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技術 インプリント装置、補正機構の校正方法、および物品の製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 小林謙一
出願日 2014年11月20日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-235282
公開日 2016年5月30日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-100428
状態 特許登録済
技術分野 曲げ・直線化成形、管端部の成形、表面成形 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く)
主要キーワード 初期校正 リニアリティ誤差 形状成分 センサ計測 計測光源 駆動ストローク 校正精度 モールドベース
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図面 (7)

課題

型を高精度かつ迅速に所望の形状に変化させるのに有利なインプリント装置を提供する。

解決手段

このインプリント装置は、型を保持する型保持部と、型保持部に保持された型に力を加えて、型に形成されている凹凸パターンの形状を所望の形状に補正する補正機構と、予め特定の型を設定し(S101)、かつ、該特定の型に対して複数の凹凸パターンの形状を想定し、該想定した複数の凹凸パターンの形状となるように、補正機構に特定の型に力を加えさせて特定の型の変形量を求めることで(S105)、複数の想定した凹凸パターンの形状と特定の型の変形量とを関係付けパラメータを算出し(S107)、該パラメータを用いて補正機構を校正する制御部とを有する。

概要

背景

基板上のインプリント材を型によって成形するインプリント処理により基板上にパターンを形成する微細加工技術がある。この技術は、インプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーのパターン(構造体)を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして光硬化法がある。光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板上のショット領域にインプリント材として光硬化性樹脂を供給する。次に、型を用いて基板上の樹脂を成形する。そして、光を照射して樹脂を硬化させたうえで離型することにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。インプリント技術には、光硬化法以外にも、例えば熱により樹脂を硬化させる熱硬化法がある。

しかしながら、上記技術を採用したインプリント装置では、半導体プロセス中で発生する倍率スキューまたは台形などのパターン形状誤差が含まれる場合がある。そのため、基板上に予め形成されている下地層下地パターン)と、型に形成されている凹凸パターンを重ね合わせる際には、まず、検出器を用いて、型に形成されているマークと、基板上に形成されているマークとの相対位置を計測する。次に、相対位置差に基づいて型を変形させることで、相対位置を補正する。ここで、パターンの重ね合わせを高精度に実施するためには、数ナノメートル以下の精度で型を変形させる形状補正装置が要求される。

そこで、特許文献1は、型の側面に圧縮力を加えるアクチュエータを型の側面と支持構造体との間に配置し、また、アクチュエータと支持構造体との間に設置された力センサを用いて圧縮力を計測し、フィードバック制御する形状補正装置を開示している。また、特許文献2は、型上の記録パターン基準パターンとの間の寸法変化を最小化するために、型に生じると予測される変形パラメータを求める方法を開示している。

概要

型を高精度かつ迅速に所望の形状に変化させるのに有利なインプリント装置を提供する。このインプリント装置は、型を保持する型保持部と、型保持部に保持された型に力を加えて、型に形成されている凹凸パターンの形状を所望の形状に補正する補正機構と、予め特定の型を設定し(S101)、かつ、該特定の型に対して複数の凹凸パターンの形状を想定し、該想定した複数の凹凸パターンの形状となるように、補正機構に特定の型に力を加えさせて特定の型の変形量を求めることで(S105)、複数の想定した凹凸パターンの形状と特定の型の変形量とを関係付けパラメータを算出し(S107)、該パラメータを用いて補正機構を校正する制御部とを有する。

目的

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、型を高精度かつ迅速に所望の形状に変化させるのに有利なインプリント装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板上のインプリント材に型を用いてパターンを形成するインプリント装置であって、前記型を保持する型保持部と、前記型保持部に保持された前記型に力を加えて、前記型に形成されている凹凸パターンの形状を所望の形状に補正する補正機構と、予め特定の前記型を設定し、かつ、該特定の型に対して複数の前記凹凸パターンの形状を想定し、該想定した複数の凹凸パターンの形状となるように、前記補正機構に前記特定の型に力を加えさせて前記特定の型の変形量を求めることで、前記複数の想定した凹凸パターンの形状と前記特定の型の変形量とを関係付けパラメータを算出し、該パラメータを用いて前記補正機構を校正する制御部と、を有することを特徴とするインプリント装置。

請求項2

前記特定の型は、前記パラメータを用いて前記補正機構を校正するときに前記型保持部に保持される校正用の型であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。

請求項3

前記基板を保持し、かつ前記型に予め配置されているアライメントマークと対になる位置に基準マークが配置されている基板保持部と、前記アライメントマークと前記基準マークとの相対位置を計測するアライメント計測部と、を有し、前記制御部は、前記相対位置に基づいて前記特定の型の変形量を算出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。

請求項4

前記力または該力が加えられたときの前記型の変形量を検出する検出器を有し、前記制御部は、前記型と非接触となるように前記補正機構を駆動させ、該補正機構が非接触の状態で、前記検出器の出力値がゼロまたは基準値と一致する補正値を算出し、該補正値を前記出力値に加算した上で、前記特定の型の変形量を求める、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプリント装置。

請求項5

前記制御部は、前記補正機構の校正を、前記基板を交換するとき、または、前記基板に前記インプリント材を塗布するときと並行して行うことを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。

請求項6

前記制御部は、前記パラメータを前記型の種類ごとに管理することを特徴とする請求項4または5に記載のインプリント装置。

請求項7

前記力または該力が加えられたときの前記型の変形量を検出する検出器を有し、前記制御部は、前記補正機構の校正を所望の時間間隔で行うとき、前記パラメータを算出したときに用いられた前記特定の型と同一の型を用いて前記パラメータを再び算出し、該再び算出されたパラメータに基づいて、前記検出器のリニアリティ誤差またはオフセット誤差に関する第2のパラメータを算出し、該第2のパラメータを用いて前記補正機構を校正する、することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプリント装置。

請求項8

前記第2のパラメータは、前記パラメータとは別に管理されることを特徴とする請求項7記載のインプリント装置。

請求項9

基板上のインプリント材に型を用いてパターンを形成する前に、前記型に力を加えることで前記型に形成されている凹凸パターンの形状を所望の形状に補正する補正機構を校正する方法であって、予め特定の前記型を設定する設定工程と、前記設定工程で設定された前記特定の型に対して複数の前記凹凸パターンの形状を想定し、該想定した凹凸パターンの形状となるように、順次、前記補正機構に前記特定の型に力を加えさせて前記特定の型の変形量を求める変形量導出工程と、前記複数の想定した凹凸パターンの形状と、前記変形量導出工程にて求められた前記変形量とを関係付けるパラメータを算出する算出工程と、前記算出工程で算出された前記パラメータを用いて、前記補正機構を校正する校正工程と、を含むことを特徴とする補正機構の校正方法

請求項10

請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載のインプリント装置または請求項9に記載の補正機構の校正方法を用いてパターン形成を基板上に行う工程と、前記工程で前記パターン形成を行われた前記基板を加工する工程と、を含むことを特徴とする物品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、インプリント装置補正機構校正方法、および物品の製造方法に関する。

背景技術

0002

基板上のインプリント材を型によって成形するインプリント処理により基板上にパターンを形成する微細加工技術がある。この技術は、インプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーのパターン(構造体)を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして光硬化法がある。光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板上のショット領域にインプリント材として光硬化性樹脂を供給する。次に、型を用いて基板上の樹脂を成形する。そして、光を照射して樹脂を硬化させたうえで離型することにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。インプリント技術には、光硬化法以外にも、例えば熱により樹脂を硬化させる熱硬化法がある。

0003

しかしながら、上記技術を採用したインプリント装置では、半導体プロセス中で発生する倍率スキューまたは台形などのパターン形状誤差が含まれる場合がある。そのため、基板上に予め形成されている下地層下地パターン)と、型に形成されている凹凸パターンを重ね合わせる際には、まず、検出器を用いて、型に形成されているマークと、基板上に形成されているマークとの相対位置を計測する。次に、相対位置差に基づいて型を変形させることで、相対位置を補正する。ここで、パターンの重ね合わせを高精度に実施するためには、数ナノメートル以下の精度で型を変形させる形状補正装置が要求される。

0004

そこで、特許文献1は、型の側面に圧縮力を加えるアクチュエータを型の側面と支持構造体との間に配置し、また、アクチュエータと支持構造体との間に設置された力センサを用いて圧縮力を計測し、フィードバック制御する形状補正装置を開示している。また、特許文献2は、型上の記録パターン基準パターンとの間の寸法変化を最小化するために、型に生じると予測される変形パラメータを求める方法を開示している。

先行技術

0005

特開2009−141328号公報
特許第4573873号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に開示されているような一般的に用いられるロードセル歪ゲージなどの力センサは、温度または湿度といった環境変化に対する誤差感度が高く、オフセットまたはゲイン変化による計測誤差が生じやすい。また、歪ゲージ等を張り付ける際に用いる接着剤経年変化による計測誤差も発生する可能性があるため、安定した精度を維持するのが難しい。

0007

一方、特許文献2に開示されているように、センサ計測誤差が発生したとしても、アライメントの際にマークを多点計測することで、型を所望の形状に補正することは可能である。しかしながら、センサ計測誤差の影響を受けていると、指令通りに型の形状を補正することができないため、残差収束させるまでに計測の反復回数が増加し、スループットの低下を招く可能性がある。

0008

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、型を高精度かつ迅速に所望の形状に変化させるのに有利なインプリント装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明は、基板上のインプリント材に型を用いてパターンを形成するインプリント装置であって、型を保持する型保持部と、型保持部に保持された型に力を加えて、型に形成されている凹凸パターンの形状を所望の形状に補正する補正機構と、予め特定の型を設定し、かつ、該特定の型に対して複数の凹凸パターンの形状を想定し、該想定した複数の凹凸パターンの形状となるように、補正機構に特定の型に力を加えさせて特定の型の変形量を求めることで、複数の想定した凹凸パターンの形状と特定の型の変形量とを関係付けパラメータを算出し、該パラメータを用いて補正機構を校正する制御部と、を有することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、例えば、型を高精度かつ迅速に所望の形状に変化させるのに有利なインプリント装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態に係るインプリント装置の構成を示す図である。
形状補正機構の構成を示す図である。
ウエハステージの構成を示す図である。
形状補正機構の初期校正の流れを示すフローチャートである。
形状補正機構の経年変化に対する校正の流れを示すフローチャートである。
生産用モールドの校正の流れを示すフローチャートである。

実施例

0012

以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。

0013

(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るインプリント装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインプリント装置100の構成を示す概略図である。インプリント装置100は、物品としての半導体デバイスなどの製造に用いられ、ウエハ7上(基板上)に塗布された未硬化の樹脂(インプリント材)とモールド2とを接触させて成形し、ウエハ7上に樹脂のパターンを形成する。なお、インプリント装置100は、一例として、光硬化法を採用するものとする。また、以下の図において、上下方向(鉛直方向)にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。インプリント装置100は、照明系1と、モールド保持機構3と、ウエハステージ8と、塗布部10と、アライメント計測部11と、制御部14とを備える。

0014

照明系1は、不図示の光源から発せられた紫外線を、樹脂を硬化させるに適切な光に調整し、モールド2に照射する樹脂硬化手段である。光源は、紫外線に限らず、モールド2を透過し、かつ樹脂が硬化する波長の光を発するものであればよい。なお、例えば熱硬化法を採用する場合には、樹脂硬化手段として、照明系1に換えて、例えば、ウエハステージ8の近傍に熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱手段を設置する。

0015

モールド2は、平面形状が矩形であり、ウエハ7と対向する面の中央部に、3次元状に形成された回路パターン等の凹凸パターン(パターン領域)21を有する型である。モールド2の材質は、石英等、紫外線を透過させることが可能な材料である。凹凸パターン21の表面は、高平面度に加工されている。また、モールド2は、凹凸パターン21の周領域に、複数のアライメントマーク22を有する(図2参照)。複数のアライメントマーク22のそれぞれの平面座標は、予め測定されており、マーク形成時の描画誤差を含めた座標データとして、インプリント装置100内、例えば、制御部14に含まれる記憶装置に保存される。

0016

モールド保持機構(型保持部)3は、モールド2を保持するモールドチャック4と、不図示であるが、モールドチャック4を支持し移動させるモールド駆動機構と、凹凸パターン21(モールド2)を変形可能とする形状補正機構5とを有する。モールドチャック(モールドベース)4は、モールド2における紫外線の照射面の外周領域を真空吸着力静電力により引き付けることでモールド2を保持する。また、モールドチャック4およびモールド駆動機構は、照明系1から照射された紫外線がモールド2を透過してウエハ7に向かうように、中心部(内側)に開口領域を有する。モールド駆動機構は、モールド2とウエハ7上の樹脂とを接触させたり、引き離したり、選択的に行うようにモールド2をZ軸方向に移動させる。なお、インプリント処理の際の接触および引き離し動作は、モールド2をZ軸方向に移動させることで実現してもよい。また、同動作は、ウエハステージ8を駆動させてウエハ7をZ軸方向に移動させることで実現してもよく、または、モールド2とウエハ7との双方を相対的に移動させてもよい。形状補正機構(補正機構)5は、モールドチャック4に保持されている状態のモールド2に力(外力、圧縮力)を加えてモールド2の形状を変化させることで、凹凸パターン21の形状を所望の形状に補正する。

0017

図2は、Z軸方向マイナス側(ウエハステージ8側)から見たときの形状補正機構5の構成を示す概略平面図である。形状補正機構5は、モールド2の4方向の側面(凹凸パターン21が形成されているXY面に対する垂直面(XZ面またはYZ面))のいずれかに対向し、モールド2の外周部に相当する側面全体を取り囲むように配置される複数の駆動部30を有する。なお、図2に示す形状補正機構5では、一例として、モールド2の1方向の側面(1辺)につき4つの駆動部30を配置するものとしている。駆動部30は、それぞれ、モールドチャック4に支持され、モールド2の側面に圧縮力を発生させるためのアクチュエータと、モールド2の側面に加える圧縮力を計測するセンサ(検出器)6とを含む。アクチュエータとしては、発熱量が小さく、かつ応答性の優れているピエゾアクチュエータを採用し得る。駆動部30は、所望の圧縮力を発生させるために必要な駆動ストロークと、モールド2に対して非接触状態となる一定の空走距離を含めた駆動ストロークを有する。センサ6は、複数の駆動部30のそれぞれに個別に連設される、ロードセルまたは歪ゲージなどの力センサである。なお、センサ6としては、その他の圧縮力計測手段として、モールドチャック4に支持される非接触型変位センサとし、モールド2の側面の相対位置を検出するものとしてもよい。

0018

ウエハ7は、例えば単結晶シリコンからなる被処理基板である。なお、半導体デバイス以外の物品の製造用途であれば、基板の材質として、例えば、光学素子であれば石英等の光学ガラス発光素子であればGaNやSiCなどを採用し得る。

0019

ウエハステージ(基板保持部)8は、ウエハ7を保持してXY平面内で移動可能で、モールド2とウエハ7上の樹脂との接触に際し、モールド2とウエハ7との位置合わせを実施する。また、ウエハステージ8は、その表面上に、モールド2とウエハステージ8とをアライメントするための複数の基準マーク9を有する。

0020

図3は、Z軸方向プラス側(モールド保持機構3側)から見たときのウエハステージ8上の基準マーク9の形状および設置位置を示す概略平面図である。基準マーク9は、モールド2に設置(形成)されている複数のアライメントマーク22(図2参照)とそれぞれ対となっている。また、複数の基準マーク9のそれぞれの平面座標は、予め測定されており、マーク形成時の描画誤差を含めた座標データとして、インプリント装置100内、例えば、制御部14に含まれる記憶装置に保存される。

0021

塗布部(ディスペンサ)10は、ウエハ7上に予め設定されているショット領域(パターン形成領域)上に、所望の塗布パターンで未硬化の樹脂を塗布する。インプリント材としての樹脂は、モールド2とウエハ7との間に充填される際には流動性を持ち、成形後には形状を維持する固体であることが求められる。特に本実施形態では、樹脂は、紫外線を受光することにより硬化する性質を有する紫外線硬化樹脂(光硬化性樹脂)であるが、物品の製造工程などの各種条件によっては、光硬化樹脂に換えて熱硬化樹脂熱可塑樹脂等が用いられ得る。

0022

アライメント計測部11は、He−Neレーザー等、樹脂が硬化しない波長帯を用いる計測光源12と、CCDカメラ等の検出器13と、不図示の光学素子とを含む。アライメント計測部11は、凹凸パターン21と、ウエハ7上に予め形成されている下地層(下地パターン)とを重ね合わせる際に、アライメントマーク22と、ウエハ7上のアライメントマークとを重ねた状態で計測光を照射して、検出器13で干渉縞を検出する。これにより、アライメント計測部11は、モールド2のアライメントマーク22と、ウエハ7のアライメントマークとの相対位置を計測することができる。同様に、アライメント計測部11は、モールド2のアライメントマーク22と、ウエハステージ8上に設置されている基準マーク9との相対位置も計測することができる。

0023

制御部14は、例えばコンピューターなどで構成され、インプリント装置100の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどに従って各構成要素の動作や調整などを制御し得る。特に本実施形態では、制御部14は、以下に示すような形状補正機構5の校正に関する制御を実行し得る。なお、制御部14は、インプリント装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。

0024

次に、モールド2に形成されている凹凸パターン21の形状補正について説明する。まず、制御部14は、ウエハ7上に予め形成されている下地層のアライメントマークと、モールド2のアライメントマーク22とを重ね合わせ、アライメント計測部11に対し、互いのマークの相対位置を計測させる。ここで、計測対象となるアライメントマーク22の数により、アライメント精度と計測時間との関係は、トレードオフになる。そこで、制御部14は、インプリント装置100の使用条件に応じて、複数のアライメントマーク22の中から計測対象とするアライメントマーク22を選択する。次に、制御部14は、アライメント計測により得られた相対位置に関する情報から凹凸パターン21の形状誤差を算出し、倍率、スキュー、台形、なりまたは糸巻きなどの形状成分に分解した形状補正量を求める。このように、アライメントマークを検出した結果から、モールド2のパターン領域とウエハ7に形成されたインプリント領域との形状差を求めることができる。次に、制御部14は、式(1)に、求めた形状補正量を適用することにより、各駆動部30にそれぞれ入力する圧縮力を導出し、各駆動部30の制御系目標値(圧縮力または変位)に加算することで、形状補正を行う。

0025

0026

ただし、行列[r]は、n個の形状成分の要素からなる変形量(形状補正量)である。行列[f]は、駆動部30の軸数に相当するm個の要素からなる、各駆動部30のフィードバック制御系に対する目標値(圧縮力)である。また、行列[A]は、m×n個の要素数からなる、変形量[r]から目標値[f]を決定づける行列である。

0027

ここで、行列[A]は、モールド2の形状、材料のヤング率およびポアソン比、またはモールド2の吸着保持の際の摩擦力などにより決まるパラメータであり、予めシミュレーションよって求められる。具体的には、まず、制御部14は、目標値[f]に相当する圧縮力をモールド2の側面に加えたときの凹凸パターン21の変形量[r]を、有限要素法(FEA)等の既知の手法を用いて求める。次に、制御部14は、この処理を、予め想定した複数種類の圧縮力(目標値[f])に順次変更して繰り返す。そして、制御部14は、シミュレーションで求めた変形量の行列の要素{[r]}と、予め想定した複数種類の目標値の行列の要素{[f]}とから、最小二乗法等を用いて行列[A]を算出する。なお、式(1)は、1次の連立方程式に相当するが、形状補正を精度良く行うために、さらに式(1)を発展させて次数を増やしてもよい。

0028

そして、制御部14は、形状誤差が許容範囲に収束するまでアライメント計測と形状補正とを繰り返し実施させることで、最終的に所望の重ね合わせを行うことができる。

0029

次に、形状補正機構5の校正方法として、初期校正について説明する。上記説明した式(1)における行列[A]は、シミュレーションにより求められたものであり、その行列[A]をそのまま形状補正機構5に適用したのでは、誤差が生じる可能性がある。この誤差は、モールド2の寸法誤差、形状補正機構5の加工・組立誤差、または、センサ6の計測誤差などに起因するものである。そこで、本実施形態では、より高精度な形状補正を実現するために、以下のように形状補正機構5の初期校正を行う。

0030

図4は、形状補正機構5の初期校正工程の流れを示すフローチャートである。まず、制御部14は、初期校正工程を開始すると、モールド2として、実際の生産に用いられるモールド(生産用モールド)とは異なる、校正を行うために用いるモールド(校正用モールド)を設定し、モールド保持機構3に設置する(設定工程:ステップS101)。校正用モールドは、インプリント装置100内に常設し、適宜、制御部14からの搬送指令に基づいて、モールド保持機構3との間で自動搬送されるものとすることが望ましい。

0031

次に、制御部14は、センサ6のオフセット誤差を校正する(ステップS102)。形状補正機構5に含まれる各駆動部30は、それぞれ、モールド2とは非接触のまま一定のストロークだけ可動し得る。そこで、ここではまず、制御部14は、すべての駆動部30が非接触状態となるまで駆動部30を駆動させる。この非接触状態では、モールド2は、モールドチャック4による吸着力のみで保持されており、モールド2の側面に対する圧縮力は発生していない。したがって、このときの各センサ6の計測値は、ゼロ、または予め定められた基準値と一致することが望ましい。これに基づいて、制御部14は、各センサ6の計測値、または基準値との差をオフセット誤差として、以下、実際の計測値(出力値)にオフセット誤差を加算したものを計測値として取り扱う。なお、オフセット誤差に関する情報は、インプリント装置100内、例えば、制御部14に含まれる記憶装置に保存される。

0032

次に、制御部14は、以下のステップS105において、モールド2のアライメントマーク22とウエハステージ8上に設置されている基準マーク9とを重ね合わせてアライメント計測するために、ウエハステージ8を計測位置へ移動させる(ステップS103)。また、制御部14は、モールド駆動機構に対し、アライメントマーク22と基準マーク9とが近接するように、モールドチャック4を下降させる。なお、実際のインプリント処理の状態に近い状態で初期校正を行うために、樹脂または樹脂に換わる液体を予め基準マーク9上に塗布しておいてもよい。

0033

次に、制御部14は、各駆動部30に対し、予め定められた所望の目標値の行列の要素{[f]}を入力(駆動指令)して、モールド2の凹凸パターン21を変形させる(ステップS104)。

0034

次に、制御部14は、アライメント計測部11に対してアライメント計測を実施させ、計測結果に基づいて、モールド2の凹凸パターン21の形状すなわち凹凸パターン21の実変形量の行列の要素{[r]}を算出する(変形量導出工程:ステップS105)。

0035

次に、制御部14は、すべての目標値の行列の要素{[f]}に対して実変形量の行列の要素{[r]}が求められたかどうかを判断する(ステップS106)。ここで、制御部14は、求められていないと判断した場合には(No)、ステップS104からS105の工程を繰り返す。一方、制御部14は、求められたと判断した場合には(Yes)、以下のステップS107に移行する。

0036

そして、制御部14は、実変形量の行列の要素{[r]}と、目標値の行列の要素{[f]}とを関係付ける行列[A’]を算出する(算出工程:ステップS107)。ここで、行列[A’]は、式(1)における行列[A]を求める場合と同様に、最小二乗法を用いて算出される。

0037

以降、校正用モールドを使用する際には、制御部14は、校正工程として、ステップS107にて求められた行列[A’]が適用された式(2)を用いて形状補正を実施すればよい。

0038

0039

このように、インプリント装置100における形状補正機構5の校正を行うに際し、校正用モールドを用いて求められたパラメータである行列[A’]を用いる。したがって、以降の校正の際には、校正用モールドを設置しつつ、予め求められているパラメータを用いればよいので、再度、校正のためにパラメータを求める必要がなく、迅速に校正を行うことができる。また、校正に用いられるパラメータは、シミュレーションにより求めたものではなく、実計測により求めたものである。したがって、例えば、センサ6に計測誤差が発生している場合でも、その計測誤差を反映させたパラメータを用いるので、高精度な校正を行うことができる。

0040

以上のように、本実施形態によれば、型に形成されている凹凸パターンを高精度かつ迅速に所望の形状に安定的に変化させるのに有利なインプリント装置およびインプリント方法を提供することができる。

0041

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るインプリント装置について説明する。第1実施形態では、形状補正機構5の校正に関し、特に初期校正を行う場合について例示した。これに対して、本実施形態に係るインプリント装置の特徴は、形状補正機構5の校正方法に関して、特に経年変化に対する校正、すなわち所望の時間間隔で校正を行う場合に適用し得る点にある。なお、本実施形態に係るインプリント装置の各構成要素は、第1実施形態に係るインプリント装置100の各構成要素と同一であるため、以下、同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。

0042

形状補正機構5の経年変化の主要因としては、センサ6の計測誤差が挙げられる。センサ6の計測誤差は、リニアリティ誤差と、オフセット誤差とに分類される。特にリニアリティ誤差を関数化する際には、高次近似関数を用いる場合もあるが、以下、説明の簡略化のために、1次のゲイン誤差についてのみ言及する。

0043

ここで、上記の式(1)を用いて算出される各駆動部30の目標値の行列[f]に対して、実際の圧縮量である行列[f’]は、式(3)で表される。

0044

0045

ただし、行列[gain]は、m個の要素からなる、各センサ6のゲイン誤差である。また、行列[ofs]は、m個の要素からなる、各センサ6のオフセット誤差である。

0046

図5は、形状補正機構5の経年変化に対する校正工程の流れを示すフローチャートである。なお、図5における経年変化に対する校正工程開始後のステップS201からS206までの工程は、第1実施形態にて説明した初期校正工程を示す図4におけるステップS101からS106までの工程と同一であるため、説明を省略する。

0047

ステップS206の完了後、制御部14は、第2のパラメータとして、ゲイン補正係数を求める(ステップS207)。このとき、制御部14は、ステップS205におけるアライメント計測で得られた実変形量の行列の要素{[r’]}を上記の式(2)に代入することで、各駆動部30の目標値の行列の要素{[f’]}を求める。ここで、式(2)におけるパラメータとしての行列[A’]は、同一のモールド2のアライメントマーク22と、ウエハステージ8の基準マーク9とを用いることで、不変的なパラメータとなる。そのため、要素{[f’]}と要素{[f]}との比が1となるような係数が、センサ6のゲイン補正係数となる。なお、ゲイン補正係数を求めるときに別のモールド2を用いると、ゲイン補正係数は、行列[A’]の差分を含んだ値として算出される。その結果、形状補正の精度については、同程度の改善が得られるが、別のモールド2に対しては改善されない。したがって、このように同一のモールド2を用いて校正し、2つのパラメータ、すなわち行列[A’]とセンサ6のゲイン補正係数とは、それぞれ別に管理されることが望ましい。また、ここで求められるゲイン補正係数は、厳密には、駆動部30に内在する伝達機構等の誤差要因を含んだ係数であるため、駆動部30全体におけるゲイン補正係数であるともいえる。

0048

なお、リニアリティ誤差としてのゲイン誤差を校正するときには、凹凸パターン21の形状(形状パターン){[r]}の要素数が数個あれば十分であり、特にセンサ6の計測値が大きく異なるような形状パターンの組合せを用いるのが望ましい。また、高次のリニアリティ誤差を校正するときには、凹凸パターン21の形状{[r]}の要素数を増やし、目標値の行列の要素{[f’]}と要素{[f]}との関係を高次の近似関数に当てはめ、各係数を最小二乗法等で算出すればよい。

0049

以降、制御部14は、ステップS207にて求められたゲイン補正係数をセンサ6の計測値に乗算すれば、センサ6の計測値を校正することができる。

0050

このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、特にセンサ6に関する経年変化による誤差が生じている場合でも、校正精度を安定的に維持することができる。

0051

なお、上記説明では、校正用モールドは、生産用モールドとは別に準備されたものとしている。しかしながら、校正用モールドは、このような校正専用のモールドに限らない。例えば、第1実施形態において説明した初期校正を特定の生産用モールドを用いて行っていれば、以降の校正のときに、この特定の生産用モールドを校正用モールドとみなして再度用いるものとしてもよい。この場合、ステップS201における校正用モールドの設置工程が不要となるため、校正時間を短縮できる。

0052

また、経年変化に対する校正の実施し得る時期としては、例えば、校正の実績値から精度が悪化する時期を予測して実施してもよく、生産ロット先頭で実施してもよく、または、モールド2を交換するタイミングで実施してもよい。さらに、センサ6の計測誤差が顕著に表れると予想される凹凸パターン21の形状の1つを数点のアライメントマークのみで計測し、誤差が許容値内である場合には生産を継続し、誤差が許容値を超えている場合に、校正を実施するものとしてもよい。この場合、校正時間が短縮されるので、校正工程に、ウエハ処理ごとにゲイン誤差が許容値内であるかの確認工程を加えたとしても、スループットの低下を最小限に抑えることができる。また、オフセット誤差の校正については、校正時間が短いので、ゲイン誤差の校正とは別に、頻繁に実施してもよい。例えば、ウエハ交換並行して実施してもよく、または、ショット領域間の塗布部10による樹脂の塗布と並行して実施してもよい。

0053

(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るインプリント装置について説明する。本実施形態に係るインプリント装置の特徴は、形状補正機構5を用いて生産用モールドとしてのモールド2を校正する点にある。なお、本実施形態に係るインプリント装置の各構成要素も、第1実施形態に係るインプリント装置100の各構成要素と同一であるため、以下、同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。

0054

図6は、生産用モールドの校正工程の流れを示すフローチャートである。まず、制御部14は、モールド2として校正用モールドをモールド保持機構3に設置する(ステップS301)。次に、制御部14は、校正用モールドを用いて、第2実施形態で説明した図5のフローチャートの流れに沿って形状補正機構5の校正を行う(ステップS302)。次に、制御部14は、モールド保持機構3から校正用モールドを搬出させ、引き続き、モールド2として生産用モールドを設置する(ステップS303)。そして、制御部14は、生産用モールドを用いて、第1実施形態で説明した図4のフローチャートの流れに沿って行列[A’]を求め、式(2)を更新することで、生産用モールドの校正を行い得る(ステップS304)。

0055

なお、生産用モールドは、モールド2の種類ごとに校正するのが望ましく、求められた校正値としての行列[A’]は、校正対象となるモールド2に関連付けて管理されることが望ましい。また、形状補正機構5のゲイン補正係数とオフセット補正値とは、モールド起因による補正パラメータの行列[A’]とは別に管理することで、行列[A’]は、不変的なパラメータとなり、以降、校正する必要がなくなる。また、形状補正機構5を交換した際にも、第2実施形態で説明した校正を実施するだけで、モールド2に依存することなく校正精度を維持することができる。

0056

(物品の製造方法)
物品としてのデバイス半導体集積回路素子液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレートフィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを形成された基板をエッチングする工程を含みうる。なお、パターンドメディア記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりにパターンを形成された基板を加工する他の処理を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質生産性生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。

0057

以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。

0058

3モールド保持機構
5形状補正機構
14 制御部
100 インプリント装置

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