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技術 チタン精密鋳造法に内部鋳造欠陥防止技法を提供

出願人 藤原晨
発明者 藤原晨
出願日 2014年10月21日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-226450
公開日 2016年5月16日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-078116
状態 未査定
技術分野 鋳造前の予備処理と金属の鋳造 鋳型又は中子及びその造型方法
主要キーワード スイッチ一つ 一般金属 等温面 使用者たち 連結構造体 精密形状 連続構造体 ファーネス内
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

チタン溶湯鋳造リングスプルー孔を通過して鋳型空洞に流入する時に不活性ガスを巻き込んで鋳型空洞に流入し内部鋳造欠陥を発生させていた。この発明はチタン精密鋳造法に内部鋳造欠陥防止技法を提供する。

解決手段

チタン連続空隙連結構造体を鋳造リングのスプルー孔に設置し不活性ガスが鋳型空洞に流入するのを防ぎ、内部鋳造欠陥発生を防止することが出来る。

概要

背景

以下に示す特性により,チタン鋳造機は大別すると[図1]二室性室温チタン精密鋳造機(1)と[図2]遠心型チタン精密鋳造機(2)の2機種に大別される。
これら二室性室温チタン精密鋳造機(1)も、遠心型チタン精密鋳造機(2)にしても、これらの機種を使用したチタン鋳造体が製造され、消費者に供給されている。しかし消費者が鋳造体使用中に、突然破損・破折が生じる事例が多発した。これらの製品外観には異常が認められないが、破損・破折部の内部に空洞が発見される共通した特徴が見られ、これらの空洞がこの遅れ破壊の原因になっている。

チタン精密鋳造機の扱いは、スイッチ一つ運転できるわけではない。[図3]によりチタンインゴット(3)が溶解される工程からの背景技術について以下に記述する。溶解されたチタン溶湯(4)を二室性精密鋳造機(1)では、リングファーネス内鋳型空洞(5)に通じるスプルー孔(6)に落下させ、遠心鋳造機(2)では遠心力によりチタン溶湯を同じくリングファーネス内の鋳型空洞(5)にむけてチタン溶湯を注湯する構造に設計されている。

チタン材比重は他種金属と比べ、4,5と比較的低く、溶解したチタン溶湯(4)は2000℃以上とも云われるほどの高温下で活性化され、チタン溶湯が激しく回転していることが覗き窓(7)から観察される。チタンが溶解していることを、こうして確認しつつ鋳造操作を進めることが出来るように工夫されている。

しかし、いずれのメーカーのチタン精密鋳造機においても、一旦は真空度5−1torrを達成できる真空ポンプ(8)により、チタン溶湯(4)は5−1torrの真空下におかれるように設計されている。真空力学的に減圧鋳造室(9)内部を真空度5−1torrにまでにするのが限界で、取りきれなかった不活性ガス残留している。真空学的に限界だと云われるこの事実は真空機構を応用した工作機器共通の課題となっている。このような経過を経て鋳造室に入ったチタン溶湯(4)はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で鋳造リングのスプルー孔(6)を通して鋳型空洞(5)にチタン溶湯が流れ込むように、いずれのチタン精密鋳造機製品も設計されている。

概要

チタン溶湯が鋳造リングのスプルー孔を通過して鋳型空洞に流入する時に不活性ガスを巻き込んで鋳型空洞に流入し内部鋳造欠陥を発生させていた。この発明はチタン精密鋳造法に内部鋳造欠陥防止技法を提供する。 チタン連続空隙連結構造体を鋳造リングのスプルー孔に設置し不活性ガスが鋳型空洞に流入するのを防ぎ、内部鋳造欠陥発生を防止することが出来る。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

[表1]チタン精密鋳造機の使用者スキーマにおいて、鋳造リングをチタン精密鋳造機に装填する前に、鋳造リングのスプルー孔に装填する金属製の内部鋳造欠陥防止材

請求項2

チタン精密鋳造機の使用者スキーマにおいて、鋳造リングをチタン精密鋳造機に装填する前に、鋳造リングのスプルー孔に装填するチタン材製の内部鋳造欠陥防止材

請求項3

CPチタン製連続空隙連続構造体を構成する繊維の直径は3ミクロンから300ミクロンからなり、繊維束の長さは5mmから3000mmまでの細い繊維束からなり、中心側は太い繊維からなる繊維束

請求項4

チタン合金からなる連続空隙連続構造体の繊維束の直径は3ミクロン〜150ミクロン、繊維束の長さは5mm〜3000mmの外側は細い繊維からなり、中心側は太い繊維からなる繊維束

請求項5

CPチタあるいは、またはチタン合金からなる連続空隙連続構造体の棒材の直径は3ミクロン〜150ミクロン、棒材の長さは5mm〜3000mmの外側は細い繊維からなり、中心側は太い繊維からなる繊維束

技術分野

0001

この発明はチタン精密鋳造法においてチタンおよびチタン合金を溶解して、望まれている精密形状蝋材製作し、蝋型転写してできた空洞にチタン溶湯注湯して出来たチタン鋳造体製造後に多発している内部鋳造欠陥発生問題に関するものである。

背景技術

0002

以下に示す特性により,チタン鋳造機は大別すると[図1二室性室温チタン精密鋳造機(1)と[図2遠心型チタン精密鋳造機(2)の2機種に大別される。
これら二室性室温チタン精密鋳造機(1)も、遠心型チタン精密鋳造機(2)にしても、これらの機種を使用したチタン鋳造体が製造され、消費者に供給されている。しかし消費者が鋳造体使用中に、突然破損・破折が生じる事例が多発した。これらの製品外観には異常が認められないが、破損・破折部の内部に空洞が発見される共通した特徴が見られ、これらの空洞がこの遅れ破壊の原因になっている。

0003

チタン精密鋳造機の扱いは、スイッチ一つ運転できるわけではない。[図3]によりチタンインゴット(3)が溶解される工程からの背景技術について以下に記述する。溶解されたチタン溶湯(4)を二室性精密鋳造機(1)では、リングファーネス内鋳型空洞(5)に通じるスプルー孔(6)に落下させ、遠心鋳造機(2)では遠心力によりチタン溶湯を同じくリングファーネス内の鋳型空洞(5)にむけてチタン溶湯を注湯する構造に設計されている。

0004

チタン材比重は他種金属と比べ、4,5と比較的低く、溶解したチタン溶湯(4)は2000℃以上とも云われるほどの高温下で活性化され、チタン溶湯が激しく回転していることが覗き窓(7)から観察される。チタンが溶解していることを、こうして確認しつつ鋳造操作を進めることが出来るように工夫されている。

0005

しかし、いずれのメーカーのチタン精密鋳造機においても、一旦は真空度5−1torrを達成できる真空ポンプ(8)により、チタン溶湯(4)は5−1torrの真空下におかれるように設計されている。真空力学的に減圧鋳造室(9)内部を真空度5−1torrにまでにするのが限界で、取りきれなかった不活性ガス残留している。真空学的に限界だと云われるこの事実は真空機構を応用した工作機器共通の課題となっている。このような経過を経て鋳造室に入ったチタン溶湯(4)はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で鋳造リングのスプルー孔(6)を通して鋳型空洞(5)にチタン溶湯が流れ込むように、いずれのチタン精密鋳造機製品も設計されている。

発明が解決しようとする課題

0006

鋳型から取り出されたチタン鋳造体は研磨工程などの後加工が加えられ製品となって出荷されている。しかし、これらの鋳造製品が出荷され、消費者が使用していると、大きな外力を受けたのでもないにも拘らず、この鋳造製品が突然破壊する事故が多発した。これらの遅れ破壊を起こした製品の破断面を観察すると、製品の外側にはチタン材が殻状に、内側は空洞状になっている共通の特徴が観察された。

0007

このような事故が多発しているため、チタン精密鋳造機の使用者は製品を集荷する前に、製品の単純レントゲン撮影を行い、異常がない製品のみを出荷している状況が常態化している。更には多発する出荷製品の遅れ破壊に対処するため、当該蝋型を予備に一つ作成し保管することで、クレームが生じた時に備えるなどの対策を取っている。

0008

この内部鋳造欠陥の発生を防止する解決策として、従来型直線形の管状のスプルー孔(6)に対して、ガス体が通過することを防ぐために提案されたのは、[図4]に示す如く鋳造リングから鋳型空洞(5)に至るまでスプルー孔(6)を直線的な管状形体から、スプルー孔の途中に狭隘部(10)を設けるか、スプルー孔を三次元形状でα字型(11)にさせることによって、チタン溶湯中の気泡の通過をこれらの狭隘部(10)によってせき止め役割を担わせて、不活性ガスが鋳型空洞(5)に侵入することを防ぐことが出来ると提案している。

0009

以下この方法を検討する。チタン精密鋳造法においても、チタン材以外の鉄、アルミニウム、金、白金、金パラジウムなどの金属類を材料にして、鋳造法を応用しようとするときも、チタン材あるいはチタン合金を鋳造しようとする前の、蝋型を転写して鋳型空洞を製作する工程では基本的な原理に全く変わりはない。チタン材専用のものが使用されるのは鋳型材のみである。従って、チタン材を鋳造しようとする時、原形を転写する工程では、チタン精密鋳造法も永年歴史的に受け継がれてきた一般金属原料に用いる鋳造法と同様の方式が踏襲されている。

0010

しかし、細いくびれをこの蝋型材料で作成し、耐火埋没材料である粉,液を練り合わせペースト状にした中に蝋型を埋没して、スプルー孔を製作する技法を実際に実施することは以下に記載する理由から極めて難しく、いずれの方法も現場では採用されていない。その理由は蝋型の細い部分は、脆く破損しやすい、この蝋型は天然樹液や、石油化学製品から製造され、手つくり作業で精密な形体を作成しやすい材料が用いられている。またこの形体化した蝋型を耐火埋没材中に埋没させたものが破損したからと云って修復しようとしても、修復する術は無い。

0011

耐火埋没材の材料は高温下にあるチタンに接しても反応することなく安定したアルミナジルコニア系材料マグネシアと云ったいずれも比重が大きい耐火性材料が用いられている。スプルー孔(6)は鋳型材内部に設置されるが、いずれのチタン鋳造専用鋳型材の比重が大きく、スプルー孔を製作するための天然材料製の蝋型は破損しやすいため、鋳型材材料である粉液を混合させ、蝋型を破損させること無く鋳型材の中に埋没させることは極めて難しい。

0012

以下、提唱されてきた内部鋳造欠陥発生を防止する従来方法を、以下に記載する[表1]チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマを用いて詳細に説明する。チタン精密鋳造法を使用しようとする者は、チタン材以外の金属材料を対象にした時と異なり、チタン専用の鋳型材を使用しなければならない。高温で溶解されているチタン材に触れると従来型の鋳型材では損傷・破損がおこるため、チタン専用鋳型材は、高温に曝されても表面性状が痛むようなことが起こらない製品に仕立てられている。
引用文献:非特許文献、チタン合金の歯科鋳造に関する研究第4報マグネシア系埋没材を用いた純チタンおよびチタン合金の鋳造 利賀谷紀宏、薮上 雅彦、井田一夫
京都大学医学部医用高分子センター研究センター歯科材料応用研究部門
38巻3号460〜467

0013

0014

我が国で開発された9種類のチタン精密鋳造機の鋳造室内は一旦、アルゴン雰囲気で満たしたあと、真空下に置換するような構造に設計されているが、一方米国で開発された遠心式精密チタン鋳造機は、不活性ガスであるアルゴンに代わり米国内で多く産出される同じく不活性ガスであるヘリウムが採用されている。以下、不活性ガスについて課題解決のカギを握るのではないかと大がかりな実験を行ない、その結果を報告している非特許文献をここで引用したい。
引用文献:非特許文献
Effect of pressure,helium,argon,krypton and xenon on the porosity,microstructure,and mechanical properties of commercially pure titanium castings,Zineris S.JPD,vol of.84,No.5,575p,2000,nov.

0015

この文献によると鋳型試験片を多数製作し、チタン材を鋳造する時に鋳造室内をグループごとに不活性ガスの種類を替え試験を行っている。ヘリウムのみならず以下不活性ガスである、アルゴン、クリプトンキセノン等の雰囲気下、1気圧と0,5気圧で各々鋳型試験片に設置された鋳型空洞にむけてチタン材を鋳造し、各不活性ガスの種類ごとに鋳造試料多孔率X線画像分析によって計測して、不活性ガスの種類による内部鋳造欠陥発生原因手掛かりを調べた。しかし不活性ガスの種類を変えても、内部鋳造欠陥の発生を無くす手掛かりを得ることは出来なかったと報告している。

0016

これらの二室性チタン精密鋳造機あるいはチタン遠心鋳造機は我が国で開発されたが、その後、米国でもチタン遠心鋳造機が開発された。この1社を加えると、一時は10社近くがチタン精密鋳造機を製造し市場化した[表2]。しかし、いずれの機種も、製品の遅れ破壊の原因になる内部鋳造欠陥発生問題を解決できないまま現在に至っている。一時、チタン鋳造体が金合金や白金加金鋳造法やコバルトクロム合金鋳造法に代わると喧伝された時期もあったが、現状ではこの内部鋳造欠陥発生問題を解決できず、いずれの機種のメーカーも市場で苦戦を強いられ、一部のメーカーは市場から退場している。

0017

0018

チタン金属を鋳造するときには、スプルー孔の中心付近は2000度以上に熱せられていると云われているチタン溶湯が、スプルー孔壁面に沿った部分は室温近くのチタン材の温度と温度差は大きく、他の金属類とは比較にならないほど、ガス体を含んだ液状化部分と凝固化部分が局部的には混在する現象がおきていると推測された。

0019

チタン溶湯は他種の金属に比べて溶解温度が極めて高く、比重が小さいことなどから,チタン溶湯がスプルー孔(6)を通過し鋳型空洞(5)に達するまでの、チタン金属の液状状態から固体化にいたる凝固現象はスプルー孔の入り口から終着点である鋳型空洞まで微細な部分では、以下に示す理由からすべて一様に層流となって液体から固体移行するのではないと考えられた。
引用文献:非特許文献:金属の凝固を知る 6 固液共存新山英輔 丸善株式会社 平成12年

0020

スプルー孔(6)の壁面に接する部分は室温に近いため温度は低くなりやすく、スプルー孔中心付近は、高温に熱せられた溶湯急流となって鋳型空洞(5)に向おうとしている。このため微小部分で観察すると他種の金属類とは比較にならないほど、液状化部分に加えガス体が局部的には混在した凝固化現象がおきているとされている。スプルー孔壁面に接しているチタン溶湯(4)は急激に冷されるために、中心孔付近を通過しているチタン溶湯(4)よりも先に固体化する現象がおきる一方、中心孔付近を流れるチタン溶湯は冷却されにくいため、気泡を含みながら鋳型空洞(5)に流れ込んでいることと考えられた。

0021

鉄、アルミニウム、銅などの他の金属元素を鋳造する際にも、不用意な作業下でこのような現象がおきることもあると云われている。このような現象が高い頻度でおきるのはチタン材の熱伝導率が低いこと、比重が軽いなどの特性から上記した現象を招きやすいと考えられた。

0022

このようなチタン材の特性から、内部鋳造欠陥が発生したチタン精密鋳造体の欠陥製品は鋳造体表面には異常がみられず、空洞は必ず鋳造体内部に存在している。この事実は、スプルー孔(6)の中心側付近を通過する不活性ガス体を含むチタン溶湯(12)が冷却されにくく、反面スプルー孔の壁面付近を通過するチタン溶湯は、熱吸収力の大きいスプルー孔壁面の影響を受けて鋳型空隙に流れ込むため凝固作用が進みやすいチタン溶湯部(13)一方、スプルー孔中心側付近を通過するチタン溶湯は溶液から固体になるための変態に時間がかかっている。このためガス体がスプルー孔の壁面(14)付近から中心孔付近を流れているチタン溶湯の方に向かうのは、工業的に重要な課題になっている引け巣理論に従っているからと考えられた。[図5
引用文献:非特許文献金属の凝固を知る1−13p過冷却新山英輔 丸善株式会社

0023

チタン金属は比重4、34と小さいため、チタン溶湯になるとチタン原子は激しく動き回ると云われている。事実、覗き窓から観察すると、チタン溶湯が激しく回転しているのを観察することが出来る。チタン溶湯は他種の金属類と比較すると、液状化部分に不活性ガスが局部的に混在しながら凝固化現象が際立っておきていると考えられる。開発されたいずれのチタン精密鋳造機も、このチタン溶湯がスプルー孔(6)を通過して鋳型空洞に鋳込まれる設計の下で製造されている。

0024

このようなチタン材の特性から、内部鋳造欠陥が発生した欠陥製品を観察すると鋳造体表面には異常が見られず、空洞は必ず鋳造体内部に存在する現象が観察される。この現象は内部鋳造欠陥の発生の原因はスプルー孔(6)の中心側付近を通過するチタン溶湯が冷却されにくく、気泡を含みながら鋳型空洞に流れ込むためと考えられた。そしてスプルー孔中心側付近を通過するチタン溶湯の速度を抑え、スプルー孔の壁面付近のチタン溶湯の流速と一致させる方法を見つけることが解決のカギになるのではないかと考えられた。

発明が解決しようとしている課題

0025

本発明が解決しようとしている課題は、鋳造リングのスプルー孔(6)を通過するチタン溶湯の中に含まれている不活性ガスが鋳型空洞(5)に流入することを食い止める手段を見つける事である。

課題を解決するための手段

0026

本発明では内部鋳造欠陥防止具:(チタン製連続空隙連続構造体)(15)を鋳造リングのスプルー孔(6)に装填する。装填する時点は[表1]「チタン精密鋳造法使用者の行動スキーマ」によれば、蝋型を鋳型材に埋没させ、鋳型材が硬化すると現場の従事者は鋳造リングを高温焼成炉に入れてこの蝋型を焼成する。蝋型の焼成が終り、従事者が鋳造リングを高温焼成炉から取り出すと、鋳造リング内にスプルー孔(6)と鋳型空洞(5)が転写加工されて出来ている。

0027

[表1]チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマにそって解決策について以下のごとく考察した。チタン精密鋳造機使用者たちは鋳型空洞が内包された鋳造リングをチタン鋳造機に装填する前に、解決策を講じることが出来れば好都合である。チタン溶湯に含まれた不活性ガスが鋳型空洞(5)に侵入するのをこの時点で応用することが出来れば鋳造リングは、室温に近い状態にあるので手順は至極簡単になるが、チタン精密鋳造機に鋳造リングが装填されたあとになると鋳造リングは高温に加熱されるため、鋳造リングに操作を加えるのは格段に難しくなる。

0028

スプルー孔(6)を通過するチタン溶湯の流速を調節するには、チタン溶湯がスプルー孔を通過する溶湯の流れを乱流から層流に変えることが解決策になると考えられた。しかしその際、乱流から層流に代える物体はチタン鋳造体の成分を変えるものであってはならない。そこでチタン溶湯の流速を調節する物体は細いチタン繊維を束状にしたものをスプルー孔に充填させることを発想し以下の実験計画をたてた。この試みが上記した条件を満たし、かつチタン精密鋳造機本体の改造や、あるいは大がかりな機器を別に作成する必要になるなど、また実用化に際し実現性に困難な問題が生じないかについても検討した。

0029

そこで、スプルー孔(6)を通過するチタン溶湯(4)の流れを制御させる物体として、チタン繊維を束ねたものについて検討することにして、このチタン繊維束を以下のごとく定めた。すなわち、スプルー孔壁面付近は直径50ミクロンの細いチタン繊維(16)を束状にしたものを配置し、スプルーの中心孔付近には直径100ミクロンの太い繊維からなる束状にしたもの(17)を配置することによって、スプルー孔を通過するチタン溶湯の流速に対する二種類の繊維束物理抵抗の差により調節することで内部鋳造欠陥発生を防止することができるのではないかと考えられた。

0030

その結果、鋳造リングのスプルー孔(6)に設置するこのように仕立てた繊維束をチタン製連続空隙連続構造体と名付け、これを用いて内部鋳造欠陥を防止できるか否かを確かめるための実験計画を立てた。

0031

実験課題はこのチタン製連続空隙連続構造体がスプルー孔(6)を通過するチタン溶湯の流れを乱流から層流に制御できるか否かである。[表1]チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマを用いて説明する。スプルー孔(6)にチタン製連続空隙連続構造体を挿入する時点は、この手順表に示した鋳造リング製作工程後、蝋型を焼却した後、チタン精密鋳造機に装填する間とした。以下に実験条件を記載したい。

0032

実験を行うに当たり以下に示す如くスプルー孔(6)を製作し準備した。全長50mm、直径は3mmにした蝋型を鋳型材に埋没し、蝋型を加熱焼却させて鋳型材に転写してスプルー孔を製作した。鋳造リング(18)の形状は円柱状形体とし注入孔すり状の中心に垂直的に設置した。このスプルー孔は鋳型空洞(5)を兼ねるものとした。

0033

このスプルー孔を内在させた[図7]鋳造リング(18)を、焼成炉に入れて蝋材を焼却させてからから取り出して室温にまで冷却させた。この後スプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を装填した実験例(19)と、チタン製連続空隙連続構造体を装填しない対象例(20)に分別し実験に備えた。ついで[表1]チタン精密鋳造機の使用者スキーマに従うならば、実験群対象群の両群の鋳造リングをチタン精密鋳造機に装填し、チタン材を溶解してこれらの鋳型空洞を兼ねたスプルー孔(6)に向けて鋳造した。
これらのチタン鋳造体を鋳型材から取り出して、単純レントゲン撮影を行い両群間で内部鋳造欠陥発生の有無を比較した。

0034

上記のチタン製連続空隙連続構造体が備える条件1としては、このチタン製連続空隙連続構造体(15)の長さとスプルー孔(6)の長さを一致させるものとした。スプルー孔の上部(21):(チタン溶湯の入り口)からスプルー孔下部すなわち鋳型空洞との接続部(22)までの距離を一致させるものとし、全長は50mmとした。

0035

[表1]「チタン精密鋳造機使用者のスキーマ」で鋳造製品を製造するときには、スプルー孔の終末部に鋳型空洞が設けられるが、本実験ではスプルー孔の先端部に鋳型空洞を設けることは省略し、スプルー孔は鋳型空洞を兼ねるものとした。
実験条件として更に、スプルー孔壁面に接する壁面側部とスプルー孔中心付近に位置するこのチタン製連続空隙連続構造体の密度を替えて実験に備えた。すなわち、[図6]スプルー孔壁面に接する部分のチタン製連続空隙連続構造体は細い繊維束(16)で作成し、スプルー孔(6)の中心側部分には太い繊維束(17)で作成したチタン製連続空隙連続構造体(15)を設置するものとして、スプルー孔を通過するチタン溶湯の流れを乱流から層流に変えられるか否かを調べた。

0036

スプルー孔に充填するチタン製連続空隙連続構造体(15)は直径20ミクロンと直径50ミクロンからなる繊維束を用い、壁面側部は直径20ミクロンの繊維からなる長さ50mmの連続空隙連続構造体を、中心側部には直径100ミクロンからなる連続空隙連続構造体からなる繊維束を採用し、長さは50mmとした。スプルー孔の横断方向から見たときには、中心部の連続空隙連続構造体と壁面側部の連続空隙連続構造体との配分比率目視によるものとした。目視によるものとしたのは、軽量物を測定する天秤式軽量測定器でこのチタン製連続空隙連続構造体の重量測定を試みたが、軽量すぎて測定不可能であったためである。

0037

このような計画のもと、スプルー孔は直径3mm、長さ100mmとした鋳造リングを多数製作し、これらのスプルー孔に上記したチタン製連続空隙連続構造体を設置したものを実験群とし、何も設置しない従来通りの鋳造法を採用するものを対象群とした。二室性チタン精密鋳造機を用いこれらの実験群と対象群二群に同一条件でチタン材を溶解して通法に従って、チタンインゴット(3)を溶解させて鋳造した。この後、実験群の鋳造体に発生する内部鋳造欠陥の有無について単純レントゲン撮影を行い比較した。

0038

その結果、スプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を設置した実験例では、全例で内部鋳造欠陥の発生は見られなかった(19)。しかし、スプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を設置しなかった対象例においては、鋳造体すべてにスプルー孔に複数の内部鋳造欠陥が発生した(20)。

0039

内部鋳造欠陥が発生しなかった理由を考察した結果、スプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を設置すると、スプルー孔の断面方向で見た時に、スプルー孔の壁面付近を流れるチタン溶湯は、径20ミクロンと比較的細いチタン繊維束は抵抗が少なく流速が遮られることは少ない。

0040

一方、スプルー孔の中心付近を流れるチタン溶湯は太い繊維束(17)により流速が遮られ、スプルー孔を流れる両部分での温度差が縮小チタン溶液はチタン繊維を溶解しつつ対象例では乱流となっていたのが層流に変わりスプルー孔に流入し底部に達し、その一部は底部から反転したと考えられ、気泡の生成は起こらなかった。すなわちチタン溶湯はチタン製連続空隙連続構造体構成繊維を溶解しながら気液混合層から固液混合層へ、固液混合層からチタン固体へと時間を掛けて進むための時間的余裕が与えられと考えられた。

0041

一方、対象例のスプルー孔に何も挿入しなかった例では、管璧付近を通過するチタン溶湯は室温の影響を受けて低温下に、チタン溶湯は、室温の影響をうけにくいため高温下にあって、管壁で冷やされて出来た複数の核が生じ、これらの核の等温面玉ねぎのように重層化して出来た固液共存域が出来て、固液共存域の中に気体(23)が閉じ込められたと考えられた。

0042

チタン製連続空隙連続構造体は直径20ミクロンと細い繊維製部分(16)と直径100ミクロンの太い繊維製部分(17)から構成されていて、細い繊維製部分はスプルー孔の壁面に接する部分となり、太い繊維製部分はスプルー孔の中心側に配置される構成になっている。細い繊維製部分が太い繊維製部分を包む形状となっているため、スプルー孔の壁面を痛めることなく、このチタン製連続空隙連続構造体をスプルー孔内に容易に設置することを可能にさせている。

0043

鋳造後、内部鋳造欠陥発生の有無を単純レントゲン撮影により調べた結果、鋳造に先立ってスプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を設置した実験群では、内部鋳造欠陥の発生を示すレントゲン透過像を示した例は無かった。一方、対象群では全例に、内部鋳造欠陥の発生を示すレントゲン透過像が認められた。この事実は鋳造に先立ってスプルー孔にチタン製連続空隙連続構造体を設置することで、内部鋳造欠陥の発生を防止することが出来ると結論された。

0044

一方、対象群では全例にレントゲン線透過像すなわち内部鋳造欠陥像が、観察されたが、実験群では全例でレントゲン透過像は見られなかった。しかし、以下の方法で確認することを試みた。すなわち東京都南中小企業振興センターに工業用デジタルレントゲン撮影を依頼し、実験群の試験片の鋳造体内部に空洞が生じたか否かを以下の方法で調べた。この工業用デジタルレントゲン撮影機の拡大率鉄鋼の鋳造体の結晶粒子観察可能になるまでに拡大し観察したが、内部鋳造欠陥を示すレントゲン透過像は全く観察されなかった。

発明の効果

0045

[表1]チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマによるならば、チタン精密鋳造機を用いて鋳造操作を行うため鋳造リング(18)を設置する前に、鋳造リングのスプルー孔内全域にチタン製の外側には繊維密度の小さい連続空隙連続構造体を、内側には繊維密度の大きい連続空隙連続構造体を配設した内部鋳造欠陥防止材と名づけた発明品(15)を鋳造工程に先立って挿入・設置することにより内部鋳造欠陥発生を防止することが出来る。
挿入・設置するCPチタン連続空隙連続構造体は微量でCPチタン材からなるため、チタン鋳造製品の組成を変える恐れはない。

0046

図7]のチタン溶湯内のアルゴンガス通過をスプルー孔で制禦する方法
チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマによるならば、チタン精密鋳造機を用いて鋳造操作を行うため鋳造リング(18)を設置する前に、鋳造リングのスプルー孔内全域に外側は繊維密度の低く内側は繊維密度の高いチタン製連続空隙連続構造体を設置して、以後の操作は通法通りとすることで内部鋳造欠陥を防止することが出来る。

図面の簡単な説明

0047

二室性チタン精密鋳造機、遠心式チタン精密鋳造機二室性チタン精密鋳造機(各部の名称)内部鋳造欠陥の発生を防止する解決策スプルー孔を通過するチタン溶湯の固液相分布図チタン製連続空隙連続構造体チタン溶湯内のアルゴンガス通過をスプルー孔内で制禦する方法発明を実施するための形態

実施例

0048

以下本発明を実施するための手順について説明する。
[表1]チタン精密鋳造機使用者の行動スキーマによるならば、チタン精密鋳造機に鋳造リング(18)を設置する前に、鋳造リングのスプルー孔内に本発明品であるチタン製の外側には繊維密度の小さい連続空隙連続構造体(16)を、内側には繊維密度の大きい連続空隙連続構造体(17)を設置することにより、チタン精密鋳造法における内部鋳造欠陥の発生を防止することが出来る。CPチタン連続空隙連続構造体は微量でCPチタン材からなるため、チタン鋳造製品の成分組成を変える恐れはない。

0049

1.二室性チタン精密鋳造機
2.遠心式チタン精密鋳造機
3.チタンインゴット
4.チタン溶湯
5.鋳型空洞
6.スプルー孔
7.覗き窓
8.真空ポンプ
9.減圧鋳造室
10.狭隘部
11.α字型
12.不活性ガス体を含むチタン溶湯
13.凝固作用が進みやすいチタン溶湯部
14.スプルー孔壁面
15.内部鋳造欠陥防止具:(チタン製連続空隙連続構造体)
16.細いチタン繊維:(繊維密度の小さい)
17.太いチタン繊維:(繊維密度の大きい)
18.鋳造リング
19.チタン製連続空隙連続構造体を装填した実験群
20.チタン製連続空隙連続構造体をしなかった対象群
21.スプルー孔の上部(チタン溶湯の入り口)
22.スプルー孔下部(鋳型空洞との接続部)
23.気体
24.

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