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技術 光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 仲村晃田中嘉彦福原浩之
出願日 2014年11月12日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2014-229797
公開日 2016年5月26日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-095337
状態 特許登録済
技術分野 機械的光走査系 レーザービームプリンタ 電子写真における露光及び原稿送り FAXの走査装置
主要キーワード 応力振幅σ 可撓性磁石 動バランス修正 信号検知センサ 初期アンバランス 修正回数 負荷モード 初期アンバランス量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

バランスウェイトを塗布する回数を極力低減させつつ、ロータフレーム疲労破壊されてしまうことを抑制可能とする光偏向器走査光学装置及び画像形成装置を提供する。

解決手段

鋼板によって形成されるロータフレーム6と、ロータフレーム6と共に回転する回転多面鏡54と、を有する回転体を備え、回転体を構成する複数の部材のうち、ロータフレーム6の質量が最も重く構成されると共に、回転体の一部にバランスウェイト14a,14bが塗布されることにより、回転体の動バランス修正されている光偏向器55において、ロータフレーム6は3gよりも軽く構成されると共に、前記鋼板の板厚は、回転体が回転する際にロータフレーム6のうち最も大きな応力が作用する部位の応力振幅疲労限度よりも小さくなる範囲で設定されていることを特徴とする。

概要

背景

一般に、レーザプリンタ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置においては、画像信号に応じて光源から出射されたレーザ光束光変調し、光変調されたレーザ光束を回転多面鏡からなる光偏向器偏向走査している。偏向走査されたレーザ光束は、例えばfθ特性を有する結像光学系などの走査レンズによって、感光体ドラムなどの像担持体上にスポット状に結像させた状態で光走査して画像形成を行っている。

光偏向器には、回転することによって生じる回転体の動的不均衡を抑えるために、ロータフレームや回転多面鏡にバランス修正用ウェイトを塗布している。初期アンバランスバランス修正前の状態)が大きい場合、バランスウェイトの塗布量が多くなり、バランスウェイトの高さが高くなる場合がある。そのようなバランスウェイトが塗布された回転体においては、回転体が回転すると、バランスウェイトに空気が当たり流体騒音が発生する。特許文献1では、その課題をバランスウェイトの高さを規定することにより低減させている。

概要

バランスウェイトを塗布する回数を極力低減させつつ、ロータフレームが疲労破壊されてしまうことを抑制可能とする光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置を提供する。鋼板によって形成されるロータフレーム6と、ロータフレーム6と共に回転する回転多面鏡54と、を有する回転体を備え、回転体を構成する複数の部材のうち、ロータフレーム6の質量が最も重く構成されると共に、回転体の一部にバランスウェイト14a,14bが塗布されることにより、回転体の動バランス修正されている光偏向器55において、ロータフレーム6は3gよりも軽く構成されると共に、前記鋼板の板厚は、回転体が回転する際にロータフレーム6のうち最も大きな応力が作用する部位の応力振幅疲労限度よりも小さくなる範囲で設定されていることを特徴とする。

目的

本発明の目的は、バランスウェイトを塗布する回数を極力低減させつつ、ロータフレームが疲労破壊されてしまうことを抑制可能とする光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属板によって形成されるロータフレームと、該ロータフレームと共に回転し、かつ光源から出射された光束を偏向する回転多面鏡と、を有する回転体を備え、前記回転体を構成する複数の部材のうち、前記ロータフレームの質量が最も重く構成されると共に、前記回転体の一部にバランスウェイトが塗布されることにより、前記回転体の動バランス修正されている光偏向器において、前記ロータフレームは3gよりも軽く構成されると共に、前記金属板の板厚は、前記回転体が回転する際に前記ロータフレームのうち最も大きな応力が作用する部位の応力振幅疲労限度よりも小さくなる範囲で設定されていることを特徴とする光偏向器。

請求項2

前記疲労限度は、前記ロータフレームの引張強さの0.22倍に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。

請求項3

前記ロータフレームは、円筒状のフレーム本体部と、前記フレーム本体部の一端から径方向内側に向かって伸び内向きフランジ部と、前記フレーム本体部の他端から径方向外側に向かって伸びる外向きフランジ部と、前記外向きフランジ部の先端から前記一端側に向かって伸びる円筒状の折り返し部と、を備え、前記金属板の板厚をt[mm]、前記フレーム本体部の内径を2R1[mm]、前記内向きフランジ部の先端で形成される円筒面の内径を2R2[mm]、前記内向きフランジ部から外向きフランジ部までの軸線方向の距離をL1[mm]、前記外向きフランジ部の径方向の長さをL2[mm]、前記折り返し部の軸線方向の長さをL3[mm]、前記ロータフレームの比重をρ1[g/mm3]とすると、を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光偏向器。

請求項4

前記フレーム本体部の内周面には円筒状のロータマグネットが固定されると共に、前記ロータマグネットの厚みをtm[mm]、前記ロータマグネットの比重をρ2[g/mm3]、前記ロータフレームの引張強さをσ[N/mm2]、前記回転体の回転数をN[min−1]とすると、を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光偏向器。

請求項5

前記ロータマグネットは可撓性磁石であることを特徴とする請求項4に記載の光偏向器。

請求項6

光源と、前記光源から出射された光束を偏向する請求項1から5のいずれか1項に記載の光偏向器と、前記光偏向器に備えられる前記回転多面鏡により走査される光束を被走査面上に結像させる走査レンズと、を備えることを特徴とする走査光学装置

請求項7

請求項6に記載の走査光学装置と、前記走査光学装置により像担持体を走査し、この走査された画像に基づいて記録材画像形成を行う画像形成手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、ロータフレームを有する回転体を備える光偏向器走査光学装置及び画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、レーザプリンタ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置においては、画像信号に応じて光源から出射されたレーザ光束光変調し、光変調されたレーザ光束を回転多面鏡からなる光偏向器で偏向走査している。偏向走査されたレーザ光束は、例えばfθ特性を有する結像光学系などの走査レンズによって、感光体ドラムなどの像担持体上にスポット状に結像させた状態で光走査して画像形成を行っている。

0003

光偏向器には、回転することによって生じる回転体の動的不均衡を抑えるために、ロータフレームや回転多面鏡にバランス修正用ウェイトを塗布している。初期アンバランスバランス修正前の状態)が大きい場合、バランスウェイトの塗布量が多くなり、バランスウェイトの高さが高くなる場合がある。そのようなバランスウェイトが塗布された回転体においては、回転体が回転すると、バランスウェイトに空気が当たり流体騒音が発生する。特許文献1では、その課題をバランスウェイトの高さを規定することにより低減させている。

先行技術

0004

特開2006−58723号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記従来例ではバランスウェイトが複数箇所に塗布される場合があるため、次のような課題があった。すなわち、バランスウェイトで発生する流体騒音は、モータ回転周期の1〜3倍の周波数騒音(特に顕著なのはモータ回転周期の2倍の周波数の騒音)であり、近年、高速度で回転駆動している光偏向器においては、極めて障りな騒音となる。この流体騒音は、バランスウェイト毎に発生し、バランスウェイトが複数箇所ある場合は、その各々で流体騒音が発生する。例えば、1回目のバランス修正でバランスウェイトを付加し過ぎてしまい、光偏向器の回転体のアンバランス量が規定量に入らなかった場合、2回目のバランス修正を行う。この場合、2回目のバランス修正の位置は、1回目のバランス修正の位置の逆位相(180°回転した位置)となる。この状態で光偏向器の回転体が回転すると、この2箇所のバランスウェイトにて流体騒音が発生し、バランスウェイトが1箇所の時よりも騒音が大きくなる。

0006

本発明の目的は、バランスウェイトを塗布する回数を極力低減させつつ、ロータフレームが疲労破壊されてしまうことを抑制可能とする光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。

0008

すなわち、本発明の光偏向器は、
金属板によって形成されるロータフレームと、該ロータフレームと共に回転し、かつ光源から出射された光束を偏向する回転多面鏡と、を有する回転体を備え、
前記回転体を構成する複数の部材のうち、前記ロータフレームの質量が最も重く構成されると共に、
前記回転体の一部にバランスウェイトが塗布されることにより、前記回転体の動バランス修正されている光偏向器において、
前記ロータフレームは3gよりも軽く構成されると共に、
前記金属板の板厚は、前記回転体が回転する際に前記ロータフレームのうち最も大きな応力が作用する部位の応力振幅疲労限度よりも小さくなる範囲で設定されていることを特徴とする。

0009

また、本発明の走査光学装置は、
光源と、
前記光源から出射された光束を偏向する上記の光偏向器と、
前記光偏向器に備えられる前記回転多面鏡により走査される光束を被走査面上に結像させる走査レンズと、
を備えることを特徴とする。

0010

更に、本発明の画像形成装置は、
上記の走査光学装置と、
前記走査光学装置により像担持体を走査し、この走査された画像に基づいて記録材に画像形成を行う画像形成手段と、
を備えることを特徴とする。

発明の効果

0011

以上説明したように、本発明によれば、バランスウェイトを塗布する回数を極力低減させつつ、ロータフレームが疲労破壊されてしまうことを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例に係る光偏向器の模式的断面図である。
実施例に係るロータフレームの模式的断面図である。
実施例に係るロータフレームに作用する応力に関するグラフである。
実施例に係る走査光学装置の斜視図である。
実施例に係る画像形成装置の模式的断面図である。

実施例

0013

以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

0014

(実施例)
図1図5を参照して、本発明の実施例に係る光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置について説明する。本発明が適用可能な画像形成装置としては、例えば、レーザプリンタ、複写機またはファクシミリを例に挙げることができる。本実施例においては、レーザプリンタを例にして説明する。

0015

<画像形成装置>
図5を参照して、本実施例に係る画像形成装置について説明する。図5は本実施例に係る画像形成装置の模式的断面図であり、概略構成を断面図にて示している。本実施例に係る画像形成装置112は、走査光学装置101を具備している。また、画像形成装置112は、走査光学装置101により像担持体としての感光体ドラム103を走査し、この走
査された画像に基づいて記録材(紙などのシート材)に画像形成を行う画像形成手段を備えている。以下、より具体的に説明する。

0016

画像形成装置112においては、得られた画像情報に基づいたレーザ光束を、走査光学装置101によって出射し、プロセスカートリッジ102に内蔵された感光体ドラム103上に照射する。すると感光体ドラム103上に潜像が形成され、プロセスカートリッジ102によって、この潜像が現像剤としてのトナーによりトナー像として顕像化される。なお、プロセスカートリッジ102とは、感光体ドラム103と、感光体ドラム103に作用するプロセス手段として、帯電手段や現像手段等を一体的に有するものである。

0017

一方、記録材積載板104上に積載された記録材Pは、給送ローラ105、及び分離パッド106によって1枚ずつ分離されながら給送され、中間ローラ107と搬送ローラ108によって、さらに下流側に搬送される。搬送された記録材P上には、感光体ドラム103上に形成されたトナー像が転写ローラ109によって転写される。この未定着のトナー像が形成された記録材Pは、さらに下流側に搬送され、内部に加熱体を有する定着器110により、トナー像が記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ111によって機外に排出される。

0018

なお、本実施例では感光体ドラム103に作用するプロセス手段としての帯電手段及び現像手段をプロセスカートリッジ102中に感光体ドラム103と一体的に有する場合を説明した。ただし、本発明は、各プロセス手段が感光体ドラム103と別体に構成される画像形成装置にも適用可能である。

0019

<走査光学装置>
次に、本実施例に係る走査光学装置101について、特に図4を参照して、より詳細に説明する。図4は本実施例に係る走査光学装置の斜視図である。走査光学装置101は、レーザ光束Bを出射する光源としての半導体レーザユニット51と、複数の光学部品を一体に有する複合アナモフィックコリメータレンズ52と、レーザ光束Bを偏向する光偏向器55とを備えている。なお、複合アナモフィックコリメータレンズ52は、コリメータレンズシリンドリカルレンズとを一体にしたアナモコリメータレンズと、信号検知レンズ(またはBDレンズ)とが一体に成形されることにより構成されている。

0020

上記構成において、半導体レーザユニット51から出射されたレーザ光束Bは、複合アナモフィックコリメータレンズ52によって主走査方向では略平行光または収束光とされ、副走査方向では収束光とされる。次に、レーザ光束Bは、開口絞り53を通って光束幅が制限されて、回転多面鏡54の反射面上において主走査方向に長く伸び焦線状に結像される。そして、このレーザ光束Bは、回転する回転多面鏡54によって偏向走査され、複合アナモフィックコリメータレンズ52のBDレンズに入射する。BDレンズを通過したレーザ光束Bは、信号検知センサ56に入射する。このとき、信号検知センサ56で信号を検知し、このタイミングを主走査方向書き出し位置同期検知タイミングとする。次にレーザ光束Bは、走査レンズとしてのfθレンズ57に入射する。fθレンズ57は、レーザ光束を感光体ドラム上(被走査面上)にスポットを形成するように集光させ、かつスポットの走査速度が等速に保たれるように設計されている。このようなfθレンズ57の特性を得るために、fθレンズ57は非球面レンズで形成されている。fθレンズ57を通過したレーザ光束Bは、反射ミラー58で反射され、光学箱59の出射口59aから出射し、感光体ドラム上(被走査面上)に結像走査される。

0021

このように、回転多面鏡54の回転によってレーザ光束が偏向走査され、感光体ドラム上でレーザ光束による主走査が行われ、また感光体ドラム103がその円筒軸線まわりに回転駆動することによって副走査が行われる。このようにして感光体ドラム103の表
面上(被走査面上)に静電潜像が形成される。

0022

<光偏向器>
次に、図1を用いて走査光学装置における光偏向器55について説明する。図1は光偏向器55の模式断面図であり、回転体の回転中心軸線を含む断面で切断した断面図である。光偏向器55は、鉄板12に溶接等により固定される固定軸1と、この固定軸1に対して回転する回転体とを備えている。回転体は、固定軸1の軸受となるスリーブ2と、このスリーブ2に対して固定される回転多面鏡54と、スリーブ2に対して固定されるロータフレーム6と、このロータフレーム6の内周面に固定されるロータマグネット7とを備えている。また、スリーブ2の上端側には、スラスト板4及びスラストカバー3が固定されている。なお、回転多面鏡54は、スリーブ2に固定具5により固定される。また、ロータフレーム6は嵌合または加締め等によりスリーブ2に固定される。なお、ロータフレーム6は、金属板(鋼板を好適例として挙げることができる)によって形成される。また、ロータマグネット7は接着などによりロータフレーム6の内周面に固定される。

0023

そして、鉄板12上には、インシュレータ10で覆われたステータコア8と、このステータコア8に巻かれたステータコイル9が設けられている。ステータコア8は、鉄板12に設けられた回路基板11に電気的に接続された状態で、この回路基板11に固定されている。また、鉄板12には、光偏向器55に振動や衝撃等が加わった場合に、スリーブ2が固定軸1から抜けないように、スリーブ2に固定されているロータフレーム6の軸方向の移動を規制する抜け止め13が設けられている。

0024

以上のように構成される光偏向器55によれば、ステータコイル9に電流が供給されると、ロータマグネット7との間で電磁力が発生する。これにより、固定軸1に支承されているスリーブ2の中心軸線を中心に、回転体が回転する。なお、上記各部材のうち、スリーブ2、回転多面鏡54、ロータフレーム6、ロータマグネット7、スラスト板4、スラストカバー3及び固定具5が、回転体の構成部材である。

0025

<動バランスの修正>
回転体の動バランス修正について説明する。回転体は、上記の各構成部材が組み立てられた状態においては、初期アンバランスが生じている。つまり、各部材の接合状態や各部材の寸法のバラツキ等により、回転体の重心が回転中心からずれた状態となっている。このように、質量のアンバランスが生じている回転体を回転させると、動的不均衡が発生する。動的不均衡が発生すると、回転体の振れ回りによる振動や騒音が発生し、画像形成装置の画質劣化や騒音の増大を生じる恐れがある。そこで、回転体を構成するロータフレーム6の一部(本実施例では、上部側と下部側の2か所)に、バランスウェイト14a,14bが塗布されることで、動バランスが修正されている(図1参照)。これにより、回転体の質量のアンバランスを低減させている。なお、本実施例においては、2か所で、各々独立したバランス修正が行われており、1回のバランス修正で2か所にバランスウェイト14a,14bが塗布されている。

0026

バランスウェイト14a,14bは、金属粒子ガラスビーズ等を紫外線硬化型等の光硬化型接着剤に混ぜたもので構成される。そして、適量の当該接着剤をロータフレーム6の2か所の適切な位置に塗布した後に、紫外線等の光を照射することで硬化させることにより、バランスウェイト14a,14bがロータフレーム6に接着される。また、バランスウェイト14a,14bは、比重が小さいと塗布量を多くしなければならないため、塗布量のバラツキや塗布位置のずれが発生し易くなり、硬化時間も長くなってしまう。一方、比重が大きすぎても1回あたりの塗布量のバラツキが大きくなってしまう。そこで、一般的には、比重が1〜3程度のバランスウェイトが用いられる。

0027

バランス修正の修正回数(バランスウェイトの塗布回数)は、回転体の初期アンバランス量に左右される。初期アンバランス量が大きいとバランスウェイトを多く塗布する必要があり、塗布量のバラツキや塗布位置のずれが発生し易い。したがって、1回のバランス修正では規定のアンバランス量以下に修正できない場合があり、複数回のバランス修正を行う場合がある。

0028

上記の通り、バランス修正の回数、すなわち、バランスウェイトを塗布する回数が多い程、騒音を大きくする原因となってしまう。そこで、本実施例に係る光偏向器55においては、バランス修正回数(バランスウェイトの塗布回数)が極力少なくて済むような構成が採用されている。より具体的には、バランス修正回数が1回のみで済むように光偏向器55の構成が工夫されている。以下、この点について、詳細に説明する。

0029

回転体の初期アンバランス量は、回転体の質量と、回転体の回転中心から回転体の重心までの距離との積で表される。したがって、回転体の初期アンバランス量を小さくするためには、回転体の質量を軽くすれば良い。ここで、回転体においては、通常、当該回転体を構成する複数の部材のうち、ロータフレーム6の質量が最も重く構成される。例えば、スリーブ2が黄銅、回転多面鏡54がアルミニウム、ロータフレーム6が鋼板、ロータマグネット7がフェライト系のゴム磁石で構成される場合、回転体全体の質量のうち、ロータフレーム6の質量がおよそ半分以上を占める。つまり、ロータフレーム6の質量を低減させることが、回転体の初期アンバランス量の効果的な低減につながる。そこで、本実施例に係る光偏向器55においては、ロータフレーム6の質量を低減させる構成を採用している。以下、この点について詳細に説明する。

0030

<ロータフレームの質量>
図2は本実施例に係るロータフレーム6の模式的断面図であり、回転体の回転中心軸線を含む断面で切断した断面図である。ロータフレーム6は、円筒状のフレーム本体部としてのロータマグネット保持部6aと、このロータマグネット保持部6aの一端から径方向内側に向かって伸びる内向きフランジ部6dとを備えている。この内向きフランジ6dの先端面で形成される貫通孔内にスリーブ2が嵌合または加締めにより固定される。また、ロータフレーム6は、ロータマグネット保持部6aの他端から径方向外側に向かって伸びる外向きフランジ部6bと、この外向きフランジ部6bの先端から一端側に向かって伸びる円筒状の折り返し部6cとを備えている。

0031

ここで、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚をt[mm]、円筒状のロータマグネット保持部6aの内径を2R1[mm]、内向きフランジ部6dの先端で形成される円筒面の内径を2R2[mm]とする。また、内向きフランジ部6dから外向きフランジ部6bまでの軸線方向の距離をL1[mm]、外向きフランジ部6bの径方向の長さをL2[mm]、折り返し部6cの軸線方向の長さをL3[mm]、ロータフレーム6の比重をρ1[g/mm3]とする。すると、ロータフレーム6の質量m[g]は、次の(式1)
で表すことができる。




例えば、R1=11.4[mm]、R2=3.5[mm]、L1=6.1[mm]、L2=1.2[mm]、L3=1.6[mm]、t=0.5[mm]、ρ1=7.85×10−3[g/mm3]とすると、m=3.8[g]となる。本願発明者らの検証の結果、ロータフレーム6の質量mが3.8[g]の場合は、1回のバランス修正でアンバランス量が規定量以下になるものは90〜95%程度であった。そして、ロータフレーム6の質
量mを3[g]以下にすると、1回のバランス修正でほぼ100%規定量以下にすることができた。したがって、以下の[式2]に示すように、ロータフレーム6の質量mを3[g]よりも小さくすることにより、バランス修正回数を1回にすることができる。




そして、(式2)をロータフレーム6の厚みtの式に変換すると、次の(式3)で表される。




ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tを、ロータフレーム6の外形寸法と比重とから決まる(式3)を満たすようにすることにより、回転体の初期アンバランス量を低減させ、バランス修正回数をほぼ100%、1回で完了させることができる。しかしながら、ロータフレーム6の質量を軽くするために、鋼板の板厚tを薄くし過ぎると、疲労破壊により破損してしまうおそれがある。そこで、以下、鋼板の板厚tの下限について説明する。

0032

<ロータフレームを形成する鋼板の板厚の下限>
ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tの下限について説明する。光偏向器55を繰り返し回転させることにより、ロータフレーム6には遠心力による繰り返し応力が働く。したがって、鋼板の板厚tを極端に薄くすることはできない。一般的に、疲労限度を超える応力振幅を繰り返し与え続けると材料は疲労破壊を起こす。このときの疲労限度は、一般に引張強さと強い相関があることが知られている。すなわち、疲労限度は、負荷モードが、回転曲げの場合は引張強さの0.35〜0.64倍、両振り引張圧縮の場合は引張強さの0.33〜0.59倍、ねじりの場合は引張強さの0.22〜0.37倍とされている。この点については、[機械用便覧(日本機械学会)]参照。

0033

そして、本実施例に係るロータフレーム6の場合、ねじりの負荷モードは少ないものの、疲労限度の応力は、最も疲労破壊が起こり難くするために、安全側で考えて引張強さの0.22倍とするのが望ましい。光偏向器55の回転中にロータフレーム6にかかる応力の最大値をσmax[N/mm2]とすると、応力振幅σa[N/mm2]は、σa=σmax/2で表される。なお、一般的に、応力振幅σa[N/mm2]は、σa=(σmax−σmin)/2となるが、本実施例に係る光偏向器55の場合、回転と停止が繰り返されるモードであり、停止時の応力は0であるので、σmin=0となる。疲労破壊を起こさないようにするためには、応力振幅σaを疲労限度より小さくすればよいので、ロータフレーム6の引張強さをσ[N/mm2]とすると、以下の式で表すことができる。




すなわち、




となる。

0034

ここで、回転体が回転する際にロータフレーム6のうち最も大きな応力が作用する部位は、ロータマグネット保持部6aである。この部分にかかる応力は、ロータフレーム6にかかる遠心力による応力σ1とロータマグネット7から受ける力による応力σ2との合力により表される。

0035

このことからσmaxは、次式で表される。




式5における応力σ1とσ2の関係式について、本実施例におけるロータフレーム6の形状において数値解析シミュレーションを用いて算出した。以下、より具体的に説明する。光偏向器55の回転体の回転数をN[min−1]、ロータマグネット7の厚みをtm、ロータマグネット7の比重をρ2とする。この時、回転体における各パラメータ(N、R1、tm、ρ1、ρ2)をシミュレーション上でそれぞれ変化させ、その際の応力σ1
とσ2を算出した。図3に、数値解析シミュレーション結果を示す。図3(a)〜(f)は、回転体における各パラメータと応力σ1,σ2の関係を示すグラフである。

0036

各グラフにおいて、横軸に記載していないパラメータは、以下の値に設定している。すなわち、回転数Nは45000[min−1]、ロータフレーム6の比重ρ1は7.85×10−3[g/mm3]、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tは0.5[mm]であり、ロータマグネット保持部6aの内径2R1は22.8[mm]である。なお、以下、このロータマグネット保持部6aの内径2R1の半分を、「ロータフレーム6の半径R1」と適宜称する。従って、ロータフレーム6の半径R1は11.4[mm]である。また、ロータマグネット7の比重ρ2は3.7×10−3[g/mm3]、ロータマグネット7の厚みtmは0.9[mm]である。

0037

数値解析シミュレーション結果から、応力σ1は、回転数Nの2乗(図3(a)参照)、ロータフレーム6の半径R1の2乗(図3(b)参照)、ロータフレーム6の比重ρ1(図3(c)参照)に、それぞれ比例することが分かる。また、応力σ2は、回転数Nの2乗(図3(a)参照)、ロータフレーム6の半径R1の2乗(図3(b)参照)、ロータマグネット7の厚みtm(図3(d)参照)、ロータマグネット7の比重ρ2(図3(e)参照)にそれぞれ比例することが分かる。更に、応力σ2は、ロータフレーム6の厚み(ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚t)に反比例することが分かる(図3(f)参照)。以上より、応力σ1とσ2は、定数A,Bを用いて、以下の(式6)と(式7)で表すことができる。








そして、図3(a)〜(f)の結果から、A,Bの値を解析すると、A=1.28×10−8、B=1.19×10−8となる。(式6)、(式7)に、これらA,Bの値を代入すると以下の(式8)(式9)が得られる。なお、A,Bに関して、より具体的には、(式6)と(式7)の各パラメータの様々な組み合わせにおいて、シミュレーションを行い、その結果得られるAの値の平均値とBの値の平均値をそれぞれ取ることで算出している。








そして、(式5),(式8),(式9)より、次の(式10)が得られる。




したがって、(式4)と(式10)とからロータフレーム6が疲労破壊を起こさないための式は以下の(式11)となる。




そして、(式11)を、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tの式に変換すると、以下の(式12)で表される。




以上より、(式3)、(式12)から、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tは、以下の(式13)で表すことができる。



以上より、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tを(式13)を満たすように設定すれば、光偏向器55を繰り返し回転させた場合でも、ロータフレーム6が疲労破壊を起こさず、かつバランス修正回数はほぼ確実に1回で済ませることができる。

0038

ここで、ロータフレーム6が鋼板で構成され、かつ、ロータマグネット7がフェライト系のゴム磁石(可撓性磁石)である場合、ρ1=7.85×10−3[g/mm3]、ρ2=3.7×10−3[g/mm3]、σ=270[N/mm2]となる。この場合、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tは、以下の(式14)を満たすように設定すればよい。




例えば、N=45000[min−1]、R1=11.4[mm]、L1=6.1[mm]、L2=1.2[mm]、L3=1.6[mm]、tm=0.9[mm]とする。この場合、(式14)から、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tは0.11[mm]以上、0.39[mm]以下に設定すればよい。

0039

なお、本実施例では、固定軸に対して回転体が回転するように構成される光偏向器55の場合を説明した。しかしながら、画像形成装置に具備される走査光学装置に備えられる光偏向器として、回転軸と共に回転体が回転する構成も知られている。なお、この場合にも、回転体には回転多面鏡及びロータフレームが備えられている。本発明は、このように構成される光偏向器におけるロータフレームにも適用可能である。

0040

<本実施例に係る光偏向器、走査光学装置及び画像形成装置の優れた点>
以上説明したように、本実施例においては、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tの下限値については、光偏向器55を繰り返し回転させた際にロータフレーム6にかかる応力振幅がロータフレーム6の疲労限度以下となるように設定されている。また、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tの上限値については、ロータフレーム6の質量mが1回のバランス修正でほぼ100%規定量以下にすることが可能な3g以下を満たすように設定されている。以上より、光偏向器55を繰り返し回転させた際にもロータフレーム6が疲労破壊されてしまうことを抑制することができ、かつ光偏向器55の回転体の初期アンバランス量を低減させることができる。その結果、バランス修正時のバランスウェイトの塗布量を少なくすることができ、バランスウェイトの塗布量の精度を上げることができる。つまり、バランス修正を正確に行うことができるようになり、バランスウェイトの塗布回数を抑制することができる。上記の通り、ほぼ確実に、塗布回数を1回(2か所への塗布回数を1回)で済ませることができる。

0041

したがって、回転体が回転することによって、バランスウェイト部で発生する耳障りな周波数の流体騒音を低減させることができる。また、ロータフレーム6の質量を低減して回転体を軽量化しているため、回転体の慣性モーメントが低減され、回転体が定格回転数に達するまでの時間(立ち上り時間)を短縮することができる。例えば、ロータフレーム6を形成する鋼板の板厚tを0.3[mm]とした場合、tが0.5[mm]であった場合と比較して、ロータフレーム6の慣性モーメントは約60[%]、回転体全体の慣性モーメントは約70[%]となる。これにより、光偏向器の立ち上り時間は約70[%]に短縮することができる。つまり、走査光学装置101の立上げから露光可能までの時間を短縮することができ、ひいては画像形成装置112のFPOT(ファーストプリントタイム)を短縮することができる。

0042

6…ロータフレーム,14a,14b…バランスウェイト,54…回転多面鏡,55
…光偏向器,B…レーザ光束

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