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技術 核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 渡邉和片山洋前田祐治四條里代子田上哲治
出願日 2014年10月9日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-207991
公開日 2016年5月12日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-075652
状態 特許登録済
技術分野 燃料及び物質の取扱い並びに実験設備
主要キーワード 平面視内側 用緩衝部材 平面視寸法 プール壁 プール底面 コモンベース 設置方式 水平方向荷重
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

地震時における核燃料貯蔵ラックの複雑な挙動を防ぐことができる核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法を提供する。

解決手段

使用済燃料貯蔵プール12に保管される使用済燃料集合体1を一体ずつ収納するセル13が複数配置された使用済燃料貯蔵ラック11と、複数体の使用済燃料貯蔵ラックを固定状態で載置する長方形形状のコモンベース16とを有し、コモンベース16は、このコモンベースの長辺18Aに平行な線上で、且つ使用済燃料貯蔵ラック11における最長の底辺(底面14の長辺15A)の中央位置に相当する位置に設けられた複数本基礎ボルト19を用いて、使用済燃料貯蔵プール12の底面20に固定されるものである。

概要

背景

原子力発電所では、原子炉炉心において所定期間使用した燃料使用済燃料集合体)は炉心から取り出された後、原子炉建屋内使用済燃料貯蔵プール内に設置された使用済燃料貯蔵ラック装荷される。使用済燃料貯蔵ラックは、使用済燃料集合体が臨界に達しないように冷却して保管する機能を有するほか、地震荷重に対して破損及び転倒が防止される必要がある。

使用済燃料貯蔵ラックの設置方式には、使用済燃料貯蔵プールの底面にボルトで固定する固定式と、ボルトで固定しない自立式とがある。図11に示す固定式の使用済燃料貯蔵ラック100は、その底面101がラック固定ボルト102を用いて使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104に固定されている。

この固定式の使用済燃料貯蔵ラック100においては、地震時の転倒モーメントによりラック固定ボルト102に大きな引張荷重が作用するため、この引張荷重を低減して、使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104のコンクリート強度余裕度担保することが課題である。この課題に対し、ラック固定ボルトに嵌入された使用済燃料ラックナット締結しないようにすることで、引張荷重の発生を防止するものが提案されている(例えば特許文献1)。

一方、自立式の使用済燃料貯蔵ラックにおいては、ボルトの引張荷重による損傷の可能性が無く、据え付け・取り外しが容易であるという利点があるが、固定されないために、滑り浮き上がりロッキング等が生じ、使用済燃料貯蔵ラックが互いに、または使用済燃料貯蔵プール内の機器プール壁に接触し衝突する可能性がある。この課題に対し、使用済燃料貯蔵ラック同士を連結して衝突を防止する構造(例えば特許文献2)や、摺動可能な脚部の外側に板(フィン)を設けてロッキングを防止する構造(例えば特許文献3)が提案されている。

概要

地震時における核燃料貯蔵ラックの複雑な挙動を防ぐことができる核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法を提供する。使用済燃料貯蔵プール12に保管される使用済燃料集合体1を一体ずつ収納するセル13が複数配置された使用済燃料貯蔵ラック11と、複数体の使用済燃料貯蔵ラックを固定状態で載置する長方形形状のコモンベース16とを有し、コモンベース16は、このコモンベースの長辺18Aに平行な線上で、且つ使用済燃料貯蔵ラック11における最長の底辺(底面14の長辺15A)の中央位置に相当する位置に設けられた複数本基礎ボルト19を用いて、使用済燃料貯蔵プール12の底面20に固定されるものである。

目的

この固定式の使用済燃料貯蔵ラック100においては、地震時の転倒モーメントによりラック固定ボルト102に大きな引張荷重が作用するため、この引張荷重を低減して、使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104のコンクリート強度に余裕度を担保することが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

核燃料貯蔵プール保管される核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックと、複数体の前記核燃料貯蔵ラックを固定状態で載置する長方形形状のコモンベースとを有し、前記コモンベースは、このコモンベースの長辺に平行な線上で、且つ前記核燃料貯蔵ラックにおける最長の底辺の中央位置に相当する位置に設けられた複数本基礎ボルトを用いて、前記核燃料貯蔵プールの底面に固定されることを特徴とする核燃料貯蔵設備

請求項2

核燃料貯蔵プールに保管される核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックを備え、それぞれが複数体の前記核燃料貯蔵ラックを固定状態で載置するコモンベースを前記核燃料貯蔵プールに複数配置してなり、前記コモンベースは、隣接するコモンベースとの間、及び前記核燃料貯蔵プールの側壁との間に配置されたコモンベース用緩衝部材により前記核燃料貯蔵プールに支持されることを特徴とする核燃料貯蔵設備。

請求項3

前記核燃料貯蔵ラックを複数体載置するコモンベースが核燃料貯蔵プールの底面に複数配置される場合、これらのコモンベースの間隔は、地震時に変位する前記核燃料貯蔵ラックの頭頂部における最大水変位量の少なくとも2倍の寸法に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の核燃料貯蔵設備。

請求項4

前記核燃料貯蔵ラックは、下部に貫通孔を有し、コモンベースに立設された支持構造体が前記貫通孔に嵌合することで、前記コモンベースに固定状態で載置されるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の核燃料貯蔵設備。

請求項5

前記コモンベースに立設されると共に、核燃料貯蔵ラックに設けられた貫通孔に挿入可能な下部支持構造体と、外側面が前記貫通孔に、内側面が前記下部支持構造体にそれぞれ嵌合可能に設けられた上部支持構造体と、前記下部支持構造体及び前記上部支持構造体を締結する締結部材とを有し、前記下部支持構造体を前記貫通孔に挿入させた後、前記上部支持構造体を前記貫通孔及び前記下部支持構造体にそれぞれ嵌合させ、前記締結部材により前記上部支持構造体及び前記下部支持構造体を締結することで、前記核燃料貯蔵ラックが前記コモンベースに固定状態で載置されるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の核燃料貯蔵設備。

請求項6

前記核燃料貯蔵ラックは貫通孔を少なくとも2個備え、コモンベースは、前記貫通孔に嵌合可能な支持構造体、または前記貫通孔に挿入可能な下部支持構造体をそれぞれ少なくとも2個備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の核燃料貯蔵設備。

請求項7

前記支持構造体または上部支持構造体のそれぞれの外側面に弾性変形可能なラック用緩衝部材が設置され、このラック用緩衝部材が核燃料貯蔵ラックの貫通孔の内側面に接触可能に構成されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の核燃料貯蔵設備。

請求項8

核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックを、長方形状のコモンベースに固定状態で複数体載置して核燃料貯蔵プールに設置し、前記核燃料集合体を前記核燃料貯蔵プールに貯蔵する核燃料貯蔵方法であって、前記コモンベースは、このコモンベースの長辺に平行な線上で、且つ前記核燃料貯蔵ラックにおける最長の底辺の中央位置に相当する位置に設けられた複数本の基礎ボルトを用いて、前記核燃料貯蔵プールの底面に固定されることを特徴とする核燃料貯蔵方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、核燃料集合体核燃料貯蔵プール保管する核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法に関する。

背景技術

0002

原子力発電所では、原子炉炉心において所定期間使用した燃料使用済燃料集合体)は炉心から取り出された後、原子炉建屋内使用済燃料貯蔵プール内に設置された使用済燃料貯蔵ラック装荷される。使用済燃料貯蔵ラックは、使用済燃料集合体が臨界に達しないように冷却して保管する機能を有するほか、地震荷重に対して破損及び転倒が防止される必要がある。

0003

使用済燃料貯蔵ラックの設置方式には、使用済燃料貯蔵プールの底面にボルトで固定する固定式と、ボルトで固定しない自立式とがある。図11に示す固定式の使用済燃料貯蔵ラック100は、その底面101がラック固定ボルト102を用いて使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104に固定されている。

0004

この固定式の使用済燃料貯蔵ラック100においては、地震時の転倒モーメントによりラック固定ボルト102に大きな引張荷重が作用するため、この引張荷重を低減して、使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104のコンクリート強度余裕度担保することが課題である。この課題に対し、ラック固定ボルトに嵌入された使用済燃料ラックナット締結しないようにすることで、引張荷重の発生を防止するものが提案されている(例えば特許文献1)。

0005

一方、自立式の使用済燃料貯蔵ラックにおいては、ボルトの引張荷重による損傷の可能性が無く、据え付け・取り外しが容易であるという利点があるが、固定されないために、滑り浮き上がりロッキング等が生じ、使用済燃料貯蔵ラックが互いに、または使用済燃料貯蔵プール内の機器プール壁に接触し衝突する可能性がある。この課題に対し、使用済燃料貯蔵ラック同士を連結して衝突を防止する構造(例えば特許文献2)や、摺動可能な脚部の外側に板(フィン)を設けてロッキングを防止する構造(例えば特許文献3)が提案されている。

先行技術

0006

特開2003−35794号公報
特開2013−228405号公報
特開2013−186015号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上述したボルトで固定しない自立式の使用済燃料貯蔵ラックでは、ボルトに作用する引張荷重による使用済燃料貯蔵プールのプール底面のコンクリートが損傷を蒙ることを防止して、このプール底面に強度上の余裕度を確保できる。しかしながら、地震時には、自立式の使用済燃料貯蔵ラックに滑りや浮き上がり、ロッキング等、または鉛直軸周りの回転や衝突という複雑な挙動が生じるため、耐震評価が困難であるという課題があった。

0008

本発明における実施形態の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、地震時における核燃料貯蔵ラックの複雑な挙動を防ぐことができる核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の実施形態における核燃料貯蔵設備は、核燃料貯蔵プールに保管される核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックと、複数体の前記核燃料貯蔵ラックを固定状態で載置する長方形形状のコモンベースとを有し、前記コモンベースは、このコモンベースの長辺に平行な線上で、且つ前記核燃料貯蔵ラックにおける最長の底辺の中央位置に相当する位置に設けられた複数本基礎ボルトを用いて、前記核燃料貯蔵プールの底面に固定されることを特徴とするものである。

0010

本発明の実施形態における核燃料貯蔵設備は、核燃料貯蔵プールに保管される核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックを備え、それぞれが複数体の前記核燃料貯蔵ラックを固定状態で載置するコモンベースを前記核燃料貯蔵プールに複数配置してなり、前記コモンベースは、隣接するコモンベースとの間、及び前記核燃料貯蔵プールの側壁との間に配置されたコモンベース用緩衝部材により前記核燃料貯蔵プールに支持されることを特徴とするものである。

0011

さらに、本発明の実施形態における核燃料貯蔵方法は、核燃料集合体を一体ずつ収納するセルが複数配置された核燃料貯蔵ラックを、長方形状のコモンベースに固定状態で複数体載置して核燃料貯蔵プールに設置し、前記核燃料集合体を前記核燃料貯蔵プールに貯蔵する核燃料貯蔵方法であって、前記コモンベースは、このコモンベースの長辺に平行な線上で、且つ前記核燃料貯蔵ラックにおける最長の底辺の中央位置に相当する位置に設けられた複数本の基礎ボルトを用いて、前記核燃料貯蔵プールの底面に固定されることを特徴とするものである。

発明の効果

0012

本発明の実施形態によれば、地震時における核燃料貯蔵ラックの複雑な挙動を防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0013

第1実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備を示す縦断面図。
図1の使用済燃料貯蔵ラック及びコモンベースを示す斜視図。
図1の使用済燃料貯蔵ラックに地震時の転倒モーメントが作用したときの状況を説明する説明図。
図1の使用済燃料貯蔵ラックにおける地震時の水平方向変位を説明する説明図。
図1の使用済燃料貯蔵ラックを示す平面図。
第2実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備における使用済燃料貯蔵ラック等を示す平面図。
図6のVII−VII線に沿う断面図。
第3実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備の要部を示す断面図。
図8の使用済燃料貯蔵設備の変形形態を示す要部断面図。
第4実施形態における核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備を示す縦断面図。
従来の核燃料貯蔵設備としての使用済燃料貯蔵設備を示す縦断面図。

実施例

0014

以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1図5
図1は、第1実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備を示す縦断面図である。この図1に示す核燃料貯蔵設備としての使用済燃料貯蔵設備10は、核燃料集合体としての使用済燃料集合体1を核燃料貯蔵ラックとしての使用済燃料貯蔵ラック11に複数体収納し、この使用済燃料貯蔵ラック11を核燃料貯蔵プールとしての使用済燃料貯蔵プール12に保管し、使用済燃料集合体1を冷却して未臨界状態に保つものである。

0015

使用済燃料貯蔵ラック11は、図1及び図2に示すように、使用済燃料集合体1を一体ずつ収納するセル13が複数配置され、長方形形状の底面14を備えた直方体形状に構成される。この使用済燃料貯蔵ラック11は、底面14の短辺15Bに沿う両側部分が長方形形状のコモンベース16にラック固定ボルト17を用いて固定されることで、このコモンベース16に固定状態で複数体載置される。

0016

コモンベース16は、プール底面20へ垂直に投影した形状が長方形形状に形成されており、それぞれの使用済み燃料貯蔵ラック11は、コモンベース16の短辺18Bに対して使用済燃料貯蔵ラック11の長辺15Aが平行となるようにコモンベース16に固定状態で載置される。コモンベース16は、長辺18Aに平行な線上で、且つ短辺18Bの中央位置(つまり、コモンベース16に載置される使用済燃料貯蔵ラック11の最長の底辺である長辺15Aの中央位置に相当する位置)に複数本位置付けられた基礎ボルト19を用いて、使用済燃料貯蔵プール12のコンクリート製のプール底面20に固定される。これにより、複数体の使用済燃料集合体1を装架した複数体の使用済燃料貯蔵ラック11が、コモンベース16を介して使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定して支持される。

0017

図11に示す背景技術の如く、単体の使用済燃料貯蔵ラック100がラック固定ボルト102を用いて使用済燃料貯蔵プール103のプール底面104に直接締結される場合、両ラック固定ボルト102(本第1実施形態の短辺15Bに沿う両ラック固定ボルト17)間のスパンスパンS図2)である。これに対し、複数本の使用済燃料貯蔵ラック11が本第1実施形態の如く、コモンベース16を介し基礎ボルト19を用いてプール底面20に締結される場合、コモンベース16の長辺18Aに沿う両端の基礎ボルト19間のスパンは、スパンSよりも十数倍大きなスパンPとなる。このため、使用済燃料貯蔵設備10の使用済燃料貯蔵ラック11にX方向の地震力が作用した場合、コモンベース16上の使用済燃料貯蔵ラック11が転倒し難くなるので、基礎ボルト19に作用する引張荷重が小さくなる。

0018

また、図3に示すように、コモンベース16が、使用済燃料貯蔵ラック11の長辺15Aの中央位置に相当する位置で基礎ボルト19を用いてプール底面20に固定されているため、使用済燃料貯蔵ラック11にY方向の地震力Fyが作用した場合、この地震力Fyは基礎ボルト19の直上に作用することになる。このため、地震力Fyにより使用済燃料貯蔵ラック11に転倒モーメントMが生じても、この転倒モーメントMによる基礎ボルト19への引張荷重はほとんど作用しない。

0019

また、使用済燃料貯蔵ラック11を複数体載置するコモンベース16が、図5に示すように使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に複数配置される場合、これらのコモンベース10の間の間隔Lは、次のようにして設定される。つまり、図4に示すように、まず、使用済燃料貯蔵ラック11、コモンベース16、ラック固定ボルト17及び基礎ボルト19の剛性を考慮して、使用済燃料貯蔵ラック11の頭頂部11Aが地震時に水平方向に変位する最大水変位量Aを、例えば地震応答解析により算出する。そして、コモンベース16間の間隔Lは、前述の如く算出された最大水平変位量Aの少なくとも2倍の寸法となるように設定される。

0020

以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)複数体の使用済燃料集合体1を収納する使用済燃料貯蔵ラック11がコモンベース16に複数体、ラック固定ボルト17を用いて固定状態で載置され、このコモンベース16が基礎ボルト17を用いて使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定されている。従って、地震時における使用済燃料貯蔵ラックの滑りや浮き上がり、鉛直軸周りの回転、衝突などの複雑な挙動を確実に防止できる。

0021

(2)コモンベース16に設けられた基礎ボルト19が、コモンベース16の長辺18Aに平行な線上で、且つ使用済燃料貯蔵ラック11における底面14の長辺15Aの中央位置に相当する位置に設けられたので、地震時のX方向及びY方向の地震力により基礎ボルト19に作用する引張荷重を低減できる。このため、この基礎ボルト19に作用する引張荷重によって使用済燃料貯蔵プール12のコンクリート製のプール底面20に与える損傷を防止でき、この結果、このプール底面20に強度上の余裕度を確保できる。

0022

(3)使用済燃料貯蔵ラック11を複数体載置するコモンベース16が、使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に複数配置されたとき、これらのコモンベース16間の間隔Lは、地震時に水平方向に変位する使用済燃料貯蔵ラック11の頭頂部11Aの最大水平変位量Aの少なくとも2倍の寸法に設定されている。この結果、複数のコモンベース16にそれぞれ載置された使用済燃料貯蔵ラック11が地震時に接触または衝突することを確実に防止でき、この使用済燃料貯蔵ラック11の健全性を保持できる。

0023

[B]第2実施形態(図6図7
図6は、第2実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備における使用済燃料貯蔵ラック等を示す平面図である。また、図7図6のVII−VII線に沿う断面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。

0024

本第2実施形態の核燃料貯蔵設備としての使用済燃料貯蔵設備30が第1実施形態と異なる点は、核燃料貯蔵ラックとしての使用済燃料貯蔵ラック31に下方から上方まで貫通する貫通孔32が形成され、コモンベース33に形成された支持構造体34が貫通孔32に嵌合することで、使用済燃料貯蔵ラック31がコモンベース33に固定状態で載置される点である。

0025

使用済燃料貯蔵ラック31に形成される貫通孔32は、一体の使用済燃料貯蔵ラック31について少なくとも一つ、本実施形態では2つ形成されている。また、コモンベース33に形成される支持構造体34は、上部が角錐台形状に形成されると共に、使用済燃料貯蔵ラック31のセル13によりもやや小さな矩形断面を有する。更に、支持構造体34は、貫通孔32の横断面積と略同一の横断面積を有することが好ましい。

0026

以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(2)及び(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)及び(5)を奏する。

0027

(4)複数体の使用済燃料集合体1を収納する使用済燃料貯蔵ラック31が貫通孔32に、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32とコモンベース33の支持構造体34との嵌合により水平変位拘束された固定状態で載置され、コモンベース33が基礎ボルト19を用いて使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定されている。このため、使用済燃料貯蔵ラック31のコモンベース33への据え付け及び取り外しを容易にしつつ、地震時における使用済燃料貯蔵ラック31の滑りや浮き上がり、鉛直軸周りの回転、衝突などの複雑な挙動を確実に防止できる。

0028

(5)コモンベース33の支持構造体34が、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32の横断面積と略同一の横断面積に設定されたので、支持構造体34と貫通孔32とのギャップ量を極めて小さくできる。従って、地震時に使用済燃料貯蔵ラック31に滑りが生じた場合にも、コモンベース33の支持構造体34に作用する使用済燃料貯蔵ラック31からの衝撃荷重を低減できる。この結果、コモンベース33を使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定する基礎ボルト19に作用するせん断力を低減できるので、このプール底面20に強度上の余裕度を確保できる。

0029

尚、本第2実施形態において、使用済燃料貯蔵ラック31は貫通孔32を少なくとも2つを有し、コモンベース33は、支持構造体34を少なくとも2個有し、これらの貫通孔32と支持構造体34とが嵌合可能に構成されることが好ましい。これにより、地震時に発生する使用済燃料貯蔵ラック31の鉛直軸周りの回転をより確実に抑制することが可能になる。

0030

[C]第3実施形態(図8図9
図8は、第3実施形態に係る核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備の要部を示す断面図である。この第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。

0031

本第3実施形態の核燃料貯蔵設備としての使用済燃料貯蔵設備40が第1及び第2実施形態と異なる点は、第2実施形態の支持構造体34が、互いに嵌合可能な上部支持構造体41及び下部支持構造体42に分割され、これらの上部支持構造体41及び下部支持構造体42が締結部材43により締結されて構成された点である。

0032

つまり、下部支持構造体42は、コモンベース33に立設されて角錐台形状に形成される共に、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32に挿入可能に設けられる。また、上部支持構造体41は、外形が直方体形状で、外側面41Aが使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32に嵌合可能に設けられる。また、上部支持構造体41は、内部がくり抜かれ、このくり抜かれて形成された内側面41Bが下部支持構造体42に嵌合可能に設けられる。ここで、上部支持構造体41の外側面41Aの平面視寸法(例えば対角線寸法)は、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32の平面視内側寸法(例えば対角線寸法)と略同一であり、この外側面41Aが貫通孔32に嵌合されたときのギャップ量は極めて小さく設定されている。

0033

使用済燃料貯蔵ラック31をコモンベース33に載置する際には、まず、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32にコモンベース33の下部支持構造体42を挿入させる。次に、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32の上方から上部支持構造体41及び締結部材43を差し込み、上部支持構造体41の外側面41Aを貫通孔32に嵌合させながら、上部支持構造体41の内側面41Bを下部支持構造体42に嵌合させる。その後、締結部材43を上部支持構造体41及び下部支持構造体42に締結する。これにより、上部支持構造体41及び下部支持構造体42が一体化されると共に、これらの上部支持構造体41及び下部支持構造体42により使用済燃料貯蔵ラック31がコモンベース33に、水平変位が拘束された固定状態で載置される。

0034

以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(2)、(3)、(4)及び(5)と同様な効果を奏するほか、次の効果(6)を奏する。

0035

(6)第3実施形態の支持構造体34が上部支持構造体41及び下部支持構造体42に分割され、最初に、コモンベース33の下部支持構造体42を使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32に挿入させるので、使用済燃料貯蔵ラック31をコモンベース33に容易に据え付けることができる。その後、上部支持構造体41の外側面41Aを使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32に嵌合させながら、上部支持構造体41の内側面41Bをコモンベース33の下部支持構造体42に嵌合させ、締結部材43により上部支持構造体41及び下部支持構造体42を締結する。このため、使用済燃料貯蔵ラック31のコモンベース33への位置決めを容易かつ確実に実施できる。

0036

尚、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32が少なくとも2つ、上部支持構造体41、下部支持構造体42及び締結部材43が少なくとも2組それぞれ設けられてもよい。この場合には、第2実施形態と同様に、地震時に発生する使用済燃料貯蔵ラック31の鉛直軸周りの回転をより確実に防止できる。

0037

更に、図9に示すように、上部支持構造体41の外側面41Aの寸法を、使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32の内側寸法よりも小さく形成し、外側面41Aに弾性変形可能な金属製のラック用緩衝部材44を設置し、このラック用緩衝部材44が使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32の内側面に接触するよう構成されてもよい。この場合には、地震時の衝撃エネルギーがラック用緩衝部材44により緩衝され吸収されるので、コモンベース33を使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定する基礎ボルト19に作用するせん断力をより一層低減でき、プール底面20に強度上の余裕度を確保できる。更に、地震により上部支持構造体41が変形した場合にも、この上部支持構造体41を容易に交換できる。

0038

[D]第4実施形態(図10
図10は、第4実施形態における核燃料貯蔵設備が適用された使用済燃料貯蔵設備を示す縦断面図である。この第4実施形態が第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。

0039

本第4実施形態の核燃料貯蔵設備としての使用済燃料貯蔵設備50が第1及び第2実施形態と異なる点は、使用済燃料貯蔵ラック31を支持構造体34を用いて水平拘束して固定状態で載置するコモンベース51が、基礎ボルト19を用いて使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20に固定されず、隣接するコモンベース51との間、及び使用済燃料貯蔵プール12のプール側壁52との間に配置されたコモンベース用緩衝部材53により支持された点である。

0040

地震時に使用済燃料貯蔵ラック31に作用する水平方向荷重が支持構造体34を介してコモンベース51に作用し、これによりコモンベース51が水平方向に滑るとき、コモンベース用緩衝部材53がコモンベース51の運動エネルギーを吸収し減衰させる。このときの反力は、同等の重量が作用する隣接したコモンベース51、及び使用済燃料貯蔵プール12のプール側壁52で支持される。

0041

以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第2実施形態の効果(4)及び(5)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)を奏する。

0042

(7)複数体の使用済燃料集合体1を収納する使用済燃料貯蔵ラック31がコモンベース51に複数体、支持構造体34等を用いて固定状態で載置され、このコモンベース51が、隣接するコモンベース51との間、及び使用済燃料貯蔵プール12のプール側壁52との間に配置されたコモンベース用緩衝部材53により支持されている。このため、地震時における使用済燃料貯蔵ラック31の滑りや浮き上がり、鉛直軸周りの回転、衝突等の複雑な挙動を、コモンベース用緩衝部材53が緩衝することで確実に防止できる。更に、基礎ボルト19が存在しないことで、使用済燃料貯蔵プール12のプール底面20への損傷を確実に防止でき、このプール底面20に強度上の余裕度を確保できる。

0043

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0044

例えば、第3実施形態におけるラック用緩衝部材44(図9)は、第2実施形態における支持構造体34の外側面と使用済燃料貯蔵ラック31の貫通孔32との間に配置して、このラック用緩衝部材44により使用済燃料貯蔵ラック31に作用する衝撃エネルギーを吸収してもよい。

0045

1使用済燃料集合体(核燃料集合体)
10使用済燃料貯蔵設備(核燃料貯蔵設備)
11使用済燃料貯蔵ラック(核燃料貯蔵ラック)
11A頭頂部
12使用済燃料貯蔵プール(核燃料貯蔵プール)
13セル
14 底面
15A 長辺
16コモンベース
17ラック固定ボルト
18A 長辺
18B 短辺
19基礎ボルト
20プール底面
30 使用済燃料貯蔵設備(核燃料貯蔵設備)
31 使用済燃料貯蔵ラック(核燃料貯蔵ラック)
32貫通孔
33 コモンベース
34支持構造体
40 使用済燃料貯蔵設備(核燃料貯蔵設備)
41 上部支持構造体
41A 外側面
41B 内側面
42 下部支持構造体
43締結部材
44 ラック用緩衝部材
50 使用済燃料貯蔵設備(核燃料貯蔵設備)
51 コモンベース
52プール側壁
53 コモンベース用緩衝部材
A 最大水平変位量
L 間隔

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