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技術 柑橘系果汁飲料

出願人 キリン株式会社麒麟麦酒株式会社
発明者 菊間祥子岩崎健太郎
出願日 2014年11月19日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-235017
公開日 2016年5月30日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-096756
状態 特許登録済
技術分野 酒類 非アルコール性飲料
主要キーワード 吸着油 劣化原因物質 製品液 改良品 ポリフエノ カットバック 精油分 柿タンニン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

香味成分劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避して、香味の良い柑橘系果汁飲料を提供すること。

解決手段

本発明は、柑橘系果汁含有飲料の製造において、(1)柑橘系果実由来精油成分と、果実由来パルプ含有果汁とを混合し、該精油成分をパルプに吸着させたパルプ吸着精油成分含有果汁を、調製する工程、(2)該パルプ吸着精油成分含有果汁を飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程を採用することにより、香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料を製造する。該方法を採用することにより、飲料の香味に影響を与えず、有効な香味成分の劣化抑制効果を得ることができる。

概要

背景

果汁入り飲料は、その豊かな果汁香味から、古くから嗜好されてきた飲料であり、特に、柑橘系果汁飲料は、その爽やかな香味と、酸味味覚から、特に、親しまれてきた飲料である。しかし、レモン果汁のような柑橘系果汁飲料においては、その保存において、香気成分である精油分が、温度や、熱、及び酸素の影響によって、酸化・分解されやすく、長期間保管した際の香味及び外観劣化が激しいという問題がある。そのため該香味及び外観の劣化を防止するために、従来より、酸素の混入を少なくする、賞味期間を短くする、保管温度を適切に管理するなどの対応が採られてきたが、該対処だけでは、その有効性には限界があった。

そこで、柑橘類フレーバー劣化抑制については、従来から、その劣化抑制のための多くの提案がなされている。例えば、特開平7−75535号公報には、ヒマワリの種子から得られた成分と、金属封鎖剤を併用して、炭酸飲料果汁飲料等の光、熱、空気等による香味の劣化を防止することについて、特開平7−132073号公報には、ヒマワリの種子から得られた成分及びカテキン類と、金属封鎖剤を併用して、炭酸飲料や果汁飲料等の光、熱、空気等による香味の劣化を防止することについて、それぞれ開示されている。また、特開平7−135938号公報には、金属封鎖剤とコーヒー豆の水又はアルコール抽出物を、特開平8−23940号公報には、金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ抽出物リンゴ抽出物と併用したものを、炭酸飲料や果汁飲料等の香味の劣化の防止のために用いることが開示されている。

また、特開平8−23939号公報には、イソクロロゲン酸カフェー酸、クロロゲン酸、コウジ酸ネオクロロゲン酸、フエルラ酸、プソイドクロロゲン酸、没食子酸と、リンゴ抽出物とを、炭酸飲料や果汁飲料等の香味劣化防止剤として用いることが示されている。更に、特開2007−97594号公報には、ザクロの抽出物を、特開2007−82555号公報には、ヒシ溶媒抽出物を、特開2007−44053号公報には、丁子の抽出物を、特開2006−36980号公報には、ホワイトオーク抽出物を、特開2004−231894号公報には、ヤーコン抽出物を、特開2003−823834号公報には、柿タンニン由来物質等を、特開2003−76486号公報には、ポリフエノールを、柑橘系フレーバー劣化抑制剤として使用することが提案されている。

また、柑橘系フレーバーの劣化防止剤として、特開2010−99025号公報には、レモンワックス由来抽出物が、特開2013−5787号公報には、ジャスミン茶抽出物が、特開2013−17467号公報には、フトモモ科イネ科シソ科クスノキ科等の抽出物が開示されている。

上記のとおり、柑橘系フレーバーの劣化抑制に各種の抑制方法が開示されているが、該従来の方法では、添加成分そのものの飲料の香味への影響が避けられず、添加した成分の香味によって、柑橘系飲料の香味が損なわれるという問題があった。すなわち、従来のこれらの方法は、特殊な抽出物類等を劣化抑制剤として添加するものであり、その劣化抑制効果を得ることはできても、柑橘系飲料のような微妙な香味や外観を有する飲料においては、上記のような劣化抑制剤の添加により、オリジナルの香味や外観が異なってしまったり、或いは充分な効果が確認できなかったりするという問題が発生した。

一方で、上記のように、柑橘系フレーバーの劣化抑制に各種の添加剤を添加する方法に代えて、吸着剤を用いる方法も開示されている。例えば、特開2005−143370号公報には柑橘系天然成分又は柑橘系香料を、活性炭セルロース珪藻土ゼオライトのような、吸着剤と接触させ、劣化原因物質を除去する方法が、特開2011−45332号公報には、果実の搾を活性炭と接触させ、劣化を抑制する方法が開示されている。該開示の方法では、添加物による柑橘系飲料の香味への影響を避けることができるが、吸着剤自体の吸着作用によって、フレーバー成分吸着が起こり、飲料の香味に影響を及ぼす問題がある。

また、特開2005−124567号公報(特許4818593号公報)には、柑橘果実のような果実から得られたパルプに、果汁や、油溶性香料添加混合した、アルコール炭酸飲料が開示されている。この開示の方法は、果物から得られたパルプに、果汁又は糖類、糖アルコール、水を添加して、パルプ含有溶液を製造し、このパルプ含有溶液に濃縮された油溶性香料を添加して、該油溶性香料が添加されたパルプ含有溶液を調製し、該パルプ含有溶液をホモジナイズしたシロップに、アルコールを添加して、アルコール炭酸飲料として製造するものである。この方法では、劣化抑制剤を用いる場合のような、添加物による柑橘系飲料の香味への影響を避けることができ、かつ、吸着剤により劣化原因物質を除去する方法のように、吸着剤の吸着作用によって、フレーバー成分の吸着が起こるようなことが無いので、柑橘系飲料の香味を保持する点ではメリットのある方法であるが、柑橘系フレーバーの劣化抑制の効力という点で十分満足のできるものとはなっていない。

以上のとおり、柑橘系フレーバーの劣化抑制については、従来から、その劣化抑制のための多くの提案がなされているが、必ずしも十分のものではなく、したがって、柑橘系果汁含有飲料において、その長期の保管に対して、フレーバーの劣化を効果的に抑制し、しかも、該柑橘系果汁含有飲料の香味には、影響が無い、有効な方法を開発することが、香味に優れた柑橘系果汁含有飲料を提供する上で課題となっている。

概要

香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避して、香味の良い柑橘系果汁飲料を提供すること。本発明は、柑橘系果汁含有飲料の製造において、(1)柑橘系果実由来精油成分と、果実由来のパルプ含有果汁とを混合し、該精油成分をパルプに吸着させたパルプ吸着精油成分含有果汁を、調製する工程、(2)該パルプ吸着精油成分含有果汁を飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程を採用することにより、香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料を製造する。該方法を採用することにより、飲料の香味に影響を与えず、有効な香味成分の劣化抑制効果を得ることができる。なし

目的

本発明は、香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、及びその製造方法に関し、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制のために添加した成分による飲料の香味への影響を回避した、香味の良い柑橘系果汁飲料、及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

柑橘系果実由来精油成分と、果実由来パルプを含む果汁とを混合して調製される柑橘系果汁含有飲料であって、柑橘系果汁含有飲料中の乾燥重量当たりのパルプ分吸着された精油成分の油滴数が、150個/μg以上、500個/μg以下であることを特徴とする香味成分劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料。

請求項2

柑橘系果汁含有飲料中の精油成分の添加量が、0.001〜2.1重量%であることを特徴とする請求項1に記載の柑橘系果汁含有飲料。

請求項3

柑橘系果汁含有飲料中のリモネンが1〜80ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の柑橘系果汁含有飲料。

請求項4

柑橘系果汁が、レモン果汁を含有するアルコール炭酸飲料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の柑橘系果汁含有飲料。

請求項5

柑橘系果汁含有飲料が、容器詰果汁飲料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の柑橘系果汁含有飲料。

請求項6

柑橘系果汁含有飲料の製造方法において、柑橘系果実由来の精油成分と、果実由来のパルプを含む果汁とを混合し、果汁を調製する工程、及び、該果汁を、飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程からなることを特徴とする香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料の製造方法。

請求項7

柑橘系果実由来の精油成分が、1.0ppm以上のテルペン類を含むことを特徴とする請求項6に記載の柑橘系果汁含有飲料の製造方法。

請求項8

精油成分とパルプを含有する果汁分との混合割合が、1:10〜1:200であることを特徴とする請求項6又は7に記載の柑橘系果汁含有飲料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、香味成分劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、及びその製造方法に関し、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制のために添加した成分による飲料の香味への影響を回避した、香味の良い柑橘系果汁飲料、及びその製造方法を提供することに関する。

背景技術

0002

果汁入り飲料は、その豊かな果汁の香味から、古くから嗜好されてきた飲料であり、特に、柑橘系果汁飲料は、その爽やかな香味と、酸味味覚から、特に、親しまれてきた飲料である。しかし、レモン果汁のような柑橘系果汁飲料においては、その保存において、香気成分である精油分が、温度や、熱、及び酸素の影響によって、酸化・分解されやすく、長期間保管した際の香味及び外観の劣化が激しいという問題がある。そのため該香味及び外観の劣化を防止するために、従来より、酸素の混入を少なくする、賞味期間を短くする、保管温度を適切に管理するなどの対応が採られてきたが、該対処だけでは、その有効性には限界があった。

0003

そこで、柑橘類フレーバーの劣化抑制については、従来から、その劣化抑制のための多くの提案がなされている。例えば、特開平7−75535号公報には、ヒマワリの種子から得られた成分と、金属封鎖剤を併用して、炭酸飲料果汁飲料等の光、熱、空気等による香味の劣化を防止することについて、特開平7−132073号公報には、ヒマワリの種子から得られた成分及びカテキン類と、金属封鎖剤を併用して、炭酸飲料や果汁飲料等の光、熱、空気等による香味の劣化を防止することについて、それぞれ開示されている。また、特開平7−135938号公報には、金属封鎖剤とコーヒー豆の水又はアルコール抽出物を、特開平8−23940号公報には、金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ抽出物リンゴ抽出物と併用したものを、炭酸飲料や果汁飲料等の香味の劣化の防止のために用いることが開示されている。

0004

また、特開平8−23939号公報には、イソクロロゲン酸カフェー酸、クロロゲン酸、コウジ酸ネオクロロゲン酸、フエルラ酸、プソイドクロロゲン酸、没食子酸と、リンゴ抽出物とを、炭酸飲料や果汁飲料等の香味劣化防止剤として用いることが示されている。更に、特開2007−97594号公報には、ザクロの抽出物を、特開2007−82555号公報には、ヒシ溶媒抽出物を、特開2007−44053号公報には、丁子の抽出物を、特開2006−36980号公報には、ホワイトオーク抽出物を、特開2004−231894号公報には、ヤーコン抽出物を、特開2003−823834号公報には、柿タンニン由来物質等を、特開2003−76486号公報には、ポリフエノールを、柑橘系フレーバー劣化抑制剤として使用することが提案されている。

0005

また、柑橘系フレーバーの劣化防止剤として、特開2010−99025号公報には、レモンワックス由来抽出物が、特開2013−5787号公報には、ジャスミン茶抽出物が、特開2013−17467号公報には、フトモモ科イネ科シソ科クスノキ科等の抽出物が開示されている。

0006

上記のとおり、柑橘系フレーバーの劣化抑制に各種の抑制方法が開示されているが、該従来の方法では、添加成分そのものの飲料の香味への影響が避けられず、添加した成分の香味によって、柑橘系飲料の香味が損なわれるという問題があった。すなわち、従来のこれらの方法は、特殊な抽出物類等を劣化抑制剤として添加するものであり、その劣化抑制効果を得ることはできても、柑橘系飲料のような微妙な香味や外観を有する飲料においては、上記のような劣化抑制剤の添加により、オリジナルの香味や外観が異なってしまったり、或いは充分な効果が確認できなかったりするという問題が発生した。

0007

一方で、上記のように、柑橘系フレーバーの劣化抑制に各種の添加剤を添加する方法に代えて、吸着剤を用いる方法も開示されている。例えば、特開2005−143370号公報には柑橘系天然成分又は柑橘系香料を、活性炭セルロース珪藻土ゼオライトのような、吸着剤と接触させ、劣化原因物質を除去する方法が、特開2011−45332号公報には、果実の搾を活性炭と接触させ、劣化を抑制する方法が開示されている。該開示の方法では、添加物による柑橘系飲料の香味への影響を避けることができるが、吸着剤自体の吸着作用によって、フレーバー成分吸着が起こり、飲料の香味に影響を及ぼす問題がある。

0008

また、特開2005−124567号公報(特許4818593号公報)には、柑橘果実のような果実から得られたパルプに、果汁や、油溶性香料添加混合した、アルコール炭酸飲料が開示されている。この開示の方法は、果物から得られたパルプに、果汁又は糖類、糖アルコール、水を添加して、パルプ含有溶液を製造し、このパルプ含有溶液に濃縮された油溶性香料を添加して、該油溶性香料が添加されたパルプ含有溶液を調製し、該パルプ含有溶液をホモジナイズしたシロップに、アルコールを添加して、アルコール炭酸飲料として製造するものである。この方法では、劣化抑制剤を用いる場合のような、添加物による柑橘系飲料の香味への影響を避けることができ、かつ、吸着剤により劣化原因物質を除去する方法のように、吸着剤の吸着作用によって、フレーバー成分の吸着が起こるようなことが無いので、柑橘系飲料の香味を保持する点ではメリットのある方法であるが、柑橘系フレーバーの劣化抑制の効力という点で十分満足のできるものとはなっていない。

0009

以上のとおり、柑橘系フレーバーの劣化抑制については、従来から、その劣化抑制のための多くの提案がなされているが、必ずしも十分のものではなく、したがって、柑橘系果汁含有飲料において、その長期の保管に対して、フレーバーの劣化を効果的に抑制し、しかも、該柑橘系果汁含有飲料の香味には、影響が無い、有効な方法を開発することが、香味に優れた柑橘系果汁含有飲料を提供する上で課題となっている。

先行技術

0010

特開平7−75535号公報。
特開平7−132073号公報。
特開平7−135938号公報。
特開平8−23939号公報。
特開平8−23940号公報。
特開2003−76486号公報。
特開2003−823834号公報。
特開2004−231894号公報。
特開2005−124567号公報(特許4818593号公報)。
特開2005−143370号公報。
特開2006−36980号公報。
特開2007−44053号公報。
特開2007−82555号公報。
特開2007−97594号公報。
特開2010−99025号公報。
特開2011−45332号公報。
特開2013−5787号公報。
特開2013−17467号公報。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の課題は、香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、及びその製造方法を提供すること、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避して、香味の良い柑橘系果汁飲料、及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記課題を解決すべく、柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、しかも、劣化抑制剤や、吸着剤を使用した場合のように、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避した、柑橘系果汁含有飲料の香味成分の劣化抑制の有効な方法について、鋭意検討する中で、果実等由来のパルプを用いる方法に着目し、該パルプを用いる方法において、該パルプと飲料の精油成分との処理方法や、飲料の製造方法を工夫することにより、柑橘系果汁含有飲料の有効な香味成分の劣化抑制を図ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0013

すなわち、本発明は、柑橘系果汁含有飲料の製造において、(1)柑橘系果実由来の精油成分と、果実由来のパルプ含有果汁を混合し、該精油成分をパルプに吸着させたパルプ吸着精油成分含有果汁を、調製する工程、(2)該パルプ吸着精油成分含有果汁を、飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程を採用することにより、香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料を製造することからなる。本発明においては、該方法を採用することにより、柑橘系果汁含有飲料の香味成分(精油成分)を効果的にパルプに吸着することができ、有効な香味成分の劣化抑制効果を得ることができる。

0014

本発明の柑橘系果汁含有飲料における香味成分である柑橘系果実由来の精油成分は、1.0ppm以上のテルペン類を含むことが好ましい。テルペン類には、例えばシトラールリモネン等が挙げられる。最終製品に含まれるリモネンの含有量は1〜80ppmで、20〜50ppmであることがより好ましい。

0015

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法における柑橘系果実由来の精油成分と、パルプ含有果汁との混合工程における、柑橘系果実由来の精油成分と、パルプ含有果汁との混合割合は、1:10〜1:200であることが好ましい。また、本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法におけるパルプ吸着精油成分含有果汁と、飲料製造原料との混合工程におけるパルプ吸着精油成分含有果汁と、飲料製造原料との混合割合は、1:1〜1:100であることが好ましい。

0016

本発明は、本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法によって製造された、香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料の発明を包含する。該柑橘系果汁含有飲料の特徴において、柑橘系果汁含有飲料中の乾燥重量当たりのパルプ分に吸着された精油成分の油滴数が、150個/μg以上、500個/μg以下である柑橘系果汁含有飲料として特徴づけられる。

0017

本発明の柑橘系果汁含有飲料において、柑橘系果汁含有飲料中の精油成分の添加量は、0.001〜2.1重量%であることが好ましい。また、本発明の柑橘系果汁含有飲料において、柑橘系果汁含有飲料中には1.0ppm以上のテルペン類を含むことが好ましい。テルペン類には、例えばシトラールやリモネン等が挙げられる。また、飲料中に含まれるリモネンの含有量は1〜80ppmで、20〜50ppmであることがより好ましい。

0018

本発明の柑橘系果汁含有飲料として、柑橘系果汁が、レモン果汁を含有するアルコール炭酸飲料を挙げることができる。また、本発明の柑橘系果汁含有飲料として、柑橘系果汁含有飲料が、容器詰果汁飲料として調製されている柑橘系果汁含有飲料を挙げることができる。

0019

すなわち具体的には本発明は、[1]柑橘系果実由来の精油成分と、果実由来のパルプを含む果汁とを混合して調製される柑橘系果汁含有飲料であって、柑橘系果汁含有飲料中の乾燥重量当たりのパルプ分に吸着された精油成分の油滴数が、150個/μg以上、500個/μg以下であることを特徴とする香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料や、[2]柑橘系果汁含有飲料中の精油成分の添加量が、0.001〜2.1重量%であることを特徴とする上記[1]に記載の柑橘系果汁含有飲料や、[3]柑橘系果汁含有飲料中のリモネンが1〜80ppmであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の柑橘系果汁含有飲料や、[4]柑橘系果汁が、レモン果汁を含有するアルコール炭酸飲料であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の柑橘系果汁含有飲料や、[5]柑橘系果汁含有飲料が、容器詰果汁飲料であることを特徴とする上記[1]〜[4]いずれかに記載の柑橘系果汁含有飲料からなる。

0020

また、本発明は、[6]柑橘系果汁含有飲料の製造方法において、柑橘系果実由来の精油成分と、果実由来のパルプを含む果汁とを混合し、果汁を調製する工程、及び、該果汁を、飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程からなることを特徴とする香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料の製造方法や、[7]柑橘系果実由来の精油成分が、1.0ppm以上のテルペン類を含むことを特徴とする上記[6]に記載の柑橘系果汁含有飲料の製造方法や、[8]精油成分とパルプを含有する果汁分との混合割合が、1:10〜1:200であることを特徴とする上記[6]又は[7]に記載の柑橘系果汁含有飲料の製造方法からなる。

発明の効果

0021

本発明は、香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、及びその製造方法を提供し、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避して、香味の良い柑橘系果汁含有飲料を提供する。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施例における本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法により調製された柑橘系果汁含有飲料において、該果汁含有飲料の効果を示す特徴として、パルプ分に吸着された精油成分の油滴の状況について示す写真である。図中、[1−a]は、従来品(特開2005−124567号公報の方法で製造された果汁含有飲料)の状態を、[1−b]は、改良品(本発明の果汁含有飲料の製造方法で製造された果汁含有飲料)の状態を示す写真である。

0023

本発明は、柑橘系果汁含有飲料の製造において、(1)柑橘系果実由来の精油成分と、果実由来のパルプ含有果汁とを混合し、該精油成分をパルプに吸着させたパルプ吸着精油成分含有果汁を調製する工程、(2)該パルプ吸着精油成分含有果汁を飲料製造原料に添加して、柑橘系果汁含有飲料を製造する工程を採用することにより、香味成分の劣化を抑制した柑橘系果汁含有飲料を製造することからなる。

0024

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法において、用いることができる柑橘系果実原料としては、レモンミカン、オレンジグレーフルーツ、ブンタンライムユズキンカンなどの柑橘系果実を挙げることができるが、特に、好ましい柑橘原料として、レモンを挙げることができる。圧搾等により得られた柑橘系精油成分には、テルペン炭化水素、アルコール、アルデヒドなどの揮発性の香気成分と、クマリン類フロクマリン類フラボノイド配糖体植物蝋などの不揮発性成分が含まれている。

0025

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法において、柑橘系果汁含有飲料における香味成分である柑橘系果実由来の精油成分は、1.0ppm以上のテルペン類を含むことが好ましい。テルペン類には、例えばシトラールやリモネン等が挙げられる。

0026

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法において、柑橘系果汁含有飲料における香味成分である柑橘系果実由来の精油成分は、1.0ppm以上のテルペン類を含むことが好ましい。また、本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法における柑橘系果実由来の精油成分と、パルプ含有果汁との混合工程における、柑橘系果実由来の精油成分と、パルプ含有果汁との混合割合は、1:10〜1:200であることが好ましく、特に好ましくは、1:17〜1:165の混合割合を挙げることができる。また、本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法におけるパルプ吸着精油成分含有果汁と、飲料製造原料との混合工程におけるパルプ吸着精油成分含有果汁と、飲料製造原料との混合割合は、1:1〜1:100であることが好ましく、特に好ましくは、1:1〜1:50の混合割合を挙げることができる。

0027

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法においては、柑橘系果実由来の精油成分を、本発明の製造工程を採用することにより、果実由来のパルプに効果的に吸着させることにより、香味成分の劣化を有効に抑制することができるが、該効果を示す状態として、柑橘系果汁含有飲料中の乾燥重量当たりのパルプ分に吸着された精油成分の油滴数が、150個/μg以上、500個/μg以下である柑橘系果汁含有飲料として特徴づけられる。

0028

本発明の柑橘系果汁含有飲料の製造方法においては、本発明で特定する製造工程を採用する点を除いて、柑橘系果汁含有飲料の製造原料、製造条件、添加物等において、通常の柑橘系果汁含有飲料の製造方法と変わるところはない。

0029

本発明の柑橘系果汁含有飲料としては、柑橘系果汁含有する各種の非アルコール飲料、及び、アルコール飲料を挙げることができるが、特に、好ましいものとしては、レモン果汁を含有するアルコール炭酸飲料を挙げることができる。更に好ましいものとして、香料を含まない無香料のレモン果汁を含有するアルコール炭酸飲料を挙げることができる。

0030

以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0031

[果汁分、パルプ分混合処理試験

0032

サンプル調製方法
以下の方法により、現行品、及び、改良品1、改良品2(本発明の方法)のサンプルを調製した:
「現行品」:濃縮レモン果汁(精油分カットバック)、パルプ分、原料用アルコール、水をそれぞれ混合して調製した。
「改良品1」果汁の製造工程中で、パルプ分含有果汁、精油分を混合した混濁レモン濃縮果汁と、原料用アルコール、水を混合して調製した。
「改良品2」:改良品1に比べ、パルプ分を増量した混濁レモン濃縮果汁を用い、原料用アルコール分、水と混合して調製した。

0033

<サンプルの仕様
「現行品」、「改良品1」、「改良品2」のすべてについて、アルコール7.3(v/v)%、果汁12(w/w)%とした。

0034

<評価>
上記のサンプル調製方法で調製されたサンプルについて、評価を行った。

0035

評価試験方法
評価は、次の試験方法によった:
(1)サンプルを0.8μmのメンブレンフィルターアドバンティック社製、A080A047A)を用いて濾過した。メンブレン捕捉されたパルプを顕微鏡観察、又は乾燥重量測定に供した。
(2)顕微鏡は、キーエンス社製BZ−8000を用い、レンズはPlan Fluor ELWDDM20x(位相差顕微鏡)を用いた。
(3)油滴の数の計測では、KOVAInternational Inc.製グリッドスライドガラスを用いて、パルプに吸着した油滴数を計測した。

0036

<結果>
上記試験の結果を、表1(各サンプルのパルプ乾燥重量)、表2(各サンプルの吸着油滴数製品液量)、及び、表3(各サンプルの吸着油滴数/パルプ乾燥重量)に示す。また、パルプ分に吸着された精油成分の油滴の状況についての写真を図1に示す。図中、[1−a]は、従来品(特開2005−124567号公報の方法で製造された果汁含有飲料)の状態を、[1−b]は、改良品(本発明の果汁含有飲料の製造方法で製造された果汁含有飲料)の状態を示す写真である。

0037

0038

0039

0040

劣化臭抑制効果試験]

0041

<サンプル調製方法>
実施例1の方法によって、試験サンプルを調製した。

0042

評価方法
実施例1の方法によって調製した試験サンプルを、50℃、8日間(常温6カ月に相当)の保管条件で、保管した後、3名のパネラーによって、官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示した。

実施例

0043

0044

本発明は、香味成分の劣化が抑制された柑橘系果汁含有飲料、及びその製造方法を提供し、特に、レモン果汁のような柑橘系果汁含有飲料の長期間保管に対して、香味成分の劣化を効果的に抑制し、かつ、香味成分の劣化抑制に際して、柑橘系果汁含有飲料の香味への影響を回避して、香味の良い柑橘系果汁含有飲料を提供する。

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