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技術 ロボット

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 山崎武馬飯田泉笹井重徳
出願日 2014年10月22日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2014-215125
公開日 2016年5月16日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-078212
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽 電動機の制御一般
主要キーワード 抵抗素子側 シールド対象 被覆ワイヤ 抵抗部品 帯域除去フィルタ グラウンド配線 ノイズフィルター グラウンド線
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図面 (3)

課題

フレキシブル基板の外部へのノイズ漏洩を抑制することが可能な技術の提供。

解決手段

駆動部と、前記駆動部に電力伝送する電力線を有するフレキシブル基板と、前記電力線に接続されたチョークコイルと、を備え、前記電力線によって形成される寄生容量と、前記チョークコイルとによって、帯域除去フィルタが形成されている、ロボットを構成する。

概要

背景

従来、ロボットが備える駆動部に対して電力線を介して電力を供給し、当該電力によって駆動部に備えられたモーター等を駆動して当該駆動部を駆動する構成が知られている。例えば、特許文献1には、フレキシブル基板上に形成された電力線によってアクチュエーター給電するロボットが開示されている。

概要

フレキシブル基板の外部へのノイズ漏洩を抑制することが可能な技術の提供。駆動部と、前記駆動部に電力を伝送する電力線を有するフレキシブル基板と、前記電力線に接続されたチョークコイルと、を備え、前記電力線によって形成される寄生容量と、前記チョークコイルとによって、帯域除去フィルタが形成されている、ロボットを構成する。

目的

本発明は、フレキシブル基板の外部へのノイズの漏洩を抑制することが可能な技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

駆動部と、前記駆動部に電力伝送する電力線を有するフレキシブル基板と、前記電力線に接続されたチョークコイルと、を備え、前記電力線によって形成される寄生容量と、前記チョークコイルとによって、帯域除去フィルタが形成されている、ロボット

請求項2

前記駆動部は、多相交流で駆動されるモーターを含み、前記フレキシブル基板は、前記多相交流の各相の電力を伝送する複数の前記電力線を備える、請求項1に記載のロボット。

請求項3

前記チョークコイルは、前記多相交流の生成源と前記フレキシブル基板の前記電力線との間に直列に接続されている、請求項2に記載のロボット。

請求項4

前記多相交流の生成源は、スイッチング素子によって電力を変換する電力変換部を備えており、前記帯域除去フィルタは、前記電力変換部におけるスイッチングノイズピーク周波数を含む帯域を除去する、請求項2または請求項3のいずれかに記載のロボット。

請求項5

前記チョークコイルと前記電力変換部とは、同一の基板上に実装される、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のロボット。

請求項6

前記フレキシブル基板は、前記電力線と金属導体とを備え、さらに前記電力線と前記金属導体の間に存在する絶縁体を備える、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のロボット。

請求項7

前記金属導体は、接地電位に設定される、請求項6に記載のロボット。

技術分野

0001

本発明は、ロボットに関する。

背景技術

0002

従来、ロボットが備える駆動部に対して電力線を介して電力を供給し、当該電力によって駆動部に備えられたモーター等を駆動して当該駆動部を駆動する構成が知られている。例えば、特許文献1には、フレキシブル基板上に形成された電力線によってアクチュエーター給電するロボットが開示されている。

先行技術

0003

特開2010−214530号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述した従来の技術のように、フレキシブル基板を利用して配線を形成すると寄生容量が大きくなり、ノイズが増加してしまう。すなわち、フレキシブル基板を利用する構成においては、フレキシブル基板上やフレキシブル基板の周囲に接地電位となる金属導体(例えば、グラウンド線シールド)や接地電位となるロボットのフレーム等が配置される。このため、高周波ノイズが電力線で伝送され得る回路配線においては、フレキシブル基板がノイズを伝送させる寄生容量となる。
本発明は、フレキシブル基板の外部へのノイズの漏洩を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記目的を達成するためのロボットは、駆動部と、駆動部に電力を伝送する電力線を有するフレキシブル基板と、電力線に接続されたチョークコイルと、を備え、電力線によって形成される寄生容量と、チョークコイルとによって、帯域除去フィルタが形成されている。

0006

すなわち、フレキシブル基板に形成された電力線が駆動部に備えられた回路に接続されるロボットにおいては、フレキシブル基板が利用されたことによって寄生容量が不可避的に発生してしまう。一方、容量成分とインダクタンス成分とを利用すれば帯域除去フィルタを形成することができる。そこで、本発明の一実施形態にかかるロボットにおいては、寄生容量とチョークコイルとによって帯域除去フィルタが構成される。

0007

このように帯域除去フィルタが構成されると、例えば、帯域除去フィルタに向かうノイズは帯域除去フィルタによって減衰または反射される。従って、帯域除去フィルタが存在しなければ、寄生容量によってフレキシブル基板の外部に漏洩してしまうノイズが、フレキシブル基板の外部に漏洩することを防止することができる。なお、フレキシブル基板の外部とは、フレキシブル基板の周囲の空間や、フレキシブル基板の周囲の構造物等(ロボットのフレーム等)が想定される。

0008

ここで、駆動部は、ロボットを構成する部位であり電力によって駆動される部位である。駆動部は、電力によってモーターや各種のアクチュエーター等の運動部を動作させることによって駆動されれば良く、数、形状、運動方向等は限定されない。なお、駆動部は、駆動部が備える運動部に対してフレキシブル基板によって電力を供給できるように構成されていればよく、駆動部の筐体内にフレキシブル基板が通る空間が形成されていても良いし、フレキシブル基板の少なくとも一部が駆動部の筐体外を通るように構成されていても良い。

0009

フレキシブル基板は、柔軟性のある基材によって構成された基板上に少なくとも電力線が形成されていれば良い。当該電力線は、駆動部で必要とされる電力に応じた定格、個数で構成されれば良い。従って、駆動部が多相交流で駆動されるモーター等の運動部を備えているのであれば、各相の電力を伝送するための複数の電力線がフレキシブル基板に形成される。なお、フレキシブル基板は、駆動部の駆動による応力が基板または基板上の配線を破壊しないように柔軟性を有していれば良く、材料や形状は限定されない。むろん、複数の基板が組で利用され、基板の少なくとも一部に金属導体等によるシールド等が形成されていても良い。

0010

チョークコイルは、電力線に接続されるインダクタンス成分であれば良く、大きさや形状、巻き数等は限定されないが、少なくともフレキシブル基板の電力線によって形成される寄生容量と組み合わされて帯域除去フィルタが形成されていれば良い。従って、寄生容量の大きさと除去すべきノイズの周波数とに基づいてチョークコイルの大きさや形状、巻き数等を調整することにより、除去対象の周波数のノイズを除去可能な帯域除去フィルタが形成されていれば良い。むろん、チョークコイルは、単体で、駆動部に対して高周波のノイズが伝達されることを防止するための部材として機能していても良い。

0011

なお、帯域除去フィルタは、少なくともチョークコイルと寄生容量とによって形成されていればよく、例えば、チョークコイルと寄生容量とによって低周波数帯域を通過させ、高周波数帯域遮断するLCフィルタを形成することで、高周波数帯域のノイズを除去する構成等を採用可能である。この場合、LCフィルタにおけるカットオフ周波数が、除去対象の周波数(例えば、スイッチングノイズピーク周波数)より小さくなるようにチョークコイルを設計することが好ましい。この構成によれば、除去対象の周波数のノイズを除去可能な帯域除去フィルタを形成することができる。むろん、他の部品、例えば、抵抗部品コンデンサ部品等と組み合わせによって帯域除去フィルタが形成されていても良い。

0012

寄生容量は、種々の要因で形成される容量が想定される。例えば、フレキシブル基板の電力線の周囲に金属導体等が配置されることによって形成される寄生容量が想定可能である。すなわち、フレキシブル基板が、電力線と金属導体とを備え、さらに電力線と金属導体の間に存在する絶縁体を備える構成においては、電力線と金属導体とが絶縁体を挟むコンデンサを形成するため、電力線によって寄生容量が形成された状態となる。なお、金属導体は種々の導体が想定され、シールドや接地電位となる配線等が想定される。

0013

前者は、少なくともシールド対象の配線を覆うように配置される金属導体であり、多層のフレキシブル基板において電力線、金属導体、絶縁体のそれぞれを備える層でフレキシブル基板を形成する構成等を採用可能である。後者のような配線は、多層のフレキシブル基板の1層として金属導体が形成されることによって構成されても良いし、電力線を備える層において電力線と並ぶように接地電位となる配線が配置されても良い。いずれにしても、以上の構成によれば、金属導体を含むフレキシブル基板を利用することにより不可避的に発生する寄生容量によるノイズの漏洩を抑制することができる。

0014

むろん、フレキシブル基板の利用に伴う寄生容量は他の要因によっても発生し得る。例えば、フレキシブル基板が駆動部の内部空間に配置されることによってフレキシブル基板が駆動部の内部の部材(筐体や他の回路等)と接近することで形成される寄生容量等が想定される。従って、このような寄生容量によるノイズの漏洩を抑制するようにチョークコイルを調整して帯域除去フィルタが形成されていても良い。なお、寄生容量の容量値は、フレキシブル基板や駆動部、ロボット等の設計時におけるシミュレーションやフレキシブル基板や駆動部、ロボット等の製造後の実測等によって特定可能である。

0015

さらに、チョークコイルが、多相交流の生成源とフレキシブル基板の電力線との間に直列に接続されている構成としても良い。すなわち、多相交流の生成源で生成された電力がフレキシブル基板の電力線で駆動部内のモーター等に伝送される構成において、多相交流の生成源とフレキシブル基板の電力線との間に直列にチョークコイルが接続されると、フレキシブル基板の寄生容量とチョークコイルとによって帯域除去フィルタとしてのLCフィルタが形成される。より具体的には、チョークコイルが多相交流の生成源とフレキシブル基板の電力線との間に直列に接続された状態において、フレキシブル基板の電力線によって形成される寄生容量をコンデンサと見なすと、当該コンデンサの一端はチョークコイルとモーター等との間の配線に接続され、当該コンデンサの他端はグラウンドに接続されていると見なすことができる。

0016

従って、チョークコイルと寄生容量とによって典型的なLCフィルタを形成することができる。また、チョークコイルを、多相交流の生成源とフレキシブル基板の電力線との間に直列に接続するのみで帯域除去フィルタを形成可能であり、コンデンサを用意しなくても帯域除去フィルタを形成することができる。なお、多相交流の生成源は、各相の交流電力を生成する回路であれば良く、例えば、スイッチング素子に対する制御によって直流電力から交流電力を生成するインバーター回路等で構成することができる。

0017

さらに、多相交流の生成源が、スイッチング素子によって電力を変換する電力変換部を備える構成において、帯域除去フィルタが、電力変換部におけるスイッチングノイズのピーク周波数を含む帯域を除去するように構成されていても良い。すなわち、スイッチング素子に対する制御によって直流電力から交流電力を生成するインバーター回路等によって多相交流を生成する構成においては、スイッチング素子に対して高速スイッチング制御が行われることに伴って、高周波のスイッチングノイズが生成される。そこで、チョークコイルと寄生容量とによって形成される帯域除去フィルタの特性が、スイッチングノイズのピーク周波数を含む帯域を除去する特性となるように、チョークコイルの仕様を調整すれば、簡易な構成によりスイッチングノイズを除去する(フレキシブル基板の外部へのノイズの漏洩を抑制する)ことが可能になる。

0018

さらに、チョークコイルと電力変換部とが、同一の基板上に実装される構成であっても良い。この構成によれば、フレキシブル基板上にチョークコイルが実装される構成やフレキシブル基板と駆動部との間にチョークコイルが挿入される場合と比較して、チョークコイルを電力変換部の近くに配置することができる。従って、スイッチングノイズの発生源に近い部位にチョークコイルを配置することができ、効果的にスイッチングノイズを抑制することができる。

0019

さらに、以上のような、フレキシブル基板の電力線によって形成される寄生容量とチョークコイルとによって帯域除去フィルタを形成する本発明の手法は、方法としても適用可能である。また、本発明が適用されたロボットは、ロボットの制御や各種の機器との連携を行う制御部等を含むロボットシステムとして提供されても良く、種々の構成を採用可能である。

図面の簡単な説明

0020

(1A)は本発明の実施形態にかかるロボットを示すブロック図であり、(1B)はLCフィルタのゲインの周波数特性を示す図であり、(1C)はLCフィルタの回路を説明するための説明図である。
帯域除去フィルタを含む回路を示す図である。

実施例

0021

ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ロボットの構成:
(2)ノイズ除去のための構成:
(3)他の実施形態:

0022

(1)ロボットの構成:
図1Aは、本発明の一実施形態であるロボット10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかるロボット10は、コントローラー20と駆動部30とを備えている。コントローラー20は、駆動部30を駆動するための各種の回路を備えている。コントローラー20にはケーブル22が接続されており、ロボット10の設置場所で提供されている電源40から当該ケーブル22を介して電力が供給される。

0023

コントローラー20には、電力変換部21が含まれている。電力変換部21は、所定の規格電圧周波数等)で提供される電源40から駆動部30に供給すべき電力を生成する回路を備えている。本実施形態においては、電源40が所定の電圧および周波数の三相交流を提供しており、電力変換部21は当該三相交流から駆動部30に供給すべき三相交流を生成する。

0024

このために、電力変換部21は、交流電力を直流電力に変換するコンバーター21aと直流電力を交流電力に変換するインバーター21bとを備えている。コンバーター21aは、電源40の各相の電力を直流電力に変換する回路である。インバーター21bは、複数のスイッチング素子を備えており、スイッチング素子を利用したPWM制御が行われることで、コンバーター21aが生成した直流電力を位相の異なる三相の交流電力に変換する。

0025

インバーター21bが生成した各相の交流電力は、被覆ワイヤからなるケーブル23を介して駆動部30に供給される。なお、本実施形態において、インバーター21bが生成する三相の交流電力は、交流電動機であるモーター31aを駆動するための電力である。すなわち、駆動部30の内部にはモーター31aが備えられており、当該モーター31aに対して供給するための電力がインバーター21bによって生成される。

0026

駆動部30は、複数のモーターによって駆動される複数の可動部を備えている。図1Aにおいては、駆動部30が備える可動部としてのエンドエフェクター31を駆動するモーター31aを示している。他の可動部、例えば、回転可能に支持されたアームも他のモーターによって駆動されるが、図1Aにおいてこれらの他のモーターは省略されている。なお、本実施形態にかかるロボット10は、稼働中に人間と共存することが想定されている。例えば、人間の居住空間にロボット10が配置される場合や、工場内で人間とともにロボット10が作業を行うことが想定されている。そこで、本実施形態におけるモーター31aの容量は80W程度とされており、産業用ロボット(稼働中に人間と共存しないロボット)におけるモーターの容量(例えば1kW)と比較して極めて小さい容量となっている。

0027

モーター31aには、フレキシブル基板32が接続され、フレキシブル基板32は中継器33を介してケーブル23に接続される。すなわち、ケーブル23は、駆動部30に形成された開口部(図1Aに示す例においてはベースに開口部が形成されている)から駆動部30の内部に配線され、駆動部30の内部に配置されたモーター31aに接続されたフレキシブル基板32に中継器33を介して接続される。

0028

なお、ケーブル23には、交流電動機であるモーター31aを駆動するための三相の交流電力を電送するための電力線と、接地電位とされるグラウンド線(接地電位となる金属導体)とが含まれている。フレキシブル基板32は複数の層を備えており、ポリイミド等を基材とするフィルム状の1層に金属導体によって三相の電力線とグラウンド線とが形成されている。また、本実施形態においては、当該電力線とグラウンド線とを備える層の表裏にシールド用の金属導体を有する層が配置されている。むろん、シールド用の金属導体と電力線(およびグラウンド線)となる金属導体とは互いに絶縁される。当該絶縁は、絶縁体によって形成された層等によって実現可能である。

0029

フレキシブル基板32は、薄く軽量であり、狭い空間内での配線に有利であるため、本実施形態においてはモーター31aと中継器33との間の空間における配線に利用されている。すなわち、図1Aに示すロボット10は、先端側であるエンドエフェクター31に近いほど細いアームとなっており、モーター31aの周囲は非常に狭い空間である。そこで、狭い空間であるモーター31aと中継器33との間の空間に、被覆ワイヤではなくフレキシブル基板32が利用されている。

0030

一方、本実施形態において、中継器33とコントローラー20との間の空間は、モーター31aと中継器33との空間より広く、被覆ワイヤであるケーブル23によって配線されたとしても、配線が困難になることはない。そこで、本実施形態においては、ケーブル23の先端において、モーター31aと中継器33との間の配線をフレキシブル基板32によって実現した。むろん、中継器33とコントローラー20との間の内部空間が狭い場合など、被覆ワイヤによる配線が困難な部位が存在するのであれば、その部位の配線をフレキシブル基板としても良い。

0031

(2)ノイズ除去のための構成:
いずれにしても、本実施形態においては、駆動部30の内部の少なくとも一カ所の配線がフレキシブル基板32によって形成されている。上述のように、フレキシブル基板32は、狭い空間での配線の容易化のために使用されているものの、当該フレキシブル基板32においては、寄生容量が形成されることを避けることができない。そして、コントローラー20のインバーター21bにおいては、多数のスイッチング素子で高速にオンオフ動作が繰り返されるため、高周波のスイッチングノイズが発生する。一般的なモーター31aの駆動において当該スイッチングノイズの周波数は数MHz域である。典型的には、数MHz(例えば5MHz)がノイズのピーク周波数であり、ピーク周波数より高い周波数域でノイズは徐々に減衰する。

0032

そこで、本実施形態においては、フレキシブル基板32の電力線によって形成される寄生容量と、チョークコイルとによって、フレキシブル基板32の外部へのノイズの漏洩を防止する帯域除去フィルタが形成されている。図2は、本実施形態にかかる電力変換部21(コンバーター21aおよびインバーター21b)、フレキシブル基板32、モーター31aによって形成される回路を模式的に示す図であり、ノイズの除去に関連する要素を示している(ノイズの除去の説明に使用されないケーブル23等は省略されている。)。

0033

同図に示すように電源40は、コンバーター21aに接続され、コンバーター21aに三相交流電力を供給する。コンバーター21aはインバーター21bに接続されており、三相交流電力を整流して直流電力に変換し、インバーター21bに供給する。インバーター21bにおいては、電力変換部21が備える制御ICが各相のスイッチング素子を制御して所定の周波数でスイッチング動作させることにより、所定の周波数および振幅交流電圧を生成する。

0034

インバーター21bからの各相の出力線のそれぞれには、チョークコイル24a,24b,24cが接続されている。チョークコイル24a,24b,24cのそれぞれから延びる電力線はケーブル23を経てフレキシブル基板32に達し、フレキシブル基板32からさらにモーター31aに達している。従って、以上の構成により、制御ICによるスイッチング素子の制御に応じてモーター31aが所定の周期で回転する。コントローラー20においては、図示しないプログラムに従った制御(コントローラー20のファームウェアや他のコンピュータによって実行される制御)を実行し、ロボット10の駆動部30に所定の動作を実行させる。

0035

以上の構成において、フレキシブル基板32によって形成される各相の電力線の周囲には、金属導体が配置されているため、当該電力線によって寄生容量が形成される。このような寄生容量は、各相の電力線と金属導体との間に接続されたコンデンサと見なすことができる。本実施形態において、当該金属導体はグラウンド線などの接地電位の配線であるため、図2においては、当該寄生容量が、電力線と接地電位との間の寄生容量32a,32b,32cとして表記されている。このような寄生容量32a,32b,32cが形成された状態において、チョークコイル24a,24b,24cが存在しない場合、インバーター21bにおいて発生したスイッチングノイズは、寄生容量32a,32b,32cを介して外部(グラウンド配線)に漏洩する。これらの寄生容量32a,32b,32cの例としては、数百pF程度(200pF等)のオーダーが想定される。

0036

しかし、本実施形態においては、図2に示すように、多相交流の生成源であるインバーター21bと、フレキシブル基板32の電力線との間に、チョークコイル24a,24b,24cのそれぞれが直列に接続されている。従って、各層において、チョークコイルと寄生容量は高周波数帯域の信号を除去するLCフィルタを形成している。

0037

図1B、図1Cは、図2に示すようなLCフィルタによる作用を説明するための説明図である。図1Cに示すように、抵抗素子コイルとが直列接続され、コイル側端子にコンデンサの一端が接続され、コンデンサの他端が接地された回路を想定する。この回路において、抵抗素子側の端子に印加された電圧を入力電圧Vin、コンデンサの両端の電圧を出力電圧Voutとしたフィルタを考える。この回路において、抵抗素子Rの抵抗値をコイル、コンデンサのインピーダンスに対して小さく設定すれば、図1Cに示す回路は図2に示すLCフィルタと同等のフィルタになる。

0038

図1Bは、図1Cに示す回路において、抵抗値を0.1Ω、コンデンサの容量を200pF、コイルのインダクタンスを47μHとした場合のゲインの周波数特性を示している。同図1Bに示すように、図1Cに示す回路においては、1MHz付近からゲインが上昇し、2MHz以下の周波数でゲインがピークとなり、その後、急激にゲインが低下している。そして、この例においてゲインが−3dBとなるカットオフ周波数は2〜3MHzの間に存在する。従って、図1Cに示す回路は、2〜3MHzの間に存在するカットオフ周波数より大きい周波数を阻止する帯域除去フィルタとして機能すると見なすことができる。

0039

このように、図2に示すチョークコイル24a,24b,24cと寄生容量32a,32b,32cとを組み合わせて形成したLCフィルタによれば、入力側であるインバーター21b側で発生したスイッチングノイズはLCフィルタで減衰または反射される。従って、LCフィルタよりも出力側にスイッチングノイズが伝達されることを抑制することができ、フレキシブル基板の外部へのノイズの漏洩を抑制することができる。

0040

なお、チョークコイル24a,24b,24cは、スイッチングノイズの周波数および寄生容量32a,32b,32cを利用して設計することができる。例えば、図2における回路からチョークコイル24a,24b,24cを除外した状態におけるフレキシブル基板32による寄生容量値をシミュレーションや実測等によって特定する。また、インバーター21bにおけるスイッチングノイズの周波数特性をシミュレーションや実測等によって特定する。

0041

スイッチングノイズは、一般に、特定の周波数でピークとなり、ピーク周波数より低い周波数域ではノイズの強度が大きく変化しないがピーク周波数より高い周波数域でノイズは徐々に減衰する。そこで、LCフィルタのカットオフ周波数が、ピーク周波数よりも小さくなるようにチョークコイル24a,24b,24cを設計すれば、スイッチングノイズの漏洩を除去する帯域除去フィルタを形成することが可能になる。例えば、フレキシブル基板32による寄生容量値が200pF程度であり、スイッチングノイズのピーク周波数が5MHzである場合、上述の図1Bのように、チョークコイル24a,24b,24cのインダクタンスを47μHとすれば、スイッチングノイズを除去する帯域除去フィルタを形成することが可能である。

0042

なお、本実施形態にかかる帯域除去フィルタにおいては、少なくとも、除去対象であるスイッチングノイズのピーク周波数が帯域除去フィルタのカットオフ周波数よりも大きければ良い。ただし、スイッチングノイズのピーク周波数とカットオフ周波数とが離れているほど、スイッチングノイズに対する帯域除去フィルタのノイズ除去効果が高い。そこで、チョークコイル24a,24b,24cのインダクタンスを調整して、ノイズ除去効果がより高くなるように帯域除去フィルタを形成しても良い。

0043

スイッチングノイズのピーク周波数とカットオフ周波数との差分を大きくするためには、例えば、大きいインダクタンスのコイルによってチョークコイル24a,24b,24cを構成すれば良い。ただし、コイルのインダクタンスを過度に大きくしても、コイルの規模が大きくなり、コストや大きさ、重量が増大するため好ましくない。そこで、除去対象のスイッチングノイズを充分に抑制できる範囲のインダクタンスの大きさとし、過度にインダクタンスを大きくしないことが好ましい。例えば、上述のように小容量のモーターである80W程度のモーター31aを利用する本実施形態において、フレキシブル基板32による寄生容量値が200pF程度、スイッチングノイズのピーク周波数が5MHz程度である状況において、47mHのインダクタンスのコイルを採用することは合理的な選択となる。

0044

なお、47mHのインダクタンスのコイルとしては、プリント基板に対して表面実装可能な部品を選択することができる(例えば、Bourns社(登録商標)のSRR1806シリーズ等)。従って、共通のフェライトコア3相の電力線を巻き付けるコイル(従来のコモンモードノイズフィルター)をチョークコイルとして利用する構成と比較して、極めて小規模(小さく、軽く、低コストである)のチョークコイルを利用してスイッチングノイズを除去することが可能になる。

0045

本実施形態においては、このように、大きいコイルによってコモンモードノイズフィルターを形成するのではなく、各相の電力線にLCフィルタによってノーマルモードノイズフィルターを形成することにより、小規模なノイズフィルターを形成している。しかし、スイッチングノイズのピーク周波数に着目し、ピーク周波数を除去する帯域除去フィルタを形成しているため、小規模であっても効果的にスイッチングノイズを除去することが可能である。

0046

なお、本実施形態のように、80W程度の容量のモーター31aにおいては、瞬時最大電流が3A程度であり、この程度の最大電流であれば、当該最大電流が定格電流以内のチョークコイルを表面実装可能なチョークコイルから選定することができる。さらに、チョークコイル24a,24b,24cの定格電流は、フレキシブル基板32の定格電流以上であることが好ましい。この構成によれば、常に、フレキシブル基板32が利用される回路において想定された範囲内の電流がチョークコイル24a,24b,24cに流れ、かつ当該電流でチョークコイル24a,24b,24cが破壊されることがないように設計することができる。

0047

また、本実施形態において電力変換部21を構成するコンバーター21aおよびインバーター21b、チョークコイル24a,24b,24cは、同一の基板上に形成されており、図2においては、これらの回路が形成された基板を符号21cによって模式的に示している。インバーター21bとチョークコイル24a,24b,24cとが同一基板上に形成される構成においては、チョークコイル24a,24b,24cをインバーター21bの近くに配置(実装)することが可能になる。従って、スイッチングノイズの発生源であるインバーター21bの近くにノイズを減衰させるチョークコイル24a,24b,24cを配置することができ、効率的にスイッチングノイズを抑制することができる。

0048

また、本実施形態においては、チョークコイル24a,24b,24cと寄生容量32a,32b,32cとで形成されるLCフィルタによってスイッチングノイズが抑制される。従って、チョークコイル24a,24b,24cが基板21c上に実装されることにより、チョークコイル24a,24b,24cが駆動部30内(例えば、フレキシブル基板32の近傍)に配置される場合と比較してスイッチングノイズの基板21cの外部への漏洩、特に駆動部30への進入、を効果的に抑制することができる。

0049

(3)他の実施形態
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、フレキシブル基板の電力線によって形成される寄生容量とチョークコイルとによって帯域除去フィルタを形成する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ロボット10の態様は、図1Aに示す態様に限定されず、双腕ロボット人型ロボットスカラーロボットなど、他のいかなるロボットであっても良い。

0050

さらに、上述のモーター31aは三相交流によって駆動されるモーターであったが、他の手法でロボットの駆動部が駆動されても良い。例えば、三相以外の多相交流で駆動されるモーターや、単相交流で駆動されるモーターで駆動部が駆動されても良いし、モーター以外の運動部(ソレノイド等)によって駆動部が駆動されても良い。いずれにしても、運動部にフレキシブル基板が接続され、当該フレキシブル基板によって形成される寄生容量とチョークコイルとによって帯域除去フィルタが形成されていれば良い。

0051

また、チョークコイル24a,24b,24cにおいては、上述の事項以外にも種々の構成が備えられていても良く、例えば、チョークコイル24a,24b,24cが磁気シールドを備えていても良い。この構成によれば、チョークコイル24a,24b,24cからのノイズの漏洩やチョークコイル24a,24b,24cへのノイズの進入を抑制することができる。

0052

10…ロボット、20…コントローラー、21…電力変換部、21a…コンバーター、21b…インバーター、21c…基板、22,23…ケーブル、24a,24b,24c…チョークコイル、30…駆動部、31…エンドエフェクター、31a…モーター、32…フレキシブル基板、32a,32b,32c…寄生容量、33…中継器、34…支持部、40…電源

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