図面 (/)

技術 捩り振動低減装置

出願人 ヴァレオカペックジャパン株式会社
発明者 井上敦藤田司山本喜誉司
出願日 2014年11月26日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-238589
公開日 2016年5月30日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-098973
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 流体伝動装置の形式及びその他伝動装置との組み合わせ
主要キーワード リング円周 過重負荷 円盤リング状 正逆反対 接触摩擦係数 外周部端面 損傷リスク 振動防止効果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

従来の入力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材回転駆動における精度の高いセンタリング簡易に且つ効果的に行う篏合構造を提供すること。

解決手段

第1及び第2の入力側回転部材の内周端面に3以上の略平板状の突起部を有し、前記突起部の略中央部には前記出力部材の外周面と接する折り曲げ爪部を有することにより、前記第1及び第2の入力側回転部材と前記出力部材とのセンタリングが容易となる。

概要

背景

捩り振動低減装置であるダンパー(以降、具体的にはダンパーと称する。)は、エンジン動力伝達軸に連結される入力側回転部材ドライブプレート及びサイドプレート)と、トルクコンバータタービンに連結される出力側回転部材ハブクラッチ)と、これらの入力側回転部材と出力側回転部材とを回転方向弾性的に連結するとともに円周方向に沿って配置されたトーションスプリングと、トーションスプリングを直列作動させる中間部材バックプレート)とにより構成されている。(上記の入力側回転部材と出力側回転部材における「入力」及び「出力」の表現は便宜的なものであり、どちらか一方が「入力」であって他方が「出力」であれば技術上差支えない。)

トルクコンバータのダンパーは、走行状態に応じてエンジンとトランスミッションとを直結し、エンジン駆動により伝達される振動を吸収する捩り振動低減装置としての機能を果たしている。入力側回転部材は、内燃機関(エンジン)のクランクシャフト伝動装置入力軸との間にあって、入力側のトルクを与える部材をいい、たとえばドライブプレート及び/もしくはサイドプレートによって実現されるものである。材質・形状に特に制限はないが、回転に耐えうる一定以上の剛性を有する材料であって回転運動適合するような平面視略円形円盤状)の形状によってなるのが望ましい。

出力側回転部材は、入力側からのトルクが伝達される出力側の部材をいい、たとえばハブクラッチによって実現されるものである。材質・形状に特に制限はないが、回転による振動に耐えうる一定以上の剛性を有する材料、回転運動に適合するような平面視略円形(円盤状)の形状によってなるのが望ましい。入力側回転部材と出力側回転部材とは相対回転可能に配設される。

上記回転部材は円周面上にばね収容部を有し、入力側回転部材及び出力側回転部材が相対回転の動きをする際にこれに連動して伸縮運動を行うばね(トーションスプリング)が収容される機能を持つ。詳細には、かかるトーションスプリングが当接する当接部を両端部に備えている。

これらの部材は、エンジン駆動に伴う高速から低速までを任意変動する回転トルクを、トーションスプリングの緩衝を介して捩り振動を吸収しながら適時伝達しなければならないため、高度な剛性を必要とする。また同時に正負回転方向の変化にも対応して逐次機能を発揮するための構造寸法の確保及び安定性及び長期信頼性が要求される。

上述のような構造を有するダンパー構造において、トルク伝達軸回転中心として効率的に回転トルクを伝達しつつ、入力部材出力部材との相対回転を可能とするためには、両部材回転軸に対する半径方向の位置決め(以降、「センタリング」と称する。)の精度が重要であることは言うまでもない。

従来のダンパー構造においては、入力部材であるドライブプレート及びサイドプレートの内径面に接するハブクラッチの外周部端面の接触部を機械加工等の手段を用いて篏合微調整を行うことによって、両部材のセンタリングの調整を実施していた。しかし、機械加工による微調整は煩雑な作業のひとつであり製造上のコストアップ要因ともなっていた。

特許文献1(特開2002−181131号公報)には、ドライブプレートの側面に、押圧部材であるプレッシャプレートの円周方向に設けられた突起部が係入する位置決め用孔を設けてセンタリングを行う技術思想が開示されている。この4つの位置決め用突起部は水平に折曲形成され前記位置決め用孔に密接係入することで成される。しかしこの構造は、突起部及び位置決め孔の形状や精度に依存すると共にドライブプレート及びハブクラッチ、プレッシャプレートの3部品にまたがる寸法精度を要求され、且つ組立工程も緻密な作業となる。

また特許文献2(特開2006−162054号公報)には、ハブクラッチの円周面に貫通口を設け、両側から接するサイドプレート及びドライブプレートに相当する第1プレート部材及び第2プレート部材に摩擦部材を介して接触したフリクションプレートに構成された爪部が、挿入篏合されてセンタリングが成される構造の技術思想が開示されている。しかしこの場合も、貫通口と爪部との位置決め精度が要求され、フリクションプレートという別部材が必要となり、ダンパー構造における軸方向の省スペース化及び部品点数の削減には貢献していない。

上記のように、入力側回転部材及び出力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材の回転駆動におけるセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造の開発が望まれている。

概要

従来の入力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材の回転駆動における精度の高いセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造を提供すること。第1及び第2の入力側回転部材の内周端面に3以上の略平板状の突起部を有し、前記突起部の略中央部には前記出力部材の外周面と接する折り曲げ爪部を有することにより、前記第1及び第2の入力側回転部材と前記出力部材とのセンタリングが容易となる。

目的

上記のように、入力側回転部材及び出力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材の回転駆動におけるセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

略円リング状の第1及び第2の入力側回転部材と、前記第1及び第2の入力側回転部材の間に挟まれ略同心状にかつ正逆反対方向に相対回転可能に配置された略円盤リング状の出力側回転部材と、前記第1及び/もしくは第2の入力側回転部材及び前記出力側回転部材の円周方向に略等間隔に形成され、両者の相対回転方向両端部をばね受け部とするばね収容部と、前記ばね収容部に収容されるばねと、前記第1及び/もしくは第2の入力側回転部材の内周端面に配置され前記出力部材外周面及び/若しくは前記出力部材の開口部と接する折り曲げ爪部を有する複数の突起部とを具備する捩り振動低減装置

請求項2

前記第1及び第2の入力側回転部材の突起部は、前記出力側回転部材の方向に傾斜する略平板状構造であることを特徴とする請求項1記載の捩り振動低減装置。

請求項3

前記第1及び第2の入力側回転部材の折れ曲げ爪部は、前記出力部材の方向に略垂直に折れ曲がり、背部が略円弧状曲面であることを特徴とする請求項1もしくは2記載の捩り振動低減装置。

請求項4

前記第1及び第2の入力側回転部材の突起部は、前記出力側回転部材に対して略同じ位置に設置されており表裏同一面において前記出力側回転部材を保持する形態であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の捩り振動低減装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車原動機であるエンジン動力伝達装置であるトランスミッションとの間に配設されるトルクコンバータダンパーと称される捩り振動低減装置に関する。

背景技術

0002

捩り振動低減装置であるダンパー(以降、具体的にはダンパーと称する。)は、エンジンの動力伝達軸に連結される入力側回転部材ドライブプレート及びサイドプレート)と、トルクコンバータのタービンに連結される出力側回転部材ハブクラッチ)と、これらの入力側回転部材と出力側回転部材とを回転方向弾性的に連結するとともに円周方向に沿って配置されたトーションスプリングと、トーションスプリングを直列作動させる中間部材バックプレート)とにより構成されている。(上記の入力側回転部材と出力側回転部材における「入力」及び「出力」の表現は便宜的なものであり、どちらか一方が「入力」であって他方が「出力」であれば技術上差支えない。)

0003

トルクコンバータのダンパーは、走行状態に応じてエンジンとトランスミッションとを直結し、エンジン駆動により伝達される振動を吸収する捩り振動低減装置としての機能を果たしている。入力側回転部材は、内燃機関(エンジン)のクランクシャフト伝動装置入力軸との間にあって、入力側のトルクを与える部材をいい、たとえばドライブプレート及び/もしくはサイドプレートによって実現されるものである。材質・形状に特に制限はないが、回転に耐えうる一定以上の剛性を有する材料であって回転運動適合するような平面視略円形円盤状)の形状によってなるのが望ましい。

0004

出力側回転部材は、入力側からのトルクが伝達される出力側の部材をいい、たとえばハブクラッチによって実現されるものである。材質・形状に特に制限はないが、回転による振動に耐えうる一定以上の剛性を有する材料、回転運動に適合するような平面視略円形(円盤状)の形状によってなるのが望ましい。入力側回転部材と出力側回転部材とは相対回転可能に配設される。

0005

上記回転部材は円周面上にばね収容部を有し、入力側回転部材及び出力側回転部材が相対回転の動きをする際にこれに連動して伸縮運動を行うばね(トーションスプリング)が収容される機能を持つ。詳細には、かかるトーションスプリングが当接する当接部を両端部に備えている。

0006

これらの部材は、エンジン駆動に伴う高速から低速までを任意変動する回転トルクを、トーションスプリングの緩衝を介して捩り振動を吸収しながら適時伝達しなければならないため、高度な剛性を必要とする。また同時に正負回転方向の変化にも対応して逐次機能を発揮するための構造寸法の確保及び安定性及び長期信頼性が要求される。

0007

上述のような構造を有するダンパー構造において、トルク伝達軸回転中心として効率的に回転トルクを伝達しつつ、入力部材出力部材との相対回転を可能とするためには、両部材回転軸に対する半径方向の位置決め(以降、「センタリング」と称する。)の精度が重要であることは言うまでもない。

0008

従来のダンパー構造においては、入力部材であるドライブプレート及びサイドプレートの内径面に接するハブクラッチの外周部端面の接触部を機械加工等の手段を用いて篏合微調整を行うことによって、両部材のセンタリングの調整を実施していた。しかし、機械加工による微調整は煩雑な作業のひとつであり製造上のコストアップ要因ともなっていた。

0009

特許文献1(特開2002−181131号公報)には、ドライブプレートの側面に、押圧部材であるプレッシャプレートの円周方向に設けられた突起部が係入する位置決め用孔を設けてセンタリングを行う技術思想が開示されている。この4つの位置決め用突起部は水平に折曲形成され前記位置決め用孔に密接係入することで成される。しかしこの構造は、突起部及び位置決め孔の形状や精度に依存すると共にドライブプレート及びハブクラッチ、プレッシャプレートの3部品にまたがる寸法精度を要求され、且つ組立工程も緻密な作業となる。

0010

また特許文献2(特開2006−162054号公報)には、ハブクラッチの円周面に貫通口を設け、両側から接するサイドプレート及びドライブプレートに相当する第1プレート部材及び第2プレート部材に摩擦部材を介して接触したフリクションプレートに構成された爪部が、挿入篏合されてセンタリングが成される構造の技術思想が開示されている。しかしこの場合も、貫通口と爪部との位置決め精度が要求され、フリクションプレートという別部材が必要となり、ダンパー構造における軸方向の省スペース化及び部品点数の削減には貢献していない。

0011

上記のように、入力側回転部材及び出力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材の回転駆動におけるセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造の開発が望まれている。

先行技術

0012

特開2002−181131号公報
特開2006−162054号公報

発明が解決しようとする課題

0013

エンジン出力伝達機構であるトルクコンバータ内の捩り振動低減装置ダンパーは、略円リング形状の入力回転部材出力回転部材で構成され、相対回転が可能な構造を有することにより機能を発揮するため、互いの略円盤リング形状同士の相互回転における回転軸に対するセンタリングの精度が要求される。従来技術においても爪篏合構造の採用等、様々な対応が成されているが十分な機能を得るに至っていない。

0014

本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、従来の入力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、入力部材及び出力部材の回転駆動における精度の高いセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造の開発を課題とする。

課題を解決するための手段

0015

かかる課題を解決するために、本願発明では、次の構成を採用する。即ち、本発明に係る捩り振動低減装置は、略円盤リング状の第1及び第2の入力側回転部材と、前記第1及び第2の入力側回転部材の間に挟まれ略同心状にかつ正逆反対方向に相対回転可能に配置された略円盤リング状の出力側回転部材と、前記第1及び/もしくは第2の入力側回転部材及び前記出力側回転部材の円周方向に略等間隔に形成され、両者の相対回転方向両端部をばね受け部とするばね収容部と、前記ばね収容部に収容されるばねと、前記第1及び/もしくは第2の入力側回転部材の内周端面に配置され前記出力部材の外周面及び/もしくは前記出力部材の開口部と接する折り曲げ爪部を有する複数の突起部とを具備して構成される。このとき、好適には、突起部の略中央部には前記出力部材の外周面と接する折り曲げ爪部を有することにより、前記第1及び第2の入力側回転部材と前記出力部材とのセンタリングが可能となる構成をもつ。

0016

以降、上記の第1の入力側回転部材をドライブプレートと称し、第2の入力側回転部材をサイドプレートと称する。

0017

本発明に係る捩り振動低減装置(ダンパー)は、略円盤リング状のドライブプレート及びサイドプレートの内周先端部に突起部を有することにより、その突起部が両者の間に介在する出力側回転部材であるハブクラッチの円周面を表裏両面から挟み込み保持する機能を有する。(以降、出力回転部材をハブクラッチと称する。)

0018

前記突起部に有する折り曲げ爪部は、ドライブプレート及びサイドプレートからその中央に位置するハブクラッチ側に略垂直(円弧状)に折り曲げられた形状であり、前記爪部の背部が略円盤リング状であるハブクラッチの外周端面に接することにより、ドライブプレート及びサイドプレートとハブクラッチとのセンタリングを行う機能を有する。また、折り曲げ爪部の背部がハブクラッチと接する部分は、ハブクラッチの外周端面に限定されず、例えばハブクラッチ半径方向の面に形成された開口部(切欠き部を含む)の端部であってもよい。

0019

前記突起部と折り曲げ爪部は、ドライブプレート及びサイドプレートの内周に均等間隔で配置され、少なくとも3カ所以上設定されていることにより、ドライブプレート及びサイドプレートとハブクラッチとのセンタリングを精度高く行うことができる。また折り曲げ爪部の背部は略円弧状に折り曲げられている場合は、ハブクラッチの外周端面との接触が面接触となるため、接触面圧下げることができ、接触による摩耗を抑制させることができる。

0020

ドライブプレート及びサイドプレートの折り曲げ爪部とハブプレートとの接触部が滑らかな面接触であることは同時に両プレートの回転時の接触摩擦係数の最少化につながる。各部材の損傷リスクの低減及び振動防止効果も期待できる。

0021

本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーの前記ドライブプレート及びサイドプレートの突起部は、前記ハブクラッチの方向に略折れ曲がる傾斜(テーパー)構造であることに特徴を有する。

0022

前記突起部がハブクラッチ側に微小の傾斜を有することにより、ドライブプレート及びサイドプレートの間に介在するハブクラッチのリング面を表裏両面から挟み保持する機能を向上させることができる。これによりハブクラッチの回転軸方向への振動及び歪みを補正することができ、安定した出力回転を維持することができる。

0023

本発明に係る捩り振動低減装置のドライブプレート及びサイドプレートの突起部は、ハブクラッチに対してそれぞれ同じ位置に設置されており表裏同一面においてハブクラッチを保持する形態であってもよい。

0024

この形態により、ドライブプレート及びサイドプレートの間に介在するハブクラッチのリング表面を表裏両面から挟み保持する機能をより向上させることができる。これによりハブクラッチの回転軸方向への振動及び歪みを確実に補正することができ、騒音の少ない安定した回転出力を維持することができる。

0025

ドライブプレート又はサイドプレートのいずれか一方に大きな過重負荷が掛かり歪み・変形等の危険が生じた場合においても、他方のプレートの突起部及び折り曲げ爪部がハブクラッチとのセンタリングを維持することができる。

0026

本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーの有する略平板状の突起部及び折り曲げ爪部は、略円盤リング状を有するドライブプレート及びサイドプレートの原盤材料を1回の型プレス工程のみで生成することができるため、製造が非常に簡易で製造コスト削減に貢献できる。そして寸法精度が高い。よって、ドライブプレート及びサイドプレートとハブクラッチのセンタリング機能において、従来構造に比較して最も簡易で精度が著しく向上する。

0027

加えて、センタリング機能を目的とした別部材の必要がないため、入力側回転部材の基本的な形態(環状形状、厚さ、重量等)を変えず、且つ部品点数を増加させずに、ダンパー一体としての強度・剛性を確保しつつ、回転駆動における精度の高いセンタリングを簡易に且つ効果的に行う篏合構造であると言える。またダンパー及びトルクコンバータの省スペース化及び縮小化にも貢献する。

発明の効果

0028

本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーによれば、入力回転部材と出力回転部材のセンタリングが極めて精度高く且つ低コストで対応できるため、より省スペースで安価な且つ長期信頼性・安定性の高い捩り振動低減装置の実現が可能になる。

0029

これにより、トルクコンバータ機能及びトランスミッション全体としての機能の向上及び軽量化、長期信頼性を確保することができ、自動車エンジン駆動機構における技術的経済的効果は大きい。

図面の簡単な説明

0030

本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置の全体を示した外観図である。
本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置の部材の構成を示した概念図である。
本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のドライブプレートからハブクラッチまでを示した斜視図である。
本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のドライブプレートの突起部及び折り曲げ爪部を拡大して示した概念図である。
本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のハブクラッチ及びバックプレート、サイドプレートのセンタリング部の切断面を示した概念図である。(図1におけるA−A´断面図)

実施例

0031

以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。

0032

図1は、本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置の全体を示した外観図である。同図に示すように、捩り振動低減装置1は略円盤状であり中心部に略円形貫通孔を有するリング形状の形態をとっている。(以降、捩り振動低減装置を「ダンパー」と称する。)同図における上面側に描かれたサイドプレート12(ハブスプライン18を含む。)と下面側に描かれたドライブプレート11との間には、ハブクラッチ13、バックプレート14、トーションスプリング大15a及びトーションスプリング小15bが挟み込まれた態様で構成されている。

0033

図1の左下4分の1部分は、図中の表面側に描かれたサイドプレート12(ハブスプライン18を含む。)を除いた状態を示した外観図である。

0034

図1に示すようにダンパー1のドライブプレート11及びサイドプレート12と、これらの間に配置されたハブクラッチ13とは、相対回転が可能な構造であり、介在するトーションスプリング大15a及びトーションスプリング小15bは、ドライブプレート11及びサイドプレート12の回転における捩り振動を緩衝吸収させながら、回転トルクをハブクラッチ13に伝え、クランクシャフト(図1では省略)に回転トルクを伝達している。

0035

本発明の一実施形態に係るダンパー1の突起部20及び折り曲げ爪部23は、円盤リング状を有するサイドプレート12及びドライブプレート11のリング内周端部に等間隔で形成されている。(図1に示すA−A´断面については後述する。)

0036

図2は、本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置の部材の構成を示した概念図である。同図に示すようにダンパー1の構成部材は、ドライブプレート11、バックプレート14、ハブクラッチ13、トーションスプリング大15a、トーションスプリング小15b、サイドプレート12、ハブスプライン18で構成されており、ドライブプレート11及びサイドプレート12はリベット19によって締結されている。

0037

本発明の一実施形態に係るダンパーのドライブプレート11及びサイドプレート12のリング内周端部には、突起部20が各4か所均等に形成されている。これらの突起部20はドライブプレート11及びサイドプレート12の間に介在するハブクラッチ13のリング円周面を表裏からそれぞれ挟み込む態様となっている。同様にスプリング保持部25は、間に介在するトーションスプリング大15a及びトーションスプリング小15bを表裏両面側から保持するための構造である。

0038

図3は、本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のドライブプレートからハブクラッチまでを示した斜視図である。同図に示すように、ドライブプレート11にトーションスプリング大15a、トーションスプリング小15b、バックプレート14及びハブクラッチ13が所定の位置に配置されている。ハブクラッチ13の半径方向外側の面は、ドライブプレート11の4個の突起部20の図中における表面側に重なるように配置され、ハブクラッチ13のリング外周端部はドライブプレート11の4個の折り曲げ爪部23によって半径方向の位置決め(センタリング)が成されている。

0039

但し、本発明におけるダンパーにおいて上記突起部20及び折り曲げ爪部23の数は、図3に示すように各4個に限定するものではない。略円盤リング形状を有するドライブプレート11、サイドプレート12及びハブクラッチ13の精度の高いセンタリングのためには、折り曲げ爪部23が最低3個若しくはそれ以上あればよい。

0040

図3に示すように、ドライブプレート11の左右回転の際は、トーションスプリング15のバネ弾性緩衝を受けて捩り振動を吸収しつつハブクラッチ13に回転トルクが伝達される。ドライブプレート11とハブクラッチ13との回転中心からのセンタリングの精度は、回転トルクを効率良く伝達するために非常に重要である。これは、図3には示されていないが、サイドプレート12とハブクラッチ13との関係においても同様である。

0041

図4は、本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のドライブプレートの突起部及び折り曲げ爪部を拡大して示した概念図である。同図に示すように、ドライブプレート11の略円盤リング形状の内周端部に形成された突起部20は、略台形の平板状であって、その略中央部においてハブクラッチ13側に略垂直に突出した折り曲げ爪部23を有する。

0042

図4に示すように折り曲げ爪部23の内周側(図5における背部24)は、ハブクラッチ13の略円盤リング形状の外周端部と接触してセンタリング機能を果たす。突起部20のハブクラッチ13側の面(図4における表面側)は、ハブクラッチ13の略円盤リング形状の表裏面部27を支える構造を有する。

0043

但し本発明は、突起部20の形状、大きさ、長さ、厚さを限定するものではない。同様に本発明は、折り曲げ爪部の長さ、厚さを限定するものでもない。これらは、ダンパーのサイズ及び重量又はハブクラッチ、ドライブプレート及びサイドプレートのサイズ、重量等のダンパー一体としての仕様に応じて従来技術に従った最適な設計を行うことによって決定される。

0044

図4及び図3に示すように、突起部20の両サイドである突起部端部26は、ハブクラッチ13の回転によって移動するトーションスプリング小15bを両サイドから当接する機能を有する。トーションスプリング小15bによる弾性緩衝効果は、トーションスプリング大15aによる弾性緩衝効果と異なる回転周期及び周波数の捩り振動を低減する効果を発揮することができる。

0045

図4に示すように、ドライブプレート11の突起部20及び折り曲げ爪部23は、略円盤板形状の母材から回転軸方向に向けた金型プレス工程で簡易に製造することができる。また折り曲げ爪部23の形状における微調整は、金型形状の微調整で対応することができるため、従来のセンタリングのための形状の微調整において行われていた機械加工、削り加工等の煩雑な別工程を必要としない。このことは製造上のコストダウン及び短工期化に大きく貢献する。

0046

上記図4に示す構造は、サイドプレート12における突起部20及び折り曲げ爪部23とハブクラッチ13との関係においても同様の構造である。(サイドプレート12における突起部20及び折り曲げ爪部23の図は省略する。)ハブクラッチ13は、表裏両面からドライブプレート11及びサイドプレート12の突起部20及び折り曲げ爪部23によって、挟み込まれるような態様でセンタリングされ且つ支えられる構造を有する。

0047

図5は、本発明の一実施形態に係る捩り振動低減装置のハブクラッチ及びバックプレート、サイドプレートのセンタリング部の切断面を示した概念図である。同図は、図1におけるA−A´断面を示す概念図である。同図に示すように、ハブクラッチ13の略円盤リング形状の外周面27を挟む態様で、サイドプレート12及びドライブプレート11の突起部20がハブクラッチ13を把持する。

0048

図5に示すように、サイドプレート12及びドライブプレート11の折り曲げ爪部23は、ハブクラッチ13の外周端部22の方向に略垂直に折り曲げられて形成されている。折り曲げ爪部23の背部24によってハブクラッチ13の外周端部22が接合し、精度の高いセンタリングが成される。折り曲げ爪部23の背部24の面は平面であってもよいが、好ましくはハブクラッチ13の外周端部と同径の円弧状の曲面を有する。

0049

図5に示すように、折り曲げ爪部23の背部24の表面が円弧状の曲面を有することにより、ハブクラッチ13の外周端部22との接触部は線接触から面接触となる。これによりハブクラッチ13の外周部22と背部24との接触面圧を下げることができ、接触による摩耗を抑制することができる。またハブクラッチ13の外周端部22と折り曲げ爪部23の背部24との摩擦係数極小化することが可能になる。

0050

図5に示すように、サイドプレート12及びドライブプレート11の突起部20は、ハブクラッチ13の外周面に対して表裏両面から保持する構造であるが、突起部20は好ましくはハブクラッチ13の外周面部27の方向に傾斜(テーパー)を有する。又は、突起部20は好ましくはハブクラッチ13の外周面部27の方向に凸部を有していてもよい。これにより、ハブクラッチ13の外周面部27は、サイドプレート12及びドライブプレート11の突起部20によって表裏両面からより微小面積で保持されることになる。つまりハブクラッチ13とドライブプレート及びサイドプレートとの接触で発生するヒストルクを抑制することができるため、振動防止のみならず効率の高いトルク伝達に貢献する。

0051

上記のように本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーは、ハブクラッチ13を表裏両面からセンタリング機能を備えた突起部20及び折り曲げ爪部23によって保持する技術思想であるが、突起部20及び折り曲げ爪部23の形状、位置、数、大きさを限定するものではない。但し、好ましくは突起部20及び折り曲げ爪部23の位置は、ハブクラッチ13に対してドライブプレート11及びサイドプレート12共に表裏同一にあることが最も上述の機能を発揮する。また同様に、突起部20及び折り曲げ爪部23の形状も表裏同一であることが好ましい。

0052

本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーの技術思想をさらに好ましく限定すれば、ドライブプレート11及びサイドプレート12の形状を同一の形状とし、両部材の共通化を図ることも可能である。ハブクラッチ13を表裏面から形状、質量共に均等にセンタリングし且つ支え保持する構造であれば、捩り振動低減機能、安定した効率の高いトルク伝達機能を、より高度に発揮することが可能になる。

0053

本発明に係る捩り振動低減装置ダンパーの技術思想は、ドライブプレート11及びサイドプレート12の突起部20及び折り曲げ爪部23を含めた表裏共通形状化をも技術思想の一部として内包するものである。

0054

なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部である。

0055

本発明は、高い制振効果と高い許容トルクとを長期に保つための品質を確保するため工夫されたトルクコンバータの捩り振動低減装置ダンパーを提供するためものであり、自動車のエンジン出力系トランスションにおける本発明の採用だけではなく、エンジン駆動システムを有する広い産業分野において活用される可能性の高い技術である。駆動エンジンの出力を効率よく伝達し、高信頼性を確保し、かつ軽量化、低コスト化につながる本発明の産業上の利用可能性は大きい。

0056

1・・・捩り振動低減装置(ダンパー)
11・・・ドライブプレート(入力側回転部材)
12・・・サイドプレート(入力側回転部材)
13・・・ハブクラッチ(出力側回転部材)
14・・・バックプレート(中間部材)
15a・・トーションスプリング大
15b・・トーションスプリング小
18・・・ハブスプライン
19・・・リベット
20・・・突起部
21・・・リング内周端部
22・・・ハブクラッチ外周端部
23・・・折り曲げ爪部
24・・・背部
25・・・スプリング保持部
26・・・突起部端部
27・・・ハブクラッチ外周面部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 山下竜嗣の「 免震装置及びそれを用いた免震建物」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】地震による建物の損傷を安価に防止できる免震装置を提供する。【解決手段】住宅の土台6と基礎7との間に配置する免震装置1であって、基礎7内のアンカーボルト71と連結し、土台6を支持する土台支持部2... 詳細

  • 積水ハウス株式会社の「 動吸振装置、構造体および構造体の製造方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】構造物に容易に取り付けることができるとともに、低減可能な振動数を容易に調整できる動吸振装置を提供する。【解決手段】動吸振装置1は、被拘束部25,26と、被拘束部25,26から面方向に延びる変形... 詳細

  • KYB株式会社の「 粒状体ダンパ」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】抵抗体の変位過程で減衰力を増減させることが可能な粒状体ダンパを提供する。【解決手段】粒状体ダンパAは、ケース18と、抵抗体22と、調節部材37と、粒状体38とを備えている。抵抗体22は、ケース... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ