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技術 レーダシステム、レーダ信号処理装置、車両走行制御装置および方法、ならびにコンピュータプログラム

出願人 日本電産株式会社国立大学法人静岡大学
発明者 加茂宏幸桑原義彦
出願日 2014年10月6日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-205609
公開日 2016年5月12日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-075558
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部 乗員・歩行者の保護
主要キーワード メインメモリ装置 設定速 プレーナアレイ 核関数 RBFネットワーク エルゴード性 上つき 放射基底関数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

自車両から同じ距離で併走する先行車両台数および先行車両が走行している車線を直接に識別する技術を提供する。

解決手段

レーダシステムは、各々が1個または複数個到来波応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、学習済みニューラルネットワーク構築された信号処理回路とを備えている。信号処理回路は、受信信号を受け取り、受信信号または受信信号から生成した二次信号をニューラルネットワークへ入力し、受信信号または二次信号、およびニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、ニューラルネットワークから、到来波の個数を示す信号を出力するよう構成されている。

概要

背景

従来、車載レーダシステムには、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ、多周波CW(Continuous Wave)レーダ、およびパルスレーダの方式を利用した電子走査型のレーダが用いられている。このようなレーダシステムにおいては、一般に、変調された連続波、またはパルス波を「送信波」として送信アンテナから放射し、先行車両反射されて受信アンテナに戻ってきた到来波を「受信波」として受け取る。そして、受信波によるアンテナ信号受信信号)に基づいて、先行車両の位置および速度が推定される。先行車両の位置は、レーダシステムが搭載された車両を基準として、先行車両までの距離および先行車両の方向によって規定される。なお、本明細書では、レーダシステムが搭載された車両を「自車両」と称し、自車両よりも前を走行する車両を「先行車両」と称する。「先行車両」は、自車両が走行する車線と同じ車線、またはその車線に隣接する同一方向の車線を走行しているとする。

車載レーダシステムにおいて、先行車両の「方向」は、道路を含む面(近似的には「平面」)内における方位(azimuth)によって規定され得る。このため、本明細書では、レーダによって探知される物体に関して、「方向(direction)」と「方位(azimuth)」とを同意義の用語として使用する場合がある。

先行車両の方向は、到来波の到来方向DOA: Direction Of Arrival)」の角度で表すことができる。レーダ技術の分野において、先行車両のように送信波を反射する物体は、「物標ターゲット)」と呼ばれることがある。物標は、「反射波」の波源として機能する。物標は、受信アンテナに到来する波、すなわち受信波、の信号源である。

車載用のレーダシステムでは、小型で低価格のアンテナを用いることが求められている。例えば4個または5個のアンテナ素子を構成要素とするアレーアンテナ受信用アンテナとして用いられている。アレーアンテナには、アンテナ素子の配列形態に応じて、リニアアレイ型、プレーナアレイ型、サーキュラーアレイ型、およびコンフォーマルアレイ型がある。

このようなアレーアンテナの各アンテナ素子から得られる受信信号に基づけば、信号処理技術により、送信波を反射する物体の方位(到来方向)を推定することが可能になる。しかし、送信波を反射する物体の個数が複数であるとき、個々の物体で生じた反射波は異なる角度で受信アンテナに入射する。このため、受信アンテナからは、複数の到来波が重畳した複雑な信号が生成される。また、車載レーダシステムでは、アレーアンテナに対する物体の配置関係および距離が動的に変化する。したがって、アレーアンテナの受信信号に基づいて1または複数台の先行車両の各方位を正確に推定するためには、コンピュータを用いて膨大な演算高速に実行することが必要になる。

到来方向を推定するため、アレーアンテナの受信信号を処理する各種のアルゴリズムが提案されている。公知の到来方向推定アルゴリズムには、以下の方法が含まれる(特許文献1及び2参照)。
(1)デジタルビームフォーマ(DBF: Digital Beam Former)法
(2)Capon法
(3)線形予測法
(4)最小ノルム法
(5)MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法
(6)ESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)法

一般に、方向推定角度分解能が高いほど、信号処理に要する演算の量が増大する。上記の到来方向推定方法(1)〜(6)においては、方法(1)から方法(6)までの順序で角度分解能が高くなり、演算量が増加する。角度分解能が特に高いMUSIC法およびESPRIT法は、「超分解能アルゴリズム」とも呼ばれ、アレーアンテナの受信信号に対して演算量が多い処理を高速に行うことを必要とする。具体的には、超分解能アルゴリズムによると、各アレーアンテナの受信信号のデータから自己相関行列を作成する。そして、この自己相関行列の固有値展開(eigenvalue decomposition)により、受信波の到来方向が推定される。行列の固有値展開とは、行列を、固有値対角成分に持つ対角行列に分解することであり、「固有値分解」とも呼ばれる。自己相関行列の固有値展開を行うとき、自己相関行列の固有値および固有ベクトルが求められる(例えば特許文献3)。

到来方向の推定精度は、自己相関行列のノイズ成分が除去されるほど向上する。エルゴード性からアンサンブル平均時間平均に等しいとすることができるため、受信データの時間平均を用いて自己相関行列が作成される。例えば、FMCWレーダでは、ビート信号データセット周波数領域のデータに変換できる、一定時間区間の時系列データ)のサンプル数、すなわちスナップショット数、をできる限り多くし、平均化した自己相関行列を使用することが好ましい。したがって、先行車両の位置が常に変化し得る状況で到来方向推定の精度を高めるには、高速なサンプリングを行う必要があり、サンプリングされたデータのメモリ容量も増大する。

概要

自車両から同じ距離で併走する先行車両の台数および先行車両が走行している車線を直接に識別する技術を提供する。レーダシステムは、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、学習済みニューラルネットワーク構築された信号処理回路とを備えている。信号処理回路は、受信信号を受け取り、受信信号または受信信号から生成した二次信号をニューラルネットワークへ入力し、受信信号または二次信号、およびニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、ニューラルネットワークから、到来波の個数を示す信号を出力するよう構成されている。

目的

本願発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

各々が1個または複数個到来波応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、学習済みニューラルネットワーク構築された信号処理回路とを備え、前記信号処理回路は、前記受信信号を受け取り、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を前記ニューラルネットワークへ入力し、前記受信信号または前記二次信号、および前記ニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、前記ニューラルネットワークから、前記到来波の個数を示す信号を出力するよう構成されている、レーダシステム

請求項2

前記レーダシステムが車両に搭載されたときにおいて、前記信号処理回路は、前記到来波の個数を示す信号を、自車両の前方を走行する1または複数の併走する先行車両の数を示す信号として出力するよう構成されている、請求項1に記載のレーダシステム。

請求項3

前記信号処理回路は、前記自車両が走行する自車線上、および自車線に隣接するいずれか一方の隣接車線上にそれぞれ先行車両が存在するか否かを示す信号を、前記1または複数の併走する先行車両の配置のパターンを示す信号として出力するよう構成されている、請求項2に記載のレーダシステム。

請求項4

前記信号処理回路は、前記1または複数の併走する先行車両の配置のパターンを数値で示す信号を出力するよう構成されている、請求項3に記載のレーダシステム。

請求項5

前記信号処理回路は、前記受信信号から自己相関行列非対角成分を含む信号を生成し、前記自己相関行列の非対角成分を含む信号を前記二次信号として前記ニューラルネットワークに入力するよう構成されている、請求項2から4のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項6

前記信号処理回路は、前記受信信号に基づいて前記到来波の到来方向推定するよう構成されている、請求項2から5のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項7

前記信号処理回路は、前記ニューラルネットワークから出力された前記到来波の個数を示す信号を用いて前記到来波の到来方向を推定する第1モード、および前記到来波の個数を示す信号を用いずに前記到来波の到来方向を推定する第2モードのいずれか一方で選択的に動作するよう構成されている、請求項6に記載のレーダシステム。

請求項8

前記第2モードは、到来方向推定アルゴリズムにより、前記到来波の到来方向を推定する、請求項7に記載のレーダシステム。

請求項9

前記信号処理回路は、アダプティブクルーズコントロール作動時に前記第1モードを選択し、前記アダプティブクルーズコントロール非作動時に前記第2モードを選択する、請求項7または8に記載のレーダシステム。

請求項10

前記アダプティブクルーズコントロール非作動時とは、自動緊急ブレーキモードの作動時である、請求項9に記載のレーダシステム。

請求項11

前記信号処理回路は、車間距離および前記自車両の速度に応じて、前記第1モードと前記第2モードとを切り替える、請求項7または8に記載のレーダシステム。

請求項12

前記信号処理回路は、前記到来波の到来方向を推定することなく、前記1または複数の併走する先行車両の配置のパターンを示す信号を出力するモードを備える、請求項3または4に記載のレーダシステム。

請求項13

前記信号処理回路は、前記到来波の個数を示す信号を用いずに前記到来波の到来方向を推定するモードをさらに備え、前記信号処理回路は、前記先行車両の配置のパターンを示す信号を出力するモードによって前記先行車両の配置のパターンを取得した後、前記到来波の到来方向を推定するモードに切り替え、前記先行車両の配置のパターンを利用して、前記到来波の到来方向を推定するよう構成されている、請求項12に記載のレーダシステム。

請求項14

前記信号処理回路は、カメラまたは電波を用いて、前記自車両が走行する車線を特定するよう構成されており、前記学習済みのニューラルネットワークは、予め定められた、自車両が走行する車線ごとに構築されており、前記信号処理回路は、前記自車両が走行する車線に応じて、学習済みのニューラルネットワークを選択し、前記先行車両の配置のパターンを示す信号を出力する、請求項2に記載のレーダシステム。

請求項15

前記信号処理回路は、前記受信信号に基づいて、1個または複数の物標を検知し、前記物標までの距離および前記アレーアンテナに対する前記物標の相対速度を決定するよう構成されている、請求項1から9のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項16

前記ニューラルネットワークは、同一方向の隣接する2車線の各々に他の車両が存在する状況下および存在しない状況下で、前記受信信号を利用してそれぞれ求められた自己相関行列と、各状況下における車線毎の車両の配置を示す教師信号とを用いて学習が行われている、請求項3に記載のレーダシステム。

請求項17

前記信号処理回路はプログラマブルロジックデバイスである、請求項1から16のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項18

前記信号処理回路は、前記演算を行う複数の演算素子と、前記ニューラルネットワークの学習データを格納した複数のメモリ素子とを有する、請求項17に記載のレーダシステム。

請求項19

前記信号処理回路は、前記演算を行うプロセッサと、前記ニューラルネットワークの学習データを格納したメモリ装置とを有する、請求項1から16のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項20

前記学習データは、前記ニューラルネットワークの各ノードへの各入力に適用される重みの値である、請求項1から19のいずれかに記載のレーダシステム。

請求項21

車両に搭載されるレーダ信号処理装置であって、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナから、前記受信信号を取得する第1端子と、学習済みのニューラルネットワークが構築された信号処理回路と、前記信号処理回路から出力された信号を送信する第2端子とを備え、前記信号処理回路は、前記第1端子を介して前記受信信号を受け取り、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を前記ニューラルネットワークへ入力し、前記受信信号または前記二次信号、および前記ニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、前記ニューラルネットワークから、前記到来波の個数を示す信号を出力するように構成されている、レーダ信号処理装置。

請求項22

前記信号処理回路は、前記受信信号を用いて演算した、自車線上、および前記自車線に隣接するいずれか一方の隣接車線上の先行車両と自車両との距離、および相対速度を示す信号をさらに出力するよう構成されている、請求項21に記載のレーダ信号処理装置。

請求項23

車両に搭載される車両走行制御装置であって、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、請求項22に記載のレーダ信号処理装置と、前記レーダ信号処理装置から出力された、前記距離、前記相対速度、および前記到来波の個数をそれぞれ示す信号を用いて前記自車両のアダプティブクルーズコントロールを行い、前記自車両の速度を制御する電子制御装置とを備える車両走行制御装置。

請求項24

各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナを用いて、受信信号を取得し、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を、学習済みのニューラルネットワークが構築された信号処理回路へ入力し、前記信号処理回路を用いて前記受信信号または前記二次信号、および前記ニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、前記ニューラルネットワークから、前記到来波の個数を示す信号を出力し、前記受信信号を用いて、前記到来波に対応する、自車線上、および自車線に隣接するいずれか一方の隣接車線上の先行車両と自車両との距離、および相対速度を示す信号を出力し、前記距離、前記相対速度、および前記到来波の個数をそれぞれ示す信号を用いて前記自車両のアダプティブクルーズコントロールを行い、前記自車両の速度を制御する車両走行制御方法。

請求項25

車両に搭載されるプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記車両は、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナを有しており、前記コンピュータプログラムは前記プロセッサに、前記受信信号を受け取らせ、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を、学習済みのニューラルネットワークへ入力させ、前記受信信号または前記二次信号、および前記ニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行わせ、前記ニューラルネットワークから、前記到来波の個数を示す信号を出力させる、コンピュータプログラム。

請求項26

各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、学習済みのニューラルネットワークが構築された信号処理回路とを備え、前記ニューラルネットワークは、車両の走行方向と同一方向の隣接する2車線の各々に他の車両が存在する状況下および存在しない状況下で、アレーアンテナの各受信信号を利用してそれぞれ求められた自己相関行列の非対角成分と、各状況下における車線毎の車両の配置を示す教師信号とを用いて予め学習が行われており、前記信号処理回路は、前記受信信号を受け取り、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を前記ニューラルネットワークへ入力し、前記ニューラルネットワークからの出力として、前記2車線の各々における他の車両の存否を示す信号を出力するよう構成されている、車両に搭載されるレーダシステム。

技術分野

0001

本開示は、1台または複数台先行車両の配置をレーダによって認識する技術に関する。

背景技術

0002

従来、車載レーダシステムには、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ、多周波CW(Continuous Wave)レーダ、およびパルスレーダの方式を利用した電子走査型のレーダが用いられている。このようなレーダシステムにおいては、一般に、変調された連続波、またはパルス波を「送信波」として送信アンテナから放射し、先行車両で反射されて受信アンテナに戻ってきた到来波を「受信波」として受け取る。そして、受信波によるアンテナ信号受信信号)に基づいて、先行車両の位置および速度が推定される。先行車両の位置は、レーダシステムが搭載された車両を基準として、先行車両までの距離および先行車両の方向によって規定される。なお、本明細書では、レーダシステムが搭載された車両を「自車両」と称し、自車両よりも前を走行する車両を「先行車両」と称する。「先行車両」は、自車両が走行する車線と同じ車線、またはその車線に隣接する同一方向の車線を走行しているとする。

0003

車載レーダシステムにおいて、先行車両の「方向」は、道路を含む面(近似的には「平面」)内における方位(azimuth)によって規定され得る。このため、本明細書では、レーダによって探知される物体に関して、「方向(direction)」と「方位(azimuth)」とを同意義の用語として使用する場合がある。

0004

先行車両の方向は、到来波の到来方向DOA: Direction Of Arrival)」の角度で表すことができる。レーダ技術の分野において、先行車両のように送信波を反射する物体は、「物標ターゲット)」と呼ばれることがある。物標は、「反射波」の波源として機能する。物標は、受信アンテナに到来する波、すなわち受信波、の信号源である。

0005

車載用のレーダシステムでは、小型で低価格のアンテナを用いることが求められている。例えば4個または5個のアンテナ素子を構成要素とするアレーアンテナ受信用アンテナとして用いられている。アレーアンテナには、アンテナ素子の配列形態に応じて、リニアアレイ型、プレーナアレイ型、サーキュラーアレイ型、およびコンフォーマルアレイ型がある。

0006

このようなアレーアンテナの各アンテナ素子から得られる受信信号に基づけば、信号処理技術により、送信波を反射する物体の方位(到来方向)を推定することが可能になる。しかし、送信波を反射する物体の個数が複数であるとき、個々の物体で生じた反射波は異なる角度で受信アンテナに入射する。このため、受信アンテナからは、複数の到来波が重畳した複雑な信号が生成される。また、車載レーダシステムでは、アレーアンテナに対する物体の配置関係および距離が動的に変化する。したがって、アレーアンテナの受信信号に基づいて1または複数台の先行車両の各方位を正確に推定するためには、コンピュータを用いて膨大な演算高速に実行することが必要になる。

0007

到来方向を推定するため、アレーアンテナの受信信号を処理する各種のアルゴリズムが提案されている。公知の到来方向推定アルゴリズムには、以下の方法が含まれる(特許文献1及び2参照)。
(1)デジタルビームフォーマ(DBF: Digital Beam Former)法
(2)Capon法
(3)線形予測法
(4)最小ノルム法
(5)MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法
(6)ESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)法

0008

一般に、方向推定角度分解能が高いほど、信号処理に要する演算の量が増大する。上記の到来方向推定方法(1)〜(6)においては、方法(1)から方法(6)までの順序で角度分解能が高くなり、演算量が増加する。角度分解能が特に高いMUSIC法およびESPRIT法は、「超分解能アルゴリズム」とも呼ばれ、アレーアンテナの受信信号に対して演算量が多い処理を高速に行うことを必要とする。具体的には、超分解能アルゴリズムによると、各アレーアンテナの受信信号のデータから自己相関行列を作成する。そして、この自己相関行列の固有値展開(eigenvalue decomposition)により、受信波の到来方向が推定される。行列の固有値展開とは、行列を、固有値対角成分に持つ対角行列に分解することであり、「固有値分解」とも呼ばれる。自己相関行列の固有値展開を行うとき、自己相関行列の固有値および固有ベクトルが求められる(例えば特許文献3)。

0009

到来方向の推定精度は、自己相関行列のノイズ成分が除去されるほど向上する。エルゴード性からアンサンブル平均時間平均に等しいとすることができるため、受信データの時間平均を用いて自己相関行列が作成される。例えば、FMCWレーダでは、ビート信号データセット周波数領域のデータに変換できる、一定時間区間の時系列データ)のサンプル数、すなわちスナップショット数、をできる限り多くし、平均化した自己相関行列を使用することが好ましい。したがって、先行車両の位置が常に変化し得る状況で到来方向推定の精度を高めるには、高速なサンプリングを行う必要があり、サンプリングされたデータのメモリ容量も増大する。

先行技術

0010

特開2009−156582号公報
特開2006−275840号公報
特開2006−047282号公報
特開2007−040806号公報

発明が解決しようとする課題

0011

MUSICなどの超分解能アルゴリズムは演算処理量が多い。そのような演算処理量に対応するためには、高速に動作する、高価な車載用のマイクロプロセッサが必要とされる。そのような事情から、相対的に低性能なマイクロプロセッサでも動作し得るよう、演算処理量を低減するための試みが行われてきた(例えば特許文献4参照)。

0012

しかしながら、特許文献4などの技術によって演算処理量を低減したとしても、依然として処理量は多い。したがって、車載用レーダ利用可能な、処理量をより低く抑えたターゲットを認識する技術が必要とされている。

課題を解決するための手段

0013

本開示の例示的なレーダシステムは、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナと、学習済みニューラルネットワーク構築された信号処理回路とを備え、前記信号処理回路は、前記受信信号を受け取り、前記受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を前記ニューラルネットワークへ入力し、前記受信信号または前記二次信号、および前記ニューラルネットワークの学習データを用いて演算を行い、前記ニューラルネットワークから、前記到来波の個数を示す信号を出力するよう構成されている。

発明の効果

0014

本開示の例示的なレーダシステムによれば、受信信号または前記受信信号から生成した二次信号を、学習済みのニューラルネットワークに入力して、到来波の個数を示す信号を得ることができる。ニューラルネットワークの演算に必要な演算処理量は、MUSICなどの超分解能アルゴリズムに必要な演算処理と比較すると、相対的に非常に少なく、またニューラルネットワークの学習を予め十分行っておくことで、到来波の個数の判定精度を高めることができる。

0015

ある態様では、上述の到来波の個数は、先行車両の配置を示す情報として取得される。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本開示による車両の識別処理の手順を示す図である。
図2(a)は、直線状に配置されたM個のアンテナ素子を有するアレーアンテナAAと、複数の到来波k(k:1〜Kの整数)との関係を示す図であり、図2(b)は、k番目の到来波を受信するアレーアンテナAAを示す図である。
図3は、一般的な階層型ニューラルネットワーク構造モデルを示す図である。
図4は、ガウス核関数波形概要を示す図である。
図5(a)〜(d)は、自車両5が第1車線を走行している際の先行車両(5−1)および/または(5−2)の走行状況と、教師信号T1とを示す図である。
図6(a)〜(d)は、自車両5が第2車線を走行している際の先行車両(5−1)および/または(5−2)の走行状況と、教師信号T2とを示す図である。
図7(a)〜(e)は、自車両5が3車線のうちの中央の車線を走行している際の先行車両(5−1)、(5−2)および/または(5−3)の走行状況と、教師信号T3とを示す図である。
図8は、学習処理の手順を示すフローチャートである。
図9は、先行車両の識別処理の手順を示すフローチャートである。
図10は、本開示による車両走行制御装置1の基本構成の一例を示すブロック図である。
図11は、本開示による車両走行制御装置の基本構成の他の例を示すブロック図である。
図12は、本開示のより具体的な実施形態を詳細に説明するためのブロック図である。
図13は、本実施形態におけるレーダシステム100のより詳細な構成例を示すブロック図である。
図14は、三角波生成回路が生成した信号に基づいて変調された送信信号周波数変化を示す図である。
図15は、「上り」の期間におけるビート周波数fu、および「下り」の期間におけるビート周波数fdを示す図である。
図16は、信号処理回路30がプロセッサPRおよびメモリ装置MDを備えるハードウェアによって実現されている形態を示すブロック図である。
図17は、ニューラルネットワークへの入力としてビート信号を利用しないレーダシステム100aの構成例を示すブロック図である。
図18は、車両走行制御装置1(図12)の処理手順を示すフローチャートである。
図19は、SAGE法を利用した到来方向推定処理の手順を示すフローチャートである。

実施例

0017

用語説明
「車両」は、走行のための駆動力を発するエンジンおよび/または電気モータを備え、道路上を走行する乗り物(Vehicle)である。車両は、4輪自動車、3輪自動車、および鞍乗り型モータサイクルを含む。車両の走行の一部または全部が自動制御によって実行されても良いし、無人で走行するように構成されていても良い。

0018

「受信信号」は、アレーアンテナの各アンテナ素子からの出力信号アナログデジタル両方を含む)である。

0019

「二次信号」は、受信信号を処理して得られる信号を意味する。二次信号の例は、ビート信号、相関係数非対角成分を含む信号、および、解析信号(analythic
signal)を含む。ここで「解析信号」とは、受信信号(実数成分)と、受信信号の直交信号(虚数成分)との和で表される複素信号である。受信信号の直交信号は、例えばヒルベルト変換によって受信信号から生成され得る。

0020

「学習データ」は、ニューラルネットワークの各ノードへの各入力に適用される重みの値である。

0021

「到来波」は、物標(波源または信号源)からアレーアンテナに到来する電磁波である。アレーアンテナが自車両の前面に搭載されているとき、到来波の波源として機能する物標の典型例は、先行車両である。

0022

本願発明者の知見>
自動車衝突防止システム自動運転などの安全技術には、特に自車両から同じ距離だけ離れた位置を並んで走行する(併走する)複数の車両(物標)の識別が不可欠である。本明細書で「同じ距離」とは、完全に同一の距離のみならず、レーダシステムの距離に関する分解能以下の差を有する場合も含む。そのような場合、車両の識別には、到来波の方向を推定することが不可欠であると考えられてきた。

0023

従来行われてきた、アレーアンテナを用いて到来波の方向を推定する技術は、各到来波の到来方向(角度)を如何に正確に特定するかを目的としていた。各到来波を正確に特定することは、先行車両の位置を正確に特定することを意味しているからである。

0024

上述のとおり、自己相関行列を用いる種々の方法が開発されており、到来方向を高い精度で特定可能な分解能が実現されている。しかしながら、自己相関行列の生成および固有ベクトルの算出のための演算量は依然として非常に多く、それに見合う処理能力を有するプロセッサを使う必要がある。高性能のプロセッサはコストの増大を生じさせる原因となる。

0025

なお、自己相関行列を用いる種々の方法では、相関の高い複数の到来波を検出する際、空間平均法を使用する必要がある。計算に当たっては、アレーアンテナのアレー次元は1つ減少するため、同時に検出可能な到来波数が減少してしまう。SAGE(Space−Alternating Generalized Expectation−maximization)法などの最尤推定法は相関の高い複数の到来波を検出できるが、予備知識として到来波数の情報が必要である。

0026

到来波の方向推定技術を車載用レーダシステムに適用する場合には、より高速なレスポンスを実現することが好ましい。その理由は、道路では、自車両の位置および速度、ならびに先行車両の位置および速度が刻々変化するため、それらを正確かつ高速に認識することが必要とされるからである。また、車両の衝突防止衝突被害軽減レーンキーピングアシストを行うため、画像センサおよび他のレーダを用いて周囲の情報を取得し、種々の信号処理を行うことが必要になりつつある。このような各種の信号処理を行うことを目的として、際限なく処理能力の高いプロセッサを搭載することはできない。また、高性能のプロセッサを採用しても、十分と言える程度の高速なレスポンスを得ることは必ずしもできない。このため、到来方向推定アルゴリズムにおける演算量を削減することが種々検討されている。

0027

本願発明者らは、レーダシステムの信号処理に必要とされる演算量を減らすための手法を、従来とは全く異なる観点から検討した。従来、各到来波の到来方向を高い精度で識別しようとされてきた理由は、その識別結果を利用すれば、先行車両の台数と位置とを正確に把握できるからである。しかしながら、最終的に取得したい情報は、元々、何台の先行車両が存在しているのか、および各先行車両がどの車線を走行しているのか、である。

0028

本願発明者らは、各到来波の到来方向を算出することなく、先行車両の台数および先行車両が走行している車線を判断する手法の検討を進めた。その結果、アレーアンテナの信号処理にニューラルネットワークを用いると、個々の先行車両の方向(反射波の到来方向)を正確に求めなくても、先行車両の台数および先行車両が走行している車線を直接に決定することができることを見出した。これにより、先行車両の走行状況を把握するために必要な信号処理の計算量を大幅に削減することが可能になる。

0029

なお、アダプティブクルーズコントロール(以下、「ACC」と記述することもある。)のモードで走行する場合は、同一車線(および隣接する車線)上に先行車両が存在するか否かを示す情報、先行車両までの距離、および先行車両の速度を示す情報があれば、先行車両の正確な方位を示す角度を求めることまでは必要としないことが多い。

0030

<本開示にかかる原理の説明>
以下、実施の形態の説明に先立って、本願発明者らによって得られた知見の基本原理を説明する。

0031

本明細書では、ニューラルネットワークの学習処理、および学習済みのニューラルネットワークを用いた、先行車両の数および配置の識別処理をそれぞれ説明する。学習処理が一度行われると、その後、識別処理を行うことが可能となる。本開示の車載用のレーダシステムでは、典型的には、学習処理はレーダシステムの実装前に行われ、識別処理は、車両に搭載されたプロセッサに代表される信号処理回路によってドライバによる運転時に行われ得る。

0032

ニューラルネットワークを利用する利点の一つは、高分解能アルゴリズムを用いて到来波の到来方向を推定し、それによって先行車両の数および配置を検出する処理と比較すると、識別処理に要する計算資源を大幅に低減できることにある。以下では、まず図1を参照しながら識別処理を説明し、その後、識別処理に関する各ステップの説明ともに、学習処理の内容を説明する。

0033

図1は、本開示による車両の識別処理の手順を示す。図1の各処理は、信号処理回路が実行する。

0034

まず、ステップS1において、信号処理回路は、M個のアンテナ素子(M:3以上の整数。以下同じ。)のアレーアンテナAAが取得したアレー受信信号に前処理を行い、入力ベクトルbを生成する。入力ベクトルbの内容は後述する。このアレー受信信号は雑音を含む。

0035

ステップS2において、信号処理回路は、入力ベクトルbを学習済みのニューラルネットワークに入力する。

0036

ステップS3において、信号処理回路は、ニューラルネットワークの出力Yから、車線ごとの車両の有無を判断する。

0037

以下、ステップS1〜S3の各々を説明する。

0038

図2(a)は、直線状に配置されたM個のアンテナ素子を有するアレーアンテナAAと、複数の到来波k(k:1〜Kの整数。以下同じ。Kの意味は後述する。)との関係を示している。アレーアンテナAAは、様々な角度から同時に入射する複数の到来波を受ける。到来波の入射角度(到来方向を示す角度)は、アレーアンテナAAのブロードサイドB(アンテナ素子群が並ぶ直線方向に垂直な方向)を基準とする角度を表している。

0039

いま、k番目の到来波に注目する。「k番目の到来波」とは、異なる方位に存在するK個の物標からアレーアンテナにK個の到来波が入射しているときにおける、入射角θkによって識別される到来波を意味する。

0040

図2(b)は、k番目の到来波を受信するアレーアンテナAAを示している。アレーアンテナAAが受信した信号は、M個の要素を持つ「ベクトル」として、数1のように表現できる。
(数1)
S=[s1,s2,…,sM]T

0041

ここで、sm(m:1〜Mの整数;以下同じ。)は、m番目のアンテナ素子が受信した信号の値である。上つきのTは転置を意味する。Sは列ベクトルである。列ベクトルSは、アレーアンテナの構成によって決まる方向ベクトルステアリングベクトルまたはモードベクトル)と、波源(信号源、すなわち物標)における信号を示す複素ベクトルとの積によって与えられる。波源の個数がKであるとき、各波源から個々のアンテナ素子に到来する信号の波が線形的に重畳される。このとき、smは数2のように表現できることが知られている。

0042

0043

数2におけるak、θkおよびφkは、それぞれ、k番目の到来波の振幅、到来波の入射角度(到来方向を示す角度)、および初期位相である。また、λは到来波の波長、jは虚数単位である。

0044

数2から理解されるように、smは、実部(Re)と虚部(Im)とから構成される複素数として表現されている。

0045

ノイズ内部雑音または熱雑音)を考慮してさらに一般化すると、アレー受信信号Xは数3のように表現できる。
(数3)
X=S+N
Nはノイズのベクトル表現である。

0046

図1のステップS1において、信号処理回路は、数3に示されるアレー受信信号Xを用いて到来波の自己相関行列Rxx(数4)を求め、さらに自己相関行列Rxxの非対角成分を含む信号(数5)を生成する。

0047

0048

ここで、上付きのHは複素共役転置(エルミート共役)を表す。

0049

0050

ベクトルb0は、自己相関行列Rxxの対角成分を除いた上三角行列の要素を実部と虚部とに分けて表現した列ベクトルである。「Re(Rxxpq)」は自己相関行列の(p,q)成分の実部を表し、「Im(Rxxpq)」は自己相関行列の(p,q)成分の虚部を表す。

0051

信号処理回路は、上記ベクトルb0を単位ベクトル化規格化)し、ニューラルネットワークへ入力されるベクトルbとして求める。

0052

0053

右辺分母(||b0||)は、ベクトルb0のノルムを表す。

0054

数6のような規格化を行う理由は、ニューラルネットワークへの入力が過大になることを防ぐためである。ただし、規格化は必須ではない。上述のベクトルb0および/またはbは、本明細書において、受信信号から生成した二次信号、と記述することもある。

0055

上述の説明では、アレーアンテナAAで得られた受信信号Xを直接利用して、自己相関行列を求めている。しかしながら、受信信号Xから得られた別の信号を利用して、上述の自己相関行列を求めてもよい。別の信号の一例は、送信信号と受信信号とを利用して生成されるビート信号である。

0056

次に、図1のステップS2において用いられるニューラルネットワークを詳細に説明する。

0057

図3は、一般的な階層型ニューラルネットワークの構造モデルを示す。本明細書では、階層型ニューラルネットワークの一例であるRBF(Radial Basis Function:放射基底関数)ニューラルネットワークを用いて説明するが、他の階層型ニューラルネットワーク、または非階層型のニューラルネットワークを利用してもよい。

0058

図3に示されるように、RBFニューラルネットワークは、入力信号xi(i:1〜Iの整数)を受け付けるノード1〜Iの入力層xiと、ノード1〜Jの中間層φj(j:1〜Jの整数)と、ノード1〜Kの出力層yk(k:1〜Kの整数)とを有する。

0059

RBFネットワークの出力yk(x)は数7のように表される。

0060

0061

数7において、Jは中間層のニューロン数、wkjは中間層のj番目のニューロンと出力層k番目のニューロン間の重み、cjは中間層のj番目のニューロンの中心ベクトル、xは入力ベクトルである。また、φjは数8に示すガウス型核関数である。

0062

0063

数8において、σjは、中間層のj番目のニューロンの中心ベクトルの幅を示すパラメータである。

0064

図4は、数8に示すガウス型核関数の波形の概要を示す。横軸は入力、縦軸は出力である。図4から理解されるように、中間層の各ニューロンは、入力ベクトルがRBFの中心ベクトルに近い場合にのみ大きな反応を示す。すなわち、各中間層は特定の入力に対してのみ反応する。

0065

RBFニューラルネットワークは、入力層xiに与えられるパターンと、出力層ykから出力されるパターン(教師信号)との関係を学習させることができる。

0066

本願発明者らは、レーダシステムを用いて、自車両の前方を走行する1台または複数台の先行車両の数および配置を認識する際に、RBFニューラルネットワークを利用する態様を想定した。

0067

RBFニューラルネットワークを学習させる際に、RBFニューラルネットワークの入力層xiに与えられるパターンは、アレー受信信号から得られた数6に記載のベクトルbである。一方、教師信号として、そのベクトルbが得られた時の1台または複数台の先行車両の数および配置を特定する信号(ベクトル表記)が与えられる。その対応付けの学習を繰り返すことにより、あるパターンが入力層xiに与えられたときに出力される信号は、学習結果を反映した、1台または複数台の先行車両の数および配置を精度よく特定する信号となる。

0068

以下、RBFニューラルネットワークの学習方法を具体的に説明する。

0069

本願発明者らは、本開示によるレーダシステムを搭載した自車両の走行状況を以下のように想定した。
(A)自車両が、同一方向の隣接する2車線(第1および第2車線)のうちの第1車線を走行している。
(B)自車両が、同一方向の隣接する2車線(第1および第2車線)のうちの第2車線を走行している。
(C)自車両が、同一方向の連続する3車線(第1〜第3車線)のうち、第2車線(中央車線)を走行している。

0070

図5(a)〜(d)は、自車両5が第1車線を走行している際の先行車両(5−1)および/または(5−2)の走行状況と、教師信号T1とを示す。図5は、上記(A)に対応する。なお、本明細書では、図面の上方向から下方向に向かって、第1車線、第2車線と呼ぶ。

0071

図6(a)〜(d)は、自車両5が第2車線を走行している際の先行車両(5−1)および/または(5−2)の走行状況と、教師信号T2とを示す。図6は、上記(B)に対応する。

0072

図7(a)〜(e)は、自車両5が3車線のうちの中央の車線を走行している際の先行車両(5−1)、(5−2)および/または(5−3)の走行状況と、教師信号T3とを示す。図7は上記(C)に対応する。

0073

本明細書では、図5および図6の各(d)に関しては、レーダシステムを利用して先行車両を検出するパターンからは便宜的に除外する。以下では、図5および図6の各(a)〜(c)の3つのパターンを説明する。

0074

また、図7(a)〜(e)に関しては、全ての走行状況を網羅していないことに留意されたい。実際には全部で8パターンの走行状況が存在する。具体的には、図7(e)の第3車線を走行する1つの物標が、第2車線を走行しているパターン、および第1車線を走行しているパターン、物標が存在しないパターンが省略されている。図7に関しても、先行車両が存在しないパターンは、レーダシステムを利用して物標を検出するパターンからは便宜的に除外する。

0075

上記(C)および図7に関連して、自車両が、同一方向の連続する3車線の第1車線および第3車線を走行している場合を想定しなくてもよい理由は、レーダシステムは車線変更時隣接車線他車を認識できればよい、という動作条件を考慮したからである。自車両が第1車線から第2車線へ移ろうとするとき、第1車線および第2車線の車両を識別できればよい。その場合には上記(A)または(B)の状況であるとみなすことが可能である。自車両が第3車線から第1車線へ移ろうとするときも全く同様である。

0076

図8は、学習処理の手順を示すフローチャートである。学習処理により、3種類のニューラルネットワークを構築する。具体的には、同一方向の2車線のうちの第1車線に自車両が存在するとき(図5)のニューラルネットワーク、同一方向の2車線のうちの第2車線に自車両が存在するとき(図6)のニューラルネットワーク、および同一方向の3車線のうちの第2車線に自車両が存在するとき(図7)のニューラルネットワークである。

0077

学習処理は、図5の例では、(a)〜(c)に示す3パターンから1つのニューラルネットワークを構築する。図6の例では、(a)〜(c)に示す3パターンから1つのニューラルネットワークを構築する。図7の例では、(a)〜(e)を含む7パターンから1つのニューラルネットワークを構築する。さらに、学習処理は、各パターンについて条件を変えながら少なくとも約80回行われる。条件とは自車両と先行車両との車間距離である。具体的には、学習処理は、車間距離を20mから100mまで1mごとに設定して都度電波を放射し、受信した反射波から得られたアレー受信信号を用いて、車間距離ごとの入力ベクトルb(数6)を生成する。この入力ベクトルbと、図5図6および図7に示すパターン毎の教師信号とを精度よく対応付けるような重みが、求めるべき学習結果である。

0078

以下、図8を説明する。図8に示される処理は、図5〜7のそれぞれの状況下で行われる。なお、図8の各処理は、信号処理回路によって実行される。この信号処理回路は、例えば車載用のレーダシステムを製造するメーカが所有する機器に実装されたCPUである。

0079

ステップS10において、信号処理回路は、RBFニューラルネットワークに重みの初期値を設定する。

0080

ステップS11において、信号処理回路は、学習の対象となるパターンを設定する。

0081

ステップS12において、信号処理回路は、パターンに応じた教師信号を設定する。

0082

ステップS13において、信号処理回路は、車間距離を設定する。初期値は20mである。

0083

ステップS14において、信号処理回路は、アレー受信信号ベクトルX(数3)から、到来波の自己相関行列Rxx(数4)を求める。

0084

ステップS15において、信号処理回路は、自己相関行列の非対角成分を用いて列ベクトルb0(数5)を生成する。

0085

ステップS16において、信号処理回路は、列ベクトルb0を規格化して列ベクトルb(数6)を求める。

0086

ステップS17において、信号処理回路は、数7および数8を利用した演算(順方向演算)を行う。

0087

ステップS18において、信号処理回路は、求められた結果と目標である教師信号との平均二重誤差を求め、平均二重誤差が最も小さくなるよう、重みを修正する演算(逆方向演算)を行う。修正された重みは以後の学習に利用される。

0088

ステップS19において、信号処理回路は、全ての車間距離において学習が終了したかどうかを判定する。終了していると判定したとき、処理はステップS20に進み、終了していないと判定したとき、処理はステップS13に戻る。ステップS13に戻った際に、1m離れた車間距離が設定される。

0089

ステップS20において、信号処理回路は、全てのパターンにおいて学習が終了したかどうかを判定する。終了していると判定したとき、処理はステップS21に進み、終了していないと判定したとき、処理はステップS11に戻る。ステップS11に戻った際に、他のパターンが設定される。

0090

ステップS21において、信号処理回路は、得られた重みを学習の結果(学習データ)として抽出する。

0091

以上で、学習処理は終了する。

0092

上述のステップS14〜S16は、予め行われていてもよい。車間距離を変えながらアレー受信信号を連続的に取得してその情報を保存しておき、自己相関行列の生成、および非対角成分を利用した列ベクトルの生成等を別途行っておくことは可能である。

0093

上述の説明では、2車線の例である図5および図6と、3車線の例である図7とを分けて説明したが、これは一例である。3車線のパターンに代えて、2車線のパターンを組み合わせてもよい。例えば図7(a)のパターンは、図5(a)および図6(a)の2つのパターンの組み合わせで実現され得る。図7(b)のパターンは、図5(a)および図6(c)の2つのパターンの組み合わせで実現され得る。また、図7(c)のパターンは、図5(c)および図6(b)の2つのパターンの組み合わせで実現され得る。図7(d)のパターンは、図5(b)および図6(a)の2つのパターンの組み合わせで実現され得る。図7(e)のパターンは、図5(c)および図6(d)のパターンとの組み合わせで実現され得る。なお、図5(d)および図6(d)のパターンの認識は、たとえばカメラを用いた画像認識処理によって実現され得る。

0094

図7に示されていない他のパターンも、2車線のパターンを組み合わせて特定することができる。このような変形例を採用すれば、学習処理は図5および図6に示す、2車線を対象とすればよくなる。

0095

図9は、先行車両の識別処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図8に示す学習処理が行われた後、得られた学習データを用いて実行される。なお図9の各処理もまた、信号処理回路によって実行される。ただし、この信号処理回路は図8の処理を実行した信号処理回路と同じである必要はない。図9の各処理を実行する信号処理回路は、例えば車両に搭載されたレーダシステムの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に含まれ得る。

0096

図9には、図8と同じ処理であるステップS14〜S17が含まれている。これらについては同じステップ番号を付し、その説明は省略することがある。

0097

ステップS30において、信号処理回路は、RBFニューラルネットワークに、学習処理によって得られた重み(学習データ)を設定する。

0098

ステップS31において、信号処理回路は、自車両が走行している同一方向の道路の車線総数と、自車両の現在の車線位置とを設定する。本明細書では、車線総数は2または3であるとしている。また、自車両の現在の車線位置は、同一方向に2車線が存在する場合には第1車線または第2車線であり、同一方向に3車線が存在する場合には、第1車線、第2車線または第3車線である。3車線の例では、自社の車両が第1車線または第3車線に位置する場合には車線総数が2の例とみなして取り扱えばよい。

0099

続いて、ステップS14において、信号処理回路は、アレー受信信号ベクトルX(数3)から、到来波の自己相関行列Rxx(数4)を求める。このとき、自車両と先行車両との車間距離は特定されている必要はないが、学習が行われた20mから100mの範囲内であることが好ましい。その後、ステップS15〜S17が順次行われる。

0100

ステップS32において、信号処理回路は、ステップS17において行われた演算結果Tを出力する。演算結果Tの出力例は以下のとおりである。
(a)T=[1 0]T
(b)T=[0 1]T
(c)T=[1 1]T

0101

左辺の演算結果Tは、車線毎前方車両の有無を示している。2車線においては、列ベクトルの1行目は第1車線の先行車両の有無を示し、列ベクトルの2行目は第2車線の先行車両の有無を示す。例えば上記(b)の出力結果Tは、第1車線には先行車両が存在しないが、第2車線には先行車両が存在することを示している。

0102

上述の図8および図9のステップS14では、アレー受信信号ベクトルから到来波の自己相関行列を求めている。上述したように、アレー受信信号ベクトルに代えて、ビート信号のベクトルを用いてもよい。

0103

以上、本開示の原理を説明した。

0104

物標ごとに到来方向を推定する場合、物標までの距離によっては非常に高い推定精度が要求され得る。例えば、100m程度前方で複数台の車両が併走する状況下では、各車両で反射された反射波(自車両への到来波)の方向を識別するためには、約1度またはそれ未満の角度分解能が必要である(各先行車両の波源の位置の間隔は2mとした)。このような角度分解能を従来技術によって実現するには、膨大な演算を伴う高分解能到来方向推定アルゴルリズムを実行することが必要になる。

0105

しかし、本願発明者らによる、ニューラルネットワークを用いた先行車両の台数判別技術によれば、上記状況下に対応する学習を予めさせておくことにより、簡単な演算で、何台の先行車両が存在しているのか、および各先行車両がどの車線を走行しているのかを、直接求めることが可能になる。

0106

上述の説明では実数型ニューラルネットワーク(RBFニューラルネットワーク)を挙げて説明したが、複素ニューラルネットワークを利用してもよい。複素ニューラルネットワークは、実数型ニューラルネットワークの入出力信号や重みを複素数に拡張したニューラルネットワークとして知られている。そのため、中間層ノードの出力を決める活性化関数複素関数になる。

0107

複素ニューラルネットワークを利用する場合には、上述した自己相関行列Rxxおよびベクトルb0またはbを求める演算とは異なる演算が行われる。具体的には、各アンテナ素子の受信信号Im(t)から、その実信号に複素平面上で直交する直交信号Qm(t)が求められる。そして、Im(t)+jQm(t)をそれぞれ複素ニューラルネットワークへの入力として用いる。上述の受信信号Im(t)は先のsmに対応する。直交信号Q(t)は、たとえば、各アンテナ素子の受信信号をヒルベルト変換することによって得られる。なお、受信信号Im(t)のヒルベルト変換を行う際には周知のヒルベルト変換器を用いればよい。複素ニューラルネットワークの学習、および学習後認識処理は、重みや活性化関数が相違する以外は、後述する図8および図9の処理と同様に信号処理回路によって行われ得る。複素ニューラルネットワークにおいて用いられる活性化関数の具体例は省略する。

0108

<実施形態>
以下、適宜図面を参照しながら、本開示による実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。本願発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供する。これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。

0109

まず、図10を参照する。図10は、本開示による車両走行制御装置1の基本構成の一例を示すブロック図である。図10に示される車両走行制御装置1は、車両に実装されたレーダシステム100と、レーダシステム100に接続された走行支援電子制御装置60とを備えている。レーダシステム100は、各々が1個または複数個の到来波に応答して受信信号を出力する複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナAAと、レーダ信号処理装置300とを有している。レーダシステム100のうち、アレーアンテナAAは車両に取り付けられる必要があるが、レーダ信号処理装置300の少なくとも一部の機能は、車両走行制御装置1の外部(例えば自車両の外)に設けられたコンピュータ82およびデータベース84によって実現されてもよい。その場合、レーダ信号処理装置300のうちで車両内に位置する部分は、車両が備える通信デバイス80、および一般の通信ネットワークを介して、車両の外部に設けられたコンピュータ82およびデータベース84に、信号またはデータの双方向通信が行えるように、常時または随時に接続され得る。

0110

データベース84は、ニューラルネットワークのための学習データおよび各種の信号処理アルゴリズムを規定するプログラムを格納していても良い。レーダシステム100の動作に必要なデータおよびプログラムの内容は、通信デバイス80を介して外部から更新され得る。このように、レーダシステム100の少なくとも一部の機能は、クラウドコンピューティングの技術により、自車両の外部(他の車両の内部を含む)において実現し得る。したがって、本開示における「車載」のレーダシステムは、構成要素のすべてが車両に搭載されていることを必要としない。ただし、本願では、簡単のため、特に断らない限り、本開示の構成要素のすべてが1台の車両(自車両)に搭載されている形態を説明する。

0111

レーダ信号処理装置300は、学習済みのニューラルネットワークNNが構築された信号処理回路30を有している。ニューラルネットワークNNの構成および動作は、前述した通りである。この信号処理回路30は、アレーアンテナAAから直接または間接に受信信号を受け取り、受信信号、または受信信号から生成した二次信号をニューラルネットワークNNへ入力する。受信信号から二次信号を生成する回路(不図示)の一部または全部は、信号処理回路30の内部に設けられている必要はない。このような回路(前処理回路)の一部または全部は、アレーアンテナAAとレーダ信号処理装置300との間に設けられていても良い。

0112

信号処理回路30は、受信信号または二次信号、およびニューラルネットワークNNの学習データを用いて演算を行い、到来波の個数を示す信号を出力するように構成されている。ここで、「到来波の個数を示す信号」は、典型的には、前述した「車両の配置」を示す信号である。「到来波の個数を示す信号」は、自車両の前方を走行する1または複数の併走する先行車両の数を示す信号ということもできる。

0113

この信号処理回路30は、公知のレーダ信号処理装置が実行する各種の信号処理を実行するように構成されていても良い。例えば、信号処理回路30は、MUSIC法、ESPRIT法、およびSAGE法などの「超分解能アルゴリズム」(スーパーレゾリューション法)、または相対的に分解能が低い他の到来方向推定アルゴリズムを実行するように構成され得る。

0114

図10に示す例においては、ニューラルネットワークNNとは別に到来波推定ユニットAUが信号処理回路30内に設けられている。この到来波推定ユニットAUは、任意の到来方向推定アルゴリズムにより、到来波の方位を示す角度を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成されている。この信号処理回路30は、到来波推定ユニットAUが実行する公知のアルゴリズムにより、到来波の波源である物標までの距離、物標の相対速度、物標の方位を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成され得る。このような到来波推定ユニットAUがあれば、ニューラルネットワークNNによって車両の配置パターンが検知できない状況下でも、先行車両の位置情報を取得して走行支援に利用できる。

0115

本開示における「信号処理回路」の用語は、単一の回路に限られず、複数の回路の組み合わせを概念的に一つの機能部品として捉えた態様も含む。信号処理回路は、1個または複数のシステムオンチップ(SoC)によって実現されても良い。例えば、信号処理回路30の一部または全部がプログラマブルロジックデバイスPLD)であるFPGA(Field−Programmable Gate Array)であってもよい。その場合、信号処理回路30は、複数の演算素子(例えば汎用ロジックおよびマルチプライヤ)および複数のメモリ素子(例えばルックアップテーブルまたはメモリブロック)を含む。または、信号処理回路30は、汎用プロセッサおよびメインメモリ装置集合であってもよい。信号処理回路30は、プロセッサコアとメモリとを含む回路であってもよい。これらは本開示における信号処理回路として機能し得る。特にニューラルネットワークNNは、並列処理に優れた車載コンピュータ出現により、本開示のアルゴリズムを実行するソフトウェアを、汎用的なハードウェアに組み合わせることによって容易に実現され得る。

0116

本明細書では、信号処理回路は、記憶素子を有するかどうかを問わず、与えられた信号をニューラルネットワークへの入力として与え、記憶素子に記憶された学習データを適用して演算を行い、結果を出力することが可能であればよい。このような動作を行うことが可能な信号処理回路を、「学習済みのニューラルネットワークが構築された信号処理回路」と呼ぶこともある。

0117

走行支援電子制御装置60は、レーダ信号処理装置300から出力される各種の信号に基づいて車両の走行支援を行うように構成されている。走行支援電子制御装置60は、以下の機能を発揮するように各種の電子制御ユニットに指示を行う。これらの機能とは、例として、先行車両までの距離(車間距離)が予め設定された値よりも短くなったときに警報を発してドライバにブレーキ操作を促す機能、ブレーキを制御する機能、アクセルを制御する機能を含む。例えば、自車両のアダプティブクルーズコントロールを行う動作モードのとき、走行支援電子制御装置60は、各種の電子制御ユニット(不図示)およびアクチュエータに所定の信号を送り、自車両から先行車両までの距離を予め設定された値に維持したり、自車両の走行速度を予め設定された値に維持したりする。

0118

走行支援電子制御装置60において行われる制御の内容に応じて、信号処理回路30を動作させることが必要とされ得る。例えば信号処理回路30は、ニューラルネットワークNNおよび到来波推定ユニットAUを、走行制御条件に応じて一方だけ利用してもよいし、相互に切り替えてもよいし、順次利用して動作させてもよい。その結果、信号処理回路30は、1または複数の併走する先行車両の配置のパターン、または、推定された、到来波の方位を示す角度の情報を、走行支援電子制御装置60へ出力する。

0119

信号処理回路30は、1または複数の併走する先行車両の配置のパターンを示す信号のみを出力する動作モードを備えていてもよい。この動作モードのとき、ニューラルネットワークNNが利用され、到来波推定ユニットAUは動作しない。

0120

または、信号処理回路30は、ニューラルネットワークNNを利用する第1モードと、到来波推定ユニットAUを利用する第2モードとを切り替えて動作させるように構成されていてもよい。第1モードと第2モードとを切り替える走行制御条件は種々考えられる。例えば、信号処理回路30は、ACC作動時には第1モードを選択し、ACC非作動時には第2モードを選択する。後者の一例は、自動緊急ブレーキAEB)モードの作動時である。第1モードが選択されているとき、ニューラルネットワークNNからの出力は、先行車両の配置のパターンを示している。

0121

ニューラルネットワークNNによって先行車両の配置がわかれば、先行車両の個数、すなわち到来波の個数を知ることができる。到来波の個数がわかれば、公知の到来方向推定アルゴリズムを実行するために必要な固有値分解が不要になる。言い換えると、ニューラルネットワークNNによって検知した到来波の個数の情報に基づいて、従来よりも少ない演算量で到来方向推定アルゴリズム(例えばSAGE法)を実行し、先行車両の方向を高い精度で推定することが可能になる。

0122

他の例として、信号処理回路30は、車間距離および自車両の速度に応じて第1モードと第2モードとを切り替えてもよい。または、信号処理回路30は、まず第1モードによって先行車両の配置のパターンを示す信号を取得し、その後、第2モードに切り替えて到来波推定ユニットAUを動作させ、その配置のパターンを利用して到来波の到来方向を推定してもよい。MUSIC法による場合、到来波の個数を示す信号は、自己相関行列の各固有値を求め、それらのうちの熱雑音によって定まる所定値以上の値を有する固有値(信号空間固有値)の個数として得られる。各固有値を求める演算の演算量は非常に多い。その演算を省略することは、計算資源を抑制できることを意味する。

0123

図10に示す例において、レーダシステム100は、送信波を放射する送信アンテナを備えている必要はない。送信アンテナ(不図示)は、例えば道路または建物に固定されていてもよいし、他の車両に搭載されていても良い。

0124

次に、図11を参照する。図11は、本開示による車両走行制御装置の基本構成の他の例を示すブロック図である。図11の車両走行制御装置1におけるレーダシステム100は、車両に搭載されたアレーアンテナAAおよび送信アンテナTAを含むレーダアンテナ10と、物体検知装置400とを有している。送信アンテナTAは、例えばミリ波であり得る送信波を放射するアンテナである。この物体検知装置400は、レーダアンテナ10に接続された送受信回路20と、前述の構成を有するレーダ信号処理装置300と含んでいる。

0125

送受信回路20は、送信波のための送信信号を送信アンテナTAに送り、また、アレーアンテナAAで受けた受信波による受信信号の「前処理」を行うように構成されている。前処理の一部または全部は、レーダ信号処理装置300の信号処理回路30によって実行されても良い。送受信回路20が行う前処理の典型的な例は、受信信号からビート信号を生成すること、および、アナログ形式の受信信号をデジタル形式の受信信号に変換することを含み得る。

0126

図10および図11は、レーダシステム100が車両に搭載され、車両走行制御装置1の一部を構成する形態を示している。このレーダシステム100における信号処理回路30には、前述した学習が行われたニューラルネットワークNNが構築されているため、従来の過大な演算量を必要とするアルゴリズムを用いて先行車両の方位を推定することなく、先行車両の配置を把握することが可能になる。ニューラルネットワークNNによって先行車両の配置がわかれば、先行車両の方位の正確な推定値を求めなくても、オートクルーズなどの走行支援が可能になる。

0127

なお、本開示によるレーダシステムは、車両に搭載される形態の例に限定されず、道路または建物に固定されて使用され得る。

0128

以下、本開示のより具体的な実施形態を詳細に説明する。

0129

図12を参照する。図12に示される本実施形態の車両走行制御装置1は、レーダシステム100と、車載カメラシステム500とを備えている。基本的な構成として、レーダシステム100は、レーダアンテナ10と、レーダアンテナ10に接続された送受信回路20と、学習済みのニューラルネットワークNNが構築された信号処理回路30とを有している。なお、簡略化のため、図10および図11に記載されている到来方向推定ユニットAUの記載は省略した。

0130

車載カメラシステム500は、車両に搭載される車載カメラ50と、車載カメラ50によって取得された画像または映像を処理する画像処理回路52とを有している。

0131

本実施形態における車両走行制御装置1は、レーダアンテナ10および車載カメラ50に接続された物体検知装置400と、物体検知装置400に接続された走行支援電子制御装置60とを備えている。この物体検知装置400は、前述した信号処理回路30に加えて、送受信回路20および画像処理回路52を含んでいる。本実施形態における物体検知装置400は、レーダシステム100によって得られる情報だけではなく、画像処理回路52によって得られる情報を利用して、道路上または道路近傍における物標を検知することができる。例えば自車両が同一方向の2本以上の車線のいずれかを走行中において、自車両が走行している車線がいずれの車線であるかを、画像処理回路52によって判別し、その判別の結果を信号処理回路30に与えることができる。信号処理回路30は、ニューラルネットワークNNによって先行車両の配置を認識するとき、画像処理回路30からの情報を参照することにより、先行車両の配置について、より信頼度の高い情報を提供することが可能になる。

0132

なお、車載カメラシステム500は、自車両が走行している車線がいずれの車線であるかを特定する手段の一例である。他の手段を利用して自車両の車線位置を特定してもよい。例えば、超広帯域無線(UWB:Ultra Wide Band)を利用して、複数車線のどの車線を自車両が走行しているかを特定することができる。超広帯域無線は、位置測定および/またはレーダとして利用可能なことは広く知られている。超広帯域無線を利用すれば、路肩ガードレール、または中央分離帯からの距離を特定することが可能である。各車線の幅は、各国の法律等で予め定められている。これらの情報を利用して、自車両が現在走行中の車線の位置を特定することができる。なお、超広帯域無線は一例である。他の無線による電波を利用してもよい。また、レーザレーダを用いてもよい。

0133

レーダアンテナ10は、一般的な車載用ミリ波レーダアンテナであり得る。本実施形態における送信アンテナTAは、ミリ波を送信波として車両の前方に放射する。送信波の一部は、典型的には先行車両である物標によって反射され、物標を波源とする反射波が発生する。反射波の一部は、到来波としてアレーアンテナ(受信アンテナ)AAに到達する。アレーアンテナAAを構成している複数のアンテナ素子の各々は、1個または複数個の到来波に応答して、受信信号を出力する。反射波の波源として機能する物標の個数がK個(Kは1以上の整数)である場合、到来波の個数はK個であるが、到来波の個数Kは既知ではない。前述したニューラルネットワークを用いた信号処理を実行することにより、到来波の個数Kを従来に比べて少ない演算量で推定することが可能になる。

0134

本実施形態におけるレーダアンテナ10は、車両の前方に位置する物標を検知できるように車両の前面に配置されている。車両に配置されるレーダアンテナ10の個数および位置は、特定の個数および特定の位置に限定されない。レーダアンテナ10は、車両の後方に位置する物標を検知できるように車両の後面に配置されてもよい。また、車両の前面または後面に複数のレーダアンテナ10が配置されていても良い。レーダアンテナ10は、車両の室内に配置されていても良い。特にアレーアンテナAAを構成する各アンテナ素子がホーンアンテナである場合、そのようなアンテナ素子を備えるアレーアンテナは、スペース余裕のある車両の室内に配置され得る。アレーアンテナAAおよび送信アンテナTAが同一の車両に搭載される場合、アレーアンテナAAと送信アンテナTAとの距離は、例えば100ミリメートル以上離れていても良い。

0135

信号処理回路30は、アレーアンテナAAから受信信号を受け取り、処理する。この処理は、受信信号をニューラルネットワークNNへ入力すること、または、受信信号から二次信号を生成して二次信号をニューラルネットワークへ入力することを含む。ニューラルネットワークNNは、受信信号または二次信号と学習データとを用いて演算を行い、到来波の個数を示す信号を出力するように構成されている。

0136

図12の例では、信号処理回路30から出力される信号および画像処理回路52から出力される信号を受け取る選択回路54が物体検知装置400内に設けられている。選択回路54は、信号処理回路30から出力される信号および画像処理回路52から出力される信号の一方または両方を走行支援電子制御装置60に与える。

0137

図13は、本実施形態におけるレーダシステム100のより詳細な構成例を示すブロック図である。

0138

図13に示すように、レーダアンテナ10は、ミリ波の送信を行う送信アンテナTAと、物標で反射された到来波を受信するアレーアンテナAAとを備えている。アレーアンテナAAは、M個(Mは3以上の整数)のアンテナ素子111、112、・・・、11Mを備えている。複数のアンテナ素子111、112、・・・、11Mの各々は、到来波に応答して、受信信号S1、S2、・・・、SM図2)を出力する。

0139

アレーアンテナAAにおいて、アンテナ素子111〜11Mは、例えば、固定された間隔を置いて直線状または面状に配列されている。到来波は、アンテナ素子111〜11Mが配列されている面の法線に対する角度θの方向からアレーアンテナAAに入射する。このため、到来波の到来方向は、この角度θによって規定される。

0140

1個の物標からの到来波がアレーアンテナAAに入射するとき、アンテナ素子111〜11Mには、同一の角度θの方位から平面波が入射すると近似できる。異なる方位にあるK個の物標からアレーアンテナAAにK個の到来波が入射しているとき、相互に異なる角度θ1〜θKによって個々の到来波を識別することができる。

0141

図13に示されるように、物体検知装置400は、送受信回路20と信号処理回路30とを含む。

0142

送受信回路20は、三角波生成回路21、VCO(VoltageContlledOscillator:電圧制御可変発振器)22、分配器23、ミキサ24、フィルタ25、スイッチ26、A/Dコンバータ27、制御器28を備える。本実施形態におけるレーダシステムは、FMCW方式でミリ波の送受信を行うように構成されているが、本開示のレーダシステムは、この方式に限定されない。送受信回路20は、アレーアンテナAAからの受信信号と送信アンテナTAのための送信信号とに基づいて、ビート信号を生成するように構成されている。

0143

信号処理回路30は、距離検出部33、速度検出部34、方位検出部36を備える。信号処理回路30は、送受信回路20のA/Dコンバータ27からの信号を処理し、検出された物標までの距離、物標の相対速度、物標の方位を示す信号をそれぞれ出力するように構成されている。

0144

まず、送受信回路20の構成および動作を詳細に説明する。

0145

三角波生成回路21は三角波信号を生成し、VCO22に与える。VCO22は、三角波信号に基づいて変調された周波数を有する送信信号を出力する。図14は、三角波生成回路21が生成した信号に基づいて変調された送信信号の周波数変化を示している。この波形の変調幅はΔf、中心周波数はf0である。このようにして周波数が変調された送信信号は分配器23に与えられる。分配器23は、VCO22から得た送信信号を、各ミキサ24および送信アンテナTAに分配する。こうして、送信アンテナは、図14に示されるように三角波状に変調された周波数を有するミリ波を放射する。

0146

図14には、送信信号に加えて、単一の先行車両で反射された到来波による受信信号の例が記載されている。受信信号は、送信信号に比べて遅延している。この遅延は、自車両と先行車両との距離に比例している。また、受信信号の周波数は、ドップラー効果により、先行車両の相対速度に応じて増減する。

0147

受信信号と送信信号とを混合すると、周波数の差異に基づいてビート信号が生成される。このビート信号の周波数(ビート周波数)は、送信信号の周波数が増加する期間(上り)と、送信信号の周波数が減少する期間(下り)とで異なる。各期間におけるビート周波数が求められると、それらのビート周波数に基づいて、物標までの距離と、物標の相対速度が算出される。

0148

図15は、「上り」の期間におけるビート周波数fu、および「下り」の期間におけるビート周波数fdを示している。図15グラフにおいて、横軸が周波数、縦軸が信号強度である。このようなグラフは、ビート信号の時間−周波数変換を行うことによって得られる。ビート周波数fu、fdが得られると、公知の式に基づいて、物標までの距離と、物標の相対速度が算出される。本実施形態では、以下に説明する構成および動作により、アレーアンテナAAの各アンテナ素子に対応したビート周波数を求め、それに基づいて物標の位置情報を推定することが可能になる。

0149

図13に示される例において、各アンテナ素子111〜11Mに対応したチャンネルCh1〜ChMからの受信信号は、増幅器によって増幅され、対応するミキサ24に入力される。ミキサ24の各々は、増幅された受信信号に送信信号を混合する。この混合により、受信信号と送信信号との間にある周波数差に対応したビート信号が生成される。生成されたビート信号は、対応するフィルタ25に与えられる。フィルタ25は、チャンネルCh1〜ChMのビート信号の帯域制限を行い、帯域制限されたビート信号をスイッチ26に与える。

0150

スイッチ26は、制御器28から入力されるサンプリング信号に応答してスイッチングを実行する。制御器28は、例えばマイクロコンピュータによって構成され得る。制御器28は、ROMなどのメモリに格納されたコンピュータプログラムに基づいて、送受信回路20の全体を制御する。制御器28は、送受信回路20の内部に設けられている必要は無く、信号処理回路30の内部に設けられていても良い。つまり、送受信回路20は信号処理回路30からの制御信号にしたがって動作してもよい。または、送受信回路20および信号処理回路30の全体を制御する中央演算ユニットなどによって、制御器28の機能の一部または全部が実現されていても良い。

0151

フィルタ25の各々を通過したチャンネルCh1〜ChMのビート信号は、スイッチ26を介して、順次、A/Dコンバータ27に与えられる。A/Dコンバータ27は、サンプリング信号に同期してスイッチ26から入力されるチャンネルCh1〜ChMのビート信号を、サンプリング信号に同期してデジタル信号に変換する。

0152

以下、信号処理回路30の構成および動作を詳細に説明する。本実施形態では、FMCW方式によって、物標までの距離および物標の相対速度を推定する。本開示のレーダシステムは、以下に説明するFMCW方式に限定されず、2周波CWまたはスペクトル拡散などの他の方式を用いても実施可能である。

0153

図13に示される例において、信号処理回路30は、メモリ31、受信強度算出部32、距離検出部33、速度検出部34、DBF(デジタルビームフォーミング)処理部35、方位検出部36、物標引継ぎ処理部37、相関行列生成部(Rxx)38、および学習済みのニューラルネットワークNNを備えている。前述したように、信号処理回路30の一部または全部がFPGAによって実現されていてもよく、汎用プロセッサおよびメインメモリ装置の集合によって実現されていてもよい。メモリ31、受信強度算出部32、DBF処理部35、距離検出部33、速度検出部34、方位検出部36、物標引継ぎ処理部37、およびニューラルネットワークNNは、それぞれ、別個ハードウェハによって実現される個々の部品ではなく、1つの信号処理回路における機能上のブロックであり得る。なおニューラルネットワークNNが複素ニューラルネットワークである場合には、相関行列生成部38を設ける必要はない。相関行列生成部38に代えて、解析信号を生成する回路が設けられればよい。

0154

図16は、信号処理回路30がプロセッサPRおよびメモリ装置MDを備えるハードウェアによって実現されている形態の例を示している。このような構成を有する信号処理回路30も、メモリ装置MDに格納されたコンピュータプログラムの働きにより、受信強度算出部32、DBF処理部35、距離検出部33、速度検出部34、方位検出部36、物標引継ぎ処理部37、相関行列生成部38、学習済みのニューラルネットワークNNの機能が果たされ得る。

0155

本実施形態における信号処理回路30は、デジタル信号に変換された各ビート信号を受信信号の二次信号として、先行車両の位置情報を推定し、推定結果を示す信号を出力するよう構成されている。以下、本実施形態における信号処理回路30の構成および動作を詳細に説明する。

0156

信号処理回路30内のメモリ31は、A/Dコンバータ27から出力されるデジタル信号をチャンネルCh1〜ChMごとに格納する。メモリ31は、例えば、半導体メモリハードディスクおよび/または光ディスクなどの一般的な記憶媒体によって構成され得る。

0157

受信強度算出部32は、メモリ31に格納されたチャンネルCh1〜ChMごとのビート信号(図14下図)に対してフーリエ変換を行う。本明細書では、フーリエ変換後複素数データの振幅を「信号強度」と称する。受信強度算出部32は、複数のアンテナ素子のいずれかの受信信号の複素数データ、または、複数のアンテナ素子のすべての受信信号の複素数データの加算値周波数スペクトルに変換する。こうして得られたスペクトルの各ピーク値に対応するビート周波数、すなわち距離に依存した物標(先行車両)の存在を検出することができる。全アンテナ素子の受信信号の複素数データを加算すると、ノイズ成分が平均化されるため、S/N比が向上する。

0158

物標、すなわち先行車両が1個の場合、フーリエ変換の結果、図15に示されるように、周波数が増加する期間(「上り」の期間)および減少する期間(「下り」の期間)に、それぞれ、1個のピーク値を有するスペクトルが得られる。「上り」の期間におけるピーク値のビート周波数を「fu」、「下り」の期間におけるピーク値のビート周波数を「fd」とする。

0159

受信強度算出部32は、ビート周波数毎の信号強度から、予め設定された数値閾値)を超える信号強度を検出することによって、物標が存在していることを判定する。受信強度算出部32は、信号強度のピークを検出した場合、ピーク値のビート周波数(fu、fd)を対象物周波数として距離検出部33、速度検出部34へ出力する。受信強度算出部32は、周波数変調幅Δfを示す情報を距離検出部33へ出力し、中心周波数f0を示す情報を速度検出部34へ出力する。

0160

受信強度算出部32は、複数の物標に対応する信号強度のピークが検出された場合には、上りのピーク値と下りのピーク値とを予め定められた条件によって対応づける。同一の物標からの信号と判断されたピークに同一の番号を付与し、距離検出部33および速度検出部34に与える。

0161

複数の物標が存在する場合、フーリエ変換後、ビート信号の上り部分とビート信号の下り部分のそれぞれに物標の数と同じ数のピークが表れる。レーダと物標の距離に比例して、受信信号が遅延し、図14における受信信号は右方向にシフトするので、レーダと物標との距離が離れるほど、ビート信号の周波数は、小さくなる。

0162

距離検出部33は、受信強度算出部32から入力されるビート周波数fu、fdに基づいて、下記の式により距離Rを算出し、物標引継ぎ処理部37へ与える。
R={C・T/(2・Δf)}・{(fu+fd)/2}

0163

また、速度検出部34は、受信強度算出部32から入力されるビート周波数fu、fdに基づいて、下記の式によって相対速度Vを算出し、物標引継ぎ処理部37へ与える。
V={C/(2・f0)}・{(fu−fd)/2}

0164

距離R及び相対速度Vを算出する式において、Cは光速度、Tは変調周期である。

0165

なお、距離Rの分解能下限値は、C/(2Δf)で表される。したがって、Δfが大きくなるほど、距離Rの分解能が高まる。周波数f0が約76ギガヘルツGHz)帯の場合において、Δfを600メガヘルツMHz)程度に設定するとき、距離Rの分解能は例えば0.7メートル(m)程度である。このため、2台の先行車両が併走しているとき、FMCW方式では車両が1台なのか2台なのかを識別することは困難である場合がある。このような場合、角度分解能が極めて高い到来方向推定アルゴリズムを実行すれば、2台の先行車両の方位を分離して検出することも可能である。しかし、前述したように、このような到来方向推定アルゴリズムの実行には膨大な演算を高速に実行することが求められる。また、先行車両の走行状況が急変した場合、演算が変化に追い付かず、2台の併走する先行車両の数を誤って1台と推定する可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、ニューラルネットワークNNにより先行車両の配置を少ない演算量によって迅速に把握できるため、そのような誤りを避けることが容易である。

0166

DBF処理部35は、アンテナ素子111、112、・・・、11Mにおける信号の位相差を利用して、入力される各アンテナに対応した時間軸でフーリエ変換された複素データを、アンテナ素子の配列方向にフーリエ変換する。そして、DBF処理部35は、角度分解能に対応した角度チャネル毎のスペクトルの強度を示す空間複素数データを算出し、ビート周波数毎に方位検出部36に出力する。

0167

方位検出部36は、ニューラルネットワークNNによって先行車両の配置を認識するプロセスとは別に、あるいは、そのような先行車両の配置に関する情報を利用して、先行車両の方位を推定するために設けられている。方位検出部35は、算出されたビート周波数毎の空間複素数データの値の大きさのうち、一番大きな値を取る角度θを対象物が存在する方位として物標引継ぎ処理部37に出力する。なお、到来波の到来方向を示す角度θを推定する方法は、この例に限定されない。前述した種々の到来方向推定アルゴリズムを用いて行うことができる。特に本開示の実施形態によれば、先行車両の配置が検知できるため、到来波の個数が既知である。その結果、到来方向推定アルゴリズムによる演算の量を低減して高分解能の方位推定が可能になる。

0168

物標引継ぎ処理部37は、今回算出した対象物の距離、相対速度、方位の値と、メモリ31から読み出した1サイクル前に算出された対象物の距離、相対速度、方位の値とのそれぞれの差分の絶対値を算出する。そして、差分の絶対値の算出部が、それぞれの値毎に決められた値よりも小さいとき、1サイクル前に検知した物標と今回検知した物標とを同じものと判定する。その場合、物標引継ぎ処理部37は、メモリ31から読み出したその物標の引継ぎ処理回数を1つだけ増やす。

0169

物標引継ぎ処理部37は、差分の絶対値が決められた値よりも大きな場合には、新しい対象物を検知したと判断する。物標引継ぎ処理部37は、今回の対象物の距離、相対速度、方位およびその対象物の物標引継ぎ処理回数をメモリ31に保存する。

0170

信号処理回路30で、受信した反射波を基にして生成された信号であるビート信号を周波数解析して得られるスペクトラムを用い、対象物との距離、相対速度を検出することができる。

0171

相関行列生成部38は、メモリ31に格納されたチャンネルCh1〜ChMごとのビート信号(図14の下図)を用いて自己相関行列を求める。数4の自己相関行列において、各行列の成分は、ビート信号の実部および虚部によって表現される値である。相関行列生成部38は、数5に従って演算してベクトルb0を求め、さらに数6に従って規格化したベクトルbを求める。相関行列生成部38は、得られたベクトルbをニューラルネットワークNNへ入力する。

0172

なお、数5に関連して、ベクトルb0は、自己相関行列Rxxの対角成分を除いた上三角行列の要素を実部と虚部とに分けて表現した列ベクトルであると説明した。しかしながら、上三角行列の全部ではなく一部の成分のみを利用して、相関行列生成部38がベクトルb0を生成してもよい。または、相関行列生成部38は、上三角行列の全部または一部に加え、対角成分を含むベクトルb0を生成してもよい。本明細書では、自己相関行列は、上三角行列の一部を少なくとも含んでいればよい。

0173

図12に示す例において、画像処理回路52は、映像から物体の情報を取得し、その物体の情報から物標位置情報を検出する。画像処理回路52は、例えば、取得した映像内オブジェクト奥行き値を検出して物体の距離情報を推定したり、映像の特徴量から物体の大きさの情報等を検出したりすることにより、予め設定された物体の位置情報を検出するように構成されている。

0174

選択回路54は、信号処理回路30及び画像処理回路52から受け取った位置情報を選択的に走行支援電子制御装置60に与える。選択回路54は、例えば、信号処理回路30の物体位置情報に含まれている、自車両から検出した物体までの距離である第1距離と、画像処理回路52の物体位置情報に含まれている、自車両から検出した物体までの距離である第2距離とを比較してどちらが自車両に対して近距離であるかを判定する。例えば、判定された結果に基づいて、自車両に近いほうの物体位置情報を選択回路54が選択して走行支援電子制御装置60に出力し得る。なお、判定の結果、第1距離及び第2距離が同じ値であった場合には、選択回路54は、そのいずれか一方または両方を走行支援電子制御装置60に出力し得る。

0175

物体検知装置400によって先行物体の位置情報を受け取った走行支援電子制御装置60は、予め設定された条件により、物体位置情報の距離や大きさ、自車両の速度、降雨降雪晴天などの路面状態等の条件と併せて、自車両を運転しているドライバに対して操作が安全あるいは容易となるような制御を行う。例えば、走行支援電子制御装置60は、物体位置情報に物体が検出されていない場合、予め設定されている速度までスピードを上げるようにアクセル制御部76に制御信号を送り、アクセル制御部76を制御してアクセルペダルを踏み込むことと同等の動作を行う。

0176

走行支援電子制御装置60は、物体位置情報に物体が検出されている場合において、自車両から所定の距離であることが分かれば、ブレーキバイワイヤ等の構成により、ブレーキ制御部74を介してブレーキの制御を行う。すなわち、速度を落とし、車間距離を一定に保つように操作する。走行支援電子制御装置60は、物体位置情報を受けて、警報制御部72に制御信号を送り、車内スピーカを介して先行物体が近づいていることをドライバに知らせるように音声またはランプ点灯を制御する。走行支援電子制御装置60は、先行車両の配置を含む物体位置情報を受けとり、予め設定された走行速度の範囲であれば、先行物体との衝突回避支援を行うために自動的にステアリングを左右どちらかに操作し易くするか、あるいは、強制的に車輪の方向を変更するようにステアリング側の油圧を制御する等を行うことができる。

0177

受信強度算出部32は、複数の対象物に対応する信号強度のピークが複数検出された場合、上りの部分および下りの部分のピーク値ごとに、周波数が小さいものから順番に番号をつけて、物標出力処理部39へ出力する。ここで、上りおよび下りの部分において、同じ番号のピークは、同じ対象物に対応しており、それぞれの識別番号を対象物の番号とする。なお、煩雑化回避のため、図13では、受信強度算出部32から物標出力処理部39への引出線の記載は省略している。

0178

物標出力処理部39は、対象物が前方構造物である場合に、その対象物の識別番号を物標として出力する。物標出力処理部39は、複数の対象物の判定結果を受け取り、そのどちらもが前方構造物である場合、自車両の車線上にある対象物の識別番号を物標が存在する物体位置情報として出力する。また、物標出力処理部39は、複数の対象物の判定結果を受け取り、そのどちらもが前方構造物である場合であって、2つ以上の対象物が自車両の車線上にある場合、メモリ31から読み出した物標引継ぎ処理回数が多い対象物の識別番号を物標が存在する物体位置情報として出力する。

0179

なお、物標出力処理部39は、受信強度算出部32から物標候補がないという情報が入力された場合には、物標なしとしてゼロを物体位置情報として出力する。そして、選択回路54は、物標出力処理部39からの物体位置情報に基づいて予め設定された閾値と比較することで信号処理回路30あるいは画像処理回路52の物体位置情報を使用するか選択している。

0180

上述の物体検知装置400は、一般的なコンピュータを、上述の各構成要素として機能させるプログラムにより動作させることで実現することができる。このプログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、半導体メモリまたはCD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。

0181

物体検知装置400では、選択回路54が前回検出サイクルにおいて一定時間連続して検出していた物体位置情報のデータで、今回検出サイクルで検出できなかったデータに対して、カメラで検出したカメラ映像からの先行物体を示す物体位置情報が紐付けされれば、トラッキングを継続させる判断を行い、信号処理回路30からの物体位置情報を優先的に出力するようにしても構わない。

0182

信号処理回路30および画像処理回路52の出力を選択回路54に選択するための具体的構成の例および動作の例は、特開2014−119348号公報に開示されている。この公報の内容の全体をここに援用する。

0183

図17は、ニューラルネットワークへの入力としてビート信号を利用しないレーダシステム100aの構成例を示す。レーダシステム100aのハードウェア要素のうち、図13のレーダシステム100と同じハードウェア要素には同じ参照符号を付し、その説明は特に必要がない限り省略する。

0184

レーダシステム100aの物体検知装置400aは、ビート信号を生成することなく、各アンテナ素子のアレー受信信号を信号処理回路30aに送信している。各アレー受信信号は、フィルタ25aによって不要な信号が除去され、スイッチ26aおよびA/Dコンバータ27aによってデジタル信号に変換される。信号処理回路30aは、自己相関行列から得られた非対角成分を用いて列ベクトルb0(数5)を生成し、ニューラルネットワークへの入力として利用する。

0185

各アレー受信信号は、送信波と概ね同じ周波数を有する。例えば、周波数が約76ギガヘルツ(GHz)帯であれば、アレー受信信号の周波数も約76ギガヘルツ(GHz)帯である。アレー受信信号の周波数は、ドップラーシフトが生じる程度は変動し得る。

0186

図17に示す構成例では、図13に示す相関行列生成部38も省略されている。これは、各アンテナ素子のアレー受信信号をそのまま用いてニューラルネットワークNNの学習を行っていることを意味している。自己相関行列を求める必要もないため、信号処理回路30aの演算処理量を大幅に低減できる。

0187

なお、アレー受信信号から自己相関行列を求め、その非対角成分を用いてニューラルネットワークNNの学習を行ってもよい。その場合、図13に示す相関行列生成部38を設ければよい。相関行列生成部38はアレー受信信号から自己相関行列を求め、その非対角成分をニューラルネットワークNNへ入力すればよい。

0188

なお、図面上は、物体検知装置400aは図13に示されるミキサ24を有していないが、これは記載の便宜上省略しているに過ぎない。信号処理回路30aの距離検出部33および速度検出部34は、ビート信号に基づいて距離および速度を検出する。そのため、ビート信号を生成する構成は依然として必要である。図17の三角波生成回路21、VCO22等は、ビート信号を生成することを前提とした構成である。

0189

図18は、車両走行制御装置1(図12)の処理手順を示すフローチャートである。一例として、アダプティブクルーズコントロールモード時の車両制御を説明する。

0190

ステップS40において、車両走行制御装置1は、車載カメラシステム500を用いて、自車両が現在走行している車線を識別する。上述のように、車載カメラシステム500に代えて、または車載カメラシステム500と共に電波を利用して車線を識別してもよい。

0191

ステップS41において、信号処理回路30は、車載カメラシステム500の画像処理回路52から出力された車線位置の情報、および、送受信回路20から出力された受信信号に基づいて、ニューラルネットワークNNを利用した車両識別処理を行う。

0192

ステップS42において、信号処理回路30は、ニューラルネットワークNNからの出力を利用して、先行車両の配置を識別する。

0193

ステップS43において、信号処理回路30は、自車両の車線上に先行車両が存在するかどうかを判定する。先行車両が存在する場合には処理はステップS44に進み、存在しない場合には処理はステップS45に進む。

0194

ステップS44において、走行支援電子制御装置60は、ブレーキ制御部74に指示してブレーキを制御させ、および/またはアクセル制御部76に指示して燃料噴射量を制御させる。これにより、走行支援電子制御装置60は自車両を設定速度以下で走行させることができる。

0195

ステップS45においても、走行支援電子制御装置60は、ブレーキ制御部74に指示してブレーキを制御させ、および/またはアクセル制御部76に指示して燃料噴射量を制御させる。これにより、走行支援電子制御装置60は設定速度および設定距離満足させながら、自車両を先行車両に追従させることができる。

0196

以上、本開示による具体的な実施形態を説明した。

0197

上述の説明では、自車両から同じ距離で併走する先行車両の台数および先行車両が走行している車線を直接識別し、さらにその情報を利用して、アダプティブクルーズコントロールモード時の車両制御方法を例示した。

0198

以下では、自車両から同じ距離で併走する先行車両の台数および先行車両が走行している車線を直接識別した結果を利用するさらに他の例を説明する。

0199

到来方向を示す角度を高い分解能で推定する超分解能到来方向推定には、前述したように、MUSIC法およびESPRIT法のアルゴリズムが用いられる。MUSIC法およびESPRIT法では、アレーアンテナにおける受信信号の自己相関行列について、固有値展開を行って到来波の個数を推定するプロセスが必要であった。例えばMUSIC法では、自己相関行列の固有値のうち、熱雑音電力の分散よりも大きい値を持つ固有値をカウントすることが必要である。この固有値のカウントが正しくないと、到来方向の推定を誤ることになる。

0200

これらのアルゴリズムは、スナップショット数が少ない場合およびコヒーレントな反射波が到来してきたとき、推定の精度が低下してしまう。

0201

MUSIC法およびESPRIT法と同様に高分解能到来方向推定アルゴリズムとして、最尤推定に基づいたSAGE法が注目されている。SAGE法は、MUSIC法およびESPRIT法では精度が低下する環境においても高い推定精度が期待できるアルゴリズムとして知られている。

0202

ただし、SAGE法においては、予備知識として到来波の個数の情報が必要ある。到来波の個数を推定する方法としては、AIC(Akaike Information Criteria)およびMDL(Minimum Description Length)がある。これらの方法では、複数回のデータ収集を行い、その分散を評価することによって到来波数の推定が行われる。

0203

上述の到来波数の推定結果として、本開示によるニューラルネットワークの出力を利用することができる。先行車両の台数が識別されれば、その識別結果を、波源の数すなわち到来波数として利用できるからである。

0204

図19は、SAGE法を利用した到来方向推定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、たとえば信号処理回路30によって実行され得る。

0205

ステップS50において、車両走行制御装置1は、自車両が現在走行している車線を識別する。そしてステップS51において、信号処理回路30は、ニューラルネットワークNNを利用した車両識別処理を行う。

0206

ステップS50およびS51は、図18のステップS40およびS41の処理に対応するため、再度の詳細な説明は省略する。

0207

ステップS52において、信号処理回路30は、ニューラルネットワークの出力から、到来波数Nを特定する。出力結果としてT=[x y]Tまたは、T=[x y z]Tが得られた場合、信号処理回路30は、x、y、zの値が1の個数をカウントし、その数を到来波数Nとして特定する。

0208

次のステップS53以降がSAGE法のアルゴリズムに相当する。SAGE法は、周知のEM(Expectation−Maximization)アルゴリズムの収束速度を速めたアルゴリズムである。

0209

ステップS53において、信号処理回路30は、特定した到来波数Nの情報を用いて、EMアルゴリズムにおける推定するパラメータの集合HをN個の部分集合に分ける。到来波数Nの情報は、SAGE法における部分集合の分割に当たって利用される。

0210

ステップS54において、第n(1≦n≦N)番目の部分集合をHnとし、i回目の推定値Hn[i] (n≠1)を固定して、H1 [i]をEMアルゴリズムで更新する。

0211

EMアルゴリズムは、Eステップと、Mステップからなる逐次アルゴリズムである。EステップおよびMステップは以下の式によって表現される。
Eステップ:Q(H,H[i])=E[f(Y,H)|Y,H[i]]
Mステップ:H[i+1]= arg maxQ(H,H[i])
上述のステップにおいて、f(Y,H)は対数尤度関数、Q(H,H[i])は条件付対数尤度関数、H[i]はi回目のHの推定値、E[|]は条件付き平均操作を表す。

0212

ステップS55において、信号処理回路30は、nの値がNかどうかかを判定する。n=Nでないとき、処理はステップS56に進み、n=Nのとき、処理はステップS57に進む。

0213

ステップS56において、信号処理回路30は、iの値を(i+1)にインクリメントし、再びステップS54の処理を実行する。

0214

上述の処理を繰り返すことにより、H[i]は最尤推定の推定値へ漸近的収束する。

0215

ステップS57において、信号処理回路30は、演算結果を出力する。

0216

以上の処理を一例として理解されるように、本開示によるニューラルネットワークを用いた車両識別処理の結果を到来波数の推定値として利用し、到来波の到来方向を示す角度を求める処理を全体として高速化することが可能である。

0217

上述の実施形態の説明では、レーダシステムは車両の前部に設けられ、先行車両の配置を示す情報を得ると説明した。しかしながら、レーダシステムは車両の後部に設けられてもよい。その場合、レーダシステムは自車両の後ろを走行する後続車両の配置を示す情報を出力することになる。ここでいう「後続車両」は、自車両が走行する車線と同じ車線、またはその車線に隣接する同一方向の車線を走行している。車線変更時に後続車両の配置を把握しておくことは重要である。

0218

本開示は、たとえば先行車両および/または後続車両の配置を認識する処理が必要な車載用レーダシステムに利用可能である。さらに本開示は、認識した先行車両および/または後続車両の配置を到来波の波数の情報として用いて、SAGE法などの最尤推定法などの前処理に利用可能である。

0219

1車両走行制御装置
10レーダアンテナ
111、112、・・・、11Mアンテナ素子
20、20a送受信回路
21三角波生成回路
22VCO
23分配器
24ミキサ
25、25aフィルタ
26、26a スイッチ
27、27a A/Dコンバータ
28制御器
30、30a信号処理回路
31メモリ
32受信強度算出部
33距離検出部
34速度検出部、
35 DBF(デジタルビームフォーミング)処理部
36方位検出部
37物標引継ぎ処理部
50車載カメラ
52画像処理回路
60走行支援電子制御装置
82コンピュータ
84データベース
80通信デバイス
100、100aレーダシステム
300レーダ信号処理装置
400、400a物体検知装置
500車載カメラシステム
AAアレーアンテナ
TA送信アンテナ
NNニューラルネットワーク
AU到来方向推定ユニット
PRプロセッサ
MDメモリ装置
fu 「上り」の期間におけるビート周波数
fd 「下り」の期間におけるビート周波数
S1、S2、・・・、SM受信信号
θ1〜θK到来方向の角度

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