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技術 インパクト工具

出願人 株式会社マキタ
発明者 近藤友幸
出願日 2014年11月20日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2014-235815
公開日 2016年5月30日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2016-097470
状態 特許登録済
技術分野 可搬形動力工具
主要キーワード 前突起 筒型ハウジング 後突起 各板金部材 センサ回路基板 短絡片 規制リング 径リング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

簡単な構成で、製品の大型化や重量化を招くことなく締付能力を向上させる。

解決手段

インパクトレンチ1は、ブラシレスモータ8と、ブラシレスモータ8の駆動によって回転するスピンドル69と、スピンドル69の回転に伴ってアンビル4に回転打撃力を付与可能な打撃機構10と、を備え、アンビル4内に、アンビル4を軸支する軸受メタル88との間に潤滑油を供給するグリス供給孔92を半径方向に形成してなり、アンビル4におけるグリス供給孔92の形成部位と異なる位置に、ねじりに対する断面係数をグリス供給孔92の形成部位の当該断面係数よりも大きくしてねじり変形を大きくするくびれ部96を形成した。

概要

背景

インパクトドライバ等のインパクト工具は、モータの駆動に伴って回転するスピンドルと、スピンドルにカム結合されるハンマー及びハンマーを付勢するコイルバネを含む打撃機構と、を備えてハンマーを最終出力軸となるアンビル係合させてなり、アンビルのトルクが増加すると、スピンドルの回転を打撃機構によってハンマーの間欠的な回転打撃力インパクト)に変換してアンビルに付与可能となっている(例えば特許文献1参照)。

概要

簡単な構成で、製品の大型化や重量化を招くことなく締付能力を向上させる。インパクトレンチ1は、ブラシレスモータ8と、ブラシレスモータ8の駆動によって回転するスピンドル69と、スピンドル69の回転に伴ってアンビル4に回転打撃力を付与可能な打撃機構10と、を備え、アンビル4内に、アンビル4を軸支する軸受メタル88との間に潤滑油を供給するグリス供給孔92を半径方向に形成してなり、アンビル4におけるグリス供給孔92の形成部位と異なる位置に、ねじりに対する断面係数をグリス供給孔92の形成部位の当該断面係数よりも大きくしてねじり変形を大きくするくびれ部96を形成した。

目的

本発明は、簡単な構成で、製品の大型化や重量化を招くことなく締付能力を向上させることができるインパクト工具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

モータと、前記モータの駆動によって回転するスピンドルと、前記スピンドルの回転に伴って最終出力軸回転打撃力を付与可能な打撃機構と、を備え、前記最終出力軸内に、前記最終出力軸の軸受との間に潤滑油を供給する油供給路半径方向に形成したインパクト工具であって、前記最終出力軸における前記油供給路の形成部位と異なる位置に、下記の式におけるねじりに対する断面係数を前記油供給路の形成部位の前記断面係数よりも大きくするねじり変形部を形成したことを特徴とするインパクト工具。ω=(32/πd4)×(T/G)ω:単位長さのねじれ角、d:直径、T:トルク、G:横弾性係数(32/πd4):ねじりに対する断面係数(断面2次極モーメント逆数

請求項2

モータと、前記モータの駆動によって回転するスピンドルと、前記スピンドルの回転に伴って最終出力軸に回転打撃力を付与可能な打撃機構と、を備え、前記最終出力軸の先端に、先端工具取付部を設けたインパクト工具であって、前記最終出力軸における前記取付部と異なる位置に、下記の式におけるねじりに対する断面係数を前記取付部の前記断面係数の2倍以上とするねじり変形部を形成したことを特徴とするインパクト工具。ω=(32/πd4)×(T/G)ω:単位長さのねじれ角、d:直径、T:トルク、G:横弾性係数(32/πd4):ねじりに対する断面係数(断面2次極モーメントの逆数)

請求項3

前記ねじり変形部は、前記最終出力軸の全周に亘って形成されるくびれ部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインパクト工具。

技術分野

背景技術

0002

インパクトドライバ等のインパクト工具は、モータの駆動に伴って回転するスピンドルと、スピンドルにカム結合されるハンマー及びハンマーを付勢するコイルバネを含む打撃機構と、を備えてハンマーを最終出力軸となるアンビル係合させてなり、アンビルのトルクが増加すると、スピンドルの回転を打撃機構によってハンマーの間欠的な回転打撃力インパクト)に変換してアンビルに付与可能となっている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2014−167926号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記従来のインパクト工具において、締付能力を大きくするためには、ハンマーを大型化したり、出力の大きいモータを使用して回転数を増やしたりする必要があるが、このため製品の大型化や重量化を招くことになり、コストアップに繋がる上、使い勝手も悪くなってしまう。

0005

そこで、本発明は、簡単な構成で、製品の大型化や重量化を招くことなく締付能力を向上させることができるインパクト工具を提供することを目的としたものである。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータと、モータの駆動によって回転するスピンドルと、スピンドルの回転に伴って最終出力軸に回転打撃力を付与可能な打撃機構と、を備え、最終出力軸内に、最終出力軸の軸受との間に潤滑油を供給する油供給路半径方向に形成したインパクト工具であって、最終出力軸における油供給路の形成部位と異なる位置に、下記の式におけるねじりに対する断面係数を油供給路の形成部位の当該断面係数よりも大きくするねじり変形部を形成したことを特徴とするものである。
ω=(32/πd4)×(T/G)
ω:単位長さのねじれ角、d:直径、T:トルク、G:横弾性係数
(32/πd4):ねじりに対する断面係数(断面2次極モーメント逆数
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、モータと、モータの駆動によって回転するスピンドルと、スピンドルの回転に伴って最終出力軸に回転打撃力を付与可能な打撃機構と、を備え、最終出力軸の先端に、先端工具取付部を設けたインパクト工具であって、最終出力軸における取付部と異なる位置に、下記の式におけるねじりに対する断面係数を取付部の当該断面係数の2倍以上とするねじり変形部を形成したことを特徴とするものである。
ω=(32/πd4)×(T/G)
ω:単位長さのねじれ角、d:直径、T:トルク、G:横弾性係数
(32/πd4):ねじりに対する断面係数(断面2次極モーメントの逆数)
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、ねじり変形部は、最終出力軸の全周に亘って形成されるくびれ部であることを特徴とするものである。

発明の効果

0007

本発明によれば、ねじり変形部の形成により、ハンマーを大型化したり、出力の大きいモータを使用したりすることなく、簡単な構成で締付能力を向上させることができる。よって、鋼板同士ボルト締めする場合等、1打撃当たりの回転角度が非常に小さいときに有効となる。一方、同じ締付能力であればより小さいハンマーや出力の小さいモータが使用可能となるため、製品のコンパクト化や軽量化に繋がる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ねじり変形部をくびれ部としたことで、所望のねじり変形部が簡単に形成可能となる。

図面の簡単な説明

0008

インパクトレンチの側面図である。
インパクトレンチの正面図である。
インパクトレンチの縦断面図である。
図3のA−A線断面図である。
ステータ後方から見た斜視図である。
アンビルの説明図で、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は一部を断面で示す側面図、(D)は平面図である。

実施例

0009

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、インパクト工具の一例であるインパクトレンチの側面図、図2は正面図、図3は縦断面図である。このインパクトレンチ1は、前後方向に延びる本体2に、ハンドル3を下向きに形成した側面視T字状を有し、本体2の先端からは最終出力軸となるアンビル4が突出し、ハンドル3の下端に設けた装着部5には、電源となるバッテリーパック6が装着されている。95はアンビル4の先端に装着されるソケットである。
本体2のハウジングは、ブラシレスモータ8を収容する後方部分にハンドル3を延設した合成樹脂製の本体ハウジング7と、本体ハウジング7の前方に組み付けられて打撃機構10を収容する金属製のハンマーケース9とからなる。本体ハウジング7は、左右一対半割ハウジング7a,7bを左右方向のネジ11,11・・によって組み付けて形成される。

0010

本体ハウジング7内でハンマーケース9の後方には、ハンマーケース9の後端に嵌合する金属製で後方へ凸状となるギヤハウジング12が、図4に示すように、各半割ハウジング7a,7bの内面突設された保持リブ7c,7cによって保持されている。このギヤハウジング12の外周に設けたリブ13を、本体ハウジング7の前端外面で正面視四角形状の角部に位置するように突設した後ボス7A,7A・・と、同じくハンマーケース9の後端外面で正面視四角形状の角部に位置するように突設した前ボス9A,9A・・との間に位置させた状態で、後方から複数(ここでは4本)のボルト14,14・・で結合することで、本体ハウジング7とギヤハウジング12、ハンマーケース9とが一体化される。このように金属製のハンマーケース9に対してボルト14をねじ込むことで、本体ハウジング7とハンマーケース9とが強固に結合され、耐久性も向上する。また、本体ハウジング7は半割ハウジング7a,7bで形成されるので、配線が容易に行える。

0011

ハンドル3の上部には、トリガ16を前方へ突出させたスイッチ15と、モータの正逆切替タン17とが設けられている。トリガ16の上方で本体ハウジング7には、ハンマーケース9の下面を覆ってトリガ16よりも前方へ突出する延設部18が形成されて、延設部18の先端左右に、アンビル4の前方を照射するLED19,19が設けられている。このようにLED19を2つ設けたことで、照射範囲が広くなり、アンビル4に大きなソケット95を装着しても作業箇所照明が支障なく行える。

0012

一方、装着部5には、皿状のケース21に保持されてブラシレスモータ8の制御用スイッチング素子マイコン等を搭載した制御回路基板20が収容されている。制御回路基板20には、打撃力の切替ボタンやバッテリ残容量表示ランプ等を有するスイッチパネル22が設けられて、装着部5の前部に設けた窓23を介して露出している。ハンドル3の下部と装着部5とは、ハンドル3の下端に突設した連結部24に装着部5を形成する左右の半割部5a,5bを組み付けてネジ25,25で固定することで連結される。連結部24と装着部5との間には弾性材26が介在されて、ハンドル3から装着部5へ伝わる衝撃や振動緩和可能としている。バッテリーパック6は、装着部5に対して前方からスライドさせることでレール同士の嵌合で結合される構造で、結合と共に装着部5に設けた端子台27の端子板がバッテリーパック5側の端子電気的に接続される。28は、バッテリーパック6の装着状態で装着部5に係止して抜け止めするフック、29はバッテリーパック6の取り外し時にフック28を解除するための解除ボタンである。

0013

本体ハウジング7の後部に収容されるブラシレスモータ8は、図4にも示すように、ステータ30とその内側のロータ31とからなるインナロータ型である。ステータ30は、複数の積層鋼板から形成される筒状のステータコア32と、ステータコア32の軸方向前後の端面にそれぞれ設けられる前インシュレータ33及び後インシュレータ34と、前後インシュレータ33,34を介してステータコア32に巻回される6つのコイル35,35・・と、を有する。後インシュレータ34には、センサ回路基板36及び短絡部材37が取り付けられている。

0014

後インシュレータ34は、ステータコア32と同径リング状の一体成形品で、後面には、図5に示すように、後述するヒュージング端子43の保持部38,38・・が6組突設されている。この保持部38は、溝を有する一対の突起39,39を、溝同士が対向するように所定間隔をおいて配置したもので、各保持部38,38の間には、図示しないネジボスが突設されている。
また、後インシュレータ34の左右の側部には、一対の凹部40,40がそれぞれ形成されると共に、凹部40,40を挟んだ上下側には、一対の三角形状の第1切欠部41,41がそれぞれ形成されている。さらに、後インシュレータ34の上部中央には、四角形状の第2切欠部42が形成されている。

0015

そして、後インシュレータ34の各保持部38には、ヒュージング端子43が保持されている。このヒュージング端子43は、帯状金具二つ折りしてなり、一端部の中間部位では、凸状に折曲される折り曲げ部44が形成されている。よって、各ヒュージング端子43の折り曲げ側を保持部38に差し込み、両側縁をそれぞれ突起39,39の溝部に嵌合させると、各ヒュージング端子43は、同心円上で折り曲げ部44を外側に、他端部45を内側に位置させて後インシュレータ34の軸方向と平行な姿勢で保持される。
コイル35は、一本の巻線でステータコア32の各ティース順番に巻回されて、コイル35,35間をつなぐ各巻線35aが、保持部38の外側を回り込んでヒュージング端子43の折り曲げ部44で挟持されることにより、各ヒュージング端子43と電気的に接続されている。

0016

センサ回路基板36は、ロータ31に設けた永久磁石59の位置を検出して回転検出信号を出力する3つの回転検出素子(図示略)を搭載し、保持部38の内側に収まる外径を有するドーナツ状で、外周には、後インシュレータ34のネジボスに対応する透孔を備えた4つの突起46,46・・が延設されている。各突起46の透孔にネジボスを貫通させることで、後インシュレータ34の後面で位置決めされるようになっている。回転検出素子の信号線47は、センサ回路基板36の下部から引き出される。

0017

短絡部材37は、センサ回路基板36と略同径となる樹脂製のリング状で、外周には、後インシュレータ34の各ネジボスが後方から嵌合可能な4つのボス48,48・・を一体的に突設している。また、短絡部材37は、対角線上に突出する一対の短絡片49A,49Aを備えた円弧状の板金部材49と、同じく短絡片50A,50Aを備えた円弧状の板金部材50と、同じく短絡片51A,51Aを備えた円弧状の板金部材51とを、互いに非接触状態で同心円上に重ね合わせた状態でインサート成形している。短絡片49A,50A,51Aは、短絡部材49〜51から放射状に突出して各ヒュージング端子43に対応するもので、先端には、ヒュージング端子43の他端部45が差し込み可能なスリット52がそれぞれ形成されている。各板金部材49〜51には、U相、V相、W相の各電源線53,53・・が溶接される。

0018

この短絡部材37を、後インシュレータ34のネジボスがボス48に挿入するようにセンサ回路基板36の後方から重ねてネジ54,54・・で固定すると、各ヒュージング端子43の他端部45が、それぞれ対応する短絡片49A〜51Aのスリット52に差し込まれる。この状態でヒュージング端子43と短絡片49A〜51Aとをハンダ付けすれば、点対称に位置するヒュージング端子43,43がそれぞれ板金部材49〜51によって短絡される。すなわち、ステータコア32へ順番に巻回されるコイル35,35間の巻線35aに電気的に接続されるヒュージング端子43が、対角同士で3つの板金部材49〜51によって電気的に接続されることになり、いわゆるパラ巻きのデルタ結線となる。

0019

ここではヒュージング端子43の高さ寸法内にセンサ回路基板36及び短絡部材37が納められるため、短絡部材37等を用いてもブラシレスモータ8の全長が最小限に抑えられる。さらに、信号線47や電源線53を除いて全ての部材がステータコア32の外径の中に収まっているため、製品の外径も大きくならずコンパクトとなる。
こうして組み付けられるステータ30は、本体ハウジング7の半割ハウジング7a,7bの内面へそれぞれ周方向に突設した支持リブ55,55によって外周が保持されると共に、半割ハウジング7a,7bの内面に突設された図示しない突起が、後インシュレータ34の側面に形成した凹部40にそれぞれ嵌合する。

0020

さらに、前インシュレータ33の外周で左右に設けた凹部56に、半割ハウジング7a,7bの内面に突設された前突起7dが係合してステータコア32の前面に当接し、後突起7eが短絡部材37の後面に当接する。こうしてステータ30は、本体ハウジング7内に軸方向及び周方向へ位置決めされた状態で収容される。なお、第1切欠部41及び第2切欠部42は、マルノコ等に使用される筒型ハウジングに収容する場合に、筒型ハウジングに設けたリブを嵌合させることで位置決めに利用できる。

0021

一方、ロータ31は、軸心に位置する回転軸57と、回転軸57の周囲に配置され、複数の鋼板を積層してなる略円筒状ロータコア58と、ロータコア58の内部に固定される4つの板状の永久磁石(焼結磁石)59,59・・・・とを有する。この永久磁石59は、ロータコア58の横断面で回転軸57を中心とした正方形の四辺にそれぞれ位置するように形成された貫通孔60に挿入されて接着剤及び/又は圧入によって固定される。
回転軸57の後端は、本体ハウジング7の後部に保持された軸受61に軸支され、前端は、ギヤハウジング12に保持された軸受62に軸支されて、ピニオン63が形成された前端をギヤハウジング12の前方へ突出している。回転軸57における軸受62の後方部位には、遠心ファン64が取り付けられている。65,65・・は、遠心ファン64の位置で本体ハウジング7の左右の側面に形成された排気口、66,66・・は、本体ハウジング7の後面に設けられた吸気口である(図1)。

0022

さらに、ロータ31において、ロータコア58と遠心ファン64との間には、前ストッパ67が設けられている。この前ストッパ67は、真鍮製でロータコア58と同じ外径を有する円板で、ロータコア58と同軸で回転軸57に固着されている。一方、ロータコア58と後側の軸受61との間でセンサ回路基板36の内側には、後ストッパ68が設けられている。この後ストッパ68は、真鍮製でロータコア58よりも小さい外径を有する円板で、ロータコア58と同軸で且つロータコア58との間に隙間を空けた状態で回転軸57に固着されている。但し、後ストッパ68の外径は、4つの永久磁石59で囲まれる内側円よりも大径となって、各永久磁石59の後方に後ストッパ68が位置するようになっている。

0023

そして、ハンマーケース9とギヤハウジング12とで囲まれる空間内には、スピンドル69及び打撃機構10が収容されている。スピンドル69は、後部に3つの遊星歯車71,71・・を保持するキャリア部70を一体に有し、後端軸心には有底孔72が形成され、先端には小径部73が形成されている。ハンマーケース9内でスピンドル69は、後端がギヤハウジング12に保持される軸受74によって軸支され、その前方でギヤハウジング12に保持されるインターナルギヤ75に遊星歯車71が噛合する。そして、前端の小径部73がアンビル4の軸心に設けた挿入孔76に同軸で挿入されることで、回転軸57と同軸で回転可能に支持される。この状態で回転軸57のピニオン63は有底孔72に後方から挿入されて3つの遊星歯車71の中心で各遊星歯車71に噛合する。

0024

打撃機構10は、スピンドル69の前部に外装されたハンマー77と、そのハンマー77とスピンドル69との間に設けたボール78,78と、ハンマー77を前方へ付勢するコイルバネ79とから構成される。ハンマー77は、前面に一対の爪80,80を備えてアンビル4の後端に設けた一対のアーム81,81に回転方向係合可能となっており、前端内周には、中央が後方へ突出する山形溝82,82が一対形成されて、後面には、リング溝83が同軸で形成されている。ボール78,78は、スピンドル69の外周面に設けたカム溝84とハンマー77の山形溝82との間に跨がって嵌合されて、スピンドル69とハンマー77とを回転方向で一体化させる。但し、カム溝84に対するボール78の転動範囲においてハンマー77の相対回転及び前後移動許容される。コイルバネ79は、スピンドル69に外装されて前端をハンマー77のリング溝83に挿入させる一方、後端をキャリア部70の前面に当接させて、常態ではハンマー77を、ボール78が山形溝82の後端中央及びカム溝84の前端中央に位置する前進位置に付勢している。85,86は、リング溝83の底部に設けられてコイルバネ79の前端を受けるボール及びワッシャーである。

0025

そして、アンビル4は、ハンマーケース9の前端に設けた軸受部87に保持される軸受メタル88によってスピンドル69と同軸で軸支されて、軸受部87とアーム81,81との間に設けた規制リング89によって前方への位置決めがなされている。図6にも示すように、スピンドル69の小径部73が挿入される挿入孔76には、軸受メタル88の内側まで前方へ延びるグリス溜まり90が延設され、アンビル4の外周には、リング状の案内溝91が凹設されて、グリス溜まり90と案内溝91との間を油供給路としての半径方向のグリス供給孔92で連結している。これにより、グリス溜まり90のグリスをグリス供給孔92を介して案内溝91に供給して、軸受メタル88とアンビル4との間の潤滑を図るようにしている。93は、軸受メタル88の前方で軸受部87とアンビル4との間に設けられたシールリングである。

0026

また、アンビル4の先端には、ソケット95が嵌着される横断面四角形状の取付部94が形成される一方、アンビル4の後部外周でアーム81とグリス供給孔92との間には、リング溝91よりも深いねじり変形部としてのくびれ部96が凹設されて、くびれ部96の部位でアンビル4の外径及び横断面積を最小としている。
このくびれ部96により、アンビル4は、以下の式で示す単位長さのねじれ角ωがくびれ部96の位置において最大となる。
ω=(32/πd4)×(T/G)
d:直径、T:トルク、G:横弾性係数
(32/πd4):ねじりに対する断面係数(断面2次極モーメントの逆数)
すなわち、くびれ部96での直径が最小となることで、ねじりに対する断面係数が大きくなり、ねじり変形し易くなる。

0027

以上の如く構成されたインパクトレンチ1においては、トリガ16を押し込み操作すると、スイッチ15がONしてバッテリーパック6の電源によってブラシレスモータ8が駆動する。すなわち、制御回路基板20のマイコンが、センサ回路基板36の回転検出素子から出力されるロータ31の永久磁石59の位置を示す回転検出信号を得てロータ31の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御し、ステータ30の各コイル35に対し順番に電流を流すことでロータ31を回転させる。よって、回転軸57が回転してキャリア部70の遊星歯車71を遊星運動させることでスピンドル69が減速回転し、ボール78を介してハンマー77を回転させるため、ハンマー77が係合するアンビル4が回転してソケット95によるボルト等の締付が可能となる。

0028

締付が進んでアンビル4のトルクが高まると、ハンマー77がコイルバネ79の付勢に抗してボール78,78をカム溝84,84に沿って後方へ転動させながら後退し、爪80,80がアーム81,81から外れると、コイルバネ79の付勢によってボール78,78をカム溝84,84に沿って前方へ転動させることでハンマー77は回転しながら前進し、爪80,80をアーム81,81に再係合させてアンビル4に回転打撃力(インパクト)を発生させる。このインパクトを間欠的に繰り返すことでさらなる締付が行われる。

0029

インパクトが発生すると、爪80,80がアーム81,81に衝突した際のアンビル4からの反発力により、ハンマー77は逆回転方向へ回転しつつ後退し、コイルバネ79を圧縮させることで次のインパクトへのエネルギー蓄積させる。このときアンビル4は、くびれ部96において最大のねじり角でねじり変形するため、大きな反発力が生じてハンマー77の後退量(コイルバネ79の圧縮量)を大きくする。よって、コイルバネ79に蓄積したエネルギーが大きくなり、インパクトによる締付トルクが増加することになる。ちなみに、同じ形態でアンビル4にくびれ部96のないインパクトレンチと本形態のインパクトレンチ1との締付トルクを比較すると、前者が780Nmであったのに対し、後者は800Nmとなっており、締付トルクの増加が確認できた。

0030

一方、回転するロータ31には、前後に前ストッパ67と後ストッパ68とが設けられているため、各永久磁石59の前後方向の移動が規制され、ロータコア58の貫通孔60から抜け出ることが防止される。よって、永久磁石59が脱落するおそれがなく、信頼性の高いブラシレスモータ8が使用可能となる。

0031

このように、上記形態のインパクトレンチ1によれば、アンビル4におけるグリス供給孔92の形成部位と異なる位置に、ねじりに対する断面係数をグリス供給孔の形成部位の当該断面係数よりも大きくするねじり変形部(くびれ部96)を形成したことで、ハンマー77を大型化したり、出力の大きいモータを使用したりすることなく、簡単な構成で締付能力を向上させることができる。よって、鋼板同士をボルト締めする場合等、1打撃当たりの回転角度が非常に小さいときに有効となる。一方、同じ締付能力であればより小さいハンマーや出力の小さいモータが使用可能となるため、製品のコンパクト化や軽量化に繋がる。
特にここでは、ねじり変形部を、アンビル4の全周に亘って形成されるくびれ部96としているので、所望のねじり変形部が簡単に形成可能となる。

0032

なお、上記形態では、アンビルに潤滑油であるグリスを供給するためのグリス供給孔を形成しているが、グリス供給孔のないアンビル等であっても、同様のくびれ部を設けることで大きな反発力を発生させて締付能力を向上させることができる。この場合、くびれ部におけるねじりに対する断面係数を、ソケット等の取付部におけるねじりに対する断面係数の2倍以上とするのが望ましい。
また、くびれ部の深さや幅、断面形状は上記形態に限らず、浅くしたり幅を広くしたり、断面V字状や半円状等としたり等、適宜変更可能である。勿論ねじり変形部としては最終出力軸の全周に亘るくびれ部に限らず、外周へ部分的に凹部や切欠き、面取部等を設けることでねじりに対する断面係数を大きくすることもできる。

0033

その他、モータがブラシレスでないインパクト工具や、交流電源を使用するインパクト工具等でもよいし、インパクト工具としてはレンチに限らず、アンビルをスピンドルに対して直角に設けたアングルインパクトレンチや、インパクトドライバ等であっても本発明は採用可能である。

0034

1・・インパクトレンチ、2・・本体、3・・ハンドル、4・・アンビル、5・・装着部、6・・バッテリーパック、7・・本体ハウジング、8・・ブラシレスモータ、9・・ハンマーケース、10・・打撃機構、30・・ステータ、31・・ロータ、36・・センサ回路基板、37・・短絡部材、57・・回転軸、69・・スピンドル、70・・キャリア部、71・・遊星歯車、77・・ハンマー、78・・ボール、79・・コイルバネ、80・・爪、81・・アーム、90・・グリス溜まり、92・・グリス供給孔、94・・取付部、95・・ソケット、96・・くびれ部。

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