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技術 ファンモータ駆動装置、駆動方法ならびにそれを用いた冷却装置および電子機器

出願人 ローム株式会社
発明者 郷原勇気三嶋智文
出願日 2014年10月17日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2014-212983
公開日 2016年5月16日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-082757
状態 特許登録済
技術分野 直流電動機の制御
主要キーワード ホール端子 状態コントローラ 逆接防止 電流監視回路 還流経路 ファンモータ駆動装置 遷移過程 イネーブル化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

従来とは異なるアプローチにより、電源電圧出力電圧跳ね上がりを抑制する。

解決手段

ロジック回路204は、Hブリッジ回路206を複数の状態の間で所定のシーケンスにしたがって遷移させる。強制回生回路210は、イネーブルディセーブル状態切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路206およびモータコイル103を経由して接地ライン222から電源ライン220に流れる電流を、接地ライン222に還流させる。

概要

背景

近年のパーソナルコンピュータワークステーション高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integrated circuit)の動作速度は上昇の一途をたどっている。このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走に導いたり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。したがってLSIをはじめとする発熱体(以下LSIという)の適切な熱冷却はきわめて重要な技術となっている。LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを配置し、冷たい空気をLSI表面に吹き付ける。

図1(a)、(b)は、ファンモータ駆動装置200rの一部の回路図である。モータ駆動装置出力段は、駆動対象モータコイル103と接続されるHブリッジ回路206を含む。このHブリッジ回路206に対して、逆極性外部電源106が接続されると大電流が流れる。これを防止するために、Hブリッジ回路206と電源端子DDの間には、逆接防止用の保護ダイオード212が挿入される。

この場合、コイル電流IL出力電圧VOUT位相関係によっては、ローサイドトランジスタML1、モータコイル103、ハイサイドトランジスタボディダイオードDH2を含む経路112を経由して外部電源106に電流が流れ込み、出力電圧VOUT2あるいは電源電圧VDDが大きく跳ね上がるおそれがある。この問題を解決するために、従来では、Hブリッジ回路206と並列に、ツェナーダイオード108や平滑化キャパシタ110を挿入する必要があった。

概要

従来とは異なるアプローチにより、電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制する。ロジック回路204は、Hブリッジ回路206を複数の状態の間で所定のシーケンスにしたがって遷移させる。強制回生回路210は、イネーブルディセーブル状態切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路206およびモータコイル103を経由して接地ライン222から電源ライン220に流れる電流を、接地ライン222に還流させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

単相モータを駆動するモータ駆動装置であって、電源電圧および接地電圧を受けるとともに、その第1出力と第2出力の間に前記単相モータのモータコイルが接続されるHブリッジ回路と、前記Hブリッジ回路を複数の状態の間で所定のシーケンスにしたがって遷移させるロジック回路と、イネーブルディセーブル状態切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路およびモータコイルを経由して接地ラインから電源ラインに流れる電流を、接地ラインに還流させる強制回生回路と、を備えることを特徴とするモータ駆動装置。

請求項2

前記複数の状態は、前記第1出力が前記接地電圧であり、前記第2出力がハイインピーダンス状態である第1状態を含み、前記ロジック回路は、前記第1状態において、前記モータコイルに前記第1出力から前記第2出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。

請求項3

前記ロジック回路は、前記強制回生回路がイネーブル状態の区間、前記第2出力を、ハイインピーダンス状態と前記接地電圧の間でスイッチングさせることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。

請求項4

前記複数の状態は、前記第2出力が前記接地電圧であり、前記第1出力がハイインピーダンス状態である第2状態をさらに含み、前記ロジック回路は、前記第2状態において、前記モータコイルに前記第2出力から前記第1出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項2または3に記載のモータ駆動装置。

請求項5

前記複数の状態は、前記第1出力が前記電源電圧であり、前記第2出力がハイインピーダンス状態である第3状態を含み、前記ロジック回路は、前記第3状態において、前記モータコイルに前記第2出力から前記第1出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。

請求項6

前記複数の状態は、前記第2出力が前記電源電圧であり、前記第1出力がハイインピーダンス状態である第4状態を含み、前記ロジック回路は、前記第4状態において、前記モータコイルに前記第1出力から前記第2出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。

請求項7

前記モータコイルに流れるコイル電流の方向もしくは位相を検出する電流監視回路をさらに備え、前記ロジック回路は、前記電流監視回路の出力にもとづいて、前記強制回生回路を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項8

前記電流監視回路は、前記第1出力の電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータを含み、前記ロジック回路は、前記第1コンパレータの出力にもとづいて前記強制回生回路を制御することを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動装置。

請求項9

前記第1しきい値電圧は接地電圧またはその近傍に設定され、前記ロジック回路は、前記第1出力の電圧が前記第1しきい値電圧より低いときに、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動装置。

請求項10

前記電流監視回路は、前記第2出力の電圧を、第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータをさらに含み、前記ロジック回路は、前記第2コンパレータの出力にもとづいて前記強制回生回路を制御することを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動装置。

請求項11

前記第2しきい値電圧は前記接地電圧と前記電源電圧の間に設定され、前記ロジック回路は、前記第2出力の電圧が前記第2しきい値電圧より低くなると、前記強制回生回路をディセーブル化することを特徴とする請求項10に記載のモータ駆動装置。

請求項12

前記第2しきい値電圧は、前記接地電圧と前記電源電圧の実質的に中点に設定されることを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動装置。

請求項13

前記ロジック回路は、前記強制回生回路がイネーブル状態である間、前記モータコイルを流れるコイル電流が所定量まで減少すると、前記強制回生回路をディセーブル化することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項14

前記ロジック回路は、前記強制回生回路がイネーブル状態となってから所定時間経過後に前記強制回生回路をディセーブル化することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項15

前記強制回生回路は、前記電源ラインと前記接地ラインの間に設けられたトランジスタを含むことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項16

前記強制回生回路は、前記電源ラインと前記接地ラインの間に、前記トランジスタと直列に設けられた抵抗をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のモータ駆動装置。

請求項17

前記強制回生回路は、前記電源ラインと前記接地ラインの間に、前記トランジスタと直列に設けられたダイオードをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のモータ駆動装置。

請求項18

前記ロジック回路は、少なくとも、(i)第1出力を前記電源電圧とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1通電状態、(ii)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1回生状態、(iii)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力をハイインピーダンス状態とする第2回生状態、(iv)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力を前記電源電圧とする第2通電状態、(v)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第3回生状態、(vi)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力をハイインピーダンス状態とする第4回生状態、を順に遷移させ、前記ロジック回路は、(a)前記第2回生状態において、前記第1出力から前記モータコイルを経由して前記第2出力に向かう方向の電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化し、(b)前記第4回生状態において、前記第2出力から前記モータコイルを経由して前記第1出力に向かう方向の電流が流れている場合に、前記強制回生回路をイネーブル化することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。

請求項19

単相モータを駆動するモータ駆動装置であって、電源電圧および接地電圧を受けるとともに、その第1出力と第2出力の間に前記単相モータのモータコイルが接続されるHブリッジ回路と、前記Hブリッジ回路を制御するロジック回路と、イネーブル、ディセーブル状態が切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路およびモータコイルを経由して接地ラインから電源ラインに流れる電流を、接地ラインに還流させる強制回生回路と、前記第1出力の電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータと、前記第2出力の電圧を第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータと、を備え、前記ロジック回路は、少なくとも、(i)前記第1出力を前記電源電圧とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1通電状態、(ii)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1回生状態、(iii)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力をハイインピーダンス状態とする第2回生状態、(iv)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力を前記電源電圧とする第2通電状態、(v)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力を前記ハイインピーダンス状態とする第3回生状態、(vi)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第4回生状態、を順に遷移するよう構成され、前記強制回生回路は、(a)前記第2回生状態において前記第1コンパレータの出力に応じてイネーブル状態となり、前記第2コンパレータの出力に応じてディセーブル状態となり、(b)前記第4回生状態において前記第2コンパレータの出力に応じてイネーブル状態となり、前記第1コンパレータの出力に応じてディセーブル状態となることを特徴とするモータ駆動装置。

請求項20

前記強制回生回路のイネーブル状態おけるインピーダンスは、前記Hブリッジ回路の電流経路のインピーダンスよりも高いことを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項21

前記強制回生回路は、イネーブル状態において前記Hブリッジ回路および前記モータコイルを経由して接地ラインから電源ラインに流れる電流を、前記接地ラインに代えて、前記モータコイルの一端に還流させるよう構成されることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項22

ひとつの半導体基板一体集積化されることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載のモータ駆動装置。

請求項23

ファンモータと、前記ファンモータの回転子の位置を示す一対のホール信号を生成するホール素子と、前記一対のホール信号にもとづいて前記ファンモータを駆動する請求項1から22のいずれかに記載のファンモータ駆動装置と、を備えることを特徴とする冷却装置

請求項24

プロセッサと、前記プロセッサと対向して設けられたファンモータと、前記ファンモータの回転子の位置を示す一対のホール信号を生成するホール素子と、前記一対のホール信号にもとづいて前記ファンモータを駆動する請求項1から22のいずれかに記載のファンモータ駆動装置と、を備えることを特徴とする電子機器

請求項25

単相モータの駆動方法であって、電源電圧および接地電圧を受けるとともに、その第1出力と第2出力の間に前記単相モータのモータコイルが接続されるHブリッジ回路を設けるステップと、前記イネーブル、ディセーブル状態が切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路およびモータコイルを経由して接地ラインから電源ラインに流れる電流を、接地ラインに還流させる強制回生回路を設けるステップと、少なくとも、(i)前記第1出力を前記電源電圧とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1通電状態、(ii)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第1回生状態、(iii)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力をハイインピーダンス状態とする第2回生状態、(iv)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力を前記電源電圧とする第2通電状態、(v)前記第1出力を前記接地電圧とし、前記第2出力を前記ハイインピーダンス状態とする第3回生状態、(vi)前記第1出力をハイインピーダンス状態とし、前記第2出力を前記接地電圧とする第4回生状態、を順に遷移するステップと、前記第2回生状態において、前記第1出力の電圧が第1しきい値電圧より低いときに、前記強制回生回路をイネーブル状態とするステップと、前記第2回生状態において、前記第2出力の電圧が第2しきい値電圧より低くなると、前記強制回生回路をディセーブル状態とするステップと、前記第4回生状態において、前記第2出力の電圧が前記第1しきい値電圧より低いときに、前記強制回生回路をイネーブル状態とするステップと、前記第2回生状態において、前記第1出力の電圧が前記第2しきい値電圧より低くなると、前記強制回生回路をディセーブル状態とするステップと、を備えることを特徴とするモータ駆動方法

技術分野

0001

本発明は、ファンモータ駆動技術に関する。

背景技術

0002

近年のパーソナルコンピュータワークステーション高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integrated circuit)の動作速度は上昇の一途をたどっている。このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走に導いたり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。したがってLSIをはじめとする発熱体(以下LSIという)の適切な熱冷却はきわめて重要な技術となっている。LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを配置し、冷たい空気をLSI表面に吹き付ける。

0003

図1(a)、(b)は、ファンモータ駆動装置200rの一部の回路図である。モータ駆動装置出力段は、駆動対象モータコイル103と接続されるHブリッジ回路206を含む。このHブリッジ回路206に対して、逆極性外部電源106が接続されると大電流が流れる。これを防止するために、Hブリッジ回路206と電源端子DDの間には、逆接防止用の保護ダイオード212が挿入される。

0004

この場合、コイル電流IL出力電圧VOUT位相関係によっては、ローサイドトランジスタML1、モータコイル103、ハイサイドトランジスタボディダイオードDH2を含む経路112を経由して外部電源106に電流が流れ込み、出力電圧VOUT2あるいは電源電圧VDDが大きく跳ね上がるおそれがある。この問題を解決するために、従来では、Hブリッジ回路206と並列に、ツェナーダイオード108や平滑化キャパシタ110を挿入する必要があった。

先行技術

0005

特開2007−159296号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ここで、電圧跳ね上がりを十分に抑制するためには、高性能なツェナーダイオード108や大容量の平滑化キャパシタ110が必要であり、コスト増の要因となっていた。ツェナーダイオード108や平滑化キャパシタ110を半導体IC(集積回路)に外付けする場合には、回路面積が大きくなり、また部品点数が増大し、コストが高くなるという問題もある。

0007

本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の目的のひとつは、従来とは異なるアプローチにより、電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制可能なモータ駆動装置の提供にある。

課題を解決するための手段

0008

本発明のある態様は、単相モータを駆動するモータ駆動装置に関する。モータ駆動装置は、電源電圧および接地電圧を受けるとともに、その第1出力と第2出力の間に単相モータのモータコイルが接続されるHブリッジ回路と、Hブリッジ回路を複数の状態の間で所定のシーケンスにしたがって遷移させるロジック回路と、イネーブルディセーブル状態切りかえ可能に構成され、イネーブル状態においてHブリッジ回路およびモータコイルを経由して接地ラインから電源ラインに流れる電流を、接地ラインに還流させる強制回生回路と、を備える。

0009

この態様によれば、逆接防止用のダイオードを介して電源に流れ込もうとする電流を、強制回生回路を経由して接地ラインに戻すことができ、電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制できる。

0010

複数の状態は、第1出力が接地電圧であり、第2出力がハイインピーダンス状態である第1状態を含んでもよい。ロジック回路は、第1状態において、第1出力からモータコイルを経由して第2出力に向かう方向の電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。
これによれば、Hブリッジ回路のローサイドトランジスタのペアを利用して電流ループを形成する制御シーケンスにおいて、Hブリッジ回路の出力電圧に対してコイル電流の位相遅れている状況で発生する電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制できる。

0011

ロジック回路は、強制回生回路がイネーブル状態の間、第2出力を、ハイインピーダンス状態と接地電圧の間でスイッチングさせてもよい。
この場合、第2出力がハイインピーダンス状態の区間、強制回生回路によりモータコイルのエネルギー消費できる。また第2出力を接地電圧とする区間を挿入することで、第2出力をハイインピーダンスに維持した場合に比べて、電圧の跳ね上がりをさらに抑制できる。またスイッチングのデューティ比に応じて、強制回生回路の消費電力と、電圧の跳ね上がり量のバランスを調節できる。

0012

複数の状態は、第2出力が接地電圧であり、第1出力がハイインピーダンス状態である第2状態をさらに含んでもよい。ロジック回路は、第2状態において、モータコイルに第2出力から第1出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。

0013

複数の状態は、第1出力が電源電圧であり、第2出力がハイインピーダンス状態である第3状態を含んでもよい。ロジック回路は、第3状態において、モータコイルに第2出力から第1出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。
複数の状態は、第2出力が電源電圧であり、第1出力がハイインピーダンス状態である第4状態を含んでもよい。ロジック回路は、第4状態において、モータコイルに第1出力から第2出力に向かう方向のコイル電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。
これらによれば、Hブリッジ回路のハイサイドトランジスタのペアを利用して電流ループを形成する制御シーケンスにおいて、Hブリッジ回路の出力電圧に対してコイル電流の位相が遅れている状況で発生する電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制できる。

0014

ある態様の駆動装置は、モータコイルに流れるコイル電流の方向もしくは位相を検出する電流監視回路をさらに備えてもよい。ロジック回路は、電流監視回路の出力にもとづいて、強制回生回路を制御してもよい。

0015

電流監視回路は、第1出力の電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータを含んでもよい。ロジック回路は、第1コンパレータの出力にもとづいて強制回生回路を制御してもよい。
第1出力の電圧を監視することにより、コイル電流の向きあるいは位相を検出できる。

0016

第1しきい値電圧は接地電圧またはその近傍に設定されてもよい。ロジック回路は、第1出力の電圧が第1しきい値電圧より低いときに、強制回生回路をイネーブル化してもよい。

0017

電流監視回路は、第2出力の電圧を、第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータをさらに含んでもよい。ロジック回路は、第2コンパレータの出力にもとづいて強制回生回路を制御してもよい。
第2出力の電圧を監視することにより、コイル電流が十分に減少したことを検出できる。

0018

第2しきい値電圧は接地電圧と電源電圧の間に設定されてもよい。ロジック回路は、第2出力の電圧が第2しきい値電圧より低くなると、強制回生回路をディセーブル化してもよい。第2しきい値電圧は、接地電圧と電源電圧の実質的に中点に設定されてもよい。

0019

ロジック回路は、強制回生回路がイネーブル状態である間、モータコイルを流れるコイル電流が所定量まで減少すると、強制回生回路をディセーブル化してもよい。
ロジック回路は、強制回生回路がイネーブル状態となってから所定時間経過後に強制回生回路をディセーブル化してもよい。

0020

強制回生回路は、電源ラインと接地ラインの間に設けられたトランジスタを含んでもよい。トランジスタをオンすることにより、電源ラインから接地ラインへの電流の還流経路が形成される。

0021

強制回生回路は、電源ラインと接地ラインの間に、トランジスタと直列に設けられた抵抗をさらに含んでもよい。この場合、抵抗の抵抗値に応じて、コイルに蓄えられるエネルギーの消費速度を設定できる。

0022

強制回生回路は、電源ラインと接地ラインの間に、トランジスタと直列に設けられたダイオードをさらに含んでもよい。この場合、ダイオードによりコイルに蓄えられるエネルギーを消費できる。

0023

Hブリッジ回路の一部は、強制回生回路の一部と共用されてもよい。

0024

ロジック回路は、少なくとも、(i)第1出力を電源電圧とし、第2出力を接地電圧とする第1通電状態、(ii)第1出力をハイインピーダンス状態とし、第2出力を接地電圧とする第1回生状態、(iii)第1出力を接地電圧とし、第2出力をハイインピーダンス状態とする第2回生状態、(iv)第1出力を接地電圧とし、第2出力を電源電圧とする第2通電状態、(v)第1出力を接地電圧とし、第2出力をハイインピーダンス状態とする第3回生状態、(vi)第1出力をハイインピーダンス状態とし、第2出力を接地電圧とする第4回生状態、を順に遷移するよう構成されてもよい。ロジック回路は、(a)第2回生状態において、第1出力からモータコイルを経由して第2出力に向かう方向の電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。またロジック回路は、(b)第4回生状態において、第2出力からモータコイルを経由して第1出力に向かう方向の電流が流れている場合に、強制回生回路をイネーブル化してもよい。

0025

本発明の別の態様もまた、モータ駆動装置である。モータ駆動装置は、Hブリッジ回路と、ロジック回路と、強制回生回路と、第1出力の電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータと、第2出力の電圧を第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータと、を備える。ロジック回路は、(i)第1出力を電源電圧とし、第2出力を接地電圧とする第1通電状態、(ii)第1出力をハイインピーダンス状態とし、第2出力を接地電圧とする第1回生状態、(iii)第1出力を接地電圧とし、第2出力をハイインピーダンス状態とする第2回生状態、(iv)第1出力を接地電圧とし、第2出力を電源電圧とする第2通電状態、(v)第1出力を接地電圧とし、第2出力をハイインピーダンス状態とする第3回生状態、(vi)第1出力をハイインピーダンス状態とし、第2出力を接地電圧とする第4回生状態、を順に遷移するよう構成され、強制回生回路は、(i)第2回生状態において第1コンパレータの出力に応じてイネーブル状態となり、第2コンパレータの出力に応じてディセーブル状態となり、(ii)第4回生状態において第2コンパレータの出力に応じてイネーブル状態となり、第1コンパレータの出力に応じてディセーブル状態となる。

0026

この態様によれば、逆接防止用のダイオードを介して電源に流れ込もうとする電流を、強制回生回路を経由して接地ラインに戻すことができ、電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制できる。

0027

強制回生回路のイネーブル状態おけるインピーダンスは、Hブリッジ回路の電流経路のインピーダンスよりも高くてもよい。

0028

モータ駆動装置は、ひとつの半導体基板一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。

0029

本発明の別の態様は、冷却装置に関する。冷却装置は、ファンモータと、ファンモータの回転子の位置を示す一対のホール信号を生成するホール素子と、一対のホール信号にもとづいてファンモータを駆動する上述のいずれかに記載のモータ駆動装置と、を備えてもよい。

0030

本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、プロセッサと、プロセッサと対向して設けられたファンモータと、ファンモータの回転子の位置を示す一対のホール信号を生成するホール素子と、一対のホール信号にもとづいてファンモータを駆動する上述のいずれかのモータ駆動装置と、を備えてもよい。

0031

なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。

発明の効果

0032

本発明のある態様によれば、電源電圧や出力電圧の跳ね上がりを抑制できる。

図面の簡単な説明

0033

図1(a)、(b)は、ファンモータ駆動装置の回路図である。
実施の形態に係るモータ駆動装置の回路図である。
図3(a)、(b)は、強制回生回路の構成例を示す回路図である。
図4(a)〜(f)は、従来のモータ駆動装置のHブリッジ回路の状態遷移図である。
図5(a)、(b)は、従来のモータ駆動装置の動作波形図である。
図6(a)は、実施の形態に係るモータ駆動装置の第2回生状態を示す図であり、図6(b)は、従来の第2回生状態を示す図である。
実施の形態に係るモータ駆動装置の動作波形図である。
モータ駆動装置の構成例を示す回路図である。
第1変形例に係るモータ駆動装置の回路図である。
図10(a)〜(f)は、第2変形例に係るモータ駆動装置のHブリッジ回路の状態遷移図である。
図11(a)、(b)は、変形例に係る強制回生回路の回路図である。
冷却装置を備えるコンピュータの斜視図である。

実施例

0034

以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。

0035

本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。

0036

本発明の実施の形態について、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの電子計算機に搭載され、CPUなどを冷却するためのファンモータを駆動させるためのファンモータ駆動装置(単に駆動装置ともいう)を例に説明する。

0037

図2は、実施の形態に係るモータ駆動装置200の回路図である。駆動装置2は、単相DCモータ(単にモータあるいは単相モータともいう)102を駆動する。ホール素子104は、単相モータ102の近傍に設けられる。ホール素子104は、モータ102の回転子の位置を示す互いに逆相の一対のホール信号VH+、VH−を発生する。ホール素子104のバイアス端子にはホールバイアス電圧VHBが供給される。ホールバイアス電圧VHBは、モータ駆動装置200に内蔵される基準電圧源ホールバイアス回路)により生成されてもよいし、外部電源106が生成する電圧VDDを分圧して生成してもよい。ホール素子104はモータ駆動装置200に内蔵されてもよい。

0038

モータ駆動装置200は、ホールコンパレータ202、ロジック回路204、Hブリッジ回路206、電流監視回路208、強制回生回路210、逆接防止用の保護ダイオード212を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化される。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。

0039

モータ駆動装置200の電源(VDD)端子には、外部電源106からの電源電圧VDDが供給される。モータ駆動装置200の出力端子(OUT1、OUT2)の間には、単相モータ102のコイル(モータコイル)103が接続される。接地(GND)端子は接地される。ホール端子H+、H−には、ホール素子104が生成したホール信号VH+、VH−が入力される。

0040

ホールコンパレータ202は、ホール信号VH+、VH−を比較し、単相モータ102のロータの位置を示すホール検出信号S1を生成する。ホール検出信号S1は、ホール信号VH+、VH−が交差(ゼロクロス)するたびに遷移する。

0041

Hブリッジ回路206は電源電圧VDDおよび接地電圧VSSを受ける。Hブリッジ回路206の第1出力OUT1と第2出力OUT2の間には、単相モータ102のモータコイル103が接続される。Hブリッジ回路206は、第1ハイサイドトランジスタMH1、第2ハイサイドトランジスタMH2、第1ローサイドトランジスタML1、第2ローサイドトランジスタML2を含む。Hブリッジ回路206と外部電源106の間には、逆接防止用の保護ダイオード212が設けられる。

0042

Hブリッジ回路206は、4個のトランジスタのオン、オフ状態の組み合わせが異なる複数の状態を取り得る。ロジック回路204に含まれる機能ブロック状態コントローラ)204aは、Hブリッジ回路206を複数の状態(後述のφ1〜φ10)間で所定のシーケンスにしたがって遷移させる。たとえば状態コントローラ204aは、ホール検出信号S1と同期して、複数の状態を遷移させてもよく、その制御方式は特に限定されない。

0043

強制回生回路210は、イネーブル(オン、アクティブ)、ディセーブル(オフインアクティブ)状態が切りかえ可能に構成される。強制回生回路210はイネーブル状態において、Hブリッジ回路206およびモータコイル103を経由して接地ライン222から電源ライン220に向かって流れる電流を、接地ライン222に還流させる。強制回生回路210の状態は、ロジック回路204に含まれる機能ブロック(回生コントローラ)が生成するイネーブル信号S2に応じて切りかえられる。

0044

図3(a)、(b)は、強制回生回路210の構成例を示す回路図である。強制回生回路210は、電源ライン220と接地ライン222の間に設けられたトランジスタM1を含む。強制回生回路210の電流経路のインピーダンスは、Hブリッジ回路206の電流経路のインピーダンスよりも高いことが望ましい。図3(a)の強制回生回路210は、トランジスタM1と直列に設けられた抵抗R1を含む。図3(b)の強制回生回路210は、トランジスタM1と直列に設けられたダイオードD1を含む。強制回生回路210を介してコイル電流が回生される期間、抵抗R1やダイオードD1によりエネルギーが消散される。抵抗R1やダイオードD1を組み合わせて設けてもよい。あるいは抵抗R1やダイオードD1を設ける代わりに、トランジスタM1のインピーダンス(オン抵抗)を十分に高く設計してもよい。

0045

図2戻り、強制回生回路210の制御について説明する。Hブリッジ回路206が取り得る複数の状態(後述のφ1〜φ10)には、第1出力OUT1が接地電圧VSSであり、その第2出力OUT2がハイインピーダンス状態である第1状態(後述のφ4)が含まれる。

0046

電流監視回路208は、コイル電流ILの方向、もしくはコイル電流ILとモータコイル103に印加される電圧VOUTとの位相関係を検出するために設けられる。ロジック回路204の回生コントローラ204bは、第1状態φ4の期間中、電流監視回路208の出力S3にもとづいて、強制回生回路210を制御する。

0047

(1)具体的には回生コントローラ204bは、第1状態φ4において、モータコイル103を、第1出力OUT1から第2出力OUT2に向かう方向のコイル電流ILが流れている場合に、強制回生回路210をイネーブル化する。

0048

(2−a)また回生コントローラ204bは、第1状態φ4の間、強制回生回路210のイネーブル状態を維持してもよい。
(2−b)あるいは回生コントローラ204bは、第1状態φ4中、電圧の跳ね上がりのおそれがなくなると、強制回生回路210をディセーブル化してもよい。たとえば(i)回生コントローラ204bは、回生状態φ4に遷移してから所定時間τの間、強制回生回路210をイネーブル状態とし、所定時間τの経過後に、強制回生回路210をディセーブル化してもよい。所定時間τは実験あるいはシミュレーションにより定めることができる。(ii)あるいは回生コントローラ204bは、コイル電流ILを監視し、第1出力OUT1から第2出力OUT2に向かうコイル電流ILが十分に減少すると、強制回生回路210をディセーブル化してもよい。回生コントローラ204bはこれらの制御を組み合わせてもよい。

0049

続いてHブリッジ回路206の複数の状態φ1〜φ6について説明する。本実施の形態において、状態コントローラ204aは、以下のシーケンスでHブリッジ回路206を制御する。

0050

(i) 第1通電状態φ1
MH1=ON,ML1=OFF,MH2=OFF,ML2=ON
OUT1=VDD、OUT2=VSS

0051

(ii) 第1PWM通電状態φ2
MH1=ON/OFFのスイッチング,ML1=OFF,MH2=OFF,ML2=ON

0052

(iii) 第1回生状態φ3
MH1=OFF,ML1=OFF,MH2=OFF,ML2=ON
OUT1=HiZ(ハイインピーダンス状態),OUT2=VSS

0053

(iv) 第2回生状態φ4
MH1=OFF,ML1=ON,MH2=OFF,ML2=OFF
OUT1=VSS,OUT2=HiZ

0054

(v) 第2PWM通電状態φ5
MH1=OFF,ML1=ON,MH2=ON/OFFのスイッチング,ML2=OFF

0055

(vi) 第2通電状態φ6
MH1=OFF,ML1=ON,MH2=ON,ML2=OFF
OUT1=VSS、OUT2=VDD

0056

(vii) 第3PWM通電状態φ7
MH1=OFF,ML1=ON,MH2=ON/OFFのスイッチング,ML2=OFF

0057

(viii) 第3回生状態φ8
MH1=OFF,ML1=ON,MH2=OFF,ML2=OFF
OUT1=VSS,OUT2=HiZ

0058

(ix) 第4回生状態φ9
MH1=OFF,ML1=OFF,MH2=OFF,ML2=ON
OUT1=HiZ(ハイインピーダンス状態),OUT2=VSS

0059

(x) 第4PWM通電状態φ10
MH1=ON/OFFのスイッチング,ML1=OFF,MH2=OFF,ML2=ON

0060

以上がモータ駆動装置200の構成である。続いてその動作を説明する。

0061

モータ駆動装置200の利点を明確化するために、強制回生回路210および電流監視回路208を有しない従来のモータ駆動装置の動作を説明する。

0062

図4(a)〜(f)は、従来のモータ駆動装置のHブリッジ回路206の状態遷移図である。図5(a)、(b)は、従来のモータ駆動装置の動作波形図である。コイル電流ILと駆動電圧波形VOUT(=VOUT1−VOUT2)の位相関係は、ホール素子104の取り付け位置、単相モータ102の種類や性能、電源電圧VDDの大きさ、単相モータ102の負荷など、さまざまな要因で変化する。

0063

図5(a)には、コイル電流ILの位相が駆動電圧波形VOUTに対して進んでいる場合が示される。図5(a)の第1回生状態φ3に着目する。コイル電流ILの位相遅れが生じていない場合、ゼロクロス点(t0)より前の第1回生状態φ3の期間中に、コイル電流ILはゼロとなり、その後、電流の方向(極性)が反転する。その結果、その次の第2回生状態φ4では、第2出力OUT2からモータコイル103を経由して第1出力OUT1に向かう方向のコイル電流ILが流れることとなる。この状態では、図4(d)に示すように、接地ライン222、ローサイドトランジスタML2のボディダイオードDL2、モータコイル103、ローサイドトランジスタML1を含む経路114で回生電流が流れ、電圧の跳ね上がりは生じない。

0064

続いて図5(b)を参照して、問題となる電圧の跳ね上がりを説明する。図5(b)にはコイル電流ILの位相が駆動電圧波形VOUTに対して遅れている場合が示される。コイル電流ILの位相が遅れていると、ゼロクロス点(t1)より後ろでコイル電流ILがゼロとなる。つまり、第2回生状態φ4においても、第2出力OUT2からモータコイル103を経由して第1出力OUT1に向かう方向のコイル電流ILが流れることとなる。この状態では図6(b)に示すように、接地ライン222からローサイドトランジスタML1、モータコイル103、ハイサイドトランジスタMH2のボディダイオードDH2を含む経路112を介して電源に向かって回生電流が流れ込み、電圧VOUT2が電源電圧VDDよりも高く跳ね上がることとなる。

0065

続いて、実施の形態に係るモータ駆動装置200の動作を説明する。
図6(a)は、実施の形態に係るモータ駆動装置200の第2回生状態φ4を示す図であり、図6(b)は、従来の第2回生状態φ4を示す図である。図7は、実施の形態に係るモータ駆動装置200の動作波形図である。状態φ1〜φ3は図5(b)と同様である。

0066

時刻t1にゼロクロスが発生すると、それを契機として第1回生状態φ3から第2回生状態φ4に遷移する。コイル電流の位相が遅れている場合、第2回生状態φ4においても、図6(a)に示すように、OUT1からOUT2に向かってコイル電流ILが流れる。

0067

回生コントローラ204bは、この状態を検出すると、イネーブル信号S2をアサートし、強制回生回路210をイネーブル化する。これにより、図6(a)に示すように、接地ライン222から、トランジスタML1、モータコイル103、トランジスタMH2のボディダイオードDH2、電源ライン220、強制回生回路210を含む経路116が形成され、この経路116に回生電流が流れる。これにより、出力電圧VOUT2や電源電圧VDDの跳ね上がりを抑制することができる。

0068

以上がモータ駆動装置200の動作である。
このように、実施の形態に係るモータ駆動装置200によれば、保護ダイオード212を介して電源に流れ込もうとする電流を、強制回生回路210を経由して接地ライン222に戻すことができ、電源電圧VDDや出力電圧VOUT2の跳ね上がりを抑制できる。

0069

また図3(a)、(b)に示すように強制回生回路210は、トランジスタおよび抵抗(あるいはダイオード)の組み合わせで構成できるため、モータ駆動装置200に容易に集積化することが可能である。したがってこれらを集積化した場合には、図1のツェナーダイオード108やキャパシタ110を駆動装置200に外付けした場合に比べて回路面積やコストを削減できる。

0070

本発明は、図2ブロック図として把握される様々な回路に及ぶものであるが、以下ではその具体的な構成例を説明する。

0071

図8は、モータ駆動装置200の構成例を示す回路図である。
電流監視回路208は、第1コンパレータCMP1、第2コンパレータCMP2を含む。第1コンパレータCMP1は、第2回生状態φ4に遷移した直後におけるコイル電流ILの向きを検出するために設けられる。

0072

図5(a)に示すように、コイル電流ILの位相が進んでおり、ゼロクロス点t0より前にコイル電流ILがゼロになっている場合、第2回生状態φ4に遷移した直後において、第1出力OUT1の電圧VOUT1は接地電圧(VSS=0V)より高くなる。反対に、コイル電流ILの位相が遅れると、図5(b)に示すように、第2回生状態φ4において、第1出力OUT1の電圧VOUT1は−RON×ILとなり、負電圧(<0V)となる。RONはトランジスタML1のオン抵抗である。つまり、第1出力OUT1の電圧VOUT1を監視することにより、第2回生状態φ4における電流の向きを検出でき、このために第1コンパレータCMP1が設けられる。

0073

第1コンパレータCMP1は、第1出力OUT1の電圧VOUT1を第1しきい値電圧VTH1と比較する。ロジック回路204(回生コントローラ204b)は、第1コンパレータCMP1の出力にもとづいて強制回生回路210を制御(イネーブル化)する。

0074

第1しきい値電圧VTH1は接地電圧VSSもしくはその近傍に設定される。第1コンパレータCMP1の出力S3aは、VOUT1とVTH1の比較結果を示す。回生コントローラ204bは、第1通電状態φ1から第2通電状態φ6への遷移過程における第2回生状態φ4において、第1出力OUT1の電圧VOUT1が第1しきい値電圧VTH1より低いときに、イネーブル信号S2をアサートして、強制回生回路210をイネーブル化する。

0075

図8において、強制回生回路210は、回生状態φ4中、電圧の跳ね上がりのおそれがなくなると、強制回生回路210をディセーブル化する。具体的には(i)回生コントローラ204bは、コイル電流ILを監視し、第1出力OUT1からモータコイル103を経由して第2出力OUT2に向かう方向の電流ILが実質的にゼロとなり、あるいは十分に小さくなると、強制回生回路210をディセーブル化する。

0076

第2コンパレータCMP2は、強制回生中のコイル電流ILを検出するために設けられる。第2回生状態φ4において、図6(a)の経路116に電流が流れるとき、第2出力OUT2の電圧は、電源電圧VDDから、コイル電流ILの減少にともなって低下していく。第2コンパレータCMP2は、第2出力OUT2の電圧VOUT2を、第2しきい値電圧VTH2と比較する。回生コントローラ204bは、第2コンパレータCMP2の出力S3bにもとづいて強制回生回路210を制御(ディセーブル化)する。第2しきい値電圧VTH2は接地電圧VSSと電源電圧VDDの間に設定される。たとえば第2しきい値電圧VTH2は、それらの中点電圧(VDD+VSS)/2であってもよいし、その近傍の電圧であってもよい。回生コントローラ204bは、第2出力OUT2の電圧が第2しきい値電圧VTH2より低くなると、つまり電圧の跳ね上がりのおそれがない程度にコイル電流ILが小さくなると、強制回生回路210をディセーブル化する。

0077

またロジック回路204の状態コントローラ204aは、強制回生回路210がイネーブル状態の区間、第2出力OUT2を、ハイインピーダンス状態HiZと、接地電圧VSSとの間でスイッチングさせる。たとえば、状態コントローラ204aは、第2出力OUT2を、ハイインピーダンス状態HiZと接地電圧VSSの時間比率を7:3程度でスイッチングさせる。

0078

第2出力OUT2がハイインピーダンス状態HiZの区間、強制回生回路210によりモータコイルのエネルギーを消費できる。また第2出力OUT2を接地電圧VSSとする区間を挿入することで、第2出力OUT2をハイインピーダンスに維持した場合に比べて、電圧の跳ね上がりをさらに抑制できる。またスイッチングのデューティ比(時間比率)に応じて、強制回生回路210の消費電力と、電圧の跳ね上がり量のバランスを調節できる。

0079

この構成によれば、強制回生回路210のイネーブル化、ディセーブル化をコイル電流ILに応じて好適に制御できる。

0080

以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。

0081

(第1変形例)
実施の形態では、第1通電状態φ1から第2通電状態φ6へ遷移する過程において、第1出力OUT1が接地電圧、第2出力OUT2がハイインピーダンス状態の第1状態(第2回生状態φ4)における電圧VOUT2および電源電圧VDDの跳ね上がりの抑制を説明した。

0082

これと同様に、第2通電状態φ6から第1通電状態φ1に戻る過程において、第2出力OUT2が接地電圧、第1出力OUT1がハイインピーダンス状態の第2状態(第4回生状態φ9)においても、電圧VOUT1および電源電圧VDDの跳ね上がりが発生しうる。

0083

第1変形例に係るモータ駆動装置200aは、第4回生状態φ9において、コイル電流ILが第2出力OUT2から第1出力OUT1に向かって流れようとする場合に、強制回生回路210をイネーブル化することにより、電圧の跳ね上がりを防止する。

0084

図9は、第1変形例に係るモータ駆動装置200aの回路図である。モータ駆動装置200aは、図8のモータ駆動装置200に加えて、セレクタアナログマルチプレクサ)214を備える。セレクタ214は、イネーブル信号S2がローレベル(0)のとき、つまり強制回生回路210がディセーブル状態において、第1しきい値電圧VTH1を選択し、イネーブル信号S2がハイレベル(1)のとき、つまり強制回生回路210がイネーブル状態において、第2しきい値電圧VTH2を選択する。

0085

これにより、2個のコンパレータCMP1、CMP2を用いて、2つの回生状態φ3,φ4における強制回生回路210の状態を好適に制御できる。

0086

(第2変形例)
Hブリッジ回路206の制御シーケンスは、図4に示したそれには限定されない。
実施の形態では、PWM通電状態φ2において、ハイサイドトランジスタMH1をスイッチングし、PWM通電状態φ5において、ハイサイドトランジスタMH2をスイッチングしたが、本発明はそれには限定されない。

0087

図10(a)〜(f)は、第2変形例に係るモータ駆動装置のHブリッジ回路206の状態遷移図である。この変形例では、図10(b)、(e)のPWM通電状態φ2’、φ5’において、ローサイドトランジスタML1、ML2がスイッチングされる。また図10(c)の第1回生状態φ3’では、トランジスタMH2がオン、残りがオフとなり、第1出力OUT1がハイインピーダンス状態、第2出力OUT2が電源電圧VDDとなる。図10(d)の第2回生状態φ4’では、トランジスタMH1がオン、残りがオフとなり、第1出力OUT1が電源電圧VDD、第2出力OUT2がハイインピーダンス状態となる。(i)は電流位相が遅れている場合、(ii)は電流位相が進んでいる場合の電流経路を示す。第2通電状態φ6’から第1通電状態φ1’に戻る場合、φ7’、φ8’、φ9’、φ10’と逆順に進む。

0088

第1通電状態φ1’から第2通電状態φ6’に遷移する過程には、第1出力OUT1が電源電圧VDDであり、第2出力OUT2がハイインピーダンス状態である第3状態(第2回生状態φ4’)が存在する。この回生コントローラ204bは、第2回生状態φ4’において、モータコイル103に、第2出力OUT2から第1出力OUT1に向かう方向のコイル電流ILが流れている場合に、強制回生回路210をイネーブル化する。

0089

第2通電状態φ6’から第1通電状態φ1’に遷移する過程には、第2出力OUT2が電源電圧VDDであり、第1出力OUT1がハイインピーダンス状態である第4状態(第4回生状態φ9’)が存在する。回生コントローラ204bは、第4回生状態φ9’において、モータコイル103に第1出力OUT1から第2出力OUT2に向かう方向のコイル電流ILが流れている場合に、強制回生回路210をイネーブル化する。

0090

この変形例によれば、ハイサイド側PWM制御を行なうシーケンスにおいても、電圧の跳ね上がりを防止できる。

0091

また、Hブリッジ回路206の制御シーケンスとしては、PWM通電状態φ2、φ5、φ7、φ10は省略してもよい。あるいはPWM通電状態φ2、φ5、φ7、φ10においては、対角に位置するスイッチのペアを、両方スイッチングしてもよい。

0092

(第3変形例)
第3変形例において、強制回生回路210は、そのイネーブル状態において、Hブリッジ回路206およびモータコイル103を経由して接地ライン222から電源ライン220に流れる電流を、接地ライン222に代えて、モータコイル103の一端に還流させるよう構成される。図11(a)、(b)は、変形例に係る強制回生回路210の回路図である。強制回生回路210aは、第1状態φ4においてモータコイル103の一端(OUT1)に還流する。強制回生回路210bは、第2状態φ9においてモータコイル103の他端(OUT2)に還流する。

0093

図11(b)の構成では、ハイサイドトランジスタMH1、MH2が、強制回生回路210としても利用される。図11(a)の強制回生回路210aのイネーブル状態は、ハイサイドトランジスタMH1が弱くオンした状態に対応する。また図11(b)の強制回生回路210bのイネーブル状態は、ハイサイドトランジスタMH2が弱くオンした状態に対応する。回生コントローラ204bは、強制回生回路210aをイネーブル化する際には、トランジスタMH1のゲートソース間電圧VGSを適切なレベルに設定し、オン抵抗を好ましいレベルとする。また回生コントローラ204bは、強制回生回路210bをイネーブル化する際には、トランジスタMH2のゲートソース間電圧VGSを適切なレベルに設定し、オン抵抗を好ましいレベルとする。

0094

最後に、モータ駆動装置200の用途を説明する。図12は、冷却装置510を備えるコンピュータの斜視図である。冷却装置510は、単相モータ102であるファンモータと、図2のモータ駆動装置200とを備える。コンピュータ500は、筐体502、CPU504、マザーボード506、ヒートシンク508、および複数の冷却装置510を備える。

0095

CPU504は、マザーボード506上にマウントされる。ヒートシンク508は、CPU504の上面に密着されている。冷却装置510_1は、ヒートシンク508と対向して設けられ、ヒートシンク508に空気を吹き付ける。冷却装置510_2は、筐体502の背面に設置され、筐体502の内部に外部の空気を送り込む

0096

冷却装置2は、図12のコンピュータ500の他、ワークステーション、ノート型コンピュータテレビ冷蔵庫、などの様々な電子機器に搭載可能である。

0097

また本実施の形態に係る駆動装置2の用途は、ファンモータの駆動に限定されるものではなく、その他の各種モータの駆動に用いることができる。

0098

実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。

0099

500…電子機器、502…CPU、102…単相モータ、103…モータコイル、104…ホール素子、106…電源、108…ツェナーダイオード、110…平滑キャパシタ、112…経路、200…モータ駆動装置、202…ホールコンパレータ、204…ロジック回路、204a…状態コントローラ、204b…回生コントローラ、206…Hブリッジ回路、208…電流監視回路、210…強制回生回路、212…保護ダイオード、220…電源ライン、222…接地ライン、CMP1…第1コンパレータ、CMP2…第2コンパレータ、S1…ホール検出信号、OUT1…第1出力、OUT2…第2出力。

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