも少ないという利点がある。

太陽光を電気化学的に化学物質へ変換する光電気化学反応装置としては、例えば二酸化炭素(CO2)を還元する還元触媒を有する電極と、水(H2O)を酸化する酸化触媒を有する電極とを備え、これら電極をCO2が溶解した水中に浸漬させる二電極方式の装置が知られている。このとき各電極は電線等を介して電気的に接続される。酸化触媒を有する電極においては、光エネルギーによりH2Oを酸化して酸素(1/2O2)を得ると共に、電位を得る。還元触媒を有する電極においては、酸化反応生起する電極から電位を得ることによって、CO2を還元して蟻酸(HCOOH)等を生成する。このように、二電極方式の装置においては、CO2の還元電位を2段励起により得ているため、太陽光から化学エネルギーへの変換効率が0.04%程度である。また、光電気化学反応装置として、例えばGaNを用いて光電変換を行いその表面で水を酸化し、電気的に接続された銅板によってCO2を還元する装置が知られている。上記装置の変換効率は0.2%である。

また、一対の電極で光電変換層を挟持した積層体シリコン太陽電池等)を用いた光電気化学反応装置も検討されている。光照射側の電極では、光エネルギーにより水(2H2O)を酸化して酸素(O2)と水素イオン(4H+)を得る。反対側の電極では、光照射側電極で生成した水素イオン(4H+)と光電変換層に生じた電位(e−)とを用いて、化学物質として水素(2H2)等を得る。また、シリコン太陽電池を積層させた電気化学反応装置も知られている。電気化学反応装置では、高い変換効率を有することが好ましい。

さらに、環境上の観点などから大量にある海水河川の水等を電解液として用いて反応を行うことが検討されている。しかしながら、例えば、河川等の水を電解液として用いると、不純物等によって触媒活性が低下し、変換効率が低下する。また、過度に高いpHまたは低いpHを有する電解液を用いると、使用部材劣化する等も問題がある。このように、従来の光電気化学反応装置では、使用可能な電解液の種類が限られており、汎用性が低いといった問題があった。

概要

光から化学物質への変換効率を高めた光電気化学反応装置を提供する。第1の電解液領域21aと、第2の電解液領域21bと、第1の電解液領域と第2の電解液領域とを接続するイオン移動経路22とを有する電解液槽2と、第1の電解液領域21aにおいて第1の電解液1aに浸漬された還元電極層31と、第2の電解液領域21bにおいて第2の電解液1bに浸漬された酸化電極層32と、還元電極層31に電気的に接続された第1の面と第1の面に対向し酸化電極層32に電気的に接続された第2の面とを有する光電変換層33と、を備える光電変換セル3と、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを分離するように設けられた複数のイオン交換膜4a,4bと、を具備する光電気化学反応装置10。

目的

効果

実績

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請求項1

少なくとも被還元物質を含む第1の電解液を収容する第1の電解液領域と、少なくとも被酸化物質を含む第2の電解液を収容する第2の電解液領域と、前記第1の電解液領域と前記第2の電解液領域とを接続するイオン移動経路とを有する電解液槽と、前記第1の電解液領域において前記第1の電解液に浸漬され、前記被還元物質の還元反応生起する還元電極層と、前記第2の電解液領域において前記第2の電解液に浸漬され、前記被酸化物質の酸化反応を生起する酸化電極層と、前記還元電極層に電気的に接続された第1の面と前記第1の面に対向し前記酸化電極層に電気的に接続された第2の面とを有し、前記第1の面または前記第2の面に照射された光のエネルギーにより電荷分離を行う光電変換層と、を備える光電変換セルと、前記第1の電解液領域と前記第2の電解液領域とを分離するように設けられた複数のイオン交換膜と、を具備する、光電気化学反応装置。

請求項2

前記複数のイオン交換膜は、前記第1の電解液に接し、少なくとも一種アニオンの通過を妨げる機能を有する第1のイオン交換膜と、前記第2の電解液に接し、少なくとも一種のカチオンの通過を妨げる機能を有する第2のイオン交換膜と、を有する、請求項1に記載の光電気化学反応装置。

請求項3

カチオン交換膜からなる前記第1のイオン交換膜とアニオン交換膜からなる前記第2のイオン交換膜との積層構造を有するバイポーラ膜を具備する、請求項2に記載の光電気化学反応装置。

請求項4

前記電解液槽は、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜との間に設けられ、第3の電解液を収容する第3の電解液領域を有し、前記第3の電解液は、前記酸化反応または前記還元反応に寄与しないイオンを含む、請求項2に記載の光電気化学反応装置。

請求項5

前記第3の電解液の脱塩処理機能を有する、請求項4に記載の光電気化学反応装置。

請求項6

前記イオン移動経路からなる第1のイオン移動経路と、前記第1の電解液領域または前記第2の電解液領域と、前記第3の電解液領域とを接続する第2のイオン移動経路と、を具備する、請求項4または請求項5に記載の光電気化学反応装置。

請求項7

前記被還元物質は、二酸化炭素を含み、前記被酸化物質は、水を含む、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光電気化学反応装置。

請求項8

前記第2の電解液のpHは、前記第1の電解液のpHよりも高い、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光電気化学反応装置。

請求項9

前記イオン移動経路は、前記光電変換セルを貫通するように設けられた貫通孔からなる、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の光電気化学反応装置。

請求項10

前記電解液槽は、管状構造を有し、前記第1の電解液領域および前記第2の電解液領域の一方は、前記電解液槽の内周に沿って前記第1の電解液領域および前記第2の電解液領域の他方に囲まれる、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の光電気化学反応装置。

技術分野

0001

実施形態の発明は、光電気化学反応装置に関する。

背景技術

0002

近年、エネルギー問題環境問題の観点から、植物の光合成模倣して太陽光電気化学的に化学物質に変換する人工光合成技術の開発が進められている。太陽光を化学物質に変換してボンベタンク貯蔵する場合、太陽光を電気に変換して蓄電池に貯蔵する場合に比べて、エネルギーの貯蔵コストを低減することができ、また貯蔵ロスも少ないという利点がある。

0003

太陽光を電気化学的に化学物質へ変換する光電気化学反応装置としては、例えば二酸化炭素(CO2)を還元する還元触媒を有する電極と、水(H2O)を酸化する酸化触媒を有する電極とを備え、これら電極をCO2が溶解した水中に浸漬させる二電極方式の装置が知られている。このとき各電極は電線等を介して電気的に接続される。酸化触媒を有する電極においては、光エネルギーによりH2Oを酸化して酸素(1/2O2)を得ると共に、電位を得る。還元触媒を有する電極においては、酸化反応生起する電極から電位を得ることによって、CO2を還元して蟻酸(HCOOH)等を生成する。このように、二電極方式の装置においては、CO2の還元電位を2段励起により得ているため、太陽光から化学エネルギーへの変換効率が0.04%程度である。また、光電気化学反応装置として、例えばGaNを用いて光電変換を行いその表面で水を酸化し、電気的に接続された銅板によってCO2を還元する装置が知られている。上記装置の変換効率は0.2%である。

0004

また、一対の電極で光電変換層を挟持した積層体シリコン太陽電池等)を用いた光電気化学反応装置も検討されている。光照射側の電極では、光エネルギーにより水(2H2O)を酸化して酸素(O2)と水素イオン(4H+)を得る。反対側の電極では、光照射側電極で生成した水素イオン(4H+)と光電変換層に生じた電位(e−)とを用いて、化学物質として水素(2H2)等を得る。また、シリコン太陽電池を積層させた電気化学反応装置も知られている。電気化学反応装置では、高い変換効率を有することが好ましい。

0005

さらに、環境上の観点などから大量にある海水河川の水等を電解液として用いて反応を行うことが検討されている。しかしながら、例えば、河川等の水を電解液として用いると、不純物等によって触媒活性が低下し、変換効率が低下する。また、過度に高いpHまたは低いpHを有する電解液を用いると、使用部材劣化する等も問題がある。このように、従来の光電気化学反応装置では、使用可能な電解液の種類が限られており、汎用性が低いといった問題があった。

0006

特開2011−094194号公報
特開平10−290017号公報

先行技術

0007

S.Y.Reece,et.al.,Science.vol.334.pp.645(2011)
J.Esswein,et.al.,Energy&Environmental Science.Vol.4.p.499.(2011)
Japanese Journal of Applied Physics 51(2012) 02BP07

発明が解決しようとする課題

0008

実施形態の発明が解決しようとする課題は、光から化学物質への変換効率を高めることである。

課題を解決するための手段

0009

実施形態の光電気化学反応装置は、少なくとも被還元物質を含む第1の電解液を収容する第1の電解液領域と、少なくとも被酸化物質を含む第2の電解液を収容する第2の電解液領域と、第1の電解液領域と第2の電解液領域とを接続するイオン移動経路とを有する電解液槽と、第1の電解液領域において第1の電解液に浸漬され、被還元物質の還元反応を生起する還元電極層と、第2の電解液領域において第2の電解液に浸漬され、被酸化物質の酸化反応を生起する酸化電極層と、還元電極層に電気的に接続された第1の面と第1の面に対向し酸化電極層に電気的に接続された第2の面とを有し、第1の面または第2の面に照射された光のエネルギーにより電荷分離を行う光電変換層と、を備える光電変換セルと、第1の電解液領域と第2の電解液領域とを分離するように設けられた複数のイオン交換膜と、を具備する。

図面の簡単な説明

0010

光電気化学反応装置の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の構成例を示す外観模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の動作例を示す模式図である。
光電変換セルの構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の動作例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
貫通孔からなるイオン移動経路の構成例を示す模式図である。
貫通孔からなるイオン移動経路の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。
光電気化学反応装置の構成例を示す外観模式図である。

実施例

0011

以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。

0012

図1は光電気化学反応装置の構成例を示す模式図であり、図2は光電気化学反応装置の構造例を示す外観模式図である。図1および図2に示す光電気化学反応装置10は、電解液1aおよび電解液1bを収容する電解液槽2と、光電変換セル3と、イオン交換膜4aと、イオン交換膜4bと、を具備する。なお、光電気化学反応装置10のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、特に限定されない。

0013

電解液1aは少なくとも被還元物質を含み、電解液1bは少なくとも被酸化物質を含む。被酸化物質は酸化反応により酸化される物質であり、被還元物質は還元反応により還元される物質である。例えば、被酸化物質は水を含み、被還元物質は二酸化炭素を含む。電解液1bに含まれる水の量を変えることで化学物質の生成割合を変えることができる。なお、電解液1aおよび電解液1bは、同じ電解液であってもよい。このとき、電解液1aおよび電解液1bを1つの電解液とみなすこともできる。

0014

なお、電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方に酸化反応または還元反応に寄与しないイオン等の不純物が含まれていてもよい。このとき、酸化反応または還元反応に寄与しないイオンには、酸化反応または還元反応を阻害するイオンも含まれる。

0015

電解液槽2は、電解液1aを収容する第1の電解液領域21aと、電解液1bを収容する第2の電解液領域21bと、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを接続するイオン移動経路22と、を有する。イオン移動経路22は、イオンの移動が可能な経路である。イオン移動経路22は、例えば電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方を収容していてもよい。なお、第1の電解液領域21aおよび第2の電解液領域21bの少なくとも一方は、イオン移動経路22の一部を含んでいてもよい。また、電解液槽2は直方体形状を有しているが、これに限定されない。さらに、電解液槽2は、複数のイオン移動経路22を有しているがこれに限定されない。電解液槽2の一部に開口部を設けてもよい。

0016

電解液1bのpHは、電解液1aのpHよりも高いことが好ましい。これにより、水素イオンや水酸化物イオン等が移動し易くなる。また、pHの差による液間電位差により酸化還元反応を効果的に進行させることができる。

0017

電解液槽2に供給流路を設け、供給流路から電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方を補充してもよい。また、電解液槽2に回収経路を設け、生成される化学物質を回収経路から回収してもよい。

0018

光電変換セル3は、光が入射することにより酸化還元反応を生起する機能を有する。光電変換セル3は、導電性基板30と、還元電極層31と、酸化電極層32と、光電変換層33と、を少なくとも備える。

0019

導電性基板30は、支持体としての機能を有する。なお、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを分離するように導電性基板30を設けてもよい。導電性基板30を設けることにより光電変換セル3の機械的強度を向上させることができる。また、導電性基板30を還元電極層31の一部とみなしてもよい。さらに、必ずしも導電性基板30を設けなくてもよい。

0020

還元電極層31は、第1の電解液領域21aにおいて、電解液1aに浸漬される。還元電極層31は、例えば被還元物質の還元反応を生起する還元触媒を含む。還元反応により生成される化合物は、還元触媒の種類等によって異なる。例えば、一酸化炭素(CO)、蟻酸(HCOOH)、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、エタン(C2H6)、エチレン(C2H4)、エタノール(C2H5OH)、ホルムアルデヒド(HCHO)等の炭素化合物や水素等が挙げられる。還元電極層31は、例えば薄膜状、格子状、粒子状ワイヤー状であってもよい。なお、必ずしも還元電極層31に還元触媒を設けなくてもよく、還元電極層31以外に設けられた還元触媒が還元電極層31に電気的に接続されていてもよい。

0021

酸化電極層32は、第2の電解液領域21bにおいて、電解液1bに浸漬される。酸化電極層32は、例えば被酸化物質の酸化反応を生起する酸化触媒を含む。酸化反応により生成される化合物は、酸化触媒の種類等によって異なる。例えば、水素イオン等が挙げられる。酸化電極層32は、例えば薄膜状、格子状、粒子状、ワイヤー状であってもよい。なお、必ずしも酸化電極層32に酸化触媒を設けなくてもよく、酸化電極層32以外に設けられた酸化触媒が酸化電極層32に電気的に接続されていてもよい。

0022

酸化電極層32を介して光電変換層33に光を照射して酸化還元反応を行う場合、酸化電極層32は、透光性を有する必要がある。このとき、酸化電極層32の光の透過率は、例えば酸化電極層32に照射される光の照射量の少なくとも10%以上、より好ましくは30%以上であることが好ましい。これに限定されず、例えば還元電極層31を介して光電変換層33に光を照射する構造にしてもよい。

0023

光電変換層33は、還元電極層31に電気的に接続された第1の面と、第1の面に対向し、酸化電極層32に電気的に接続された第2の面と、を有する。光電変換層33は、照射された太陽光等の光のエネルギーにより電荷分離を行う機能を有する。電荷分離により発生した電子は還元電極層31側に移動し、正孔は酸化電極層32側に移動する。これにより、光電変換層33は、起電力を発生することができる。光電変換層33としては、例えばpn接合型またはpin接合型の光電変換層を用いることができる。光電変換層33は、例えば電解液槽2に固定されていてもよい。なお、複数の光電変換層を積層することにより光電変換層33を形成してもよい。

0024

なお、還元電極層31、酸化電極層32、および光電変換層33のサイズは、互いに異なっていてもよい。例えば、光電変換層33よりも縦および横方向の少なくとも一方の長さが短い還元電極層31、酸化電極層32を設けてもよい。

0025

イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを分離するように設けられる。換言するとイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、電解液槽2を区切るように設けられる。これに限定されず、少なくとも第1の電解液領域21aを隔離するようにイオン交換膜4aを設け、少なくとも第2の電解液領域21bを隔離するようにイオン交換膜4aと第2の電解液領域21bとの間にイオン交換膜4bを設けてもよい。

0026

イオン交換膜4aは、電解液1aに接し、少なくとも一種アニオンの通過を妨げる機能を有する。イオン交換膜4aは、少なくともカチオン交換膜を有する。イオン交換膜4bは、電解液1bに接し、少なくとも一種のカチオンの通過を妨げる機能を有する。イオン交換膜4bは、少なくともアニオン交換膜を有する。なお、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bの両方がカチオン交換膜またはイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bの両方がアニオン交換膜であってもよい。

0027

イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bを電解液槽2に固定してもよい。また、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bを光電変換セル3に固定してもよい。例えば、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bに開口部を設け、開口部に光電変換セル3を挿入することにより、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bを固定してもよい。また、光電変換セル3に開口部を設け、開口部にイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bの少なくとも一方を設けてもよい。イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、導電性基板30、還元電極層31、酸化電極層32、光電変換層33のいずれかに接するように設ければよい。

0028

イオン交換膜4aとイオン交換膜4bとの間には、第3の電解液領域21cが設けられる。これにより、電解液槽2に供給流路等を設け、供給流路から第3の電解液領域21cに電解液を供給することができる。なお、これに限定されず、図3に示すようにカチオン交換膜からなるイオン交換膜4aとアニオン交換膜からなるイオン交換膜4bとの積層構造を有するバイポーラ膜4を設けてもよい。このとき、イオン交換膜4aとイオン交換膜4bとの間にイオン交換膜4aとイオン交換膜4bとを接着する接着層を有していてもよい。バイポーラ膜4を用いることにより、イオン交換膜の枚数を少なくすることができ、例えばイオン交換膜を電解液槽2に固定する場合に固定箇所を減らすことができ、光電気化学反応装置10の構造を単純にすることができる。

0029

次に、光電気化学反応装置10の動作例について図4を参照して説明する。ここでは、一例として、イオン交換膜4aにカチオン交換膜を用い、イオン交換膜4bにアニオン交換膜を用い、電解液1aおよび電解液1bとして水、二酸化炭素、および塩化ナトリウムを含む電解液を用い、一酸化炭素を生成する場合について説明する。図4は、光電気化学反応装置10の動作例を説明するための模式図である。光電気化学反応装置10の動作例では、酸化電極層32を介して光電変換層33に光を入射する。光としては、太陽光が好ましいが、これに限定されず、例えば発光ダイオード有機EL等の光であってもよい。光が入射すると、光電変換層33は、光を吸収し、光励起電子および正孔を生成して分離する。このとき、還元電極層31側には光励起電子が集まり、酸化電極層32側には正孔が集まる。これにより、光電変換層33に起電力が発生する。

0030

酸化電極層32に正孔が集まると、下記式(1)のように水の酸化反応が起こり、酸素と水素イオンが生成される。
2H2O → 4H++O2+4e− ・・・(1)

0031

なお、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、酸化反応により生成された水素イオンを通過させてもよい。このように、水素イオンを通過させることにより、イオン等の物質の拡散性を高めることができる。

0032

還元電極層31に光励起電子が集まると、下記式(2)のように二酸化炭素の還元反応が起こり、二酸化炭素と水素イオンが反応し、炭素化合物である一酸化炭素と水が生成される。一酸化炭素は任意の割合で電解液1aに溶解する。また、一酸化炭素とは別に水素が生成されてもよい。このとき、水素は一酸化炭素と同時に生成されてもよい。
2CO2+4H++4e− → 2CO +2H2O ・・・(2)

0033

このとき、電解液1aに含まれるナトリウムイオン(Na+)等のカチオンは、イオン交換膜4bにより第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。また、電解液1bに含まれる塩化物イオン(Cl−)等のアニオンは、イオン交換膜4aにより第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられる。

0034

光電変換層33は、酸化反応の標準酸化還元電位と還元反応の標準酸化還元電位との電位差以上の開放電圧を有する必要がある。例えば、式(1)における酸化反応の標準酸化還元電位は1.23[V]であり、式(2)における還元反応の標準酸化還元電位は−0.11[V]である。このため、光電変換層33の開放電圧を1.33[V]以上にする必要がある。さらに、光電変換層33の開放電圧は、過電圧を含めた電位差以上であることが好ましい。例えば、式(1)における酸化反応および式(2)における還元反応の過電圧がそれぞれ0.2[V]である場合、開放電圧は1.73[V]以上であることが好ましい。

0035

上記二酸化炭素の還元反応は、水素イオンを消費する反応である。このため、水素イオンの量が少ない場合、還元反応の効率が悪くなる。よって、第1の電解液領域21aの水素イオンの濃度と第2の電解液領域21bの水素イオンの濃度とを予め異ならせ、濃度差により水素イオンを移動させやすくしておくことが好ましい。また、これに限定されず、陰イオン(例えば水酸化物イオン等)の濃度を第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとで異ならせてもよい。

0036

光電気化学反応装置において、酸化反応に適した電解液および還元反応に適した電解液は互いに異なる。よって、電解液1aは、還元反応に適した特性を有し、電解液1bは、酸化反応に適した特性を有することが好ましい。このとき、例えばイオン交換膜で電解液領域を第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとに分けることにより、領域毎に電解液1aと電解液1bとの特性を異ならせることが考えられる。

0037

しかしながら、カチオン交換膜では、アルカリ耐性が比較的低く、酸の耐性が比較的高い。また、アニオン交換膜では、酸の耐性が比較的低く、アルカリの耐性が比較的高い。すなわち、電解液の性質によって、好適なイオン交換膜は異なる。よって、仮にアニオン交換膜またはカチオン交換膜のうちの1種のイオン交換膜のみを設ける場合、イオン交換膜の両面がそれぞれ異なる性質の電解液に接し、イオン交換膜の一方の面が不適な電解液に接することになるため、イオン交換膜が劣化しやすい。

0038

これに対し、本実施形態の光電気化学反応装置は、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを分離するように設けられた複数のイオン交換膜を具備する。例えば、イオン交換膜4aと第2の電解液領域21bとの間にイオン交換膜4bを設けることにより、電解液1aに適したイオン交換膜4aが電解液1bに直接接触することを防止することができる。また、イオン交換膜4bと第1の電解液領域21aとの間にイオン交換膜4aを設けることにより、電解液1bに適したイオン交換膜4bが電解液1aに直接接触することを防止することができる。このように、複数のイオン交換膜を用いることにより、イオン交換膜の劣化を抑制することができる。よって、例えば使用可能な電解液の種類が増加し、汎用性を高めることができる。

0039

また、上記構成により、特定のイオンの移動を制御し、イオン選択性を向上させることができる。例えば、第1の電解液領域21aでは、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bにより、還元反応に用いられるカチオンの減少を抑制しつつ、還元反応に寄与しないアニオンの増加が抑制される。よって、電解液1aおよび電解液1bの特性が維持され、光から化学物質への変換効率の低下を抑制することができる。

0040

これにより、例えば電解液1aと電解液1bとの間にpH差または液間電位差等を設けることもできる。例えば、還元触媒として金を用い、電解液1aとして炭酸ナトリウムカリウム水溶液を用いる。酸化触媒としてCoリン酸系の触媒を用い、電解液1bとしてリン酸カリウムナトリウムを含む溶液を用い、電解液1bのpHを9以上にする。これにより、電解液1aと電解液1bとの間にpH差が生じ液間電位差を生じさせることで酸化還元反応を促進させることができる。

0041

また、イオン交換膜4aとイオン交換膜4bとの間に第3の電解液領域21cを設けることにより、例えば海水や工業用水等の不純物を多く含む液体を電解液として用いることが可能となる。例えば、CO2の還元反応を行う場合、CO2の排出源である発電所等から回収した水溶液や、CCS等で用いられるアミン溶液等を適用可能にすることが好ましいため、電解液1aと電解液1bとの混合による変換効率の低下は大きな問題となる。よって、本実施形態の光電気化学反応装置の構成を用いることが好適である。

0042

加えて、エネルギーとなる化学物質を生成するだけでなく、電解液から特定の塩を取り出す処理(脱塩処理)を行うことができる。脱塩処理として、例えば酸性塩塩基性塩、および正塩の少なくとも一つを含む電解液から特定の物質を取り出す処理を行うことができる。

0043

上記脱塩処理の用途としては、例えば高純度薬品超高純度製品の製造、メッキ液の処理、再生チーズしょうゆ、ホエー果汁等の食品脱塩有機酸アミノ酸の脱塩、タンパク質の精製、天然成分の脱塩、医薬中間体化成品の脱塩、分離、精製、廃みつ糖の処理、下水処理ごみ焼却灰水や脱塩地下水のイオン除去等の排水、水処理、海水からの飲料水精製水食塩の製造、下水工業排水農業排水、河川からの飲料水の製造、海洋深層水の脱塩、廃酸からの酸回収、貴金属回収等の有価物回収等が挙げられる。

0044

これに限定されず、例えば塩を酸とアルカリに分離する処理、硫酸鉄溶液から鉄と酸とを回収する処理等を行うことができる。これにより、例えば山付近の河川に含まれる酸性が強い硫酸鉄水溶液から硫酸と鉄を取り出すことができ、河川水の処理を同時に行うことができる。例えば、火山付近で抗排水に含まれる成分(硫黄等)による河川の酸性化金属イオンによる環境汚染を抑制することができる。

0045

さらに、酸化還元反応により生成される化学物質は、炭素化合物に限定されない。例えば、酸化反応により、火山の付近などに豊富にある硫酸鉄(2+)を硫酸鉄(3+)に変化させ、酸化反応で得られた電子を用いて還元反応によりプロトンを還元して水素を生成してもよい。これにより、容易に電子を得ることができるため、還元反応を進行し易くすることができる。また、上記方法において、電解液中に還元体を入れることにより反応効率を向上させることができる。還元体としては、例えば水の酸化電位還元対象物の還元電位との間に酸化還元電位を有する還元体を用いることができる。

0046

次に、図1ないし図3に示す光電気化学反応装置10における各構成要素の構造例についてさらに説明する。

0047

電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方に適用可能な水を含む電解液としては、例えば任意の電解質を含む水溶液を用いることができる。この溶液は水の酸化反応を促進する水溶液であることが好ましい。電解質を含む水溶液としては、例えばリン酸イオン(PO42−)、ホウ酸イオン(BO33−)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、カルシウムイオン(Ca2+)、リチウムイオン(Li+)、セシウムイオン(Cs+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、塩化物イオン(Cl−)、炭酸水素イオン(HCO3−)等を含む水溶液が挙げられる。

0048

電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方に適用可能な二酸化炭素を含む電解液としては、例えばLiHCO3、NaHCO3、KHCO3、CsHCO3等を含む水溶液を用いることができる。二酸化炭素を含む電解液は、メタノール、エタノール、アセトン等のアルコール類を含んでいてもよい。なお、水を含む電解液と二酸化炭素を含む電解液とは同じであってもよいが、二酸化炭素を含む電解液における二酸化炭素の吸収量は高いことが好ましいため、二酸化炭素を含む電解液として水を含む電解液と別の溶液を用いてもよい。二酸化炭素を含む電解液は、二酸化炭素の還元電位を低下させ、イオン伝導性が高く、二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収剤を含む電解液であることが好ましい。

0049

上述した電解液としては、例えばイミダゾリウムイオンピリジニウムイオン等の陽イオンと、BF4−やPF6−等の陰イオンとの塩からなり、幅広温度範囲液体状態であるイオン液体もしくはその水溶液を用いることができる。さらに、他の電解液としては、エタノールアミンイミダゾールピリジン等のアミン溶液もしくはその水溶液が挙げられる。アミンとしては、一級アミン二級アミン三級アミン等が挙げられる。これらの電解液が、イオン伝導性が高く、CO2を吸収する性質を有し、還元エネルギーを低下させる特性を有していてもよい。

0050

一級アミンとしては、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンブチルアミンペンチルアミンヘキシルアミン等が挙げられる。アミンの炭化水素は、アルコールハロゲン等が置換していてもよい。アミンの炭化水素が置換されたものとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、クロロメチルアミン等が挙げられる。また、不飽和結合が存在していてもかまわない。これら炭化水素は、二級アミン、三級アミンも同様である。

0051

二級アミンとしては、ジメチルアミンジエチルアミンジプロピルアミンジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等が挙げられる。置換した炭化水素は、異なってもよい。これは三級アミンでも同様である。例えば、炭化水素が異なるものとしては、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン等が挙げられる。

0052

三級アミンとしては、トリメチルアミントリエチルアミントリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリエキサノールアミンメチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン等が挙げられる。

0053

イオン液体の陽イオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾールイオン、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。

0054

なお、イミダゾリウムイオンの2位が置換されていてもよい。イミダゾリウムイオンの2位が置換された陽イオンとしては、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−ペンチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。

0055

ピリジニウムイオンとしては、メチルピリジニウムエチルピリジニウムプロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム、ペンチルピリジニウム、ヘキシルピリジニウム等が挙げられる。イミダゾリウムイオンおよびピリジニウムイオンは共に、アルキル基が置換されてもよく、不飽和結合が存在してもよい。

0056

アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンヨウ化物イオン、BF4−、PF6−、CF3COO−、CF3SO3−、NO3−、SCN−、(CF3SO2)3C−、ビストリフルオロメトキシスルホニルイミド、ビス(トリフルオロメトキシスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド等が挙げられる。イオン液体のカチオンとアニオンとを炭化水素で連結した双生イオンでもよい。

0057

図5は、光電変換セル3の構造例を示す模式図である。図5に示す光電変換セル3は、導電性基板30と、還元電極層31と、酸化電極層32と、光電変換層33と、光反射層34と、金属酸化物層35と、金属酸化物層36と、を備える。

0058

導電性基板30は、還元電極層31に接するように設けられる。なお、導電性基板30を還元電極層の一部とみなしてもよい。導電性基板30としては、例えばCu、Al、Ti、Ni、Fe、およびAgの少なくとも1つまたは複数を含む基板が挙げられる。これに限定されず、導電性樹脂を用いて導電性基板30を構成してもよい。また、SiまたはGe等の半導体基板を用いて導電性基板30を構成してもよい。さらに、樹脂フィルム等を導電性基板30として用いてもよい。例えば、イオン交換膜4aまたはイオン交換膜4bに適用可能な膜を導電性基板30として用いてもよい。

0059

還元電極層31は、還元触媒を含むことが好ましい。なお、還元電極層31は、導電材料および還元触媒の両方を含んでいてもよい。還元触媒としては、二酸化炭素を還元するための活性化エネルギーを減少させる材料、言い換えると、二酸化炭素の還元反応により炭素化合物を生成する際の過電圧を低下させる材料が挙げられる。例えば、金属材料または炭素材料を用いることができる。金属材料としては、例えば金、アルミニウム、銅、銀、白金パラジウム、もしくはニッケル等の金属、または当該金属を含む合金を用いることができる。炭素材料としては、例えばグラフェンカーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)、フラーレン、またはケッチェンブラック等を用いることができる。なお、これに限定されず、還元触媒として例えばRu錯体またはRe錯体等の金属錯体イミダゾール骨格ピリジン骨格を有する有機分子を用いてもよい。また、複数の材料を混合してもよい。

0060

酸化電極層32は、酸化触媒を含むことが好ましい。なお、酸化電極層32は、導電材料および還元触媒の両方を含んでいてもよい。酸化触媒としては、水を酸化するための活性化エネルギーを減少させる材料、言い換えると、水の酸化反応により酸素と水素イオンを生成する際の過電圧を低下させる材料が挙げられる。例えば、イリジウム、白金、コバルト、またはマンガン等が挙げられる。また、酸化触媒としては、二元系金属酸化物三元系金属酸化物、または四元系金属酸化物などを用いることができる。二元系金属酸化物としては、例えば酸化マンガン(Mn−O)、酸化イリジウム(Ir−O)、酸化ニッケル(Ni−O)、酸化コバルト(Co−O)、酸化鉄(Fe−O)、酸化スズ(Sn−O)、酸化インジウム(In−O)、または酸化ルテニウム(Ru−O)等が挙げられる。三元系金属酸化物としては、例えばNi−Co−O、La−Co−O、Ni−La−O、Sr−Fe−O等が挙げられる。四元系金属酸化物としては、例えばPb−Ru−Ir−O、La−Sr−Co−O等が挙げられる。なお、これに限定されず、酸化触媒としてRu錯体またはFe錯体等の金属錯体を用いることもできる。また、複数の材料を混合してもよい。

0061

還元電極層31および酸化電極層32の少なくとも一方は、多孔質構造を有していてもよい。多孔質構造を有する電極層に適用可能な材料としては、上記材料に加え、例えばケッチェンブラックやバルカンXC−72等のカーボンブラック活性炭金属微粉末等が挙げられる。多孔質構造を有することにより、酸化還元反応に寄与する活性面面積を大きくすることができるため、変換効率を高めることができる。

0062

図1ないし図5を参照して説明した光電変換装置では、比較的低い光の照射エネルギーを用いて低電流密度電極反応を行う場合、触媒材料選択肢が広い。よって、例えばユビキタス金属等を用いて反応を行うことが容易であり、反応の選択性を得ることも比較的容易である。一方、電解液槽2に光電変換層33を設けず、配線等により光電変換層33と還元電極層31および酸化電極層32の少なくとも一方とを電気的に接続する場合、電解液槽2を小型化する等の理由により一般的に電極面積は小さくなり、高電流密度で反応を行う場合がある。この場合、触媒として貴金属を用いることが好ましい。

0063

光電変換層33は、光電変換層33aと、光電変換層33bと、光電変換層33cとの積層構造を備える。なお、光電変換層の積層数は、図5に限定されない。

0064

光電変換層33aは、例えばn型のアモルファスシリコン(a−Si)からなるn型半導体層331nと、例えば真性(intrinsic)のアモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)からなるi型半導体層331iと、例えばp型の微結晶シリコン(μc−Si)からなるp型半導体層331pと、を有する。i型半導体層331iは、400nm程度の短波長領域の光を吸収する層である。よって、光電変換層33aでは、短波長領域の光エネルギーによって、電荷分離が生じる。

0065

光電変換層33bは、例えばn型のa−Siからなるn型半導体層332nと、例えば真性のa−SiGeからなるi型半導体層332iと、例えばp型のμc−Siからなるp型半導体層332pと、を有する。i型半導体層332iは、600nm程度の中間波長領域の光を吸収する層である。よって、光電変換層33bでは、中間波長領域の光エネルギーによって、電荷分離が生じる。

0066

光電変換層33cは、例えばn型のa−Siからなるn型半導体層333nと、例えば真性のa−Siからなるi型半導体層333iと、例えばp型のμc−Siからなるp型半導体層333pと、を有する。i型半導体層333iは、700nm程度の長波長領域の光を吸収する層である。よって、光電変換層33cでは、長波長領域の光エネルギーによって、電荷分離が生じる。

0067

p型半導体層またはn型半導体層は、例えば半導体材料ドナーまたはアクセプタとなる元素を添加することにより形成することができる。なお、光電変換層では、半導体層としてシリコン、ゲルマニウム等を含む半導体層を用いているが、これに限定されず、例えば化合物半導体層等を用いることができる。化合物半導体層としては、例えばGaAs、GaInP、AlGaInP、CdTe、CuInGaSe等を含む半導体層を用いることができる。また、光電変換が可能であればTiO2やWO3のような材料を含む層を用いてもよい。さらに、各半導体層は、単結晶多結晶、またはアモルファスであってもよい。また、光電変換層に酸化亜鉛層を設けてもよい。

0068

光反射層34は、導電性基板30と光電変換層33との間に設けられる。光反射層34としては、例えば金属層または半導体層の積層からなる分布型ブラッグ反射層が挙げられる。光反射層34を設けることにより、光電変換層33で吸収できなかった光を反射させて光電変換層33aないし光電変換層33cのいずれかに入射することができるため、光から化学物質への変換効率を高めることができる。光反射層34としては、例えばAg、Au、Al、Cu等の金属、それら金属を少なくとも1つ含む合金等の層を用いることができる。

0069

金属酸化物層35は、光反射層34と光電変換層33との間に設けられる。金属酸化物層35は、例えば光学的距離を調整して光反射性を高める機能を有する。金属酸化物層35としては、n型半導体層331nとオーミック接触が可能な材料を用いることが好ましい。金属酸化物層35としては、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素を含む酸化錫(Fluorine−doped Tin Oxide:FTO)、アルミニウムを含む酸化亜鉛(Aluminum−doped Zinc Oxide:AZO)、アンチモンを含む酸化錫(Antimony−doped Tin Oxide:ATO)等の透光性金属酸化物の層を用いることができる。

0070

金属酸化物層36は、酸化電極層32と光電変換層33との間に設けられる。金属酸化物層36は、酸化反応による光電変換セル3の破壊を抑制する保護層としての機能を有する。金属酸化物層36を設けることにより、光電変換層33の腐食を抑制し、光電変換セル3の寿命を長くすることができる。なお、必ずしも金属酸化物層36を設けなくてもよい。

0071

金属酸化物層36としては、例えばTiO2、ZrO2、Al2O3、SiO2、またはHfO2等の誘電体薄膜を用いることができる。金属酸化物層36として、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素を含む酸化錫(FTO)、アルミニウムを含む酸化亜鉛(AZO)、アンチモンを含む酸化錫(ATO)等の透光性金属酸化物の層を用いてもよい。

0072

また、金属酸化物層36は、例えば金属と透明導電性酸化物とを積層させた構造、金属とその他導電性材料とを複合させた構造、または透明導電性酸化物とその他導電性材料とを複合させた構造を有していてもよい。上記構造にすることにより、部品点数が減り、軽量かつ製造が容易になりコストも低くすることができる。金属酸化物層36は、保護層、導電層、および触媒層としての機能を有していてもよい。

0073

図5に示す光電変換セル3では、n型半導体層331nのi型半導体層331iとの接触面の反対面が光電変換層33の第1の面となり、p型半導体層333pのi型半導体層333iとの接触面の反対面が第2の面となる。以上のように、図5に示す光電変換セル3は、光電変換層33aないし光電変換層33cを積層することで、太陽光の幅広い波長の光を吸収することができ、太陽光エネルギーをより効率良く利用することができる。このとき、各光電変換層直列に接続されているため高い電圧を得ることができる。

0074

また、図5に示す光電変換セル3では、光電変換層33上に電極層が積層されているため、配線等により光電変換層33と電極層を電気的に接続する場合に比べて高効率で酸化還元反応を行うことができる。

0075

これに限定されず、例えば並列接続で複数の光電変換層を電気的に接続してもよい。また、2接合型単層型の光電変換層を用いてもよい。また、図5では3つの光電変換層の積層を有する光電変換層の例について説明したが、これに限定されず、2つまたは4つ以上の光電変換層の積層を有していてもよい。また、複数の光電変換層の積層に代えて、1つの光電変換層を用いてもよい。以上が光電変換セル3の構造例の説明である。

0076

イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bの少なくとも一方に適用可能なカチオン交換膜およびアニオン交換膜は、電解液1aおよび電解液1bの特性に応じて適宜選択される。例えば、アストム社のネオセプタ登録商標)や旭硝子社のセレミオン(登録商標)、Aciplex(登録商標)、Fumatech社のFumasep(登録商標)、fumapem(登録商標)、デュポン社のテトラフルオロエチレンスルホン化して重合したフッ素樹脂であるナフィオン(登録商標)、LANXESS社のlewabrane(登録商標)、IONTECH社のIONSEP(登録商標)、PALL社のムスタング(登録商標)、mega社のralex(登録商標)、ゴアテックス社のゴアテックス(登録商標)等を用いることができる。また、炭化水素を基本骨格とした膜や、アニオン交換ではアミン基を有する膜を用いてイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bを構成してもよい。以上が各構成要素の構成例の説明である。

0077

実施形態の光電気化学反応装置は、上記構成に限定されない。実施形態における光電気化学反応装置の他の構成例について図6ないし図20を参照して説明する。図6ないし図20は光電気化学反応装置の他の構成例を示す模式図である。なお、図6ないし図20に示す光電気化学反応装置において、図1ないし図5を参照して説明した光電気化学反応装置と同様の部分については、図1ないし図5の説明を適宜援用することができる。

0078

図6に示す光電気化学反応装置10は、図1に示す光電気化学反応装置10と比較して、イオン交換膜4aとして、イオン交換膜4a1と、イオン交換膜4a2と、を具備し、イオン交換膜4bとして、イオン交換膜4b1と、イオン交換膜4b2と、を具備する点が少なくとも異なる。なお、図6では、便宜のためイオン交換膜4a1が還元電極層31に接し、イオン交換膜4b2が導電性基板30に接し、イオン交換膜4a2が光電変換層33に接し、イオン交換膜4b1が酸化電極層32に接しているが、例えば導電性基板30にイオン交換膜4a1、イオン交換膜4a2、イオン交換膜4b1、およびイオン交換膜4b2の全てが接する構造にすることができる。

0079

イオン交換膜4a1およびイオン交換膜4a2は、少なくともカチオン交換膜を有する。イオン交換膜4b1およびイオン交換膜4b2は、少なくともアニオン交換膜を有する。イオン交換膜4a2は、イオン交換膜4a1とイオン交換膜4b1との間に設けられる。イオン交換膜4b2は、イオン交換膜4a1とイオン交換膜4a2との間に設けられる。
イオン交換膜4a1およびイオン交換膜4a2は、電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方に含まれる少なくとも一種のアニオンの通過を妨げる機能を有する。イオン交換膜4b1およびイオン交換膜4b2は、電解液1aおよび電解液1bの少なくとも一方に含まれる少なくとも一種のカチオンの通過を妨げる機能を有する。

0080

図6に示す光電気化学反応装置10の動作例について説明する。ここでは、電解液1aおよび電解液1bの一例として、水、二酸化炭素、および塩化ナトリウムを含む電解液を用い、一酸化炭素を生成する場合について説明する。図6に示す光電気化学反応装置10では、図1に示す光電気化学反応装置10と同様に式(1)および式(2)に示す酸化還元反応により、化学物質が生成される。

0081

このとき、電解液1aおよび電解液1bに含まれるナトリウムイオン(Na+)等のカチオンは、イオン交換膜4a1およびイオン交換膜4a2を通過し、イオン交換膜4b1およびイオン交換膜4b2を通過することを妨げられる。また、塩化物イオン(Cl−)等のアニオンは、イオン交換膜4b1およびイオン交換膜4b2を通過し、イオン交換膜4a1およびイオン交換膜4a2によりを通過することを妨げられる。よって、例えば電解液1aに含まれる塩化物イオン等のアニオンが第2の電解液領域21bに移動することを抑制し、電解液1bに含まれるナトリウムイオン等のカチオンが第1の電解液領域21aに移動することを抑制することができる。これにより、酸化反応もしくは還元反応に寄与しないイオンによる触媒性能の低下を抑制することができる。

0082

図6に示すように、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bのそれぞれを複数交互に設けることにより、イオン選択性をさらに高めることができ、例えば不純物が多い海水や工業排水、農業排水等の酸化反応または還元反応に寄与しないイオンを含む溶液を電解液として用いることができる。このとき、例えば電解液槽2に供給流路を設けて、供給流路から第3の電解液領域21cに直接電解液を供給してもよい。

0083

図7に示す光電気化学反応装置10は、図6に示す光電気化学反応装置10と比較してイオン交換膜4a1およびイオン交換膜4b1としてバイポーラ膜を用いる点が少なくとも異なる。図7に示すように、第1の電解液領域21aに接するイオン交換膜4a1および第2の電解液領域21bに接するイオン交換膜4b1にバイポーラ膜を用いることが好ましい。また、イオン交換膜4a2はイオン交換膜4a1とイオン交換膜4b1との間に設けられ、イオン交換膜4b2はイオン交換膜4b1とイオン交換膜4a2との間に設けられる。

0084

さらに、図7に示す電解液槽2は、イオン交換膜4a2とイオン交換膜4b2との間に設けられた第3の電解液領域21cと、イオン交換膜4a1とイオン交換膜4a2との間に設けられた第4の電解液領域21dと、イオン交換膜4b1とイオン交換膜4b2との間に設けられた第5の電解液領域21eと、有する。

0085

図7に示す光電気化学反応装置10を用いて脱塩処理を行う例について説明する。図7に示す光電気化学反応装置10では、電解液1aおよび電解液1bの一例として、水、二酸化炭素を含む電解液を用い、第3の電解液領域21cに硫酸ナトリウム溶液を供給する。図7に示す光電気化学反応装置10では、図1に示す光電気化学反応装置10と同様に式(1)および式(2)に示す酸化還元反応により、化学物質が生成される。

0086

このとき、第3の電解液領域21cに含まれるナトリウムイオン(Na+)等のカチオンは、イオン交換膜4a2を通過するが、イオン交換膜4a1により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4b2により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。また、硫化物イオン(SO42−)等のアニオンは、イオン交換膜4b2を通過するが、イオン交換膜4b1により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4a1により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられる。

0087

第4の電解液領域21dでは、ナトリウムイオンと水酸化物イオンとが反応し、水酸化ナトリウムが生成される。これにより、第4の電解液領域21dでは、水酸化ナトリウムの濃度が高まる。一方、第5の電解液領域21eでは、硫化物イオンと、水素イオンとが反応し、硫酸が生成される。これにより、第5の電解液領域21eでは、硫酸濃度が高まる。このように、硫酸ナトリウム溶液から水酸化ナトリウムと硫酸とを取り出す脱塩処理を行うことができる。なお、電解液槽2に回収経路を設け、回収経路により得られた物質を回収してもよい。

0088

図8に示す光電気化学反応装置10は、図7に示す光電気化学反応装置10と比較してイオン交換膜4b2を設けない点が少なくとも異なる。

0089

図8に示す光電気化学反応装置10を用いて脱塩処理を行う例について説明する。図8に示す光電気化学反応装置10では、電解液1aおよび電解液1bの一例として、水、二酸化炭素を含む電解液を用い、第4の電解液領域21dにナトリウム有機酸塩を含む溶液を供給する。図8に示す光電気化学反応装置10では、図1に示す光電気化学反応装置10と同様に式(1)および式(2)に示す酸化還元反応により、化学物質が生成される。

0090

このとき、第4の電解液領域21dに含まれるナトリウムイオン(Na+)等のカチオンは、イオン交換膜4a2を通過するが、イオン交換膜4a1により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4b1により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。また、有機酸イオン(RCOO−)等のアニオンは、イオン交換膜4a2により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4b1により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。

0091

第3の電解液領域21cでは、ナトリウムイオンと水酸化物イオンとが反応し、水酸化ナトリウムが生成される。これにより、第3の電解液領域21cでは、水酸化ナトリウムの濃度が高まる。一方、第4の電解液領域21dでは、有機酸イオンと、水素イオンとが反応し、有機酸が生成される。これにより、第4の電解液領域21dでは、有機酸濃度が高まる。このように、有機酸ナトリウム溶液から水酸化ナトリウムと有機酸とを取り出す脱塩処理を行うことができる。なお、電解液槽2に回収経路を設けて得られた物質を回収してもよい。

0092

図9に示す光電気化学反応装置10は、図1に示す光電気化学反応装置10と比較して、管状構造を有するイオン移動経路22を備える電解液槽2を具備する点が少なくとも異なる。このとき、導電性基板30は、電解液1aと電解液1bとを分離するように設けられる。イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、イオン移動経路22を区切るように設けられる。

0093

図10に示す光電気化学反応装置10は、図1に示す光電気化学反応装置10と比較して、イオン移動経路22からなるイオン移動経路22aと、イオン移動経路22bと、を有する電解液槽2を具備する点が少なくとも異なる。イオン移動経路22bは、第1の電解液領域21aと第2の電解液領域21bとを接続する機能を有する。イオン移動経路22bを設けることにより、第1の電解液領域21aにおける還元反応に寄与するカチオンの減少、または第2の電解液領域21bにおける酸化反応に寄与するアニオンの減少を抑制することができる。

0094

図11に示す光電気化学反応装置10は、図7に示す光電気化学反応装置10と比較して、イオン移動経路22からなるイオン移動経路22aと、管状構造を有するイオン移動経路22bと、管状構造を有するイオン移動経路22cとを備える電解液槽2を具備する点が少なくとも異なる。イオン移動経路22bは、第1の電解液領域21aと第5の電解液領域21eとを接続する。イオン移動経路22cは、第2の電解液領域21bと第4の電解液領域21dとを接続する。

0095

上記構成により、例えば第4の電解液領域21dに集められたアルカリ成分を第2の電解液領域21bに供給してもよい。また、第5の電解液領域21eに集められた酸性成分を第1の電解液領域21aに供給してもよい。これに限定されず、例えばイオン移動経路22bにより、第5の電解液領域21eと別の光電気化学反応装置とを接続し、イオン移動経路22cにより第4の電解液領域21dと別の光電気化学反応装置とを接続してもよい。

0096

図11に示す光電気化学反応装置10を用いて脱塩処理を行う例について説明する。図11に示す光電気化学反応装置10では、電解液1aおよび電解液1bの一例として、水、二酸化炭素を含む電解液を用い、第3の電解液領域21cに硫酸鉄を含む溶液を供給する。図11に示す光電気化学反応装置10では、図1に示す光電気化学反応装置10と同様に式(1)および式(2)に示す酸化還元反応により、化学物質が生成される。

0097

このとき、第3の電解液領域21cに含まれる鉄イオン(Fe+)等のカチオンは、イオン交換膜4a2を通過するが、イオン交換膜4a1により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4b2により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。また、硫酸化物イオン(SO42−)等のアニオンは、イオン交換膜4b2を通過するが、イオン交換膜4a2により第1の電解液領域21a側に移動することを妨げられ、イオン交換膜4b1により第2の電解液領域21b側に移動することを妨げられる。

0098

第4の電解液領域21dでは、鉄イオンと水酸化物イオンとが反応し、水酸化鉄が生成される。これにより、第4の電解液領域21dでは、水酸化鉄の濃度が高まる。一方、第5の電解液領域21eでは、硫酸化物イオンと、水素イオンとが反応し、硫酸が生成される。これにより、第5の電解液領域21eでは、硫酸濃度が高まる。このように、硫酸鉄溶液から水酸化鉄と硫酸とを取り出す脱塩処理を行うことができる。よって、例えば河川水の不純物を取り除くことができる。なお、電解液槽2に回収経路を設けて得られた物質を回収してもよい。

0099

図12に示す光電気化学反応装置10は、図9に示す光電気化学反応装置10と比較して、イオン移動経路22からなるイオン移動経路22aと、管状構造を有するイオン移動経路22bとを備える電解液槽2を具備する点が少なくとも異なる。イオン移動経路22aは、図9に示すイオン移動経路22と同じ機能を有するため、説明を省略する。イオン移動経路22bは、図10に示すイオン移動経路22bと同じ機能を有するため、説明を省略する。

0100

図13に示す光電気化学反応装置10は、図10に示す光電気化学反応装置10と比較して、イオン移動経路22cを備える電解液槽2を具備する点が少なくとも異なる。イオン移動経路22cは、第1の電解液領域21aと第3の電解液領域21cとを接続する。これに限定されず、イオン移動経路22cにより第2の電解液領域21bと第3の電解液領域21cとを接続してもよい。これにより、酸化還元反応の効率を高めることができる。

0101

図14に示す光電気化学反応装置10は、図12に示す光電気化学反応装置10と比較して、循環ポンプ5を具備する点が少なくとも異なる。循環ポンプ5は、イオン移動経路22aに設けられる。なお、イオン移動経路22bにも循環ポンプを設けてもよい。循環ポンプ5により、イオン移動経路22aにおける電解液の流動方向を例えば第1の電解液領域21aから第2の電解液領域21bの方向にし、イオン移動経路22bにおける電解液の流動方向を例えば第2の電解液領域21bから第1の電解液領域21aの方向にしてもよい。このとき、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは膜形状でなくてもよい。

0102

図15に示す光電気化学反応装置10は、図9に示す光電気化学反応装置10と比較して、管状構造を有するイオン移動経路22の代わりに、光電変換セル3を貫通する貫通孔からなるイオン移動経路22を具備する点が少なくとも異なる。このとき、イオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bは、貫通孔からなるイオン移動経路22を閉塞するように設けられる。

0103

また、図16に示すように、還元電極層31および酸化電極層32の少なくとも一方に接するようにバイポーラ膜4を設けてもよい。これに限定されず、バイポーラ膜4の代わりにイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bを別々に設けてもよい。

0104

図17および図18は、貫通孔からなるイオン移動経路22の構成例を示す模式図である。例えば、図17に示すように、光電変換セル3に貫通孔からなるイオン移動経路22をスリット状に設けてもよい。このとき、スリット状のイオン移動経路22の内部にイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bが設けられる。また、図18に示すように、光電変換セル3を分割するように、貫通孔からなるイオン移動経路22を設けてもよい。このとき、光電変換セル3をイオン交換膜4aおよびイオン交換膜4bにより支持することが好ましい。

0105

貫通孔からなるイオン移動経路22は、例えばエッチング等により光電変換セル3の一部を除去することにより形成される。なお、複数の開口工程により貫通孔からなるイオン移動経路22を形成してもよい。

0106

図19は光電気化学反応装置の構成例を示す断面模式図であり、図20は光電気化学反応装置の構造例を示す外観模式図である。図19および図20に示す光電気化学反応装置10は、図1に示す光電気化学反応装置10と比較して、管状構造を有する電解液槽2を具備し、イオン交換膜4aとしてイオン交換膜4a1およびイオン交換膜4a2を具備し、イオン交換膜4bとしてイオン交換膜4b1およびイオン交換膜4b2を具備する点が少なくとも異なる。

0107

電解液槽2は、管状構造を有しているが、管の径方向の形状が必ずしも真円である必要はない。電解液槽2は、例えば透明のガラス樹脂を用いて構成されていてもよい。これにより、光の屈折を利用して光電変換層33に光を集めることができる。また、製造や設置が容易で簡単にコストを抑制することができる。また、電解液槽2の外周に光反射部材を設けることにより、光電変換層33に光を集めることもできる。このとき、光反射部材を光反射機能を有する触媒により構成することにより構造を単純にすることができる。このとき、光電変換層33を中央に配置せず、パイプ外部と内部の屈折率の違いで集光する構成であってもよい。

0108

導電性基板30は、例えば管状構造を有する。導電性基板30の径方向の形状は、必ずしも真円である必要はない。

0109

還元電極層31は、電解液槽2の内周の少なくとも一部に沿って設けられる。還元電極層31は、電解液槽2により支持される。なお、電解液槽2の内周に沿って管状構造を有する還元電極層31を設けてもよい。

0110

酸化電極層32は、導電性基板30の内周の少なくとも一部に沿って設けられる。酸化電極層32は、例えば管状構造を有する。酸化電極層32の径方向の形状は、必ずしも真円である必要はない。

0111

光電変換層33は、酸化電極層32の内周の少なくとも一部に沿って設けられる。光電変換層33は、例えば管状構造を有する。このとき、光電変換層33の第1の面は、配線等を介して還元電極層31に電気的に接続される。光電変換層33の径方向の形状は、必ずしも真円である必要はない。

0112

イオン交換膜4a1、イオン交換膜4a2、イオン交換膜4b1、およびイオン交換膜4b2は、第1の電解液領域21a(電解液1a)と第2の電解液領域21b(電解液1b)とを分離するように設けられる。イオン交換膜4a2は、イオン交換膜4b1とイオン交換膜4b2との間に設けられる。イオン交換膜4b2は、イオン交換膜4a1とイオン交換膜4a2との間に設けられる。なお、イオン交換膜の枚数や順番はこれに限定されない。

0113

第1の電解液領域21aは、管状構造を有する電解液槽2の内周に沿って第2の電解液領域21bを囲むように設けられる。これに限定されず、管状構造を有する電解液槽2の内周に沿って第2の電解液領域21bを囲むように第1の電解液領域21aを設けてもよい。このとき、還元電極層31は、酸化電極層32および光電変換層33よりも内周に設けられる。

0114

管状構造を有する電解液槽2を具備する構成にすることにより、電解液が流動しやすくなる。よって、効率良く酸化還元反応を行うことができるため、光から化学物質への変換効率を高めることができる。

0115

本実施形態の光電気化学反応装置は、図1ないし図20を参照して説明した構成に限定されない。例えば、光電変換セル3に光を照射することにより発生する熱を利用して電解液に温度勾配を設けてもよい。これにより、電解液槽2内で対流を発生させ、自動的に電解液を循環させることができ、拡散の影響を抑制することができる。また、光電変換セル3の性能を安定にするために電解液の温度を均一化することもできる。さらに、電解液槽2にヒータクーラを設けることで電解液の温度を制御することにより、光電変換セル3の性能が向上し、反応効率を高めることができる。また、温度上昇を防ぐことにより光電気化学反応装置10のシステムが安定する。光電変換セル3の性能と触媒の温度による選択性を変化させることにより、生成物を制御することもできる。

0116

上記に挙げた光電変換装置を1つ以上用いて光電変換モジュールを構成することができる。例えば、太陽光によるエネルギーは低いため、大きな面積に対してわずかの物質供給で足りることから、面積が1m2を超えるようなモジュールや複数の光電変換装置を供給流路で連結した方式や、配管形状供給流路内に少なくとも酸化触媒層還元触媒層を設ける方式を用いてもよい。この際に供給流路の一部にヒータや温度センサを設けてもよい。

0117

なお、図1ないし図20に示す光電気化学反応装置10の一部は、互いに適宜置換することができる。また、図1ないし図20に示す光電気化学反応装置10の少なくとも一部を、互いに適宜組合わせることができる。

0118

上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0119

1a…電解液、1b…電解液、2…電解液槽、3…光電変換セル、4…バイポーラ膜、4a…イオン交換膜、4a1…イオン交換膜、4a2…イオン交換膜、4b…イオン交換膜、4b1…イオン交換膜、4b2…イオン交換膜、5…循環ポンプ、10…光電気化学反応装置、21a…第1の電解液領域、21b…第2の電解液領域、21c…第3の電解液領域、21d…第4の電解液領域、21e…第5の電解液領域、22…イオン移動経路、22a…イオン移動経路、22b…イオン移動経路、22c…イオン移動経路、30…導電性基板、31…還元電極層、32…酸化電極層、33…光電変換層、33a…光電変換層、33b…光電変換層、33c…光電変換層、34…光反射層、35…金属酸化物層、36…金属酸化物層、331i…i型半導体層、331n…n型半導体層、331p…p型半導体層、332i…i型半導体層、332n…n型半導体層、332p…p型半導体層、333i…i型半導体層、333n…n型半導体層、333p…p型半導体層。

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