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技術 感光性樹脂凸版を用いた印刷方法

出願人 東洋紡株式会社塩谷実
発明者 高橋敏高橋一雄中森雅彦立山敦志塩谷実
出願日 2014年11月7日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2014-227232
公開日 2016年5月23日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-087997
状態 特許登録済
技術分野 輪転機 平圧・円圧印刷機 印刷機の着肉、制御、洗浄 印刷方法 印刷版及びその材料
主要キーワード 圧胴ロール スイングロール 平均溝 版胴ロール スリーブ材料 中空円筒状支持体 B型粘度計 デュロメータ硬度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月23日)のものです。
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図面 (8)

課題

簡単な方法で被印刷体に対するインキの乾燥塗工厚さをスポット印刷全面印刷に好適なレベルまで増加して長時間安定印刷することができる凸版印刷法を提供する。

解決手段

輪転印刷機間欠輪転印刷機、または凸版半輪印刷機のいずれかを使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた版胴ロールインキ付けゴムロールでインキを付与し、さらにインキを付与された版胴ロール上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さが15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする。

概要

背景

感光性樹脂凸版製版は、樹脂版の表面にネガフィルムを合わせて上から露光された後、ネガフィルムを取り除いて水等で版面を洗浄して未露光部を除去し乾燥することによって行なわれる。

この感光性樹脂凸版を版胴ロールまたは平板に取り付けて印刷する凸版印刷では、樹脂版の凸状に高くなっている部分にインキを付与して、このインキを被印刷体転移することによって印刷する。例えば輪転印刷機では、図1に示すように、インキ壷に貯められたインキがインキ出しロールに付着され、ドクターロールスイングロールを経た後にインキ付けロールに付着され、そしてインキ付けロールに付着されたインキが版胴ロール上の感光性樹脂凸版に付着され、感光性樹脂凸版から圧胴ロール上の被印刷体にインキが転移することによって行なわれる。

凸版印刷は、文字や画像の一般的な印刷以外に樹脂凸版ソリッド部にインキを多く転移させて行なうスポット印刷全面印刷に使用されることがあり、スポット印刷や全面印刷では、一般印刷よりインキ塗工厚さを厚くして印刷することが多い。しかしながら、凸版印刷においてインキ壷からのインキ出しロールへのインキ供給量を増やすと、版尻にインキが溜まってきて版面以外の部分にもインキ転移が起こり、長時間の多量の印刷作業を安定して行なうことが困難であった。従って、凸版印刷においてインキを厚塗りするには、コンマコート等によるコート方式やロータリースクリーン印刷などの別工程を凸版印刷機に組み込む必要があり、その作業は煩雑で費用的にも問題があった。即ち、凸版印刷では、凸版ソリッド部のスポット印刷や全面印刷を簡単な方法で安定して行なうことが事実上ほとんど不可能であった。これに対して、感光性樹脂凸版のソリッド部の表面に網点凸凹部を製版して形成し、インキ乗り量を増やそうとしたものも提案されているが(特許文献1参照)、その効果は不十分で、その提案が必ずしも採用されるに至っていないのが現状である。

かかる従来技術の現状に対して、本出願人は、版胴ロールにインキを付与するときにインキ付けロールの周速を版胴ロールの周速より特定の範囲まで高めることにより、版胴ロールの感光性樹脂凸版上のインキ乗り量を安定して増大させる方法を提案した(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、図1に示すようなインキ付けロールと版胴ロールの間にインキを貯めることができる輪転印刷機を使用する場合には有効であるが、他の種類の凸版印刷機では両ロール間にインキ貯留部がないため、インキ付けロールの周速を版胴ロールより高めてもインキ乗り量やインキ転移量を安定して増加することができなかった。

概要

簡単な方法で被印刷体に対するインキの乾燥塗工厚さをスポット印刷や全面印刷に好適なレベルまで増加して長時間安定印刷することができる凸版印刷法を提供する。輪転印刷機、間欠輪転印刷機、または凸版半輪印刷機のいずれかを使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた版胴ロールにインキ付けゴムロールでインキを付与し、さらにインキを付与された版胴ロール上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さが15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする。

目的

本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み創案されたものであり、その目的は、簡単な方法で被印刷体に対するインキの乾燥塗工厚さをスポット印刷や全面印刷に好適なレベルまで増加して長時間安定印刷することができる凸版印刷法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

輪転印刷機間欠輪転印刷機、または凸版半輪印刷機のいずれかを使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた版胴ロールインキ付けゴムロールインキを付与し、さらにインキを付与された版胴ロール上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さ(Ra)が15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする方法。

請求項2

インキ付けゴムロールの周速が版胴ロールの周速の1.1〜1.9倍に設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

平圧凸版印刷機を使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた平板にインキ付けゴムロールでインキを付与し、さらにインキを付与された平板上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さ(Ra)が15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする方法。

請求項4

インキ付けゴムロールに接触するこなしロールの周速がインキ付けゴムロールの周速の1.1〜1.9倍に設定されることを特徴とする請求項3に記載の方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の方法で使用することを特徴とするインキ付けゴムロール。

技術分野

0001

本発明は、被印刷体に対するインキの乾燥塗工厚さを従来より厚くするための感光性樹脂凸版を用いた印刷方法に関する。

背景技術

0002

感光性樹脂凸版の製版は、樹脂版の表面にネガフィルムを合わせて上から露光された後、ネガフィルムを取り除いて水等で版面を洗浄して未露光部を除去し乾燥することによって行なわれる。

0003

この感光性樹脂凸版を版胴ロールまたは平板に取り付けて印刷する凸版印刷では、樹脂版の凸状に高くなっている部分にインキを付与して、このインキを被印刷体に転移することによって印刷する。例えば輪転印刷機では、図1に示すように、インキ壷に貯められたインキがインキ出しロールに付着され、ドクターロールスイングロールを経た後にインキ付けロールに付着され、そしてインキ付けロールに付着されたインキが版胴ロール上の感光性樹脂凸版に付着され、感光性樹脂凸版から圧胴ロール上の被印刷体にインキが転移することによって行なわれる。

0004

凸版印刷は、文字や画像の一般的な印刷以外に樹脂凸版ソリッド部にインキを多く転移させて行なうスポット印刷全面印刷に使用されることがあり、スポット印刷や全面印刷では、一般印刷よりインキ塗工厚さを厚くして印刷することが多い。しかしながら、凸版印刷においてインキ壷からのインキ出しロールへのインキ供給量を増やすと、版尻にインキが溜まってきて版面以外の部分にもインキ転移が起こり、長時間の多量の印刷作業を安定して行なうことが困難であった。従って、凸版印刷においてインキを厚塗りするには、コンマコート等によるコート方式やロータリースクリーン印刷などの別工程を凸版印刷機に組み込む必要があり、その作業は煩雑で費用的にも問題があった。即ち、凸版印刷では、凸版ソリッド部のスポット印刷や全面印刷を簡単な方法で安定して行なうことが事実上ほとんど不可能であった。これに対して、感光性樹脂凸版のソリッド部の表面に網点凸凹部を製版して形成し、インキ乗り量を増やそうとしたものも提案されているが(特許文献1参照)、その効果は不十分で、その提案が必ずしも採用されるに至っていないのが現状である。

0005

かかる従来技術の現状に対して、本出願人は、版胴ロールにインキを付与するときにインキ付けロールの周速を版胴ロールの周速より特定の範囲まで高めることにより、版胴ロールの感光性樹脂凸版上のインキ乗り量を安定して増大させる方法を提案した(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、図1に示すようなインキ付けロールと版胴ロールの間にインキを貯めることができる輪転印刷機を使用する場合には有効であるが、他の種類の凸版印刷機では両ロール間にインキ貯留部がないため、インキ付けロールの周速を版胴ロールより高めてもインキ乗り量やインキ転移量を安定して増加することができなかった。

先行技術

0006

特開平7−266733号公報
特願2014−191020号

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み創案されたものであり、その目的は、簡単な方法で被印刷体に対するインキの乾燥塗工厚さをスポット印刷や全面印刷に好適なレベルまで増加して長時間安定印刷することができる凸版印刷法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体を特定の範囲の平均溝深さ及び機械方向の表面粗さ(Ra)で粗面化するとともにインキ付与表面のショアA硬度デュロメータ硬度タイプA)を低めて表面を柔らかくすることにより、インキ付けゴムロールと版胴ロールの間のインキの貯留部の有無にかかわらずインキ付けゴムロール自体のインキ乗り量及びインキ付けゴムロールからのインキ転移量が安定して増大し、最終的に被印刷体への均一で厚いインキの乾燥塗工厚さを安定して達成することができることを見い出し、本発明の完成に至った。

0009

即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)輪転印刷機、間欠輪転印刷機、または凸版半輪印刷機のいずれかを使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた版胴ロールにインキ付けゴムロールでインキを付与し、さらにインキを付与された版胴ロール上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さが15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする方法。
(2)インキ付けゴムロールの周速が版胴ロールの周速の1.1〜1.9倍に設定されることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3)平圧凸版印刷機を使用して感光性樹脂凸版を取り付けられた平板にインキ付けゴムロールでインキを付与し、さらにインキを付与された平板上の感光性樹脂凸版から被印刷体にインキを転移して被印刷体の表面に10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する印刷方法であって、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が粗面化されており、インキ付与表面の平均溝深さが25〜100μmであり、インキ付与表面の機械方向の表面粗さ(Ra)が15〜50μmであること、及びインキ付与表面のショアA硬度が10〜40度であることを特徴とする方法。
(4)インキ付けゴムロールに接触するこなしロールの周速がインキ付けゴムロールの周速の1.1〜1.9倍に設定されることを特徴とする(3)に記載の方法。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で使用することを特徴とするインキ付けゴムロール。

発明の効果

0010

本発明の印刷方法によれば、インキ付けゴムロールのインキ付与表面を特定の範囲の機械方向の表面粗さ(Ra)、平均溝深さ、及びショアA硬度に制御しているので、インキ付与表面のインキ乗り量を安定して増大することができ、結果として被印刷体の均一で厚いインキの乾燥塗工厚さを安定して達成することができる。本発明の印刷方法によれば、従来の凸版印刷機で使用するインキ付けロールのインキ付与表面を本発明で規定した範囲の特性のものに変更するだけで均一な厚塗り印刷を安定して行なうことができ、本発明の方法は、10〜30μmの乾燥塗工厚さのインキを印刷する、部分着色や転写インキなどの特殊印刷、減感印刷などの様々なスポット印刷や全面印刷に簡単に適用可能である。

図面の簡単な説明

0011

図1は、凸版印刷法で使用される輪転印刷機におけるインキ壷から圧胴ロールまでの構成の一例を示す。
図2は、凸版印刷法で使用される間欠輪転印刷機の構成の一例を示す。
図3は、凸版印刷法で使用される凸版半輪転印刷機の構成の一例を示す。
図4は、凸版印刷法で使用される平圧凸版印刷機の構成の一例を示す。
図5は、従来例のインキ付けゴムロールのインキ付与表面の拡大写真を示す。
図6は、本発明例のインキ付けゴムロールのインキ付与表面の拡大写真を示す。
図7は、本発明の範囲外のインキ付けゴムロールのインキ付与表面の拡大写真を示す。

0012

本発明の印刷方法は、基本的にインキ付けゴムロールのインキ付与表面全体を特定の範囲の平均溝深さ及び機械方向の表面粗さ(Ra)の範囲で粗面化し、かつインキ付与表面を特定の範囲のショアA硬度で柔らかくすることによって、インキ付与表面のインキ乗り量及びインキ転移量を増大させ、被印刷体のインキの乾燥塗工厚さを増加させたことを除いて、従来公知の凸版印刷機(輪転印刷機、間欠輪転印刷機、凸版半輪転印刷機または平圧凸版印刷機)、印刷方法、及び印刷材料を使用することができるものである。なお、本発明では、被印刷体の塗工厚さは、乾燥塗工厚さを指すが、UVインキを使用する場合はUVで硬化したときの厚さを指す。

0013

本発明の印刷方法では、例えば図1に示すような機構を有する輪転印刷機、例えば図2に示すような機構を有する間欠輪転印刷機、例えば図3に示すような凸版半輪転印刷機、または例えば図4に示すような平圧凸版印刷機のいずれかの印刷機を使用する。

0014

図1に示すような輪転印刷機では、例えばインキ壷からインキ付けロール、版胴ロール、圧胴ロールまでの機構部を有する従来公知の印刷機を使用して被印刷体に凸版印刷することによって行なうことができる。この印刷機によれば、インキは、インキ壷、インキ出しロール、ドクターロール、スイングロール、インキ付けロール、版胴ロール、圧胴ロールの順に転移されることになる。但し、図1を含め以下の図では、構成部品の明瞭のため、インキ壷から圧胴ロールまでのインキは示されず、版胴ロール上の感光性樹脂凸版、さらに圧胴ロール上の被印刷体も示されていない場合がある。輪転印刷機は、もちろん図1に示すものに限定されず、インキ付けロールより上流の部分は大幅に改良可能である。また、輪転印刷機では、インキの供給は、図1に示すようなインキ壷からだけでなく、インキ供給ポンプで版胴ロールとインキ付けロールの間のインキ貯留部へ行なってもよい。

0015

図2に示すような間欠輪転印刷機は、被印刷体(原紙)をリバース送りさせることにより、図1に示す輪転印刷機の弱点であったシリンダーの径、ギヤ交換などの印刷ピッチの調整を解消したものである。この印刷機でも、インキはインキ付けロールから版胴ロールに転移されるが、輪転印刷機とは異なり、インキ付けロールと版胴ロールの間にインキ貯留部がないことが特徴である。間欠輪転印刷機は、もちろん図2に示すものに限定されず、特にインキ付けロールと版胴ロールと被印刷体の間のインキ転移部分以外の点で様々な変更が可能である。

0016

図3に示すような凸版半輪転印刷機は、感光性樹脂凸版が円筒状の版胴ロールに取り付けられ、被印刷体(原紙)の流れに対して横方向に版胴ロールを往復移動させて印刷するようにしたものである。この印刷機はコンパクトに設計され、省スペースで設置できることが特徴である。この印刷機でも、インキ付けロールと版胴ロールの間にインキ貯留部がないことが特徴である。凸版半輪転印刷機は、もちろん図3に示すものに限定されず、特にインキ付けロールと版胴ロールと被印刷体の間のインキ転移部分以外の点で様々な変更が可能である。

0017

図4に示すような平圧凸版印刷機は、平板に取り付けられた感光性樹脂凸版と圧盤が水平にセットされ、圧盤が上下運動して強い印圧を与え、インキを版面から被印刷体(原紙)の表面に転移させるようにしたものである。この印刷機は、基本的に凸版半輪転印刷機の版胴ロールの円圧を平板の平圧に変更しただけのものであり、同様の特徴を持つ。この印刷機でも、インキ付けロールと平板の間にインキ貯留部がないことが特徴である。平圧凸版印刷機は、もちろん図4に示すものに限定されず、特にインキ付けロールと平板と被印刷体の間のインキ転移部分以外の点で様々な変更が可能である。

0018

本発明の感光性樹脂凸版に使用する感光性樹脂版としては、紫外線などで硬化する市販のものが利用でき、例えばプリンタイト東洋紡)、トレリーフ(東レ)、APR(旭化成)などが使用されることができる。感光性樹脂の製版工程は、例えば樹脂原版の表面の上にネガフィルムを重ね合わせ、その上から紫外線露光した後にネガフィルムを取り除いて版面を洗浄して現像することにより行なわれる。かくして得られた凸版印刷版は、両面テープなどで版胴ロールまたは平板に取り付けられる。

0019

印刷版を版胴ロールに両面テープ等を用いて貼り付ける場合には、支持体として中空円筒状支持体を用いた円筒状凸版印刷版を用いることができる。円筒状印刷版を用いた場合には、版胴ロールに差し込んで装着させるために版胴ロールと印刷版の接着力不足を起こす心配がない。中空円筒状支持体としては、中空円筒状のスリーブ材料を用いることが好ましい。スリーブ材料の材質としては、プラスチック繊維強化されたプラスチック、金属等を挙げることができる。特に、位置合わせ用貫通孔の形成しやすさあるいは寸法安定性から、金属製中空円筒が好ましく、その材質としては、ニッケル、鉄、銅、アルミニウムクロムチタンから選択される金属単体、または前記金属の群から選択される合金を用いることができる。

0020

中空円筒状支持体上に感光性樹脂凸版を設ける方法としては、中空円筒状支持体上にウレタン接着層を塗布・乾燥した後に感光性樹脂凸版をラミネートする方法を挙げることができる。接着層を設けることで感光性樹脂凸版と支持体とを強固に接着することが可能である。また、金属支持体を用いたシート状凸版印刷原版の場合には、シート状凸版印刷原版を用いて円筒状印刷版を製造することも可能である。シート状凸版印刷原版を製版処理によって得た後に、印刷版を円筒上に変形させて重ね合わせた金属部分を接合すれは良い。接合方法としては、接着剤溶接などがある。

0021

円筒状印刷版は、中空円筒状支持体と感光性樹脂凸版との間に接着層以外に別の層を設けても良い。別の層としては、クッション層フィルムなどがある。

0022

本発明の印刷方法で使用するインキとしては、特に限定されず従来公知のものが適宜使用でき、例えばUVインキ、UVUV接着剤、UV粘着剤マスキングインキ減感インキ裏カーボンインキなどを使用することができる。インキの粘度は、インキの種類によって変動するが、インキ付けゴムローラーに付ける前のインキの粘度は、2〜200Pa.s、好ましくは3〜160Pa.sであることが一般的である。UV系材料を使用する場合は、印刷後にUV硬化工程を含む。

0023

本発明の印刷方法の最大の特徴は、インキ付けゴムロールのインキ付与表面全体が特定の範囲の平均溝深さ及び機械方向の表面粗さ(Ra)で粗面化され、かつ特定の範囲のショアA硬度で柔らかく作られていることにある。具体的には、インキ付与表面は、平均溝深さが、25〜100μm、好ましくは30〜90μm、より好ましくは35〜80μmであり、機械方向の表面粗さ(Ra)が、15〜50μm、好ましくは15〜47μm、より好ましくは20〜43μmであり、ショアA硬度が10〜40度、好ましくは12〜35度、より好ましくは15〜32度であるようにレーザ照射素材の選択等で形成される。これらの特性値測定方法は、実施例に記載の方法に従って行われる。

0024

インキ付与表面の平均溝深さは、主にインキ乗り量に影響する。平均溝深さが上記範囲より小さすぎるとインキ乗り量が低下し厚塗り印刷ができなくなり、大きすぎると均一な厚塗り印刷を安定持続させることが困難になる可能性がある。また、インキ付与表面の機械方向の表面粗さ(Ra)は、主にインキ乗り量及びインキ転移量の均一性に影響する。機械方向を規定したのは、インキ転移方向を考慮したためである。表面粗さ(Ra)が上記範囲より小さすぎても大きすぎてもインキ乗り量及びインキ転移量が全体的に不均一になる可能性がある。また、インキ付与表面のショアA硬度は、主にインキ転移量に影響する。ショアA硬度が高すぎるとインキ転移量が減少し、被写体への厚塗り印刷が困難になり、低すぎるとインキ転移量が増加するが、全体的にインキ転移が不均一になる傾向を示す可能性がある。

0025

上述のような特性値を有するインキ付けゴムロールは、インキ付けゴムロールの素材において柔軟な成分の割合を増減して調整したり、またはゴムロールへのレーザ照射による粗面化によって得られることができる。粗面化の程度は、レーザ照射のレーザ出力レーザの移動速度及び方向、レーザ照射面積等で適宜変更可能である。

0026

本発明の印刷方法では、版胴ロールを使用する印刷機の場合、版胴ロールにインキ付けゴムロールでインキを付与するときにインキ付けゴムロールの周速が版胴ロールの周速の1.1〜1.9倍、好ましくは1.15〜1.8倍、より好ましくは1.2〜1.7倍に設定されることが好ましい。この方法を併用すると、被印刷体へのインキ転移量をさらに安定して増加することができる。

0027

また、本発明の印刷方法では、平板を使用する印刷機の場合、インキ付けゴムロールに接触するこなしロールの周速がインキ付けロールよりも早い周速とすることによってインキ供給量を増加させることが好ましい。その場合、こなしロールの周速がインキ付けゴムロールの周速の1.1〜1.9倍、好ましくは1.15〜1.8倍、より好ましくは1.2〜1.7倍の範囲とすることが好ましい。

0028

本発明の印刷方法によれば、被印刷体の表面のインキの乾燥塗工厚さは10〜30μm、好ましくは11〜29μm、より好ましくは12〜28μmまで安定して達成可能である。従来の凸版印刷では、インキの乾燥塗工厚さがせいぜい最大5μm程度であることを考えると、このような簡単な方法で厚塗り印刷が安定して達成できることは驚くべきことである。

0029

本発明の印刷方法は、文字や画像の印刷以外のスポット印刷や全面印刷に好適に用いられ、例えば部分着色や転写インキなどの特殊印刷、減感印刷、UV糊、光沢ニスマットニス等、ニスを用いた擬似エンボス遮蔽性の求められる白ベタ印刷などに応用可能である。

0030

以下、実施例および比較例により本発明の効果を実証するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきではない。なお、インキの粘度は、B型粘度計を用いて25℃で測定した。

0031

(感光性樹脂凸版の製造)
市販の感光性樹脂版(商品名、プリンタイトBF95B、東洋紡製)のカバーフィルムを取り除いた後、ネガフィルムを通して波長350nmの照度が25W/m2のケミカルランプを用いて感光性樹脂表面より高さ5cmの距離から露光した。次に、ブラシ式ウォッシャー(120μmφナイロンブラシ日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で25℃の水道水現像液にして現像を行ない、更に60℃で10分間、温風乾燥した後に25W/m2のケミカルランプで5分間露光して感光性樹脂凸版を製版した。

0032

(実施例A1)
図2に示すような間欠輪転印刷機においてφ150mmの版胴ロールに上記の感光性樹脂凸版を両面テープで貼り付けて装着し、さらにインキ付けゴムロールとして、表1に記載のような平均溝深さ、機械方向の表面粗さ(Ra)、及びショアA硬度(デュロメータ硬度タイプA)のインキ付与表面を持つもの(φ50mm)を用意した。

0033

印刷用紙にコート紙グロスPW8K(リンテック(株)製)、インキにUV糊、G−7362(ノーテープ工業(株)製、粘度8Pa・s)を用い、版胴ロールの周速を40m/分、インキ付けロールの周速を40m/分として印刷を行ない、UV乾燥後のインキ塗工厚さをマイクロメーターで測定した。インキ供給量は50g/分とし、印刷速度は20m/分とした。また、印刷条件、塗工厚さ、印刷品質について表1にまとめて示した。

0034

印刷品質に関しては、30分間の印刷後の被印刷体のインキの均一性を目視で確認し、全体に完全に均一な状態が確認できる場合に、良好と表示し、全体的に均一であるが凝視すると不均一な状態を確認できる場合に、一部不良と表示し、一見して不均一な状態を容易に確認できる場合に、不良と表示した。また、インキ付与表面の平均溝深さは、デジタルマイクスコープKEYENCE社製:VHX−5000)によって表面データを取得後に分散した100箇所の位置の溝深さのデータ平均値を算出した。さらに、機械方向の表面粗さ(Ra)は、表面粗さ計(Mitutoyo社製:SURFTEST SJ−410)によって分散した100箇所の機械方向の走査方向で測定し、それらのデータの平均値を算出した。ショアA硬度は、分散した100箇所の位置でショアA硬度計によって測定し、それらのデータの平均値を算出した。

0035

(実施例A2,A3、比較例A1〜A3)
インキ付けゴムロールのインキ付与表面をそれぞれ表1に記載の特性のものに変更した以外は実施例1と同様に印刷を行ない、評価した。なお、比較例A1、実施例A1、比較例A2のインキ付けゴムロールのインキ付与表面の拡大写真を図5〜7に示す。

0036

0037

(実施例B1〜B3、比較例B1〜B3)
図3に示すような凸版半輪転印刷機においてφ200mmの版胴ロールに上記感光性樹脂凸版を両面テープで貼り付けて装着し、さらにインキ付けゴムロールとして、表2に記載のような平均溝深さ、機械方向の表面粗さ(Ra)、及びショアA硬度のインキ付与表面を持つもの(φ60mm)を用意した。

0038

印刷用紙にコート紙グロスPW8K(リンテック(株)製)、インキにUV糊、G−7362(ノーテープ工業(株)製、粘度8Pa・s)を用い、版胴ロールの周速を30m/分、インキ付けロールの周速を30m/分として印刷を行ない、UV乾燥後のインキ塗工厚さをマイクロメーターで測定した。インキ供給量は50g/分とし、印刷速度は10m/分とした。また、印刷条件、塗工厚さ、印刷品質について表2にまとめて示した。

0039

印刷品質、その他の特性値の評価は前述と同様に行なった。

0040

0041

(実施例C1〜C3、比較例C1〜C3)
図4に示すような平圧凸版印刷機において100mm×100mmの平板に上記感光性樹脂凸版を両面テープで貼り付けて装着し、さらにインキ付けゴムロールとして、表3に記載のような平均溝深さ、機械方向の表面粗さ(Ra)、及びショアA硬度のインキ付与表面を持つもの(φ50mm)を用意した。

0042

印刷用紙にコート紙グロスPW8K(リンテック(株)製)、インキにUV糊、G−7362(ノーテープ工業(株)製、粘度8Pa・s)を用い、インキ付けロールの周速を30m/分として印刷を行ない、UV乾燥後のインキ塗工厚さをマイクロメーターで測定した。インキ供給量は50g/分とし、印刷速度は10m/分とした。また、印刷条件、塗工厚さ、印刷品質について表3にまとめて示した。

0043

印刷品質、その他の特性値の評価は前述と同様に行なった。

0044

0045

(実施例D1〜D4、比較例D1〜D3)
図1に示すような輪転印刷機においてφ96mmの版胴ロールに上記感光性樹脂凸版を両面テープで貼り付けて装着し、さらにインキ付けゴムロールとして、表4に記載のような平均溝深さ、機械方向の表面粗さ(Ra)、及びショアA硬度のインキ付与表面を持つもの(φ66mm)を用意した。

0046

印刷用紙にコート紙グロスPW8K(リンテック(株)製)、インキにUV糊、G−7362(ノーテープ工業(株)製、粘度8Pa・s)を用い、版胴ロールの周速を30m/分、インキ付けロールの周速を30m/分として印刷を行ない、UV乾燥後のインキ塗工厚さをマイクロメーターで測定した。インキ供給量は50g/分とし、印刷速度は30m/分とした。また、印刷条件、塗工厚さ、印刷品質について表4にまとめて示した。なお、実施例D4に関しては、インキ付けロールの周速を45m/分に変更した。

0047

印刷品質、その他の特性値の評価は前述と同様に行なった。

実施例

0048

0049

本発明の印刷方法によれば、感光性樹脂凸版を使用して10〜30μmのインキ乾燥塗工厚さで被印刷体の均一な印刷を簡単に行なうことができ、部分着色や転写インキなどの特殊印刷、減感印刷、UV糊、光沢ニスやマットニス等、ニスを用いた擬似エンボス、遮蔽性の求められる白ベタ印刷などに極めて好適である。

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