図面 (/)

技術 疲労試験装置

出願人 株式会社山本金属製作所
発明者 山本憲吾山本泰三米田哲也廉本寧上野明
出願日 2015年11月5日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-217786
公開日 2016年5月26日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-095300
状態 特許登録済
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 電算装置 圧縮計 パルス成形回路 上下振幅 特定開口 パルス発光制御 破断繰返し数 発光時期
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

本発明は、疲労試験における金属材料等の試験片表面における、き裂の発生と成長挙動や、き裂の長さとを、良好な発光状態リアルタイム写真撮影して観察・計測することができる回転曲げ疲労試験装置を提供することを目的とする。

解決手段

第一の本発明では、試験片初期き裂等の回転方向に対して角度情報位置決めし、試験片の軸方向についても座標情報を知ったうえで、回転曲げ疲労試験機に装着し、撮像手段(カメラ等)による撮影と、光源LED等)による高速発光時期とを、試験片表面の観察対象である、き裂が撮影可能範囲に回転移動してくるタイミングと同期させて、定期的に撮影した画像をPCでリアルタイムに解析し、き裂の進捗分析する。

概要

背景

金属材料試験片回転曲げ疲労試験や引張・圧縮疲労試験する場合、応力振幅破断繰返し数(いわゆるS−N特性)を検知するだけではなく、試験片表面で発生し、成長する「疲労き裂」の変化をも観察することにより、疲労特性に関するより多くの情報を得ることができることが知られている。

従来、このような試験片の疲労き裂の発生、成長および最終破断までの疲労き裂の変化の観察は、レプリカ法によって物理的形状変化を追跡するのが一般的であった。レプリカ法とは、試験片表面に貼り付けて表面形状を写し取ったレプリカを形状観察する方法である。ここでレプリカ法について例示して説明する。まず、レプリカとして鋳型材料となるフィルム状のアセチルロース片を使用する場合、これを酢酸メチルアセトン等の有機溶剤(以下、「アセトン等」と称する)に浸した上、ピンセット等で試験片のき裂観察面に貼り付ける。そして、所定時間(通常1〜1.5分)放置しアセチルロース片からアセトン等が揮発するのを待って、試験片からアセチルロース片を剥がす。次に、あらかじめ準備しておいたガラス板両面テープを貼り付けた固定台の両面テープの接着面上に、レプリカにおける試験片との接触側面を上にして貼り付け、その後、レプリカを光学顕微鏡で観察、写真撮影する。この写真撮影に至る一連の操作は、試験片表面に、それ自体で明瞭にき裂が発生したと判別できるようになるまで継続的に実施し、過去に遡って画像記録をたどることにより、き裂発生初期からの進行過程が、レプリカの形状変化の形で追跡できることとなる。さらに、試験片を続けて試験することで、破断するまで継続して観察し続けることも可能である。

しかしながら、上記レプリカ法は、フィルム状のアセチルロース片を用いて作製されるレプリカの貼り付け方に経験が必要であり、試験片表面に貼る際に気泡が介在し、き裂の形状を反映しなくなる等,困難をともなう場合が多い。また、レプリカ法においては、レプリカ片の貼り付け等の作業のためその都度、所定時間試験を中断させる必要があり、試験を中断させない、き裂変化の観察の要望も存在する。また、たとえば、近年、引張・圧縮疲労試験では超音波で試験片を加振する等試験速度高速化しているため肉眼観察でリアルタイム計測することも困難である。

さらに、とりわけ、回転曲げ疲労試験での疲労き裂の観察にレプリカ法を用いる場合、試験片は通常円柱状の形状をしており、疲労き裂が生じる部位は湾曲しているため、極めて貼り付けにくい。また、試験片に対して、金属顕微鏡観察軸同軸で光を照射し、き裂の発生を見つけようとした場合、試験片の曲面の頂上部にしか光が当たらず、疲労き裂全体を観察することはできない。このため、き裂の発見には経験を要するという問題があった。また、試験片に対して、金属顕微鏡の観察軸と同軸で光を照射し、き裂の発生を見つけようとした場合、試験片の曲面の頂上部にしか光が当たらず、疲労き裂全体を観察することはできない。このため、き裂の発見には経験を要するという問題があった。

これに対して、試験の中断をさせずに引張・圧縮疲労試験器の加振や回転曲げ疲労試験器の回転と同期を取って試験片表面の観察することも考えられるが、通常、観察条件として極めて短時間発光ができるストロボスコープが必須であり、光源キセノンランプを使用する場合,発光指令信号パルス波)を入力したとしても、ランプ輝度変化(発光)はパルス波に追従できないため、発光タイミングズレや、輝度不足になり良好な観察(写真撮影)が行えないといった問題もある。

また、近年引張・圧縮疲労試験において発達している超音波引張・圧縮疲労試験では、試験片のき裂を観察ために装置を一旦起動停止すると疲労試験装置の起動停止前後で疲労試験の条件が変化し、試験結果が変動・影響を受けるという問題もあった。

さらに、引張・圧縮疲労試験ではき裂開口の変化における先端歪みを計測する要求があり、現状、試験片への静的負荷での歪みしか計測されておらず、疲労試験中の動的負荷での歪みは計測できていない。

概要

本発明は、疲労試験における金属材料等の試験片表面における、き裂の発生と成長挙動や、き裂の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる回転曲げ疲労試験装置を提供することを目的とする。第一の本発明では、試験片の初期き裂等の回転方向に対して角度情報位置決めし、試験片の軸方向についても座標情報を知ったうえで、回転曲げ疲労試験機に装着し、撮像手段(カメラ等)による撮影と、光源(LED等)による高速発光時期とを、試験片表面の観察対象である、き裂が撮影可能範囲に回転移動してくるタイミングと同期させて、定期的に撮影した画像をPCでリアルタイムに解析し、き裂の進捗分析する。

目的

本発明は上記のような問題に鑑みて創作されたものであり、回転曲げ疲労試験又は引張・圧縮疲労試験における金属材料等の試験片表面における「き裂」の発生と成長挙動や「き裂」の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる疲労試験装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

試験片負荷を与えた状態でその端部を把持して軸回転させて回転曲げ疲労を計測する疲労試験装置であって、試験片の表面で検知された初期的な形状変化の回転方向角度情報と軸方向の位置情報とに基づいて形状変化が観察できる位置に配設された撮像手段と、試験片を短時間照射することができる光源とを備え、試験片が回転している状態で、前記光源を短時間発光させて試験片に照射することにより前記撮像手段で試験片の表面の形状変化の静止画を連続観察し、その経時変化を追跡比較することで試験片の破断時期予測する、ことを特徴とする疲労試験装置。

請求項2

前記試験片の表面における形状変化を撮像手段で撮像することができる試験片の回転の位相に試験片が到達したときに、前記光源の発光と前記撮像手段の撮像とを同期させる、ことを特徴とする請求項1に記載の疲労試験装置。

請求項3

前記光源は、LED式ストロボスコープであり、試験片の回転駆動源は、サーボモータであり、該サーボモータの回転と協動する歯車と、該歯車の周囲に配設され、磁気抵抗効果素子を有する磁気センサとを備え、前記磁気センサの角度位置と,前記歯車を構成する歯との位置の関係に基づいて、前記磁気センサの磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化を電圧変化に変換し、この変化をパルス信号に変換することでLED発光のための入力信号を生成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の疲労試験装置。

請求項4

前記光源が、前記試験片の回転速度と同期した時間間隔微細時間に細分化して発光して、前記撮像素子が、前記試験片上の一点を転周方向に細分した複数の画像として撮影し、該画像を比較することにより、試験片の表面の形状変化を立体視することを、特徴とする請求項2又は3に記載の曲げ疲労試験装置

請求項5

試験片の両端から一定電圧高周波電流通電し、表面を流れる電流の大きさの変化を計測し、電流が小さくなった時点を試験片の表面の初期的な形状変化が発生したものと推定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の疲労試験装置。

請求項6

試験片の破断時期が予測されると、試験片の回転速度を減少させる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の疲労試験装置。

請求項7

前記光源は、発光ダイオード放電発光パルスレーザ光である、ことを特徴とする請求項1に記載の疲労試験装置。

請求項8

前記光源の光軸と、前記撮像手段の受光装置とを試験片に対して、同一角度で配設する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の疲労試験装置。

請求項9

試験片の端部に引張・圧縮方向の繰り返し負荷を与えて引張・圧縮計測を行う疲労試験装置であって、試験片の表面で検知された初期的な形状変化の位置情報に基づいて形状変化が観察できる位置に配設された撮像手段と、試験片を光を短時間照射することができる照射源とを備え、試験片に繰り返し負荷が与えられている状態で、前記照射源から光を試験片に照射することにより前記撮像手段で試験片の表面の形状変化の静止画を採集し、その経時変化を追跡比較することで試験片の破断時期を予測する、ことを特徴とする疲労試験装置。

請求項10

請求項9に記載の疲労試験装置は、試験片のき裂画像を撮影し、該撮像手段で撮影した試験片のき裂画像を採集する画像採集手段と、試験片に前記繰り返し負荷を与える加振手段と、該加振機制御信号を送信する負荷制御手段とを備え、前記画像採集手段と前記負荷制御手段との同期をとるように制御する同期制御手段とを備える、ことを特徴とする疲労試験装置。

請求項11

前記同期制御装置は、照射源に電力送信する信号と同期する信号を前記画像採集手段を制御する信号として送信することで、画像採集装置が静的な試験片のき裂画像を採集する、ことを特徴とする請求項10に記載の疲労試験装置。

請求項12

前記加振手段は、超音波域での周期振動する圧電素子を備え、前記負荷制御手段からの信号を受けて試験片に負荷を与える、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の疲労試験装置。

請求項13

前記加振手段は、油圧空圧駆動や電磁式又はモータ駆動アクチュエータを備え、前記負荷制御手段からの信号を受けて試験片に負荷を与える、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の疲労試験装置。

請求項14

前記同期制御手段は、前記負荷制御装置からの信号を分周する分周回路を有する、ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の疲労試験装置。

請求項15

請求項10〜14のいずれか1項に記載の疲労試験装置は、前記画像採集手段からの試験片の画像データを受けて画像処理する画像処理手段を備え、該画像処理手段は前記画像データにおいて試験片のき裂の位置を位置決めする位置決め信号を送信し、位置決め信号を受けて前記撮像手段を適正な位置に移動させる位置決め手段を備える、ことを特徴とする疲労試験装置。

技術分野

0001

本発明は、試験片表面における、回転曲げ疲労試験や引張圧縮疲労試験で生じるき裂の発生と成長挙動や、き裂の長さをリアルタイムで観察・計測し得る疲労試験装置およびに関する。

背景技術

0002

金属材料試験片を回転曲げ疲労試験や引張・圧縮疲労試験する場合、応力振幅破断繰返し数(いわゆるS−N特性)を検知するだけではなく、試験片表面で発生し、成長する「疲労き裂」の変化をも観察することにより、疲労特性に関するより多くの情報を得ることができることが知られている。

0003

従来、このような試験片の疲労き裂の発生、成長および最終破断までの疲労き裂の変化の観察は、レプリカ法によって物理的形状変化を追跡するのが一般的であった。レプリカ法とは、試験片表面に貼り付けて表面形状を写し取ったレプリカを形状観察する方法である。ここでレプリカ法について例示して説明する。まず、レプリカとして鋳型材料となるフィルム状のアセチルロース片を使用する場合、これを酢酸メチルアセトン等の有機溶剤(以下、「アセトン等」と称する)に浸した上、ピンセット等で試験片のき裂観察面に貼り付ける。そして、所定時間(通常1〜1.5分)放置しアセチルロース片からアセトン等が揮発するのを待って、試験片からアセチルロース片を剥がす。次に、あらかじめ準備しておいたガラス板両面テープを貼り付けた固定台の両面テープの接着面上に、レプリカにおける試験片との接触側面を上にして貼り付け、その後、レプリカを光学顕微鏡で観察、写真撮影する。この写真撮影に至る一連の操作は、試験片表面に、それ自体で明瞭にき裂が発生したと判別できるようになるまで継続的に実施し、過去に遡って画像記録をたどることにより、き裂発生初期からの進行過程が、レプリカの形状変化の形で追跡できることとなる。さらに、試験片を続けて試験することで、破断するまで継続して観察し続けることも可能である。

0004

しかしながら、上記レプリカ法は、フィルム状のアセチルロース片を用いて作製されるレプリカの貼り付け方に経験が必要であり、試験片表面に貼る際に気泡が介在し、き裂の形状を反映しなくなる等,困難をともなう場合が多い。また、レプリカ法においては、レプリカ片の貼り付け等の作業のためその都度、所定時間試験を中断させる必要があり、試験を中断させない、き裂変化の観察の要望も存在する。また、たとえば、近年、引張・圧縮疲労試験では超音波で試験片を加振する等試験速度高速化しているため肉眼観察でリアルタイム計測することも困難である。

0005

さらに、とりわけ、回転曲げ疲労試験での疲労き裂の観察にレプリカ法を用いる場合、試験片は通常円柱状の形状をしており、疲労き裂が生じる部位は湾曲しているため、極めて貼り付けにくい。また、試験片に対して、金属顕微鏡観察軸同軸で光を照射し、き裂の発生を見つけようとした場合、試験片の曲面の頂上部にしか光が当たらず、疲労き裂全体を観察することはできない。このため、き裂の発見には経験を要するという問題があった。また、試験片に対して、金属顕微鏡の観察軸と同軸で光を照射し、き裂の発生を見つけようとした場合、試験片の曲面の頂上部にしか光が当たらず、疲労き裂全体を観察することはできない。このため、き裂の発見には経験を要するという問題があった。

0006

これに対して、試験の中断をさせずに引張・圧縮疲労試験器の加振や回転曲げ疲労試験器の回転と同期を取って試験片表面の観察することも考えられるが、通常、観察条件として極めて短時間発光ができるストロボスコープが必須であり、光源キセノンランプを使用する場合,発光指令信号パルス波)を入力したとしても、ランプ輝度変化(発光)はパルス波に追従できないため、発光タイミングズレや、輝度不足になり良好な観察(写真撮影)が行えないといった問題もある。

0007

また、近年引張・圧縮疲労試験において発達している超音波引張・圧縮疲労試験では、試験片のき裂を観察ために装置を一旦起動停止すると疲労試験装置の起動停止前後で疲労試験の条件が変化し、試験結果が変動・影響を受けるという問題もあった。

0008

さらに、引張・圧縮疲労試験ではき裂開口の変化における先端歪みを計測する要求があり、現状、試験片への静的負荷での歪みしか計測されておらず、疲労試験中の動的負荷での歪みは計測できていない。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は上記のような問題に鑑みて創作されたものであり、回転曲げ疲労試験又は引張・圧縮疲労試験における金属材料等の試験片表面における「き裂」の発生と成長挙動や「き裂」の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる疲労試験装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、試験片に負荷を与えた状態でその端部を把持して軸回転させる回転曲げ疲労試験装置を提供する。具体的には、試験片の表面で検知された初期的な形状変化の回転方向角度情報と軸方向の位置情報とに基づいて形状変化が観察できる位置に配設された撮像手段と、試験片を短時間照射することができる光源とを備え、試験片が回転している状態で、前記光源を短時間発光させて試験片に照射することにより前記撮像手段で試験片の表面の形状変化の静止画を連続観察し、その経時変化を追跡比較することで試験片の破断時期予測する。

0011

この回転疲労曲げ試験装置によれば、回転曲げ疲労試験における金属材料等の試験片表面における形状変化(代表的には「き裂」。(以下、「き裂」と記載する))の発生と成長挙動や「き裂」の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる。

0012

また、前記試験片の表面における「き裂」を撮像手段で撮像することができる試験片の回転の位相に試験片が到達したときに、前記光源の発光と前記撮像手段の撮像とを同期させることができる。

0013

また、前記光源は、LED式ストロボスコープであり、試験片の回転駆動源は、サーボモータであり、本回転曲げ疲労装置は、該サーボモータの回転と協動する歯車と、該歯車の周囲に配設され、磁気抵抗効果素子を有する磁気センサとを備え、前記磁気センサの角度位置と,前記歯車を構成する歯との位置の関係に基づいて、前記磁気センサの磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化を電圧変化に変換し、この変化をパルス信号に変換することでLED発光のための入力信号を生成することができる。

0014

例えば、LED式ストロボスコープの発光タイミングの同期には、サーボモータによって歯車の周囲を角度制御する構成のもと、周回する磁気センサの角度位置と,歯車を構成する歯の位置との関係で、磁気センサに埋め込まれた磁気抵抗効果素子の抵抗値が磁界変化とともに変化する現象を利用し、素子抵抗値変化を電圧変化に変換することで、サイン波形を得、これを、処理回路を用いてパルス信号に変換し,LED発光のための入力信号を生成させることで解決している。

0015

また、前記光源が、前記試験片の回転速度と同期した時間間隔微細時間に細分化して発光して、前記撮像素子が、前記試験片上の一点を転周方向に細分した複数の画像として撮影し、該細分した複数の画像を比較することにより、試験片の表面の形状変化を立体視しても良い。

0016

また、本回転曲げ疲労試験装置によれば、試験片の両端から一定電圧高周波電流通電し、表面を流れる電流の大きさの変化を計測し、電流が小さくなった時点を試験片の表面の初期的な形状変化が発生したものと推定しても良い。

0017

すなわちこの場合、試験片の表面の初期的な形状変化は、試験片の両端から一定電圧で高周波電流を通電し、表面を流れる電流の大きさの変化を計測し、電流が小さくなったところで初期的な形状変化が発生したものとみなして、試験片の回転を中断して、試験片の表面を網羅的に検査して、初期的な「き裂」を発見することができる。

0018

また、試験片の破断時期が予測されると、試験片の回転速度を減少させることが好ましい。

0019

試験片上に生じた「き裂」の進捗を連続観察することで、破断時期を予測することにより、曲げ荷重が付加された状態で高速回転されることによる試験片の温度上昇を抑制し、通常の試験片回転速度での試験と同等となるように回転速度を自動的に低下させることとしている。

0020

また、短時間発光光源として光源は、放電発光パルスレーザ光も適用される。

0021

また、前記光源の光軸と、前記撮像手段の受光装置とを試験片に対して、同一角度で配設することが好ましい。

0022

このような構成により、試験片の表面に生じた微細な変化を、光反射強度の変化として検出することができる。

0023

また、第二の本発明は、試験片の端部に引張・圧縮方向の繰り返し負荷を与えて引張・圧縮計測を行う疲労試験装置であって、
試験片の表面で検知された初期的な形状変化の位置情報に基づいて形状変化が観察できる位置に配設された撮像手段と、
試験片を光を短時間照射することができる照射源(例えば、本実施形態における光源104)とを備え、
試験片に繰り返し負荷が与えられている状態で、
前記照射源から光を試験片に照射することにより前記撮像手段で試験片の表面の形状変化の静止画を採集し、その経時変化を追跡・観察して比較することで試験片の破断時期を予測する。

0024

本疲労試験装置によれば、引張・圧縮疲労試験における金属材料等の試験片表面における形状変化(代表的には「き裂」)の発生とその成長挙動や「き裂」の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる。

0025

具体的に本疲労試験装置は、試験片のき裂画像を撮影し、
該撮像手段で撮影した試験片のき裂画像を採集する画像採集手段(例えば、本実施形態における画像採集装置107)と、試験片に前記繰り返し負荷を与える加振手段(例えば、本実施形態における加振機102)と、該加振機に制御信号を送信する負荷制御手段(例えば、本実施形態における負荷制御装置108)と、前記画像採集手段と前記負荷制御手段との同期をとるように制御する同期制御手段(例えば、本実施形態における同期制御装置109)と、を備えることもある。

0026

また、前記同期制御手段は、照射源に電力送信する信号と同期する信号を前記画像採集手段を制御する信号として送信することで、画像採集装置が静的な試験片のき裂画像を採集することができる。

0027

本疲労試験装置では、同期制御装置により、撮像手段で撮影した試験片のき裂画像を採集する画像採集装置と、軸荷重を負荷する信号を加振手段に送る負荷制御装置との同期をとることで疲労試験中の動的な形状変化を静止的な画像として取得計測することができる。したがって、試験片のき裂の発生、成長挙動をリアルタイムで観察・計測できる。さらに、疲労試験中にき裂の特定開口角度におけるき裂先端の歪みの計測もリアルタイムで観察・計測できる。

0028

また、前記加振手段は、超音波で振動する圧電素子を備え、前記負荷制御手段からの信号を受けて試験片に負荷を与える場合や、油圧空圧駆動や電磁式又はモータ駆動アクチュエータを備え、前記負荷制御手段からの信号を受けて試験片に負荷を与える方法が考えられる。

0029

本疲労試験装置は、油圧やモータにより試験片を加振する場合だけでなく近年の高速の疲労試験装置として注目されている超音波疲労試験装置にも適用できる。したがって、疲労試験装置を起動停止することなく試験片のき裂を計測でき、起動停止前後に疲労試験の条件が変動することもない。

0030

また、前記同期制御装置は、前記負荷制御装置からの信号を分周する分周回路を有しても良い。

0031

超音波等、高周波で試験片を加振する場合にも照射源に対応し得る又は画像採集し得る程度に変換して計測することができる。

0032

さらに、前記画像採集手段からの試験片の画像データを受けて画像処理する画像処理手段(例えば、本実施形態における画像処理装置112)を備え、
該画像処理手段は前記画像データにおいて試験片のき裂の位置を位置決めする位置決め信号を送信し、
位置決め信号を受けて前記撮像手段を適正な位置に移動させる位置決め手段(例えば、本実施形態における位置決め装置111)を備えても良い。

0033

これにより、試験片のき裂の先端位置を監視し、適宜撮像手段の位置を調整してき裂進展の追跡、自動計測が可能となる。

発明の効果

0034

本発明の疲労試験装置によれば、回転曲げ疲労試験又は引張・圧縮疲労試験における金属材料等の試験片表面における「き裂」の発生と成長挙動や「き裂」の長さとを、良好な発光状態でリアルタイムに写真撮影して観察・計測することができる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の一実施形態に係る、回転曲げ疲労試験装置の要部の構成を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置において、き裂を撮像するために試験片の回転と、パルス発光とを同期させる構成を説明するための略示図である。
本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置において、き裂を静止画像として撮像するためのパルス信号を生成する構成を説明するための略図である。
本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における、パルス発光部の構成を説明する略図と、光源からの照射により撮像された試験片を例示する概略図である。
本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置、及び一般の回転曲げ疲労試験で使用される試験片を例示する略図である。
本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における、荷重負荷部の要部の構成を示す概略図である。
他の本発明の引張・圧縮疲労試験の実施形態の要部の概略図(模式図)が示されている。
図7に示す同期制御装置の概要を示すブロック図である。

実施例

0036

まず第一に本発明の疲労試験装置のうち回転曲げ疲労試験に用いるものについて説明する(以下、単に「回転曲げ疲労試験装置」とも称する)。本回転曲げ疲労試験装置は、下記2つに大別される手段を用いて、試験片の回転を停止することなく、回転曲げ疲労試験に要する時間を通常の試験方法よりも大幅に短縮可能とする。また、回転曲げ疲労試験に用いられる試験片の表面におけるき裂の発生や、その成長挙動や「き裂」の長さを、少なくとも試験片に「き裂」が発生してから、試験片が破断に到るまで、リアルタイムで観察・計測(以下、単に「観察等」とも称する)することを可能としながら、通常の回転曲げ疲労試験方法と同等、もしくはそれ以上に正確な試験結果を得ることを実現する。

0037

上記の手段の1つは、高速度(概ね20000〜30000回転/分)で回転する試験片に発生し、進展するき裂を、良好な発光状態のもとで鮮明な静止画像として撮像する手段である。また、他の1つは、上記で撮像された静止画像のデータをもとに試験片の破断時期を推察し、試験片が破断するより前の時点で、試験片の回転速度を所定の回転速度まで低下させる手段である。

0038

上述したように、従来の回転曲げ疲労試験方法においては、レプリカ法や、目視によりき裂を観察するため、試験片の回転を一旦停止して観察する必要がある。しかしながら、試験中に試験片の回転を停止した場合、試験片の周囲方向の特定の箇所に引張り荷重が付加されることとなる。その結果、試験片に曲げ疲労試験起因ではないダメージ応力集中箇所)が発生し、試験結果に影響を与えることがあり、好ましくない。

0039

このため、最も望ましい試験条件下における試験結果、即ち、試験片の回転速度が所定の速度となって、試験片に所定の荷重を付加してから、試験片が破断するまで、又は所定回数の荷重の付加が完了するまで、の間、試験を連続して行った場合の試験結果を得ることは困難である。

0040

また、試験片の回転を停止させる工程の途中等に、誤って試験片に上記所定の負荷以外の外力が付加されることも考えられる。例えば、本来は荷重を除去した後に試験片の回転を中止すべきところを、荷重を付加したまま、試験片の回転を中止する等してしまい、正確な試験結果を得ることができないという懸念もある。

0041

本発明の回転曲げ疲労試験装置では、上述した、最も望ましい試験条件の下での試験を、正確かつ効率良く実施することができる。加えて、試験片の回転を継続させたまま、試験片の表面に発生するき裂や、そのき裂の進展を観察することを実現し得る。

0042

《回転曲げ疲労試験装置の構成》
上記した本発明の回転曲げ疲労試験装置における、き裂の観察等の方法を説明する前提として、本発明の回転曲げ疲労試験装置80の構成を、本発明の一実施形態に係る、回転曲げ疲労試験装置の要部の構成を示す概略図である図1と、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置、及び回転曲げ疲労試験で一般に使用される試験片を例示する略図である図5と、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における、荷重付加部の要部の構成を示す概略図である図6と、を参照しながら詳細に説明する。

0043

図1に示すように、回転曲げ疲労試験装置80は少なくとも、試験片40の回転を発生する回転駆動手段10と、その回転駆動手段10の回転主軸10aの一方の側に、回転主軸10aと同芯に固定される歯車部12と、歯車部12の周囲を回転可能に配設される磁気センサ14と、上記回転主軸10aと同芯に配設されて、磁気センサ14を歯車部12周囲の任意の位置に回転移動可能に保持するサーボモータ16と、サーボモータ16の回転軸(図示せず)に連結されて磁気センサ14を担持し、サーボモータ16の回転駆動により、この磁気センサ14の配設位置を歯車部12の周囲に回転調整させ得るセンサ支持部15と、を備える。

0044

図1の回転曲げ疲労試験装置80はまた、回転駆動手段10の回転主軸10aの上記歯車部12が備えられるのと反対の側に、少なくとも、試験片40を把持するチャック部18と、パルス信号を受けて試験片40の表面における「き裂」や、そのき裂の進展する部位(以下、単に「き裂等」とも称する)に時間幅の短い光(以下、「パルス光」とも称する)を照射可能なパルス発光部20と、試験片40の所定位置を静止した画像として捉えることのできる撮像手段22と、を備える。

0045

撮像手段22は、試験片40の、き裂等からの光を検出し、電荷を発生させ得るもの、一例として光電変換素子(図示せず。以下、「撮像素子」とも称する)を備える。撮像素子としては、例えばCMOSイメージセンサや、CCDイメージセンサ等を用いることができ、これにより試験片40の、き裂や、き裂の進展の画像を電子データとして記録することが可能となる。

0046

この撮像手段22は、2つの信号の受信周期を計測可能なインターバル検出手段26を備える。このインターバル検出手段26は、上述したパルス発光部20を発光させるためのパルス信号を受信して、撮像手段22が備える、いわゆるシャッター(図示せず)の開閉無信号時と、信号受信時とで高い応答速度で切替える。詳しくは後述するが、このインターバル検出手段26を備えることで、パルス発光部20の発光と、撮像手段22による撮像とのタイミングを、回転する試験片40の、き裂等が撮像に最適な位相となるタイミングと同期させることが可能となる。

0047

尚、撮像手段22は、図1に示す、望遠鏡顕微鏡とが組合わされて試験片40を拡大して撮像可能とする光学大手段24を備えることが望ましい。これにより、試験片40のき裂等の周辺を拡大し、撮像手段22により、き裂等を選択的に拡大して撮像することが可能となる。

0048

図5は、回転曲げ疲労試験装置80や、回転曲げ疲労試験で一般に使用される試験片40を例示しており、図5(a)は試験片40に予めき裂の起点となる、き裂起点部40aを設ける場合の上面視の略図であり、図5(b)は図5(a)に示すW−W断面を矢印Xの方向、即ち回転曲げ疲労試験における試験片40の回転軸芯の方向から見た略図であり、図5(c)は図5(b)に示す領域Kを拡大して、き裂起点部40aの一例を略示する図である。

0049

本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、試験片40がき裂の起点となるき裂起点部40aを有し、き裂起点部40aから発生、進展するき裂を観察する場合と、試験中に試験片40に初期き裂が発生し、その初期き裂から進展するき裂を観察する場合との両方の場合において、試験片40の表面におけるき裂や、そのき裂の進展等を観察することが可能である。

0050

詳しくは後述するが、試験片40に予めき裂起点部40aを設ける場合と、試験中に試験片40に初期き裂が発生し、その初期き裂から進展するき裂を観察する場合とのいずれの場合も、撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24と、後述するパルス発光部20とは、試験片40の最弱部である、き裂起点部40aやその周辺を撮影、照射可能に配設される。

0051

尚、上記チャック部20は、回転駆動手段10の主軸10aと同一の部材から一体に形成されることが望ましい。これにより、チャック部20にその一端を把持される試験片40の軸心(この回転曲げ疲労試験装置80においては回転軸芯)と、回転駆動手段10の主軸10aの回転軸芯との偏心量を小さくでき、結果、概ね20000〜30000回転/分で回転する試験片40のき裂等を、ブレを抑制して、より鮮明に撮像し、観察等することが可能となる。

0052

また、回転曲げ疲労試験装置80は、図1に示すように、磁気センサ14と、サーボモータ16とからの信号をもとに、少なくともパルス発光部20を発光させ、また、撮像手段22により試験片40の、き裂等を撮像するためのパルス信号Spを生成し、出力するパルス発光制御手段28を備える。

0053

後に詳述するが、このパルス発光制御手段28で作成された、パルス発光のためのパルス信号Spを用いることで、試験片40の表面における、き裂等が撮像手段22で撮像するのに最適な位相に到達するタイミングと、パルス発光部20が発光するタイミングと、撮像手段22による撮像のタイミングと、を同期させて、高速で回転する試験片40の、き裂等を画像(静止画像)として撮影することが可能となる。

0054

また、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置80において、回転駆動手段10により回転可能な試験片40に荷重を付加する荷重負荷部の要部の構成を示す概略図である図6に示すように、この回転曲げ疲労試験80では、その一端をチャック部18で把持された試験片40の自由端としての他端には、荷重負荷部32が配設される。

0055

この荷重付加部32は、回転駆動手段10により回転される試験片40の上記自由端としての試験片40の他端を、回転自在に連結するためのアダプタ32aと、試験片40に鉛直下方向の自重を作用させるとしての加重部32cと、アダプタ32aと加重部32cとを連結するための吊下げ部32bと、で構成される。加重部32cは、試験片40の形状、評価条件によって荷重の付加設定を行う。

0056

《試験片の回転にパルス発光と撮像とのタイミングを同期させる構成とその方法》
本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、上述したように、試験片40の表面におけるき裂や、そのき裂の進展する部位が、撮像手段22で撮像するのに最適な位相に到達するタイミングに、パルス発光部20が発光するタイミングと、撮像手段22による撮像のタイミングとを同期させることにより、高速で回転する試験片40の表面の、き裂等を静止画像として撮影することを可能とする。

0057

この同期を実現するための構成、及びその方法について、図1と、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における、き裂を撮像するために試験片の回転と、パルス発光とを同期させる構成を説明するための略示図である図2と、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置において、き裂を静止画像として撮像するためのパルス信号を生成する構成を説明するための略図である図3と、を参照しつつ詳細に説明する。

0058

図2は、図1に示した本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置80において、き裂を撮像するために試験片の回転と、パルス発光とを同期させる構成を説明するための略示図である。図2(a)は、試験片40に、予めき裂の起点となる、き裂起点部40aを設ける場合と、試験中に試験片に発生した初期き裂を確認した後に、その初期き裂をき裂起点部40aとして設定し、観察を継続して行う場合と、の2つの場合、換言すると、き裂起点部40aの位置が検知されたのちの定点観察に用いられる構成部材の、回転方向における相対位置の一例を示す略図である。

0059

試験片40に発生するき裂を検出するまでの間は、図2(a)に示す磁気センサ14は、図示しないサーボモータ(図1に16として示す)の駆動により歯車部12の周囲を回転移動される。また、き裂起点部40aの位置が検知された後は、図2(a)に示す磁気センサ14は、図示しないサーボモータに支持されて固定される。

0060

試験片40に予め、き裂起点部40aを設ける場合を例に、試験片40の、き裂を静止画として撮像するため、試験片40の表面における、き裂等が撮像手段22で撮像するのに最適な位相に到達するタイミングに、パルス発光部20が発光するタイミングと、撮像手段22による撮像のタイミングと、を同期させるための構成や、その方法について以下で説明する。尚、試験片40を回転させた状態で、試験片40に発生する初期き裂を検出するための構成等については、後に詳述する。

0061

図2(a)において、回転駆動手段10の主軸10aに固定された歯車部12は、その外周に凸部A〜Iが等ピッチで形成されている。また、磁気センサ14は、歯車部12の回転を、凸部A〜I(以下、単に「凸部A等」とも称する)との間で発生する磁界の変化から検出可能な位置に、図1に示すセンサ支持部15を介してサーボモータ16の回転軸に担持されている。

0062

図1に示す本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、試験片40が予めき裂の起点となる、き裂起点部40aを有する場合、上述したように、サーボモータ16は駆動されず、磁気センサ14は、センサ支持部16を介してサーボモータ16により所定の位置に固定される。

0063

図1に示す回転駆動手段10が駆動されて、その回転主軸10aが回転すると、回転主軸10aの一端(図1紙面左方向)に固定された歯車部12も同一速度で回転する。回転する歯車部12の回転速度は、固定状態にある磁気センサ14により検出されて、上記パルス発光制御手段24へ入力され、上記パルス発光部20の発光のための信号が生成される。

0064

図3(a)は、紙面において半時計方向白抜き矢印の方向)へ回転する歯車部12と、固定状態の磁気センサ14との間に発生する磁界の変化を略示する概略図であり、図3(b)は、磁気センサ14に内蔵されて歯車部12の凹凸変化を検出する、いわゆる磁電変換素子(図示せず。以下、「磁気抵抗効果素子」とも称する)の抵抗値が、図3(a)に示す磁界の変化とともに変化して、上記磁気抵抗効果素子により発生される電圧値が変化する様子を略示した図表である。

0065

この図3(a)及び(b)を参照しながら上記発光のための信号の生成過程を詳述する。図3(a)に示すように、時間T1時からT4時にかけて歯車部12の回転にともなって、歯車部12と、磁気センサ14との間に生じる磁界が、図中の実線矢印に示すように変化する。

0066

この磁界の変化にともなって、磁気センサ14が内蔵する上記磁気抵抗効果素子の抵抗値も変化して、上記磁気抵抗効果素子から出力される電圧値Vも図3(b)に示すように時間T1からT4にかけて変化する。この出力電圧値Vが、図1に示す磁気センサ14からパルス発光制御手段28へ入力され、処理回路(図示せず)によりパルス信号に変換されて、パルス発光部20のパルス発光、及び撮像手段22による撮像のためのパルス信号Spが生成される。

0067

このパルス信号Spは、試験片40が有する、き裂起点部40aの回転方向の位相が、撮像手段22で撮像するのに最適な位相に到達するタイミングに合わせて、パルス発光制御手段28から、少なくとも図1に示すパルス発光部20と、撮像手段22が備えるインターバル検出手段26と、に送信される。

0068

図1、及び図2(a)を参照しながら、このパルス信号Spにより試験片40の回転に、パルス発光と撮像とのタイミングを同期させる方法を詳細に説明する。き裂起点部40aを有する試験片40と、歯車部12と、は上述したように、図1に示す上記チャック部18や、回転駆動手段10の回転主軸10aを介して連結されている。換言すると、試験片40と、歯車部12とは回転駆動手段10の回転駆動により、同一の位相を保って回転させられる。

0069

このとき、図2(a)に示すように、磁気センサ14が歯車部12の凸部Aを検知するタイミングで、試験片40の、き裂起点部40aの転周方向の位置と、歯車部12の凸部Bの転周方向の面(図2(a)紙面の凸部Bの左側面)と、が同じ位相となるように、予め試験片40をチャック部18に把持させておく。

0070

また、撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24も図2(a)に例示するように、予め凸部Bの転周方向の面と同じ位相を撮像可能に配設しておく。また、パルス発光部20も、予め凸部Bの転周方向の面と同じ位相を照射可能に配設しておく。

0071

上記した状態で、図1に示すパルス発光制御手段28からパルス信号Spが出力され、パルス発光部20と、撮像手段22が備えるインターバル検出手段26と、に受信されることにより、パルス発光部20が発光して、試験片40の、き裂起点部40aや、き裂が進展する範囲を照射し、上記き裂等を含む試験片40の表面で反射された光が、撮像手段22の備える上記撮像素子の方向へ反射される。

0072

また、パルス信号Spを受信したインターバル検出手段26により、上述したように撮像手段22の上記シャッター(図示せず)が閉状態から開状態に切替えられ、上記き裂等で反射された光が、撮像手段22が備える上記撮像素子へ到達される。

0073

上記により、撮像手段22で撮像するのに最適な位相に到達するタイミングに同期して、回転する試験片40の表面の上記き裂等にパルス発光部20から上記パルス光が照射され、同時に、上記シャッターが上記パルス光の照射と略同時に開かれて、撮像手段22が備える上記撮像素子に上記き裂等で反射された光が到達される。結果、高速度で回転する試験片40の上記き裂等を、静止画像として鮮明な撮像することが可能となる。

0074

尚、パルス発光部20は、パルス発光のためのパルス信号Spを受けて高い応答速度で発光可能な光源により構成される。パルス発光の光源としては、例えば発光ダイオード、放電発光やレーザ光を用いることが望ましい。これにより、発光指令信号としてのパルス信号Spへの応答性が良く、また極短時間の発光により撮像に十分な輝度を得ることが可能となる。

0075

従来の方法、例えば、上述したレプリカ法により「き裂」を観察する場合、試験片40の回転を一旦、停止させる必要があった。き裂が進展し、試験片40が破断する直前に試験片40の回転を停止すると、上記荷重付加部32の荷重が試験片40に付加され、き裂が急速に進展したり、破断に到る懸念がある。このため、試験片40が破断する直前の、き裂の進展等を観察することが一般的には非常に困難である。

0076

本発明の回転曲げ疲労試験装置80によれば、上述してきたように、試験片40の回転に、パルス発光部20によるパルス発光と、撮像手段22による撮像とのタイミングを同期させることにより、試験中に試験片40の回転を停止させることなく、上記き裂等を静止画像として撮像することが可能となる。結果、き裂の発生や、試験片40が破断する直前の、き裂の進展成長挙動や、き裂の長さをもリアルタイムで観察・計測することを達成し得る。

0077

《試験片に発生する初期き裂を検出するための構成とその方法》
本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、試験片40の回転が継続した状態で、試験片40に発生した初期き裂を検知することが可能である。この初期き裂を検知するために、上述した方法を用いながら、試験片40の最弱部近傍を、その全周にわたって静止画像として撮像する。以下にその構成や方法を、図2(a)及び(b)と、図5と、を参照しながら詳述する。

0078

試験片40に発生する初期き裂を検知する場合、図2(a)に示す歯車部12は、図示しない回転駆動手段(図1に16として示す)に駆動されて、図2(a)紙面における半時計方向に回転される。また、磁気センサ14は、上述したように図示しないサーボモータ(図1に10として示す)に駆動されて、歯車部12の回転方向と逆方向、即ち図2(a)の紙面における時計方向に回動される。

0079

一般に回転曲げ疲労試験に用いられる試験片40は、円筒形状を有する。また、その最弱部は概ね図5(a)にW−W線で示す位置であり、き裂は断面が円形状の上記最弱部に発生する。このため、図5(a)に示す撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24(以下、「撮像手段22等」とも称する)は、試験片40の上記最弱部を撮影可能な所定の位置に配設される。また、パルス発光部20は、試験片40の上記最弱部を照射可能な所定の位置に配設される。

0080

上記の構成のもと、まず、試験片40の上記最弱部を、図2(a)に示す位相で撮像する。このとき、磁気センサ14は、歯車部12が有する凸部Aの紙面左端面を検知し、図2(a)に示す1の位相に位置する。また、撮像手段22等は、磁気センサ14からの上記パルス信号Spを受けて、歯車部12が有する凸部Bの紙面左端面の位相、例えば図2(a)に示す試験片40表面の、40aとして示す位相を撮像する。

0081

次に、図2(b)に示すように、磁気センサ14は、図2(b)に示す1の位相から2の位相に回動され、歯車部12の回転にともなって少なくとも1回転してきた凸部Aの紙面左端面を検知する。撮像手段22等は、この検知により図示しないパルス発光制御手段(図1に28として示す)から出力されるパルス信号Spを受けて、先に撮像した位相とは異なる位相、例えば図2(b)に示す試験片40表面の、40bとして示す位相を撮像する。

0082

上記した手順を繰り返し、磁気センサ14は図2(b)紙面上の時計方向(黒塗り矢印で示す方向)に回動され、図2(b)に示す3の位相、4の位相で凸部Aの紙面左端面を検知し、パルス信号Spを生成するための上記出力電圧値Vを、図示しないパルス発光制御手段(図1に28として示す)へ順次、出力する。

0083

また、撮像手段22等は、上記パルス発光制御手段出力から出力されるパルス信号Spを受けて、試験片40の撮像箇所を、図2(b)紙面上の半時計方向(白抜き矢印の方向)へ変更しながら、試験片40の異なる位相を順次、撮像する。

0084

上述した手順を繰り返すことにより、試験片40の上記最弱部が全周にわたって撮像される。撮像手段22等が撮像した画像データは、詳しくは後述する回転曲げ疲労試験装置80が備える電算装置30へ送信され、記録される。また、上記では試験片40の上記最弱部の全周を一度、撮像する方法に注目して説明したが、この撮像は、少なくとも初期き裂が検出されるまで、継続して行われる。

0085

撮像手段22等により継続して撮像される静止画の画像データは、電算装置30に記録され、詳しくは後述する方法により逐次、画像解析される。これにより、試験片40に発生した初期疲労き裂の検出を達成し得る。

0086

尚、上記の工程の電算装置30による画像解析により、試験片40に初期疲労き裂が発生した位相も同時に検知される。これにより、試験片40の回転を停止させることなく、試験を継続しながら上記き裂等の定点観察へ移行することが可能となる。

0087

詳述すると、試験片40に発生した初期疲労き裂の発生、及び位相が検知されると、磁気センサ14はサーボモータ16の駆動により所定の位置に固定されて、先述した方法により、き裂等の周辺のみが連続して撮像される。これにより、試験片40の回転を停止することなく、試験片40の上記最弱部の全周観察から、き裂等の定点観察に移行されて、き裂の進展の観察を継続して行うことができる。

0088

尚、必要に応じて、撮像手段22等や、上記パルス発光部20を試験片40の回転軸芯方向に移動させても良い。これにより、撮像手段22等の撮像位置や、上記パルス発光部20の照射位置をより適正にし、上記き裂等を撮像範囲の中央に設定すること等ができ、結果、き裂の進展を鮮明な静止撮像により観察することが可能となる。

0089

また、上記した撮像手段22等や、上記パルス発光部20の、試験片40の回転軸芯方向の移動は、手動でも良いし、例えば図示しない電動機とボールネジとを組み合わせて、電動で行われても良い。また、この移動に電算装置30により画像解析されたデータを用いて、電算装置30で検出された初期疲労き裂を撮像するのに最適な位置に、自動で移動させることも可能である。

0090

《回転曲げ疲労試験の試験片を照射するパルス発光部の構成》
本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、少なくとも2つのパルス発光部20を、上記撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24の観察軸(撮影方向)に対して、各々試験片40の外周方向に略同一角度を有して、配設することが望ましい。以下にその構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。

0091

本発明の回転曲げ疲労試験装置80や、一般に回転曲げ疲労試験に用いられる試験片40は、円筒形状を有する。また、上述したように、その最弱部は概ね図5(a)にW−W線で示す位置であり、き裂は断面が円形状の上記最弱部に発生する。

0092

このため、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における、パルス発光部の構成を説明する略図である図4(a)に示す撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24の観察軸(撮像方向)Sと同軸上に光源を配設し、パルス光を照射した場合、試験片40の一部のみからの反射光が、撮像手段22が備える上記撮像素子に到達する。

0093

したがって、本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置における光源、即ちパルス発光部20からの照射により撮像された試験片を例示する概略図である図4(c)及び(d)のうち、図4(d)に例示するように、試験片40の表面の一部分のみが撮像される。このため、き裂が光源の光照射範囲を超える程度に進展した場合、撮像手段22で撮像される静止画像から、回転曲げ疲労試験により発生、進展する「き裂」全体を観察することは困難となる。

0094

本発明の一実施形態に係る回転曲げ疲労試験装置80におけるパルス発光部20は、図4(a)に示すように、2つのパルス発光部20を、撮像手段22、及び/又は光学拡大手段24の配設方向Sに対して、各々試験片40の外周方向に略同一な角度Wだけ、傾斜をもたせて配設される。

0095

本実施例では、図4(a)、及び図4(a)に示す矢印Rの方向からパルス発光部20を見た写真図に示すように、光源である発光ダイオード20aを試験片40の転周方向に4列、回転軸芯方向に3列、配設したものをパルス発光部20とし、これを各々試験片40の転周方向に略同一な角度Wだけ傾斜させた位置に配設している。

0096

上記により、図4(c)に例示するように、パルス発光部20からの光を、回転曲げ疲労試験により試験片40に発生、進展する「き裂」全体を観察するに足りる範囲へ、均等かつ観察に十分な光量で照射することが可能となる。結果、試験片40の表面における、き裂の発生、成長挙動、き裂の長さ等を鮮明な静止画像として撮像し、リアルタイムで観察・計測することを達成し得る。

0097

尚、本実施形態では、光源を発光ダイオード20aとしたが、光源の種類はこれに限定されるものではない。上述したように、光源は発光指令信号としてのパルス信号Spへの応答性が良く、また極短時間の発光により撮像に十分な輝度を得ることが可能なものであれば良く、例えば放電発光やレーザ光等を用いることが可能である。また、光源の種類を組み合わせても良い。

0098

また、上述してきた方法により、時間を空けて撮像された、き裂等の2枚の静止画像から、き裂等を立体化して観察することも可能である。その原理は、いわゆる立体視によるものであって、例えば平行法、交差法等を用い、電算装置等により画像処理を行うことで、時間間隔を空けて、き裂箇所を撮像した2枚の静止画像から、き裂等の立体像の2.5次元データを作成し、画面(図示せず)表示させることができる。

0099

《試験片が破断する前に試験片の回転速度を低下するための構成とその方法》
また、本発明の回転曲げ疲労試験装置80は、試験片40の、き裂の発生や進展等をリアルタイムで連続的に撮像し、試験片40の破断時期を自動的に予測して、その結果をもとに、試験片40が破断する前に試験片40の回転速度を所定の回転速度に低下させることが可能である。以下、その構成や方法を、図面を参照しながら説明する。

0100

図1に示すように、回転曲げ疲労試験装置80は、撮像手段22で撮像された静止画像を記録し、その静止画像を解析可能な電算装置30を備える。上述してきた構成により、撮像手段22で撮像された静止画像のデータは、この電算装置30に蓄積して記録される。

0101

蓄積して記録された上記き裂等の静止画像を、経時的に比較・解析することにより、き裂の発生や、き裂の大きさ、具体的には長さ及び/又は幅が進展する早さをリアルタイムで計測することができる。尚、この画像解析の手段としては、先行技術文献(特許文献:特開平5−256632号公報)に開示された構成を適宜用いて実施すること等が可能であるため、詳細な説明は省略する。

0102

上記先行技術文献の構成について簡単に説明すると、金属部材余寿命を自動的に判定する金属部材の損傷検査装置において、検査装置に金属部材(本発明の試験片40に相当)を設定し、光学顕微鏡の画像をビデオカメラで撮像し、画像処理装置で処理するものである。コンピュータ(本発明の電算装置30に相当)は、画像処理されたデータに基づいて、シャフトに損傷としての、き裂が発生しているか否かを判定する。このコンピュータは、き裂を認識した場合、そのき裂と他のき裂との接続処理合体処理等により、き裂の形状を確定し、確定したき裂の分布を解析し、き裂の最大長さを求めるものである。

0103

また、一般に、材料の疲労試験において試験片に発生したき裂は、試験片の破断が近づくと、加速度的に進展することが知られている。本発明の回転曲げ疲労試験装置80が備える電算装置30は予め、少なくとも回転曲げ疲労試験を行おうとする試験片40の材料について、破断する時期の指標となる、き裂の長さをデータ(以下、「破断時期予測データ」とも称する)として有する。

0104

この破断時期予測データと、上記した手段により画像解析した結果として得られる、き裂の最大長さとが随時、電算装置30により比較されることにより、試験片40の破断時期を自動的に予測することが可能となる。

0105

図1に示す本発明の回転曲げ疲労試験装置80は、上記で予測された試験片40の破断時期をもとに、試験片40の回転速度、即ち試験片40を回転駆動する回転駆動手段10の回転速度を、概ね20000〜30000回転/分から、所定の回転速度、例えば日本工業規格(JIS)の、規格番号「JIS Z 2274」、名称「金属材料の回転曲げ疲れ試験方法」に定められる荷重の繰返し速度である「毎分1000〜5000回」に対応する回転速度まで低下させる。

0106

上述したように、回転曲げ疲労試験装置80では試験を促進するため、試験片40に曲げ荷重を付加した状態で、概ね20000〜30000回転/分の高速度で回転させる。このため、試験片40を構成する分子同士の摩擦等により、試験片40の温度が上昇する。特に、き裂が進展し、破断時期が近づくと試験片40の、き裂が進展する速度が上昇し、き裂の近傍における試験片40の断面積が減少する。このため、試験片40の、き裂の近傍に荷重(応力)が集中し、温度の上昇勾配がより急峻となる。

0107

試験片40の、き裂の近傍が高温になると、試験片が金属の場合、試験片40の硬さの変化が、特に「き裂」の近傍で大きく生じ、いわゆる加工硬化加工軟化が発生する。このため、正確な試験結果を得ることが困難となる。

0108

本発明の回転曲げ疲労試験装置80では、上記で予測された試験片40の破断時期から、所定の時間分だけ手前の時点で、試験片40の回転速度、即ち回転駆動手段10の回転速度を、例えば、1000〜5000回転/分まで低下させる。これにより、試験片40の、き裂近傍の温度が、通常の回転曲げ疲労試験方法における試験片の温度まで低下される。この結果、少なくとも通常の試験方法と同等な試験結果を得ることを実現し得る。

0109

尚、上記した回転駆動手段10の回転速度を低下させる時間を設定するための、試験片40の破断時期よりも手前の所定時間の決定方法としては、一例として、事前の試験結果を元にすることが可能であるが、これに限定されるものではない。

0110

また、本発明の回転曲げ疲労試験装置80は、試験片40の表面に電流を通電させて、き裂の発生を検出する手段を備えることが望ましい。例えば、電圧発生手段(図示せず)により試験片40の両端から一定電圧で高周波電流を通電し、試験片40の表面を流れる電流の大きさの変化を電流計(図示せず)等で計測する。

0111

電流値が変化、例えば、試験片40の表面に微小な傷、即ち初期の「き裂」が発生すると、試験片40の表面の電気抵抗が増大する。これは、上記高周波電流周波数が高いほど、金属表面に集中して電流が流れるようになる、いわゆる高周波電流の表皮効果によるものである。この電気抵抗の増大により、上記電流計で検出される電流量減少する。この電流量の減少を検知した場合を、き裂の発生として検出することが可能である。

0112

《引張・圧縮疲労試験装置の構成》
次に、本発明の疲労試験装置のうち引張・圧縮疲労試験に用いるものについて図7〜8を用いて説明する(以下、単に「引張・圧縮疲労試験」とも称する)。本引張・圧縮疲労試験でも、試験片の引張・圧縮を停止することなく「き裂」の進展を計測でき、引張・圧縮疲労試験に要する時間を通常の試験方法よりも大幅に短縮可能とする。また、引張・圧縮疲労試験に用いられる試験片の表面におけるき裂の発生や、その成長挙動や「き裂」の長さを、少なくとも試験片に「き裂」が発生してから、試験片が破断に到るまで、リアルタイムで観察等することを可能とし、同時に通常の引張・圧縮疲労試験と同等、もしくはそれ以上に正確な試験結果を得ることを実現する。

0113

引張・圧縮疲労試験では所定の試験片(金属材料)に引張荷重(負荷)を付与し、特定ひずみ量の引張変形を与えた後、一旦荷重(負荷)を除荷し、そのまま圧縮荷重(負荷)を付与して圧縮変形させる、又は、圧縮変形を与えた後に引張変形を与えている。図7では本引張・圧縮疲労試験100の実施形態の要部の概略図(模式図)が示されている。本引張・圧縮疲労試験100では、上下振幅させることで試験片101に引張荷重・圧縮荷重(軸荷重)を付与する加振機102(加振手段)を用いている。

0114

試験片101に発生し、進展する疲労き裂103を、良好な発光状態のもとで鮮明な静止画像として撮像している。また他に、撮像された静止画像のデータをもとに試験片103の破断時期を推察し、試験片103が破断するより前の時点で、試験片の振幅速度を所定の速度まで低下させている。

0115

また、本引張・圧縮疲労試験100は、試験片101は、その一端が加振機102にボルト締結等で固定され、図示しないが他端も引張・圧縮疲労試験100に固定される(図7の符号100a参照)。加振機102は、負荷制御装置108から発する加振信号を受けて図示しない油圧や、モータ、ピエソ素子等の圧電素子(後述する超音波疲労試験で使用)などを使用して荷重または変位を所望のパターン正弦波矩形波三角波等)で制御され、試験片101に軸荷重の繰り返し負荷を加える。

0116

負荷制御装置108は、加振機102への加振信号と同期して同期制御装置109に同期用の参照信号(図中の同期信号)を送信する。負荷制御装置108からの同期信号を受けて同期制御装置109は、電力増幅器110への同期信号(図中の光源同期信号)と、撮像手段105、とりわけ後述の画像採集装置107に制御信号(図中の画像採集制御信号)とを送信する。

0117

図8は、同期制御装置109の概要を示すブロック図である。同期制御装置109は、負荷制御装置108からの同期信号を受けて電圧変換回路109aにより電圧を増幅する。電圧増幅された信号は、パルス成形回路109dによりパルス信号に成形され、分周回路109bにより所望の周波数に分周される。分周は試験片101への加振が超音波のごとき高周波の場合などそのままでは光源104や後述の画像採集装置107が同期できない場合に用いられる手法である。なお、超音波疲労試験については後述する。

0118

分周回路109bで生成されたパルス信号は、遅延制御回路109cにより光源(照射源)110の照射タイミングやこれに応じてパルスピーク遅延した光源同期信号を電力増幅器110に送信する。また同時に、遅延制御回路109cは光源同期信号に連動させた画像採集制御信号を画像採集装置107に送信する。

0119

図1を再び参照する。同期制御装置109からの光源同期信号を受けた電力増幅器110は、光源104に電力を提供又は遮断する。これにより試験片101の表面におけるき裂や、そのき裂の進展する部位(以下、単に「き裂」とも称する)には、光源104からパルス光が照射される。光源104は、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ等が用いられる。

0120

撮像手段105は、光源104から光照射された試験片101の所定位置を静止画像として捉えることができる。撮像手段105は、試験片101の、き裂等103からの光を検出し、光電変換素子(撮像素子)を備えた画像採集装置107により試験片101の、き裂や、き裂の進展の画像を電子データとして記録する。なお、撮像素子としては、例えばCMOSイメージセンサや、CCDイメージセンサ等を用いる。また、撮像手段105は、望遠鏡と顕微鏡とが組合わされて試験片101を拡大して撮像可能とする光学拡大手段(レンズ等)106を備える。これにより試験片101のき裂等103の周辺が拡大され、画像採集装置107により、き裂等を選択的に拡大して撮像することが可能となる。

0121

上述するように画像採集装置107は、電力増幅器110への光源同期信号と連動した画像採集信号を受けて撮像タイミングを制御しているため、試験片101の照射に合わせた撮像が可能となる。

0122

画像採集装置107で採集された試験片101の画像データは、画像処理装置112に送信される。画像処理装置112では画像データを受けて、その画像データに対して濾波処理フィルタリング操作)や差分処理パターン抽出処理、演算処理などの画像処理が実施され、き裂の計測結果を図、表、生データなどのデータとして出力する。そして、出力データを受けて計測結果ディスプレイ等の表示装置113に表示する。

0123

また、画像処理装置112では撮像手段105の位置を調整するための位置決め信号を位置決め装置111に送信する。位置決め信号により撮像手段105のXYZ方向の位置が調整される。たとえば、画像処理装置112での画像処理においてき裂の適正な撮像位置がずれているときにはき裂の先端が画像の中心部に位置するように撮像手段105の位置を移動(追跡)する。なお、初期的なき裂先端の位置(追跡の原点位置)としては試験片101に起点き裂103aをつけておくことが好ましい。なお、位置決め装置111にはピエゾ素子などの圧電素子やアクチュエータが備えられ、位置決め信号を力に変換して撮像手段105を駆動する。

0124

以上のように、本引張・圧縮疲労試験装置100では同期制御装置109により、撮像手段105で撮影した試験片101のき裂画像を採集する画像採集装置107と、試験片101に軸荷重を負荷する加振機102の負荷制御装置108と、同期をとることで疲労試験中の動的な試験片101画像を静止的な画像として取得計測することができる。したがって、試験片101のき裂の発生、成長挙動をリアルタイムで観察・計測できる。さらに、画像処理装置112及び位置決め装置111によりき裂の先端位置を監視し、撮像手段105の位置を調整してき裂進展の追跡、自動計測が可能となる。

0125

なお、すでに簡述したが本引張・圧縮疲労試験装置は、近年発達している超音波引張・圧縮疲労試験にも適用できる。超音波疲労試験に適用する場合、加振機102にピエゾ素子を使用し、たとえば20kHz±500Hzの縦波振動により共振(2万回前後/s)を発生させて、試験片101の中央部の起点き裂103aの位置に繰り返し応力σ(150〜700 MPa)を負荷する。なお、前述の分周について例えば分周回路109bにより1/100に分周され、200Hz前後に成形される。また、図示しないが試験片101にはエアを吹き付けて冷却し、加熱による強度低下を抑制してもよい。

0126

以上、本発明の疲労試験装置についての実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。

0127

10回転駆動手段
10a 回転駆動手段の回転主軸
12歯車部
14磁気センサ
15センサ支持部
16サーボモータ
18チャック部
20パルス発光部
22撮像手段
24光学拡大手段
26インターバル検出手段
28パルス発光制御手段
30電算装置
32荷重負荷部
32aアダプタ
32b吊下げ部
32c加重部
40試験片
40aき裂起点部(初期き裂)
80回転曲げ疲労試験装置
100 引張・圧縮疲労試験装置
101 試験片
102加振機(加振装置)
103 き裂
103a 起点き裂
104光源(照射装置
105 撮像手段
106 光学拡大手段(レンズ)
107 画像採集装置
108負荷制御装置
109同期制御装置
109a電圧変換回路
109b分周回路
109c遅延制御回路
109dパルス生成回路
111位置決め装置
112画像処理装置
113表示装置A〜I 歯車部外周の凸部
V 磁気センサ(磁気抵抗効果素子)の出力電圧値
Sp パルス発光と撮像との同期のためのパルス信号

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ディスコの「 試験方法及び試験装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】正確な荷重を測定し、破壊試験の精度を高めることを目的とする。【解決手段】試験片の強度を測定するための試験方法であって、第1方向に所定の間隔で配置された第1支持部22aと第2支持部22bとを含む... 詳細

  • 株式会社ナベルの「 検査装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】従来の検査装置と異なる新しい原理で検査対象を検査する検査装置を提供する。【解決手段】検査装置10は、打撃体1と、応力発光体2と、検出部31と、入射抑制部8とを備える。入射抑制部8は、検出部31... 詳細

  • 株式会社島津製作所の「 バックグラウンドデータ測定装置、応力発光測定装置及びバックグラウンドデータ測定方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】バックグラウンドデータを取得する作業を簡略化することができるバックグラウンドデータ測定装置、応力発光測定装置及びバックグラウンドデータ測定方法を提供する。【解決手段】受光部5が、測定対象物から... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ