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※この項目の情報は公開日時点(2016年5月26日)のものです。
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課題
解決手段
概要
背景
焼き菓子は、通常小麦粉を主原料として使用するが、小麦粉の配合量が多いとさくさくした食感となる。
特許文献1は、大豆タンパク質を焼き菓子に配合して生地の成形性、焼成時の火通り、焼成後のひび割れの問題を改善しているが、小麦粉が主成分として多量に配合されているため、焼き菓子は小麦風味が強く、さくさくした食感であった。
特許文献2は、結晶セルロースや結晶セルロース複合化物を使用することで、しっとり感やもちもちした食感と同時に歯切れの良さを持たせたものであるが、これらを含む焼き菓子は小麦粉が多量に配合されており、さくい食感を有するものであった。
特許文献3は、結晶セルロースを使用することで、密度が低く軽い食感を維持した焼き菓子にすることを開示するが、焼き菓子には多量の小麦粉が使用されている。
概要
風味素材本来の良好な風味を有し、歯ごたえのある引き締まった食感を有する焼き菓子を提供するβデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類及び風味素材を含む焼き菓子であって、βデンプンを30〜55質量%含み、質量でβデンプン1に対し小麦粉を0.1〜0.7含む、焼き菓子。なし
目的
本発明は、風味素材本来の良好な風味を有し、歯ごたえのある引き締まった食感を有する焼き菓子を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
(βデンプン+小麦粉)1に対しデキストリンを質量で0.03〜0.25含む、請求項1に記載の焼き菓子。
請求項3
(βデンプン+小麦粉)1に対し水不溶性食物繊維を質量で0.02〜0.2含む、請求項1又は2に記載の焼き菓子。
請求項4
さらにαデンプンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼き菓子。
請求項5
請求項6
請求項1〜5のいずれかに記載の焼き菓子の製造方法であって、βデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類及び風味素材を含む原料を混合し、加水して焼き菓子生地を作製し、成型及び焼成することを特徴とする、焼き菓子の製造方法。
請求項7
成型をロータリーモールダーで行うことを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
技術分野
背景技術
0003
特許文献1は、大豆タンパク質を焼き菓子に配合して生地の成形性、焼成時の火通り、焼成後のひび割れの問題を改善しているが、小麦粉が主成分として多量に配合されているため、焼き菓子は小麦風味が強く、さくさくした食感であった。
0004
特許文献2は、結晶セルロースや結晶セルロース複合化物を使用することで、しっとり感やもちもちした食感と同時に歯切れの良さを持たせたものであるが、これらを含む焼き菓子は小麦粉が多量に配合されており、さくい食感を有するものであった。
0005
特許文献3は、結晶セルロースを使用することで、密度が低く軽い食感を維持した焼き菓子にすることを開示するが、焼き菓子には多量の小麦粉が使用されている。
先行技術
0006
特開平11-9176
特開2012-80820
特開2014-87313
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0008
本発明は、以下の焼き菓子及びその製造方法を提供するものである。
項1. βデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類及び風味素材を含む焼き菓子であって、βデンプンを30〜55質量%含み、質量でβデンプン1に対し小麦粉を0.1〜0.7含む、焼き菓子。
項2. (βデンプン+小麦粉)1に対しデキストリンを質量で0.03〜0.25含む、項1に記載の焼き菓子。
項3. (βデンプン+小麦粉)1に対し水不溶性食物繊維を質量で0.02〜0.2含む、項1又は2に記載の焼き菓子。
項4. さらにαデンプンを含む、項1〜3のいずれか1項に記載の焼き菓子。
項5.チョコレートで一部又は全体が被覆された、項1〜4のいずれか1項に記載の焼き菓子。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の焼き菓子の製造方法であって、βデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類及び風味素材を含む原料を混合し、加水して焼き菓子生地を作製し、成型及び焼成することを特徴とする、焼き菓子の製造方法。
項7. 成型をロータリーモールダーで行うことを特徴とする、項6に記載の製造方法。
発明の効果
0010
本発明の焼き菓子は、ガリガリとした歯ごたえのある引き締まった食感を有し、特にチョコレートで一部又は全部を被覆すると風味及び食感がさらに際だつ。
0013
本発明のビスケットにはβデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類及び風味素材が配合される。
0014
βデンプンとしては、馬鈴薯、甘藷、キャッサバなどの芋類の乾燥粉末、小麦粉、米粉、コーンフラワーなどの穀粉を原料として製造されるデンプンであって、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ワキシーポテトスターチ、米デンプン、もち米デンプン、小麦デンプン、タピオカデンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、くずデンプンなどのデンプン、及びこれらデンプンがα化しない程度に架橋、エーテル化、エステル化などの変性を単独または複数組合せた加工デンプンが挙げられる。加工デンプンとしては、酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、デンプンの水酸基にエステル、エーテルなどの置換基を導入したデンプン誘導体などが挙げられる。βデンプンは、エーテル化もしくはエステル化により加工したデンプンが好ましい。βデンプンは、焼き菓子全体に対し30〜55質量%、好ましくは35〜40質量%含まれる。
0015
小麦粉は、タンパク質含量によって、強力粉、準強力粉、中力粉、および薄力粉に分けられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。好ましい小麦粉は薄力粉である。小麦粉は、焼き菓子全体に対し5〜25質量%、好ましくは10〜15質量%含まれる。
0016
本発明の焼き菓子では、良好な風味及び食感を有するためにβデンプンと小麦粉の比率が重要である。本発明の焼き菓子は、好ましくはβデンプン1に対し小麦粉を質量で0.1 〜0.7、より好ましくは0.25〜0.4含む。
0017
デキストリンは、D−グルコースがα−1,4結合によって重合した、重合度約5〜約200000のグルカンであり、直鎖状であっても環状であってもよく、環状部分から直鎖部分が分岐した状態であってもよい。デキストリンは、1種類のものを単独で用いてもよく、複数種のものを混合して用いてもよい。デキストリンの質量平均分子量は、好ましくは30000〜500000程度であり、より好ましくは35000〜450000程度である。本明細書中では、「DE」とは、デンプンの分解程度を示す指標であって、固形分中のグルコースに換算した直接還元糖百分率である。従って、理論的には、DE=100のものがグルコースになる。本発明で使用されるデキストリンは、好ましくはDE1〜10であり、より好ましくはDE2〜9.5である。本発明の好ましい焼き菓子は、(βデンプン+小麦粉)1に対しデキストリンを質量で0.03〜0.25、好ましくは0.07〜0.12含み、焼き菓子全体に対しデキストリンを2〜10質量%、好ましくは3〜8質量%含まれる。
0018
水不溶性食物繊維は、食物繊維自体であってもよく、食物繊維を含む材料を使用してもよい。食物繊維としては、セルロース、結晶セルロース、リグニン、キチン、キトサンなどが挙げられ、セルロース、結晶セルロース、難消化性デキストリンが好ましい。水不溶性食物繊維を含む材料としては、おからパウダー、ふすま(小麦ふすま、大麦ふすま、ライ麦ふすま、オーツ麦ふすまなど)、大豆、小豆、インゲン豆、エンドウ豆、ヨモギ、しそ、パセリ、アボガド、グリーンピース、ゆずの果皮、ゆりね、きな粉、ゴボウ、抹茶、ココアパウダーなどが挙げられる。本発明の焼き菓子は、水不溶性食物繊維を焼き菓子全体の1〜8質量%程度、好ましくは2〜6質量%程度含む。なお、水不溶性食物繊維を一部に含む材料(例えば抹茶)を使用した場合の水不溶性食物繊維の配合量は、水不溶性食物繊維に換算した量である。例えば抹茶の食物繊維含量が40質量%で抹茶を10質量%配合した場合、水不溶性食物繊維は焼き菓子全体の4質量%配合されたことになる。本発明の好ましい焼き菓子は、(βデンプン+小麦粉)1に対し水不溶性食物繊維を質量で0.02〜0.2、好ましくは0.06〜0.1含む。
0019
油脂としては、植物油脂、動物油脂およびそれらの加工品が挙げられ、当該分野で市販される任意の油脂が使用され得る。油脂の例としては、ショートニング、マーガリン、バター、ラード、コーン油、オリーブオイル、綿実油、ナタネ油、ダイズ油、ヤシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、サラダオイル、粉末油脂等の各種植物性および動物性の油脂が挙げられる、1種又は2種以上の油脂を組み合わせて用いることができる。
0020
油脂の配合量は、焼き菓子全体の5〜30質量%程度、好ましくは10〜15質量%程度である。
0021
糖類は、単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコール、水飴が挙げられ、当該分野で市販される任意の糖類が使用され得る。糖類の例としては、砂糖、異性化糖、ぶどう糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、マルチトール、パラチニット、水飴などが挙げられる。糖類の配合量は、焼き菓子全体の5〜40質量%程度であり、好ましくは10〜30質量%程度である。であり、さらに好ましくは15〜25質量%程度である。
0022
風味素材は、粉末状、ペースト状、液体状などの生地に練り込むことが可能な素材であり、例えば、抹茶、桜葉エキス、黒ごま、黒蜜、きな粉、ココアパウダー、脱脂粉乳、乾燥卵黄パウダー、バターミルクパウダー、紅茶パウダー、コーヒーパウダー、小豆パウダー、蜂蜜パウダー、粉末香料、カラメルパウダー、海苔、トマト、セロリ、シイタケパウダー、シメジパウダー、マッシュルームパウダー、リンゴパウダー、イチゴパウダー、マンゴーパウダー、バナナパウダー、パイナップルパウダー、ニンニクパウダー、カレー粉、シナモン、栗パウダー、芋パウダーなどが挙げられる。風味素材の配合量は、焼き菓子全体の0.5〜20質量%程度、好ましくは1〜15質量%程度、より好ましくは1〜10質量%程度である。
0024
αデンプンとしては、常温の水でデンプンが溶解したり、膨潤したりするように、デンプン又は加工デンプンを水の存在下に加熱し、糊化し、乾燥したデンプン又は加工デンプンが挙げられる。αデンプンは未加工であってもよく、また更に加工して使用してもよい。加工の種類としては従来公知のエーテル化、リン酸架橋、アセチル化、エーテル化、酸化、これらの組み合わせが挙げられる。αデンプンを配合する場合の配合量は、焼き菓子全体の0.1〜5質量%程度、好ましくは0.3〜3質量%程度、より好ましくは0.5〜2質量%程度である。
0026
乳化剤としては、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
0028
本発明の焼き菓子は、βデンプン、小麦粉、デキストリン、水不溶性食物繊維、油脂、糖類、風味素材及び必要に応じてその他の添加剤を添加・混合し、加水して焼き菓子生地を作製し、成型及び焼成することで得ることができる。
0029
混合方法は、常法でよいが、好ましくは油脂を混合した後に、デキストリンと糖類を同じタイミングで投入し混合した後、βデンプン、小麦粉、結晶セルロースなどの残りの成分を投入して混合し、最後に加水して混合し、生地を得る。デキストリンの急激な吸水を抑制するために、デキストリンと糖類を事前に粉体混合しておくことが好ましい。
0032
焼成方法は、連続式のトンネルオーブンでも固定式のバッチオーブンでも良い。トンネルオーブンの場合は300〜100℃で5〜15分程度焼成、バッチオーブンの場合は200℃前後で10〜20分程度焼成し、水分値1.5%以下を目安とする。
0033
本発明の焼き菓子は、チョコレートにより一部(例えば片面)或いは全体を被覆するのが好ましい。
0034
チョコレートとしては、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によるチョコレート生地および準チョコレート生地の基準に従う製品を含む。テンパリングタイプのチョコレートが口溶け、風味上好ましい。本発明で用いられるチョコレートの例としては、ブラックチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどが挙げられる。
0035
チョコレートによる焼き菓子の被覆は、当該分野で公知の任意の方法によって製造され得る。焼き菓子の表面にチョコレートを付着させる方法としては、当業者に公知の任意の方法を用い得る。このような方法の例としては、エンローバー法が挙げられる。
0036
本発明のチョコレート付き焼き菓子は、焼き菓子の表面(一部又は全部)をチョコレートで被覆することにより行うことができる。チョコレートの被覆は、焼き菓子をテンパリングしたチョコレートに浸漬し、タッピングやエアブローして余分なチョコレートを落とすことで行うことができる。チョコレートの付着量は任意ではあるが、風味のバランス上、焼き菓子100部に対し、チョコレートを30〜200質量部、好ましくは50〜150質量部コーティングする。その後、冷却、固化して成型する。
0037
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。また、表中の数値は、質量部である。
0038
実施例1〜2及び比較例1〜3
以下の表1に示した焼き菓子配合にて常法に従い混合し、焼き菓子生地を得た。得られた焼き菓子生地をロータリーモールダーで成型し、300℃〜100℃のトンネルオーブンで水分1.5質量%まで約12分間焼成した。得られた焼き菓子について、以下の基準に従い風味、食感、製造適性を評価した。
0041
製造適性評価の基準
○:生地結着性があり、ロータリーモールダー適性がある。
△:標準品より適性が劣る。
×:生地結着性がなく、ロータリーモールダー適性がない。
0042
0043
実施例1及び2の焼成品は風味素材本来の良好な風味と、特徴的なガリガリと歯ごたえのある引き締まった食感を有していた。また、混合、製造適性ともに良好であった。なお、実施例1は抹茶に由来する水不溶性食物繊維を4質量%含み、実施例2は結晶セルロースを3質量%含む。
0044
一方、比較例1は風味と食感は良好であったが、生地の結着性が弱く、製造適性がなかった。
0045
比較例2は製造適性は良好であったが、小麦風味とさくさくした食感が出てしまい、目的を達成できなかった。
実施例
0046
比較例3は、比較例1と同様に風味と食感は良好であったが、生地の結着性が弱く、製造適性がなかった。