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技術 回転機器の振動診断装置、方法及びプログラム

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 小林康弘
出願日 2014年10月6日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2014-205666
公開日 2016年5月12日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-075563
状態 特許登録済
技術分野 機械的振動・音波の測定
主要キーワード 独立関係 損傷部品 特徴周波数 導入初期 対象事象 周波数帯域フィルタ 簡易診断 RMAモデル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

低速回転領域であっても、異常を、高精度に検出することが可能な回転機器振動診断技術を提供する。

解決手段

回転機器の振動診断装置10は、回転機器の振動を測定した振動データx(t)を取得する取得部11と、互いに独立している複数のノイズデータηq(t)を生成する生成部12と、これら複数のノイズデータηq(t)の各々に対し振動データx(t)を合成し複数の合成波形x(t)+ηq(t)を生成する波形合成部13と、これら複数の合成波形x(t)+ηq(t)の各々を閾値θにより多値化した複数の多値化信号yq(t)を生成する閾値処理部14と、これら複数の多値化信号yq(t)を加算させた加算処理信号f(t)を生成する加算処理部15と、この加算処理信号f(t)等のスペクトル解析するスペクトル解析部17と、回転機器の異常に起因する発振特徴周波数に立つスペクトルのピークの有無を判定する判定部18と、を備える。

概要

背景

回転機器振動診断は、一般に「信号測定」、「信号処理」、「特徴解析」、「簡易診断」、「精密診断」の手順で行われる。
このうち「信号処理」は、測定したデータからノイズを除去し、異常検出感度を高める処理である。この信号処理の成否により、それ以降の処理が影響を受け、振動診断の精度が大きく左右される。

このような信号処理の代表例として次のような公知技術がある。
同期加算法及びアンサンブル平均法は、同一機器に対する振動データの同期を取って複数回測定して平均処理する手法である。
ローパスフィルタハイパスフィルタバンドパスフィルタ等といった各種の周波数フィルタを適用する手法は、目的とする異常事象に対応した低・中・高周波数領域の信号を抽出する手法である。

概要

低速回転領域であっても、異常を、高精度に検出することが可能な回転機器の振動診断技術を提供する。回転機器の振動診断装置10は、回転機器の振動を測定した振動データx(t)を取得する取得部11と、互いに独立している複数のノイズデータηq(t)を生成する生成部12と、これら複数のノイズデータηq(t)の各々に対し振動データx(t)を合成し複数の合成波形x(t)+ηq(t)を生成する波形合成部13と、これら複数の合成波形x(t)+ηq(t)の各々を閾値θにより多値化した複数の多値化信号yq(t)を生成する閾値処理部14と、これら複数の多値化信号yq(t)を加算させた加算処理信号f(t)を生成する加算処理部15と、この加算処理信号f(t)等のスペクトル解析するスペクトル解析部17と、回転機器の異常に起因する発振特徴周波数に立つスペクトルのピークの有無を判定する判定部18と、を備える。

目的

ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ等といった各種の周波数フィルタを適用する手法は、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転機器振動を測定した振動データを取得する取得部と、互いに独立している複数のノイズデータを生成する生成部と、前記複数のノイズデータの各々に対し前記振動データを合成し複数の合成波形を生成する波形合成部と、前記複数の合成波形の各々を閾値により多値化した複数の多値化信号を生成する閾値処理部と、前記複数の多値化信号を加算させた加算処理信号を生成する加算処理部と、前記加算処理信号又はこの加算処理信号をさらに処理した信号のスペクトル解析するスペクトル解析部と、前記回転機器の異常に起因する発振特徴周波数に立つ前記スペクトルのピークの有無を判定する判定部と、を備えることを特徴とする回転機器の振動診断装置

請求項2

事前に取得された振動データから演算された線形予測係数を保持する保持部と、前記測定した振動データと前記線形予測係数とから線予測値データ導出する第1導出部と、この線形予測値データと前記測定した振動データとから差分データを導出する第2導出部と、をさらに備え、前記波形合成部は、前記振動データに替えて前記差分データを、前記複数のノイズデータの各々に対して合成し、複数の合成波形を生成することを特徴とする請求項1に記載の回転機器の振動診断装置。

請求項3

回転機器の振動を測定した振動データを取得するステップと、互いに独立している複数のノイズデータを生成するステップと、前記複数のノイズデータの各々に対し前記振動データを合成し複数の合成波形を生成するステップと、前記複数の合成波形の各々を閾値により多値化した複数の多値化信号を生成するステップと、前記複数の多値化信号を加算させた加算処理信号を生成するステップと、前記加算処理信号又はこの加算処理信号をさらに処理した信号のスペクトルを解析するステップと、前記回転機器の異常に起因する発振の特徴周波数に立つ前記スペクトルのピークの有無を判定するステップと、を含むことを特徴とする回転機器の振動診断方法

請求項4

コンピュータに、回転機器の振動を測定した振動データを取得するステップ、互いに独立している複数のノイズデータを生成するステップ、前記複数のノイズデータの各々に対し前記振動データを合成し複数の合成波形を生成するステップ、前記複数の合成波形の各々を閾値により多値化した複数の多値化信号を生成するステップ、前記複数の多値化信号を加算させた加算処理信号を生成するステップ、前記加算処理信号又はこの加算処理信号をさらに処理した信号のスペクトルを解析するステップ、前記回転機器の異常に起因する発振の特徴周波数に立つ前記スペクトルのピークの有無を判定するステップ、を実行させることを特徴とする回転機器の振動診断プログラム

技術分野

0001

本発明の実施形態は、振動波形解析して回転機器の正常/異常を診断する技術に関する。

背景技術

0002

回転機器の振動診断は、一般に「信号測定」、「信号処理」、「特徴解析」、「簡易診断」、「精密診断」の手順で行われる。
このうち「信号処理」は、測定したデータからノイズを除去し、異常検出感度を高める処理である。この信号処理の成否により、それ以降の処理が影響を受け、振動診断の精度が大きく左右される。

0003

このような信号処理の代表例として次のような公知技術がある。
同期加算法及びアンサンブル平均法は、同一機器に対する振動データの同期を取って複数回測定して平均処理する手法である。
ローパスフィルタハイパスフィルタバンドパスフィルタ等といった各種の周波数フィルタを適用する手法は、目的とする異常事象に対応した低・中・高周波数領域の信号を抽出する手法である。

先行技術

0004

特開2008−298527号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述した従来の信号処理では、S/N比そのものが悪い場合には十分なノイズ除去効果が得られない。
特に、100rpmを下回る低速回転領域では、回転機器の異常に起因する信号のレベルが急激に減少しノイズレベルと大差なくなるため、異常の検出が困難となる。
この理由として、回転機器を構成するころがり軸受に損傷等が有る場合、回転数の低下に伴って転動体内外輪の傷との衝突エネルギーが急激に減少し、且つ、衝突の間隔も広がり振動エネルギーの総量が減少することが挙げられる。

0006

本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、測定した振動データから、損傷に起因する異常信号を、高感度に検出することが可能な回転機器の振動診断技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に実施形態における回転機器の振動診断装置において、回転機器の振動を測定した振動データを取得する取得部と、互いに独立している複数のノイズデータを生成する生成部と、前記複数のノイズデータの各々に対し前記振動データを合成し複数の合成波形を生成する波形合成部と、前記複数の合成波形の各々を閾値により多値化した複数の多値化信号を生成する閾値処理部と、前記複数の多値化信号を加算させた加算処理信号を生成する加算処理部と、前記加算処理信号又はこの加算処理信号をさらに処理した信号のスペクトルを解析するスペクトル解析部と、前記回転機器の異常に起因する発振特徴周波数に立つ前記スペクトルのピークの有無を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明の実施形態により、測定した振動データから、損傷に起因する異常信号を、高感度に検出することが可能な回転機器の振動診断技術が提供される。

図面の簡単な説明

0009

本発明の第1実施形態に係る回転機器の振動診断装置のブロック図。
回転機器の振動データ(振動加速度)を測定したグラフ
生成したノイズデータ(振動加速度)を表したグラフ。
生成したノイズデータの振幅確立密度分布を表したグラフ。
生成したノイズデータのスペクトルの分布を表したグラフ。
ノイズデータと振動データを合成した合成波形を表したグラフ。
複数の合成波形の多値化信号を加算平均した加算処理信号を表したグラフ。
加算処理信号のエンベローブ波形を表したグラフ。
ヒルベルト変換の説明図。
実施例として、加算処理信号のエンベローブ波形のスペクトルを表したグラフ。
比較例として、振動データのエンベローブ波形のスペクトルを表したグラフ。
回転機器を構成する軸受部品仕様を示すテーブル。
回転機器の損傷部品に起因する発振の特徴周波数の計算式と部品仕様に基づいて計算された特徴周波数とを示すテーブル。
第1実施形態に係る回転機器の振動診断方法又はその振動診断プログラムフローチャート
本発明の第2実施形態に係る回転機器の振動診断装置のブロック図。
第2実施形態に係る回転機器の振動診断方法又はその振動診断プログラムのフローチャート。

実施例

0010

(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように第1実施形態に係る回転機器の振動診断装置10は、回転機器(図示略)の振動を測定した振動データx(t)を取得する取得部11と、互いに独立している複数のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]を生成する生成部12と、これら複数のノイズデータηq(t)の各々に対し振動データx(t)を合成し複数の合成波形x(t)+ηq(t)を生成する波形合成部13(131,132…13Q)と、これら複数の合成波形x(t)+ηq(t)の各々を閾値θ(θ1, θ2…θQ)により多値化した複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を生成する閾値処理部14(141,142…14Q)と、これら複数の多値化信号yq(t)を加算させた加算処理信号f(t)を生成する加算処理部15と、この加算処理信号f(t)又はこの加算処理信号f(t)をさらに処理した信号(エンベローブ信号r(t))のスペクトルを解析するスペクトル解析部17と、回転機器の異常に起因する発振の特徴周波数に立つスペクトルのピークの有無を判定する判定部18と、を備えている。

0011

図2のグラフは、転がり軸受を構成に含む回転機器(図示略)の振動を測定した振動データx(t)の波形を示している。本実施形態において取得部11は、一例として回転機器に設置された加速度センサ(図示略)から出力される振動加速度(m/sec2)の信号を、振動データx(t)として入力している。

0012

本実施形態において取得部11で設定した条件は、サンプリング周波数が25(kHz)、データ点数が50000(点)、データ長が2(sec)として、図2のグラフは、取得した振動データx(t)の冒頭部分の波形を示している。
なお、この取得部11は、測定された振動データx(t)をリアルタイムで取得する場合の他に、データ保存手段(図示略)に一時保存させた振動データx(t)を取得する場合もある。

0013

図3のグラフは、生成部12で生成されたノイズデータηq(t)の波形を示している。
このような、ノイズデータηq(t)の波形は、例えば、0より大きく1以下の一様乱数正規乱数正規分布を持つ乱数)に変換するBox-Muller法により生成される。なお、ノイズデータηq(t)の生成方法は特に限定されない。

0014

生成部12において生成される複数のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]は、互いに独立した関係にある。本実施形態においては、100個(Q=100)の互いに独立関係にあるノイズデータηq(t)を生成することとする。

0015

図4のグラフにおける実線は、生成部12で生成させたノイズデータηq(t)の振幅の確立密度の分布を表している。一方、図4のグラフにおける破線は、平均値μ標準偏差σを適宜設定して解析的に求めた正規分布p(η)を表している。
このように、ノイズデータηq(t)の振幅分布は、正規分布(ガウス分布)に従うものとする。

0016

図5のグラフは、ノイズデータηq(t)のスペクトルの分布を表している。
このように、ノイズデータηq(t)の周波数分布は、一様分布(白色分布)しており、周波数偏りのない白色ノイズとなっている。

0017

図6のグラフは、ノイズデータηq(t)と振動データx(t)を合成した合成波形ηq(t)+x(t)を表している。
波形合成部13(131,132…13Q)は、生成した複数(Q=100)のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]の各々に対応して、複数が並列に配置されている。そして、これら複数のノイズデータηq(t)に対して振動データx(t)を合成し、複数(Q=100)の合成波形x(t)+ηq(t)[q=1,2,…Q]を生成する。

0018

閾値処理部14(141,142…14Q)は、生成した複数(Q=100)の合成波形x(t)+ηq(t)[q=1,2,…Q]の各々に対応して、複数が並列に配置されている。そして保存部21に保存されている閾値θ(θ1, θ2…θQ)を取得し、これら複数の合成波形x(t)+ηq(t)を多値化して、複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を生成する。
実施形態においては、符号22に示すように、合成波形x(t)+ηq(t)の値が、θ以上である場合を1とし、−θ以下である場合を−1とし、それ以外の場合を0とする無次元3値化した場合を示している。

0019

図7のグラフは、複数(Q=100)の合成波形の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を加算平均した加算処理信号f(t)を表している。
加算処理部15は、複数(Q=100)の多値化信号yq(t)を取得した後に加算してQで除算して平均化し、さらに振動データx(t)の最大振幅値乗算させて有次元化させた加算処理信号f(t)を生成する。

0020

これまでに述べたノイズデータ生成部12、波形合成部13、閾値処理部14、加算処理部15は、確率共鳴処理部20を構成している。
この確率共鳴処理部20から出力された加算処理信号f(t)は、入力した振動データx(t)に複数の独立したノイズデータηq(t)を加えて確率的に応答する現象確率共鳴現象)に基づき、この振動データx(t)のS/N比が悪い場合でも回転機器の異常に起因するピーク信号を高感度で検出することを可能とする。

0021

図8に示すグラフは、確率共鳴処理部20から出力された加算処理信号f(t)をエンベローブ導出部16に入力し、導出されたエンベローブ信号r(t)の波形を表している。
このように、加算処理信号f(t)をエンベローブ処理することにより、一定の周期で発振する衝撃的な振動をより有効に解析することができる。なお、エンベローブ信号は、加算処理信号f(t)をさらに処理した信号の一例であって、後工程のスペクトル解析を有効化するものであれば、加算処理信号f(t)をさらに処理する方法に限定はない。

0022

図9を参照して、加算処理信号f(t)をヒルベルト変換してエンベローブ信号r(t)を求める原理について説明する。
関数で表される加算処理信号f(t)のヒルベルト変換信号g(t)は、数式(1)のように表される。ここで、加算処理信号f(t)とそのヒルベルト変換信号g(t)とは、互いに直交関係にあるために、加算処理信号f(t)を実部としてヒルベルト変換信号g(t)を虚部として、複素数で表される解析信号z(t)を数式(2)のように定義することができる。

0023

これにより、数式(3)のように、エンベローブ信号r(t)を求めることができる。なお、加算処理信号f(t)は、エンベローブ信号r(t)を用いて数式(4)のように表される。ここで、数式(5)で表されるδ(t)は、瞬時位相と呼ばれる。

0024

スペクトル解析部17は、FFT処理等を実行して、入力信号のスペクトル解析信号を出力するものである。
図10に示すグラフ(実施例)は、加算処理信号f(t)のエンベローブ信号r(t)を入力させた際に、スペクトル解析部17が出力するスペクトル波形を表している。図11に示すグラフ(比較例)は、振動データx(t)のエンベローブ信号(図示略)を入力させた際に、スペクトル解析部17が出力するスペクトル波形を表している。

0025

これら図10図11の対比により、振動データx(t)を確率共鳴処理部20に入力させて出力される加算処理信号f(t)は、スペクトル解析においてS/N比が向上することが分かる。
なお、スペクトル解析部17は、FFT処理等を実行させる場合の他に、対象機器の種類や対象事象に応じて振動診断で一般的に採用される波形処理(入力信号に周波数帯域フィルタ掛ける等)を実行させることができる。

0026

図12のテーブルは、データ保存部23に保存されている軸受仕様データ値を示している。図13のテーブルは、計算部24に組み込まれている特徴周波数の計算式と部品仕様のデータ値に基づいて計算された特徴周波数とを示している。
回転機器を構成するいずれかの部品に損傷がある場合、測定された振動データx(t)には、損傷部品に固有の特徴周波数の振動成分が重畳される。
なお、回転機器の損傷部品に起因する発振の特徴周波数について、ころがり軸受を例示しているが、これに限定されることはなく、その他にすべり軸受歯車ポンプモータの異常事象に対応した特徴周波数を求めることができる。

0027

判定部18は、回転機器の異常に起因する発振の特徴周波数に立つスペクトルのピークの有無を判定するものである。
図10スペクトル分布周波数軸に、図3の特徴周波数の計算結果を重ねると、75.69(Hz)、その倍数151.38(Hz)、及び120.31(Hz)において、ピークが顕著に表れている。
これにより、それぞれのピークに特徴周波数が対応している外輪及び内輪が損傷していると判定される。
なお図10の実施例は、図11の比較例と対比して、S/N比の向上に伴いピークの検出感度が優れているといえる。

0028

図14のフローチャートに基づいて、第1実施形態に係る回転機器の振動診断方法又はその振動診断プログラムの動作を説明する。
回転機器に設置した加速度センサにより測定される振動データx(t)を取得する(S11)。この(S11)に対し順番が前後してよいが、互いに独立している複数(Q個)のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]を生成する(S12)。

0029

第1番目(q=1)のノイズデータη1(t)を取得して(S13,S14)、振動データx(t)に合成する(S15)。そして、この合成波形x(t)+η1(t)を閾値θにより多値化して、多値化信号y1(t)を生成する(S16)。
このように、全てのノイズデータηq(t)に対し振動データx(t)を合成して複数の合成波形x(t)+ηq(t) [q=1,2,…Q]を生成し、各々を閾値θにより多値化して複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を生成する(S17 No/Yes)。

0030

次に、このように生成した複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を加算し平均して有次元化した加算処理信号f(t)を生成する(S18)。そして、この加算処理信号f(t)又はこの加算処理信号f(t)のエンベロープ処理信号のスペクトルを解析する(S19)。

0031

回転機器の異常(例えば、軸受の損傷)に起因する発振の特徴周波数を取得する(S20)。そして、この特徴周波数に対応する加算処理信号f(t)のスペクトルのピークが有れば回転機器に異常有りと判定し(S21 Yes,S22,END)、ピークが無ければ回転機器に異常無しと判定する(S21 No,S23,END)。

0032

(第2実施形態)
次に図15を参照して本発明における第2実施形態について説明する。なお、図15において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。

0033

第2実施形態に係る回転機器の振動診断装置10は、図1の構成に加えて、事前に取得された振動データx(m)から演算された線形予測係数ak[k=1,2…p]を保持する保持部28と、測定した振動データx(n)と線形予測係数akとから線予測値データz(n)を導出する第1導出部29aと、この線形予測値データz(n)と測定した振動データx(n)とから差分データε(n)を導出する第2導出部29bと、をさらに備えている。
そして波形合成部13(131,132…13Q)は、差分データε(n)(第1実施形態では測定した振動データx(n)であった)を、複数のノイズデータηq(n)[q=1,2,…Q]の各々に対して合成し、複数の合成波形ε(n)+ηq(n)を生成する。

0034

ここで、事前に取得された振動データx(m)とは、回転機器の導入初期の損傷が無い状態において取得されるものであることが望ましい。
この振動データx(m)は、スイッチ26の設定により、線形予測係数akの演算部27に送信される。

0035

線形予測係数akの演算部27は、ある時点の振動データx(m)が、その前のp個の振動データx(m−1),x(m−2),…x(m−p)の線形結合で表せると仮定し、次の数式(6)の関係を満たす線形予測係数akを演算するものである。

0036

x(m)=−a1x(m−1)−a2x(m−2),…−apx(m−p) (6)
=−Σakx(m−k) [k=1 to p] (6)´

0037

なお線形予測係数akは、ARMAモデルやLevinson-Durbinアルゴリズム等を用いて演算することができるが、その演算方法に特に限定はない。
このようにして演算された線形予測係数ak[k=1,2…p]は、保持部28に保持される。

0038

経年変化した回転機器から測定した振動データx(n)は、スイッチ26の設定により、差分データε(n)の導出部29(29a,29b)に送信される。
第1導出部29aは、受信した振動データx(n)と保持部28の線形予測係数akとから、次の数式(7)に基づいて、線形予測値データz(n)を導出する。
さらに第2導出部29bにおいて、この線形予測値データz(n)と受信した振動データx(n)とから、次の数式(8)に基づいて、差分データε(n)を導出する。

0039

z(n)=−Σakx(n−k) [k=1 to p] (7)
ε(n)=x(n)−z(n) (8)

0040

このようにして導出された差分データε(n)は、確率共鳴処理部20に送信されて、波形合成部13(131,132…13Q)に受信される。
そして波形合成部13(131,132…13Q)は、受信した差分データε(n)を、複数のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]の各々に対して合成し、複数の合成波形ε(n)+ηq(n)を生成する。

0041

なお、第2実施形態における確率共鳴処理部20を構成するその他の機能部の動作は、第1実施形態における場合と同じなので、説明を省略する。
同様に第2実施形態における確率共鳴処理部20から出力された加算処理信号f(n)の処理も第1実施形態における場合と同じなので、説明を省略する。
第2実施形態によれば、第1実施形態よりもさらにS/N比が向上させて損傷に起因する異常信号を高感度に検出することが可能となる。

0042

図16のフローチャートに基づいて、第2実施形態に係る回転機器の振動診断方法又はその振動診断プログラムの動作を説明する。
導入初期の損傷が無い状態における回転機器から振動データx(m)を事前に取得する(S31)。取得した振動データx(m)から線形予測係数ak[k=1,2…p]を演算し保持する(S32)。

0043

回転機器に設置した加速度センサにより測定される振動データx(t)を取得する(S33)。測定した振動データx(n)と線形予測係数akとから線形予測値データz(n)を導出する(S34)。導出された線形予測値データz(n)と測定した振動データx(n)とから差分データε(n)を導出する(S35)。

0044

この(S31)〜(S35)までのフローに対し順番が前後してよいが、互いに独立している複数(Q個)のノイズデータηq(t)[q=1,2,…Q]を生成する(S36)。
第1番目(q=1)のノイズデータη1(n)を取得して(S37,S38)、差分データε(n)に合成する(S39)。そして、この合成波形ε(n)+η1(t)を閾値θにより多値化して、多値化信号y1(t)を生成する(S40)。
このように、全てのノイズデータηq(t)に対し差分データε(n)を合成して複数の合成波形ε(n)+ηq(t) [q=1,2,…Q]を生成し、各々を閾値θにより多値化して複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を生成する(S41)。

0045

次に、このように生成した複数の多値化信号yq(t)[q=1,2,…Q]を加算し平均して有次元化した加算処理信号f(n)を生成する(S42)。そして、この加算処理信号f(n)又はこの加算処理信号f(n)のエンベロープ処理信号のスペクトルを解析する。これ以降のフローは、図14(第1実施形態)の(S19)〜(END)までのフローと同じなので説明を省略する。

0046

以上述べた少なくともひとつの実施形態の回転機器の振動診断装置によれば、互いに独立している複数のノイズデータに振動データを合成することにより、測定した振動データから損傷に起因する異常信号を高感度に検出することが可能となる。

0047

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、回転機器の振動診断装置の構成要素は、コンピュータプロセッサで実現することも可能であり、回転機器の振動診断プログラムにより動作させることが可能である。

0048

10…振動診断装置、11…振動データ取得部(取得部)、12…ノイズデータ生成部(生成部)、13(131,132…13Q)…波形合成部、14(141,142…14Q)…閾値処理部、15…加算処理部、16…エンベローブ導出部、17…スペクトル解析部、18…判定部、20…確率共鳴処理部、21…閾値保存部、23…軸受仕様データ値保存部、24…特徴周波数計算部、26…スイッチ、27…線形予測係数演算部、28…線形予測係数保持部、29…差分データ導出部、29a…第1導出部、29b…第2導出部、ak[k=1,2…p]…線形予測係数、z(n)…線形予測値データ、ηq(n)[q=1,2,…Q]…ノイズデータ、ε(n)…差分データ、θ(θ1, θ2…θQ)…閾値、yq(t)[q=1,2,…Q]…多値化信号、x(t)…振動データ、r(t)…エンベローブ信号、f(t)…加算処理信号。

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