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技術 エンジンを迅速に逆転させるための逆転方法、コンピュータ・プログラム製品、及びエンジン

出願人 ヴィンタートゥールガスアンドディーゼルアーゲー
発明者 アクセルハウスラーエドウィンフラガー
出願日 2015年10月16日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-205073
公開日 2016年5月23日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-089826
状態 特許登録済
技術分野 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 新気により掃気を行うもの 船舶の推進 内燃機関の複合的制御 特殊操作のための弁装置 特殊用途機関の応用、補機、細部
主要キーワード 電子制御デバイス 作動材 シリンダ領域 判断要因 ブレーキ段階 STOP命令 スタート段階 往復運動ピストン
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課題

単流掃気式大型2ストロークディーゼルエンジンの形態のエンジンの回転を迅速に逆転させるための逆転方法を提供すること。

解決手段

本発明によると、エンジンの複数の出口弁は、第1のブレーキ段階において所定の回転の制限速度を下回った状態で所定の順序開放され、開放された出口弁は、第1のブレーキ段階の終わりまで開放したままである。第2のブレーキ段階において、このようなシリンダの出口弁の少なくとも全てが、同時に閉鎖され、シリンダの掃気スリットを通る掃気空気が阻止されており、関連するピストンは、0°から180°のクランク角度の間で圧縮ストローク状態にあり、エンジンは、第2のブレーキ段階の後に続くキックスタート段階において、第1の回転方向と反対の回転方向に回転される。

概要

背景

大型ディーゼルエンジンは、船舶のための駆動装置として使用される、又は定置式稼働において、例えば電気エネルギーを生成するための大型発電機を駆動するのに使用されることが多い。この点において、エンジンは概して、かなりの期間にわたって永続的に稼働し続けるため、稼働の安全性及び利用可能性に対する高い要求が生じる。したがって、特に長期の保守間隔において、低い摩耗性及び経済的な燃料及び作動材料の運用は、操作者にとって機械を稼働させるための最も大事な判定基準である。このような大口径の低速稼働のディーゼル・エンジンのピストンの稼働動作は、とりわけ保守間隔の長さ、利用可能性に関する、並びに潤滑油消費に対する判断要因であり、また動作コスト及びこれにより効率に関しても直接的な判断要因である。

可能な限り短時間で前方への進行から逆向きの進行に、又はその逆の場合も同様に、例えばドックに入れる操縦又は別の操縦操作において、例えば進入するように航行する、又は港内で操縦する際の操縦操作においての進行方向を変えることは長い間海上輸送における単なる要望ではなく、必要でもあった。これは、可能な限り短時間で且つ可能な限り短い距離にわたって特定の速度から船にブレーキをかけて、できるだけ迅速に船の進行方向を逆向きにし、この反対方向において可能な限り迅速に再び所定の速度まで船を加速することを伴う。

この点に関する技術的な挑戦は結果として緊急にブレーキをかける状況となり、比較的低速で港に近づくだけでなく、高速で、例えばフルスピードで港に近づくことにもなる。船は、可能な限り迅速に可能な限り短い距離にわたってフルスピードからブレーキをかける必要がある、或いはエンジンを可能な限り迅速に逆転させることでプロペラが可能な限り迅速に反対方向に回転することで船は即座に反対方向に航行することができる。

種々の立証されたプロセスは、比較的小型のモータシップ又はモーターボートの場合の進行方向を変えるのにしばらくの間利用可能であり、逆転は往々にして、変速機を介して簡単に成し遂げることが可能であったのに対して、この迅速なブレーキ作用は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンなどの大型往復運動ピストン内燃機関装備した大型船によって時代遅れとなる大半は不十分にしか解決されていない課題であった。これは、港内又は港付近などの比較的低速での上記に挙げた操縦操作と、緊急にブレーキをかける状況において一方向の回転から反対方向の回転にエンジンを迅速に逆転するという記載した問題の両方に関連する。

これは、特に低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの場合、このようなエンジンの場合、その巨大なサイズと出力によって、エンジンとプロペラとの間の変速機及び/又はクラッチの実用にかなった利用が実際には妨げられることで、プロペラが、このようなエンジンを備えた船内で大型ディーゼル・エンジンのクランクシャフトにシャフトを介して回転可能に固定式に接続されるため軽視すべきではない問題である。

したがって、駆動装置の構築は、変速機がプロペラとエンジンとの間に設けられる駆動装置と比べて明らかにかなり簡素である。しかしながら変速機及びクラッチがないこのような構成の欠点は、プロペラが常に、すなわちあらゆる稼働状態において、エンジンに回転可能に固定式に接続しており、少なくともエンジンが動作している状況で、すなわちそれが完全な停止状態にならない限りそこから切り離すことができない点である。すなわち船にブレーキをかけるためにエンジンが停止される稼働状態において、これは基本的にエンジンへの燃料供給中断されることを意味しており、船は、即座にこの場所に停止せずに、その巨大な慣性の大きさにより初めのうちは航行を続け、もっぱら少しずつ次第に速度を落とすことになる。

プロペラは、この点においてこのときエンジンによってもはや駆動されていないことは明らかであるが、それは、今度は、プロペラと水との間の継続する相対速度によって水中を前進することによって駆動される。しかしながらプロペラはエンジンに回転可能に固定式に接続されており、またエンジンから切り離すことができないため、エンジンもまたこのとき、このような稼働状況においてプロペラによって駆動されることになる。これは、燃料供給が停止した後もかなりの時間にわたってそれでもモータが元々の方向で回転し続けることを意味しており、これはモータがこのときプロペラによって駆動されるためである。

船のブレーキ作用の促進又は船の進行方向の逆転は、エンジンが逆の回転方向再始動される点においてのみ達成することができる。大抵の既知の船のエンジンの場合、具体的には巨大な単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの場合、これは、適切な時点で、すなわち好適なクランク角度において、圧縮空気技術用語では始動空気とも呼ばれる)が、十分に高い圧力でシリンダライナーに押し込められることで、始動空気がピストンに対して作用することによってエンジンが所望される逆方向の回転で再始動するという点においてのみ達成することができる。

上記に説明したようにプロペラがクランク・シャフトを介してエンジンのシリンダ・ライナー内で、エンジンが燃料供給の停止にも関わらず元々の方向で回転し続けるようにピストンに及ぼす巨大な力に起因して、始動空気の最大の利用可能な圧力がピストンに対して作用するプロペラからの力を打ち消すのに十分であるとき、できるだけ早期にエンジンを反対方向で再始動させることができ、エンジンを始動空気によって反対方向に十分高速で回転するように設定することで、エンジンが最終的に燃料供給の再開時に、独自に反対方向で再始動することができる。エンジンが、反対の回転方向で再始動される際、エンジンに回転可能に固定式に接続されたプロペラは、必然的に、エンジンによって同様に反対方向に駆動され、これにより船のブレーキ作用をその後、船の進行が最終的に停止状態になるまで次第に加速させることができ、又は所望であれば船は反対方向に進み始めることができる。

船にブレーキをかけ反対向きにすることを目的とした上記に記載した及びこれまでの慣例的なプロセスの欠点は明白である。一方で、船のブレーキ作用は、特に低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンを有する船のブレーキ作用は、かなり多くの時間を必要とし、これはエンジンが反対方向に再始動することができるまでに、船が十分な速度を失い且つ十分に低速になることで、プロペラを介するエンジンの駆動を始動空気によって打ち消すことができるまで長い時間待つ必要があるためである。

これは依然として現在もかなりの時間を占めるだけでなく、実際に始動空気がかなりの量消費される結果となり、これは、船を操縦すべき際、例えば船が、港内でドックに入れる操縦において停止命令による最も多様な組み合わせにおいて「前方−停止−後方」の間で一定の変更を受ける際の大きな欠点である。しかしながら従来技術より既知の方法は、依然として今日も、船が、緊急状況において確実に且つ間に合うように、例えば別の船と、氷山又は別の障害物との衝突を避けるために、例えば高速から極めて迅速にブレーキがかけられるなど緊急ブレーキ状況における緊急ブレーキ操縦などにおいて許容できないほどの長い時間を要する、又は許容できないほど多量の始動空気が消費される。有名なタイタニック号の大惨事は、とりわけ間に合うように船にブレーキをかけることがもはや不可能であり、今日まで人々に長く記憶され続けている。タイタニック号は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンによって駆動されてはいなかったが、問題は、原則的として同じである。

ブレーキをかける際、又は反対の進行方向になるように逆向きにする際に船によって含まれる距離が最小限になるように、シリンダ・ライナーに始動空気を供給することによって、可能な限り早期にエンジンを逆転させる試みが往々にしてなされている。しかしながら、プロペラによって駆動される、古い方向でエンジンを高速で稼働させればさせるほど、反対方向の逆転を開始することを可能にするためにより多くの始動空気又は始動空気エネルギーが必要とされる。これは単に費用が高く多量のエネルギーを消費するだけでなく、始動空気は、最初、対応する圧縮器により生成する必要があり、圧力貯蔵部に貯蔵する必要があるためである。しかしながらこの方法には、始動空気の貯蔵量全体のある程度が余りに急速に消費され、進行方向を何回も変更する際の複雑な操縦を終わらせるために存在する始動空気が不十分になり、又は、より高速での始動空気の相当の使用量にも関わらず、それでもなお反対方向にエンジンを始動させることが不可能になるというリスクもある。これは単に、ブレーキ作用をさらに遅らせるだけではなく、対応する緊急ブレーキ状態の後のとりわけ外洋における安全性のリスクになる可能性すらあり、これはこのような状況において、新たな始動空気をまず再供給する必要があり、エンジンはこれにより、もはやその間再始動させることができず、これは、船はこのような状況において駆動装置がないため、特定の状況下で致命的結果を有する恐れがあるためである。

概要

単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態のエンジンの回転を迅速に逆転させるための逆転方法を提供すること。本発明によると、エンジンの複数の出口弁は、第1のブレーキ段階において所定の回転の制限速度を下回った状態で所定の順序開放され、開放された出口弁は、第1のブレーキ段階の終わりまで開放したままである。第2のブレーキ段階において、このようなシリンダの出口弁の少なくとも全てが、同時に閉鎖され、シリンダの掃気スリットを通る掃気空気が阻止されており、関連するピストンは、0°から180°のクランク角度の間で圧縮ストローク状態にあり、エンジンは、第2のブレーキ段階の後に続くキックスタート段階において、第1の回転方向と反対の回転方向に回転される。なし

目的

本発明の目的は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンをより効率的に且つより迅速に反対方向の回転になるように逆転させることができる方法を提供する

効果

実績

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請求項1

単流掃気式大型2ストロークディーゼルエンジンの形態のエンジンの回転を迅速に逆転させるための逆転方法であって、前記エンジンは、シリンダを備え、前記ピストンの中で、ピストンが、180°のクランク角度に対応する上死点と0°又は360°のクランク角度に対応する下死点との間で往復式可動であるように配置されており、前記エンジンは、出口弁を有し、前記出口弁は、弁油圧装置によって、所定の開放圧力において、油圧媒体により、電子制御デバイスを介して、油圧式に作動させられ、前記方法は、好ましくは、事前ブレーキ段階に続いて、少なくとも以下の方法ステップ、すなわち、−第1のブレーキ段階において、前記エンジンへの燃料供給中断され、及び/又は前記燃料供給は、第1の回転方向での前記エンジンの前記回転の回転速度を低下させるために、前記制御デバイスに対する停止命令により中断されたままであるということと、−前記エンジンの複数の前記出口弁が、前記第1のブレーキ段階で、所定の回転の制限速度を下回った状態で、所定の順序開放され、前記開放された出口弁は、前記第1のブレーキ段階の終わりまで開放したままであるということと、−第2のブレーキ段階において、前記シリンダの少なくとも全ての前記出口弁が、同時に閉鎖され、前記シリンダの掃気スリットを通る掃気空気の供給が阻止されており、関連する前記ピストンは、0°から180°のクランク角度の間で圧縮ストローク状態にあるということと、−前記エンジンが、前記第2のブレーキ段階の後に続くキックスタート段階において、前記第1の回転方向と反対の回転方向に回転されるということとを含むことを特徴とする、逆転方法。

請求項2

前記エンジンの前記複数の出口弁が、前記所定の回転の制限速度を下回る前記第1のブレーキ段階において同時に開放される、請求項1に記載の逆転方法。

請求項3

前記エンジンの全ての前記出口弁が、前記所定の順序で前記所定の回転の制限速度を下回る前記第1のブレーキ段階において開放される、請求項1又は2に記載の逆転方法。

請求項4

前記エンジンの全ての前記出口弁が、前記所定の回転の制限速度を下回る前記第1のブレーキ段階において同時に開放される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項5

前記第2のブレーキ段階において、前記シリンダの全ての前記出口弁が、追加的に同時に閉鎖され、前記シリンダの前記掃気スリットを通る前記掃気空気の供給が阻止され、前記関連するピストンが180°から360°のクランク角度の間で膨張ストローク状態にある、請求項1から4までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項6

前記エンジンの前記回転方向の逆転が、シリンダへの始動空気の供給なしに前記キックスタート段階において開始される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項7

前記エンジンの前記回転方向の逆転が、前記圧縮ストローク状態にある前記シリンダの少なくとも1つへの前記始動空気の供給によって、前記キックスタート段階において支援される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項8

前記往復運動ピストン内燃機関への前記燃料供給が、前記エンジンの前記回転速度の最初の低下のために、前記所定の回転の制限速度を上回る前記事前ブレーキ段階において既に中断される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項9

前記エンジンへの前記燃料供給が、前記エンジンの前記回転速度の最初の及び/又はさらなる低下のために、前記所定の制限速度を上回って前記事前ブレーキ段階において既に中断され、前記油圧媒体は、前記エンジンの前記回転速度の低下を促進させるために、前記第1のシリンダに関連する前記第1のピストンの上死点位置の範囲内において、第1のクランク角度で、第1のシリンダの第1の出口弁の前記弁油圧装置の所定の最大開放圧力で提供され、前記第1の出口弁が、前記第1のピストンが前記上死点位置を通過するとできるだけ早期に、第2のクランク角度で、前記弁油圧装置によって自動的に開放される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項10

前記第2のクランク角度が、前記第1のピストンの前記上死点と前記下死点との間の範囲内で、180°から360°の間の値、好ましくは180°から225°の間の値、又は180°から200°の間の値、特に好ましくは前記第1のピストンの前記上死点の後、180°から190°の間にある第2のクランク角度である、請求項9に記載の逆転方法。

請求項11

前記第1のシリンダ内で所定の真空を生成するために、前記第1の出口弁は、前記第2のクランク角度と前記第1のピストンの前記下死点との間の範囲内で、第3のクランク角度で再び閉鎖される、請求項9又は10に記載の逆転方法。

請求項12

前記第3のクランク角度が、前記第1の出口弁を前記第3のクランク角度で閉鎖することによって前記第1のシリンダ内に真空が形成されるように選択され、第1の回転方向での前記エンジンの回転のブレーキ作用が、前記真空の形成によって支援されるようになっている、請求項8に記載の逆転方法。

請求項13

前記事前ブレーキ段階が、前記所定の回転の制限速度になるように前記エンジンにブレーキをかけるための緊急ブレーキ・プロセスである、請求項1から12までのいずれか一項に記載の逆転方法。

請求項14

請求項1から13までのいずれか一項に記載の逆転方法を実施するための、単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態のエンジンを制御するためにデータ処理システムに設置するためのコンピュータプログラム製品

請求項15

請求項1から13までのいずれか一項に記載の逆転方法を実施するための請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品を有するデータ処理システムを備える低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態のエンジン、具体的には往復運動ピストン内燃機関。

技術分野

0001

本発明は、独立クレーム1、14及び15の導入部に従って、エンジンの回転、具体的には低速稼働単流掃気式大型2ストロークディーゼル・エンジンの形態の往復ピストン内燃機関の回転を、第1の回転方向から反対方向の回転に迅速に逆転させるための逆転方法、エンジンを制御するためのコンピュータプログラム製品、並びにエンジン、具体的には低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態の往復ピストン内燃機関に関する。

背景技術

0002

大型ディーゼル・エンジンは、船舶のための駆動装置として使用される、又は定置式の稼働において、例えば電気エネルギーを生成するための大型発電機を駆動するのに使用されることが多い。この点において、エンジンは概して、かなりの期間にわたって永続的に稼働し続けるため、稼働の安全性及び利用可能性に対する高い要求が生じる。したがって、特に長期の保守間隔において、低い摩耗性及び経済的な燃料及び作動材料の運用は、操作者にとって機械を稼働させるための最も大事な判定基準である。このような大口径の低速稼働のディーゼル・エンジンのピストンの稼働動作は、とりわけ保守間隔の長さ、利用可能性に関する、並びに潤滑油消費に対する判断要因であり、また動作コスト及びこれにより効率に関しても直接的な判断要因である。

0003

可能な限り短時間で前方への進行から逆向きの進行に、又はその逆の場合も同様に、例えばドックに入れる操縦又は別の操縦操作において、例えば進入するように航行する、又は港内で操縦する際の操縦操作においての進行方向を変えることは長い間海上輸送における単なる要望ではなく、必要でもあった。これは、可能な限り短時間で且つ可能な限り短い距離にわたって特定の速度から船にブレーキをかけて、できるだけ迅速に船の進行方向を逆向きにし、この反対方向において可能な限り迅速に再び所定の速度まで船を加速することを伴う。

0004

この点に関する技術的な挑戦は結果として緊急にブレーキをかける状況となり、比較的低速で港に近づくだけでなく、高速で、例えばフルスピードで港に近づくことにもなる。船は、可能な限り迅速に可能な限り短い距離にわたってフルスピードからブレーキをかける必要がある、或いはエンジンを可能な限り迅速に逆転させることでプロペラが可能な限り迅速に反対方向に回転することで船は即座に反対方向に航行することができる。

0005

種々の立証されたプロセスは、比較的小型のモータシップ又はモーターボートの場合の進行方向を変えるのにしばらくの間利用可能であり、逆転は往々にして、変速機を介して簡単に成し遂げることが可能であったのに対して、この迅速なブレーキ作用は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンなどの大型往復運動ピストン内燃機関装備した大型船によって時代遅れとなる大半は不十分にしか解決されていない課題であった。これは、港内又は港付近などの比較的低速での上記に挙げた操縦操作と、緊急にブレーキをかける状況において一方向の回転から反対方向の回転にエンジンを迅速に逆転するという記載した問題の両方に関連する。

0006

これは、特に低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの場合、このようなエンジンの場合、その巨大なサイズと出力によって、エンジンとプロペラとの間の変速機及び/又はクラッチの実用にかなった利用が実際には妨げられることで、プロペラが、このようなエンジンを備えた船内で大型ディーゼル・エンジンのクランクシャフトにシャフトを介して回転可能に固定式に接続されるため軽視すべきではない問題である。

0007

したがって、駆動装置の構築は、変速機がプロペラとエンジンとの間に設けられる駆動装置と比べて明らかにかなり簡素である。しかしながら変速機及びクラッチがないこのような構成の欠点は、プロペラが常に、すなわちあらゆる稼働状態において、エンジンに回転可能に固定式に接続しており、少なくともエンジンが動作している状況で、すなわちそれが完全な停止状態にならない限りそこから切り離すことができない点である。すなわち船にブレーキをかけるためにエンジンが停止される稼働状態において、これは基本的にエンジンへの燃料供給中断されることを意味しており、船は、即座にこの場所に停止せずに、その巨大な慣性の大きさにより初めのうちは航行を続け、もっぱら少しずつ次第に速度を落とすことになる。

0008

プロペラは、この点においてこのときエンジンによってもはや駆動されていないことは明らかであるが、それは、今度は、プロペラと水との間の継続する相対速度によって水中を前進することによって駆動される。しかしながらプロペラはエンジンに回転可能に固定式に接続されており、またエンジンから切り離すことができないため、エンジンもまたこのとき、このような稼働状況においてプロペラによって駆動されることになる。これは、燃料供給が停止した後もかなりの時間にわたってそれでもモータが元々の方向で回転し続けることを意味しており、これはモータがこのときプロペラによって駆動されるためである。

0009

船のブレーキ作用の促進又は船の進行方向の逆転は、エンジンが逆の回転方向で再始動される点においてのみ達成することができる。大抵の既知の船のエンジンの場合、具体的には巨大な単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの場合、これは、適切な時点で、すなわち好適なクランク角度において、圧縮空気技術用語では始動空気とも呼ばれる)が、十分に高い圧力でシリンダライナーに押し込められることで、始動空気がピストンに対して作用することによってエンジンが所望される逆方向の回転で再始動するという点においてのみ達成することができる。

0010

上記に説明したようにプロペラがクランク・シャフトを介してエンジンのシリンダ・ライナー内で、エンジンが燃料供給の停止にも関わらず元々の方向で回転し続けるようにピストンに及ぼす巨大な力に起因して、始動空気の最大の利用可能な圧力がピストンに対して作用するプロペラからの力を打ち消すのに十分であるとき、できるだけ早期にエンジンを反対方向で再始動させることができ、エンジンを始動空気によって反対方向に十分高速で回転するように設定することで、エンジンが最終的に燃料供給の再開時に、独自に反対方向で再始動することができる。エンジンが、反対の回転方向で再始動される際、エンジンに回転可能に固定式に接続されたプロペラは、必然的に、エンジンによって同様に反対方向に駆動され、これにより船のブレーキ作用をその後、船の進行が最終的に停止状態になるまで次第に加速させることができ、又は所望であれば船は反対方向に進み始めることができる。

0011

船にブレーキをかけ反対向きにすることを目的とした上記に記載した及びこれまでの慣例的なプロセスの欠点は明白である。一方で、船のブレーキ作用は、特に低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンを有する船のブレーキ作用は、かなり多くの時間を必要とし、これはエンジンが反対方向に再始動することができるまでに、船が十分な速度を失い且つ十分に低速になることで、プロペラを介するエンジンの駆動を始動空気によって打ち消すことができるまで長い時間待つ必要があるためである。

0012

これは依然として現在もかなりの時間を占めるだけでなく、実際に始動空気がかなりの量消費される結果となり、これは、船を操縦すべき際、例えば船が、港内でドックに入れる操縦において停止命令による最も多様な組み合わせにおいて「前方−停止−後方」の間で一定の変更を受ける際の大きな欠点である。しかしながら従来技術より既知の方法は、依然として今日も、船が、緊急状況において確実に且つ間に合うように、例えば別の船と、氷山又は別の障害物との衝突を避けるために、例えば高速から極めて迅速にブレーキがかけられるなど緊急ブレーキ状況における緊急ブレーキ操縦などにおいて許容できないほどの長い時間を要する、又は許容できないほど多量の始動空気が消費される。有名なタイタニック号の大惨事は、とりわけ間に合うように船にブレーキをかけることがもはや不可能であり、今日まで人々に長く記憶され続けている。タイタニック号は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンによって駆動されてはいなかったが、問題は、原則的として同じである。

0013

ブレーキをかける際、又は反対の進行方向になるように逆向きにする際に船によって含まれる距離が最小限になるように、シリンダ・ライナーに始動空気を供給することによって、可能な限り早期にエンジンを逆転させる試みが往々にしてなされている。しかしながら、プロペラによって駆動される、古い方向でエンジンを高速で稼働させればさせるほど、反対方向の逆転を開始することを可能にするためにより多くの始動空気又は始動空気エネルギーが必要とされる。これは単に費用が高く多量のエネルギーを消費するだけでなく、始動空気は、最初、対応する圧縮器により生成する必要があり、圧力貯蔵部に貯蔵する必要があるためである。しかしながらこの方法には、始動空気の貯蔵量全体のある程度が余りに急速に消費され、進行方向を何回も変更する際の複雑な操縦を終わらせるために存在する始動空気が不十分になり、又は、より高速での始動空気の相当の使用量にも関わらず、それでもなお反対方向にエンジンを始動させることが不可能になるというリスクもある。これは単に、ブレーキ作用をさらに遅らせるだけではなく、対応する緊急ブレーキ状態の後のとりわけ外洋における安全性のリスクになる可能性すらあり、これはこのような状況において、新たな始動空気をまず再供給する必要があり、エンジンはこれにより、もはやその間再始動させることができず、これは、船はこのような状況において駆動装置がないため、特定の状況下で致命的結果を有する恐れがあるためである。

発明が解決しようとする課題

0014

したがって本発明の目的は、低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンをより効率的に且つより迅速に反対方向の回転になるように逆転させることができる方法を提供することであり、従来技術からの記載される問題は、最大の可能性の範囲まで回避され、特に短い間隔においてエンジンを頻繁に逆転させることに対する従来技術から既知の問題が回避されるだけでなく、記載される致命的な安全性の問題を極めて大きな範囲まで排除することもでき、これに加えて、エンジンの逆転を、より経済的に且つより大きなエネルギー削減を伴って極めて一般的に行なうことができる。

課題を解決するための手段

0015

これらの目的を満たす本発明の主題は、独立クレーム1の特徴によって特徴付けられる。

0016

従属クレームは、本発明の特に有利な実施例に関する。

0017

したがって、本発明は、単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態のエンジンの回転を迅速に逆転させるための逆転方法であって、前記エンジンは、シリンダを備え、前記ピストンの中で、ピストンが、180°のクランク角度に対応する上死点と0°又は360°のクランク角度に対応する下死点との間で往復式可動であるように配置されており、前記エンジンは、出口弁を有し、前記出口弁は、弁油圧装置によって、所定の開放圧力において、油圧媒体により、電子制御デバイスを介して、油圧式に作動させられ、前記方法は、好ましくは、事前ブレーキ段階に続いて、少なくとも以下の方法ステップを含む。第1のブレーキ段階において、エンジンへの燃料供給が中断され、及び/又は燃料供給は、第1の回転方向でのエンジンの回転の回転速度を低下させるために、制御装置への停止命令により中断されたままである。

0018

本発明によると、エンジンの複数の出口弁が、第1のブレーキ段階において回転の所定の制限速度を下回った状態で、所定の順序開放され、開放された出口弁は、第1のブレーキ段階の終わりまで開放したままである。第2のブレーキ段階において、このようなシリンダの少なくとも全ての出口弁は、同時に閉鎖され、シリンダの掃気スリットを通る掃気空気の供給が阻止されており、関連するピストンは、0°及び180°のクランク角度の間において圧縮ストローク状態にあり、エンジンは、第2のブレーキ段階に続くキックスタート段階において、第1の回転方向と反対の回転方向に回転される。

実施例

0019

実施するのに特に好ましい一実施例において、往復運動ピストン内燃機関は、先に言及したように例えば最大12個以上のシリンダを有し、シリンダ当たり10,000kWまでの出力、又はさらに大きな出力も有することができる巨大なエンジンを有する例えばコンテナ船などの船用の低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンである。

0020

業者が本質的に知っているように、ピストンは、往復運動ピストン内燃機関の通常の稼働状態においてシリンダ(又は技術用語ではシリンダ・ライナーとも呼ばれる)内で上死点と下死点との間を往復式に移動し、ピストン及びプロペラに有効に固定式に接続されたクランク・シャフトを介してプロペラを駆動する。シリンダ・ライナーのシリンダ・カバーにおける出口弁は、実際に油圧デバイス電子デバイスとを備えることができるプログラム可能制御デバイスにより、弁油圧装置を介して油圧式に作動させられる。この点において、出口弁が作動させられるクランク角度は、原則的に、プログラム可能な制御デバイス又は制御装置によって所望されるように事前に定義することができる。エンジンは、始動空気弁を作動させることによって又は十分に小さい回転速度において停止状態から始動させることができ、エンジンの回転速度を変えることができる。

0021

本発明をより適切に理解するために、通常の稼働状態における単流掃気式往復運動ピストン内燃機関の一般的な動作モード(それ自体既知である)を、以下で再度簡単に概略的に振り返ることにする。この用途の構造において、クランク角度0°から360°は、下死点UTによって特定され、クランク角度180°は、上死点OTによって特定される。

0022

クランク角度0°に相当する下死点から始まり、ピストンは、稼働状態においてクランク角度180°に相当する方向OTに移動する。ピストンが下死点に近接する特定の位置に配置される際、掃気スリットが、シリンダ・ライナーの下方領域に解放され、出口弁は、通常の稼働状態において開放される。掃気スリットがピストンによって解放される限り、掃気スリットを通って新鮮な空気がシリンダ・ライナーの燃焼空間に供給され、燃焼残留物が同時に、上死点に向かう方向にピストンが移動することによって出口弁を介して燃焼空間の外に押し出される。ピストンが、掃気スリットを完全に通過することで、燃焼空間と掃気スリットとの間にいかなる連通も存在しなくなる際、出口弁もまた、クランク角度が拡大する際、所定のクランク角度において制御デバイスにより閉鎖されることになる。さらなるプロセスにおいて、燃料が、噴射弁によって、上部シリンダ領域、その上に位置するシリンダ・カバー、及びピストン・ベースによって形成されるエンジンの燃焼空間に供給され、前記燃料が、上死点の領域において圧縮によって加熱された空気中で点火し、その後燃焼し、このエネルギー放出によってエンジンの燃焼空間内での圧力の増加を生む

0023

上死点を通過した後、ピストンは再度、クランク角度360°に相当する下死点に向かう方向に移動する。船の通常の運航及び進行状態において、出口弁はこのとき再び開放され、シリンダの新たな作業サイクルが、180°よりかなり大きいクランク角度において開始される。

0024

万一、船にブレーキをかけるべき場合、特に、緊急状態において可能な限り短い距離でブレーキをかける必要がある場合、往復運動ピストン内燃機関はまた、以下のように、既知の方法においてブレーキをかける又は逆転させるために、通常の稼働状態から異なる稼働状態になるように設定される。第1のステップにおいて、往復運動ピストン内燃機関のシリンダ・ライナーへの燃料供給が中断されることが知られている。この燃料供給の中断によってエンジンの回転速度の最初の降下が実現され、これにより船の最初の穏やかな減速をもたらす。別の措置が採られない場合、船の速度は、水中での船の摩擦により実質的に低下する。この摩擦は一般に比較的小さいため、船の速度は極めてゆっくりと低下するだけである。プロペラは、燃料供給が中断された後はもはや往復運動ピストン内燃機関によって駆動されず、依然として存在する船の運動エネルギーによって駆動され、今度はタービンとして動作し、今度はクランク・シャフトを介して回転可能に固定式に接続されたエンジンを駆動する。

0025

出口弁の制御が、通常の稼働でのように、及び、従来技術においてこれまで実施されていたように、変更されずに維持されるならば、船の運動エネルギーの一部は、まず、0°から180°のクランク角度範囲においてシリンダ内圧縮エネルギーへと変換されることは明らかだが、この圧縮エネルギーは、上死点から下死点にピストンが運動する間、シリンダ・ライナー内に閉じ込められた掃気空気がその後膨張する際、プロペラを介してほとんど完全に運動エネルギーの形態に再び戻される。

0026

本発明は、次にこの点から始まる。また、本発明は、プロペラを介してエンジンに伝達されるブレーキ作用エネルギーが本発明によって上手く利用されるという条件で、エンジンの迅速な逆転又はブレーキ作用は、もっぱら出口弁の適切な制御によって実質的に可能であり、特別に始動空気なしでも、また、少なくとも従来技術においてこれまで必要とされたものより少ない始動空気によって、反対方向に確かに再始動させることができるという認識に基づいている。

0027

したがって、2ストローク・ディーゼル・エンジンの逆転は、インテリジェントな出口弁制御の助けを借りることで本発明によって促進させることができ、始動は、少なくとも始動空気の消費が低下した状態で、また、最も好ましいケースでは、始動空気の消費が全くない状態で、反対方向に行なうことができる。

0028

この点において、本発明によれば、エネルギーが使用され、そのエネルギーは、現在の船の運動によってプロペラを介してエンジンに供給され、また、ばねのようにエンジンに充填するために、エンジンに接続されたプロペラ・シャフトに供給される。このエネルギーの反対方向での独立した放出は、そうでなければ必要であるものよりも少なくとも少ない始動空気の消費で、同じ反対方向での始動を助ける。

0029

エンジンに供給されるエネルギーが、現在の時間において且つ現在の回転速度において全てのシリンダの圧縮と真空の生成の合計によって生成されるブレーキ出力よりも小さくなるということが、本発明による方法を首尾良く実施するための要件である。したがって、エンジンの回転又は船の速度は、好ましくは、上記の要件が満たされ、本発明による逆転方法を使用することができるまで、まず事前ブレーキ段階において所定の回転の制限速度まで下がるように減速される。

0030

本発明の逆転方法は、特に好ましくは、STOP命令を介して前方−停止−後方の間で一定の変更が最も多様な組み合わせで行なわれ、始動空気の消費が増大した状態の操縦操作において使用することができる。

0031

提案される逆転方法は、極めて一般的に、回転の方向の変更が行なわれるべきときに常に上手く利用することができる。

0032

船が上記に説明したようにそれほど高速でなくてよいということだけでなく、むしろ、プロペラを介してエンジンに十分なエネルギーを依然として供給することができるように、船が依然として十分な速度を有する必要があり、エンジンが依然としていかなる燃料の噴射もなしに回転することができるようになっており、十分なエネルギーが依然としてエンジンに供給され得り、エンジンの逆転が、依然として、可能であればいかなる始動空気もなしに、少なくとも従来技術と比較してずっと少ない始動空気で上手くいくようになっているということを、別の要件として述べる必要がある。

0033

本発明による逆転方法の第1の段階は、船の制御がAHEAD又はASTERNからSTOPに切り換えられるアイドリング段階である。エンジンは、船の継続する動きによりその元々の回転方向で回転を続ける。燃料供給が停止され、出口弁、可能であれば全てが、少なくともその複数が、最後の燃料燃焼の後、次の制御の変更まで開放したまま保持されるか、又は、シリンダ内にあるガス圧が出口弁の開放を可能にするとすぐに開放される。

0034

次に方向の変更が制御装置によって事前に定義され、エンジンが少なくとも回転の制限速度にある、又は回転の制限速度を適切に下回るならば、全ての弁が、好ましくは同時に閉鎖され、これらは、本発明による逆転方法の第2段階において掃気空気スリットより上にある。これは、全てのシリンダが、制御命令時に出口弁を直接閉鎖することによって圧縮又は真空のいずれかを生成することができることを意味する。或いは、圧縮を生成する又はこのときに制限された最大の真空を生成するシリンダと協働するシリンダのみを閉鎖する場合もある。

0035

船又はエンジンの回転が依然として速すぎる場合、すなわち制限速度にまだ達していない場合、或いはそれをまだ下げることができない場合、本発明による逆転方法の前に事前ブレーキ段階においてそれ自体既知の標準的なブレーキ・プロセスを行なうことができ、或いは、例えば出願人が、先の特許出願において既に記載したように、また、可能な事前ブレーキ・プロセスとして以下にも記載するように、迅速なブレーキ・プロセスを事前に行なうことができる。

0036

回転の制限速度に達するか、又はそれよりも下がった場合、事前ブレーキ・プロセスは終了し、出口弁は、例えば現行点火シーケンスに従って開放される。記載した第2段階が、全ての出口弁が開放したそのときに行なわれる。

0037

エンジンは、その後最終的に、空気を充填することによって、好ましくは一回転の半分未満で停止され、反対方向に再び排出される。これは、本発明の構造の範囲内でキックスタートと呼ばれる。キックスタートは、要求に応じて、例えば現在の回転速度に応じて、始動空気を供給することによって、但し従来技術の既知の慣例的なプロセスにおけるものよりも著しく少ない始動空気を供給することによって、さらに支援され得る。

0038

次いで、反対方向でのエンジンの回転又は船の加速、及び反対方向でのエンジンの始動は、好ましくは、通常の始動プロセスにおけるように、遅くとも少なくとも一回転の半分の後に開始され、それは、場合によっては、さらなる始動空気の供給によって開始されるか、又は、既にある燃料噴射によって開始され、また、それ自体既知の通常の出口弁制御の後に開始される。達成した回転速度が、エンジンの始動に不十分である場合、或いは、所望される回転方向にとって好ましくない、放出段階における真空が生成される場合、これは、始動空気の対応する供給によって修正することができる。

0039

出口弁を制御するための油圧システムが、シリンダごとに定常的に出口弁を開放した状態に維持することができない場合、リリーフ制御を使用することができる。これは、ピストンが掃気スリットの下、すなわち下死点の領域にある段階において出口弁の短時間の閉鎖と再開放によって行なわれる。

0040

逆転方法は、このように本発明によって初めて提供され、この方法によって、エンジン、特に低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンをより効率的に且つより迅速に反対の回転方向になるように逆転させることができ、同時に有用な始動空気を節約することができる。本発明による方法の特に好ましい一実施例において、例えばプロペラによってエンジンに供給されるブレーキ・エネルギーを利用しつつ、船内に全く始動空気のない状態で反対の回転方向での再始動を完璧に開始させることすら可能であり、これは、本発明による方法が、船のエンジンの逆転又はブレーキ作用に使用される場合、当然経済的な面において軽視することができない改善を表すだけでなく、特に安全性の技術の面でも多大な進歩も表している。

0041

本発明による逆転方法の好ましい一実施例において、エンジンの複数の出口弁が、所定の回転の制限速度を下回る第1のブレーキ段階において同時に開放され、又は、特に有利には、エンジンの全ての出口弁が、所定の順序で開放され、事前定義された順序は、当然ながら、エンジンの一部又は全ての出口弁が同時に開放されるというように理解することもできる。

0042

この点において、第2のブレーキ段階においてエンジンの回転速度を低下させるためのブレーキ作用は、これらのシリンダの出口弁の一部又は全てが、可能な限り同時に追加的に閉鎖されるという点で、さらに支援され得り、この場合、シリンダの掃気スリットを通る掃気空気の供給が阻止され、関連するピストンは180°から360°のクランク角度の間で膨張ストローク状態にある。

0043

キックスタート段階におけるエンジンの回転方向の逆転は、完全にシリンダへの始動空気の供給なしに、本発明によって特別に開始することができることが特に有利であり得る。或いは、エンジンの回転の方向の逆転は、圧縮ストロークにおいてシリンダの少なくとも1つに始動空気を供給することによって、キックスタート段階において支援され得る。しかしながらこのようなケースでは、本発明による逆転方法を利用することにより、従来技術と比べてかなり少ない始動空気が消費される。

0044

随意的に、先に言及し上記に詳細に記載したように、往復運動ピストン内燃機関への燃料供給は、エンジンの回転速度を最初に低下させるために、回転の所定の制限速度を上回る事前ブレーキ段階において既に中断され得り、回転速度が、下げられ、又は、回転の制限速度を下回るようになっており、本発明による逆転方法を上手く使用することができるようになっている。

0045

極めて重要な意義が、同様に、特定のケースにおける事前ブレーキ段階に起因するため、対応する特定の好適な事前ブレーキ・プロセスを、以下で異なる変形形態において詳細に記載する。具体的には、船が、比較的速い速度を有する場合、又はエンジンが依然として比較的高速の回転速度である場合、これだけではないが例えば緊急ブレーキ状態において可能な限り迅速に船にブレーキをかけることが重要である場合が多く、その結果、エンジンが回転の制限速度まで下がるようにブレーキをかけられ、本発明による逆転方法を可能な限り迅速に使用することができるようになっている。

0046

燃料供給は、単に、例えばこの目的のために事前ブレーキ段階において中断させることができるだけではない。第1のシリンダに関連する第1のピストンの上死点位置の範囲内の第1のクランク角度において、第1のシリンダの第1の出口弁の弁油圧装置の所定の最大開放圧力で、油圧媒体が追加的に提供され、第1の出口弁が、その上死点位置を第1のピストンが通過するとできるだけ早期に、第2のクランク角度で、弁油圧装置によって自動的に開放されるようになっている。したがって、油圧システムに対する最大開放圧力の印加は、対応する出口弁が上死点の後、可能な限り早期に開放されることを保証し、可能な限り少ない圧力エネルギーが、プロペラの運動に戻るように供給されるようになっている。

0047

本発明による逆転プロセスの好ましい一実施例において、第2のクランク角度は、第1のピストンの上死点と下死点との間の範囲内で、180°から360°の間の値で、好ましくは180°から225°の間の値で、又は180°から200°の間の値で、特に好ましくは第1のピストンの上死点の後180°から190°の間にある第2クランク角度で、選択される。

0048

事前ブレーキ段階のブレーキ作用をさらに改善するために、第1の出口弁は、第2のクランク角度と第1のピストンの下死点との間の範囲内において第3のクランク角度で再び閉鎖され、第1のシリンダ内に所定の真空を生成する。この措置が採られるエンジンの事前ブレーキ段階の段階に応じて、以下の肯定的な効果を実質的にもたらすことができる。

0049

第1のシリンダ内の真空の生成が、第1の回転方向におけるエンジンの回転の事前ブレーキ段階において行なわれる場合、及び、第3のクランク角度がそれに応じて選択される場合、第3のクランク角度の適切な選択によって出口弁を閉鎖することによって、第1のシリンダに真空を形成することができ、第1の回転方向における往復運動ピストン内燃機関の回転のブレーキ作用が、真空の形成によって支援されるようになっている。これにより、ピストンに対する少なくともわずかな吸引作用が生じ、ピストン運動の対応するブレーキ作用が行なわれる用になっており、エンジンから追加的に運動エネルギーを取り除き、これによりブレーキ作用を促進する。

0050

本発明による方法のさらに追加的な又は代替の措置は、下死点と上死点との間の第4のクランク角度において閉鎖される第1の出口弁を備え、好ましくは第4のクランク角度は、シリンダへの掃気空気の供給が終了した後に達成される。

0051

第4のクランク角度が往復運動ピストン内燃機関の回転のブレーキ段階において選択されており、第1の出口弁を第4のクランク角度で閉鎖することによって、第1のシリンダ内に余分な圧力が確立されるようになっている場合、これによって、第1の回転方向における往復運動ピストン内燃機関の回転のブレーキ作用は、余分な圧力の確立によって支援され得る。シリンダ内に圧力が形成されることによって、運動エネルギーが圧力エネルギーに変換されるという点で、運動エネルギーがエンジンから除去されるため、これにより、第1の回転方向におけるエンジンのブレーキ作用が極めて効果的に支援される。

0052

実際、往復運動ピストン内燃機関は、複数のシリンダを有し、複数のシリンダは、それ自体既知の方法で各々のケースにおいて少なくとも一部が異なるクランク角度で同時に配置されており、エンジンのブレーキ又は逆転を促進させるためにここで挙げられた措置を同時に採ることができるようになっており、異なる方法の累積的な効果が生まれるようになっている。

0053

本発明は、最終的に、本発明による逆転方法を実施する目的で単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態のエンジンを制御するためのデータ処理システムに設置するためのコンピュータ・プログラム製品に関し、また、本発明は、エンジン、特に、本出願において記載されるように逆転方法を実施するためのコンピュータ・プログラム製品を有するデータ処理システムを備える低速稼働の単流掃気式大型2ストローク・ディーゼル・エンジンの形態の往復運動ピストン内燃機関に関する。

0054

また、本出願に記載される本発明の実施例は、用途に応じて任意の好適な様式で組み合わせることもでき、記載される特定の実施例は単に一例として理解されるべきであるということが理解される。当業者は、記載された本発明の実施例の簡単で有利なさらなる進歩を即座に認識し、このような簡単なさらなる進歩が、当然ながら、本発明によって包含されるということを理解する。

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