図面 (/)

技術 熱可塑性エラストマー組成物

出願人 アロン化成株式会社
発明者 伊達憲昭竹尾勇也亀井雄希
出願日 2014年10月10日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-209404
公開日 2016年5月16日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-079226
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 高分子成形材料 超音波ウェルダー 立体形 溶着対象 インサート成形体 熱可塑性スチレン系エラストマー アクリル高分子 脂肪族ポリエーテルブロック
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

透明性を満足しつつも、圧縮永久歪特性及び柔軟性に優れ、さらには融着性を満足する熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体を提供すること。

解決手段

熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC、及びアイオノマーDを含有してなり、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が200,000〜500,000であり、前記軟化剤Bの40℃における動粘度が30〜500mm2/sであり、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが、ハードセグメントソフトセグメントとを10/90〜30/70の質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で含む、熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体。

概要

背景

自動車電子材料家電電気機器医療用具包装資材文具雑貨品等の各種成形品に有用な組成物として、ポリエステル系エラストマースチレン系エラストマーとを含む熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。この熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の用途に応じて種々の物性が求められる。例えば、ペングリップに用いるためには、ポリカーボネート等の硬質樹脂への融着性、良好な触感を得るための柔軟性、美観インク残量を確認するための透明性、長期間使用しても変形しないための圧縮永久歪特性(CS)等が求められる。

例えば、特許文献1には、適度の柔軟性を有する高分子成形材料を提供する目的で、下記の(イ)成分と(ロ)成分とを、(ロ)成分が、(イ)成分と(ロ)成分の合計の20〜59重量%を占めるように混合した熱可塑性樹脂組成物が記載されており、ポリエステルエラストマーイオン性共重合体を混合すると、透明性が向上することが開示されている。
(イ)(a)ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、(b)低分子量グリコール及び/またはそのエステル形成性誘導体、及び(c)平均分子量500〜5000のポリオキシアルキレングリコール及び/またはそのエステル形成性誘導体の三者を、(c)成分がポリエステルエラストマー重量の10〜90%を占めるように重縮合したポリエステルエラストマー。
(ロ)α−オレフィンとα・β−不飽和カルボン酸の塩とを共重合した、1〜3価の金属イオンを含有するイオン性共重合体。

また、特許文献2には、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%と、水素添加されたスチレン系エラストマ(B)及び/又は結晶性ポリオレフィンブロックを有する水素添加された熱可塑性ブロック共重合体(C)90〜5重量%との合計100重量部に対し、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(D)0.2〜20重量部及び/又はカルボン酸アルカリ金属塩(E)0.01〜3重量部及び/又は有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(F)0.01〜3重量部を配合してなり、厚さ約2mmのシートで測定したヘイズ値度)が85%以下の透光性あるいは透明性を有する熱可塑性エラストマ樹脂組成物、が開示されている。

概要

透明性を満足しつつも、圧縮永久歪特性及び柔軟性に優れ、さらには融着性を満足する熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体を提供すること。熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC、及びアイオノマーDを含有してなり、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が200,000〜500,000であり、前記軟化剤Bの40℃における動粘度が30〜500mm2/sであり、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが、ハードセグメントソフトセグメントとを10/90〜30/70の質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で含む、熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体。なし

目的

例えば、特許文献1には、適度の柔軟性を有する高分子成形材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC、及びアイオノマーDを含有してなり、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が200,000〜500,000であり、前記軟化剤Bの40℃における動粘度が30〜500mm2/sであり、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの質量比(A/B)が10/90〜90/10であり、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが、ハードセグメントソフトセグメントとを10/90〜30/70の質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で含み、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの含有量が、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの合計量100質量部に対して50〜250質量部であり、前記アイオノマーDの含有量が、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの合計量100質量部に対して1〜50質量部である、熱可塑性エラストマー組成物

請求項2

硬度が80以下である、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。

請求項3

さらに、金属石鹸Eを、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜15質量部含む、請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。

請求項4

さらに、相溶化剤Fを、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜50質量部含む、請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。

請求項5

さらに、増粘剤Gを、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部含む、請求項1〜4いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。

請求項6

請求項1〜5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる、成形体

請求項7

請求項1〜5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物が部材に溶着してなる、複合成形体

技術分野

0001

本発明は、電子材料家電電気機器医療用具包装資材文具雑貨品等の各種成形品に有用な熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体に関する。

背景技術

0002

自動車、電子材料、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用な組成物として、ポリエステル系エラストマースチレン系エラストマーとを含む熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。この熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の用途に応じて種々の物性が求められる。例えば、ペングリップに用いるためには、ポリカーボネート等の硬質樹脂への融着性、良好な触感を得るための柔軟性、美観インク残量を確認するための透明性、長期間使用しても変形しないための圧縮永久歪特性(CS)等が求められる。

0003

例えば、特許文献1には、適度の柔軟性を有する高分子成形材料を提供する目的で、下記の(イ)成分と(ロ)成分とを、(ロ)成分が、(イ)成分と(ロ)成分の合計の20〜59重量%を占めるように混合した熱可塑性樹脂組成物が記載されており、ポリエステルエラストマーイオン性共重合体を混合すると、透明性が向上することが開示されている。
(イ)(a)ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体、(b)低分子量グリコール及び/またはそのエステル形成性誘導体、及び(c)平均分子量500〜5000のポリオキシアルキレングリコール及び/またはそのエステル形成性誘導体の三者を、(c)成分がポリエステルエラストマー重量の10〜90%を占めるように重縮合したポリエステルエラストマー。
(ロ)α−オレフィンとα・β−不飽和カルボン酸の塩とを共重合した、1〜3価の金属イオンを含有するイオン性共重合体。

0004

また、特許文献2には、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%と、水素添加されたスチレン系エラストマ(B)及び/又は結晶性ポリオレフィンブロックを有する水素添加された熱可塑性ブロック共重合体(C)90〜5重量%との合計100重量部に対し、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(D)0.2〜20重量部及び/又はカルボン酸アルカリ金属塩(E)0.01〜3重量部及び/又は有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(F)0.01〜3重量部を配合してなり、厚さ約2mmのシートで測定したヘイズ値度)が85%以下の透光性あるいは透明性を有する熱可塑性エラストマ樹脂組成物、が開示されている。

先行技術

0005

特公昭58−24459号公報
特開2004−143352号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1に記載の組成からなる熱可塑性樹脂組成物はあまり柔軟性を上げることができず、実施例に示された組成物の表面硬度デュロメータ硬度で34〜40と、比較的硬いものである。デュロメータD硬度は比較的硬いゴムの表面硬度を測定する方法であり、より柔らかいゴムの表面硬度測定方法であるデュロータA硬度との対比は、D硬度30〜40がA硬度80〜90に対応することが知られている。
また、特許文献1には、各種添加剤を併用しても良いことが記載されているが、柔軟性を上げる方法については開示がなく、また、ポリエステルエラストマーに、本来透明であるポリスチレンを配合すると不透明になることが記載されていることから、スチレン系のエラストマーを併用する組成物については開示も示唆もない。

0007

特許文献2では、実施例から、パラフィン系オイルが配合された熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、配合されていないものと比べて透明性が低くなっていることがわかる。

0008

本発明の課題は、透明性を満足しつつも、圧縮永久歪特性及び柔軟性に優れ、さらには融着性を満足する熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いて得られる成形体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、
〔1〕熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC、及びアイオノマーDを含有してなり、
前記熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が200,000〜500,000であり、
前記軟化剤Bの40℃における動粘度が30〜500mm2/sであり、
前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの質量比(A/B)が10/90〜90/10であり、
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが、ハードセグメントソフトセグメントとを10/90〜30/70の質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で含み、
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの含有量が、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの合計量100質量部に対して50〜250質量部であり、
前記アイオノマーDの含有量が、前記熱可塑性スチレン系エラストマーAと前記軟化剤Bの合計量100質量部に対して1〜50質量部である、
熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる、成形体、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物が部材に溶着してなる、複合成形体
に関する。

発明の効果

0010

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、透明性を満足しつつも、柔軟性及び圧縮永久歪特性に優れ、さらには融着性を満足するという効果を奏するものである。

0011

従来、透明性の観点からは、熱可塑性エラストマー組成物に含まれる熱可塑性スチレン系エラストマーは重量平均分子量が低いものが好ましいというのが当業者の技術常識である。ところが、重量平均分子量の高い熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマー及びアイオノマーを含有する熱可塑性エラストマー組成物が軟化剤を含む場合、これを含まない場合と比べて柔軟性が向上することはもちろんのこと、驚くべきことに、上記技術常識とは反対に、透明性が高くなることがわかった。加えてこの組成においては、重量平均分子量が高いこと等から圧縮永久歪特性も優れている。このような傾向は従来全く知られていなかったものである。本発明者らはこの画期的な知見に基づき鋭意研究をした結果、本発明を完成するに至った。

0012

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC及びアイオノマーDを含有するものである。

0013

熱可塑性スチレン系エラストマーAは、柔軟性と成形性の観点から、スチレン系単量体からなる重合体ブロック単位(s1)と、共役ジエン化合物からなる重合体のブロック単位(b1)とからなるブロック共重合体(Z1)であることが好ましい。

0014

ブロック単位(s1)を構成するスチレン系単量体としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレンビニルナフタレンビニルアントラセン等が挙げられる。

0015

ブロック共重合体(Z1)は、ブロック単位(s1)からなる硬い部分(ハードセグメント)と、ブロック単位(b1)とからなる柔らかい部分(ソフトセグメント)とからなり、全体の物性を決定する観点から、ブロック共重合体(Z1)におけるスチレン系単量体の含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜40質量%がさらに好ましい。

0016

ブロック単位(b1)を構成する共役ジエン化合物としては、ブタジエンイソプレン、1,3-ペンタジエン等が挙げられる。

0017

ブロック共重合体(Z1)は、水素添加することにより不飽和結合が減少し、耐熱性耐候性及び機械的特性が向上することから、その一部又は全部が水素添加されていることが好ましい。水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。本発明において、水素添加率は、ブロック共重合体中の共役ジエン単位由来する炭素炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、1H-NMRスペクトル等によって測定し、該測定値から求めることができる。

0018

ブロック共重合体(Z1)の水素添加物の具体例としては、スチレン−エチレンブチレンスチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴムアクリロニトリル−ブタジエンゴムピリジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエン−ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリイソプレン−ポリ(α-メチルスチレン)、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレンゴム等が挙げられる。これらは、単独であっても、2種以上の混合物であってもよいが、原料調製及び作業性の観点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。

0019

熱可塑性スチレン系エラストマーAは、さまざまな特性のものが工業的に大量に生産されていて入手しやすい観点から、酸変性されていないことが好ましい。

0020

熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量は、圧縮永久歪みの観点から、200,000以上であり、210,000以上が好ましく、220,000以上がより好ましい。また、熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量は、成形性の観点から、500,000以下であり、470,000以下が好ましく、450,000以下がより好ましい。これらの観点から、熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量は、200,000〜500,000であり、210,000〜470,000が好ましく、220,000〜450,000がより好ましい。熱可塑性エラストマーAが複数のエラストマーからなる場合は、各エラストマーの重量平均分子量の加重平均値が上記範囲内で入るものとする。

0021

軟化剤Bは、例えばパラフィンオイルナフテンオイル芳香族系オイル等のゴム用軟化剤が挙げられるが、これらのなかでは、水添熱可塑性エラストマーとの親和性が良好で、ブリードが起きにくいという観点から、パラフィンオイルが好ましい。

0022

軟化剤Bの40℃での動粘度は、高い方が、加熱溶融時の揮発を防ぎ、耐ブリード性も良くなることから、30mm2/s以上であり、40mm2/s以上が好ましく、50mm2/s以上がより好ましい。また、低い方が取扱いが容易であることから、500mm2/s以下であり、450mm2/s以下が好ましく、400mm2/s以下がより好ましい。これらの観点から、軟化剤Bの40℃での動粘度は、30〜500mm2/sであり、40〜450mm2/sが好ましく、50〜400mm2/sがより好ましい。

0023

本発明の組成物における熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの質量比(A/B)は、熱可塑性スチレン系エラストマーAが多すぎると、各種配合成分の分散性が低下することから、90/10以下であり、85/15以下が好ましく、80/20以下がより好ましく、75/25以下がさらに好ましい。また、熱可塑性スチレン系エラストマーAが少な過ぎると、オイルブリードが生じ、物性等の劣化にもつながることから、10/90以上であり、15/85以上が好ましく、20/80以上がより好ましく、25/75以上がさらに好ましい。これらの観点から、本発明の組成物における熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの質量比(A/B)は、10/90〜90/10であり、好ましくは15/85〜85/15、より好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは25/75〜75/25である。

0024

熱可塑性ポリエステル系エラストマーCは、ハードセグメント(硬い部分)とソフトセグメント(柔らかい部分)とを含むことが好ましく、ハードセグメントとして芳香族ポリエステルブロックを有し、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルブロックを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体であることがより好ましい。

0025

ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体のハードセグメントである芳香族ポリエステルブロックは、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸、1,4-又は2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルの1種又は2種以上と、エチレングリコールプロピレングリコールトリメチレングリコールテトラメチレングリコールヘキサメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4’-β-ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン等のジオールの1種又は2種以上との重縮合体であることが好ましい。市販品としては、例えば、「Keyflex」(LGケミカル社製、商品名)、「ペルプレン」(東洋紡績株式会社製、商品名)、「ハイトレル」(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、「フレクマー」(日本合成化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。

0026

ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体のソフトセグメントである脂肪族ポリエーテルブロックは主としてポリアルキレンエーテルグリコールからなることが好ましい。ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体のソフトセグメントである脂肪族ポリエーテルブロックの重量平均分子量は、400〜6000が好ましい。

0027

熱可塑性ポリエステル系エラストマーCは、様々な硬度のものがあることが知られているが、柔軟性の観点から、比較的低硬度であることが好ましい。かかる観点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCにおけるハードセグメントとソフトセグメントとの質量比(ハードセグメント/ソフトセグメント)は、10/90〜30/70であり、13/87〜28/72が好ましく、15/85〜25/75がより好ましい。

0028

熱可塑性ポリエステル系エラストマーCのA硬度は、50〜98が好ましく、60〜95がより好ましく、70〜90がさらに好ましい。なお、本発明において、A硬度はデュロメータタイプA硬度である。

0029

熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの含有量は、多いほど極性樹脂との融着性が良くなることから、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、50質量部以上であり、好ましくは70質量部以上、より好ましくは90質量部以上である。また、少ない方が柔軟性に優れることから、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、250質量部以下であり、好ましくは230質量部以下、より好ましくは220質量部以下である。これらの観点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの含有量は、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、50〜250質量部であり、好ましくは70〜230質量部、より好ましくは90〜220質量部である。

0030

アイオノマーDは、組成物の透明性を向上させる効果がある。アイオノマーDとしては、アクリル酸又はメタクリル酸含有のエチレン系共重合体のカルボキシル基の一部が金属塩となったものが好ましく、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体がより好ましい。アイオノマーDは熱可塑性であることが必要であり、カルボキシル基の濃度は、アイオノマーD 1モル当り、0.1〜20モル%程度が好ましい。このカルボキシル基の10〜90%、好ましくは20〜70%は金属塩となっていることが好ましい。金属塩としては、アルカリ金属アルカリ土類金属亜鉛等の塩が挙げられ、これらの中ではアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。このようなものは、ハイミランサーリン等の名称で市販されており、適宜用いることができる。

0031

アイオノマーDの融点は、混練性の観点から、50〜150℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。

0032

アイオノマーDの含有量は、多い方が透明性が良くなる傾向があるが、あまり多くても透明性は頭打ちとなり、結晶化速度や耐熱性に悪影響が現れることがあるため、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、1〜50質量部であり、好ましくは10〜45質量部である。

0033

熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC及びアイオノマーDの総含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。

0034

熱可塑性エラストマー組成物は、さらに、金属石鹸Eを含有していてもよい。金属石鹸、即ちカルボン酸の金属塩を併用することによってさらに透明性を向上させることができる。

0035

金属石鹸Eとしては、脂肪族カルボン酸の金属塩、脂環式カルボン酸の金属塩、芳香族のカルボン酸の金属塩等が挙げられ、好ましくは炭素数35以下の脂肪族カルボン酸の金属塩であり、より好ましくは炭素数35以下のモノカルボン酸の金属塩、さらに好ましくは炭素数10〜32のモノカルボン酸の金属塩である。金属塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛等の塩が挙げられ、これらの中ではアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。好適な具体例としては、ステアリン酸ナトリウムが挙げられる。

0036

金属石鹸Eの含有量は、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。

0037

本発明の組成物においては、金属石鹸のかわりに、又は金属石鹸と併用して透明核剤を用いることによってさらに透明性を向上させることができる。合成樹脂用添加剤のうち、透明核剤、結晶造核剤透明化剤等の名称で知られるものには、金属塩タイプとソルビトールタイプがあるが、本発明では金属塩タイプが好ましく、金属塩としては、ナトリウムカリウムリチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛等の塩等が挙げられ、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。対イオンとしては有機リン酸エステル化合物が好ましく、芳香族リン酸エステル化合物がより好ましい。具体的には旭電化株式会社製のアデカスタブNAシリーズを挙げることができる。透明核剤を含む場合の含有量は、熱可塑性スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、金属石鹸と併用する場合でも同様である。

0038

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、さらに、相溶化剤F、増粘剤G、ポリオレフィンH等を含有していてもよい。これらは、それぞれ単独であっても、併用されていてもよい。

0039

相溶化剤Fは、融着性の観点から、好ましい。

0040

相溶化剤Fは、耐摩耗性と融着性に優れることから、酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1、酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーF2、及びスチレン系エラストマーとウレタン系エラストマーグラフトポリマーF3からなる群より選ばれた少なくとも1種のエラストマーが好ましい。

0041

酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1としては、スチレン系単量体からなる重合体のブロック単位(s2)と、共役ジエン化合物からなる重合体のブロック単位(b2)とからなるブロック共重合体(Z2)の水素添加物を酸変性させたものが好ましい。

0042

ブロック単位(s2)を構成するスチレン系単量体としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。

0043

ブロック単位(b2)を構成する共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン等が挙げられる。

0044

ブロック共重合体(Z2)は、ブロック単位(s2)からなる硬い部分(ハードセグメント)と、ブロック単位(b2)とからなる柔らかい部分(ソフトセグメント)とからなり、全体の物性を決定する観点から、ブロック共重合体(Z2)におけるスチレン系単量体の含有量は、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。

0045

ブロック共重合体(Z2)の水素添加は、一部であっても、全部であってもよいが、水素添加することにより不飽和結合が減少し、耐熱性、耐候性及び機械的特性が得られる。それらの観点から、水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。

0046

ブロック共重合体(Z2)の水素添加物の具体例としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン(スチレン制御分布)−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ピリジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエン−ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリイソプレン−ポリ(α-メチルスチレン)、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレンゴム等が挙げられる。これらは、単独であっても、2種以上の混合物であってもよいが、原料調製及び作業性の観点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン(スチレン制御分布)−スチレンブロック共重合体(SEB(S)S)及びスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。

0047

ブロック共重合体(Z2)の水素添加物の酸変性は、特に限定されるものではないが、例えば、水素添加物にカルボキシル基又は酸無水物基を導入することによって行うことができる。上記のカルボキシル基又は酸無水物基の導入は、それ自体公知の方法に従って行うことができる。具体的には、例えば、水素添加物と、アクリル酸、メタクリル酸等で例示される不飽和モノカルボン酸マレイン酸フマール酸ハイミック酸、イタコン酸等で例示される不飽和ジカルボン酸無水マレイン酸無水ハイミック酸無水イタコン酸等で例示される不飽和ジカルボン酸の無水物とを、有機過酸化物の存在下に、溶媒の存在下又は非存在下に加熱して、グラフト反応させることにより得ることができる。また、商業的に入手することもできる。

0048

酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1の酸変性量は、相溶性及び作業性の観点から、0.5〜5質量%が好ましく、0.7〜4.0質量%がより好ましく、1.0〜3.0質量%がさらに好ましい。

0049

酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1の重量平均分子量は、耐熱性の観点から、50,000以上が好ましく、溶融物流動性及びゴム弾性の観点から、400,000以下が好ましい。これらの観点から、酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1の重量平均分子量は、50,000〜400,000が好ましく、70,000〜350,000がより好ましく、80,000〜300,000がさらに好ましい。酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1は、1種のみが用いられていてもよく、重量平均分子量や1,2-ビニル結合量等が異なる2種以上が併用されていてもよい。2種以上が併用されている場合は、それらの加重平均値が上記範囲内であることが好ましく、それぞれが上記範囲内であることがより好ましい。

0050

酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーF2としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン1-ヘキセン1-オクテン等のα−オレフィン共重合体エラストマー、これらと非共役ジエンとの共重合エラストマー、これらの2種以上の混合物等が挙げられ、これらのものの少なくとも一部が酸変性されたものである。これらの中では、エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性物及びプロピレン−α−オレフィン共重合体の酸変性物が好ましい。

0051

酸変性処理は、酸変性水添熱可塑性スチレン系エラストマーF1と同様に行うことができる。

0052

酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーF2の酸変性量は、相溶性及び作業性の観点から、0.5〜5質量%が好ましく、0.7〜4.0質量%がより好ましい。

0053

酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマーF2のA硬度は、95以下が好ましく、10〜90がより好ましく、20〜90がさらに好ましい。

0054

スチレン系エラストマーとウレタン系エラストマーのグラフトポリマーF3としては、1個のスチレン系エラストマーブロックと1個のポリウレタンエラストマーブロックを有するジブロック共重合体であっても、スチレン系エラストマーとポリウレタンエラストマーブロックが合計で3個又は4個以上結合したポリブロック共重合体であってもよいが、耐熱性に優れ、加熱溶融時に悪臭を放出しない観点から、1個のスチレン系エラストマーと1個のポリウレタンエラストマーブロックが結合したジブロック共重合体が好ましい。市販品としては、(株)クラレ社製クラロン(登録商標)TUポリマー等が挙げられる。

0055

相溶化剤Fの含有量は、耐摩耗性と他素材への融着性を良好にする観点から、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜45質量部がより好ましく、1〜40質量部がさらに好ましい。

0056

増粘剤Gを配合することで、組成物を溶融成形後金型内での冷却時に樹脂コシが向上するので、短い冷却時間でも成形品を金型から取り出すことができるようになり、成形サイクル時間が短くすることができる。

0057

増粘剤Gとしては、熱可塑性樹脂成型加工の際に溶融張力を増大させる効果のあるものであればいずれでも用いることができるが、なかでもエポキシ系増粘剤、アクリル系増粘剤等が好ましい。

0058

エポキシ系増粘剤としては、骨格にスチレン構造を有する重合体であるエポキシ化合物が好ましい。

0059

エポキシ化合物のエポキシ価は、高いものの方が反応性が高くなることから、0.10meq/g以上が好ましく、0.50meq/g以上がより好ましい。また、製造が容易なことから、5.0meq/g以下が好ましく、3.0meq/g以下がより好ましい。これらの観点から、エポキシ化合物のエポキシ価は、0.10〜5.0meq/gが好ましく、0.5〜3.0meq/gがより好ましい。

0060

エポキシ化合物は、(メタ)アクリル酸グリシジルとスチレン及び/又はスチレン誘導体とを含む単量体単位から構成されるものであることが好ましい。

0061

(メタ)アクリル酸グリシジルは、ポリエステル系エラストマーの末端官能基との反応性が非常に高く、所定量以上の(メタ)アクリル酸グリシジルを含むエポキシ化合物を配合することにより、熱可塑性ポリエステル系エラストマー相が高粘度化され、混練時に、ポリエステル系エラストマー相とスチレン系エラストマー相の両相の粘度比が縮まり、より細かく分散化を図ることができ、磨耗性等の機械強度の改善をすることができる。これらの観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルの含有量は、単量体単位中、15〜70質量%が好ましく、17〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。なお、本発明において、単量体単位中の含有量とは、その重合体を構成する全単量体単位中の当該単位の含有量を意味する。

0062

スチレン誘導体としては、スチレンのアルファ位、オルト位メタ位又はパラ位が炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子等の置換基置換された化合物が好ましい。該置換基の分子量(原子量)は60以下が好ましく、50以下がより好ましく、40以下がさらに好ましい。スチレン誘導体の具体例としては、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。

0063

スチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量は、単量体単位中、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。

0064

(メタ)アクリル酸グリシジル、スチレン及びスチレン誘導体以外の単量体単位としては、共重合しやすく、製造が容易であることから、(メタ)アクリル酸グリシジル以外の(メタ)アクリルモノマーが好ましい。

0065

(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等が挙げられる。

0066

エポキシ化合物におけるエポキシ基個数は、ポリエステル系エラストマーとの相溶性の観点から、1分子中に平均2個以上が好ましく、2.5〜20個がより好ましく、3〜10個がさらに好ましい。

0067

エポキシ化合物の重量平均分子量は、大きい方が高温下での揮発を抑えることができることから、1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。また、低い方が反応性が高くなることから、100,000以下が好ましく、80,000以下がより好ましく、50,000以下がさらに好ましい。これらの観点から、エポキシ化合物の重量平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、3,000〜80,000がより好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。

0068

エポキシ化合物の市販品としては、東亞合成(株)製のアルフォンUGシリーズ、日油(株)製のマープルーフGシリーズ、BASF製のジョンクリルADRシリーズ等が挙げられる。

0069

アクリル系増粘剤としては、アクリル高分子加工助剤や、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン等が知られているが、本発明においては、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンは、アクリル変性によって熱可塑性樹脂との相溶性を向上させたポリテトラフルオロエチレンが、溶融混練で繊維化(フィブリル化)して繊維状のネットワークを形成するため、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度を増大させて成形性を向上させることができる。

0070

増粘剤Gの含有量は、多い方が耐摩耗性に優れることから、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、0.1質量部以上であり、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、少ない方が成形性が良好になることから、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。これらの観点から、増粘剤Gの含有量は、耐摩耗性と成形性のバランスの観点から、ポリエステル系エラストマー100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜25質量部がより好ましく、1〜20質量部がさらに好ましい。

0071

ポリオレフィンHは、成形性の観点から、好ましい。

0072

ポリオレフィンHとしては、ポリエチレンポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。

0073

ポリオレフィンは酸変性されていてもよい。変性に用いられる酸としては、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、シス-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、エンド−シスービシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸等のジカルボン酸及び該ジカルボン酸の無水物、エステルアミドイミド等、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸及び該モノカルボン酸のエステル、アミド等が挙げられる。

0074

ポリオレフィンHの含有量は、少ない方が柔軟性を保つことができることから、スチレン系エラストマーAと軟化剤Bの合計量100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。

0075

本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。

0076

また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、極性樹脂の改質を目的として、極性エラストマーが含有されていてもよい。極性エラストマーとしては、特に制限されないが、例えばNBR(ニトリルゴム)、ポリウレタンゴムエピクロルヒドリンゴムポリウレタン系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。

0077

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、カーボンブラックシリカ炭素繊維ガラス繊維等の補強剤炭酸カルシウムタルククレー酸化チタンマイカ等の充填剤絶縁性熱伝導性フィラー滑剤光安定剤酸化防止剤紫外線吸収剤顔料難燃剤帯電防止剤離型剤粘着付与剤架橋剤、架橋助剤発泡剤香料等の各種添加剤を含有していてもよい。

0078

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性スチレン系エラストマーA、軟化剤B、熱可塑性ポリエステル系エラストマーC及びアイオノマーD、さらに必要に応じて金属石鹸E、相溶化剤F、増粘剤G、ポリオレフィンH等を含む原料を混合し、冷却により固化させて得られる。

0079

本発明でいう「混合」とは、各種成分が良好に混合される方法であれば特に限定されず、各種成分を溶解可能な有機溶媒中に溶解させて混合してもよいし、溶融混練によって混合してもよいが、増粘剤Gとしてエポキシ化合物を用いる場合は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCとエポキシ化合物の少なくとも一部を反応させることが好ましく、かかる観点から、原料の混合は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが溶融する条件下で行うことが好ましく、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの末端官能基との反応により、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの分子量が増大し、粘度が高くなる。エポキシ化合物以外の増粘剤を用いる場合でも、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの溶融温度で混練することによって増粘作用が発現するので、粘度上昇するまで原料の溶融温度で混練を続けることが好ましい。増粘することによって、組成物を熱融着に用いるときにも圧力がかかりやすくなって融着強度アップするほか、成形時のヒケの問題も改善される。従って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、組成物を構成する原料を、熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが溶融する条件下で混合して得られる反応生成物からなることが好ましい。

0080

熱可塑性ポリエステル系エラストマーCが溶融する条件下とは、例えば、粘弾性測定によって決定できる熱可塑性ポリエステル系エラストマーCの融点を基に定義することができ、静置状態で融点以上であれば溶融する条件であるが、溶融混練法では必ずしも静置状態で測定された融点ではなく、融点よりも低い温度で溶融することもあり、温度が高いほど溶融粘度が小さくなって混合しやすくなるが、あまり高いと熱分解が起きる恐れがある。これらの観点から、混練を伴うときの好ましい溶融温度範囲は、融点に対して-30℃〜+100℃であり、より好ましくは融点に対して-20℃〜+50℃である。

0081

溶融混練する場合には、一般的な押出機を用いることができ、混練状態の向上のため、二軸の押出機を使用することが好ましい。押出機への供給は、予めヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて各種成分を混合したものを一つのホッパーから供してもよいし、二つのホッパーにそれぞれの成分を仕込みホッパー下のスクリュー等で定量しながら供してもよい。

0082

熱可塑性エラストマー組成物を構成する原料を混合して得られる生成物は、用途に応じて、ペレット粉体、シート等の形状とすることができる。例えば、押出機によって溶融混練してストランド押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって円柱状や米粒状等のペレットに切断される。得られたペレットは、通常、射出成形押出成形によって所定のシート状成形品金型成形品とする。また、溶融混練物をルーダー等でペレットにし成形加工原料とすることもできる。シート状の熱可塑性エラストマー組成物に、台紙等を貼付した中間製品としてもよい。

0083

本発明の熱可塑性エラストマー組成物のA硬度は、柔軟性の観点から、80以下が好ましく、10〜80がより好ましく、30〜80がさらに好ましく、50〜80がさらに好ましい。

0084

本発明の熱可塑性エラストマー組成物を、常法に従って、適宜加熱成形することにより、成形体が得られる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を加熱成形して得られる成形体の用途は、特に限定されるものではなく一般的なスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマーポリアミド系エラストマーアクリル系エラストマーやポリエステル系エラストマー等が用いられる分野に用いることができる。

0085

本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた成形体の製造に用いられる装置は、成形材料を溶融できる任意の成形機を用いることができる。例えば、ニーダー押出成形機射出成形機プレス成形機ブロー成形機ミキシングロール等が挙げられる。

0086

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、複合成形用材料としても用いることができ、様々な材料に溶着するため、異種材料からなる部材の張り合わせにも好適に用いることができる。例えば、金属、セラミックガラスオレフィン樹脂及び極性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材に溶着させるために用いられ、特に極性樹脂等に対して良好な接着性を示す。

0087

金属としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムアルミニウム合金ステンレス、鉄、銅、亜鉛めっき鋼マグネシウムマグネシウム合金等、また各種めっき処理品等が挙げられる。

0088

オレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂ポリエチレン樹脂ポリブテン樹脂ポリメチルペンテン樹脂環状オレフィン樹脂、エチレン−環状オレフィン共重合樹脂等が挙げられ、溶融混練されたものでも、重合機中で混合されたリアクター熱可塑性オレフィン(TPO)でもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマーが、動的に架橋されたものであってもよい。

0090

本発明の熱可塑性エラストマー組成物を、金属、セラミック、ガラス、オレフィン樹脂及び極性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材に溶着させた場合、該部材からの剥離強度は、接着特性の観点から、50N/25mm以上が好ましい。

0091

本発明において、溶着は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の融点以上の熱を加えて、融液にした後、融点以下の温度にして固化することで、溶着対象の界面に固着する現象をいう。熱を加えるには、熱プレス機加熱ロール機熱風発生機加熱蒸気超音波ウェルダー高周波ウェルダーレーザー等を用いることができる。従って、溶着部の界面が複雑な立体形状であっても、複雑な立体形状にうまくなじみ成形一体化することができる。

0092

従って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、部材の張り合わせだけでなく、部材と一体となって複合成形体とすることもできる。これにより、複雑な接合面を有する部材や、互いに異なる形状の接合面を有する部材の貼り合わせも可能となる。

0093

本発明の熱可塑性エラストマー組成物が部材に溶着した複合成形体は、射出成形、射出圧縮成形インサート成形多色成形真空成形圧空成形ブロー成形熱プレス成形発泡成形レーザー溶着成形、押出成形等の方法により、成形加工して得ることができるが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、接着剤のように自身が粘着性を有するものではなく、取り扱いが容易であるため、射出成形にも適用することができる。

0094

本発明の熱可塑性エラストマー組成物が部材に溶着した複合成形体としては、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体に金属、セラミック、ガラス、オレフィン樹脂及び極性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材がインサートされたインサート成形体、熱可塑性エラストマー組成物と、オレフィン樹脂又は極性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材とを多色成形して得られる複合成形体等が挙げられる。

0095

実施例及び比較例で使用した原料の各種物性は、以下の方法により測定した。

0096

1.熱可塑性スチレン系エラストマーA
〔スチレン系単量体の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて測定する。

0097

〔重量平均分子量(Mw)〕
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。

0098

測定装置
ポンプ:JASCO(日本分光株式会社)製、PU-980
カラムオーブン:昭和電工株式会社製、AO-50
検出器日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
カラム種類:昭和電工株式会社製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
カラム温度:40℃
ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
溶離液クロロホルム
溶離液流量:1.0ml/分
試料濃度:約1mg/ml
試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
検量線用標試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン

0099

2.軟化剤B
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。

0100

3.熱可塑性ポリエステル系エラストマーC
〔脂肪族ポリエーテルブロックの重量平均分子量(Mw)〕
熱可塑性スチレン系エラストマーAと同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。

0101

〔ハードセグメント/ソフトセグメント(質量比)〕
ハードセグメントとソフトセグメントの質量比は、核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて、重クロロホルム溶媒中、3〜5vol%濃度、25℃でプロトンNMR測定を行い、分子構造中の各種酸素に隣接するメチレンピークシグナル強度比から算出する。

0102

〔A硬度〕
JIS K 6253 タイプAにて測定をする。

0103

〔融点〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。

0104

4.アイオノマーD
〔カルボキシル基の濃度〕
変性する前のベース材料有機酸ブレンド物を0.1mmのスペーサーを用いてプレスしIRを測定して、特徴的なカルボニル(1600〜1900cm-1)の吸収量と有機酸の仕込量から検量線を作成し、酸変性体プレス板のIR(IR測定器:堀場製作所製FT-210)を行い、濃度を算出する。

0105

〔融点〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。

0106

5.相溶化剤F
〔スチレン系単量体の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて測定する。

0107

〔重量平均分子量(Mw)〕
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。

0108

測定装置
・ポンプ:JASCO(日本分光株式会社)製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工株式会社製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工株式会社製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/分
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン

0109

〔A硬度〕
JIS K 6253で規定される方法に準拠して測定する。

0110

〔酸変性量〕
変性する前のベース材料と有機酸のブレンド物を0.1mmのスペーサーを用いてプレスしIRを測定し、特徴的なカルボニル(1600〜1900cm-1)の吸収量と有機酸の仕込量から検量線を作成し、酸変性体のプレス板のIR測定(IR測定器:堀場製作所製FT-210)を行い、変性量を決定する。

0111

7.増粘剤G
〔エポキシ価〕
エポキシ価は、樹脂100gに含まれるエポキシ基のモル数を意味し、JIS K 7236の方法で測定されるエポキシ当量が、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量と規定されていることに基づき、エポキシ価(meq/g)=1000/エポキシ当量で算出する。

0112

〔エポキシ化合物1分子当たりに含まれるエポキシ基の平均個数(Fn)〕
1分子の数平均分子量にモノマー組成掛けGMAにエポキシ基が1個として算出される。

0113

〔(メタ)アクリル酸グリシジル(GMA)の含有量〕
エポキシ化合物に、GMA以外にエポキシ基を有する化合物が含まれない場合は、エポキシ価と同じく、JIS K 7236に規定する方法で測定されるエポキシ基の濃度からGMAの含有量を算出する。GMA以外にエポキシ基を有する化合物が含まれる場合は、核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、GMAの特性基の定量を行うことによってGMAの含有量を決定する。

0114

〔スチレン及び/又はスチレン誘導体(スチレン系単量体)の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。

0115

〔重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)〕
熱可塑性スチレン系エラストマーAと同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量及び数平均分子量を求める。

0116

エポキシ化合物Aの製造例
オイルジャケットを備えた容量1リットル加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。
一方、スチレン(St)38質量部、アクリル酸ブチル(BA)8質量部、メタクリル酸グリシジル(GMA)25質量部及びメタクリル酸メチル(MMA)29質量部からなる単量体混合液を、キシレン15質量部、ジターシャリーブチルパーオキサイド0.3質量部と混合し、原料タンク仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、反応器内平均滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に単量体混合液を連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保たれた。
反応器内部の温度が安定してから36分経過した後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機により連続的に揮発成分除去処理して、揮発成分をほとんど含まない共重合体を回収した。180分かけて約7kgの共重合体(エポキシ化合物A)を回収した。
エポキシ化合物Aの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)と、エポキシ化合物1分子当たりに含まれるエポキシ基の平均個数(Fn)を表1に示す。

0117

0118

実施例1〜14及び比較例1〜9
(1)熱可塑性エラストマー組成物(ペレット)の作製
パラフィンオイル以外の表2〜4に示す材料をドライブレンドし、これにパラフィンオイルを含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混練して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。

0119

〔溶融混練条件〕
押出機:KZW32TW-60MG-NH(商品名、(株)テクノベル製)
シリンダー温度:180〜220℃
スクリュー回転数:300r/min

0120

実施例及び比較例で使用した表2〜4に記載の原料の詳細は以下の通り。

0121

〔熱可塑性スチレン系エラストマー〕
SEBS-A:G1651(クレイトンポリマー社製)、スチレン系単量体の含有量33質量%、Mw 29万
SEBS-B:G1650(クレイトンポリマー社製)、スチレン系単量体の含有量 29質量%、Mw 10.9万
SEEPS:SEPTON4099(クラレ社製)、スチレン系単量体の含有量 30質量%、Mw 42.2万

0122

〔軟化剤〕
パラフィンオイル:PW90(出光興産社製)、動粘度(40℃) 95.54mm2/s

0123

〔熱可塑性ポリエステル系エラストマー〕
TPEE-A(ポリエステルポリエーテルブロックコポリマー):KeyflexBT1028D(LGケミカル社製)、ハードセグメント/ソフトセグメント19/81、A硬度81
TPEE-B(ポリエステルポリエーテルブロックコポリマー):Keyflex BT1030D(LGケミカル社製)、ハードセグメント/ソフトセグメント 23/77、A硬度 85
TPEE-C(ポリエステルポリエーテルブロックコポリマー):KP3340(KOLON社製)、ハードセグメント/ソフトセグメント 39/61、A硬度 90

0124

〔アイオノマー〕
ハイミラン1707(三井デュポンポリケミカル社製)、エチレン-メタクリル酸共重合体ナトリウム塩、融点89℃

0125

〔金属石鹸〕
ステアリン酸ナトリウム

0126

〔結晶造核剤〕
NA-05(アデカ株式会社社製):含窒素リン酸エステル系化合物

0127

〔相溶化剤〕
FG1901X(クレイトンポリマー社製)、無水マレイン酸変性SEBS、スチレン系単量体含有量30質量%、A硬度71、無水マレイン酸含有量1.7質量%

0128

〔エポキシ化合物〕
エポキシ化合物A:合成物、エポキシ価1.8meq/g、St-MMA-GMA共重合体、GMA含有量25質量%、スチレン系単量体含有量 38質量%、Fn 5.1、Mw 10,800
アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE):メタブレンA3000(三菱レイヨン株式会社)

0129

(2)熱可塑性エラストマー組成物の成形体の作製
ペレットを、下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレートを作製した。

0130

射出成形条件
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:3sec
金型温度:40℃

0131

実施例及び比較例で得られた組成物について、下記の評価を行った。なお、結果を表2〜4に示す。

0132

1.柔軟性
〔A硬度〕
JIS K 6253で規定される方法に準拠してデュロメータA硬度を測定する。

0133

2.透明性
〔Haze〕
射出成形で厚さ2.0mmのプレートを成形し、JIS K 7136に準拠して測定した。

0134

3.熱融着性
厚さ4mm×幅25mm×長さ125mmの金型内に下記の極性樹脂をインサートし、下記条件で、実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物を射出成形し、短冊状の溶着試験片を作製した。

0135

4.圧縮永久歪
〔CS〕
射出成形で厚さ2mm幅125mm長さ125mmのプレートを作製し、直径29mmの円形打ち抜き刃を用いてφ29mm厚さ2mmの打ち抜きサンプルをとり、このうち抜きサンプルを7枚重ね圧縮により厚さ12.5mmに調整した試験片を用いて、JIS K 6262に従って、70℃×24時間の条件で測定した。

0136

5.生産性
サイクル時間〕
型閉時間〜射出時間〜型内冷却時間〜型開時間の総時間をサイクル時間とした。

0137

インサート材(極性樹脂)〕
(1) サイズ:厚さ2mm×幅25mm×長さ120mm
(2) 種類
PC(ポリカーボネート):三菱エンジニアリングプラスチック社製、ユーピロンH-3000

0138

〔射出成形条件〕
射出成形機:三菱重工業(株)製、100MSIII-10E
射出成形温度:240℃
射出圧力:50%、射出速度:50%、保持圧:20%、保持時間:10sec
射出時間:2sec
金型温度:40℃

0139

上記溶着試験片を用い、雰囲気温度23℃で熱可塑性エラストマー層極性樹脂層とを180°方向に50mm/minで引張試験を行い、表皮材層基材層の剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。

0140

0141

0142

0143

以上の結果より、実施例1〜14の熱可塑性エラストマー組成物は、比較例1〜9の熱可塑性エラストマー組成物と対比して、透明性、柔軟性、圧縮永久歪特性及び融着性に優れており、射出成形による成形材料としても有用であることが分かる。

実施例

0144

実施例1と比較例1との対比から、熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が高いと、透明性、柔軟性、圧縮永久歪特性及び融着性が向上することがわかる。
実施例11と比較例9は、重量平均分子量の異なる熱可塑性スチレン系エラストマーを併用しているが、加重平均値の高い実施例11が圧縮永久歪特性及び融着性が向上することがわかる。
実施例1、2と比較例2との対比から、可塑性ポリエステル系エラストマーCのハードセグメントの量が少ないと透明性、柔軟性、圧縮永久歪特性及び融着性が向上することがわかる。
実施例1と比較例3との対比から、軟化剤Bが含有されていると、透明性、柔軟性及び圧縮永久歪特性が向上することがわかる。
実施例1と比較例5との対比から、アイオノマーDが含有されていると、透明性が顕著に向上することがわかる。
実施例1と3との対比から、金属石鹸Eが含有されていると、透明性及び柔軟性が向上することがわかる。
実施例3と4との対比から、軟化剤Bの量が増えると、透明性及び柔軟性が向上することがわかる。
実施例1と5との対比から、相溶化剤Fが含有されていると、融着性が向上することがわかる。
実施例1と6との対比から、増粘剤Gが含有されていると、生産性が向上することがわかる。
実施例1と9との対比から、熱可塑性スチレン系エラストマーAが軟化剤Bよりも多く含有されていると、透明性及び融着性に優れ、熱可塑性スチレン系エラストマーAが軟化剤Bよりも少なく含有されていると、柔軟性及び圧縮永久歪特性に優れていることがわかる。
実施例1と10との対比から、熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量が20〜50万の範囲においては、重量平均分子量の低い実施例1が透明性に優れていることがわかる。

0145

本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、自動車、電子材料、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用であり、さらにはグリップチューブパッキンガスケットクッション体フィルム、シート等の各種部材に用いられる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ