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技術 記録方法および記録装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 後藤亮平
出願日 2015年10月16日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-204650
公開日 2016年5月19日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-083934
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 表層部材 パーフルオロカーボン化合物 赤外放射温度計 記載順序 超音波照射機 インクジェットデバイス ローラ内側 二次画像
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月19日)のものです。
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図面 (2)

課題

高い転写効率で記録を行うことができる記録方法を提供する。

解決手段

インクと接触して高粘度化する反応液中間転写体101上に付与する反応液付与工程と、反応液が付与された中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与工程と、中間画像層を記録媒体転写する転写工程と、をこの順で含む記録方法であって、反応液、インクおよび補助液からなる群から選択される少なくとも一つが特定の化合物を含み、反応液が該化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、転写工程において、中間画像層の記録媒体との接触時の温度が界面活性剤の曇点以上かつ水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度が水溶性樹脂のガラス転移点未満である記録方法。

概要

背景

インクジェット記録装置は、ランニングコストが低く、装置の小型化が可能であり、複数色のインクを用いたカラー画像記録への対応が容易である観点から、コンピュータ関係の出力機器等に幅広く利用されている。近年では、記録用紙の種類に依ることなく、高速かつ高品位画像出力が可能な記録装置が要求されている。高速かつ高品位な画像出力を達成するためには、記録用紙の繊維に沿ってインクが広がるフェザーリング等の画像劣化現象の発生を抑制することが求められる。

上記課題を解決する手段の一つとして、中間転写体を用いた転写方式の記録装置が提案されている(特許文献1から3)。転写方式の記録装置では、インクジェット記録装置により一次画像を中間転写体上に形成する。次いで転写体上で一次画像を乾燥し、転写により記録用紙上に二次画像を形成する。該記録装置を用いる方法では、転写体上で一次画像を乾燥させるため、高速かつ高品位な画像出力を達成する際に課題となるフェザーリングが生じにくい。しかしながら該方法では、画像の一部が転写されない、画像が内部で分離して中間転写体と記録用紙それぞれに分かれて転写される等の課題が発生し、良好な画像形成を行うことができない。該課題を解決する手段として、例えば予め形成したインク像に対し、水溶性樹脂を含有する第2材料を付与する方法が開示されている(特許文献4)。

概要

高い転写効率で記録を行うことができる記録方法を提供する。インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体101上に付与する反応液付与工程と、反応液が付与された中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与工程と、中間画像層を記録媒体に転写する転写工程と、をこの順で含む記録方法であって、反応液、インクおよび補助液からなる群から選択される少なくとも一つが特定の化合物を含み、反応液が該化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、転写工程において、中間画像層の記録媒体との接触時の温度が界面活性剤の曇点以上かつ水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度が水溶性樹脂のガラス転移点未満である記録方法。

目的

本発明は、高い転写効率で記録を行うことができる記録方法および記録装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

インクと接触して高粘度化する反応液中間転写体上に付与する反応液付与工程と、前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与工程と、前記中間画像層を記録媒体転写する転写工程と、をこの順で含む記録方法であって、前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つが下記式(1)で表される化合物を含み、前記反応液が下記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、前記転写工程において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度が前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度が前記水溶性樹脂のガラス転移点未満であることを特徴とする記録方法。(式(1)において、w、xは2価の有機基である。a、bは水素または1価の有機基である。n、lは1以上であり、n+lは2以上300以下である。mは1以上70以下である。p、qは0または1である。)

請求項2

前記反応液の前記中間転写体との静的接触角が20°以下である請求項1に記載の記録方法。

請求項3

前記転写工程において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度と、前記水溶性樹脂のガラス転移点との差が0℃以上35℃以下である請求項1又は2に記載の記録方法。

請求項4

前記水溶性樹脂の重量平均分子量が2000以上10000以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の記録方法。

請求項5

前記界面活性剤が、前記反応液付与工程において前記反応液を前記中間転写体に対して均一に塗布できる成分である請求項1から4のいずれか1項に記載の記録方法。

請求項6

前記界面活性剤がフッ素原子を含む界面活性剤である請求項1から5のいずれか1項に記載の記録方法。

請求項7

前記補助液付与工程の後であって前記転写工程の前に、前記中間画像層を乾燥する乾燥工程を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の記録方法。

請求項8

インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する反応液付与手段と、前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成手段と、前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与手段と、前記中間画像層を記録媒体に転写する転写手段と、を備える記録装置であって、前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つが下記式(1)で表される化合物を含み、前記反応液が下記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、前記転写手段において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度が前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度が前記水溶性樹脂のガラス転移点未満であることを特徴とする記録装置。(式(1)において、w、xは2価の有機基である。a、bは水素または1価の有機基である。n、lは1以上であり、n+lは2以上300以下である。mは1以上70以下である。p、qは0または1である。)

技術分野

0001

本発明は記録方法および記録装置に関する。

背景技術

0002

インクジェット記録装置は、ランニングコストが低く、装置の小型化が可能であり、複数色のインクを用いたカラー画像記録への対応が容易である観点から、コンピュータ関係の出力機器等に幅広く利用されている。近年では、記録用紙の種類に依ることなく、高速かつ高品位画像出力が可能な記録装置が要求されている。高速かつ高品位な画像出力を達成するためには、記録用紙の繊維に沿ってインクが広がるフェザーリング等の画像劣化現象の発生を抑制することが求められる。

0003

上記課題を解決する手段の一つとして、中間転写体を用いた転写方式の記録装置が提案されている(特許文献1から3)。転写方式の記録装置では、インクジェット記録装置により一次画像を中間転写体上に形成する。次いで転写体上で一次画像を乾燥し、転写により記録用紙上に二次画像を形成する。該記録装置を用いる方法では、転写体上で一次画像を乾燥させるため、高速かつ高品位な画像出力を達成する際に課題となるフェザーリングが生じにくい。しかしながら該方法では、画像の一部が転写されない、画像が内部で分離して中間転写体と記録用紙それぞれに分かれて転写される等の課題が発生し、良好な画像形成を行うことができない。該課題を解決する手段として、例えば予め形成したインク像に対し、水溶性樹脂を含有する第2材料を付与する方法が開示されている(特許文献4)。

先行技術

0004

米国特許第4538156号明細書
米国特許第5099256号明細書
特開昭62−92849号公報
特許第4834300号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献4に開示された方法では、記録用紙上への転写性の向上と、形成された転写画像耐擦過性の向上を目的として、水溶性樹脂を含有する第2材料を用いている。しかしながら、本発明者の検討により、特許文献4に開示された方法では、特に記録面の平滑性が低い上質紙等の記録用紙を用いた場合に、画像の記録用紙への転写性が低下する、即ち転写効率が低下することがわかり、更なる改良が望まれる。

0006

本発明は、高い転写効率で記録を行うことができる記録方法および記録装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る記録方法は、インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する反応液付与工程と、
前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、
前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与工程と、
前記中間画像層を記録媒体に転写する転写工程と、
をこの順で含む記録方法であって、
前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つが下記式(1)で表される化合物を含み、
前記反応液が下記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、
前記転写工程において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度が前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度が前記水溶性樹脂のガラス転移点未満であることを特徴とする。

0008

0009

(式(1)において、w、xは2価の有機基である。a、bは水素または1価の有機基である。n、lは1以上であり、n+lは2以上300以下である。mは1以上70以下である。p、qは0または1である。)。

0010

本発明に係る記録装置は、インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する反応液付与手段と、
前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成手段と、
前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与手段と、
前記中間画像層を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える記録装置であって、
前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つが前記式(1)で表される化合物を含み、
前記反応液が前記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含み、
前記転写手段において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度が前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度が前記水溶性樹脂のガラス転移点未満であることを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、高い転写効率で記録を行うことができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明に係る記録装置の一例を示す断面図である。

0013

〔記録方法〕
本発明に係る記録方法は、インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する反応液付与工程と、前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程とを含む。また、該方法は、前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与工程と、前記中間画像層を記録媒体に転写する転写工程とを含む。これらの工程は、記載順序で含まれる。前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つは下記式(1)で表される化合物を含む。前記反応液は下記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含む。前記転写工程において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度は前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度は前記水溶性樹脂のガラス転移点未満である。

0014

0015

前記式(1)において、w、xは2価の有機基である。a、bは水素または1価の有機基である。n、lは1以上であり、n+lは2以上300以下である。mは1以上70以下である。p、qは0または1である。

0016

前記式(1)で表される化合物は界面活性剤であり、前記補助液に含まれる水溶性樹脂との間で水素結合を形成する。これにより、中間画像層において、前記式(1)で示される化合物と水溶性樹脂との間に分子間相互作用が生じ、水溶性樹脂を介した集合体が形成され、中間画像層が増粘する。その結果、転写工程において、中間画像層と記録媒体との間の密着力が、中間画像層と中間転写体との間の密着力よりも十分に大きくなり、記録媒体として低平滑性の記録用紙を用いた場合にも、中間画像が記録媒体に対して効率よく転写される。また、反応液に含まれる前記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤は、その曇点以上に加熱されると水溶性樹脂との間の相互作用が低下する。その結果、該界面活性剤による、前記式(1)で示される化合物と水溶性樹脂との間の相互作用の阻害効果が低下し、転写効率が向上する。さらに、中間画像層の記録媒体との接触時の温度を水溶性樹脂のガラス転移点以上とすることで、水溶性樹脂の流動性が高まり、中間画像層と記録媒体との密着性が向上する。次いで、中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度を水溶性樹脂のガラス転移点未満とすることで、水溶性樹脂がガラス状態となり、中間画像層と記録媒体との界面剥離が生じにくくなる。これらが総合的に記録媒体への画像転写の効率を向上させ、結果的にきわめて良好な記録を可能とする。以下、本発明に係る方法の詳細について説明する。

0017

(反応液付与工程)
本工程では、インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する。

0018

<反応液>
本発明に係る反応液は、インクと接触して高粘度化する液体である。即ち、本発明に係る反応液とインクとが接触すると、該反応液のインクとの接触部分の粘度は該反応液単独の粘度よりも向上する。なお、反応液がインクと接触することにより高粘度化することは、レオメーター商品名:AR−G2、TA Instruments社製)により粘度を測定することで判断することができる。反応液は、例えばインクを高粘度化する成分(以下、インク高粘度化成分とも記す)、界面活性剤、溶剤を含むことができる。反応液を中間転写体に均一に薄層に塗布する観点から、反応液の中間転写体との静的接触角は、20°以下であることが好ましく、15°以下であることがより好ましい。なお、静的接触角は後述する方法により測定した値である。

0019

[インク高粘度化成分]
本発明に係る反応液は、インク高粘度化成分を含有することができる。ここで、インクの高粘度化とは、インクに含まれる色材樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、または物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材などのインクに含まれる成分の一部が凝集することにより局所的に粘度上昇が生じる場合をも含む。

0020

インク高粘度化成分は、中間転写体上においてインクの少なくとも一部の流動性を低下させて、画像形成時のブリーディングビーディングを抑制することができる。インク高粘度化成分としては、例えば多価金属イオン有機酸カチオンポリマー多孔質性粒子などを用いることができる。これらの中でも、インク高粘度化成分としては、多価金属イオンまたは有機酸が好ましい。

0021

多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。有機酸としては、例えば、シュウ酸ポリアクリル酸ギ酸酢酸プロピオン酸グリコール酸マロン酸リンゴ酸マレイン酸アスコルビン酸レブリン酸コハク酸グルタル酸グルタミン酸フマル酸クエン酸酒石酸乳酸ピロリドンカルボン酸ピロンカルボン酸ピロールカルボン酸、フランカルボン酸ピリジンカルボン酸クマリン酸チオフェンカルボン酸ニコチン酸オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。これらのインク高粘度化成分は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。

0022

[界面活性剤]
本発明に係る反応液、後述するインクおよび補助液からなる群から選択される少なくとも一つは、界面活性剤として前記式(1)で表される化合物を含む。前記式(1)で表される化合物は、反応液、インクおよび補助液からなる群から選択される少なくとも二つに含まれることが好ましい。前記式(1)において、wおよびxは2価の有機基である。2価の有機基としては、例えばメチレン基等が挙げられる。wとxとは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。前記式(1)において、aおよびbは水素または1価の有機基である。1価の有機基としては、例えばメチル基等が挙げられる。aとbとは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。n+lは2以上300以下であり、2以上150以下であることが好ましく、2以上80以下であることがより好ましい。また、nおよびlは、それぞれ1以上であり、1以上75以下であることが好ましく、1以上40以下であることがより好ましい。mは1以上70以下であり、1以上60以下であることが好ましく、1以上20以下であることがより好ましい。pおよびqは0または1である。即ち、wおよびxは任意の基である。なお、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位は、化合物の製造過程で付加数にばらつきが生じ、混合物として得られる場合がある。したがって、l、m、nは製品の表示においては平均値を示し、整数以外の場合がある。

0023

前記式(1)で表される化合物の具体例としては、市販品ではアデカプルロニックL31(商品名、株式会社ADEKA製、以下L31とも示す)、アデカプルロニックL34(商品名、株式会社ADEKA製、以下L34とも示す)等が挙げられる。アデカプルロニックL31(商品名、株式会社ADEKA製)の構造は、前記式(1)においてa=H、b=H、n=1.5、l=1.5、m=16、p=0、q=0である。また、アデカプルロニックL34(商品名、株式会社ADEKA製)の構造は、前記式(1)においてa=H、b=H、n=7、l=7、m=16、p=0、q=0である。例えば、アデカプルロニックL31(商品名、株式会社ADEKA製)は分子内に水素結合可能な部位を2箇所有している。これら水素結合可能な部位の存在により、この化合物は水溶性樹脂を介して集合体を形成することができる。この集合体が中間画像層を増粘させる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。反応液が前記式(1)で表される化合物を含む場合、反応液中の前記式(1)で表される化合物の含有量は、反応液全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。

0024

また、本発明に係る方法では、反応液は、前記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含む。該界面活性剤は、反応液を中間転写体に対して均一に塗布できる成分であることが好ましい。即ち、該界面活性剤は、反応液を中間転写体の表面に塗布した際に得られる反応液の層の厚みを一定にできる成分であることが好ましい。また、該界面活性剤は、反応液の中間転写体との静的接触角を20°以下とする成分であることが好ましい。このような界面活性剤としては、フッ素原子を含む界面活性剤である含フッ素界面活性剤等が挙げられる。市販品では、例えばF−444(商品名、DIC(株)製)、TF−2066(商品名、DIC(株)製)、FS3100(商品名、デュポン社製)等が挙げられる。該界面活性剤の曇点は、40℃以上100℃以下であることが好ましい。なお、界面活性剤の曇点は後述する方法により測定した値である。反応液中の該界面活性剤の含有量は、反応液全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。なお、該界面活性剤の含有量により、反応液の表面張力や粘度も適宜調整することができる。

0025

[溶剤]
反応液は、溶剤として適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。水としては、イオン交換処理等により脱イオンした水が好ましい。有機溶剤としては特に限定されない。

0026

また、反応液は上記成分以外の各種樹脂を含んでもよい。適当な樹脂を含むことにより、転写時の記録媒体への接着性を良好にしたり、最終画像機械強度を高めたりすることができる。樹脂の材料としては、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に限定されない。

0027

<反応液の付与>
中間転写体の表面へ反応液を付与する方法としては、例えばダイコーティングブレードコーティンググラビアローラーオフセットローラーを用いる方法、スプレーコーティング等が挙げられる。また、インクジェットデバイスを用いて反応液を付与する方法も好ましい。さらに、いくつかの方法を複数組み合わせることもできる。反応液は中間転写体の表面全体に付与してもよく、後述する中間画像を形成する領域にのみ付与してもよい。

0028

(中間画像形成工程)
次に、本工程では、前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する。ここで、中間画像とは、中間転写体上に形成され、最終的に記録媒体へ転写されるまでの画像を示す。中間画像は転写前の画像であるため、最終的に得られる画像に対してミラー反転している。

0029

<インク>
本発明に係るインクは、例えば色材、樹脂粒子、界面活性剤、溶剤、およびその他添加剤を含むことができる。色材として顔料を用いる場合には、該インクは顔料分散剤を含むことができる。

0030

[色材]
色材としては、染料や、カーボンブラック有機顔料等の顔料を用いることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも色材としては、記録物耐久性や品位の観点から顔料が好ましい。

0031

[顔料]
顔料としては特に限定されないが、無機顔料、有機顔料を用いることができる。例えば、C.I.(カラーインデックスナンバーで表される顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。色材として顔料を用いる場合、インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対して0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。

0032

[顔料分散剤]
顔料を分散させる分散剤である顔料分散剤としては特に限定されないが、構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の顔料分散剤が好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含むモノマーを共重合させて得られる樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。該疎水性モノマーとしては特に限定されないが、例えばスチレンスチレン誘導体アルキルメタアクリレートベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、該親水性モノマーとしては特に限定されないが、アクリル酸メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0033

前記顔料分散剤の酸価は、50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、該顔料分散剤の重量平均分子量は、1000以上50000以下であることが好ましい。なお、酸価は電位自動滴定装置AT−610(商品名、京都電子工業株式会社製)により測定した値である。また、重量平均分子量は沈降速度法により測定した値である。前記顔料と前記顔料分散剤との配合比(顔料:顔料分散剤質量比)としては、1:0.1〜1:3であることが好ましい。なお、顔料分散剤を用いずに、顔料として、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることもできる。

0034

[樹脂粒子]
インクは樹脂粒子を含むことが、画像品位定着性を向上できる場合があるため好ましい。樹脂粒子の材質としては、特に限定されないが、例えばポリオレフィンポリスチレンポリウレタンポリエステルポリエーテルポリ尿素ポリアミドポリビニルアルコールポリ(メタ)アクリル酸およびその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルポリジエン等の単独重合物またはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。これらの材質は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。樹脂粒子に含まれる樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下が好ましい。また、インク中の樹脂粒子の含有量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、2質量%以上40質量%以下がより好ましい。

0035

インクに樹脂粒子を添加する際には、樹脂粒子が液中に分散した樹脂粒子分散体として添加することが好ましい。樹脂粒子分散体としては特に限定されないが、解離性基を有するモノマーを単独重合させた樹脂、または複数種の該モノマーを共重合させた樹脂を分散させたいわゆる自己分散型樹脂粒子分散体が好ましい。ここで、解離性基としてはカルボキシル基スルホン酸基リン酸基等が挙げられる。解離性基を有するモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、樹脂粒子分散体としては、乳化剤により樹脂粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂粒子分散体も好ましく用いることができる。ここで、乳化剤としては、ノニオン性界面活性剤、樹脂粒子と同じ極性電荷を有する界面活性剤が好ましく用いられる。樹脂粒子分散体の分散粒径は、10nm以上1000nm以下が好ましく、100nm以上500nm以下がより好ましい。また、樹脂粒子分散体を調製する際には、安定化のために各種添加剤を加えることが好ましい。該添加剤としては、例えば、n−ヘキサデカンメタクリル酸ドデシルメタクリル酸ステアリルクロロベンゼンドデシルメルカプタンオリーブ油ブルーイング剤(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0036

[界面活性剤]
インクは、界面活性剤として前記式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。なお、本発明に係る方法では、前記式(1)で表される化合物は、反応液、インクおよび補助液のいずれかには少なくとも含まれる。インクが前記式(1)で表される化合物を含む場合、インク中の前記式(1)で表される化合物の含有量は、インク全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。

0037

また、インクは前記式(1)で示される化合物以外の界面活性剤を含んでもよい。該界面活性剤としては、市販品では、例えばアセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。

0038

[溶剤]
インクは、溶剤として水および/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換処理等により脱イオンされた水であることが好ましい。インクが水を含む場合、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の種類は特に限定されないが、例えば、グリセリンジエチレングリコールポリエチレングリコール2−ピロリドン等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。インクが水溶性有機溶剤を含む場合、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。

0039

[その他添加剤]
インクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤防錆剤防腐剤防黴剤酸化防止剤還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤粘度調整剤などのその他添加剤を含有してもよい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0040

<インクの付与>
インクの付与は、インクジェットデバイスを用いて行われることが好ましい。インクジェットデバイスとしては、例えば電気熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本発明では、いずれの形態のインクジェットデバイスも用いることができるが、高速で高密度の記録を行うことができる観点から、電気−熱変換体を利用した形態のインクジェットデバイスが好ましい。インクジェットデバイス全体の形態は特に限定されない。例えば、中間転写体の進行方向と垂直にヘッド走査しながら記録を行う、いわゆるシャトル形態のインクジェットヘッドや、中間転写体の進行方向に対し略垂直(すなわちドラム形状の場合は軸方向に略平行)にインクの吐出口をライン状に配列した、いわゆるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることができる。

0041

インクは、中間転写体上に付与された反応液と少なくとも一部で重なるように付与されるが、中間転写体上に付与された反応液と完全に重なるように付与されることが好ましい。これにより、中間転写体上に中間画像が形成される。

0042

(補助液付与工程)
次に、本工程では、前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する。

0043

<補助液>
補助液は、例えば水溶性樹脂、界面活性剤、および溶剤を含むことができる。

0044

[水溶性樹脂]
水溶性樹脂は特に限定されないが、補助液を付与する手段によって水溶性樹脂の種類を適宜選択することが好ましい。例えば、補助液を付与する手段として上述したインクジェットデバイスを用いる場合には、重量平均分子量が2000以上10000以下の範囲内の水溶性樹脂が好ましく、重量平均分子量が5000以上10000以下の範囲内の水溶性樹脂がより好ましい。また、補助液を付与する手段としてローラ塗布手段を用いる場合には、重量平均分子量がより大きな水溶性樹脂を用いることができる。

0045

水溶性樹脂としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体イタコン酸イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体酢酸ビニルビニルアルコールビニルピロリドンアクリルアミドから選ばれる少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)を共重合して得られるブロック共重合体ランダム共重合体グラフト共重合体、これらの塩等が挙げられる。また、ロジンシェラックデンプン等の天然樹脂も使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂である。これらの水溶性樹脂は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。水溶性樹脂のガラス転移点は40℃以上120℃以下であることが好ましい。なお、水溶性樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量分析装置(メトラートレド製)にて測定した値である。補助液中の水溶性樹脂の含有量は、補助液の全質量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。

0046

[界面活性剤]
補助液は、界面活性剤として前記式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。なお、本発明に係る方法では、前記式(1)で表される化合物は、反応液、インクおよび補助液のいずれかには少なくとも含まれる。補助液が前記式(1)で表される化合物を含む場合、補助液中の前記式(1)で表される化合物の含有量は、補助液全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。

0047

また、補助液は前記式(1)で示される化合物以外の界面活性剤を含んでもよい。該界面活性剤としては、市販品では、例えばアセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。補助液中の界面活性剤の含有量は、補助液全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。

0048

[溶剤]
補助液は、溶剤として適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。水としては、イオン交換処理等により脱イオンした水が好ましい。有機溶剤としては特に限定されない。

0049

<補助液の付与>
補助液の付与方法は特に限定されないが、例えば上述したインクジェットデバイスを用いて補助液の付与を行う方法が挙げられる。補助液は、中間画像と少なくとも一部で重なるように付与されるが、中間画像と完全に重なるように付与されることが好ましい。これにより、中間転写体上に中間画像層が形成される。この際、中間画像層において、前記式(1)で示される化合物と水溶性樹脂との間に分子間相互作用が生じ、水溶性樹脂を介した集合体が形成され、中間画像層が増粘する。

0050

(乾燥工程)
本発明に係る方法は、前記補助液付与工程の後であって後述する転写工程の前に、前記中間画像層を乾燥する乾燥工程を含むことが好ましい。中間画像層が液体を余剰に含む場合、転写工程において余剰の液体がはみ出したりあふれ出したりして、画像乱れや転写不良が生じる場合があるためである。乾燥方法としては、例えば加熱による方法、低湿空気等を送風する方法、減圧する方法、またこれらを組み合わせる方法が挙げられる。また、自然乾燥することもできる。

0051

中間画像層を加熱する場合には、例えばハロゲンランプ等を用いて加熱することができる。また、中間画像層に加えて、記録媒体を加熱することが好ましい。中間画像層と記録媒体との両方ともを加熱することにより、転写工程における中間画像層と記録媒体の温度を制御することができる。なお、加熱は補助液付与工程時にも行われてもよく、転写工程時にも行われてもよい。また、各工程において加熱温度を変更してもよい。

0052

(転写工程)
次に、本工程では、前記中間画像層を記録媒体に転写する。中間画像層の記録媒体への転写は、中間転写体と記録媒体とを圧着することで行うことができる。中間転写体と記録媒体との圧着方法については特に制限はないが、加圧ローラを用いて記録媒体を中間画像層の形成された中間転写体との間に挟んで加圧する方法が、効率良く中間画像が転写されるため好ましい。また多段階で加圧することも転写不良を軽減できる場合があるため好ましい。

0053

加圧ローラの内側には、転写時の温度制御のため、加熱ヒータが配置されていることが好ましい。加熱ヒータはローラ内側の一部に配置されていてもよいが、ローラ内側全体に配置されていることが好ましい。後述するように使用する水溶性樹脂の種類によって任意の温度で転写を行うことが好ましく、例えば加熱ヒータは加圧ローラの表面を25℃から140℃までの任意の温度まで加熱できることが好ましい。

0054

記録媒体としては特に限定されないが、記録面の平滑性が低い上質紙等の記録用紙を用いることが、本発明の効果をより効果的に得ることができるため好ましい。

0055

中間画像層の記録媒体との接触時の温度は、反応液に含まれる前記式(1)で表される化合物以外の界面活性剤の曇点以上かつ水溶性樹脂のガラス転移点以上である。また、中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度は、水溶性樹脂のガラス転移点未満である。接触時に中間画像層の温度が、反応液に含まれる前記式(1)で表される化合物以外の界面活性剤の曇点以上であることにより、該界面活性剤による、前記式(1)で示される化合物と水溶性樹脂との間の相互作用の阻害効果を低減でき、転写効率を向上させることができる。また、接触時に中間画像層の温度が水溶性樹脂のガラス転移点以上であることにより、水溶性樹脂の流動性が上昇し、記録媒体と中間画像層との密着性が向上する。次いで、剥離時に中間画像層の温度が水溶性樹脂のガラス転移点未満であることにより、水溶性樹脂がガラス状態となり、中間画像層と記録媒体との界面剥離が生じにくくなる。その結果、記録媒体への転写効率を向上させることができる。なお、中間画像層の記録媒体との接触時の温度とは、中間画像層の少なくとも一部が記録媒体に接触した時点での中間画像層の温度を示す。また、中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度とは、中間画像層が全て記録媒体に転写された時点での中間画像層(画像)の温度を示す。また、中間画像層の温度は赤外放射温度計を用いて測定した値である。

0056

中間画像層の記録媒体との接触時の温度と、水溶性樹脂のガラス転移点との差は、0℃以上35℃以下であることが好ましく、10℃以上35℃以下であることがより好ましい。また、中間画像層の記録媒体との接触時の温度と、反応液に含まれる前記式(1)で表される化合物以外の界面活性剤の曇点との差は、1℃以上60℃以下であることが好ましい。また、中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度と、水溶性樹脂のガラス転移点との差は、50℃以上140℃以下であることが好ましい。

0057

中間画像層の記録媒体との接触時の温度は、50℃以上140℃以下であることが好ましい。中間画像層の中間転写体からの剥離時の温度は、25℃以上70℃以下であることが好ましい。

0058

定着工程)
本発明に係る方法では、前記転写工程の後に、画像を記録媒体に定着させる定着工程を行ってもよい。例えば、画像記録が行われた記録媒体をローラで加圧し、記録媒体と画像との定着性を高めることができる。また、記録媒体を加熱することで画像の定着性を向上させてもよい。特に、加熱ローラを用いて記録媒体を加熱しながら加圧することが好ましい。

0059

〔記録装置〕
本発明に係る記録装置は、インクと接触して高粘度化する反応液を中間転写体上に付与する反応液付与手段と、前記反応液が付与された前記中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成手段とを備える。また、該装置は、前記中間画像上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像層を形成する補助液付与手段と、前記中間画像層を記録媒体に転写する転写手段とを備える。前記反応液、前記インクおよび前記補助液からなる群から選択される少なくとも一つは、前記式(1)で表される化合物を含む。前記反応液は、前記式(1)で表される化合物以外の曇点を有する界面活性剤を含む。前記転写手段において、前記中間画像層の前記記録媒体との接触時の温度は、前記界面活性剤の曇点以上かつ前記水溶性樹脂のガラス転移点以上であり、かつ前記中間画像層の前記中間転写体からの剥離時の温度は、前記水溶性樹脂のガラス転移点未満である。反応液付与手段は反応液を備えることができる。中間画像形成手段はインクを備えることができる。補助液付与手段は補助液を備えることができる。本発明に係る記録装置によれば、本発明に係る記録方法を好適に実施することができる。以下、図1を用いて本発明に係る記録装置の一例を説明する。なお、本発明に係る記録装置は、図1に示される記録装置に限定されない。

0060

図1は、本発明に係る記録装置の一例である転写式インクジェット記録装置を示した図である。中間転写体101は、反応液、インクおよび補助液を保持し、中間画像を形成する基材である。図1に示される中間転写体101は、中間転写体101をハンドリングし必要な力を伝達するための支持部材102と、支持部材102上に配置され、中間画像を形成するための表層部材104とを備える。また、中間転写体101の内部には加熱ヒータ112が配置されている。

0061

中間転写体101の形状としては、シート形状、ローラ形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウエブ形状等が挙げられる。これらの中でも、ドラム形状、ベルト形状または無端ウエブ形状の中間転写体は、同一の中間転写体を連続して繰り返し使用することができるため、生産性の観点から好ましい。図1では中間転写体101の形状はドラム形状である。また、中間転写体101の大きさは、目的の画像の大きさに合わせて適宜選択することができる。

0062

支持部材102は、搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の構造強度を有することが好ましい。支持部材102の材質としては、金属、セラミック、樹脂が好ましい。これらの中でも、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度を満たし、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上できる観点から、アルミニウム、鉄、ステンレスアセタール樹脂エポキシ樹脂ポリイミドポリエチレンポリエチレンテレフタレートナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクスアルミナセラミクスがより好ましい。これらの材質は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0063

表層部材104は、紙などの記録媒体に中間画像を圧着させて中間画像を転写させるため、ある程度の弾性を有することが好ましい。記録媒体として紙を用いる場合には、表層部材104の硬度は、デュロメータ・タイプA(JIS・K6253準拠)硬度が10〜100°の範囲内であることが好ましく、20〜60°の範囲内であることがより好ましい。

0064

表層部材104の材質としては、ポリマー、セラミック、金属などの各種材料を適宜用いることができる。しかしながら、ある程度の弾性を有し、加工性が高い観点から、各種ゴム材料、およびエラストマー材料が好ましく用いられる。表層部材104の材質としては、具体的には、ポリブタジエン系ゴムニトリル系ゴムクロロプレン系ゴムシリコーン系ゴムフッ素系ゴムウレタンゴムスチレン系エラストマーオレフィン系エラストマー塩化ビニルエラストマーエステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が好ましい。また、表層部材104の材質としては、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネートシロキサン化合物パーフルオロカーボン化合物等も好適に用いることができる。特に、ニトリルブタジエンゴムシリコーンゴムフッ素ゴムウレタンゴムは、寸法安定性、耐久性、耐熱性等の観点からより好ましい。これらの材質は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0065

また、表層部材104は複数の材料を積層して形成された物であってもよい。例えば、無端ベルト形状のウレタンゴムにシリコーンゴムが被膜された部材、PETフィルム上にシリコーンゴムが積層されたシートウレタンゴムシート上にポリシロキサン化合物成膜された部材等が好ましく用いられる。また、綿布、ポリエステル、レーヨン等の織布を基布として、該基布にニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム等のゴム材料を含浸させたシートも好適に用いることができる。

0066

また、表層部材104には適当な表面処理が施されていてもよい。該表面処理としては、例えばフレーム処理コロナ処理プラズマ処理研磨処理粗化処理活性エネルギー線(UV、IR、RFなど)照射処理オゾン処理界面活性剤処理シランカップリング処理等が挙げられる。これらの表面処理は複数を組み合わせて実施されていてもよい。また、表層部材104と支持部材102との間には、これらを固定し保持するための各種接着材両面テープ等が存在していても良い。

0067

中間転写体101は軸106を中心として矢印方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動する。図1では、反応液付与手段としてローラ式塗布装置105が配置されている。これにより反応液が中間転写体101の表面に連続的に付与される。ローラ式塗布装置105の下流には、中間画像形成手段としてインクジェットデバイス103が配置されている。インクジェットデバイス103から中間画像形成用のインクが吐出され、反応液が付与された中間転写体101上に中間画像が形成される。インクジェットデバイス103の下流には、補助液付与手段としてインクジェットデバイス107が配置されている。補助液吐出用のインクジェットデバイス107から中間画像上に補助液が吐出され、中間転写体101上に中間画像層が形成される。インクジェットデバイス107の下流には、中間画像を構成するインク中の液体分を減少させる目的で送風装置110が配置されている。これにより中間画像を構成するインク中の液体分が減少し、転写時の画像の乱れが抑制される。送風装置110の下流である画像転写部131には、中間転写体101上に形成されている中間画像層に、搬送ローラ114および搬送ガイド109により搬送される記録媒体108を接触させ、中間画像を転写させるための加圧ローラ113が転写手段として配置されている。中間転写体101と加圧ローラ113との間に、中間画像層と記録媒体108を挟み込むようにして加圧することで、効率良く記録媒体108に中間画像層を転写することができる。この時、中間画像層の記録媒体108との接触時の温度を、反応液に含まれる前記式(1)で表される化合物以外の界面活性剤の曇点以上かつ水溶性樹脂のガラス転移点以上にする。また、中間画像層の中間転写体101からの剥離時の温度を水溶性樹脂のガラス転移点未満にする。以上により、記録媒体108に画像が記録される。

0068

以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、文中の「部」および「%」とあるものは特に断りのない限り質量基準である。

0069

[実施例1]
(反応液の調製)
グルタル酸30部、グリセリン7部、界面活性剤(商品名:F−444、DIC(株)製、曇点80℃)5部、およびイオン交換水58部を混合し、十分攪拌した。その後、これをポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することにより、反応液を調製した。なお、界面活性剤の曇点は、界面活性剤の1質量%水溶液を加熱することで測定した。また、反応液の中間転写体との静的接触角は12°であった。該静的接触角は接触角計(商品名:CA−W、協和界面科学株式会社製)により測定した。

0070

(インクの調製)
ブラック顔料分散液の調製>
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製)10部、顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチルアクリル酸共重合体(酸価:150、重量平均分子量:8,000)、固形分20質量%、水酸化カリウムにて中和済み)15部、および純水75部を混合した。これをバッチ式縦型サンドミルアイメックス製)に仕込み、さらに0.3mm径ジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去し、顔料濃度が10質量%のブラック顔料分散液を得た。

0071

<樹脂粒子分散体の調製>
ブチルメタクリレート18部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、乳化剤(商品名:NIKKOL BC15、日光ケミカルズ製)の6質量%水溶液78部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に、該混合物に対して超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行った。反応液を室温に冷却した後、ろ過して濃度20質量%の樹脂粒子分散体を得た。

0072

前記ブラック顔料分散液5部、前記樹脂粒子分散体30部、グリセリン5部、ジエチレングリコール4部、界面活性剤(商品名:アデカプルロニックL31、(株)ADEKA製、曇点39℃)1部、およびイオン交換水55部を混合し、十分撹拌した。その後、これをポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することにより、インクを調製した。なお、前記反応液は該インクと接触することで高粘度化する。

0073

(補助液の調製)
前記樹脂粒子分散体30部、水溶性樹脂水溶液(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:87、重量平均分子量:8,600、ガラス転移点:80℃)、固形分20質量%、水酸化カリウムにて中和済み)3部、グリセリン5部、ジエチレングリコール4部、界面活性剤(商品名:アデカプルロニックL31、(株)ADEKA製、曇点39℃)1部、およびイオン交換水57部を混合し、十分撹拌した。その後、これをポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することにより、補助液を調製した。なお、水溶性樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量分析装置(メトラートレド製)にて測定した。

0074

(画像の記録)
本実施例では、図1に示される記録装置を用いて、前述した方法により画像の記録を行った。中間転写体の支持部材102としては、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度を満たし、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上させる観点から、アルミニウム合金からなる円筒形ドラムを用いた。中間転写体の表層部材104としては、以下の材料を用いた。厚さ0.5mmのPETシート上にゴム硬度40°のシリコーンゴム(商品名:KE12、信越化学製)を0.2mmの厚さでコーティングした。この表面に、常圧プラズマ処理装置(商品名:ST−7000、キーエンス社製)を用いて、処理距離:5mm、プラズマモード:High、処理速度:100mm/secの条件にてプラズマ表面処理を施した。さらに、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む市販の中性洗剤を3質量%となるように純水で希釈した界面活性剤水溶液に前記表面を10秒間浸漬させ、界面活性剤処理を行った。その後、水洗、乾燥して表層部材104を得た。これを両面粘着テープにより支持部材102に固定して用いた。

0075

インクジェットデバイス103としては、電気熱変換素子(電気−熱変換体)を用いてオンデマンド方式にてインクの吐出を行うタイプのデバイスを、吐出口が中間転写体101の軸106と略平行にライン状に配列されたラインヘッド形態のインクジェットヘッドと組み合わせて使用した。記録媒体108としては、OKプリンス上質紙(商品名、王子製紙製、127.9g/m2)を用いた。

0076

画像転写部131における中間画像層の記録媒体108との接触時の温度は80℃とした。また、中間画像層の中間転写体101からの剥離時の温度は35℃とした。なお、中間画像層の温度は赤外放射温度計を用いて測定した。また、記録媒体108の温度は25℃とした。

0077

(記録媒体への転写率の評価)
中間転写体101から記録媒体108へのインクの転写率を、転写前の中間画像の面積と、転写後に中間転写体に残った中間画像の面積との比から算出し、評価した。結果を表1に示す。

0078

[実施例2]
インクおよび補助液に含まれる界面活性剤として、アデカプルロニックL31の代わりにアデカプルロニックL34(商品名、(株)ADEKA製)を用いた以外は実施例1と同様に画像の記録を行い、転写率を評価した。結果を表1に示す。

0079

[比較例1]
補助液の調製時に水溶性樹脂水溶液を添加しなかった以外は実施例1と同様に画像の記録を行い、転写率を評価した。結果を表1に示す。

0080

[比較例2]
インクおよび補助液に含まれる界面活性剤として、アデカプルロニックL31(商品名、(株)ADEKA製)の代わりにアセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル(株)製)を用いた以外は実施例1と同様に画像の記録を行い、転写率を評価した。結果を表1に示す。

0081

0082

実施例1、2では、補助液が水溶性樹脂を含み、インクおよび補助液が前記式(1)で示される化合物を含む。また、中間画像層の記録媒体108との接触時の温度が、反応液に含まれる界面活性剤の曇点以上、かつ水溶性樹脂のガラス転移点以上である。さらに、中間画像層の中間転写体101からの剥離時の温度が、水溶性樹脂のガラス転移点未満である。このため、中間画像層の増粘が効率よく進行し、高い転写率を示した。一方、比較例1では補助液が水溶性樹脂を含まないため、増粘作用が生じず、実施例1よりも転写率が低かった。また、比較例2では、反応液、インクおよび補助液のいずれも前記式(1)で示される化合物を含まないため、中間画像層の増粘が生じず、実施例1よりも転写率が低かった。

0083

[実施例3]
補助液の調製時に用いる水溶性樹脂水溶液として、水溶性樹脂水溶液(メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:84、重量平均分子量:7,100、ガラス転移点:50℃)、固形分20質量%、水酸化カリウムにて中和済み)を用いた。また、反応液に含まれる界面活性剤として、F−444(商品名、DIC(株)製)の代わりにTF−2066(商品名、DIC(株)製、曇点50℃)を用いた。また、中間画像層の記録媒体108との接触時の温度を60℃に、中間画像層の中間転写体101からの剥離時の温度を32℃にそれぞれ変更した。これら以外は実施例1と同様に画像の記録を行い、転写率を評価した。結果を表2に示す。

0084

0085

実施例3では、本発明の要件を満たすため高い転写率を示した。

0086

[実施例4]
補助液の調製時に用いる水溶性樹脂水溶液として、水溶性樹脂水溶液(スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:87、重量平均分子量:7,800、ガラス転移点:60℃)、固形分20質量%、水酸化カリウムにて中和済み)を用いた。また、反応液に含まれる界面活性剤として、F−444(商品名、DIC(株)製)の代わりにTF−2066(商品名、DIC(株)製、曇点50℃)を用いた。また、中間画像層の記録媒体108との接触時の温度を60℃に、中間画像層の中間転写体101からの剥離時の温度を32℃にそれぞれ変更した。これら以外は実施例1と同様に画像の記録を行い、転写率を評価した。結果を表3に示す。

0087

実施例

0088

実施例4では、本発明の要件を満たすため高い転写率を示した。

0089

101中間転写体
102支持部材
103インクジェットデバイス
104表層部材
105ローラ式塗布装置
106 軸
107 インクジェットデバイス
108記録媒体
109搬送ガイド
110送風装置
112加熱ヒータ
113加圧ローラ
114搬送ローラ
131画像転写部

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