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技術 繊維強化複合材料の製造方法、樹脂基材およびプリフォーム

出願人 東レ株式会社
発明者 竹原大洋清家聡本間雅登松尾里美
出願日 2015年10月13日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-201798
公開日 2016年5月16日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-078451
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 強化プラスチック材料 型の被覆による成形、強化プラスチック成形 プラスチック等の注型成形、圧縮成形
主要キーワード 反射光モード 熱可塑性樹脂性 材料表 布状基材 昇圧過程 向炭素繊維プリプレグ プレート間距離 有孔加工
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重要な関連分野

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課題

樹脂層硬化繊維強化複合材料の硬化と同時に行うにあたって、強化繊維の樹脂層への移動を抑制し、硬化工程後もコーティング層の厚みを保持する繊維強化複合材料の製造方法を提供すること。また、コーティング層を形成する樹脂基材および、繊維強化複合材料を製造するプリフォームを提供すること。

解決手段

プリプレグ固体状添加物および無機フィラーまたは多孔質シート状基材を含む樹脂層を積層してなるプリフォームを加熱、加圧する繊維強化複合材料の製造方法である。

概要

背景

強化繊維マトリクス樹脂複合させた繊維強化複合材料は、軽量性力学特性および寸法安定性等に優れることから、航空機をはじめとした輸送機器電気電子機器スポーツ用品建築材料などの幅広い分野で活用されている。また、繊維強化複合材料を用いた製品は、表面の保護や意匠性の付与を目的に、塗装等によりコーティングを施すことが一般的である。

繊維強化複合材料にコーティングを施す方法として、特許文献1には繊維強化複合材料の成形品表面に光干渉性顔料を含む塗膜を形成する方法が開示されている。特許文献2では、成形型ゲルコートを塗布した後、繊維強化複合材料のプリフォームを積層、硬化させることで、着色した繊維強化複合材料を得る方法が開示されている。特許文献3では、紫外線吸収剤を含む熱硬化性樹脂シートを表面に配することで、塗装工程を経ることなく、耐候性に優れた繊維強化複合材料を得る方法が開示されている。特許文献4では、熱可塑性樹脂性フィルム着色材繊維強化樹脂プリフォームに貼付し、加熱加圧して成形することで、着色した繊維強化複合材を得る方法が開示されている。特許文献5では、架橋樹脂粒子を用いることで、プリプレグ表面コーティング層を設け、該プリプレグを積層し、加熱加圧して成形する方法が開示されている。特許文献6では、模様付けシート成形材料と重ねて加熱加圧し、表面に模様を有する成形品を得る方法が開示されている。

概要

樹脂層の硬化を繊維強化複合材料の硬化と同時に行うにあたって、強化繊維の樹脂層への移動を抑制し、硬化工程後もコーティング層の厚みを保持する繊維強化複合材料の製造方法を提供すること。また、コーティング層を形成する樹脂基材および、繊維強化複合材料を製造するプリフォームを提供すること。プリプレグに固体状添加物および無機フィラーまたは多孔質シート状基材を含む樹脂層を積層してなるプリフォームを加熱、加圧する繊維強化複合材料の製造方法である。なし

目的

本発明の目的は、上記の従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、プロセス性に優れたコーティング層を有する繊維強化複合材料の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグ層(I)に、熱硬化性樹脂(B−2)と固体状添加物(C)とからなる樹脂層(II)を積層したプリフォームを加熱して、熱硬化性樹脂(B−1)および熱硬化性樹脂(B−2)を硬化させる繊維強化複合材料の製造方法であって、樹脂層(II)を硬化した樹脂硬化層(II’)の平均厚さが35μm以上300μm以下である、繊維強化複合材料の製造方法。

請求項2

前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を含む、請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項3

前記多孔質シート状基材(E)の孔径Leが、前記固体状の添加物(C)の一次粒子長軸平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たす、請求項2に記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項4

前記熱硬化性樹脂(B−1)の硬化速度が、前記熱硬化性樹脂(B−2)の硬化速度よりも速い、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項5

前記固体状の添加物(C)が扁平状であり、そのアスペクト比が1.2以上300以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項6

前記固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さLc2が0.25μm以上300μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項7

前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を含み、前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)が、不織布、織物または多孔質フィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。

請求項8

繊維強化プリフォームの表面に積層して、当該繊維強化プリフォームと供に加熱して成形するための樹脂基材であって、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、および、スペーサーからなり、該スペーサーが連続孔を有する多孔質シート状基材(E)である樹脂基材。

請求項9

前記固体状の添加物(C)が扁平状であり、そのアスペクト比が1.2以上300以下である、請求項8に記載の樹脂基材。

請求項10

前記固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さLc2が0.25μm以上300μm以下である、請求項8または9に記載の樹脂基材。

請求項11

前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の孔径Leが、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たす、請求項8〜10のいずれかに記載の樹脂基材。

請求項12

前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)が、不織布、織物または多孔質フィルムである、請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂基材。

技術分野

0001

本発明は、コーティング層を有する繊維強化複合材料の製造方法、コーティング層を形成する樹脂基材およびそのプリフォームに関する。

背景技術

0002

強化繊維マトリクス樹脂複合させた繊維強化複合材料は、軽量性力学特性および寸法安定性等に優れることから、航空機をはじめとした輸送機器電気電子機器スポーツ用品建築材料などの幅広い分野で活用されている。また、繊維強化複合材料を用いた製品は、表面の保護や意匠性の付与を目的に、塗装等によりコーティングを施すことが一般的である。

0003

繊維強化複合材料にコーティングを施す方法として、特許文献1には繊維強化複合材料の成形品表面に光干渉性顔料を含む塗膜を形成する方法が開示されている。特許文献2では、成形型ゲルコートを塗布した後、繊維強化複合材料のプリフォームを積層、硬化させることで、着色した繊維強化複合材料を得る方法が開示されている。特許文献3では、紫外線吸収剤を含む熱硬化性樹脂シートを表面に配することで、塗装工程を経ることなく、耐候性に優れた繊維強化複合材料を得る方法が開示されている。特許文献4では、熱可塑性樹脂性フィルム着色材繊維強化樹脂プリフォームに貼付し、加熱加圧して成形することで、着色した繊維強化複合材を得る方法が開示されている。特許文献5では、架橋樹脂粒子を用いることで、プリプレグ表面にコーティング層を設け、該プリプレグを積層し、加熱加圧して成形する方法が開示されている。特許文献6では、模様付けシート成形材料と重ねて加熱加圧し、表面に模様を有する成形品を得る方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2012−200680号公報
特開2002−34816号公報
特開2014−69564号公報
特開2011−236274号公報
国際公開2012/133096号パンフレット
特許第3151365号公報

発明が解決しようとする課題

0005

以上のように、繊維強化複合材料にコーティングを施す方法は様々に検討されてきた。しかし、特許文献1のように繊維強化複合材料の成形品に塗装を施す方法では、外観に優れる成形品を得ることができるものの、繊維強化複合材料の成形と塗膜の硬化工程が別に必要であり、かつ、塗装工程自体も材料表面の研磨、各種洗浄溶剤脱脂の後、クリヤプライマー塗料着色塗料およびクリア塗料を順次塗装するという多段階工程であり、プロセスが煩雑であるという課題があった。同様に、特許文献2のように成形型にゲルコートを塗布する方法では、ゲルコート層と繊維強化複合材料のプリフォームの硬化を同時に行える利点があるものの、成形型へのゲルコートの吹きつけや成形型の洗浄工程が必要であり、プロセスが煩雑であるという課題があった。

0006

特許文献3の熱硬化性樹脂シートを用いる方法では、塗装工程が不要であり、簡便にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得ることができるが、硬化中の熱硬化性樹脂流動に伴い、紫外線吸収剤がプリプレグの強化繊維内部に移動して、成形品表面に紫外線吸収剤が偏在できないため、紫外線吸収剤の効果が十分に得られないという課題があった。特許文献4では、熱可塑性樹脂から構成されるフィルム状着色基材を、熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂としたプリプレグ表面に貼付し、積層、加熱加圧することで、着色された一定膜厚のコーティング層を有する繊維強化複合材料を得ることが出来る。しかしながら、熱可塑性樹脂とマトリクス樹脂である熱硬化性樹脂の組み合わせによっては、コーティング層を形成する熱可塑性樹脂フィルムが十分に接着できずに剥離するという課題があった。

0007

特許文献5では、架橋樹脂粒子を用いることで、繊維強化複合材料の成形品表面にコーティング層を設けることができるものの、一方向炭素繊維プリプレグの外観を避けることが主眼に置かれており、成形中の樹脂流動に起因した架橋樹脂粒子の強化繊維内部への沈み込みを抑制するには不十分であり、得られる繊維強化複合材料成形品の表面は斑模様を呈し、良好な意匠外観を達成するには至っていなかった。

0008

特許文献6では、模様層の破損の防止のため、模様層の表面に補強シートを積層し、さらに、成形時にSMCなどの成形材料が模様層に流れ込むことを防ぐため、遮断マットを積層している。この方法では、搬送や成形時の模様層の切れや柄流れを防止できる。しかしながら、模様層の形成が、塗装と同様に塗布や乾燥、硬化といった多段階プロセスであり、かつ遮断マットの形成が、熱硬化性樹脂の含浸の後に半硬化させるなどプロセスが煩雑であるという課題があった。さらに、成形材料の通過を防止するために、遮断マットの厚みを厚くしたり、空隙を熱硬化性樹脂で塞いだ上にさらに半硬化させたりする方法を用いており、成形品の重量増加や力学特性の低下という課題もあった。

0009

本発明の目的は、上記の従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、プロセス性に優れたコーティング層を有する繊維強化複合材料の製造方法を提供することにある(なお、本発明において、樹脂層とは硬化前の樹脂層を指し、硬化した後の樹脂層を樹脂硬化層、成形品の最外層に存在する樹脂硬化層をコーティング層と定義する)。

0010

本発明の検討にあたり、強化繊維と熱硬化性樹脂からなるプリプレグに対し、熱硬化性樹脂と顔料からなる樹脂層を積層して硬化させたところ、成形中に強化繊維が移動し、結果として得られるコーティング層の厚みが減少するという問題が発生した。本発明の課題は、樹脂層の硬化を繊維強化複合材料の硬化と同時に行うにあたって、強化繊維の厚み方向への移動を抑制し、樹脂層の厚み減少を抑制することで、得られるコーティング層を所望の厚みとするところにある。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するための本発明は、以下の構成からなる。
(1)強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグ層(I)に、熱硬化性樹脂(B−2)と固体状添加物(C)とからなる樹脂層(II)を積層したプリフォームを加熱して、熱硬化性樹脂(B−1)および熱硬化性樹脂(B−2)を硬化させる繊維強化複合材料の製造方法であって、樹脂層(II)を硬化した樹脂硬化層(II’)の平均厚さが35μm以上300μm以下である、繊維強化複合材料の製造方法。
(2)前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして無機フィラー(D)または連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を含む、前記(1)に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(3)前記スペーサーが連続孔を有する多孔質シート状基材(E)であり、前記多孔質シート状基材(E)の孔径Leが、前記固体状の添加物(C)の一次粒子長軸平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たす、前記(2)に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(4)前記プリフォームは、前記層(I)と前記樹脂層(II)の間に、さらに連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)からなる層(III)を積層したものである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(5)前記多孔質シート状基材(E’)の孔径Le’が、前記固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le’<Lcの関係を満たす、前記(4)に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(6)前記熱硬化性樹脂(B−1)の硬化速度が、前記熱硬化性樹脂(B−2)の硬化速度よりも速い、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(7)前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして無機フィラー(D)を含み、前記固体状の添加物(C)の一次粒子の短軸の平均長さLc1が0.25μm以上20μm未満であり、無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1が20μm以上100μm以下であり、かつ樹脂層(II)に占める固体状の添加物(C)の体積分率が0.01〜20%、無機フィラー(D)の体積分率が1〜50%である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(8)前記固体状の添加物(C)が扁平状であり、そのアスペクト比が1.2以上300以下である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(9)前記固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さLc2が0.25μm以上300μm以下である、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(10)前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして無機フィラー(D)を含み、前記無機フィラー(D)のアスペクト比が1以上3以下である、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(11)前記樹脂層(II)が、さらにスペーサーとして連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を含み、前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)が、不織布、織物または多孔質フィルムである、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(12)繊維強化プリフォームの表面に積層して、当該繊維強化プリフォームと供に加熱して成形するための樹脂基材であって、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、および、スペーサーからなり、該スペーサーが無機フィラー(D)または連続孔を有する多孔質シート状基材(E)である樹脂基材。
(13)前記固体状の添加物(C)の一次粒子の短軸の平均長さLc1が0.25μm以上20μm未満であり、無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1が20μm以上100μm以下であり、かつ固体状の添加物(C)の体積分率が0.01〜20%、無機フィラー(D)の体積分率が1〜50%である、前記(12)に記載の樹脂基材。
(14)前記固体状の添加物(C)が扁平状であり、そのアスペクト比が1.2以上300以下である、前記(12)または(13)のいずれかに記載の樹脂基材。
(15)前記固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さLc2が0.25μm以上300μm以下である、前記(12)〜(14)のいずれかに記載の樹脂基材。
(16)前記スペーサーが無機フィラー(D)であり、無機フィラー(D)のアスペクト比が1以上3以下である、前記(12)〜(15)のいずれかに記載の樹脂基材。
(17)前記スペーサーが連続孔を有する多孔質シート状基材(E)であり、前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の孔径Leが、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たす、前記(12)〜(15)のいずれかに記載の樹脂基材。
(18)前記スペーサーが連続孔を有する多孔質シート状基材(E)であり、前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E)が、不織布、織物または多孔質フィルムである、前記(12)または(17)に記載の樹脂基材。
(19)強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグ層(I)と、熱硬化性樹脂(B−2)と固体状の添加物(C)とからなる樹脂層(II)の層間に、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)からなる層(III)を積層したプリフォームであって、当該多孔質シート状基材(E’)の孔径Le’が、当該固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le’<Lcの関係を満たすプリフォーム。
(20)前記連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)が、不織布、織物または多孔質フィルムである、(19)に記載のプリフォーム。

発明の効果

0012

本発明によれば、成形の工程における強化繊維の移動に起因した成形品表面の樹脂層の厚み減少を抑制しつつ、作業工程数の削減や加工時間の短縮などのプロセス性に優れた繊維強化複合材料の製造方法を提供することができる。

0013

以下、本発明を詳細に記述する。

0014

<プリフォーム>
本発明では、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を製造するにあたって、プリプレグを少なくとも1枚以上積層した層に固体状の添加物(C)を含む樹脂層(II)を積層してなるプリフォームを用いる。これにより、プリプレグの成形後に、塗装によりコーティング層を設ける場合と比べ、簡便にコーティング層を有する繊維強化複合材料を製造することができる。

0015

該プリフォームは、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグ層(I)に、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)とからなる樹脂層(II)を積層してなるものである。

0016

本発明のプリフォームにおいては、樹脂層(II)の厚みは、硬化した後の樹脂硬化層(II’)の厚みを後述する範囲とするために50μm以上500μm以下であることが好ましい。厚みが50μmより薄い場合、成形中に生じるプリフォームからの樹脂流出の影響を強く受け、コーティング層自体が形成されないことがある。また、厚みを500μmより厚くしても、得られるコーティング層の厚みを増加させる効果は小さい。さらに好ましくは、樹脂層(II)の厚みが100μm以上400μm以下である。なお、樹脂層(II)が本発明のプリフォームにおいて複数ある(例えば、プリプレグ層(I)の一方の表面ともう一方の表面の両方に樹脂層(II)が設けられている)場合、樹脂層(II)の厚みとは、それぞれの樹脂層(II)の個別の厚みを言うものとし、プリフォームの少なくとも1方の外層に位置する樹脂層(II)の厚みが上記範囲であることが好ましく、両外層の樹脂層(II)の厚みがそれぞれ上記範囲であることがより好ましい。

0017

<繊維強化複合材料の製造>
前記プリフォームを硬化させることで、表面に樹脂硬化層(II’)からなるコーティング層を有する繊維強化複合材料を得ることができる。未硬化または半硬化状態の熱硬化性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを用いて繊維強化複合材料を成形する場合、様々な公知の方法を用いることができる。例えば、プリプレグを所定の大きさに切断し、それを単独で、または所定枚数のプリプレグを積層後、表面の少なくとも一部に前記樹脂層(II)を配し、圧力を付与しながら加熱硬化させる方法などを好ましく用いることができる。

0018

圧力を付与しながらプリフォームを加熱硬化させる方法としては、オートクレーブ成形プレス成形真空成形圧空成形真空圧空成形等の任意の加熱加圧成形が適用できる。中でも、設備費用が安く、操作が簡便であり、かつ短時間で成形が可能であり量産性に優れる点から、プレス成形や真空成形が好ましく用いられる。

0019

プリフォームを加熱硬化させる温度は、用いられる熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)の組み合わせにより、適宜設定する必要があるが、通常、80〜220℃の範囲である。適当な成形温度とすることで、十分な速硬化性を得ることができ、また、熱歪みによる反りの発生も抑制することができる。

0020

また、繊維強化複合材料をプレス成形法で成形する圧力としては、被プレス成形体の厚みやそのWf(強化繊維の重量含有率)などにより異なるが、通常、0.1〜5MPaの範囲である。成形圧力をかかる範囲とすることで、得られる繊維強化複合材料中にボイドの様な欠点がなく、反りなどの寸法変動のない繊維強化複合材料を得ることができる。

0021

上述のように製造された繊維強化複合材料において、コーティング層すなわち成形品の最外層に存在する樹脂硬化層(II’)の平均厚みTは35μm以上300μm以下であることが好ましい。コーティング層の平均厚みTが35μm以上のとき、後述する固体状の添加物(C)の機能が特に強く発揮される。一方で、300μmよりも厚くしても機能の発現にほとんど寄与しない。ここでいうコーティング層の平均厚みTとは、成形品断面を顕微鏡観察し、成形品表面から強化繊維までの距離を20点測定した長さの平均である。なお、クロスプリプレグの硬化物を観察する場合は、観察面に対し、繊維が直行方向を向いているストランドを対象とし、1ストランドを3分割したうちの中央の領域を観察領域とする。

0022

<プリフォームの構成>
本発明では、プリフォームは、前述した強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグ層(I)に、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)とからなる樹脂層(II)を積層してなるものである。

0023

好ましくは、前記樹脂層(II)が、スペーサーとして、無機フィラー(D)または連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を含むものである。なお、本発明において連続孔とは、連続した貫通孔を意味する。貫通孔とは、少なくとも一方の面から他方の面に貫通した孔を意味し、連続した貫通孔とは、これらの貫通孔が3次元的に連結した構造を有する貫通孔のことである。樹脂層(II)が特定の大きさの無機フィラーまたは、特定の形状の連続孔を有する多孔質シート状基材を含むことで、強化繊維の樹脂層(II)への移動が抑制され、成形時における樹脂層(II)の厚みの減少を抑制することができる。

0024

スペーサーとして樹脂層(II)に連続孔を有する多孔質シート状基材を含む場合、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の孔径Leは、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たすことが好ましい。孔径Leがかかる条件を満たすことで、固体状の添加物(C)が連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を通過することを抑制することができ、樹脂層(II)の中の固体状の添加物(C)を、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)よりプリフォームの表面側またはプリプレグ層(I)の側に偏在させたり、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)よりプリフォームの表面側およびプリプレグ層(I)の側の両方に任意の比率分配して配置したりすることができる。これらの態様のなかでも、樹脂層(II)のプリプレグ層(I)に積層される面と反対側の表面側に固体状の添加物(C)が偏在することが好ましい。固体状の添加物(C)を表面側に偏在させ、プリプレグ層(I)側に多孔質シート状基材(E)が偏在(すなわち、多孔質シート状基材(E)を固体状の添加物(C)に対してプリプレグ層(I)側に存在)させることで、成形品のコーティング層すなわち硬化した後の樹脂硬化層(II’)の表面に固体状の添加物(C)を偏在させることができ、効果的に機能を発揮することができ好ましい。

0025

また、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)からなるプリプレグ層(I)と、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)とからなる樹脂層(II)の間に、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の層(III)を積層したプリフォームを用いて、繊維強化複合材料を製造しても良い。特定の形状の連続孔を有する多孔質シート状基材を用いることで、多孔質シート状基材(E’)の層(III)がスペーサーの役割を担い、成形中の強化繊維の樹脂層(II)への移動を抑制し、成形後の樹脂層の厚み減少を減らすことができる。樹脂層(II)にスペーサーとして多孔質シート状基材(E)を含む場合、多孔質シート状基材(E’)は、多孔質シート状基材(E)と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。

0026

強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)からなるプリプレグ層(I)と、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)とからなる樹脂層(II)の間に、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の層(III)が積層されたものである場合、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の孔径Le’は、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le’<Lcの関係を満たすことが好ましい。孔径Le’がかかる条件を満たすことで、固体状の添加物(C)が連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)を通過することを抑制することができ、成形品のコーティング層すなわち硬化した後の樹脂硬化層(II’)の表面に固体状の添加物(C)を偏在させることができ、効果的に機能を発揮することができ好ましい。

0027

ここで、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)および(E’)の各孔径LeおよびLe’は、水銀圧入法により測定した値の分布におけるピークトップ直径である。一方、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さLcは、固体状の添加物(C)を水または有機溶媒中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルを顕微鏡により観察し、個々の固体状の添加物(C)について最長となる長さを100点測定したものの平均である。

0028

プリフォーム中の樹脂層(II)が硬化して形成されるコーティング層は、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物と固体状の添加物(C)からなる。また、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、無機フィラー(D)からなる樹脂層(II)を有するプリフォームが硬化して形成されるコーティング層は、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物、固体状の添加物(C)、無機フィラー(D)からなり、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)からなる樹脂層(II)を有するプリフォームが硬化して形成されるコーティング層は、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)からなる。また、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)からなる樹脂層(II)とプリプレグ層(I)の間に、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)を積層したプリフォームが硬化して形成されるコーティング層は、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)からなる。コーティング層中に固体状の添加物(C)が偏在することで、固体状の添加物(C)が強化繊維間埋没することなく後述する機能を発揮することができる。ここで、コーティング層中には熱硬化性樹脂(B−1)の硬化物を含んでもよい。

0029

<樹脂基材の構成>
本発明では、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、および、スペーサーからなり、該スペーサーが無機フィラー(D)または連続孔を有する多孔質シート状基材(E)である樹脂基材は、繊維強化プリフォームの表面に積層して、当該繊維強化プリフォームと供に加熱して成形するための樹脂基材として用いることができる。このような、樹脂基材を用いることにより、任意の成形品の表面に本発明のコーティング層を設けることができる。ここでいう繊維強化プリフォームとは、典型的には、前記プリプレグ層(I)が挙げられるが、成形品の本体を形成する強化繊維とマトリックス樹脂を含むものであれば特に限定されるものではない。ここで成形品の本体とは、成形品においてコーティング層以外の部分を形成する部分である。また、かかる樹脂基材において、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、及び、無機フィラー(D)または連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の好ましい態様については、前記樹脂層(II)と共通である。

0030

樹脂基材において、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の孔径Leは、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たすことが好ましい。孔径Leがかかる条件を満たすことで、固体状の添加物(C)が連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を通過することを抑制することができ、樹脂基材の中の固体状の添加物(C)を、樹脂基材の一方の側に偏在させたり、樹脂基材の両側任意の比率で分配して配置したりすることができる。これらの態様のなかでも、樹脂基材の中の固体状の添加物(C)を、樹脂基材の一方の側に偏在させ、樹脂基材の繊維強化プリフォームに積層される面と反対側に固体状の添加物(C)を配置することが好ましい。これにより、固体状の添加物(C)を成形品の表面側に偏在させ、繊維強化プリフォームの側に多孔質シート状基材(E)が偏在(すなわち、多孔質シート状基材(E)を固体状の添加物(C)に対して繊維強化プリフォーム側に存在)させることで、成形品のコーティング層すなわち硬化した後の樹脂基材の表面に固体状の添加物(C)を偏在させることができ、効果的に機能を発揮することができ好ましい。

0031

<材料>
本発明において、固体状の添加物(C)は、繊維強化複合材料に対し、特定の機能を付与することを目的として添加される。

0032

機能の例としては、着色ならびにパール感メタリック感をはじめとした意匠性や、電磁波シールド性通電性難燃性、耐候性などが挙げられる。

0033

意匠性を付与する固体状の添加物(C)としては、顔料やガラスビーズなどが挙げられる。具体的にはアゾ顔料フタロシアニンブルーなどの有機顔料アルミニウム真鍮などの金属粉末からなる金属顔料酸化クロムコバルトブルーなどの無機顔料が挙げられる。なかでも、耐熱性の観点から金属顔料、無機顔料が好ましい。また、強化繊維が炭素繊維アラミド繊維など濃色である場合には、屈折率が異なる構造を2層以上有する顔料が好ましく用いられる。例えば、酸化チタン酸化鉄被覆した天然マイカ人工マイカアルミナフレークシリカフレークガラスフレークである。かかる層構造とすることにより、可視光領域の光の干渉回折散乱といった光学現象によって発色させることができる。光の干渉、回折、散乱といった光学現象を利用すると、特定波長の光の反射によって発色できるため、濃色の強化繊維を用いた場合に、好ましく用いられる。

0034

電磁波シールド性や通電性を付与する固体状の添加物(C)としては、銀、銅、ニッケルなどの金属粉フェライトカーボンブラックなどが挙げられる。

0035

難燃性を付与する固体状の添加物(C)としては、リン化合物アンチモン化合物金属水酸化物亜鉛化合物メラミンシアヌレートなどが挙げられる。

0036

耐候性を付与する固体状の添加物(C)としては、紫外線吸収剤やヒンダードアミン光安定剤などが挙げられる。

0037

固体状の添加物(C)の一次粒子の短軸の平均長さLc1は、0.25μm以上20μm未満の範囲であることが好ましい。かかる範囲とすることで、固体状の添加物(C)は強化繊維間に埋没することなく、コーティング層に偏在することができる。ここでいう一次粒子の短軸の平均長さLc1とは、固体状の添加物(C)を水または有機溶媒中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルを顕微鏡により観察し、スライドガラスの上面と固体状の添加物(C)の上面との焦点深度差を100点測定した長さの平均である。

0038

さらに、固体状の添加物(C)は、扁平状であり、そのアスペクト比は1.2以上300以下であることが好ましい。かかる形状とすることで、固体状の添加物(C)の強化繊維間への埋没を抑制することができる。

0039

固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さLc2は、0.25μm以上300μm以下であることが好ましい。300μmを超えると、固体状の添加物(C)が存在する領域の樹脂層厚み局所的に大きくなる場合がある。ここでいう平均長さLc2は、成形品断面を顕微鏡により観察し、観察された固体状の添加物(C)の最長となる長さを100点測定した長さの平均である。

0040

本発明において、無機フィラー(D)とは球状、楕円状、多面体などの形状を有する無機固形物である。例えば、ガラスシリカ、マイカ、二酸化チタンおよび酸化アルミを用いることができる。後述する熱硬化性樹脂との屈折率差の観点から、特にガラス、シリカ、マイカが好ましく用いられる。無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1は、20μm以上100μm以下であることが好ましい。ここでいう短軸の平均長さとは、無機フィラーを水または有機溶媒中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルを顕微鏡により観察し、スライドガラスの上面とフィラーの上面との焦点深度差を100点測定した長さの平均である。

0041

無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1をかかる範囲とすることで、強化繊維の樹脂層への移動を抑制することができる。その結果、樹脂層の厚み減少が抑制され、固体状の添加物(C)が強化繊維間に埋没することなく、表層に偏在した状態が保持されるため、効果的に機能を発現させることができる。短軸の平均長さLd1が20μm未満のとき、強化繊維が樹脂層へ移動し、コーティング層の厚みが著しく減少する場合がある。また、短軸の平均長さLd1を100μmを超えるものとし、コーティング層の厚みを厚くしても機能の発現に寄与しないことがある。

0042

無機フィラー(D)のアスペクト比は1以上3以下であることが好ましい。かかる範囲とすることで、樹脂層の厚みムラを抑制することができる。低アスペクト比の無機フィラーとしては、ガラスビーズ、シリカビーズが好ましく用いられる。

0043

固体状の添加物(C)として顔料を添加する場合は、無機フィラー(D)と熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物との屈折率差が0.1以下であることが好ましい。屈折率差が小さいほど、コーティング層の透明度が上がるため、顔料の着色効果が強く発現する。

0044

本発明において、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)および/または連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の厚みは、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上50μm以下、最も好ましくは1μm以上30μm以下である。厚みが小さいほど重量増加への寄与が小さく、好ましい。

0045

連続孔を有する多孔質シート状基材(E)および/または連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の膜厚は、JIS L 1913:2010に準拠し、全自動圧縮弾性厚さ測定器、大栄科学精器製作所製により測定できる。

0046

連続孔を有する多孔質シート状基材(E)および/または連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)としては、例えば、不織布、織物、多孔質フィルムが挙げられる。不織布や織物を構成する繊維は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルナイロンポリフェニレンサルファイドポリプロピレンアラミドなどの有機繊維や炭素繊維、ガラス繊維セラミックなどの無機繊維ステンレス鋼アルミ、銅などの金属繊維を用いることができる。

0047

多孔質フィルムとしては、例えば多孔質ポリプロピレンシート多孔質ポリエチレンシートメラミンフォームウレタンフォームなどを用いることができる。特に、耐熱性の観点から、多孔質ポリプロピレンシート、メラミンフォームが好ましく用いられる。

0048

本発明で用いられるプリプレグは、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)からなる。強化繊維としては、特に限定されるものではないが、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などが例示でき、力学特性の観点から炭素繊維が好ましく用いられる。

0049

プリプレグの形態としては、特に限定されるものではないが、クロスプリプレグ、一方向連続繊維プリプレグ、SMCなどの不連続繊維マットが例示できる。クロスプリプレグを用いる場合には、固体状の添加物(C)がプリプレグを積層した層(I)へ侵入することを防ぐため、目開きが30μm以下であるクロスプリプレグを用いることが好ましい。一方向連続繊維プリプレグ、SMCにおいては、繊維間の拘束力が弱く、繊維が積層体の厚み方向へ移動しやすいことから本発明による強化繊維の移動抑制の効果が強く発揮される。

0050

強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)からなるプリプレグが硬化されてなる成形体のL*a*b*表色系における明度L*は50以下であることが好ましい。かかる範囲のプリプレグと前記屈折率が異なる層を2層以上有する顔料を組み合わせて用いることで、該顔料の発色が強く発現する。明度L*は、例えばMSC−P(スガ試験機社製)で測定することができる。

0051

熱硬化性樹脂(B−1)は、熱硬化性樹脂と硬化剤を含む。熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂不飽和ポリエステルフェノール樹脂など任意の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜配合してもよい。なお、電気・電子機器筐体の用途に用いる場合、得られる硬化物の弾性率が高くなることからノボラック型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。

0052

硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン芳香族ポリアミンジシアンジアミドポリカルボン酸ポリカルボン酸ヒドラジド酸無水物ポリメルカプタンポリフェノールなど、化学量論的反応を行う化合物と、イミダゾールルイス酸錯体オニウム塩のように触媒的に作用する化合物がある。化学量論的反応を行う化合物を用いる場合には、硬化促進剤、例えばイミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩、尿素誘導体ホスフィンなどをさらに配合する場合がある。硬化剤の中でも、得られる繊維強化複合材料の耐熱性や力学特性が優れることから、分子中にアミノ基、アミド基イミダゾール基尿素基ヒドラジド基などの窒素原子を含む基を有する、有機窒素化合物を好ましく用いることができる。硬化剤は、1種でも、複数種組み合わせて使用してもよい。

0053

また、熱硬化性樹脂(B−1)は、さらに熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂を含ませることにより、プリプレグのタック性の制御およびプリプレグを加熱硬化するときのマトリックス樹脂の流動性を制御することができる。

0054

熱硬化性樹脂(B−1)は、取り扱い性樹脂フローの観点から、100℃でのせん断粘度が2〜20Pa・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜18Pa・sの範囲である。かかる範囲とすることで、成形時の樹脂フローを抑制し、成形品の外観品位や力学特性を向上させることができる。また、ホットメルト法フィルム化工程を想定した場合、かすれが発生しにくく、良好な品位のフィルムを作製することができ、強化繊維への含浸工程では良好な含浸性を発現させることができる。ここで、100℃でのせん断粘度は、動的粘弾性装置ARES−2KFRTN1−FCO−STDティーエイインスツルメント社製)を用い、測定治具に直径40mmの平板パラレルプレートを用い、プレート間距離が1mmとなるように該熱硬化性樹脂(B−1)をセット後、ねじりモード(測定周波数:0.5Hz)で、測定温度範囲40〜140℃を昇温速度1.5℃/分で測定して得られるせん断粘度とする。

0055

本発明の熱硬化性樹脂(B−2)は、熱硬化性樹脂と硬化剤を含む。熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂など任意の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜配合してもよい。意匠性を付与する固体状の添加物(C)を用いる場合、透明性の高いエポキシ樹脂や不飽和ポリエステルが好ましく用いられる。また、電気・電子機器筐体の用途に用いる場合、得られる硬化物の弾性率が高くなることからノボラック型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。

0056

硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸ヒドラジド、酸無水物、ポリメルカプタン、ポリフェノールなど、化学量論的反応を行う化合物と、イミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩のように触媒的に作用する化合物がある。化学量論的反応を行う化合物を用いる場合には、硬化促進剤、例えばイミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩、尿素誘導体、ホスフィンなどをさらに配合する場合がある。硬化剤の中でも、得られる繊維強化複合材料の耐熱性や力学特性が優れることから、分子中にアミノ基、アミド基、イミダゾール基、尿素基、ヒドラジド基などの窒素原子を含む基を有する、有機窒素化合物を好ましく用いることができる。硬化剤は、1種でも、複数種組み合わせて使用してもよい。

0057

また、熱硬化性樹脂(B−2)は、さらに熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂を配合することにより、コーティング層のタック性の制御およびプリフォームを加熱硬化するときのマトリックス樹脂の流動性を制御することができる。

0058

熱硬化性樹脂(B−2)の100℃におけるせん断粘度は、0.5〜100Pa・sの範囲が好ましい。かかる範囲において、樹脂を層状としたり、固体状の添加物(C)や無機フィラー(D)を混練したりすることが容易であり、取り扱い性の点で良好である。熱硬化性樹脂(B−2)の100℃におけるせん断粘度は、熱硬化性樹脂(B−1)の場合と同様の方法で測定することができる。

0059

また、意匠性を付与する固体状の添加物(C)を添加する場合は、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化物の全光線透過率が50%以上であることが好ましい。ここでいう全光線透過率は、JIS K 7361−1:1997に準拠し、ヘーズ透過率計(株式会社色彩技術研究所HM−150)により厚み100μmの板状サンプルについて測定した値である。全光線透過率をかかる範囲とすることで、コーティング層を通して繊維強化層見えるため、単に着色を施した場合とは異なる深みのある意匠性を提供することができる。さらに、全光線透過率が50%未満のとき、顔料の色彩および輝度感が失われる場合がある。

0060

熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)は、同一であっても異なっていても構わない。熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)に含まれる硬化剤が同一である場合、熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)両方に適切な成形温度で成形することができるため、好ましい。さらに、もう一つの形態として、熱硬化性樹脂(B−1)の硬化速度が、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化速度よりも速い場合、プリプレグ層(I)の硬化に伴う粘度上昇が、熱硬化性樹脂(B−2)よりも先に生じ、成形中の強化繊維の樹脂層(II)の移動を抑制することができるため、好ましい。ここでいう硬化速度とは、レオメータ(Alpha Technologies社製RPA2000)用い、5g程度の熱硬化樹脂(B−1)および熱硬化性樹脂(B−2)の未硬化樹脂サンプルを1.5℃/分の速度で昇温させながら、ねじりモード(測定周波数:1.5Hz)で測定にて得られる、トルクの値を指標とする。トルクの値が0.3Nmを超える時間を各熱硬化樹脂で比較して、時間が短い方を硬化速度が速いとする。

0061

<樹脂層および樹脂基材の製造>
樹脂層(II)を構成するコンパウンド樹脂の製造は、攪拌機押出機等で行うことができる。

0062

樹脂層(II)が、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、無機フィラー(D)で構成される場合、該コンパウンド樹脂すなわち樹脂層(II)を構成する樹脂に占める無機フィラー(D)の体積分率は1〜50%の範囲であるとよく、好ましくは2〜30%、より好ましくは10〜30%の範囲である。無機フィラー(D)の体積分率をかかる範囲とすることで、成形時における樹脂層(II)の厚み減少を抑制することができる。体積分率が1%未満では、強化繊維が樹脂層へ移動することを抑制する効果が小さくなる傾向があり、樹脂層の厚み減少を抑制する効果が小さい場合がある。体積分率が50%を超えると、樹脂粘度が増大するため、無機フィラー(D)を均一に混練することが困難となる場合がある。

0063

前記コンパウンド樹脂に占める固体状の添加物(C)の体積分率は、機能発現の観点から0.01〜20%の範囲であることが好ましい。体積分率が0.01%未満では、固体状の添加物(C)添加による機能の発現が十分でない場合があり、20%を超えて添加しても、表面への機能付与への寄与は小さい場合がある。

0064

樹脂層(II)が、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)で構成される場合、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の孔径Leは、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le<Lcの関係を満たす。孔径Leがかかる条件を満たすことで、固体状の添加物(C)が連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を通過することを抑制することができる。成形品のコーティング層すなわち硬化した後の樹脂硬化層(II’)表面に固体状の添加物(C)を偏在させることで、効果的に機能を発揮することができ好ましい。

0065

調製した前記コンパウンド樹脂を層状にするには、以下の方法が挙げられる。調製したコンパウンド樹脂をプレス機等により加圧したり、例えば離型紙やポリエチレンフィルム上に所定の厚みとなるよう塗工したりすることで樹脂層(II)を得ることができる。

0066

樹脂層(II)が、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)で構成される場合、熱硬化性樹脂(B−2)および固体状の添加物(C)を上記同様に混練し、コンパウンド樹脂を得た後、後述する方法で多孔質シート状基材(E)にコンパウンド樹脂を含浸させることで樹脂層(II)を得ることができる。

0067

得られた樹脂層(II)をプリプレグの表層に積層することで、本発明のプリフォームを得ることができる。また、予め所定の厚みに積層したプリプレグの表層に、樹脂層(II)を転写してもよい。

0068

その他、樹脂層(II)を表層に有するプリフォームを作製する方法としては、以下のホットメルト法を用いる方法が挙げられる。

0069

ホットメルト法を用いてプリフォームを作製する方法としては、以下に示す方法が挙げられる。まず、熱硬化性樹脂(B−1)を強化繊維(A)の両側あるいは片側から加熱加圧することにより含浸させる。つづいて、樹脂層(II)を貼付することで、該プリフォームを得ることができる。

0070

コンパウンド樹脂の粘度が低く、層状とすることが困難な場合は、例えば型内にプリプレグを配し、その上にコンパウンド樹脂を流し入れることで、該プリフォームを得ることができる。樹脂層(II)が、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)から構成される場合は、型内に連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を表面に貼付したプリプレグを配し、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)を貼付した表面に、熱硬化性樹脂(B−2)および固体状の添加物(C)からなるコンパウンド樹脂を流し入れることで、該プリフォームを得ることができる。

0071

このようにして形成された樹脂層(II)に占める、固体状の添加物(C)の体積分率は、上述したコンパウンド樹脂に占める固体状の添加物(C)の体積分率と等しく、樹脂層(II)が、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、無機フィラー(D)を含む場合は、無機フィラー(D)の体積分率は、上述したコンパウンド樹脂に占める無機フィラー(D)の体積分率と等しくなる。

0072

また、樹脂層(II)を形成して樹脂基材を得る方法としては、以下が挙げられる。

0073

熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、無機フィラー(D)からなる樹脂基材は、あらかじめ、上記同様の方法でコンパウンド樹脂を作製した後、該コンパウンド樹脂を、例えば離型紙やポリエチレンフィルム上に塗工することで得ることができる。

0074

熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)からなる樹脂基材は、あらかじめ、熱硬化性樹脂(B−2)、固体状の添加物(C)を上記同様の方法で混練してコンパウンド樹脂を作製した後、該コンパウンド樹脂を連続孔を有する多孔質シート状基材(E)上に塗工することで得ることができる。塗工の際は、周囲への樹脂付着の観点から、連続孔を有する多孔質シート状基材を例えば離型紙やポリエチレンフィルム上に配置した状態で、実施するのが好ましい。連続孔を有する多孔質シート状基材へのコンパウンド樹脂の含浸が困難である場合、コンパウンド樹脂を塗工後、ニップロールもしくはダブルベルトプレス等を用いて加熱加圧することで、含浸を促進させても良い。

0075

さらに好ましくは、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)の片面からコンパウンド樹脂を塗工する。両面からコンパウンド樹脂を塗工した場合、プリプレグ層(I)に積層される側に含まれる固体状の添加物(C)は成形品の表面側に偏在することができず、機能発現効果が低減してしまう。この場合、樹脂層(II)の連続孔を有する多孔質シート状基材(E)が偏在している面を、プリプレグ層(I)側となるように積層する。

0076

<プリフォームの製造>
本発明のプリフォームは、プリプレグに固体状の添加物を含む表面層を積層してなるプリフォームである。該プリフォームを単独で、またはプリプレグの表面に配して成形することで、プリプレグの成形後に、塗装によりコーティング層を設ける場合と比べ、簡便にコーティング層を有する繊維強化複合材料成形品を製造することができる。

0077

該プリフォームの態様は、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B−1)とからなるプリプレグの層(I)と熱硬化性樹脂(B−2)および固体状の添加物(C)からなる樹脂層(II)の層間に、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の層(III)を積層してなるものであり、連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の孔径Le’は、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さをLcとしたとき、Le’<Lcの関係を満たす。孔径Le’がかかる条件を満たすことで、固体状の添加物(C)が連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)を通過することを抑制できる。特に、コーティング層表面に固体状の添加物(C)が偏在することで、効果的に機能を発揮することができ好ましい。

0078

連続孔を有する多孔質シート状基材(E’)の孔径Leは、水銀圧入法により測定した値の分布ピークトップ直径である。一方、固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さLcは、固体状の添加物(C)を水または有機溶媒中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルを顕微鏡により観察し、個々の固体状の添加物(C)について最長となる長さを100点測定したものの平均である。

0079

熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)は、同一であっても異なっていても構わない。熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)に含まれる硬化剤が同一である場合、熱硬化性樹脂(B−1)と熱硬化性樹脂(B−2)両方に適切な成形温度で成形することができるため好ましい。

0080

産業上の利用例>
このようにして製造された繊維強化複合材料は、意匠性や耐候性、難燃性に優れるので、自動車部材、スポーツ用品、電化製品およびICトレイノートパソコン筐体ハウジング)などのコンピューター用途等に幅広く展開でき、有用である。

0081

以下、実施例によって、本発明について、より具体的に説明する。実施例で用いたプリプレグ、固体状の添加物(C)、樹脂層(II)のマトリクス樹脂、無機フィラー(D)、連続孔を有する多孔質シート状基材(D)を次に示す。また、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。

0082

<材料>
[プリプレグ]
プリプレグA:熱硬化性一方向連続繊維プリプレグ(品番:3252S−12、東レ(株)製、エポキシ樹脂含浸炭素繊維T700SC−12000の一方向材)。

0083

プリプレグB:熱硬化性クロスプリプレグ(品番F6347B−05P、東レ(株)製、エポキシ樹脂含浸炭素繊維T300−3000の綾織)。

0084

プリプレグC:熱硬化性クロスプリプレグ(品番F6343B−05P、東レ(株)製、エポキシ樹脂含浸炭素繊維T300−3000の平織り)。

0085

プリプレグD:熱硬化性SMC
(・不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約2000のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂スチレンに溶解したもの、スチレン濃度40質量%)70質量部
ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千のポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン濃度65質量%)30質量部
重合開始剤ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート)1質量部
増粘剤酸化マグネシウム粉末平均粒径約3μm、キョーワマグ150、協和化学工業社製)1質量部
内部離型剤ステアリン酸亜鉛、堺化学工業社製)3質量部
・ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービングER4630LBD166Wを長さ25mmに切断したもの)25質量部
上記配合材料のうちガラス繊維以外 の配合材料を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をSMC製造装置によりガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟成して、厚み約2mmのシート状基材としたもの)。

0086

[固体状の添加物(C)]
固体状の添加物A:アルミナフレーク系エフェクト顔料商品名Xirallic T60−23 WNTGalaxy Blue、MERCK(株)製、酸化チタン被覆アルミナフレーク)。

0087

固体状の添加物B:フレーク状ガラスエフェクト顔料(商品名:Miraval 5424 Magic Blue、MERCK(株)製、酸化チタン被覆フレーク状ガラス)。

0088

[熱硬化性樹脂(B−2)]
熱硬化性樹脂A
主剤
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、三菱化学(株)製)50質量部
固体ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1007、三菱化学(株)製)30質量部
ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂(“エピクロン(登録商標)”HP7200H、DIC(株)製)20質量部
硬化剤:
・ジシアンジアミド(Dicy7、三菱化学(株)製)4質量部
ウレア化合物(商品名:DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製)3質量部
熱可塑性樹脂:
・“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)2質量部。

0089

熱硬化性樹脂B
主剤:
多官能エポキシ樹脂(“アラルダイト(登録商標)”MY9655、Huntsman社製)60質量部
・液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“エポン(登録商標)”825、Hexion社製)40質量部
硬化剤:
ジアミノジフェニルスルホン(“Aradur(登録商標)”9664−1、Huntsman社製)45質量部
熱可塑性樹脂:
ポリエーテルサルホン(“スミエクセルPES”5003P、住友化学(株)製)16質量部。

0090

[無機フィラー(D)]
無機フィラーA:ソーダ石灰ガラスビーズ品種:UB−01L、ユニチカ(株)製、一次粒子の短軸の平均長さLc1:25μm、屈折率1.51)。

0091

無機フィラーB:ソーダ石灰ガラスビーズ(品種:UB−24L、ユニチカ(株)製、一次粒子の短軸の平均長さLc1:50μm、屈折率1.51)。

0092

無機フィラーC:ソーダ石灰ガラスビーズ(品種:UB−67L、ユニチカ(株)製、一次粒子の短軸の平均長さLc1:80μm、屈折率1.51)。

0093

無機フィラーD:チタンバリウムガラスビーズ(品種:UB−23NH、ユニチカ(株)製、一次粒子の短軸の平均長さLc1:50μm、屈折率1.90)。

0094

無機フィラーE:ホウケイ酸ガラスビーズ(品種:UBS−0010E、ユニチカ(株)製、一次粒子の短軸の平均長さLc1:5μm、屈折率1.49)。

0095

[多孔質シート状基材(E)及び(E’)]
多孔質シート状基材A:ナイロン不織布(3元共重合ポリアミド樹脂ポリアミド6/66/610、融点150℃)CM4000、東レ(株)製のペレットを用い、ブロー法にて、幅1,000mmの不織布状の基材を製造した。この不織布状基材目付は、30g/m2、膜厚は45μmであった)。

0096

多孔質シート状基材B:ポリプロピレン不織布(ポリプロピレン樹脂(融点150℃、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート1000g/10分)、サンアロマー(株)製のペレットを用い、ブロー法にて、幅1,000mmの不織布状の基材を製造した。この不織布状基材の目付は、12g/m2、膜厚は37μmであった)。

0097

多孔質シート状基材C:PBT不織布(商品名:Delpore、品番:DP3002−40B、三晶(株)製、膜厚51μm)。

0098

多孔質シート状基材D:多孔質PETフィルムPETフィルム(商品名:S10ルミラー#38、東レ(株)製)に熱針式有孔加工を施したもの、膜厚38μm)。

0099

<製造方法>
[熱硬化性樹脂(B−2)の調製]
熱硬化性樹脂A:
混練装置中に、上述の主剤および熱可塑性樹脂を投入し、160℃の温度まで昇温させ、160℃で30分間加熱混練を行った。その後、混練を続けたまま55〜65℃の温度まで降温させ、硬化剤を加えて30分間撹拌し、熱硬化性樹脂Aを得た。

0100

熱硬化性樹脂B:
混練装置中に、上述の主剤および熱可塑性樹脂を投入し、160℃の温度まで昇温させ、160℃で30分間加熱混練を行った。その後、混練を続けたまま70〜80℃の温度まで降温させ、硬化剤を加えて30分感攪拌し、熱硬化性樹脂Bを得た。

0101

[コンパウンド樹脂の調製]
コンパウンド樹脂A(調製例1)
上述のように作製した熱硬化性樹脂A50質量部に対して、固体状の添加物Aを1質量部および無機フィラーBを2.5質量部加え、熱風乾燥機を用い、60℃で2時間加熱し、熱硬化性樹脂Aの粘度を混練に適切な領域とした。この混合物自転公転真空ミキサー((株)シンキー社製)により、1600rpm、10分の条件で混練し、コンパウンド樹脂Aを得た。

0102

コンパウンド樹脂B(調製例2)
無機フィラーAを7.5質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Bを得た。

0103

コンパウンド樹脂C(調製例3)
無機フィラーBを28質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Cを得た。

0104

コンパウンド樹脂D(調製例4)
固体状の添加物Bを1質量部、無機フィラーCを25質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Dを得た。

0105

コンパウンド樹脂E(調製例5)
無機フィラーBを7.5質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Eを得た。

0106

コンパウンド樹脂F(調製例6)
無機フィラーDを28質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Fを得た。

0107

コンパウンド樹脂G(調製例7)
無機フィラーEを16質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Gを得た。

0108

コンパウンド樹脂H(調製例8)
無機フィラーBを0.5質量部とする以外は、調製例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Hを得た。

0109

コンパウンド樹脂I(調整例9)
無機フィラーを添加しないこと以外は、調整例1と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Iを得た。

0110

コンパウンド樹脂J(調製例10)
上述のように作製した熱硬化性樹脂B50質量部に対して、固体状の添加物Aを1質量部および無機フィラーBを2.5質量部加え、熱風乾燥機を用い、80℃で2時間加熱し、熱硬化性樹脂Aの粘度を混練に適切な領域とした。この混合物を自転・公転真空ミキサー((株)シンキー社製)により、1600rpm、10分の条件で混練し、コンパウンド樹脂Jを得た。

0111

コンパウンド樹脂K(調製例11)
上述のように作製した熱硬化性樹脂A50質量部に対して、固体状の添加物Bを1質量部加え、熱風乾燥機を用い、60℃で2時間加熱し、熱硬化性樹脂Aの粘度を混練に適切な領域とした。この混合物を自転・公転真空ミキサー((株)シンキー社製)により、1600rpm、10分の条件で混練し、コンパウンド樹脂Kを得た。

0112

コンパウンド樹脂L(調製例12)
固体状の添加物Aを1質量部とする以外は、調製例11と同じ条件とし、コンパウンド樹脂Lを得た。

0113

[樹脂層の製造]
樹脂層A〜J(製造例1〜10)
調製したコンパウンド樹脂A〜Jそれぞれ5gをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち、0.1MPa、3分間の条件で加圧し、樹脂層A〜Jを得た。厚みの調整は100μm厚みのスペーサーを用いて行った。

0114

樹脂層K、L(製造例11、12)
調製したコンパウンド樹脂KおよびLそれぞれ5gをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち、0.1MPa、3分間の条件で加圧し、樹脂層Kおよび樹脂層Lを得た。厚みの調整は100μm厚みのスペーサーを用いて行った。

0115

樹脂層M(製造例13)
樹脂層Kを多孔質シート状基材Aに積層し、プレス機にて70℃、7分間予熱したのち、0.1MPa、3分間の条件で加圧し、樹脂層Mを得た。厚みの調整は100μm厚みのスペーサーを用いて行った。

0116

樹脂層N(製造例14)
樹脂層Lを多孔質シート状基材Bに積層し、製造例13と同様の条件で押圧し、樹脂層Nを得た。

0117

樹脂層O(製造例15)
樹脂層Kを多孔質シート状基材Bに積層し、製造例13と同様の条件で押圧し、樹脂層Oを得た。

0118

樹脂層P(製造例16)
樹脂層Kを多孔質シート状基材Cに積層し、製造例13と同様の条件で押圧し、樹脂層Pを得た。

0119

樹脂層Q(製造例17)
樹脂層Aを多孔質シート状基材Dに積層し、製造例13と同様の条件で押圧し、樹脂層Qを得た。

0120

樹脂層R(製造例18)
樹脂層Bを多孔質シート状基材Dに積層し、製造例13と同様の条件で押圧し、樹脂層Rを得た。

0121

評価方法
[固体状の添加物(C)の一次粒子および無機フィラー(D)の短軸の平均長さ]
固体状の添加物(C)または無機フィラー(D)を水中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルをレーザー顕微鏡KEYENCE社製VK−9500)により観察し、スライドガラスの上面と固体状の添加物(C)または無機フィラー(D)の上面との焦点深度差を100点測定した長さの平均を算出した。この結果を表1に示す。

0122

[固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さ]
固体状の添加物(C)を水中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルをレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)により観察し、個々の固体状の添加物(C)について最長となる長さを100点測定した長さの平均を算出した。この結果を表1、2および3に示す。

0123

[固体状の添加物(C)の分散粒子の長軸の平均長さ]
成形品を厚み方向に切断し、包埋リング中に断面が下を向くように設置し、エポキシ樹脂を用いて固定した。得られた包埋ブロックの成形品断面側を研磨し、観察サンプルとした。研磨した面についてレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)により観察し、それぞれの分散粒子について最長となる長さを100点測定したものの平均を算出した。この結果を表1、2および3に示す。

0124

[アスペクト比の測定]
固体状の添加物(C)を水中に分散させ、スライドガラス上にキャストしたサンプルをレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)により観察し、任意の固体状の添加物(C)について最長となる長さを測定し、長軸長さとした。次に、同じ固体状の添加物(C)について、スライドガラスの上面と固体状の添加物(C)の上面との焦点深度差を測定し、短軸長さとした。測定した長軸長さを短軸長さで除した値を求めた。同様に全部で100個のサンプルについて値を求め、この平均をアスペクト比とした。

0125

[多孔質シート状基材(E)および(E’)の厚み]
JIS L 1913:2010に準拠し、全自動圧縮弾性・厚さ測定器(大栄科学精器製作所、CHE−400を用いて多孔質シート状基材の厚みを測定した。

0126

[多孔質シート状基材(E)および(E’)の孔径LeおよびLe’]
オートポアIV9510、マイクロメリティックス社製を用い、水銀圧入法により測定した。水銀圧入圧力は、4kPa〜400MPa、測定細孔直径は3nm〜400μm、測定モードは昇圧過程測定セル容積は5cm3、水銀表面張力は484dyn/cmとした。サンプルは多孔質シート状基材(E)および(E’)を数cm角に切り出して量した後、定規試料サイズを測定し、ガラス製の試料容器封入したものを用いた。

0127

[熱硬化性樹脂の硬化速度]
レオメータ(Alpha Technologies社製RPA2000)用い、5g程度の熱硬化樹脂の未硬化樹脂サンプルを1.5℃/分の速度で昇温させながら、ねじりモード(測定周波数:1.5Hz)で測定にて得られる、トルクの値を指標とし、トルクの値が0.3Nmを超える時間を各熱硬化樹脂で比較して、時間が短い方を硬化速度が速いと判定した。プリプレグ中の熱硬化樹脂の硬化速度は、以下のようにして判定を行った。

0128

プリプレグAの繊維方向に沿って、そぎ取るようにスパチュラを動かし、プリプレグAのマトリクス樹脂である熱硬化性樹脂Cを採取した。採取した熱硬化性樹脂Cと上述の方法で混練した熱硬化性樹脂Bを、前記評価方法にて、硬化時間を測定した結果、熱硬化性樹脂Cが熱硬化性樹脂Bに比べて硬化時間が速いという結果となった。

0129

[成形後のコーティング層の平均厚み]
成形品を厚み方向に切断し、包埋リング中に断面が下を向くように設置し、エポキシ樹脂を用いて固定した。得られた包埋ブロックの成形品断面側を研磨し、観察サンプルとした。研磨した面についてレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)により観察し、成形品表面から強化繊維までの距離を20点測定した長さの平均を算出した。なお、クロスプリプレグの硬化物を観察する場合は、観察面に対し、繊維が直行方向を向いているストランドを対象とし、1ストランドを3分割したうちの中央の領域について測定した。

0130

[固体状の添加物(C)が硬化後のコーティング層に存在する割合]
後述する実施例および比較例に従い、繊維強化複合材料を得た後、断面を研磨し、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)で倍率1000倍に拡大して写真撮影した。この断面写真を用い、上述した方法で求めた成形後のコーティング層の厚みの深さ位置に繊維強化複合材料の表面と平行な線を引いた。固体状の添加物(C)の総断面積と繊維強化複合材料と上記線との間に存在する固体状の添加物(C)の断面積の比をイメージアナライザーによって求めた。なお、クロスプリプレグの硬化物を観察する場合は、観察面に対し、繊維が直行方向を向いているストランドを対象とし、1ストランドを3分割したうちの中央の領域について測定した。この結果を表1、2および3に示す。

0131

[樹脂層(II)における固体状の添加物(C)偏在の程度]
上述の方法で得られた樹脂層K〜Rをそれぞれ2枚の平滑なポリ4フッ化ポリエチレン樹脂板間に狭持して密着させ、7日間かけて徐々に150℃まで温度を上昇させてゲル化および硬化させて板状の樹脂硬化物を作製した。硬化後、密着面と垂直な方向から切断し、その断面を研磨後、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)で400倍に拡大して写真を撮影した。この断面写真を用い、固体状の添加物(C)の総断面積S1およびa面側(樹脂フィルムを積層した側)で、連続孔を有する多孔質シート状基材(E)と樹脂硬化物の表面の間に存在する固体状の添加物(C)の断面積S2の比をイメージアナライザーによって求めた。この結果を表3に示す。

0132

[繊維強化複合材料成形品における多孔質シート状基材と強化繊維間の距離]
後述する実施例および比較例に従い、繊維強化複合材料を得た後、断面を研磨し、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−9500)で倍率1000倍に拡大して写真を撮影した。この断面写真のうち、繊維と直行方向である領域を観察領域とし、多孔質シート状基材(E)と強化繊維(A)の距離を20点測定した長さの平均を算出した。この結果を表2および3に示す。なお、クロスプリプレグの硬化物を観察する場合は、観察面に対し、繊維が直行方向を向いているストランドを対象とし、1ストランドを3分割したうちの中央の領域について測定した。

0133

屈折率測定
無機フィラーA〜Eの屈折率をJIS K 7142:1996に記載のベッケ線法に従って測定した。

0134

また、上記の方法で得られた熱硬化性樹脂Aを、1mm厚の空隙を持った所定の型枠内注入し、熱風オーブン中で室温から120℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、120℃の温度下で1時間かけて硬化した。得られた硬化物を縦20mm、横8mmに切り出し、JIS K 7142(1996)に記載のアッベ屈折計を用いて、屈折率を測定した。得られた熱硬化性樹脂Aの屈折率は1.59であった。

0135

上記の方法で得られた熱硬化性樹脂Bの場合は、1mm厚の空隙を持った所定の型枠内に注入し、熱風オーブン中で室温から170℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、170℃の温度下で2時間かけて硬化した。得られた硬化物を縦20mm、横8mmに切り出し、JIS K 7142(1996)に記載のアッベ屈折計を用いて、屈折率を測定した。得られた熱硬化性樹脂Bの屈折率は1.61であった。

0136

[明度L*の測定]
明度L*測定用繊維強化複合材料を、多光源測色計(スガ試験機社製、MSC−P)を用いて波長380〜780nmの範囲において、反射光モードC光源、2°視野、8°入射正反射光を含まない条件での分光反射率を測定し、計算によって、明度L*を求めた。

0137

[クロスプリプレグの目開きの測定]
プリプレグBまたはCについて、デジタルマイクスコープ(KEYENCE社製、VHX−500)を用いて、倍率200倍に拡大して写真を撮影した。CFストランドの交点に存在する隙間の対角線を20点測定し、その平均を目開きとした。この結果を表1に示す。

0138

[全光線透過率の測定]
上記の方法で得られた熱硬化性樹脂Aを、プレス機にて150℃、5分間予熱したのち、0.1MPa、30分間の条件で加圧し、硬化した。厚みの調製は100μm厚みのスペーサーを用いて行った。得られた硬化物を視光領域の波長(380〜780nm)の光を用いて、JIS K 7361 1:1997に準拠し、ヘーズ・透過率計(株式会社村上色彩技術研究所HM−150)を用いて全光線透過率を測定した。全光線透過率は89%であった。

0139

また、上記の方法で得られた熱硬化性樹脂Bを、プレス機にて180℃、5分間予熱したのち、0.1MPa、1時間の条件で加圧し、硬化した。厚みの調整は100μm厚みのスペーサーを用いて行った。得られた硬化物を視光領域の波長(380〜780nm)の光を用いて、JIS K 7361−1:1997に準拠し、へーズ・透過率計(株式会社村上色彩技術研究所HM−150)を用いて全光線透過率を測定した。全光線透過率は87%であった。

0140

[繊維強化複合材料の外観評価A]
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に対し、樹脂層Iを積層した。この積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで樹脂層の硬化を行い、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料を標準品とし、後述する実施例および比較例に従い、得られた繊維強化複合材料のコーティング層の白濁の程度について目視で評価を行った。標準品同等のものをA、標準品と比べて白濁しているものをCとした。この結果を表1に示す。

0141

[繊維強化複合材料の外観評価B]
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に対し、樹脂層Kを積層した。この積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表面層の硬化を行い、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料成形品を得た。得られた繊維強化複合材料成形品を標準品とし、後述する実施例および比較例に従い、得られた繊維強化複合材料成形品のコーティング層の発色の程度について目視で評価を行った。標準品同等のものをA、標準品と比べて黒っぽいが、発色が認められるものをB、発色が認められないものをCとした。この結果を表2および3に示す。

0142

(実施例1)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。さらに、樹脂層Aを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0143

(実施例2〜8)
積層する樹脂層をそれぞれB〜Hとする以外は、実施例1と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0144

(実施例9)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし。[0/90/0/90/0]となるように積層した。さらに、樹脂層Jを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち、0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で180℃まで昇温させた。180℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0145

(実施例10)
プリプレグBを4層積層した。さらに、樹脂層Dを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0146

(実施例11)
プリプレグをCとする以外は、実施例10と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0147

(実施例12)
プリプレグDを2層積層した。さらに、樹脂層Bを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームを145℃に加熱した成形型に載置し、成形型を締め切った後145℃、9.8MPaの条件で30分間加圧することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0148

(実施例13)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。さらに、プリプレグと接するように多孔質シート状基材Aを積層した後、樹脂層Kを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0149

(実施例14)
多孔質シート状基材B、樹脂層Lを積層する以外は、実施例13と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0150

(実施例15)
多孔質シート状基材Bを積層する以外は、実施例13と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0151

(実施例16)
プリプレグBを、4層積層した。さらに、プリプレグと接するように多孔質シート状基材Bを積層した後、樹脂層Kを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0152

(実施例17)
多孔質シート状基材Cを積層する以外は、実施例13と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0153

(実施例18)
プリプレグCを2層積層した。さらに、プリプレグと接するように多孔質シート状基材Aを積層した後、樹脂層Kを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームを145℃に加熱した成形型に載置し、成形型を締め切った後145℃、9.8MPaの条件で30分間加圧することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0154

(実施例19)
多孔質シート状基材Dを積層する以外は、実施例16と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0155

(実施例20)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。さらに、樹脂層Mを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0156

(実施例21)
樹脂層Nを積層する以外は、実施例20と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0157

(実施例22)
樹脂層Oを積層する以外は、実施例20と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0158

(実施例23)
プリプレグBを4層積層した。さらに、樹脂層Nを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームをプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0159

(実施例24)
樹脂層Pを積層する以外は、実施例20と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0160

(実施例25)
樹脂層Qを積層する以外は、実施例20と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0161

(実施例26)
樹脂層Rを積層する以外は、実施例23と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0162

(実施例27)
プリプレグCを2層積層した。さらに、樹脂層Mを積層し、プリフォームを作製した。得られたプリフォームを145℃に加熱した成形型に載置し、成形型を締め切った後145℃、9.8MPaの条件で30分間加圧することで表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0163

(比較例1)
積層する樹脂層をIとする以外は、実施例1と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0164

(比較例2)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に対し、樹脂層Dを積層した。この積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで樹脂層の硬化を行い、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0165

(比較例3)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に接するように多孔質シート状基材Aを積層し、さらに樹脂層Kを積層した。この積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表面層の硬化を行い、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0166

(比較例4)
多孔質シート状基材を積層しない以外は、実施例14と同じ条件とし、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0167

(比較例5)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に樹脂層Mを積層した。この積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで表面層の硬化を行い、表層にコーティング層を有する繊維強化複合材料を得た。

0168

(明度L*測定用繊維強化複合材料の製造例1)
プリプレグAを、繊維方向を0°とし、[0/90/0/90/0]となるように積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することでプリプレグの硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料について、上述の方法で明度L*を求めた値は22.0であった。

0169

(明度L*測定用繊維強化複合材料の製造例2)
プリプレグBを、4層積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料について、上述の方法で明度L*を求めた値は22.5であった。

0170

(明度L*測定用繊維強化複合材料の製造例3)
プリプレグCを、4層積層した。このプリプレグ積層体をプレス機にて70℃、7分間予熱したのち0.4MPaの条件で加圧すると同時に5℃/分の昇温速度で130℃まで昇温させた。130℃に到達後、90分間圧力および温度を保持することで繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料について、上述の方法で明度L*を求めた値は22.9であった。

0171

(明度L*測定用繊維強化複合材料の製造例4)
プリプレグDを、2層積層した。このプリプレグ積層体を145℃に加熱した成形型に載置し、成形型を締め切った後145℃、9.8MPaの条件で4分間加圧することで繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料について、上述の方法で明度L*を求めた値は91.2であった。

0172

0173

実施例1〜12と比較例1との対比から樹脂層(II)に無機フィラー(D)を添加すると硬化前後の樹脂層(II)の厚み変化を抑制できることがわかる。さらに、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合も高く、固体状の添加物(C)が強化繊維間に埋没することなく機能を発揮できることを示している。

0174

また、実施例1〜6および9〜12と実施例7、8との対比から、無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1が20μm以上100μm以下であり、かつ樹脂層(II)に占める固体状の添加物(C)の体積分率が0.01〜20%であるとき、硬化前後の樹脂層(II)の厚み変化を抑制する効果が顕著であることがわかる。

0175

実施例1〜6および12と実施例7、8との対比から、無機フィラー(D)の短軸の平均長さLd1が20μm以上100μm以下であり、かつ樹脂層(II)に占める固体状の添加物(C)の体積分率が0.01〜20%であるとき、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合が著しく高く、固体状の添加物(C)が強化繊維間に埋没することなく機能をより強く発揮できることを示している。

0176

実施例4と10との対比から、クロスプリプレグを用いる場合、目開きが小さいほど固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合が高いことがわかる。

0177

実施例1と実施例9との対比から、熱硬化性樹脂(B−2)の硬化速度が、プリプレグ層(I)の熱硬化性樹脂(B−1)よりも遅い場合、硬化前後の樹脂層(II)の厚み変化を抑制するとともに、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合が高く、固体状の添加物(C)が強化繊維間に埋没することなく機能を発揮できることを示している。

0178

実施例1〜5および実施例7〜11と実施例6との対比から、無機フィラー(D)と熱硬化性樹脂(B−2)の屈折率差が0.1以下であるとき、コーティング層の白濁がなく、透明度の高い外観が発現した。

0179

実施例1〜6および実施例9、10では鮮やかな発色とコーティング層を通して見える繊維強化複合材料の視認性のバランスがよく、深みのある意匠を示した。

0180

実施例1〜11は顔料の干渉色である青色とキラキラとした外観を示した。実施例12では、干渉色は発現せず、キラキラとした外観を示した。

0181

比較例2では、成形前後の樹脂層の厚み変化は小さいものの、硬化工程が2度必要であるため、製造時間が長かった。

0182

0183

実施例13〜18と比較例4との対比から多孔質シート状基材(E)の孔径Leと固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の長さ平均Lcの関係がLe<Lcである多孔質シート状基材(E)を積層すると、硬化前後の表面層の厚み変化を抑制する効果が顕著であることがわかる。さらに、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合も高く、効果的に機能を発揮できることがわかる。

0184

実施例16と実施例19との対比から固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の平均長さLcより孔径Leが大きい多孔質シート状基材(E)を積層すると、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合が低下し、機能の発現ががやや劣ることがわかる。

0185

比較例3では、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合は高いものの、硬化工程が2度必要であるため、製造時間が長かった。

0186

0187

実施例20〜27と比較例5との対比から樹脂層(II)に多孔質シート状基材を導入すると、硬化前後の樹脂層(II)の厚み変化を抑制する効果が顕著であることがわかる。さらに、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合も高く、効果的に機能を発揮できることがわかる。

0188

実施例20〜22、実施例25と26との対比から多孔質シート状基材(E)の孔径Leと固体状の添加物(C)の一次粒子の長軸の長さ平均LcがLe<Lcの関係のとき、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合が著しく高いことがわかる。

実施例

0189

比較例5では、固体状の添加物(C)がコーティング層に存在する割合は高いものの、硬化工程が2度必要であるため、製造時間が長かった。

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