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技術 バイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法

出願人 日工株式会社
発明者 池井広明細川和久榊真司
出願日 2014年11月4日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2014-224044
公開日 2016年5月23日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-090120
状態 特許登録済
技術分野 固体の乾燥
主要キーワード 静圧制 本体両端 貯留ホッパ内 静圧値 排風量 側排出口 熱風供給ダクト メンテナンス面
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

化石燃料に代えて環境負荷の低い木質系バイオマス等を固形燃料として燃焼させることで得られる熱風でもってバイオマス発電用木質チップ加熱乾燥処理できるバイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法を提供する。

解決手段

キルン本体11の一端部に固形燃料投入用の投入シュート13と助燃バーナ14及び燃焼用空気供給ファン15を、他端部に二次燃焼室16を備えた熱風発生炉2と、キルン本体36の一端部にバイオマス発電用木質チップ投入用のスクリューフィーダ39を、内周壁に掻き上げ羽根35を周設した加熱乾燥炉3とを併設し、これら熱風発生炉2と加熱乾燥炉3とを熱風供給ダクト4にて連結する。また、熱風発生炉2には静圧センサ17を備える一方、炉内静圧が所定の負圧値に維持されるようにメインダンパー7の開度調整制御する静圧/排風量制御器18を備え、キルン本体11内に余分な外気侵入しないように構成する。

概要

背景

近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されている廃木材間伐材等の生木チップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラ燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。

ところで、廃木材や間伐材等の生木はその含水率の高さから燃焼させにくく、ボイラでの燃焼効率もあまり良くないため、ボイラの機種等によっては含水率の上限値が指定されていることも少なくなく、通常は予め天日乾燥等での乾燥工程を要する。例えば、伐採直後の間伐材等の生木の含水率は約55〜60%程度と比較的高く、発熱量も1,300〜1,600kcal/kg程度にしか過ぎないためボイラでの燃焼効率も悪いが、前記乾燥工程を経ることで含水率を約40%前後にまで低下させることができれば発熱量を2,400kcal/kg程度まで高められ、この程度であればボイラにて比較的効率よく燃焼させることが可能となる。

ただし、前記天日乾燥での乾燥工程には、天候にも左右されるものの、およそ数週間〜数ヶ月程度もの長期間を要するため、その間の木質チップ保管場所を確保する必要もあり、天候等にできるだけ左右されずかつより短期間での乾燥処理が可能なように、例えば適宜の乾燥装置を設置する方が好ましい場合がある。このような乾燥装置として特許文献1(特開2012−251699号公報)には、回転自在に傾斜支持したキルン本体を備え、該キルン本体の下端側排出口温風ダクトを配設し、温風発生用のバーナにて重油等を燃焼させて得た熱風を前記温風ダクトによりキルン本体内導出し、キルン本体内に投入された木質チップを加熱乾燥処理させる回転式乾燥機が記載されている。

概要

化石燃料に代えて環境負荷の低い木質系バイオマス等を固形燃料として燃焼させることで得られる熱風でもってバイオマス発電用の木質チップを加熱乾燥処理できるバイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法を提供する。キルン本体11の一端部に固形燃料投入用の投入シュート13と助燃バーナ14及び燃焼用空気供給ファン15を、他端部に二次燃焼室16を備えた熱風発生炉2と、キルン本体36の一端部にバイオマス発電用木質チップ投入用のスクリューフィーダ39を、内周壁に掻き上げ羽根35を周設した加熱乾燥炉3とを併設し、これら熱風発生炉2と加熱乾燥炉3とを熱風供給ダクト4にて連結する。また、熱風発生炉2には静圧センサ17を備える一方、炉内静圧が所定の負圧値に維持されるようにメインダンパー7の開度調整制御する静圧/排風量制御器18を備え、キルン本体11内に余分な外気侵入しないように構成する。

目的

特開2012−251699号公報






しかしながら、上記従来装置では木質チップを加熱乾燥処理させる熱源として、重油等の化石燃料をバーナにて燃焼させることで発生させた熱風を利用するようにしており、本来の目的である

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

回転自在に傾斜支持したキルン本体の一端部に固形燃料投入手段と助燃バーナ及びキルン本体内の固形燃料を自燃燃焼させるのに必要な燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファンを、他端部に二次燃焼室を備えた熱風発生炉と、回転自在に傾斜支持したキルン本体の一端部にバイオマス発電用木質チップ投入手段を、内周壁に複数の掻き上げ羽根を周設した加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉と加熱乾燥炉とを熱風供給ダクトにて連結すると共に、前記加熱乾燥炉下流の排気ダクトには集塵機排風機及び風量調整用のメインダンパーを備え、前記熱風発生炉にはキルン本体内の静圧を検出する静圧センサと、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように前記排風機の回転数或いはメインダンパーの開度調整制御する静圧/排風量制御器とを備えたことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥装置

請求項2

請求項1記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置において、前記熱風発生炉の二次燃焼室に温度センサを備え、該温度センサにて検出される温度値が所定の温度値に維持されるように前記燃焼用空気供給ファンよりキルン本体内へ供給する燃焼用空気量を調整制御するように構成したことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥装置。

請求項3

請求項1または2記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置において、前記熱風発生炉の二次燃焼室の下部にはキルン本体から排出される固形燃料の燃焼灰固形未燃分貯留する貯留ホッパを備え、該貯留ホッパの下端部には燃焼灰排出用の排出ゲートを備えると共に、該排出ゲートの上位には貯留ホッパに排出される固形未燃分に対して再燃焼用空気を供給する再燃焼用空気供給手段を備え、キルン本体から排出される固形未燃分をも燃焼分解させて熱風を発生させるように構成したことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置において、前記加熱乾燥炉のキルン本体内の静圧を検出する静圧センサを備える一方、キルン本体両端部と嵌合するフード部にはキルン本体外周面と当接するシール材を備えると共に、フード部、キルン本体外周面及びシール材で形成される隙間空間の空気を所定の吸引力排気する排気手段及び静圧を検出する静圧センサを備え、前記隙間空間の静圧値とキルン本体内の静圧値とが同等程度に維持されるように前記排気手段の排風量を調整制御してキルン本体内に外気侵入しないように構成したことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥装置。

請求項5

固形燃料を主燃料として燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉と、該熱風発生炉にて発生させた熱風を熱源としてバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥させる加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉ではバイオマス発電用としては不適な低質木質系バイオマスを固形燃料として投入すると共に、該低質の木質系バイオマスを燃焼分解させるのに見合った量の燃焼用空気を供給して燃焼分解させ、燃焼に伴い発生した熱風を前記加熱乾燥炉へと導出させる一方、該加熱乾燥炉では熱風発生炉より導入された熱風にてバイオマス発電用として利用可能な木質チップを加熱乾燥処理するようにしたことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥方法

請求項6

請求項5記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥方法において、前記熱風発生炉より導出される熱風の温度を逐次検出し、検出される温度値が予め設定した所定温度に維持されるように燃焼用空気の供給量を調整制御するようにしたことを特徴とするバイオマス発電用木質チップ乾燥方法。

技術分野

0001

本発明は、固形燃料燃焼させて生じた熱風によって被乾燥物加熱乾燥処理する乾燥装置及び乾燥方法であって、特にバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥処理する乾燥装置及び乾燥方法に関する。

背景技術

0002

近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されている廃木材間伐材等の生木チップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラで燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。

0003

ところで、廃木材や間伐材等の生木はその含水率の高さから燃焼させにくく、ボイラでの燃焼効率もあまり良くないため、ボイラの機種等によっては含水率の上限値が指定されていることも少なくなく、通常は予め天日乾燥等での乾燥工程を要する。例えば、伐採直後の間伐材等の生木の含水率は約55〜60%程度と比較的高く、発熱量も1,300〜1,600kcal/kg程度にしか過ぎないためボイラでの燃焼効率も悪いが、前記乾燥工程を経ることで含水率を約40%前後にまで低下させることができれば発熱量を2,400kcal/kg程度まで高められ、この程度であればボイラにて比較的効率よく燃焼させることが可能となる。

0004

ただし、前記天日乾燥での乾燥工程には、天候にも左右されるものの、およそ数週間〜数ヶ月程度もの長期間を要するため、その間の木質チップの保管場所を確保する必要もあり、天候等にできるだけ左右されずかつより短期間での乾燥処理が可能なように、例えば適宜の乾燥装置を設置する方が好ましい場合がある。このような乾燥装置として特許文献1(特開2012−251699号公報)には、回転自在に傾斜支持したキルン本体を備え、該キルン本体の下端側排出口温風ダクトを配設し、温風発生用のバーナにて重油等を燃焼させて得た熱風を前記温風ダクトによりキルン本体内導出し、キルン本体内に投入された木質チップを加熱乾燥処理させる回転式乾燥機が記載されている。

先行技術

0005

特開2012−251699号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来装置では木質チップを加熱乾燥処理させる熱源として、重油等の化石燃料をバーナにて燃焼させることで発生させた熱風を利用するようにしており、本来の目的である地球温暖化防止という観点からすれば、木質チップを加熱乾燥処理する燃料にも、このような化石燃料に代えて、例えば木質チップと同じ木質系のバイオマスを利用できれば環境負荷を抑えられてより好ましいものになると考えられる。

0007

本発明は上記の点に鑑み、化石燃料に代えて環境負荷の低い木質系バイオマス等を固形燃料として燃焼させることで得られる熱風でもってバイオマス発電用の木質チップを加熱乾燥処理できるバイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、山林や公園等の整備に伴って発生する剪定枝抜根材、建築現場等で発生する端材、或いは建築物解体現場等で発生する建築廃材等、多くの不用廃材が廃棄物として廃棄処分されている点に着目した。前記不用廃材は、大きさや性状等が一様ではなく、発熱量にバラツキがある上、不純物等も混入しやすく、バイオマス発電用の燃料として利用するにはあまり適さないものの、例えば、発電用の木質チップ燃料を加熱乾燥処理させる熱源として燃焼させるだけであれば十分に利用できると考えられ、そうなれば従来、廃棄物として処分されていた上記不用廃材等の低質な木質系バイオマスを有効に活用できると考え、本発明に至ったものである。

0009

即ち、本発明に係る請求項1記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置では、回転自在に傾斜支持したキルン本体の一端部に固形燃料投入手段と助燃バーナ及びキルン本体内の固形燃料を自燃で燃焼させるのに必要な燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファンを、他端部に二次燃焼室を備えた熱風発生炉と、回転自在に傾斜支持したキルン本体の一端部にバイオマス発電用木質チップ投入手段を、内周壁に複数の掻き上げ羽根を周設した加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉と加熱乾燥炉とを熱風供給ダクトにて連結すると共に、前記加熱乾燥炉下流の排気ダクトには集塵機排風機及び風量調整用のメインダンパーを備え、前記熱風発生炉にはキルン本体内の静圧を検出する静圧センサと、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように前記排風機の回転数或いはメインダンパーの開度調整制御する静圧/排風量制御器とを備えたことを特徴としている。

0010

また、請求項2記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置では、前記熱風発生炉の二次燃焼室に温度センサを備え、該温度センサにて検出される温度値が所定の温度値に維持されるように前記燃焼用空気供給ファンよりキルン本体内へ供給する燃焼用空気量を調整制御するように構成したことを特徴としている。

0011

また、請求項3記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置では、前記熱風発生炉の二次燃焼室の下部にはキルン本体から排出される固形燃料の燃焼灰固形未燃分貯留する貯留ホッパを備え、該貯留ホッパの下端部には燃焼灰排出用の排出ゲートを備えると共に、該排出ゲートの上位には貯留ホッパに排出される固形未燃分に対して再燃焼用空気を供給する再燃焼用空気供給手段を備え、キルン本体から排出される固形未燃分をも燃焼分解させて熱風を発生させるように構成したことを特徴としている。

0012

また、請求項4記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置では、前記加熱乾燥炉のキルン本体内の静圧を検出する静圧センサを備える一方、キルン本体両端部と嵌合するフード部にはキルン本体外周面と当接するシール材を備えると共に、フード部、キルン本体外周面及びシール材で形成される隙間空間の空気を所定の吸引力排気する排気手段及び静圧を検出する静圧センサを備え、前記隙間空間の静圧値とキルン本体内の静圧値とが同等程度に維持されるように前記排気手段の排風量を調整制御してキルン本体内に外気侵入しないように構成したことを特徴としている。

0013

また、請求項5記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥方法では、固形燃料を主燃料として燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉と、該熱風発生炉にて発生させた熱風を熱源としてバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥させる加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉ではバイオマス発電用としては不適な低質の木質系バイオマスを固形燃料として投入すると共に、該低質の木質系バイオマスを燃焼分解させるのに見合った量の燃焼用空気を供給して燃焼分解させ、燃焼に伴い発生した熱風を前記加熱乾燥炉へと導出させる一方、該加熱乾燥炉では熱風発生炉より導入された熱風にてバイオマス発電用として利用可能な木質チップを加熱乾燥処理するようにしたことを特徴としている。

0014

また、請求項6記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥方法では、前記熱風発生炉より導出される熱風の温度を逐次検出し、検出される温度値が予め設定した所定温度に維持されるように燃焼用空気の供給量を調整制御するようにしたことを特徴としている。

発明の効果

0015

本発明に係る請求項1記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置によれば、キルン本体の一端部に固形燃料投入手段と助燃バーナ及びキルン本体内の固形燃料を自燃で燃焼させるのに要する燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファンを、他端部に二次燃焼室を備えた熱風発生炉と、キルン本体の一端部にバイオマス発電用の木質チップ投入手段を、内周壁に複数の掻き上げ羽根を周設した加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉と加熱乾燥炉とを熱風供給ダクトにて連結すると共に、前記熱風発生炉のキルン本体内の静圧を検出する静圧センサと、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の静圧値を維持するように排風量を調整制御する静圧/排風量制御器とを備えたので、熱風発生炉では化石燃料の使用量をできるだけ抑えながら木質系バイオマス等の固形燃料を自燃により燃焼させることで発生させた熱風でもってバイオマス発電用の木質チップを加熱乾燥処理でき、木質チップを加熱乾燥処理する際の環境への負荷を軽減できる。また、キルン本体の静圧値に基づいて排風量を調整制御することにより、キルン本体内への余分な外気の侵入を抑えつつ、固形燃料の自燃に必要な燃焼用空気を過不足なく供給することが可能となり、固形燃料を安定して燃焼させながら、燃焼により得られた熱風の温度をできるだけ下げることなく下流の加熱乾燥炉に供給でき、木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量を極力無駄にすることなくバイオマス発電用の木質チップの加熱乾燥処理に有効に活用することができる。

0016

また、請求項2記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置によれば、前記熱風発生炉の二次燃焼室に温度センサを備え、該温度センサにて検出される温度値が所定の温度値に維持されるように前記燃焼用空気供給ファンより供給する燃焼用空気量を調整制御するように構成したので、木質系バイオマス等の固形燃料の性状等のバラツキによって発熱量に変動が生じた場合でも、バイオマス発電用木質チップの加熱乾燥処理に適した所望温度の熱風を安定して供給することができる。

0017

また、請求項3記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置によれば、前記二次燃焼室の下部に固形燃料の燃焼灰や固形未燃分を貯留する貯留ホッパを備えると共に、該貯留ホッパ内の固形未燃分に対して再燃焼用空気を供給する再燃焼用空気供給手段を備え、キルン本体内で燃焼しきれずに排出される固形未燃分をも燃焼分解させて熱風を発生させるように構成したので、熱風発生炉に投入される木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量をより有効に活用することができる。

0018

また、請求項4記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥装置によれば、前記加熱乾燥炉のキルン本体内の静圧を検出する静圧センサを備え、キルン本体両端部と嵌合するフード部にはキルン本体外周面と当接するシール材を備えると共に、これらフード部、キルン本体外周面及びシール材で形成される隙間空間の空気を排気する排気手段及び静圧検出用の静圧センサを備え、前記隙間空間の静圧値とキルン本体内の静圧値とが同等程度に維持されるように前記排気手段の排風量を調整制御してキルン本体内に外気が侵入しないように構成したので、外気侵入による加熱乾燥炉内の熱風温度の低下をできるだけ抑えながら、キルン内の熱風を不必要に排気させずに熱風の熱量を無駄なくバイオマス発電用の木質チップ乾燥用に有効に利用できる。

0019

また、請求項5記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥方法によれば、固形燃料を主燃料として燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉と、この熱風を熱源としてバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥させる加熱乾燥炉とを併設し、前記熱風発生炉ではバイオマス発電用としては不適な低質の木質系バイオマスを固形燃料として投入すると共に、この低質の木質系バイオマスを燃焼分解させるのに見合った量の燃焼用空気を供給して燃焼分解させ、それに伴い発生した熱風を前記加熱乾燥炉へと導出させる一方、該加熱乾燥炉では導入した熱風にてバイオマス発電用として利用可能な木質チップを加熱乾燥処理するようにしたので、バイオマス発電用の燃料である木質チップの加熱乾燥処理工程において、化石燃料の使用量を抑えながら木質チップと同じ木質系バイオマスを熱風発生用の主燃料として有効に利用でき、木質チップを加熱乾燥処理する際の環境への負荷を軽減することが可能となる。また、前記熱風発生炉に投入する木質系バイオマスとして、例えば従来廃棄処分されている不用廃材等のバイオマス発電用の燃料としては不適な低質の木質系バイオマスを有効に活用することができて好適である。

0020

また、請求項6記載のバイオマス発電用木質チップ乾燥方法によれば、前記熱風発生炉より導出される熱風の温度を逐次検出し、検出される温度値が予め設定した所定温度に維持されるように燃焼用空気の供給量を調整制御するようにしたので、木質系バイオマスの含水率等にバラツキがある場合でも、バイオマス発電用木質チップの加熱乾燥処理に適した温度の熱風を安定して供給することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明に係るバイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法の一実施例を示す概略説明図である。
図1の熱風発生炉の二次燃焼室の断面図である。
図1の加熱乾燥炉の静圧シール部の要部拡大断面図である。

0022

本発明に係るバイオマス発電用木質チップ乾燥装置及び乾燥方法にあっては、木質系バイオマス等の固形燃料を主燃料として燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉と、該熱風発生炉にて発生させた熱風を熱源としてバイオマス発電用の燃料である木質チップを加熱乾燥させる加熱乾燥炉とを併設し、これら熱風発生炉と加熱乾燥炉とを熱風供給ダクトにて連結していると共に、加熱乾燥炉下流の排気ダクトには集塵機と排風機及び風量調整用のメインダンパーを備えている。

0023

前記熱風発生炉は、内壁面耐熱性キャスターを周設したキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の一端部には投入シュートスクリュフィーダ等の固形燃料投入手段と、固形燃料への着火・燃焼を補助する、例えば石油天然ガス等の化石燃料を使用する小型の助燃バーナ、及びキルン本体内に投入された固形燃料を自燃で燃焼させるのに必要な燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファンを備えている一方、他端部には固形燃料の燃焼排ガスに伴って流下する飛散性未燃分を燃焼分解する二次燃焼室を備えていると共に、該二次燃焼室上部には熱風供給ダクトの一端部を連結している。

0024

また、前記熱風発生炉にはキルン本体の助燃バーナ側の隅部の静圧を検出する静圧センサを備えていると共に、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値、例えば大気圧と同等程度か、或いは大気圧よりも僅かに低い程度に維持されるように、前記排気ダクトに備えた排風機の回転数或いはメインダンパーの開度を調整制御する静圧/排風量制御器を備えており、キルン本体内に余分な外気ができるだけ侵入しないようにして、固形燃料の自燃に必要な燃焼用空気が過不足なく燃焼用空気供給ファンより供給されるように図っており、固形燃料を安定的に燃焼可能としつつ、外気の侵入による熱風温度の低下を極力抑えながら下流側の加熱乾燥炉に供給可能として、木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量をできるだけ無駄にすることなくバイオマス発電用の木質チップの加熱乾燥処理に有効に活用できるようにしている。

0025

また、前記二次燃焼室には温度センサを備えており、該温度センサにて検出される温度値に基づいて燃焼用空気供給ファンからキルン本体内へ供給する燃焼用空気量を調整して二次燃焼室内の熱風温度を所定温度(例えば、約800℃程度)に維持制御するようにしており、木質系バイオマス等の固形燃料の性状等(例えば、含水率等)のバラツキによって発熱量が大きく変動する場合でも、固形燃料の燃焼時に生じる飛散性未燃分を二次燃焼室内で確実に燃焼分解でき、かつ下流側の加熱乾燥炉に対して木質チップの加熱乾燥処理に適した温度の熱風を安定供給できるように図っている。

0026

木質系バイオマス等の固形燃料を安定的に自燃させるには燃焼用空気を十分に供給して(空気比で約1.5〜1.8程度)酸化燃焼状態を維持する必要があるが、必要以上の燃焼用空気(外気)は熱風温度を却って低下させる要因にもなる。例えば、木質系バイオマス等の固形燃料の含水率が高くて十分な発熱量が得られず、二次燃焼室内の熱風温度が前記所定温度よりも低い場合には、キルン内に供給する燃焼用空気量を酸化燃焼状態が維持される範囲内で減少させることにより熱風温度を上昇させることができる一方、二次燃焼室内の熱風温度が前記所定温度よりも高い場合には、キルン内に供給する燃焼用空気量を増加させることにより熱風温度を低下させることができる。

0027

また、前記二次燃焼室の下部にはキルン本体より排出される燃焼灰や固形未燃分を一時的に貯留する貯留ホッパを備え、該貯留ホッパ下端部の燃焼灰排出用の排出ゲート上位には貯留ホッパ内に貯留した固形未燃分に対して再燃焼用空気を噴射供給する再燃焼用空気供給手段を備えており、キルン本体内で燃焼しきれずにホッパ下端部へ排出される固形未燃分をも十分に燃焼分解させて熱風を発生させ、木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量をより有効に活用可能なようにしている。

0028

なお、固形燃料として不用廃材等の比較的低質な木質系バイオマスを用いた場合には、混入する不純物等によって未燃残渣が生じやすい傾向にあるものの、このうち固形未燃分については前記再燃焼用空気供給手段にて再燃焼用空気を噴射供給することで燃焼分解させることができる一方、飛散性未燃分についても高温雰囲気に維持された二次燃焼室内を通過させる間に完全に燃焼分解させることができ、メンテナンス上の不具合も生じず、またボイラの燃料として使用される木質チップの品質にも悪影響を及ぼすおそれもなく、固形燃料として好適に採用することができる。

0029

一方、前記加熱乾燥炉は、内壁面に複数の掻き上げ羽根を周設したキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の一端部には投入シュートやスクリューフィーダ等のバイオマス発電用木質チップ投入手段を備え、かつ前記熱風供給ダクトを連結している一方、キルン本体の他端部には加熱乾燥処理を終えた木質チップを排出する排出ゲートを備え、かつ排気ダクトを連結している。

0030

また、加熱乾燥炉のキルン本体にも静圧検出用の静圧センサを備えている一方、キルン本体両端部と嵌合する各フード部にはそれぞれキルン本体外周面と当接するシール材を備え、これらフード部、キルン本体外周面及びシール材で形成される隙間空間内の空気を所定の吸引力で排気する吸引ファン等の排気手段、及び前記隙間空間内の静圧を検出する静圧センサを備えていると共に、該静圧センサにて検出される隙間空間内の静圧値がキルン本体内の静圧値に対して略同等程度に維持されるように前記排気手段の排風量を調整制御し、キルン本体内へ外気が極力侵入しないように、かつキルン本体内の熱風が極力排気されないようにして、熱風発生炉より供給される熱風温度の低下をできるだけ抑えつつ、キルン内の熱風をできるだけ無駄にせずにバイオマス発電用の木質チップの加熱乾燥処理に有効に利用できるように図っている。

0031

なお、熱風発生炉や加熱乾燥炉内に供給される不用廃材や木質チップ等の木質系バイオマスからは共に加熱乾燥を阻害する水蒸気が発生し、その量もバイオマスの含水率に応じて変動するため、炉内温度を木質チップの加熱乾燥に適した所望温度に調整しようと燃焼用空気量をただ単に加減調整しても応答性が悪く自在に制御することは難しいが、前記のように熱風発生炉や加熱乾燥炉を含めた装置全体静圧制御していることにより、例え各炉内で多くの水蒸気が発生しても、また水蒸気量が大きく変動しても、その変動分を含めて各炉内静圧を一定の負圧値に維持でき、それによって炉内温度を燃焼用空気量に応じた比例制御とすることができて応答性に優れ容易に所望温度に調整することが可能となる。また、上記静圧制御とすることにより、貯留ホッパ内の固形未燃分に対して再燃焼用空気を供給した場合でも、炉内静圧を一定に保て、炉内温度を所望温度に制御することが可能となる。さらに、加熱乾燥炉においても、炉内空気を必要以上には引かないため、前記隙間空間から吸引排気する排気量を抑えられ、より効果的に炉内温度の維持制御が可能となる。

0032

そして、上記構成の装置を使用してバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥処理するには、先ず、熱風発生炉の助燃バーナを燃焼させてキルン内を予熱後、該キルン本体内に、例えばバイオマス発電用としては不適な不用廃材等の低質な木質系バイオマス等を固形燃料として投入して着火燃焼させ、その際に発生する熱風を下流の二次燃焼室へ導入させる。前記二次燃焼室では、キルン本体より導入される熱風が下流の加熱乾燥炉に流下していかないように熱風供給ダクトを一時的に閉鎖した上で、前記温度設定値になるまで固形燃料を助燃バーナで燃焼させつつ、二次燃焼室内の温度が所定温度になれば助燃バーナを消火して熱風供給の準備を完了する。

0033

そして、熱風供給の準備が完了すれば、燃焼用空気供給ファンから固形燃料の自燃に必要な適宜量の燃焼用空気を供給しつつ、熱風供給ダクトを開放して二次燃焼室から下流の加熱乾燥炉へ高温の熱風を導出させる一方、加熱乾燥炉ではキルン本体内へバイオマス発電用木質チップの供給を開始する。前記キルン本体内へ供給された木質チップは、複数の掻き上げ羽根により繰り返し掻き上げ、落下させられながら流下していき、その間に熱風発生炉より供給される高温の熱風に晒されて効率よく加熱乾燥処理され、発電用のボイラ等にて効率よく燃焼可能なバイオマス燃料として排出・回収される。

0034

このように、上記バイオマス発電用木質チップ乾燥装置によれば、固形燃料の着火時、或いはキルン内の予熱時以外は、化石燃料を使用するバーナを極力用いることなく、木質系バイオマス等の固形燃料の自燃によって発生させた熱風によってバイオマス発電用の木質チップを加熱乾燥処理でき、木質チップの加熱乾燥処理に伴う環境負荷を軽減させることができる。また、熱風発生炉及び加熱乾燥炉への余分な外気の侵入を極力抑えられる構成としたので、化石燃料等と比較して発熱量の低い木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量をできるだけ無駄にすることなく木質チップの加熱乾燥処理に有効に活用することができる。さらに、同じ木質系バイオマスであっても、その性状や不純物の混入等によってバイオマス発電の燃料としては不適で、従来廃棄処分していた不用廃材の剪定枝や抜根材、樹皮、端材、建築廃材等といった比較的低質な木質系バイオマスを、発電用の木質チップを加熱乾燥処理する熱源用として用いることで支障なく有効利用できる。

0035

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

0036

図中の1はバイオマス発電用木質チップ乾燥装置であって、木質系バイオマス等の固形燃料を主燃料として燃焼分解させて熱風を発生させるロータリーキルン方式の熱風発生炉2と、該熱風発生炉2にて発生させた熱風を熱源としてバイオマス発電用の燃料である木質チップを加熱乾燥処理するロータリーキルン方式の加熱乾燥炉3とを併設し、これら熱風発生炉2と加熱乾燥炉3とを熱風供給ダクト4にて連結して熱風発生炉2で発生させた熱風を加熱乾燥炉3へと供給するようにしている。また、前記加熱乾燥炉3には加熱乾燥処理後の熱風を排気する排気ダクト5を連結しており、該排気ダクト5の下流には排ガス中のダスト捕捉する乾式サイクロン等の集塵機6を備えていると共に、その下流側には排風量調整用のメインダンパー7、排風機8及び煙突9を備えている。

0037

前記熱風発生炉2は、円筒状の鋼板の内壁面に、例えば、掻き上げ機能を有さない耐火煉瓦セラミック等の耐熱性のキャスター10を周設して成るキルン本体11を、基台12上に回転自在に傾斜支持し、その一端部には固形燃料投入手段である投入シュート13、キルン本体11内の予熱や種火用などに用いられ、石油や天然ガス等の化石燃料を使用する小型の助燃バーナ14、キルン本体11内に投入された固形燃料を自燃で燃焼させるのに必要な燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファン15を備えている一方、他端部には固形燃料を燃焼させた際に発生する飛散性未燃分を燃焼分解させる二次燃焼室16を備えている。

0038

また、前記熱風発生炉2のキルン本体11の助燃バーナ14側の隅部には、キルン本体11内の静圧を検出する静圧センサ17を備えていると共に、該静圧センサ17にて検出される静圧値が所定の静圧値を維持するように前記排気ダクト5に備えたメインダンパー7の開度或いは排風機8の回転数を調整制御する静圧/排風量制御器18を備え、キルン本体11内の静圧が大気圧に対してほぼ同じか、或いは若干負圧の、例えば大気圧比で−10〜−30Pa程度となるように排風量を制御しており、キルン本体11からの噴き出しを防止しながら、キルン本体11内に余分な外気ができるだけ侵入しないようにして、固形燃料の自燃に必要な燃焼用空気だけが過不足なく供給されるように図っており、外気が侵入することによる熱風温度の低下を極力抑えつつ、固形燃料の発熱量をできるだけ無駄にすることなく下流の加熱乾燥炉3へ供給可能としている。

0039

前記二次燃焼室16は、キルン本体11と同様に、その内壁面に耐熱性のキャスター19を貼着していると共に、キルン本体11より導入される熱風が約2秒程度以上かけて下流側の熱風供給ダクト4へと導出されるように縦長の構造としており、木質系バイオマス等の固形燃料を燃焼させて発生させた熱風中に含まれる細かい炭化物等の飛散性未燃分が、高温に維持された前記二次燃焼室16内を通過する間に完全に燃焼分解されるようにしている。また、図中の20は、前記助燃バーナ14と同様に、化石燃料を使用して二次燃焼室16内に熱風を供給する小型の補助バーナであって、例えば、熱風発生炉2の運転初期時などに燃焼させて二次燃焼室16内を予熱し、予熱完了後は消火するようにしている。

0040

また、前記二次燃焼室16には、内部温度(熱風温度)検出用の温度センサ21を備えている一方、前記燃焼用空気供給ファン15よりキルン本体11内へ供給する燃焼用空気量を調整制御する燃焼用空気量制御器22を備え、該燃焼用空気量制御器22には予め所定の温度設定値を設定登録しており、前記温度センサ21にて検出される二次燃焼室16内の温度検出値と前記温度設定値との差値量に応じて、前記燃焼用空気供給ファン15に内蔵した空気量調整ダンパー23を開閉制御してキルン本体11内へ供給する燃焼用空気量を調整制御するようにしている。

0041

例えば、前記温度センサ21にて検出される熱風温度が予め設定登録しておいた温度設定値よりも低い場合には、燃焼用空気供給ファン15の空気量調整ダンパー23を閉動作させ、熱風温度を低下させる要因となる外気の供給を抑える一方、熱風温度が温度設定値よりも高い場合には、空気量調整ダンパー23を開動作させて外気の供給量を増やし、木質系バイオマス等の固形燃料の性状等(含水率等)のバラツキによって発熱量が大きく変動するような場合でも、二次燃焼室16内の熱風温度がほぼ一定に維持されるようにしている。なお、前記温度設定値としては、例えば約800℃程度を設定しておけば、固形燃料の燃焼時に生じる飛散性未燃分を二次燃焼室16内で確実に燃焼分解できると共に、木質チップの加熱乾燥処理に適した熱風(例えば、熱風温度が高い方が加熱乾燥効率を高められるものの、あまり高すぎるとバイオマス燃料である木質チップを加熱乾燥炉3内で燃焼させてしまうおそれが生じる。)を下流の加熱乾燥炉3へ供給することが可能となる。

0042

木質系バイオマス等の固形燃料を安定的に自燃させる際には、燃焼用空気を十分に供給して(空気比で約1.5〜1.8程度)酸化燃焼状態に維持する必要があるため(仮に燃焼用空気が不足すると還元燃焼状態となって固形燃料が燃え切らずに多量の未燃残渣が発生する。)、二次燃焼室16には酸素濃度検出用の酸素濃度センサ24を備えており、該酸素濃度センサ24の検出値が、例えば10%程度以下を示せば(還元燃焼状態となれば)、前記熱風温度にかかわらず空気量調整ダンパー23を自動または手動にて強制的に開動作させ、キルン本体11内に供給する燃焼用空気量を増加させて酸化燃焼状態に回復させるようにしている。

0043

また、前記二次燃焼室16の下部には、図2に示すように、キルン本体11から排出される木質系バイオマス等の固形燃料の燃焼灰や炭化物等の固形未燃分を一時的に貯留する貯留ホッパ25を備えていると共に、該貯留ホッパ25の下端部には燃焼灰排出用の排出ゲート26を開閉自在に備えており、前記貯留ホッパ25内が燃焼灰によってある程度満たされた状態になれば前記排出ゲート26を開放させ、排出ゲート26の下位に配した適宜の運搬車両等に排出するようにしている。

0044

また、前記貯留ホッパ25下端部の排出ゲート26の上位には、固形未燃分に対して再燃焼用空気を供給する再燃焼用空気供給手段27を備えており、該再燃焼用空気供給手段27は、貯留ホッパ25の外周に沿って所定径の、例えば略100mm程度の内径を有する空気供給管28を略水平に周設していると共に、該空気供給管28から貯留ホッパ25内部に向けて貫通させた小径の、例えば略10mm程度の口径を有する空気噴射孔29を貯留ホッパ25全周に亘って所定間隔にて多数穿設して成り、貯留ホッパ25近傍に備えた送風機30より送風される再燃焼用空気を前記空気供給管28内に供給すると、貯留ホッパ25の外周に沿って再燃焼用空気が周回しつつ、各空気噴射孔29よりホッパ内部に向けて噴射供給されるようにしており、キルン本体11内で燃焼しきれずに貯留ホッパ25内へ排出される固形未燃分を十分に燃焼分解させて熱風を発生させ、木質系バイオマス等の固形燃料の発熱量を有効に活用できるようにしている。

0045

なお、前記熱風発生炉2に投入される固形燃料として、不純物質の混入が想定される建築廃材や、大きさや性状等が一様でなくて発熱量にバラツキのある剪定枝や抜根材等の比較的低質な木質系バイオマス等を用いた場合には、固形未燃分や飛散性未燃分等の未燃残渣が生じやすく、またその中には不純物質の一部が残留している可能性もあるが、このうち固形未燃分については前記空気供給管28より供給される再燃焼用空気によって燃焼分解させることができる一方、飛散性未燃分についても高温雰囲気下の二次燃焼室16内を通過させる間に完全に燃焼分解させることができ、メンテナンス面での不具合もなく、また発電用のボイラの燃料として使用される木質チップの品質にも悪影響を及ぼすおそれもなく、好適に採用することが可能となる。

0046

さらに、二次燃焼室16の上部付近には、固形燃料を燃焼させて発生させた高温の熱風を下流の加熱乾燥炉3へ熱源として供給する熱風供給ダクト4を連結していると共に、該熱風供給ダクト4の基端部付近には、加熱乾燥炉3へ供給する熱風量を調整可能なように熱風量調整ダンパー31を備えている一方、熱風供給ダクト4の加熱乾燥炉3との連結部付近にはダクト内の熱風温度を検出する温度センサ32を備え、かつ該温度センサ32よりも上流側には外気導入口33を備えており、前記温度センサ32にて検出されるダクト内の熱風温度に応じて外気導入口33より適宜量の外気を導入させて加熱乾燥炉3へ供給される熱風温度を適温に調整可能なようにしている。また、二次燃焼室16上端部には排気ダンパー34を開閉自在に備えており、前記熱風量調整ダンパー31の閉鎖時や、緊急時等に開放して二次燃焼室16内の熱風を放出可能なようにしている。

0047

一方、前記加熱乾燥炉3は、円筒状の鋼板の内壁面に複数の掻き上げ羽根35を周設して成るキルン本体36を、基台37上に回転自在に傾斜支持し、その一端部には入口フード部38を介して熱風供給ダクト4を連結していると共に、バイオマス発電用木質チップ投入手段であるスクリューフィーダ39を備えている一方、他端部には出口フード部40を介して熱風導出用の排気ダクト5を連結していると共に、前記出口フード部40下端部には乾燥処理を終えた木質チップ排出用の排出ゲート41を備え、該排出ゲート41の下位にはベルトコンベア42を配置し、乾燥処理したバイオマス発電用木質チップをチップ収納サイロ等へと搬送するようにしている。

0048

また、前記入口フード部38及び出口フード部40と、キルン本体36との嵌合部分には、外気の侵入を抑えられるようにそれぞれシール構造を採用しており、例えば、入口フード部38側の構造を例に説明すると、図3に示すように、入口フード部38の先端側にキルン本体36の外周面に沿わせて環状のシール材固定片43を突設していると共に、該シール材固定片43の先端部には外気侵入防止用のシール材として、例えば金属製のシールプレート44の基端部を固着している一方、該シールプレート44の遊端部をキルン本体36の外周面に押し当てるようにして当接させ、キルン本体36の回転を妨げることなく、キルン本体36外周面と入口フード部38との隙間をシールしてキルン内への外気の侵入を抑制するように図っている。

0049

また、キルン本体36外周面と、入口フード部38に突設したシール材固定片43、及びシールプレート44とで形成される略閉塞された隙間空間45には、侵入しようとする外気Aの流速を十分に減速可能なように、外気衝突用邪魔板46を千鳥状に配してラビリンス構造としていると共に、前記隙間空間45内に侵入した空気A´を所定の吸引力で吸引排気する、排気ダクト47、吸引ファン48、及び吸引量調整用風量調整ダンパー49等から成る排気手段50を備えている。

0050

また、前記隙間空間45内の静圧を検出する静圧センサ51を備えている一方、入口フード部38にはキルン本体36内の静圧を検出する静圧センサ52を備えており、これら各静圧センサ51、52にて検出される静圧値を静圧シール制御器53に取り込み、該静圧シール制御器53では各静圧値の差値量に応じて前記風量調整ダンパー49の開度を適宜調整して吸引力を調整するようにしている。このとき、隙間空間45内の静圧値とキルン本体36内の静圧値とが略同等程度に維持されるように吸引力を制御しており、隙間空間45内に侵入した空気A´を強制排気しつつもキルン本体36内の熱風は極力排気しないようにして、キルン内の熱風を無駄なくバイオマス発電用の木質チップ乾燥用に有効に利用可能なようにしている。なお、出口フード部40とキルン本体36とのシール構造及び排気手段についても、前記入口フード部38と略同様の構造であるので説明を省略する。

0051

そして、上記構成の装置を使用して、例えば不用廃材等の比較的低質な木質系バイオマスを固形燃料として燃焼させ、発生した熱風を熱源としてバイオマス発電用木質チップを加熱乾燥処理するときには、先ず、熱風発生炉2の燃焼用空気量制御器22の温度設定値に、燃焼排ガス中の未燃分が完全に燃焼分解され、かつバイオマス燃料である木質チップの加熱乾燥処理に適した、例えば800℃を設定登録すると共に、熱風発生炉2下流の熱風供給ダクト4の熱風量調整ダンパー31を閉鎖する一方、二次燃焼室16上端部の排気ダンパー34を開放し、その状態でキルン本体11に備えた助燃バーナ14と二次燃焼室16に備えた補助バーナ20とを共に燃焼させ、キルン本体11及び二次燃焼室16の内部を予熱した後、投入シュート13よりキルン本体11内へ前記固形燃料を投入しつつ、燃焼用空気供給ファン15からは固形燃料の投入量に見合った空気量をキルン内へ供給していく。

0052

キルン本体11に投入された固形燃料は、助燃バーナ14からの熱風に晒されることで容易に着火すると共に、燃焼用空気供給ファン15から供給される燃焼用空気によって安定的に燃焼しながらキルン下流側へ流下していくと共に、この固形燃料の燃焼によって発生する熱風はキルン本体11下流の二次燃焼室16へ導入される。そして、二次燃焼室16内の熱風温度が上記温度設定値程度になれば、助燃バーナ14及び補助バーナ20を消火する一方、固形燃料は燃焼用空気の供給のみで自燃させつつ、加熱乾燥炉3への熱風供給の準備を完了する。

0053

熱風供給の準備が完了すると、排気ダンパ34を閉鎖する一方、熱風量調整ダンパー31を開放し、二次燃焼室16より熱風供給ダクト4を介して下流の加熱乾燥炉3へ熱風を導出させる。このとき、熱風発生炉2内は、静圧/排風量制御器18にて炉内静圧を大気圧と同等程度か、或いはそれよりも僅かに低い程度に維持されているため、熱風温度の低下の要因となる余分な外気の侵入は極力抑えられ、固形燃料の燃焼により得られた熱風の温度をできるだけ下げることなく下流の加熱乾燥炉3へと供給することができる。

0054

また、固形燃料の性状(含水率等)にバラツキがあれば熱風温度も変動を生じるが、燃焼用空気量制御器22では二次燃焼室16に備えた温度センサ21にて検出される熱風温度の検出値と、予め設定登録した前記温度設定値との差値量に応じて燃焼用空気供給ファン15の空気量調整ダンパー23を開閉制御し、例えば熱風温度が温度設定値よりも低い場合には燃焼用空気量を減少させるように、また熱風温度が温度設定値よりも高い場合には燃焼用空気量を増加させるように調整して、熱風温度を所定温度に調整しながら供給する。

0055

なお、不用廃材等のような比較的低質な木質系バイオマスを固形燃料として燃焼(自燃)させる場合には、例えば、RPF等の固形燃料と比較して発熱量が低く燃焼速度が遅いために、キルン本体11の回転速度を抑えるなどしてキルン内での燃料の滞留時間を比較的長く(例えば、約45分程度)とる必要があるが、それでもなおキルン内で完全に燃焼分解させることは難しく、炭化物等の未燃残渣が多く発生し、熱風に伴って飛散性の未燃分が流下すると共に、燃焼灰と共に固形の未燃分が排出される。

0056

このうち、飛散性未燃分については、約800℃程度に維持された二次燃焼室16内を通過する間に再燃焼して完全に燃焼分解される一方、貯留ホッパ25内に燃焼灰と共に排出される固形未燃分については、貯留ホッパ25周囲に備えた複数の空気噴射孔29より万遍なくかつ所定圧力(例えば、略1.0〜2.0kPa程度)にて噴射供給される再燃焼用空気により、貯留ホッパ25内を旋回するように吹き上げられて激しく攪拌流動させられ、クリンカ発生要因ともなる局所的な高温域が生じるようなこともなく好適に燃焼分解されて熱風として導出される。

0057

一方、熱風が供給される加熱乾燥炉3では、スクリューフィーダ39によりキルン本体36に投入したバイオマス発電用の木質チップを、内壁面に周設した掻き上げ羽根35により繰り返し掻き上げ、落下させながらキルン本体36内を流下させていき、その間に前記熱風に晒して効率よく加熱乾燥させていき、乾燥処理を終えた木質チップは出口フード部40下部の排出ゲート41より順次排出して回収していく。

0058

このとき、加熱乾燥炉3のキルン本体36内の静圧は、熱風発生炉2よりも低い大気圧比で約−70〜−90Pa程度に維持されており、静圧シール制御器53にて、キルン本体36の外周面と、入口及び出口の各フード部38、40のシール材固定片43、及びシールプレート44との隙間空間45に連結した排気ダクト47の風量調整ダンパー49の開度を調整して、隙間空間45内の静圧値を前記キルン本体36内部の静圧値とほぼ同等程度に維持されるように制御しており、隙間空間45よりキルン内部側に侵入しようとする外気Aをラビリンス構造によって流速を抑制しながら排気ダクト47より強制排気させて侵入を阻止すると共に、熱風供給ダクト4よりキルン本体36内に供給された熱風が隙間空間45より排気ダクト47側へ強制排気されないようにしており、固形燃料を燃焼させて得た熱風をできるだけ無駄にすることなくバイオマス発電用木質チップの乾燥処理に利用できるようにしている。

0059

このように、バイオマス発電用の燃料である木質チップを加熱乾燥処理する際に、化石燃料の使用量を抑えながら木質チップと同じ木質系バイオマス等の固形燃料を熱風発生用の主燃料として有効に利用でき、環境への負荷を軽減することができる。また、熱風発生用の燃料として、例えば、従来廃棄処分されていた不用廃材の剪定枝や抜根材、樹皮、端材、建築廃材等といった比較的低質な木質系バイオマスを採用することができ、資源の有効活用が可能となって好適である。

実施例

0060

なお、前記熱風発生炉2に投入する固形燃料としては、環境負荷の軽減を目的とするならば、前記実施例のように、不用廃材等の木質系のバイオマスを採用するのが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばRPFやRDF等の固形燃料も有効に採用することができる。

0061

1…バイオマス発電用木質チップ乾燥装置
2…熱風発生炉3…加熱乾燥炉
4…熱風供給ダクト5…排気ダクト
6…集塵機7…メインダンパー
8…排風機11、36…キルン本体
13…投入シュート(固形燃料投入手段)
14…助燃バーナ15…燃焼用空気供給ファン
16…二次燃焼室17、51、52…静圧センサ
18…静圧/排風量制御器21…温度センサ
22…燃焼用空気量制御器 25…貯留ホッパ
26…排出ゲート27…再燃焼用空気供給手段
31…熱風量調整ダンパー 35…掻き上げ羽根
38…入口フード部
39…スクリューフィーダ(バイオマス発電用木質チップ投入手段)
40…出口フード部 44…シールプレート(シール材)
45…隙間空間50…排気手段
53…静圧シール制御器

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