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技術 プロピレン製造装置、製造システム及び製造方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 田中幸男渡辺真吾
出願日 2014年11月17日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-232752
公開日 2016年5月26日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-094376
状態 未査定
技術分野 半透膜を用いた分離 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 金属ヘッダ 規定コード 金属ヘッド チューブ管 水分離膜 円筒管状 原料出口 収納管
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化するようにしたプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法を提供する。

解決手段

本発明に係るプロピレン製造装置は、製造原料からプロピレンを生成する触媒充填した触媒層に対し、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出す水分離膜近接して設けた、触媒ユニットを少なくとも備える。

概要

背景

従来、プロピレンFCC(Fluid Catalytic Cracker)によるガソリン製造の副生物として、またはナフサスチームクラッキングにより、エチレンとともに併産されてきた。近年のシェールガス革命の影響により、エチレン原料ソースが安価なエタンシフトしている。エタンを用いる場合、プロピレンが副生しないため、これを補うためにプロピレン専産技術が脚光を浴びている。
専産プロセスの一つであるMTP(Methanol To Propylene)反応において、触媒上の炭素析出は避けられないため、一定期間運転後に触媒再生の操作が行われているのが現状である。

このようなプロピレン製造装置としては、触媒層製造原料層とを多段に配置し、低温の製造原料を複数のラインから製造原料層に供給して反応熱を除去し、反応器内の温度をプロピレンのみが生成する範囲内に維持するようにした固定床クエンチ式の反応器が知られている(特許文献1)。なお、この特許文献1には、反応器を3基設け、これらのうち2基を稼働させ、触媒層が劣化した際に、稼働中のいずれか1基を停止し、停止させていた1基を稼働させ、停止させた1基の触媒を再生させるといったことにより、連続的な運転を可能とする形態が記載されている。

しかし、特許文献1のような装置では、反応器内の温度は一様ではなく、位置によって温度差が生じ、特に温度が極大となる領域でコーキングが起こりやすくなるおそれがあった。また、触媒は反応器毎に設置するため、極大的な高温域にある触媒の劣化が優先的に進行することによって、触媒が低寿命化することがあった。

概要

装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化するようにしたプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法を提供する。 本発明に係るプロピレン製造装置は、製造原料からプロピレンを生成する触媒を充填した触媒層に対し、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出す水分離膜近接して設けた、触媒ユニットを少なくとも備える。

目的

本発明は、装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化するようにしたプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

製造原料からプロピレンを生成する触媒充填した触媒層に対し、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出す水分離膜近接して設けた、触媒ユニットを備えるプロピレン製造装置。

請求項2

前記触媒層を冷却するための冷却部をさらに備える請求項1に記載のプロピレン製造装置。

請求項3

前記触媒ユニットが、収容管内に前記水分離膜を配置し、前記収容管内に形成される空隙に前記触媒を充填して触媒層を形成し、前記水分離膜の一方の端部から前記触媒層内の生成水を真空引きにより取り出すようにする請求項1または2に記載のプロピレン製造装置。

請求項4

前記冷却部を、シェル内に前記触媒ユニットを複数配置し、形成される空隙にボイラ水又はボイラ蒸気流通させてなる請求項3に記載のプロピレン製造装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロピレン製造装置と、前記プロピレン製造装置内を外部から減圧する減圧器と、前記プロピレン製造装置から分離した生成水を冷却する冷却器と、該生成水を気水分離して精製水とする気水分離器とを少なくとも備え、前記精製水を前記製造原料に供給して再利用するプロピレン製造システム

請求項6

触媒を充填した触媒層で製造原料からプロピレンを生成し、前記触媒層に近接して設けた水分離膜を通して、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出すようにしているプロピレン製造方法。

請求項7

前記製造原料の反応熱を系外へ放出するための除熱工程をさらに備える請求項6に記載のプロピレン製造方法。

請求項8

シェル内に配置した複数の円筒管状収容管を備えたプロピレン製造装置を用いる方法であって、前記除熱工程が、シェル内に前記収納管を複数配置し、形成される空隙にボイラ水又はボイラ蒸気を流通させて行われる請求項6または7に記載のプロピレン製造方法。

請求項9

前記プロピレン製造装置を外部から減圧する減圧工程と、前記プロピレン製造装置から分離した生成水を冷却する冷却工程と、該生成水を気水分離して精製水とする気水分離工程とを少なくとも備え、前記精製水を前記製造原料に供給して再利用する請求項8に記載のプロピレン製造方法。

技術分野

0001

本発明は、プロピレン製造装置、製造システム及び製造方法に関し、特に、天然ガス由来メタノールからプロピレンを合成するプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、プロピレンはFCC(Fluid Catalytic Cracker)によるガソリン製造の副生物として、またはナフサスチームクラッキングにより、エチレンとともに併産されてきた。近年のシェールガス革命の影響により、エチレン原料ソースが安価なエタンシフトしている。エタンを用いる場合、プロピレンが副生しないため、これを補うためにプロピレン専産技術が脚光を浴びている。
専産プロセスの一つであるMTP(Methanol To Propylene)反応において、触媒上の炭素析出は避けられないため、一定期間運転後に触媒再生の操作が行われているのが現状である。

0003

このようなプロピレン製造装置としては、触媒層製造原料層とを多段に配置し、低温の製造原料を複数のラインから製造原料層に供給して反応熱を除去し、反応器内の温度をプロピレンのみが生成する範囲内に維持するようにした固定床クエンチ式の反応器が知られている(特許文献1)。なお、この特許文献1には、反応器を3基設け、これらのうち2基を稼働させ、触媒層が劣化した際に、稼働中のいずれか1基を停止し、停止させていた1基を稼働させ、停止させた1基の触媒を再生させるといったことにより、連続的な運転を可能とする形態が記載されている。

0004

しかし、特許文献1のような装置では、反応器内の温度は一様ではなく、位置によって温度差が生じ、特に温度が極大となる領域でコーキングが起こりやすくなるおそれがあった。また、触媒は反応器毎に設置するため、極大的な高温域にある触媒の劣化が優先的に進行することによって、触媒が低寿命化することがあった。

先行技術

0005

米国特許公報2011−0319686号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

記事情に対して、本発明は、装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化するようにしたプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記目的を達成するため、本発明に係るプロピレン製造装置は、製造原料からプロピレンを生成する触媒を充填した触媒層に対し、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出す水分離膜近接して設けた、触媒ユニットを備える。

0008

また、前記プロピレン製造装置は、その実施の形態で、前記触媒層を冷却するための冷却部をさらに備えることができる。

0009

このような形態であれば、プロピレン製造装置の触媒層にて生じる反応熱を、触媒層から効率よく除去することができる。

0010

また、前記触媒ユニットは、収容管内に前記水分離膜を配置し、前記収容管内に形成される空隙に前記触媒を充填して触媒層を形成し、前記水分離膜の一方の端部から前記触媒層内の生成水を真空引きにより取り出すようにすることが好適である。

0011

このような形態では、装置内部に滞留する反応熱を適切に除去し、装置内部を効果的に低温化するとともに、低温での反応を可能とする。また、従来採用されていたクエンチ式の反応器を用いる必要がなく、この結果、プロピレン製造装置の設備投資及び維持コストを低減することができる。

0012

さらに、前記冷却部は、シェル内に前記触媒ユニットを複数配置し、形成される空隙にボイラ水又はボイラ蒸気流通させる形態として構成することが好適である。すなわち、前記触媒ユニットにシェル・アンドチューブ型熱交換器の構造を採用することができる。

0013

これにより、触媒層に生じる反応熱を外部から効率よく除去することができる。

0014

また、本発明は、別の側面でプロピレン製造システムである。本発明に係るプロピレン製造システムは、前記プロピレン製造装置と、前記製造装置内減圧する減圧器と、前記プロピレン製造装置から分離した生成水を冷却する冷却器と、前記生成水を気水分離して精製水とする気水分離器とを少なくとも備え、前記精製水を前記製造原料に供給して再利用する。

0015

このようなプロピレン製造システムであれば、前記プロピレン製造装置と同様の効果を奏することに加え、プロピレン製造装置から得られる生成水を効果的に再利用することができるという利点を備える。

0016

また、本発明は、別の側面でプロピレン製造方法であって、該プロピレン製造方法では、触媒を充填した触媒層で製造原料からプロピレンを生成し、前記触媒層に近接して設けた水分離膜を通して、生成した前記プロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出すようにしている。

発明の効果

0017

本発明によれば、装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化するようにしたプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明に係るプロピレン製造装置の動作原理を説明するための概念図である。
図2は、本発明に係るプロピレン製造装置の第一実施の形態について、製造装置内の位置と温度の関係を示す模式的なグラフである。
図3aは、本発明に係るプロピレン製造装置を実機に採用した場合の一実施の形態について、その概要を説明する概念図である。図3bは、図3aのA−A線による断面図である。
図4は、本発明に係るプロピレン製造システム及び製造方法の第一実施の形態について、その概要を説明する概念図である。
図5は、本発明に係るプロピレン製造システム及び製造方法の第二実施の形態について、その概要を説明する概念図である。

実施例

0019

以下、本発明に係るプロピレン製造装置、プロピレン製造システム及びプロピレン製造方法について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。

0020

[プロピレン製造装置]
図1に、本発明に係るプロピレン製造装置の動作原理を概念的に示す。図示のプロピレン製造装置1は、少なくとも触媒層5及び水分離膜6を備える触媒ユニット3と、冷却部8とを少なくとも備える。

0021

触媒層5は、メタノール(CH3OH)を主に含有する製造原料から、プロピレン合成触媒の存在下にてプロピレン(CH3CH=CH2)を生成する。
メタノールを例とすると、下記式(1)のように、触媒層5では、副生物として水が生成し、得られる生成物は、一般的にはさらに他の副生物も含む粗生成物である。さらに、反応熱も生じる。

0022

このようにして、本発明に係るプロピレン製造装置1では、触媒層5と水分離膜6とが、触媒ユニット3を構成し、プロピレンを製造する。
生成水は、水分離膜6を通じて、粗生成物から外部へ取り出すことができる。触媒層5で生じた反応熱は、冷却部8によって除去される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「生成水」とは、触媒層5内に存在する、触媒層5内で生成した水はもとより、諸条件によって外部から供給された水を含む意味で用いることもある。

0023

次に、図1に代表的に示される本発明に係るプロピレン製造装置による優れた効果のうち、装置内の冷却の状態を、図2についてさらに説明する。
図2は、本発明に係るプロピレン製造装置1について、装置内の製造原料が流通する方向での位置と温度の関係を示している。製造装置投入された製造原料は、製造装置内で上流から下流へと流れる。
図中の矢印aは、冷却部8による反応熱の除去効果を示し、矢印bは、水分離膜6の脱水による冷却効果を示している。また、従来の装置内の温度を点線にて示し、プロピレン製造装置1内の温度を実線にて示している。

0024

図2に示すように、触媒層5で局所的に生じる反応熱は、冷却部8内を流通する冷却水により除去される。これにより、製造原料を供給した装置内の上流から下流まで極大的な高温領域を生じることなく、装置内の温度が低下する(矢印a)。これに対し、従来の固定床クエンチ式の反応器を用いた形態では、点線による曲線で示したような極大的な高温領域を生じていた。
また、粗生成物のうちの生成水の水分子は、真空引き等により、水分離膜6を経て、プロピレン製造装置1の外部へ取り出される。このように生成水を系外へ取り出すことによって、生成系に偏らせるためのドライビングホースを得ることができる。これにより、低温域でも反応が進行することとなる(矢印b)。

0025

なお、プロピレン製造装置1に供給する製造原料について、ここでさらに説明を加える。
製造原料は、少なくともメタノールを含有する。より具体的には、製造原料には、メタノール(CH3OH)に加え、ジメチルエーテル(CH3OCH3)、水(H2O)、さらには炭素数4以上10以下のオレフィン(CnH2n;n=4〜10)及びそれらの混合物等を混合することもできる。

0026

前記したように、製造原料には、所定量の水を含有することができる。水は水分離膜6により分離した生成水を用いることができ、さらに、分離した生成水を用いることができる。このように水を含有することにより、コーキングをより確実に防ぐことができる。

0027

前記したように、製造原料には、炭素数4以上10以下のオレフィンを含有することできる。ここで、炭素数4又は5のオレフィンがより好ましく、プロピレンを精留する際の副生成物であるオレフィンであることがより好ましい。炭素数4及び/又は5のオレフィンを製造原料に混合させた場合、前記オレフィンの反応は全体的に吸熱反応となる。このため、触媒層5での反応熱による昇温緩和できる。また、前記オレフィンがメタノールと反応することにより、プロピレンの収率を向上できる。

0028

続いて、図3a及び3bについて、本発明に係るプロピレン製造装置を実機に採用した場合の一実施の形態を説明する。図3a及び3bに示すプロピレン製造装置1は、製造原料からプロピレンを合成するための中空円筒形状のシェル部2を備える。該シェル部2内には触媒ユニット3を配置している。

0029

触媒ユニット3は、収納管4と、触媒層5と、水分離膜6とを、少なくとも備える。
触媒ユニット3では、収納管4に製造原料からプロピレンを生成する触媒を充填した触媒層5に対し、生成したプロピレンを含む粗生成物から生成水を取り出す水分離膜6を近接して設けている。このように、収納管4は、触媒ユニット3の外殻をなし、中空の円筒状のチューブ管である。
より具体的には、収容管4内に水分離膜6を配置し、収容管4内に形成される空隙に前記触媒を充填して触媒層5を形成して触媒ユニット3を構成する。生成水は、水分離膜6の一方の端部から触媒層5内の真空引きにより取り出される。
触媒層5は、水分離膜6の外周面と触媒ユニット3の外壁との間の空隙に触媒を配置(充填)させることにより形成することができる。これによって、形成される触媒層5の内周面は、中空円筒状の水分離膜6の外周面と接触することとなる。

0030

図示のように、触媒ユニット3は、シェル部2に収納される。
図3bでは、シェル部2に14の触媒ユニット3を配置している。シェル部2に収納される触媒ユニット3の数は、特にこれに限定されるものではない。
シェル部2に対する触媒ユニット3の長さは、製造原料の流通方向において、シェル部2と同等とすることができる。

0031

シェル部2に対する触媒ユニット3の位置は、触媒層5内に生じる反応熱を除去できる位置に配置すればよい。例えば、触媒ユニット3が1つの場合は、中空の円筒状のシェル部2の断面にて軸線中心近傍に配置することが好ましい。触媒ユニット3が2つ以上の場合は、前記中心に対して互いが対称となり、且つ、各触媒ユニット3が互いに等間隔となる位置に配置することが好ましい。
一例として、図3bでは、1つのシェル部2の内部に、14の触媒ユニット3を、プロピレン製造装置1の断面の中心に対して互いに対称に、且つ、互いに略等間隔となる位置に配置している。これにより、内部の触媒層5にて生じる反応熱をより広い範囲で効率的に除去することができる。

0032

本実施の形態では、シェル部2及び触媒ユニット3を、図示のように、実用的な観点より、シェル・アンド・チューブ型熱交換器多管式熱交換器)の形態としている。
なお、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器とは、シェル部(胴体部)と多数のチューブ部(伝熱管部)とからなり、シェル部の内部に多数のチューブ部を配列し、伝熱管の内外面を流れる流体間で熱交換を行う熱交換器である。

0033

触媒層5は、少なくとも1以上のプロピレン合成触媒を含む。プロピレン合成触媒としては、MFI型ゼオライト触媒を用いることができる
本発明で採用することができる触媒としては、IZA(International Zeolite Association)が定める規定コードにて表される、MFI、MELAEL、FER、TON、CHA、MOR、MTW、AFI等の構造を有するゼオライトを挙げることができる。これらのうち、プロピレンの収率の観点より、MFI又はMEL構造ゼオライトが好ましい。より具体的には、さらに実用性の観点より、ZSM5型又はZSM−11型ゼオライトが好ましく、ZSM−5型のゼオライトがより好ましい。
また、前記触媒には、プロピレンの選択率を向上させるために、活性金属担持又は含有することができる。

0034

触媒層5内の反応圧力は、MTP反応を実施できる圧力範囲であればよく、より具体的には、0.10MPa以上2.0MPa以下であり、0.13MPa以上0.16MPa以下の範囲内であることが好ましい。

0035

水分離膜6は、円筒状の水分子のみを透過可能な有底円筒状の多孔質基材からなる。水分離膜6は、軸線方向、すなわち製造原料の流通方向の全域又はほぼ全域に亘って触媒層5と接触する。
水分離膜6の底部は、水密構造とすることが好適である。例えば、同材質又は緻密なセラミック円盤接着して、水密構造とすることができる。
水分離膜6の上端金属チューブ7aの下端とO−ring等により連結し、金属チューブ7aの上端を金属ヘッダ7bの下端と食い込み継手等により連結する。また、金属ヘッダ7bは後述する真空ポンプ等の減圧器と連結する。このようにして、水分離膜6と減圧器とが連結する。

0036

水分離膜6の材質は、ゼオライト系無機膜である。水分離膜6の材質は、水分子を通し、他の分子を排除する分子ふるい効果発現するものであればよい。水分離膜6には、炭素膜、10Å以下の細孔径を有するシリカ系若しくはゼオライト系の無機膜(特開2013−240795号参照)、又はポリビニルアルコール膜ポリイミド膜ポリアミド膜等の有機膜(特開2012−055833号参照)を用いることができる。

0037

本実施の形態では、水分離膜6の数は、1つの触媒層5に対して1つとしている。しかし、水分離膜6の1つの触媒層5に対する数は、触媒層5内に生成される生成水を系外へ取り出せる数であればよい。例えば、1つの触媒層5の内部に2つ以上の水分離膜6を配置して、1つの触媒ユニットとしてもよい。

0038

本実施の形態では、冷却部8は、シェル部2内に触媒ユニット3を複数配置し、形成される空隙に冷却水を流通させる形態として構成している。冷却部8は、触媒層5の外周面の全域又はほぼ全域と接触する。
冷却部8は、熱交換により触媒層5内の反応熱を除去する。

0039

冷却部8を流通する冷却水としては、プロピレン製造装置1の外部、すなわち反応系の系外から供給する、例えばボイラ水を用いることができる。すなわち、プロピレン製造プラントに設置された図示しないボイラからのボイラ水を活用することができる。ここで、触媒層5の冷却にボイラ水の潜熱を用いることにより、反応熱をスチームとして回収でき、且つ触媒層の内の温度を一定に保つことができる。

0040

ここで、図3a及び図3bに示すプロピレン製造装置1の作動形態を説明する。
製造原料をシェル部2の図示しない原料入口から触媒ユニット3の上端へ供給する。製造原料は、触媒層5の上端から下端へと流れ、触媒層5にてプロピレンと生成水を主に含有する粗生成物を生成する。
このとき、粗生成物のうちの生成水は、真空引きにより水分離膜6の内部に移動し、金属チューブ7a及び金属ヘッド7bを通じて、触媒層5及びプロピレン製造装置1の系外へ取り出される。触媒層5の反応熱による昇温を防ぎ、極大的な高温域が発生することを防ぐ。反応が生成系に偏るドライビングホースとなるため、低温域でも反応が進行することとなる。
また、冷却部8には図示しない流出入口から流入及び流出した冷却水が流通している。これにより、生成水を取り出された粗生成物は、触媒層5の下流に到達するまでに、触媒ユニット4外側の冷却部8との熱交換により冷却される。したがって、触媒層5内の温度は、上端から下端までの全域又はほぼ全域に亘って低温に保持されることとなる。粗生成物は、冷却されながら、冷却ユニット3の下端を経てシェル部2の図示しない原料出口から流出する。

0041

[プロピレン製造システム]
続いて、本発明に係るプロピレン製造装置を備えたプロピレン製造システムの第一実施の形態について、図4を参照して説明する。図4に示すプロピレン製造システム11は、プロピレン製造装置1と、減圧器12と、冷却器13と、気水分離器14とを少なくとも備える。プロピレン製造装置1は、先に図1について概説したものを、図3a、図3bのような形態として実機に適用したものを採用できる。

0042

このようにプロピレン製造装置1を備えたプロピレン製造システム11では、まず、メタノールを主に含有する製造原料をラインL0、L2からプロピレン製造装置1に供給し、プロピレン合成触媒の存在下でプロピレンを主に含む気相の粗生成物を生成する。
ここで減圧器12によりプロピレン製造装置1に対して真空引きを行い、触媒層で生じた生成水を水分離膜を通して取り出し、ラインL6、すなわち反応系の系外へ排出する。このようにして減圧工程を実施する。減圧器12は、水分離膜の内側と外側との水蒸気分圧差(ドライビングホース)を確保するものであればよく、例えば、真空ポンプ等である。
さらに、プロピレン製造装置1のシェル部内の触媒ユニットを配置した空隙に、冷却水をラインL4から流入させることにより、触媒層の反応熱を除去し、昇温した冷却水をラインL5から系外へ放出する。このようにして除熱工程を実施する。

0043

分離した生成水を、冷却器13にて凝縮するまで冷却し、ラインL8を通じて気水分離器14に送る。このようにして冷却工程を実施する。冷却器13は、生成水を凝集可能まで冷却できるものであればよく、特に限定されない。続いて、前記生成水を、ポンプP1のサクションドラムである気水分離器14にて気水分離して精製水とし、ラインL9を通じて熱交換器15にて気化し、製造原料に合流させる。このようにして気水分離工程を実施する。

0044

一方で、プロピレン製造装置1から粗生成物を、ラインL3を通じて熱交換器にて冷却して、気液分離可能とした後、気液分離器17にて液相の生成水を分離する。分離した生成水を、ラインL2を通じてプロピレン製造装置1に還流して再利用する。
また、前記生成水を除去した粗生成物を、ラインL11、減圧器18を通じてプロピレン精留器19に送り、プロピレンを分離精留する。ここで、副生成物として生成した、LPG及びガソリンを、それぞれラインL14及びラインL15を通じて回収する。また、炭素数4及び/又は5のオレフィンを、ラインL16及びラインL2から、製造原料として再利用する。これにより、製造原料の反応熱による触媒層の昇温を緩和し、且つ、プロピレンの収率を向上できる。

0045

(第二実施の形態)
続いて、本発明に係るプロピレン製造システム及び製造方法の第二実施の形態について、図5を参照して説明する。図示のプロピレン製造システム101は、粗DM合成器120をさらに備えている。
粗DME合成器120は、供給したメタノールから、粗ジメチルエーテルと水とを生成し、メタノールと生成した粗ジメチルエーテル及び水との混合物を製造原料としてプロピレン製造装置1に供給する。なお、粗DME合成器120では、粗ジメチルエーテルの合成に先立ち、メタノールを合成してもよい。この場合、DME合成触媒にメタノール合成触媒を含有させる。

0046

粗DME合成器120内に配置するDME合成触媒は、アルミニウム及びジルコニウムを少なくとも含有する触媒である。ジルコニウムを添加し、アルミニウムとの複合酸化物を形成させることにより、強い酸強度を有し、メタノールの高い脱水効率を得ることができる。ジメチルエーテルの合成に先立ってメタノール合成を合わせて行う場合は、前記DME合成触媒に、メタノール合成触媒を含有させるようにする。メタノール合成触媒としては、例えば、銅、亜鉛、アルミニウム及びガリウムを含有し、さらにアルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる1種以上の元素を含有するメタノール合成触媒を含有する。また、例えば、前記DME合成触媒を、γ−アルミナ担体とし、銅、亜鉛等を触媒金属として担持させた触媒としてもよい。
本第二実施の形態の他の構成要素は、図4について説明した第一実施の形態と実質的に同様であり、同一番号を付した構成要素は、実質的に同様の作用効果を持つ。

0047

このように粗DME合成器120を備えたプロピレン製造システム101では、メタノールを製造原料ラインL0から供給して、粗DME合成器120にて粗ジメチルエーテルを生成する。粗ジメチルエーテルの生成後、メタノールと粗ジメチルエーテルとの混合物をラインL1及びL2通じて、プロピレン製造装置1に送る。このようにして粗DME合成工程を実施する。
その他の各工程は、第一実施の形態と実質的に同様である。

0048

(他の実施の形態)
また、他の実施の形態として、本発明に係るプロピレン製造システム及び製造方法は、プロピレン製造装置と同様の構成の反応器をさらに1基備えることができる。本実施の形態に係るプロピレン製造装置1であれば、触媒の劣化速度を低下させ、1基のみで触媒の再生の間隔を長くすることができる。一方で、より長期的な期間で稼働する場合、触媒再生用として、プロピレン製造装置を同様の構成の第2の反応器を備えることができる。

0049

本発明に係るプロピレン製造装置、製造システム及び製造方法によれば、装置内部の反応熱を均一に除去するとともに、反応温度を適切な範囲内で効率よく維持し、且つ、装置の構成自体を簡略化することができる。

0050

1プロピレン製造装置
2シェル部
3触媒ユニット
4収納管
5触媒層
6水分離膜
7a金属チューブ
7b金属ヘッダ
8 冷却部
11、101 プロピレン製造システム
12、18減圧器
13冷却器
14気水分離器
17気液分離器
15熱交換器
19プロピレン精留器
120 粗DME合成器

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