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技術 コークス炉ガス精製におけるタール汚れの抑制方法及びそのための組成物

出願人 ナルコジャパン合同会社株式会社片山化学工業研究所
発明者 深江邦弘
出願日 2014年10月14日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-210248
公開日 2016年5月16日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-079258
状態 特許登録済
技術分野 工業ガス
主要キーワード タール層 ガラス壁面 付着物中 スクラバー水 恒温庫 タール濃度 添加頻度 ポリアクリル酸系ポリマー
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重要な関連分野

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図面 (3)

課題

一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制する方法、又は、そのための組成物の提供。

解決手段

一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む組成物に関する。

概要

背景

コークス炉ガスCOG)の精製設備は、冷却装置脱硫装置脱アンモニア装置及び軽油回収装置などから構成される。非特許文献1は、コークス炉ガスの冷却技術及びコークス炉ガスの精製プロセスを開示する。また、同文献は、コークス炉ガスがドライメーンにおいて安水スクラバー水フラッシングにより処理されることを開示する。特許文献1は、コークス炉ガスの脱硫方法においてスクラバー水とピクリン酸又はナフトキノリンスルホン酸ソーダとが使用されることを開示する。

概要

一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制する方法、又は、そのための組成物の提供。一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む組成物に関する。なし

目的

そこで、本開示は、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制する方法、又は、そのための組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む、組成物。

請求項2

前記水溶性の非イオン界面活性剤が、HLB値が10以上の非イオン界面活性剤である、請求項1記載の組成物。

請求項3

前記水溶性の非イオン界面活性剤が、エチレンオキサイド(EO)基又はエチレンオキサイドプロピレンオキサイド(EOPO)基付加物である、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

前記水溶性の非イオン界面活性剤が、エチレンオキサイド(EO)基の平均付加モル数が5モル以上のEO付加物である、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。

請求項5

請求項6

前記アニオン界面活性剤が、脂肪酸モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩アルキルエステル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。

請求項7

コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水が接触する部分におけるタール汚れを抑制する方法であって、前記スクラバー水に水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含有させることを含む、方法。

請求項8

前記スクラバー水に界面活性剤を含有させることが、前記スクラバー水に請求項1から6のいずれかに記載の組成物を添加することを含む、請求項7記載の方法。

請求項9

前記スクラバー水が接触する部分が、ドライメーン冷却装置ナフタリンスクラバー脱硫装置、及び、アンモニアスクラバー、並びにこれらに接続するスクラバー水流路からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項7又は8に記載の方法。

請求項10

タール汚れ付着物のスラリーの製造方法であって、該付着物リモネンエタノール混合溶剤中で溶解及び又は分散させることを含む、製造方法。

請求項11

タール汚れ付着物、及び、リモネン−エタノール混合溶剤を含む、タール汚れ付着物のスラリー組成物

請求項12

タール汚れを抑制できる物質スクリーニング方法であって、候補物質を含む水性媒体と該候補物質を含まない水性媒体とにそれぞれ請求項11記載のスラリー組成物を添加して汚れの程度を比較することを含む、スクリーニング方法。

技術分野

0001

本開示は、コークス炉ガス精製におけるタール汚れ抑制方法及びそのための組成物、並びに、該組成物のスクリーニング方法に関する。

背景技術

0002

コークス炉ガス(COG)の精製設備は、冷却装置脱硫装置脱アンモニア装置及び軽油回収装置などから構成される。非特許文献1は、コークス炉ガスの冷却技術及びコークス炉ガスの精製プロセスを開示する。また、同文献は、コークス炉ガスがドライメーンにおいて安水スクラバー水フラッシングにより処理されることを開示する。特許文献1は、コークス炉ガスの脱硫方法においてスクラバー水とピクリン酸又はナフトキノリンスルホン酸ソーダとが使用されることを開示する。

0003

特開2001−271074号公報

先行技術

0004

新日鉄エンジニアリング技報Vol.2(2011)P.77

発明が解決しようとする課題

0005

コークス炉ガスは、硫黄コールタールピッチアンモニアベンゾールナフタリン硫化水素シアン化合物等の不純物を含む。コークス炉ガスの精製過程において使用されるスクラバー水は、コークス炉ガスと接触するとコールタールを含有するようになる。また、該スクラバー水は循環使用される場合もある。よって、コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水が接する部分において、タールを含む汚れ(タール汚れ)が発生する。そのため、コークス炉ガスの精製設備では、定期的に設備を停止して洗浄が行われる。タール汚れの付着又は堆積を抑制できれば、洗浄の間隔を長くすることができ、生産性の向上又はコスト削減が期待できる。

0006

そこで、本開示は、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制する方法、又は、そのための組成物を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本開示は、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む組成物に関する。

0008

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水が接触する部分におけるタール汚れを抑制する方法であって、前記スクラバー水に水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含有させることを含む方法に関する。

0009

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、タール汚れ付着物のスラリーの製造方法であって、該付着物リモネンエタノール混合溶剤中で溶解及び又は分散させることを含む製造方法に関する。

0010

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、タール汚れ付着物、及び、リモネン−エタノール混合溶剤を含む、タール汚れ付着物のスラリー組成物に関する。

0011

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、タール汚れを抑制できる物質のスクリーニング方法であって、候補物質を含む水性媒体と該候補物質を含まない水性媒体とにそれぞれ前記タール汚れ付着物のスラリー組成物を添加して汚れの程度を比較することを含むスクリーニング方法に関する。

発明の効果

0012

本開示によれば、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制できる。また、本開示によれば、その他の一又は複数の実施形態において、タール汚れを抑制できる物質のスクリーニング方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、実施例1〜22の結果の一例の写真である。
図2は、比較例1〜15の結果の一例の写真である。
図3は、コークス炉ガスの精製工程の一例を示す概略フロー図である。

0014

本開示は、コークス炉ガス精製におけるスクラバー水が通過する設備や流路におけるタール汚れが、該スクラバー水に界面活性剤を存在させることにより抑制される、という知見に基づく。

0015

すなわち、本開示は、一態様において、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む組成物(以下、「本開示に係るタール汚れ抑制組成物」ともいう。)に関する。

0016

本開示における「スクラバー水」とは、一又は複数の実施形態において、生成ガス排気中に含まれる有害物質気液接触によって除去する設備(通常、スクラバーともいわれている)において循環する吸収液をいう。吸収液としては、一又は複数の実施形態において、水、アルカリ性水溶液、及び酸性水溶液等の液体が一般的に使用されている。

0017

[界面活性剤]
本開示に係るタール汚れ抑制組成物は、水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む。該界面活性剤としては、タール汚れを抑制する観点から、HLB10以上の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及びこれらの組み合わせが好ましく、より好ましくはHLB10以上の非イオン界面活性剤である。

0018

本開示において「水溶性の非イオン界面活性剤」とは、1%又は5%の濃度で25℃の水と混合した場合に、透明又はった状態で溶解した非イオン界面活性剤をいう。

0019

非イオン界面活性剤のHLBは、一又は複数の実施形態において10以上であり、有効成分の分散性の点から、好ましくは11以上である。

0020

非イオン界面活性剤としては、タール汚れを抑制する観点から、エチレンオキサイド(EO)基又はエチレンオキサイドプロピレンオキサイド(EOPO)基付加物であることが好ましい。エチレンオキサイド(EO)基の平均付加モル数は、同様の観点から、好ましくは5モル以上、より好ましくは7モル以上、更に好ましくは10モル以上である。EO基の平均付加モル数は、同様の観点から、好ましくは70モル以下、より好ましくは45モル以下、更に好ましくは30モル以下である。エチレンオキサイドプロピレンオキサイド(EOPO)基の平均付加モル数は、同様の観点から、上記のEO基の平均付加モル数と同様である。本開示における「EOPO基の平均付加モル数」は、EO基とPO基との合計のモル数平均値をいう。EOPO基付加物におけるEO基とPO基との比率(EO基/PO基)は、特に限定されるものではなく、一又は複数の実施形態において、10/90〜90/10である。

0021

非イオン界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、タール汚れを抑制する観点から、ポリオキシエチレンアルキルアミンポリオキシエチレンアルキルエーテルショ糖脂肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。これらの界面活性剤におけるEO基の平均付加モル数は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から上述の範囲であることが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、同様の点から、脂肪酸モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩アルキルエステル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。

0022

前記ポリオキシエチレンアルキルアミンは、限定されない一又は複数の実施形態において、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。

0023

0024

式(I)において、R1は、炭素数9以上25以下、又は12以上22以下の飽和または不飽和脂肪酸、n及びmは、EO基の付加モル数を表し、前述の平均付加モル数はmとnの和(m+nの値)の平均値である。

0025

前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、限定されない一又は複数の実施形態において、下記一般式(II)で表されるものが挙げられる。

0026

0027

式(II)において、R2は、炭素数9以上25以下、又は12以上22以下の飽和または不飽和脂肪酸、nは、EO基の平均付加モル数を表す。

0028

本開示に係るタール汚れ抑制組成物に含まれる界面活性剤は、一又は複数の実施形態において、一種類でもよく、二種類以上の組み合わせであってもよい。二種類の組み合わせの場合、一又は複数の実施形態において、二種類の水溶性の非イオン界面活性剤、又はアニオン界面活性剤の組み合わせが挙げられ、あるいは、非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との組み合わせ等が挙げられる。

0029

本開示に係るタール汚れ抑制組成物における上記の界面活性剤の含有量は、一又は複数の実施形態において、5質量%以上100質量%以下が挙げられる。本開示に係るタール汚れ抑制組成物が、一又は複数の実施形態において、液体の形態の場合、界面活性剤の含有量は溶解できる範囲であることが挙げられる。

0030

[その他の成分]
本開示に係るタール汚れ抑制組成物は、界面活性剤以外に、エタノールやグリコール系溶剤スケール防止剤の他消泡剤を含有してもよい。エタノールやグリコール系溶剤は前記組成物の安定化のためである。スケール防止剤はタール汚れ抑制効果阻害しない範囲で併用することができ、その成分としてはポリアクリル酸系ポリマーホスホン酸が挙げられるがスケール防止剤として公知の剤であればなんでも良い。消泡剤についてもタール汚れ抑制効果を阻害しない範囲で併用することができる。

0031

[タール汚れ抑制組成物]
本開示に係るタール汚れ抑制組成物は、固体粉末、又は液体の形態であってよい。液体の形態の場合、媒体としては、水又はスクラバー水が挙げられる。該水としては、一又は複数の実施形態において、純水、イオン交換水水道水工業用水河川水が挙げられる。該スクラバー水としては、一又は複数の実施形態において、新たに調製されたものでもよく、コークス炉ガス精製で使用されているスクラバー水であってもよい。本開示に係るタール汚れ抑制組成物は、一又は複数の実施形態において、界面活性剤と、必要に応じて水及び/又はその他の成分と混合することで調製できる。

0032

本開示に係るタール汚れ抑制組成物の用途は、コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制する用途である。図3に、限定されない、コークス炉ガスの精製工程の概略を示す。図3に示すように、コークス炉ガス精製において、スクラバー水は、ドライメーンにおけるフラッシング、冷却装置、ナフタリンスクラバー、脱硫塔アンモニアスクラバー等の設備で使用されうる。タールを含むスクラバー水が接触しうるこれらの設備及びこれらの設備に接続する配管におけるタール汚れを抑制するために、一又は複数の実施形態において、本開示に係るタール汚れ抑制組成物は使用されうる。

0033

本開示に係るタール汚れ抑制組成物の使用方法としては、コークス炉ガスの精製設備で使用されている、或いは、使用されるスクラバー水に添加することが挙げられる。添加量としては、一又は複数の実施形態において、スクラバー水中に含まれているタール濃度と等量を添加することが挙げられる。スクラバー水中のタール濃度は、例えばノルマルヘキサン抽出法などで得られた数値を参考にすることができる。一又は複数の実施形態において、タール濃度に対して95:5〜5:95の範囲で実際のタール汚れの抑制効果をみながら適宜添加できる。タールの組成石炭種により異なる場合など、なんらかの理由によりタール汚れ抑制組成物の効果が良い場合には、タール汚れ抑制組成物のタールに対する添加比率を95:5に限らずさらに下げることができる。添加頻度としては、一又は複数の実施形態において、スクラバー水の補給水に対して連続添加が挙げられる。添加場所としては、一又は複数の実施形態において、循環水ラインであればどこでもよく、循環水がコークス炉ガスと接触する以前がより好ましい。

0034

[タール汚れ抑制方法
したがって、本開示は、その態様において、コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水が接触する部分におけるタール汚れを抑制する方法であって、前記スクラバー水に界面活性剤を含有させることを含む方法(以下、「本開示に係るタール汚れ抑制方法」ともいう。)に関する。

0035

本開示に係るタール汚れ抑制方法は、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水に本開示に係るタール汚れ抑制組成物を添加することを含む。タール汚れ抑制組成物の添加量等については上述のとおりとすることができる。

0036

[タール汚れ付着物のスラリー化
本開示は、その他の態様において、タール汚れ付着物のスラリーの製造方法であって、該付着物をリモネン−エタノール混合溶剤中で溶解及び又は分散させることを含む製造方法に関する。タール汚れ付着物をスラリー化できれば、後述するスクリーニング方法が可能となる。ここで、タール汚れ付着物とは、一又は複数の実施形態において、コークス炉ガス精製設備で発生しうるタール汚れの付着/堆積物を指し、タールを主成分として石炭粉コークス粉及び無機塩などを含む粘性物質である。

0037

リモネン−エタノール混合溶剤の混合比(リモネン/エタノール)としては、タール汚れ付着物のスラリー化のし易さの点から、ほぼ1/1が好ましい。

0038

本開示は、その他の態様において、タール汚れ付着物、及び、リモネン−エタノール混合溶剤を含む、タール汚れ付着物のスラリー組成物に関する。該スラリー組成物におけるタール汚れ付着物の含有量としては、一又は複数の実施形態において、0.1質量%以上10質量%以下、又は、0.4質量%以上5質量%以下である。

0039

[スクリーニング方法]
本開示は、その他の態様において、タール汚れを抑制できる物質のスクリーニング方法であって、候補物質を含む水性媒体と該候補物質を含まない水性媒体とにそれぞれ前記スラリー組成物を添加して汚れの程度を比較することを含むスクリーニング方法に関する。前記比較は、例えば、実施例に記載のように行うことができる。一又は複数の実施形態において、前記比較の結果、候補物質を含まない水性媒体よりも汚れの程度があきらかに少ない場合、タール汚れを抑制できる物質の候補として選択できる。

0040

本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関しうる;
[1]コークス炉ガス精製に使用するスクラバー水に添加して該スクラバー水が接する部分におけるタール汚れを抑制するための組成物であって、水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む、組成物。
[2] 前記水溶性の非イオン界面活性剤が、HLB値が10以上の非イオン界面活性剤である、[1]記載の組成物。
[3] 前記水溶性の非イオン界面活性剤が、エチレンオキサイド(EO)基又はエチレンオキサイドプロピレンオキサイド(EOPO)基付加物である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 前記水溶性の非イオン界面活性剤が、エチレンオキサイド(EO)基の平均付加モル数が5モル以上のEO付加物である、[1]から[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]から[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 前記アニオン界面活性剤は、脂肪酸モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]から[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]コークス炉ガス精製設備で使用されるスクラバー水が接触する部分におけるタール汚れを抑制する方法であって、前記スクラバー水に水溶性の非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含有させることを含む、方法。
[8] 前記スクラバー水に界面活性剤を含有させることが、前記スクラバー水に[1]から[6]のいずれかに記載の組成物を添加することを含む、[7]に記載の方法。
[9] 前記スクラバー水が接触する部分が、ドライメーン、冷却装置、ナフタリンスクラバー、脱硫装置、及び、アンモニアスクラバー、並びにこれらに接続するスクラバー水流路からなる群から選択される少なくとも1つである、[7]又は[8]に記載の方法。
[10] タール汚れ付着物のスラリーの製造方法であって、該付着物をリモネン−エタノール混合溶剤中で溶解及び又は分散させることを含む、製造方法。
[11] タール汚れ付着物、及び、リモネン−エタノール混合溶剤を含む、タール汚れ付着物のスラリー組成物。
[12] タール汚れを抑制できる物質のスクリーニング方法であって、候補物質を含む水性媒体と該候補物質を含まない水性媒体とにそれぞれ[11]記載のスラリー組成物を添加して汚れの程度を比較することを含む、スクリーニング方法。

0041

以下の実施例、比較例及び参考例に基づいて本開示を説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。

0042

[タール汚れ付着物スラリー組成物の調製]
コークス炉ガス精製工場(2カ所)の脱硫設備のそれぞれ異なるタワー充填物から下記a〜eのタール汚れ付着物を回収した。タワー充填物とは、コークス炉ガス精製においてガスとスクラバー水(アンモニア水、ナフトキノリンスルホン酸ナトリウム水溶液など)との接触効率を向上させる為、当該設備に設置されている構造物である。タワー充填物の材質としては、樹脂・木製など、費用負荷に応じて様々な形・材質が採用されている。

0043

下記表1における灼熱熱量、ジクロロ抽出率及びC/H比は以下の通りである。
灼熱減量:800℃で強熱して減少した重量比率を指し、燃えるもの及び揮発する物質の含有量の目安となる。
ジクロロ抽出率:付着物をジクロロメタンに接触させて、溶解後抽出されたものの重量比率をいう。
C/H比:CHN計で測定される付着物中に含まれるCとHの比率を指し、重合度の目安となる。

0044

0045

タール汚れ付着物をスラリー化できる溶剤を見つけるため、トルエン、ジクロロメタン、リモネン、ヘキサンヘプタンメタノール、エタノール、アセトン、アセトン−トルエン混合溶剤(1:1)、トルエン−エタノール混合溶剤(1:1)、又は、リモネン−エタノール混合溶剤(1:1)に対するタール汚れ付着物の溶解性・分散性を下記のように調べた。
(1)採取した付着物をうち、所定量(0.15g)の付着物を、ガラス製50mLスクリュー管量した。
(2)選定した溶剤30mLを投入後の外観を観察し、その後5回天地混合して再観察した。
(3)その後、常温静置し、24時間後の状態を観察して判断した。
その結果、リモネン−エタノール混合溶剤(1:1)が最も好適にタール汚れ付着物をスラリー化できた。

0046

[タール汚れ付着物を抑制できる薬剤スクリーニング
リモネン−エタノール混合溶剤(1:1)を用いて上記表1のdのタール汚れ付着物をスラリー化して調製した前記スラリー組成物を使用し、タール汚れ付着物を抑制できる薬剤を下記のようにスクリーニングした。
(1)100mLのガラス製スクリュー管に、下記薬剤(試薬1〜36)を有効成分濃度で300ppmになるように添加した水溶液50mL及び前記スラリー組成物0.5mLを投入する。常温において固体である試薬7(ラウリルアミンEO付加物:30mols)、試薬36(ラウリルアミン)については、50℃の恒温庫で加温溶解、試薬3(ステアリルアミンEO付加物:30mols)、試薬4(ステアリルアミン EO付加物:45mols)、試薬8(牛脂アミンEO付加物:10mols)、試薬23(ステアリルアミン EO付加物:2mols)については、70℃の恒温庫で加温溶解、試薬9(ステアリルエーテルEO付加物:20mols)、試薬10(オレイルエーテルEO付加物:20mols)、試薬34(ステアリルアミン)については、100℃の恒温庫で加温溶解後に30重量%のエタノールに溶かしたものを使用した。タール汚れ添加濃度は1000ppmとした。
(2)添加直後、10回天地した後の外観を観察し、その後も経時的(1時間後、24時間後、1週間後)に変化を確認し、下記評価方法で評価した。24時間後に10回天地した後の結果を下記表2、図1及び図2に示す。また、「10回天地する」とは20回ひっくり返すことを意味する。

0047

0048

[評価方法]
目視によるガラス壁面付着状況薬剤効果を判断
5点ガラス面がクリアー
4点 わずかに付着が認められる
3点 うっすらと全面に油膜が認められる or 点々と付着が認められる
2点 比較的、しっかりとした付着・油膜が認められる
1点 全面的に、強固な付着が認められる

0049

図1及び2は試験開始24時間後に10回天地した後の写真である。水溶性の非イオン界面活性剤を主成分とする試薬1〜17を含有する実施例1〜17及びアニオン界面活性剤を主成分とする試薬18〜22を含有する実施例18〜22では、試薬を含まない比較例1、非水溶性の非イオン界面活性剤(試薬23及び24)、カチオン界面活性剤両性界面活性剤及び界面活性剤ではないポリマーなどを含有する比較例2〜15に比べて、汚れ抑制効果が認められた。特に、水溶性の非イオン界面活性剤を主成分とする実施例1〜17は、タール汚れ付着抑制効果が優れていた。

0050

実機水を用いた試験結果]
スクラバー水を模擬した水道水に換えて、某コークス炉ガス精製工場の脱硫装置のナフトキノリンスルホン酸ソーダを含む実機循環水を用い、薬剤として試薬2、5又は14を用いた以外は、上記の[タール汚れ付着物を抑制できる薬剤のスクリーニング]と同様に行った。24時間後の結果を下記表3に示す。

0051

0052

実施例23〜25は、良好なタール汚れ抑制効果が得られた。実施例23〜25のいずれにおいても、静置時に水面にタール層が生成されるが天地混合すると綺麗に分散したこと加え、壁面への付着は認められなかった。特に、実施例23は、処理開始から24時間経過後においても壁面への付着が認められなかった。

0053

[脱硫塔を想定した試験結果]
某コークス炉ガス精製工場の脱硫設備のタワー充填物の素材ポリプロピレン樹脂であることから実機を想定した試験を実施した。100mLのガラス製スクリュー管に換えてポリプロピレン樹脂を用い、薬剤として試薬2、5及び14を用いた以外は、上記の[タール汚れ付着物を抑制できる薬剤のスクリーニング]と同様に試験をした。24時間後の結果を下記表4に示す。

0054

0055

表4に示すように、いずれもタール汚れ抑制効果は良好であった。試薬2(ステアリルアミンEO付加物:20mols)は、試薬5(オレイルアミンEO付加物:8〜10mols)及び試薬14(アルキル(C12−C15)エーテルEO付加物:5−15mols)に比べて良好な汚れ抑制効果が得られた。

0056

[添加濃度]
試薬2(ステアリルアミンEO付加物:20mols)について、タール汚れとの比率を変えて最適なタール汚れ抑制効果が得られる濃度を検討した。試験方法は[タール汚れ付着物を抑制できる薬剤のスクリーニング]試験と同様である。24時間後の結果を下記表5に示す。

0057

0058

上記表5に示すとおり、いずれの場合においても良好な汚れ抑制効果が得られた。また、いずれの場合も、泡立ちは確認されなかった。

0059

次に、アニオン界面活性剤である試薬18〜22についても同様の試験を行った。その結果を下記表6に示す。

0060

実施例

0061

若干の泡立ちが生じたものの、上記表6に示すとおり、有効成分濃度を上昇させた場合であっても汚れ抑制効果が得られた。

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