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技術 無効電力補償装置の制御方法および制御装置

出願人 富士電機株式会社
発明者 篠原博篠永春彦
出願日 2014年11月20日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-235631
公開日 2016年5月30日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-100967
状態 特許登録済
技術分野 電気的変量の制御(交流、直流、電力等) 交流の給配電
主要キーワード 時限信号 換制御器 昇降制御回路 変動電流 スクラップ鉄 電圧フリッカ 切換方式 無電圧状態
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図面 (5)

課題

直列リアクトルタップ換操作時のリアクトル短絡に起因して起こり得るフリッカの発生を防止することにより、フリッカ補償性能を向上させる。

解決手段

電力系統に接続される電気炉などの負荷無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置制御方法において、負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と、比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出し、常時は、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償しておき、電気炉に設けられている直列リアクトルのタップ切換時にリアクトル短絡指令が発生された際に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償するように、無効電力補償装置の補償すべき無効電力を切換える。

概要

背景

図2に無効電力補償装置の一例を示す。図2において、1は無効電力補償装置、2は電力系統、3は電力系統に含まれる系統インピーダンス、4は電圧フリッカを発生する電気炉アーク炉)などの負荷である。系統インピーダンス3と負荷4との間に接続されている無効電力補償装置1は、サイリスタ5、リアクトル6、コンデンサ7、変成器8、変流器9、制御装置13から構成され、電圧フリッカを抑制するために負荷4が発生する無効電力を補償する。即ち、負荷4が発生する無効電力をQf、無効電力補償装置1の無効電力をQt、系統の無効電力をQsとすると、Qt=Qfとなるように無効電力補償装置を制御することで系統の無効電力がQs=0となり、系統電圧電圧変動を抑制することができ、電圧フリッカを抑制することができる。

図2の制御装置13の具体的な構成例を図3に示す。図3に示す制御装置13は、無効電力補償装置を負荷の無効電力に応じて制御するために、負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力成分(例えば10Hz近辺)と、比較的ゆっくり変動する無効電力成分(例えば1Hz以下)とに分離して検出し、両無効電力成分に基づいて、補償すべき無効電力を指令する制御装置であり、この種の制御装置は公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
図3における変成器8、変流器9は図2のものに対応し、変成器8は系統電圧Vsを検出し、変流器9は負荷電流Ifを検出する。制御装置13は、無効電力検出回路10および11、減算器14、余力容量演算器15、点弧角制御回路12によって構成されている。

変成器8により検出された系統電圧Vsと、変流器9により検出された負荷電流Ifとから、無効電力検出回路10では負荷4の急峻な変動成分も含む無効電力Q1を演算し、無効電力検出回路11では負荷4の比較的ゆっくりと変動するベース成分の無効電力Q2を演算する。従って、減算器14において、無効電力検出回路10によって演算した負荷4の無効電力Q1から、無効電力検出回路11で演算した比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2を減算することにより、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを求めることができる。結果的に、負荷4の無効電力Q1が、急峻に変動する無効電力ΔQと、比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2とを含むことになり、負荷の無効電力Q1が、急峻に変動する無効電力ΔQと、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2とに分離して検出されているといえる。

ここで、無効電力を補償するにあたり、負荷4の無効電力Q1(=ΔQ+Q2)を補償する方法と、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを補償する方法との2通りがあることになるが、フリッカ補償の場合、急峻に変動する無効電力ΔQを補償すればよい。しかし、比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2が残るため補償後の力率は良くならない。また、負荷4の無効電力Q1を補償する場合、力率は良くなるが、無効電力補償装置1の補償容量には経済的な設計上から限界があるためフリッカ補償には充分ではない。このため従来技術では、急峻に変動する無効電力を補償することでフリッカ補償をし、無効電力補償装置1の補償容量に余力があれば、力率の補償まで行う方法を用いている。

そのために、図3に示すとおり余力容量演算回路15が設けられている。余力容量演算回路15は、両無効電力検出器10および11の演算出力を用いて、無効電力補償装置1の余力容量を演算し、その演算した余力容量の限度内で、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部を追加補償分として加算器16に入力する。余力容量演算回路15は、急峻に変動する無効電力ΔQのみを補償した場合の無効電力補償装置1の余力容量値を演算する演算部と、当該余力容量値を上回らないように比較的ゆっくり変動する無効電力Q2を制限して出力する制限部とで構成することができるが、その具体的な構成例は、先に挙げた特許文献1を参照されたい。

加算器16において、余力容量演算回路15が演算した追加補償分を、急峻に変動する無効電力ΔQに対して加算することで、補償すべき無効電力の指令値が求められる。この指令値に基づいて点弧角制御回路12が点弧角指令αを演算し、この点弧角指令αに従って無効電力補償装置1のサイリスタ5が点弧制御される。例えば、余力容量演算回路15が演算した追加補償分がのときは、即ち余力が全くないときは、急峻に変動する無効電力成分ΔQのみが補償され、そうでない場合は、急峻に変動する無効電力ΔQのみならず、容量演算回路15が演算した追加補償分に応じて、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部が補償される。

一方、図2に示された負荷4は、スクラップ鉄などをアークによって溶かして再生させる設備としての電気炉を示しており、この電気炉の一例が図4にさらに詳しく示されている。図4の電気炉4は、直列リアクトル19、炉用変圧器31、電極33、炉体34、変流器17、変成器18、電極33を昇降させる電極昇降装置30、電極昇降装置30を構成する電動機に電極33の速度制御に必要な電力を供給する電極昇降制御装置35で構成される。

図4に示す電気炉の電極昇降制御装置35では、変成器18でアーク電圧を、変流器17でアーク電流を検出して、これらアーク電圧とアーク電流からアークインピーダンスを演算し、このインピーダンスが一定になるように電極33を上昇または下降させるべく速度指令値を出力して電極昇降装置30を制御する。

直列リアクトル19は、電気炉に投入する電力量に応じて回路インピーダンス切り換えるために切換可能なタップを有するタップ切換式の直列リアクトルとして構成されている。複数のタップを無電圧状態で切り換えるために、直列リアクトル19にはしゃ断器21,22および切換制御器20が設けられている。この無電圧タップ切換方式のほかに負荷時タップ切換方式もあるが、一般的に装置の小形化ができて安価であるという理由から無電圧状態で操作する無電圧タップ切換方式が採用されている。

直列リアクトル19の無電圧タップ切換は、次のような手順で行われる。通常、直列リアクトル19、しゃ断器21、炉用変圧器31の経路電流が流れているが、タップを切り換える時には、しゃ断器22を“閉”、しゃ断器21を“開”にして直列リアクトル19に電流を流さないようにしてタップを切り換える。その後、しゃ断器21を“閉”、しゃ断器22を“開”にすることで、タップの切換動作が完了する。このタップ切換の際に、特に直列リアクトル19を短絡するためにしゃ断器22を“閉”にした時に、回路インピーダンスが極端に小さくなることで、電気炉に流れる変動電流が大きくなるため、フリッカが多く発生することが明らかになった。

上述の従来の制御装置は、フリッカおよび力率を補償するため負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを補償するモードと、負荷4の無効電力Q2を補償するモードとの2つの補償モードを有しているが、常時は急峻に変動する無効電力ΔQを補償する一方で、無効電力補償装置の余力容量を演算しながらその装置余力容量の限度内で比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部を追加補償するので、モードの切換は負荷4の無効電力から装置余力容量によって切り換わることになる。しかし、この場合、装置余力容量等の演算に時間がかかってしまい、本来、急峻な変動の無効電力を補償するべき時点で、補償モードの切換が遅れることで、最適なフリッカ補償ができず、補償性能を低下させてしまうことが懸念される。

概要

直列リアクトルのタップ切換操作時のリアクトル短絡に起因して起こり得るフリッカの発生を防止することにより、フリッカ補償性能を向上させる。電力系統に接続される電気炉などの負荷の無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置の制御方法において、負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と、比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出し、常時は、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償しておき、電気炉に設けられている直列リアクトルのタップ切換時にリアクトル短絡指令が発生された際に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償するように、無効電力補償装置の補償すべき無効電力を切換える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

電力系統タップ切換式の直列リアクトルを介して接続される負荷無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置制御方法において、前記負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出し、常時は、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償し、前記直列リアクトルのタップ切換時に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償することを特徴とする無効電力補償装置の制御方法。

請求項2

電力系統にタップ切換式の直列リアクトルを介して接続される負荷の無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置の制御装置において、前記負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出する無効電力検出手段と、前記直列リアクトルのタップ切換時に発せられるリアクトル短絡指令信号応答して一定時間持続する時限信号を発生する時限手段と、常時は、急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とを補償無効電力指令値として選択し、前記時限手段が時限信号を発生している間は、急峻に変動する無効電力のみを補償無効電力指令値として選択する切換手段と、その切換手段によって選択された補償無効電力指令値に基づいて無効電力補償装置のための制御信号を生成する制御手段と、を有することを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、電力系統に接続される電気炉などの負荷無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置制御方法および制御装置に関する。

背景技術

0002

図2に無効電力補償装置の一例を示す。図2において、1は無効電力補償装置、2は電力系統、3は電力系統に含まれる系統インピーダンス、4は電圧フリッカを発生する電気炉(アーク炉)などの負荷である。系統インピーダンス3と負荷4との間に接続されている無効電力補償装置1は、サイリスタ5、リアクトル6、コンデンサ7、変成器8、変流器9、制御装置13から構成され、電圧フリッカを抑制するために負荷4が発生する無効電力を補償する。即ち、負荷4が発生する無効電力をQf、無効電力補償装置1の無効電力をQt、系統の無効電力をQsとすると、Qt=Qfとなるように無効電力補償装置を制御することで系統の無効電力がQs=0となり、系統電圧電圧変動を抑制することができ、電圧フリッカを抑制することができる。

0003

図2の制御装置13の具体的な構成例を図3に示す。図3に示す制御装置13は、無効電力補償装置を負荷の無効電力に応じて制御するために、負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力成分(例えば10Hz近辺)と、比較的ゆっくり変動する無効電力成分(例えば1Hz以下)とに分離して検出し、両無効電力成分に基づいて、補償すべき無効電力を指令する制御装置であり、この種の制御装置は公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
図3における変成器8、変流器9は図2のものに対応し、変成器8は系統電圧Vsを検出し、変流器9は負荷電流Ifを検出する。制御装置13は、無効電力検出回路10および11、減算器14、余力容量演算器15、点弧角制御回路12によって構成されている。

0004

変成器8により検出された系統電圧Vsと、変流器9により検出された負荷電流Ifとから、無効電力検出回路10では負荷4の急峻な変動成分も含む無効電力Q1を演算し、無効電力検出回路11では負荷4の比較的ゆっくりと変動するベース成分の無効電力Q2を演算する。従って、減算器14において、無効電力検出回路10によって演算した負荷4の無効電力Q1から、無効電力検出回路11で演算した比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2を減算することにより、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを求めることができる。結果的に、負荷4の無効電力Q1が、急峻に変動する無効電力ΔQと、比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2とを含むことになり、負荷の無効電力Q1が、急峻に変動する無効電力ΔQと、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2とに分離して検出されているといえる。

0005

ここで、無効電力を補償するにあたり、負荷4の無効電力Q1(=ΔQ+Q2)を補償する方法と、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを補償する方法との2通りがあることになるが、フリッカ補償の場合、急峻に変動する無効電力ΔQを補償すればよい。しかし、比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2が残るため補償後の力率は良くならない。また、負荷4の無効電力Q1を補償する場合、力率は良くなるが、無効電力補償装置1の補償容量には経済的な設計上から限界があるためフリッカ補償には充分ではない。このため従来技術では、急峻に変動する無効電力を補償することでフリッカ補償をし、無効電力補償装置1の補償容量に余力があれば、力率の補償まで行う方法を用いている。

0006

そのために、図3に示すとおり余力容量演算回路15が設けられている。余力容量演算回路15は、両無効電力検出器10および11の演算出力を用いて、無効電力補償装置1の余力容量を演算し、その演算した余力容量の限度内で、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部を追加補償分として加算器16に入力する。余力容量演算回路15は、急峻に変動する無効電力ΔQのみを補償した場合の無効電力補償装置1の余力容量値を演算する演算部と、当該余力容量値を上回らないように比較的ゆっくり変動する無効電力Q2を制限して出力する制限部とで構成することができるが、その具体的な構成例は、先に挙げた特許文献1を参照されたい。

0007

加算器16において、余力容量演算回路15が演算した追加補償分を、急峻に変動する無効電力ΔQに対して加算することで、補償すべき無効電力の指令値が求められる。この指令値に基づいて点弧角制御回路12が点弧角指令αを演算し、この点弧角指令αに従って無効電力補償装置1のサイリスタ5が点弧制御される。例えば、余力容量演算回路15が演算した追加補償分がのときは、即ち余力が全くないときは、急峻に変動する無効電力成分ΔQのみが補償され、そうでない場合は、急峻に変動する無効電力ΔQのみならず、容量演算回路15が演算した追加補償分に応じて、比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部が補償される。

0008

一方、図2に示された負荷4は、スクラップ鉄などをアークによって溶かして再生させる設備としての電気炉を示しており、この電気炉の一例が図4にさらに詳しく示されている。図4の電気炉4は、直列リアクトル19、炉用変圧器31、電極33、炉体34、変流器17、変成器18、電極33を昇降させる電極昇降装置30、電極昇降装置30を構成する電動機に電極33の速度制御に必要な電力を供給する電極昇降制御装置35で構成される。

0009

図4に示す電気炉の電極昇降制御装置35では、変成器18でアーク電圧を、変流器17でアーク電流を検出して、これらアーク電圧とアーク電流からアークインピーダンスを演算し、このインピーダンスが一定になるように電極33を上昇または下降させるべく速度指令値を出力して電極昇降装置30を制御する。

0010

直列リアクトル19は、電気炉に投入する電力量に応じて回路インピーダンス切り換えるために切換可能なタップを有するタップ切換式の直列リアクトルとして構成されている。複数のタップを無電圧状態で切り換えるために、直列リアクトル19にはしゃ断器21,22および切換制御器20が設けられている。この無電圧タップ切換方式のほかに負荷時タップ切換方式もあるが、一般的に装置の小形化ができて安価であるという理由から無電圧状態で操作する無電圧タップ切換方式が採用されている。

0011

直列リアクトル19の無電圧タップ切換は、次のような手順で行われる。通常、直列リアクトル19、しゃ断器21、炉用変圧器31の経路電流が流れているが、タップを切り換える時には、しゃ断器22を“閉”、しゃ断器21を“開”にして直列リアクトル19に電流を流さないようにしてタップを切り換える。その後、しゃ断器21を“閉”、しゃ断器22を“開”にすることで、タップの切換動作が完了する。このタップ切換の際に、特に直列リアクトル19を短絡するためにしゃ断器22を“閉”にした時に、回路インピーダンスが極端に小さくなることで、電気炉に流れる変動電流が大きくなるため、フリッカが多く発生することが明らかになった。

0012

上述の従来の制御装置は、フリッカおよび力率を補償するため負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを補償するモードと、負荷4の無効電力Q2を補償するモードとの2つの補償モードを有しているが、常時は急峻に変動する無効電力ΔQを補償する一方で、無効電力補償装置の余力容量を演算しながらその装置余力容量の限度内で比較的ゆっくり変動する無効電力Q2の少なくとも一部を追加補償するので、モードの切換は負荷4の無効電力から装置余力容量によって切り換わることになる。しかし、この場合、装置余力容量等の演算に時間がかかってしまい、本来、急峻な変動の無効電力を補償するべき時点で、補償モードの切換が遅れることで、最適なフリッカ補償ができず、補償性能を低下させてしまうことが懸念される。

先行技術

0013

特開2005−80368号公報
特開2014−87207号公報

発明が解決しようとする課題

0014

従って、本発明の課題は、直列リアクトルのタップ切換操作時のリアクトル短絡に起因して起こり得るフリッカの発生を防止することにより、フリッカ補償性能を向上させることにある。

課題を解決するための手段

0015

その課題は、方法発明に関しては、電力系統にタップ切換式の直列リアクトルを介して接続される負荷の無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置の制御方法において、前記負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出し、常時は、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償し、前記直列リアクトルのタップ切換時に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償することを特徴とする無効電力補償装置の制御方法によって解決される。

0016

さらに、その課題は、装置発明に関しては、電力系統にタップ切換式の直列リアクトルを介して接続される負荷の無効電力変動によって発生する電圧フリッカを抑制するために電力系統に連系される無効電力補償装置の制御装置において、前記負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出する無効電力検出手段と、前記直列リアクトルのタップ切換時に発せられるリアクトル短絡指令信号応答して一定時間持続する時限信号を発生する時限手段と、常時は、急峻に変動する無効電力と比較的ゆっくり変動する無効電力とを補償無効電力指令値として選択し、前記時限手段が時限信号を発生している間は、急峻に変動する無効電力のみを補償無効電力指令値として選択する切換手段と、その切換手段によって選択された補償無効電力指令値に基づいて無効電力補償装置のための制御信号を生成する制御手段と有することを特徴とする無効電力補償装置の制御装置によって解決される。

発明の効果

0017

本発明によれば、負荷の無効電力を急峻に変動する無効電力と、比較的ゆっくり変動する無効電力とに分離して検出し、常時は、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償しておき、負荷の前段に設けられたタップ切換式の直列リアクトルのタップ切換時にリアクトル短絡指令が発せられた際に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償することによって、直列リアクトルのタップ切換操作時のリアクトル短絡に起因して起こり得るフリッカの発生を防止することができ、フリッカ補償性能を向上させることができる。なぜならば、リアクトル短絡によって回路インピーダンスが極端に小さくなることで、負荷に流れる変動電流が大きくなるが、本発明により、リアクトル短絡指令が発せられた際に一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償するように切り換えることによって、速やかに無効電力補償装置の全容量を利用して変動電流を補償することができるからである。

図面の簡単な説明

0018

図1は無効電力補償装置の制御装置の本発明による実施例を示すブロック図である。
図2は無効電力補償装置の概略構成例を示すブロック図である。
図3は無効電力補償装置の制御装置の従来における実施例を示すブロック図である。
図4は直列リアクトルを備えた電気炉の概略構成例を示すブロック図である。

実施例

0019

図1は無効電力補償装置の制御装置の本発明による実施例を示す。図1乃至4において互いに対応する構成要素には同一符号が付されている。図1において、1は無効電力補償装置であり、これの主回路図2に示したとおりサイリスタ5、リアクトル6およびコンデンサ7から構成されており、系統インダクタンス3を有する電力系統2において、負荷4に対して並列に接続されている。

0020

負荷4は、スクラップ鉄などをアークによって溶かして再生させる設備としての電気炉として示されており、図4に示した電気炉4と同様に、タップ切換式の直列リアクトル19、しゃ断器21および22、切換制御器20、炉用変圧器31、電極33、炉体34、変流器17、変成器18、電極昇降装置30、電極昇降制御装置35で構成されている。さらに、後述するように、場合によっては図4にない遅延回路23が追加される。

0021

無効電力補償装置1の制御装置13は、図3に示した従来例と同様に、2つの電力検出回路10および11と、減算器14と、点弧角制御回路12とを有する。従って、電力検出回路10は、変成器8により検出された系統電圧Vsと、変流器9により検出された負荷電流Ifとから、負荷4の無効電力Q1を演算する。また、電力検出回路11は、変成器8により検出された系統電圧Vsと、変流器9により検出された負荷電流Ifとから、負荷4の比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2を演算する。減算器14は、無効電力検出回路10によって演算した負荷4の無効電力Q1から、無効電力検出回路11で演算した比較的ゆっくりと変動する無効電力Q2を減算することにより、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを求める。従って、変成器8および変流器9と、2つの無効電力検出回路10,11と、減算器14とは、負荷4の無効電力Q1を急峻に変動する無効電力成分ΔQと比較的ゆっくり変動する無効電力成分Q2とに分離して検出する無効電力検出手段を構成している。

0022

さらに、本発明による制御装置13は、図3に示した従来例と違って、タイマ36と切換器37とを有する。タイマ36には、電気炉4に設けられた直列リアクトル19のしゃ断器21および22の切換制御を行う切換制御器20から、直列リアクトル19のタップ切換時に発せられるリアクトル短絡指令信号が入力される。タイマ36は、リアクトル短絡指令信号によって作動して予め設定された一定時間だけ持続する出力信号を発生する。従って、タイマ36は、電気炉4に設けられている直列リアクトル19のタップ切換時のリアクトル短絡指令信号に応答して一定時間持続する時限信号を発生する時限手段である。

0023

切換器37は、常時は電力検出回路10の出力値Q1を選択し、タイマ36が作動して出力信号を発生している一定時間の期間は減算器14の出力値ΔQを選択し、選択した方の出力値Q1もしくはΔQを補償無効電力指令値として点弧角制御回路12に入力する。従って、切換器37は、常時は、急峻に変動する無効電力ΔQと比較的ゆっくり変動する無効電力Q2とを含めた負荷の無効電力Q1を補償無効電力指令値として選択し、前記時限手段(タイマ36)が時限信号を発生している間は、急峻に変動する無効電力ΔQのみを補償無効電力指令値として選択する切換手段である。

0024

補償無効電力指令値とは、無効電力補償装置1が補償すべき無効電力の指令値であり、点弧角制御回路12は、補償無効電力指令値に対応した点弧角αにて無効電力補償装置1内のサイリスタ5を点弧制御する。従って、点弧角制御回路12は、前記切換手段(切換器37)によって選択された補償無効電力指令値に基づいて無効電力補償装置1のための制御信号を生成する制御手段である。

0025

電気炉4側では、切換制御器20からのリアクトル指令信号を遅延回路23により予め設定された時間だけ遅延させてしゃ断器21および22に伝達し、それによってしゃ断器22が投入されて、しゃ断器21が開路される。この状態で直列リアクトル19の無電圧タップ切換が実行される。タップ切換完了後に切換制御器20によって再びしゃ断器21が投入されて、しゃ断器22が開路される。遅延回路23は、切換制御器20からの短絡指令からしゃ断器22が閉成されるまでの時間よりも、制御装置13の切換器37が切り換わる時間が短い場合には必要でない。

0026

タイマ36では、短絡指令が一旦入力されると、その時点から直列リアクトル19のタップが切り換わって電流変動が収まるまで持続する一定の時間が予め設定されている。従って、タイマ36は短絡指令に対して直ちに応答してオン状態になることによって、切換器37が切り換わって、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを補償無効電力指令値として選択する。従って、タイマ36で設定された一定時間の間は、負荷4の急峻に変動する無効電力ΔQを継続的に補償する動作が行われる。一定時間経過後にタイマ36がオフすると、切換器37は元の状態に切り換わって、急峻に変動する無効電力ΔQとゆっくりと変動する無効電力Q2とを含めて負荷の無効電力Q1を補償する常時動作に戻す。

0027

本発明によれば、常時は、急峻に変動する無効電力ΔQとゆっくりと変動する無効電力Q2とを含めた負荷の無効電力Q1を補償することによって、無効電力補償装置1はフリッカ補償と同時に力率改善にも寄与することができる。しかし、その場合、電気炉4に設けられている直列リアクトル19のタップ切換のためにリアクトル短絡が行われたとき、回路インピーダンスが極端に小さくなって電気炉4に流れる変動電流が大きくなるが、無効電力補償装置1はそのような大きな変動電流に即応できず、その結果フリッカが発生する。そこで、本発明によれば、さらに、リアクトル短絡指令が発せられた際に一定時間の間、急峻に変動する無効電力ΔQのみを補償するように切り換えることによって、直ちに無効電力補償装置1の全容量を変動電流の補償に利用可能にすることができるので、リアクトル短絡に起因して起こり得るフリッカの発生を防止し、フリッカ補償性能を向上させることができる。

0028

本発明による制御方法は、先に挙げた特許文献1および特許文献2に開示されたフリッカ補償の改善技術と併用することができ、それによって総合的にフリッカ補償性能を格別に向上させることができる。例えば、急峻に変動する無効電力とゆっくりと変動する無効電力を補償する常時時動作の場合に、ゆっくりと変動する無効電力の補償については、特許文献1に開示されているように、無効電力補償装置の余力容量を演算しながら、装置余力容量の限度内で比較的ゆっくり変動する無効電力を補償するようにしてもよい。さらに特許文献2に記載されているように、電気炉の電極昇降制御のために演算される電極の速度指令値が予め設定した限界値を越えた際に、一定時間の間、急峻に変動する無効電力のみを補償するように、補償すべき無効電力を切り換えることを追加してもよい。

0029

1無効電力補償装置
2電力系統
3系統インピーダンス
4負荷
5サイリスタ
6リアクトル
7コンデンサ
8変成器
9変流器
10 無効電力検出回路
11 無効電力検出回路
12点弧角制御回路
13制御装置
14減算器
15余力容量演算器
16加算器
17 変流器
18 変成器
19直列リアクトル
20 切換制御器
21しゃ断器
22 しゃ断器
23遅延回路
28設定器
29昇降制御回路
30電極昇降装置
31炉用変圧器
33電極
34炉体
35電極昇降制御装置
36タイマ
37 切換器

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