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技術 ロック偏移検出器及びロック偏移検出方法

出願人 日本信号株式会社
発明者 小林直弘橋本優希赤羽一樹岡見毅彦
出願日 2015年11月16日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-224211
公開日 2016年6月2日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2016-101917
状態 特許登録済
技術分野 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 重畳範囲 比率表示 センサー端末 検出器ケース 転換動作 注意警報 転換機 移動スリット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月2日)のものです。
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図面 (11)

課題

現場保守作業において鎖錠かん偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質一貫性を確保するロック偏移検出器及びロック偏移検出方法を提供する。

解決手段

ロック偏移検出器1は、鎖錠かんの偏移を数値により連続的に計測する計測部3と、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置とロックピースの位置とにより発生する偏移を検出する検出部6と、鎖錠かんの偏移を表示する表示部9とを備え、ロック偏移検出方法は、出荷時に初期値として偏移量に関する任意な閾値を設定するステップと、偏移量又は正常か異常かを示す表示を確認するステップと、必要であれば、連続的に数値で表示される偏移量により鎖錠かんの位置調整又は片寄調整を現場にて行うステップと、必要であれば偏移量に関する変更を行うステップと、を備える。

概要

背景

図8に、鉄道線路分岐器50及び転てつ機30の一つの実施例の構成を平面図で示す。また、図9に、転てつ機30の鎖錠かん39近傍の平面図を示す。さらに、図10に、図9をX方向から見た正面図を示す。

図8に示すように、転てつ機30は、動作かん36、クラッチ37、駆動モータ38、鎖錠かん39から構成される。そして、転てつ機30は、動力伝達手段であるマグネットクラッチ37を介して駆動モータ38に接続して動作かん36を動作させる。以下、転てつ機30の転換機能及びロック機能について説明する。

(転換機能)
転てつ機30は、基本レール32a,32bに対して一対のトングレール33a,33bを密着又は離間させることで線路分岐させ、列車進路切り替える転換機構を備える。すなわち、転てつ機30は、駆動モータ38の回転運動を動作かん36の直線運動に変換させ、動作かん36の先端部においてトングレール33に接続された転てつ棒35を押し引きしてトングレール33a,33bを転換させる。

(ロック機能)
また、転てつ機30は、接続用ロッド31を介して鎖錠かん39をトングレール33に接続させ、トングレール33の動作に連動して鎖錠かん39を移動させ、転換動作終了時にトングレール33の状態を維持するロック機能を備える。すなわち、図10に示すように、転てつ機30は、ロックピース41が、鎖錠かん39a,39bに設けられた切り欠き42a,42bに挿入されることでロックされ、抜き出されることで移動可能となる。この鎖錠かん39は副鎖錠かん39b及び主鎖錠かん39aから構成される。また、鎖錠かん39は連結部材34に連結され、連結部材34の中間には、鎖錠かん39の位置を微調整するための調整ネジ及び調整ナット45が設けられている(図8参照)。また、鎖錠かん39側にも調整ナット45が設けられている(図10参照)。なお、ロック偏移量とは、ロックピース41の左右に均等に隙間を配して調整したロックピース41の中心点に対する鎖錠かん39の移動量をいう。

上記転換動作の最終段階ロック動作を行う際に、鎖錠かん39の位置が基準位置に対して大きくずれると、上記ロックピース41を鎖錠かん39a,39bに設けられた切り欠き42a,42bに挿入できなくなる。その原因としては、例えば、列車通過の繰り返しによるレール32,33や転てつ機30の位置ずれなどがある。また、トングレール33a,33bと基本レール32a,32bとの隙間に異物が挟まっている場合もある。これらの場合にはトングレール33a,33bを正常にロックできないため車輛の安全走行に支障をきたす。

そのため、現状では、定期的に現場保守作業者が転てつ機30に設けられた点検用の蓋43を開けて転てつ機30の内部を覗き込み。切り欠き42a,42bに挿入されたロックピース41の左右の隙間のバランスをみて、ロックピース41が切り欠き42の中心に位置していることを確認する。そして、ずれが生じている場合には連結部材34の調整ナット45及び鎖錠かん39の調整ナット45により鎖錠かん39a,39bの位置を調整していた。

また、分岐器50によっては、転てつ機30ロックピース41と切り欠き42a,42bとの適切な位置関係固有の「癖」があり、ロックピース41を切り欠き42a,42bの中心位置からずらして調整する、いわゆる「片寄調整」が行われる場合がある。

従来、ロックピース41と切り欠き42a,42bとの偏移を検出するロック狂い検出器が用いられていた。このロック狂い検出器は、発光素子及び受光素子からなる光学式センサーを用いてロックピース41と切り欠き42a,42bとの偏移が閾値を超えたか否かを検出していた。

特許文献1に、上記光学式センサーによるロック狂い検出器を改良したロック狂い検出器が開示されている。すなわち、作業者熟練を強いることなく容易に鎖錠桿の位置が適正か否かを確認するロック狂い検出器が備えられた転てつ機が開示されている。ここでは、転てつ機はトングレールに接続される鎖錠かんと、そこに設けられた切り欠きに対して進入退出可能に設けられたロックピースと、転てつ機ケースに対して一体的に設けられた一対の固定スリット部材と、鎖錠かんに対して一体的に設けられた移動スリット部材とを備える。固定スリット部材のそれぞれには、固定スリットが形成されている。移動スリット部材には、複数の移動スリットが形成されており、その形成範囲は、鎖錠かんが基準位置にあるときに、固定スリットと重畳する重畳範囲と、固定スリットよりも左側に広がる左部範囲と、固定スリットよりも右側に広がる右部範囲とを有することが記載されている。

また、特許文献2には、従来のロック偏移量の段階表示機能を維持しつつも、より0点に近い狭い範囲に対応した表示も可能とする、センサー端末を用いた転てつ機のロック偏移量検出器が開示されている。ここでは、検出したロック偏移量を複数の範囲(B、CR,CL等)に分けて段階表示する表示器を備えた転てつ機のロック偏移量検出器であって、最もロック偏移量の0点に近い範囲を、比較的広い範囲Bと、比較的狭い範囲Aとに切り替える表示モード切替手段を有する、ことが記載されている。

概要

現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質一貫性を確保するロック偏移検出器及びロック偏移検出方法を提供する。ロック偏移検出器1は、鎖錠かんの偏移を数値により連続的に計測する計測部3と、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置とロックピースの位置とにより発生する偏移を検出する検出部6と、鎖錠かんの偏移を表示する表示部9とを備え、ロック偏移検出方法は、出荷時に初期値として偏移量に関する任意な閾値を設定するステップと、偏移量又は正常か異常かを示す表示を確認するステップと、必要であれば、連続的に数値で表示される偏移量により鎖錠かんの位置調整又は片寄調整を現場にて行うステップと、必要であれば偏移量に関する変更を行うステップと、を備える。

目的

本願の目的は、かかる課題を解決し、現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質の一貫性を確保するロック偏移検出器及びロック偏移検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

トングレールに接続される鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置との偏移を、ロック偏移検出器に対する前記鎖錠かんの偏移量として連続的に計測することで検出する検出部と、前記切り欠きの位置と、前記ロックピースの位置との前記偏移量を数値で表示するか、又は前記偏移を表示する表示部と、を備えることを特徴とするロック偏移検出器。

請求項2

請求項1に記載のロック偏移検出器であって、前記検出部は、前記切り欠きと前記ロックピースとにより生じる両側の隙間量比率を前記ロック偏移検出器に対する前記鎖錠かんの偏移量から算出して検出し、前記表示部は、前記隙間量又は前記比率を数値で表示することを特徴とするロック偏移検出器。

請求項3

請求項1に記載のロック偏移検出器であって、前記鎖錠かんに設けられて移動する計測片の位置をセンサに発生する電圧により計測する計測部を備え、前記検出部は、前記計測部が計測した電圧値から前記鎖錠かんの偏移量を算出して表示部に表示させることを特徴とするロック偏移検出器。

請求項4

請求項3に記載のロック偏移検出器であって、前記鎖錠かんに設けられて移動する計測片の位置をセンサに発生する電圧により計測する計測部を備え、前記検出部は、前記計測部が計測した電圧値を偏移量としてそのまま表示部に表示させることを特徴とするロック偏移検出器。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロック偏移検出器であって、前記数値に関する閾値を設定する閾値入力部と、入力された閾値を記憶する記憶部と、前記数値が閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、を備え、前記閾値入力部は、現場において任意な閾値が設定可能な閾値入力手段を有することを特徴とするロック偏移検出器。

請求項6

請求項5に記載のロック偏移検出器であって、前記閾値入力部は、少なくとも前記数値が異常なレベルであることを示す閾値と、前記閾値よりも低い数値であって前記数値が注意喚起すべきレベルであることを示す閾値と、が設定可能なことを特徴とするロック偏移検出器。

請求項7

請求項6に記載のロック偏移検出器であって、前記閾値判定部は、閾値入力部が設定した複数の閾値を超えた場合のそれぞれにつき、いずれの閾値によるかが判別可能な信号を前記表示部に送信し、前記表示部は、前記信号を受信した場合には、いずれの閾値による警報かが判別可能な警報を発報することを特徴とするロック偏移検出器。

請求項8

請求項3乃至7のいずれか1項に記載のロック偏移検出器であって、前記記憶部に記憶された前記閾値と、計測された前記偏移量とを、前記表示部を有して取外し自在な転てつ機モニタ、又は携帯端末としての転てつ機モニタに出力する出力部を備えることを特徴とするロック偏移検出器。

請求項9

請求項8に記載のロック偏移検出器であって、前記出力部は、少なくとも前記表示部に表示される情報を前記取り付けた状態の転てつ機モニタ、前記取外された状態の転てつ機モニタ、又は前記携帯端末としての転てつ機モニタに伝送する伝送端末手段を有することを特徴とするロック偏移検出器。

請求項10

鎖錠かんに設けられた切り欠きとロックピースとの偏移をロック偏移検出器に対する前記鎖錠かんの偏移量から検出するロック偏移検出方法において、前記鎖錠かんの偏移量に関する任意な閾値を現場にて設定するステップと、前記偏移量又は正常か異常かを示す表示を確認するステップと、必要であれば、連続的に数値で表示される偏移量により鎖錠かんの位置調整を現場にて行うステップと、を備えることを特徴とするロック偏移検出方法。

請求項11

請求項8に記載のロック偏移検出方法であって、転てつ機が前記鎖錠かんの偏移に関して片寄調整を必要とする場合には、数値で示された鎖錠かんの偏移を用いて鎖錠かんの位置調整をするステップを備えることを特徴とするロック偏移検出方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄道線路転てつ機に用いられるロック偏移検出器及びロック偏移検出方法係り、特に、トングレールに接続される鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置とにより発生する偏移を検出するロック偏移検出器及びロック偏移検出方法に関する。

背景技術

0002

図8に、鉄道線路の分岐器50及び転てつ機30の一つの実施例の構成を平面図で示す。また、図9に、転てつ機30の鎖錠かん39近傍の平面図を示す。さらに、図10に、図9をX方向から見た正面図を示す。

0003

図8に示すように、転てつ機30は、動作かん36、クラッチ37、駆動モータ38、鎖錠かん39から構成される。そして、転てつ機30は、動力伝達手段であるマグネットクラッチ37を介して駆動モータ38に接続して動作かん36を動作させる。以下、転てつ機30の転換機能及びロック機能について説明する。

0004

(転換機能)
転てつ機30は、基本レール32a,32bに対して一対のトングレール33a,33bを密着又は離間させることで線路分岐させ、列車進路切り替える転換機構を備える。すなわち、転てつ機30は、駆動モータ38の回転運動を動作かん36の直線運動に変換させ、動作かん36の先端部においてトングレール33に接続された転てつ棒35を押し引きしてトングレール33a,33bを転換させる。

0005

(ロック機能)
また、転てつ機30は、接続用ロッド31を介して鎖錠かん39をトングレール33に接続させ、トングレール33の動作に連動して鎖錠かん39を移動させ、転換動作終了時にトングレール33の状態を維持するロック機能を備える。すなわち、図10に示すように、転てつ機30は、ロックピース41が、鎖錠かん39a,39bに設けられた切り欠き42a,42bに挿入されることでロックされ、抜き出されることで移動可能となる。この鎖錠かん39は副鎖錠かん39b及び主鎖錠かん39aから構成される。また、鎖錠かん39は連結部材34に連結され、連結部材34の中間には、鎖錠かん39の位置を微調整するための調整ネジ及び調整ナット45が設けられている(図8参照)。また、鎖錠かん39側にも調整ナット45が設けられている(図10参照)。なお、ロック偏移量とは、ロックピース41の左右に均等に隙間を配して調整したロックピース41の中心点に対する鎖錠かん39の移動量をいう。

0006

上記転換動作の最終段階ロック動作を行う際に、鎖錠かん39の位置が基準位置に対して大きくずれると、上記ロックピース41を鎖錠かん39a,39bに設けられた切り欠き42a,42bに挿入できなくなる。その原因としては、例えば、列車通過の繰り返しによるレール32,33や転てつ機30の位置ずれなどがある。また、トングレール33a,33bと基本レール32a,32bとの隙間に異物が挟まっている場合もある。これらの場合にはトングレール33a,33bを正常にロックできないため車輛の安全走行に支障をきたす。

0007

そのため、現状では、定期的に現場保守作業者が転てつ機30に設けられた点検用の蓋43を開けて転てつ機30の内部を覗き込み。切り欠き42a,42bに挿入されたロックピース41の左右の隙間のバランスをみて、ロックピース41が切り欠き42の中心に位置していることを確認する。そして、ずれが生じている場合には連結部材34の調整ナット45及び鎖錠かん39の調整ナット45により鎖錠かん39a,39bの位置を調整していた。

0008

また、分岐器50によっては、転てつ機30ロックピース41と切り欠き42a,42bとの適切な位置関係固有の「癖」があり、ロックピース41を切り欠き42a,42bの中心位置からずらして調整する、いわゆる「片寄調整」が行われる場合がある。

0009

従来、ロックピース41と切り欠き42a,42bとの偏移を検出するロック狂い検出器が用いられていた。このロック狂い検出器は、発光素子及び受光素子からなる光学式センサーを用いてロックピース41と切り欠き42a,42bとの偏移が閾値を超えたか否かを検出していた。

0010

特許文献1に、上記光学式センサーによるロック狂い検出器を改良したロック狂い検出器が開示されている。すなわち、作業者熟練を強いることなく容易に鎖錠桿の位置が適正か否かを確認するロック狂い検出器が備えられた転てつ機が開示されている。ここでは、転てつ機はトングレールに接続される鎖錠かんと、そこに設けられた切り欠きに対して進入退出可能に設けられたロックピースと、転てつ機ケースに対して一体的に設けられた一対の固定スリット部材と、鎖錠かんに対して一体的に設けられた移動スリット部材とを備える。固定スリット部材のそれぞれには、固定スリットが形成されている。移動スリット部材には、複数の移動スリットが形成されており、その形成範囲は、鎖錠かんが基準位置にあるときに、固定スリットと重畳する重畳範囲と、固定スリットよりも左側に広がる左部範囲と、固定スリットよりも右側に広がる右部範囲とを有することが記載されている。

0011

また、特許文献2には、従来のロック偏移量の段階表示機能を維持しつつも、より0点に近い狭い範囲に対応した表示も可能とする、センサー端末を用いた転てつ機のロック偏移量検出器が開示されている。ここでは、検出したロック偏移量を複数の範囲(B、CR,CL等)に分けて段階表示する表示器を備えた転てつ機のロック偏移量検出器であって、最もロック偏移量の0点に近い範囲を、比較的広い範囲Bと、比較的狭い範囲Aとに切り替える表示モード切替手段を有する、ことが記載されている。

先行技術

0012

特許第5006760号公報
特開2010−215004号公報

発明が解決しようとする課題

0013

従来のロック狂い検出器は、転てつ機が正常であるか異常であるかが、例えば監視室などのパイロットランプに表示され、鎖錠かんの偏移量規定値以上であると判定された場合に限り警報が上げられていた。このため現場での保守作業時には鎖錠かんの偏移量を調整すべきか否かが分かり難く、保守作業員は転てつ機内の奥まった場所にあるロックピースを覗き込みながら調整作業を行わなければならなかった。この保守作業は、作業性が悪いだけではなく、保守作業員の経験やなどに基づくため保守作業の品質一貫性が確保できない、という問題があった。

0014

また、引用文献1に示す従来のロック狂い検出器は、上記従来のロック狂い検出器の問題点を改善してはいるが、例えば、分岐器の「癖」に応じてロックピースを切り欠きの中心からずらして調整するという、いわゆる「片寄調整」をする場合などに作業性が悪いだけではなく、保守作業員の経験や勘などに基づくため保守作業の品質の一貫性が確保できない、という問題があった。

0015

さらに、引用文献2に示すセンサー端末を用いた転てつ機のロック偏移量検出器は、引用文献2に記載されているようにLEメータによる表示のため、直感的に偏移量が掴めない、また、状態の表示が段階的なので細かい微調整ができない、という問題があった。

0016

本願の目的は、かかる課題を解決し、現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質の一貫性を確保するロック偏移検出器及びロック偏移検出方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0017

上記目的を達成するため、本発明に係るロック偏移検出器は、トングレールに接続される鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置との偏移を、ロック偏移検出器に対する鎖錠かんの偏移量として連続的に計測することで検出する検出部と、切り欠きの位置と、ロックピースの位置との偏移量を数値で表示するか、又は偏移を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。以下、本発明のロック偏移検出器の表示方法についての特徴である、「数値表示」及び「連続表示」について説明する。また、本発明のロック偏移検出器の表示単位についての特徴である、「比率表示」及び「電圧表示」についても説明する。

0018

(数値表示)
上記構成により、転てつ機の保守作業において、鎖錠かんの偏移量が数値で計測され、それにより、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置とロックピースの位置とにより発生する偏移が適切に検出される。また、検出部により計測された鎖錠かんの偏移が表示部により数値で表示されるか又は偏移が表示される。従来、保守作業員が転てつ機内の奥まった場所にあるロックピースを覗き込みながら行っていた調整作業が、転てつ機に設けられた偏移が数値表示される表示部を確認することで達成できる。これにより、例えば、鎖錠かんの偏移量調整を行う場合、或いは、分岐器の「癖」に応じてロックピースを切り欠きの中心からずらして調整するという、いわゆる「片寄調整」をする場合などに、数値表示されることで、それらの作業性が大幅に改善される。また、従来、保守作業員が経験や勘などに基づいて行ってきた保守作業が、数値表示される偏移に基づいて行われることで保守作業の品質の一貫性が確保できる。

0019

(連続表示)
また、転てつ機の保守作業において、検出部により鎖錠かんの偏移が連続的に計測され、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置とにより発生する偏移が常に検出できる。また、検出部により計測された鎖錠かんの偏移が表示部により連続的に表示される。従来、保守作業員が転てつ機内の奥まった場所にあるロックピースを覗き込みながら行っていた調整作業が、現場に設けられた偏移が連続的に表示される表示部を確認することで達成される。これにより、例えば、分岐器の「癖」に応じてロックピースを切り欠きの中心からずらして調整するという、いわゆる「片寄調整」をする場合などに、連続表示されることで、作業性が大幅に改善されるだけではなく、保守作業員の経験や勘ではなく、連続表示される数値に基づく片寄調整が可能となり、保守作業の品質の一貫性が確保できる。

0020

また、ロック偏移検出器は、検出部が切り欠きと前記ロックピースとにより生じる両側の隙間量比率をロック偏移検出器に対する鎖錠かんの偏移量から算出して検出し、表示部は、隙間量又は比率を数値で表示することが好ましい。これにより、鎖錠かんの偏移を左右の比率で表示することで特に経験の浅い保守作業員は、感覚的に偏移の具合簡易に判断することができる。

0021

また、ロック偏移検出器は、鎖錠かんに設けられて移動する計測片の位置をリニアセンサに発生する電圧により計測する計測部を備え、検出部は計測部が計測した電圧値から鎖錠かんの偏移量を算出して表示部に表示させることが好ましい。このように、リニアセンサを用いることで偏移量を連続的にかつ数値表示により検出できる。また、現場の保守作業員にとって分かり易い数値表示が連続的に表示され、作業性が大幅に改善されるだけではなく、保守作業の品質の一貫性が確保できる。

0022

(電圧表示)
また、ロック偏移検出器は、鎖錠かんに設けられて移動する計測片の位置をリニアセンサに発生する電圧により計測する計測部を備え、検出部は計測部が計測した電圧値を偏移量としてそのまま表示部に表示させることが好ましい。このように、リニアセンサを用いることで偏移量を連続的にかつ数値表示により検出できる。さらに、リニアセンサから生じる電圧値をそのまま表示することで調整・保守作業員は、扱い慣れた電圧値により偏移の程度を判断することができる。

0023

また、ロック偏移検出器は、数値に関する閾値を設定する閾値入力部と、入力された閾値を記憶する記憶部と、数値が閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部とを備え、閾値入力部は、現場において任意な閾値が設定可能な閾値入力手段を有することが好ましい。これにより、閾値入力部により分岐器が有する「癖」を考慮して当該転てつ機の閾値を現場にて設定したり、季節ごとの気象状況に応じて閾値を調整したりするなど、閾値判定部の判定の有効性を高めることができる。

0024

また、ロック偏移検出器は、閾値入力部が少なくとも数値が異常なレベルであることを示す閾値と、閾値よりも低い数値であって数値が注意喚起すべきレベルであることが好ましい。これにより、現場において異常検出前段階で注意警報を上げることができ、現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質を向上させることができる。

0025

また、ロック偏移検出器は、閾値判定部が閾値入力部が設定した複数の閾値を超えた場合のそれぞれにつき、いずれの閾値によるかが判別可能な信号を表示部に送信し、表示部は、信号を受信した場合には、いずれの閾値による警報かが判別可能な警報を発報することが好ましい。これにより、鎖錠かんに設けられた切り欠きとロックピースとにより発生する偏移を適切に判別することが可能となり、現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性を改善し、保守作業の品質の一貫性を確保することができる。

0026

また、ロック偏移検出器は、記憶部に記憶された閾値と、計測された偏移量とを、表示部を有して取外し自在な転てつ機モニタ、又は携帯端末としての転てつ機モニタに出力する出力部を備えることが好ましい。これにより、現場保守員は、転てつ機ごとに入力した閾値の記録と、偏移量の記録とを参照しながら保守作業を行うことができ、その分岐器の特性や癖を連続した数値により容易に把握することができる。

0027

また、ロック偏移検出器は、出力部が少なくとも表示部に表示される情報を取り付けた状態の転てつ機モニタ、取外された状態の転てつ機モニタ、又は携帯端末としての転てつ機モニタに伝送する伝送端末手段を有することが好ましい。このように、ロック偏移検出器において出力される情報が、取り付けた状態の転てつ機モニタ、又は取外された状態の転てつ機モニタに表示される。

0028

上記目的を達成するため、本発明に係るロック偏移検出方法は、鎖錠かんに設けられた切り欠きとロックピースとの偏移をロック偏移検出器に対する鎖錠かんの偏移量から検出するロック偏移検出方法において、鎖錠かんの偏移量に関する任意な閾値を現場にて設定するステップと、偏移量又は正常か異常かを示す表示を確認するステップと、必要であれば、連続的に数値で表示される偏移量により鎖錠かんの位置調整を現場にて行うステップと、を備えることを特徴とする。以下、本発明のロック偏移検出方法の特徴である、「数値表示」及び「連続表示」について説明する。

0029

(数値表示)
上記構成により、転てつ機の保守作業において、鎖錠かんの偏移が数値により計測され、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置とにより発生する偏移が適切に検出される。また、計測された鎖錠かんの偏移が数値により表示される。従来、保守作業員が転てつ機内の奥まった場所にあるロックピースを覗き込みながら行っていた調整作業が、転てつ機に設けられた偏移を数値による表示で確認することにより達成できる。これにより、鎖錠かん偏移調整の作業性が大幅に改善される。また、従来、保守作業員が経験や勘などに基づいて行ってきた保守作業が、数値により表示される偏移により行われることで保守作業の品質の一貫性が確保できる。

0030

(連続表示)
また、転てつ機の保守作業において、鎖錠かんの偏移が連続的に計測され、鎖錠かんに設けられた切り欠きの位置と、ロックピースの位置とにより発生する偏移が常に検出できる。また、計測された鎖錠かんの偏移が連続的に表示される。従来、保守作業員が転てつ機内の奥まった場所にあるロックピースを覗き込みながら行っていた調整作業が、転てつ機に設けられた偏移を連続して確認することで達成できる。これにより、例えば、分岐器の癖に応じてロックピースを切り欠きの中心からずらして調整するという、いわゆる片寄調整をする場合などに、作業性が改善されるだけではなく、保守作業員の経験や勘ではなく、連続的に表示される数値に基づく片寄調整が可能となり、保守作業の品質の一貫性が確保できる。

0031

また、ロック偏移検出方法は、転てつ機が鎖錠かんの偏移に関して片寄調整を必要とする場合には、数値で示された鎖錠かんの偏移を用いて鎖錠かんの位置調整をするステップを備えることが好ましい。このように、片寄調整が必要な場合には、連続的に数値で表示される鎖錠かんの偏移を用いて容易にかつ精度良く調整ができる。

発明の効果

0032

以上のように、本発明に係るロック偏移検出器及びロック偏移検出方法によれば、現場の保守作業において鎖錠かんの偏移調整の作業性が改善され、保守作業の品質の一貫性が確保されるロック偏移検出器及びロック偏移検出方法が提供できる。

図面の簡単な説明

0033

本発明に係るロック偏移検出器の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
ロック偏移検出器における偏移量の計測方法を示す説明図である。
ロック偏移検出器における偏移量の計測に基づき、鎖錠かんの偏移を検出する方法を示す説明図である。
ロック偏移検出器における偏移量の検出とその表示方法に関するブロック図及び説明図である。
ロック偏移検出器の表示部の表示方法の一つの実施例である「比率表示」を示す説明図である。
ロック偏移検出器の表示部の表示方法の他の実施例である「電圧表示」を示す説明図である。
本発明に係るロック偏移検出器の調整手順を示すフローチャートである。
鉄道線路の転てつ機の一つの実施例の構成を示す平面図である。
転てつ機の鎖錠かん近傍を示す平面図である。
図9のX方向から見た正面図である。

実施例

0034

以下に、図面を用いて本発明に係るロック偏移検出器1の実施形態につき、詳細に説明する。図1に、本発明に係るロック偏移検出器1の実施形態の概略構成をブロック図で示す。また、図2に、ロック偏移検出器1における偏移量の計測方法を示す。さらに、図3に、ロック偏移検出器1における偏移量の計測に基づき、鎖錠かん14の偏移を検出する方法を示す。ここで、「偏移量」とは数値で表される移動量についての表現手段をいい、「偏移」とは、数値で表された移動量だけではなく、例えば図表グラフ、或いは色彩音声などで表される移動量についての表現手段をも含む。

0035

図8に示すように、転てつ機30は、トングレール33の動作に連動して鎖錠かん39を移動させ、転換動作終了時にトングレール33の状態を維持するロック機能を備える。従って、図2に示すように、ロックピース11が、鎖錠かん14に設けられた切り欠き12に挿入されることで鎖錠かん14の動きがロックされ、抜き出されることで移動が可能となる。このロックピース11は切り欠き12の中心位置にあるのが望ましいが、例えば、列車通過の繰り返しによるレール32,33や転てつ機30の位置がずれたり、基本レール32とトングレール33との間に異物が挟まるなどの異常が発生すると、切り欠き12がロックピース11からずれてしまい鎖錠かん14のロックが完了しなくなる場合が発生する。そこで、ロック偏移検出器1は、検出器ケース10にリニアセンサ2を設けて鎖錠かん14の偏移量を数値により連続的に計測し、その計測結果から、ロックピース11と切り欠き12の中心位置との偏移を検出して表示する。

0036

(ロック偏移検出器の構成要素)
ロック偏移検出器1は、計測部3、処理部4及び表示部9から構成される。計測部3は、リニアセンサ2により鎖錠かん14の偏移量を計測する。処理部4は、閾値入力部5、検出部6、記憶部7、出力部25、及び判定部8から構成される。閾値入力部5には鎖錠かん14の偏移量に対する閾値(K)が入力される。入力された閾値(K)は記憶部7に記憶されるが、検出された偏移量も記憶部7に記憶されても良い。検出部6は、ロックピース11と切り欠き12との位置関係を計測部3が計測した鎖錠かん14の偏移量から検出する。出力部25は偏移量を出力するが、入力された閾値(K)を出力しても良い。さらに、表示部9は、比率表示部9a及び偏移表示部9bから構成され、ロックピース11の両側の隙間量又はそれらの隙間量の比率を数値で表示するか、又は、例えば図表やグラフ、或いは色彩や音声などにより偏移を表示する。以下、各構成要素について詳細に説明する。

0037

(計測部の機能)
図2に示すように、計測部3は、検出器ケース10に接続されたリニアセンサ2により、鎖錠かん14に設けられて移動する計測片13の移動量を計測する。このリニアセンサ2は本実施形態ではプランジャーセンサーであり、2台のセンサーにより計測片13の移動量を計測するが、他の種類のリニアセンサ2であっても良く、台数も2台に限らない。このプランジャーの押し込み量出力電圧の変化を生じて処理部4にその電圧を出力する。そして、処理部4にて出力の増幅及び変換が行われる。

0038

図2に示すように、鎖錠かん14は、接続用ロッド19に接続され、連結部材16を介して一対のトングレール15a,15bに連結される。そして、連結部材16には調整ネジ17、及び調整ネジ17の両側に設けられた調整ナット18が設けられている。鎖錠かん14の位置を調整するには、両側の調整ナット18を回転させて調整ネジ17の位置を移動させる。

0039

図3に示すように、鎖錠かん14には、ロックピース11及び切り欠き12によるロック機構と、リニアセンサ2及び計測片13による偏移量計測手段が共に設けられている。このロック機構及び偏移量計測手段は、鎖錠かん14の隣接する面にそれぞれ設けられている。このうち、リニアセンサ2は検出器ケース10に接続されている。一方、切り欠き12及び計測片13は鎖錠かん14の動きに追従する。従って、鎖錠かん14が図3中に矢印で示す方向にbだけ偏移すると長さ(B)のプランジャーは長さ(B+b)となり、同時に、ロックピース11及び切り欠き12の両側の隙間(m,n)は、隙間(m+b,n−b)となる。このように、ロックピース11及び切り欠き12によるロック機構における偏移量は、リニアセンサ2及び計測片13による偏移量計測手段により計測が可能となる。

0040

(閾値入力部の機能)
閾値入力部5は、ロックピース11と切り欠き12の中心位置との位置関係につき、計測部3が計測した数値に関する閾値(K)を設定する。そして、ロック偏移検出器1の閾値入力部5は、転てつ機の現場において任意な閾値(K)が設定可能な閾値入力手段を有する。すなわち、本発明に係る閾値(K)は、保守作業員が現場において転てつ機ごとに設けられた閾値入力手段により、ロックピース11と切り欠き12の中心位置との位置関係につき任意の閾値(K)を設定できる。この機能により、保守作業員は、ロック偏移検出器1ごとにきめ細かく数値を設定し、例えば、偏移があまり問題にならないロック偏移検出器1と、偏移がしばしば問題になるロック偏移検出器1とで異なる閾値(K)を設定しても良い。また、その閾値(K)とする数値は、保守作業員が現場にて設定できるため、より現実的な数値が設定可能となる。さらに、例えば、季節ごとの気象条件を考慮して設定すること、ロック偏移検出器1の使用年数に応じて設定することなどが可能となる。

0041

閾値入力部5は、少なくとも偏移の数値が異常なレベルであることを示す閾値(K1)と、閾値(K1)よりも低い数値であって数値が注意を喚起すべきレベルであることを示す閾値(K2)と、を設定できる。すなわち、ロック偏移検出器1の偏移の異常を検出する点より手前に閾値(K2)を設ければ、異常検出の前に注意警報を上げることができる。この機能により、これまで正常又は異常でON/OFFが切り替わるのみだった接点を、断続的に切り替えて出力する注意警報として扱うことも可能となる。また、現場で設定される閾値(K)は、上記閾値(K1)及び閾値(K2)に限らず他の閾値(K)でも良く、また、閾値(K)の数は2個に限らず必要な個数が設定できる。さらに、閾値(K)の数値は、保守作業者が現場において任意に設定できる。

0042

(片寄調整の閾値)
分岐器の「癖」に応じた片寄調整を行う場合には、その片寄値を反映した閾値(K´)を設定する。例えば、偏移の数値が異常なレベルであることを示す閾値(K´)について、切り欠き12内のロックピース11の左右の隙間の比率を閾値(K´)とすることができる。また、左右の隙間それぞれに閾値(K)を設定しても良い。このように、閾値(K)は、表示部9の表示を確認しながら設定できる。

0043

(検出部の機能)
検出部6は、一対のトングレール15に接続される鎖錠かん14に設けられた切り欠き12とロックピース11との偏移を、計測部3が連続的に計測した鎖錠かん14の偏移に基づいて検出する。ここで「検出する」とは、例えば、切り欠き12とロックピース11との両側の隙間のそれぞれの数値、両側の隙間のそれぞれの数値の比率など、数値で表示される表現手段だけではなく、例えば図表やグラフ、或いは色彩や音声などで表される表現手段をも含む。すなわち、検出部6は、計測部3が連続的に計測した数値を編集して表示部9にデータを送信して表示させる。

0044

(判定部の機能)
判定部8は、計測部3が連続的に計測した数値が、閾値入力部5に入力されて記憶部7に記憶されている複数の閾値(K1,K2,K3・・・)をそれぞれ超えたか否かを判定する。そして、計測された計測値が、閾値入力部5が設定した複数の閾値(K)をそれぞれ超えた場合には、ある閾値(K1)に対して他の閾値(K2,K3・・・)を超えた場合と判別可能な信号を表示部9にその都度送信する。例えば、偏移の数値が異常なレベルであることを示す閾値(K1)と、閾値よりも低い数値であって数値が注意を喚起すべきレベルであることを示す閾値(K2)とを設定した場合、計測値が閾値(K2)を超えた場合には、断続的なブザー音とするように表示部9に指示し、計測値が閾値(K1)を超えた場合には、連続的なブザー音とするように表示部9に指示することで、保守作業員は、聴覚的に注意警報と警報とを聞き分けることができる。なお、表示部9は、ブザー音だけではなく、例えば、音声、音楽、色彩など他の手段を発しても良い。

0045

(片寄調整の判定)
判定部8は、分岐器の「癖」に応じた片寄調整を行う場合には、その片寄値を反映した閾値(K´)を用いて判定する。例えば、計測値が注意を喚起すべきレベルである閾値(K´2)を超えた場合には、例えば断続的なブザー音とするように表示部9に指示し、計測値が異常なレベルである閾値(K´1)を超えた場合には、例えば連続的なブザー音とするように表示部9に指示する。例えばその比率を(6:4)というアンバランスな状態を基準としても良い。さらに、閾値(K´)を左右で変えても良い。

0046

(記憶部の機能)
記憶部7は、閾値入力部5により入力された閾値(K)を転てつ機ごとに記憶する。さらに、計測部3により計測された偏移量を記憶しても良い。偏移量については、所定の期間データを記憶し、出力後に書き換えても良い。また、片寄調整を行う転てつ機については、片寄調整を考慮した閾値(K)を記憶しても良い。

0047

(出力部の機能)
出力部25は、現場保守員が各転てつ機に入力した閾値(K)の記録、及び偏移量の記録を転てつ機モニタ26に出力する。これにより、現場保守員は、転てつ機ごとに入力された閾値(K)の記録、及び偏移量の記録を転てつ機モニタ26により確認することできる。そして、その分岐器の特性や癖を連続した数値により容易に把握することができる。さらに、その転てつ機の片寄調整の必要性についても容易に判断できる。

0048

(表示部の機能)
表示部9は、比率表示部9a又は偏移表示部9bを備えるが、これらに限らず他の表示手段により表示しても良い。比率表示部9aは、ロックピース11と切り欠き12との両側の隙間の数値を比率により表示する表示手段である。偏移表示部9bは、ロックピース11の切り欠き12に対する偏移を数値又は、数値以外の例えば図表やグラフ、或いは色彩や音声などで表示する表示手段である。本明細書では、比率表示部9aの実施例について説明するが、偏移表示部9bについても表示部分が比率ではなく偏移量或いは偏移を表す図形またはグラフに代わるため説明を省略する。

0049

図4に、ロック偏移検出器1における偏移量の検出方法及びその表示方法に関する機能をブロック図で示す。図4(a)は、図1に示す計測部3、検出部6、出力部25、処理部4、及び表示部9の関係を示すブロック図である。図4(b)は、図2に示すロック偏移検出器1における偏移量の計測方法に基づく説明図である。ロック偏移検出器1の表示部9は、現場保守員がロック偏移検出器1の調整を行う際のアシストポイントを示すという意義を有する。すなわち、現場保守員がこのアシストポイントを参照して適正な位置に転てつ機におけるロックピース11と切り欠き12との位置関係を調整する。本願発明では、図4(b)に示すように、鎖錠かん14a,14bに取り付けられた計測片13の動作をリニアセンサ2のプランジャ54に発生する電圧量で計測する方法を採用している。図4(b)に符号δで示すように、プランジャ54の先端部は、ロックピース11と切り欠き12との位置関係に従って移動する。

0050

すなわち、プランジャ54が基準位置にある場合の電圧量(V0)に対して、図4(b)に符号δで示すように、プランジャ54が伸びた場合の電圧(V+)とプランジャ54が縮んだ場合の電圧(V−)により偏移量が推定できる。図4(a)に示すように、検出部6は、リニアセンサ2から電圧値(V)を取得する。一方、検出部6は、このプランジャ54のストローク(伸び量)を計測するリニアセンサ2から情報を取得しても良く、ロックピース11の左右の隙間を光学的なセンサにて直接計測しても良い。

0051

そして、検出部6は変換部53にこの電圧量(V)を送信し、ロックピース11の左右の隙間の比率に変換させた数値を出力部25に送信する。そして、出力部25は変換させた数値を比率表示部9aに送信して表示させる。或いは、検出部6は変換部53を介さずに電圧量(V)を出力部25に送信する。出力部25は電圧値をそのまま電圧表示部9cに送信して表示させる。なお、出力部25は、偏移の異常が発生した場合には、偏移表示部9bに警報を発報する、

0052

(比率表示)
図5に、ロック偏移検出器1の表示部9の表示方法の一つである比率表示の実施例を示す。図5(a)には、現場表示器である転てつ機モニタ26の画面を示し、図5(b)には、ロックピース11の切り欠き12に対する偏移によりどのように転てつ機モニタ26の画面に表示されるかを場合分けして示す。

0053

図5(a)では、上段にロックピース11と切り欠き12との両側の隙間の数値を比率で示す比率表示部9aが設けられる。従来、保守作業者は、ロックピース11と切り欠き12との両側の隙間の数値を目測してそれらの比率により偏移量を捉えていた。従って、この表示手段は保守作業者にとって馴染み易い表示手段といえる。従来、保守作業員は、転てつ機の蓋24を開けて覗き込み、目視によりこの比率を算出していた。本発明により、この比率がリニアセンサ2により精度良く計測されるだけではなく、保守作業員は、連続的に表示される数値により判断することができる。

0054

また、下段には転換方向表示器22及び偏移表示器23が設けられる。転換方向表示器22は、図面に向かって左右両側にLEDによるパイロットランプが設けられ、転換している方向のパイロットランプが点灯する。図5(a)では、切り欠き12内のロックピース11は図面に向かって左側のパイロットランプが点灯していることから、左方向に転換していることが分かる。偏移表示器23は、偏移量が正常な範囲の場合にはLED照明が点灯し、偏移量が閾値を超えて異常な範囲になった場合にはLED照明は消灯する。

0055

図5(b)の上段には、切り欠き12内のロックピース11の左右の隙間が均等な場合を示す。この場合、転てつ機モニタ26の画面には(5:5)の比率が表示され、転換方向表示器22は図面に向かって左側のパイロットランプが点灯し、偏移表示器23は正常状態を示すON表示となる。また、図5(b)の中段には、切り欠き12内のロックピース11の左右の隙間がアンバランスな場合を示す。この場合、転てつ機モニタ26の画面には(4:6)の比率が表示され、転換方向表示器22は図面に向かって左側のパイロットランプが点灯し、偏移表示器23は正常状態を示すON表示となる。さらに、図5(b)の下段には、切り欠き12内のロックピース11の左右の隙間が異常な場合を示す。この場合、転てつ機モニタ26の画面にはエラーを示す(0:E)の比率が表示され、転換方向表示器22は図面に向かって左側のパイロットランプが点灯し、偏移表示器23は異常状態を示すOFF表示となる。そして、偏移に関する警報が発報される。

0056

(電圧表示)
図6に、ロック偏移検出器1の表示部9の表示方法のための実施例である電圧表示の場合の表示例を示す。図6(a)には、現場表示器である転てつ機モニタ51の画面を示し、図6(b)には、ロックピース11の切り欠き12に対する偏移によりどのように転てつ機モニタ51の画面に表示されるかを場合分けして示す。

0057

図6(a)では、上段に電圧値(V)そのまま示す電圧表示部9cが設けられる。ここで、例えば電圧値が2.5Vである場合には、小数点を何れかの数値に表示し、図6に向かって左側の場合には「5.」と「5」に分けて二つの表示欄図6(a)−1のように表示するか、図6に向かって右側の場合には「5」と「.5」に分けて二つの表示欄に図6(a)−2のように表示する。その他の表示方法は、上述した「比率表示」に準ずる。この表示手段は保守作業者にとって馴染み易い表示手段といえる。従来、保守作業員は、転てつ機の蓋24を開けて覗き込み、目視によりこの比率を確認していた。本発明により、この比率がリニアセンサ2により精度良く計測されるだけではなく、調整・保守の作業員は、扱い慣れた電圧値により偏移の程度を判断することができる。

0058

表示部9は、判定部8から異常信号を受信した場合には、ある閾値(K)を超えた場合が他の閾値(K)を超えた場合と判別可能な警報を発報する。数値が異常なレベルであることを示す閾値(K1)と、閾値よりも低い数値であって数値が注意を喚起すべきレベルであることを示す閾値(K2)とを設定した場合には、例えば、計測値が閾値(K2)を超えた場合には、断続的なブザー音を発報し、計測値が閾値(K1)を超えた場合には、連続的なブザー音を発報する。これにより、保守作業者は、聴覚的に注意警報と警報とを聞き分けることができる。なお、表示部9は、ブザー音だけではなく、例えば、音声、音楽、色彩など他の手段を発しても良い。

0059

(片寄調整の表示)
表示部9は、分岐器50の「癖」に応じた片寄調整を行う場合には、その片寄値を反映して表示する。例えば、比率が(6:4)というアンバランスな状態を基準値とする場合には、閾値(K)を左右ばらばらに設定しても良い。また、図5(a)の比率表示部9aでは、例えば、計測された比率、基準の比率、及び閾値を表示して保守作業員が判断し易くすることが好ましい。

0060

ロック偏移検出器1の出力部25は、上述した閾値及び計測された偏移量を表示部9を有する取外し自在な転てつ機モニタ26に出力する。すなわち、ロック偏移検出器1は、そのままロック偏移検出器1に取り付けられたままでも良く、ロック偏移検出器1から取外しても良い。これにより、ロック偏移検出器1の、例えば閾値及び計測された偏移量などの情報を読みながら転てつ機30の調整を現場にて行うことができる。これにより、これまで、2人以上の保守作業員により協働して作業していたのが一人でも行うことができるようになる。また、携帯端末を転てつ機モニタ26として使用し、出力部25から転てつ機モニタ26に送信する情報を送信しても良い。すなわち、出力部25は、少なくとも表示部9に表示される情報を取り付けた状態の転てつ機モニタ、取外された状態の転てつ機モニタ、又は携帯端末としての転てつ機モニタ26に伝送する伝送端末手段を有する。
これにより、保守作業員は、携帯端末を持参すれば、転てつ機モニタ26を持ち歩く必要がなくなる。

0061

(ロック偏移検出器の調整方法
図7に、本発明に係るロック偏移検出器の調整方法の手順をフローチャートにて示す。本フローチャートでは、各ステップをS1〜S8で示す。ここでは、鎖錠かん14に設けられた切り欠き12とロックピース11との偏移をロック偏移検出器1に対する鎖錠かん14の偏移量から検出するロック偏移検出方法を示す。まず、出荷時に初期値として、ロック偏移検出器1に鎖錠かん14の偏移量に関する任意な閾値(K)を設定する(S1)。ここで、閾値(K)は複数の任意の値が設定可能である。そして、全てのロック偏移検出器1に閾値(K)を設定したか否かが判断され(S2)、“NO”であればステップ(S1)に戻り、“YES”ならば次のステップに進む(S3)。

0062

次に、ロックピース11と切り欠き12との偏移量を示す数値又は偏移が正常か異常を示す表示を確認する(S3)。このように、保守作業員は、各ロック偏移検出器1について、偏移量を示す数値又は偏移が正常か異常を示す表示のいずれか一方、又は双方を確認することができる。次に、この確認結果から、鎖錠かん14の位置調整又は片寄調整が必要か否かを判断する(S4)。そして、鎖錠かん14の位置調整又は必要に応じては片寄調整が必要であると判断した場合は次のステップ(S5)に進み、鎖錠かん14の位置調整又は片寄調整が必要でないと判断した場合はステップ(S6)に進む。

0063

ステップ(S6)及び(S7)は、ロック偏移検出器1に初期値として設定された閾値の変更を必要とするか否かが判断され(S6)、必要であれば、偏移量に関する任意な閾値を設定する(S7)。そして、すべてのロック偏移検出器について偏移を調整したか否かを判断し、NOであればS3に戻り、YESであれば終了する(S8)。

0064

以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。

0065

1ロック偏移検出器、2リニアセンサ、3計測部、4 処理部、5閾値入力部、6 検出部、7 記憶部、8 判定部、9 表示部,9a比率表示部,9b偏移表示部、9c電圧値表示部、10,40検出器ケース、11,41ロックピース、12,42切り欠き,42a 上部切り欠き,42b 下部切り欠き、13計測片、14、14a,14b,39鎖錠かん,39a主鎖錠かん,39b副鎖錠かん、15,33トングレール,15a,15b,33a,33b 一対のトングレール、16,34連結部材、18,45調整ナット、19,31接続用ロッド、22転換方向表示器、23 偏移表示器、24,43 蓋、25 出力部、26転てつ機モニタ、27集中監視装置、30 転てつ機、32基本レール,32a,32b 一対の基本レール、35転てつ棒、36動作かん、37クラッチ、38駆動モータ、50分岐器、51 転てつ機モニタ、53 変換部、54プランジャ、δ プランジャの移動量。

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