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技術 コーティング剤、被覆食器、及びその製造方法

出願人 玄々化学工業株式会社
発明者 西村勇祐大木博成
出願日 2014年10月8日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2014-206848
公開日 2016年5月12日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2016-074838
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤 食卓容器 食卓用器具 流動性材料の適用方法、塗布方法 高分子成形体の被覆
主要キーワード 樹脂製食器 陶磁器製食器 希釈割合 汚染環境 ABS樹脂 シンジオタクチックポリスチレン樹脂 シリコン系レベリング剤 水系コーティング剤

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図面 (2)

課題

耐汚染性に優れた塗膜を形成することができるコーティング剤、耐汚染性に優れた被覆食器、及びその製造方法を提供すること。

解決手段

樹脂製食器2にイソシアネート系樹脂からなる塗膜を形成するためのコーティング剤である。コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有する。ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体である。また、樹脂製食器2と、これを被覆する塗膜3とを有する被覆食器1及びその製造方法である。塗膜3は、コーティング剤を樹脂製食器2に塗布して硬化させてなる。

概要

背景

陶磁器製食器は、耐汚染性に優れる反面、コストが高く、素材が重いという短所がある。また、陶磁器製食器は、割れたり、かけたりするという短所もある。一方、樹脂製食器は、コストが易く、素材が軽く、割れにくく、かけにくいという長所があるため、そのニーズが高まっている。しかし、樹脂製食器には、陶磁器製食器に比べて汚れが付きやすく、落ちにくいという短所がある。即ち、樹脂製食器は耐汚染性が低いという問題がある。そこで、樹脂製食器にコーティングを施す試みが検討されている。

例えば、2液型ポリウレタン系塗料硬化させてなる塗膜層食器に形成する技術が開発されている(特許文献1参照)。また、ポリシラザンアクリル系樹脂とを含有するコーティング液基材表面に塗り重ねコーティング層を形成する技術が開発されている(特許文献2参照)。

概要

耐汚染性に優れた塗膜を形成することができるコーティング剤、耐汚染性に優れた被覆食器、及びその製造方法を提供すること。樹脂製食器2にイソシアネート系樹脂からなる塗膜を形成するためのコーティング剤である。コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有する。ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体である。また、樹脂製食器2と、これを被覆する塗膜3とを有する被覆食器1及びその製造方法である。塗膜3は、コーティング剤を樹脂製食器2に塗布して硬化させてなる。

目的

そこで、耐汚染性により優れた塗膜を形成できるコーティング剤の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

樹脂製食器の表面にイソシアネート系樹脂からなる塗膜を形成するためのコーティング剤であって、該コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有し、上記ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体であることを特徴とするコーティング剤。

請求項2

上記イソシアネート系重合体は、湿気硬化型であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤。

請求項3

上記イソシアネート系重合体を構成するモノマーが、トリレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート水添キシリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートからなるグループから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング剤。

請求項4

上記イソシアネート系重合体が、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネートのアダクト体、キシリレンジイソシアネートのアダクト体、水添キシリレンジイソシアネートのアダクト体からなるグループから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング剤。

請求項5

上記イソシアネート系重合体が、20〜30質量部のトリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、70〜80質量部のトリレンジイソシアネートのアダクト体との混合物(ただし、イソシアヌレート体とアダクト体との合計が100質量部)、キシリレンジイソシアネートのアダクト体、及び水添キシリレンジイソシアネートのアダクト体からなるグループから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング剤。

請求項6

樹脂製食器と、該樹脂製食器を被覆する塗膜とを有する被覆食器であって、上記塗膜は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング剤の硬化物からなることを特徴とする被覆食器。

請求項7

樹脂製食器と、該樹脂製食器に被覆された塗膜とを有する被覆食器の製造方法において、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング剤を上記樹脂製食器に塗布する塗布工程と、上記樹脂製食器に塗布された上記コーティング剤を硬化させることにより上記塗膜を形成する硬化工程とを有すること特徴とする被覆食器の製造方法。

請求項8

上記硬化工程においては、上記コーティング剤が塗布された上記樹脂製食器を常温放置、又は加熱することを特徴とする請求項7に記載の被覆食器の製造方法。

請求項9

上記硬化工程においては、上記コーティング剤が塗布された上記樹脂製食器を温度80℃以上で加熱することを特徴とする請求項7又は8に記載の被覆食器の製造方法。

請求項10

上記硬化工程においては、上記コーティング剤が塗布された上記樹脂製食器を温水中で加熱することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の被覆食器の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂製食器の表面に塗布して用いられるコーティング剤、該コーティング剤の硬化物からなる塗膜を有する被覆食器、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

陶磁器製食器は、耐汚染性に優れる反面、コストが高く、素材が重いという短所がある。また、陶磁器製食器は、割れたり、かけたりするという短所もある。一方、樹脂製食器は、コストが易く、素材が軽く、割れにくく、かけにくいという長所があるため、そのニーズが高まっている。しかし、樹脂製食器には、陶磁器製食器に比べて汚れが付きやすく、落ちにくいという短所がある。即ち、樹脂製食器は耐汚染性が低いという問題がある。そこで、樹脂製食器にコーティングを施す試みが検討されている。

0003

例えば、2液型ポリウレタン系塗料硬化させてなる塗膜層を食器に形成する技術が開発されている(特許文献1参照)。また、ポリシラザンアクリル系樹脂とを含有するコーティング液基材表面に塗り重ねコーティング層を形成する技術が開発されている(特許文献2参照)。

先行技術

0004

特開2005−230533号公報
特開2008−161856号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来のコーティング剤は、樹脂製食器に対する耐汚染性を十分に向上させるに至っていない。特に、カレー染み等の汚れに対する耐汚染性は未だ不十分である。そこで、耐汚染性により優れた塗膜を形成できるコーティング剤の開発が望まれている。

0006

本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができるコーティング剤、耐汚染性に優れた被覆食器、及びその製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様は、樹脂製食器の表面にイソシアネート系樹脂からなる塗膜を形成するためのコーティング剤であって、
該コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有し、
上記ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体であることを特徴とするコーティング剤にある。

0008

本発明の他の態様は、樹脂製食器と、該樹脂製食器を被覆する塗膜とを有する被覆食器であって、
上記塗膜は、上記コーティング剤の硬化物からなることを特徴とする被覆食器にある。

0009

本発明のさらに他の態様は、樹脂製食器と、該樹脂製食器に被覆された塗膜とを有する被覆食器の製造方法において、
上記コーティング剤を上記樹脂製食器に塗布する塗布工程と、
上記樹脂製食器に塗布された上記コーティング剤を硬化させることにより上記塗膜を形成する硬化工程とを有すること特徴とする被覆食器の製造方法にある。

発明の効果

0010

上記コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有し、ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体である。上記コーティング剤を用いて形成されるイソシアネート系樹脂からなる塗膜は、樹脂製食器に優れた耐汚染性を付与することができる。そして、塗膜が形成された被覆食器は、カレー染み等に対しても優れた耐汚染性を発揮することができる。上記被覆食器は、上述のように、塗布工程と硬化工程とを行うことにより製造することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施例における被覆食器の断面図。

0012

次に、コーティング剤、被覆食器、及びその製造方法の好ましい実施形態について説明する。
コーティング剤は、樹脂製食器(以下、適宜「食器」という)に塗布して塗膜を形成するために用いられる。食器の素材としては、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ABS樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリプロピレン樹脂PP樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂SPS)、ポリフェニレンエーテル樹脂PPE樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂PET樹脂)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(PCT樹脂)、メラミンホルムアルデヒド樹脂MF樹脂)等がある。上記コーティング剤は、いずれの樹脂素材からなる食器に対しても好適である。特に好ましくは、コーティング剤は、ABS樹脂又はPBT樹脂からなる食器に用いられることがよい。この場合には、カレー染みが顕著に付着し易いABS系樹脂又はPBT樹脂からなる食器に対しても、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。

0013

本明細書において、食器は、食事に用いる容器器具の総称であり、食品保存容器等も含まれる。具体的には、例えば皿、椀、コップスプーンフォークナイフ、盆、膳、保存容器等がある。

0014

コーティング剤は、ポリマー成分と溶剤とを少なくとも含有する。ポリマー成分の主成分は、イソシアネート系重合体である。1種類のポリマー成分を含有する場合には、ポリマー成分の主成分はそのポリマー成分のことであり、複数種類のポリマー成分を含有する場合には、最も含有量の高いポリマー成分のことである。ポリマー成分中のイソシアネート系重合体の含有量は、全ポリマー成分100質量部に対して80質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましい。特に好ましくは、全てのポリマー成分がイソシアネート系重合体であることがよい。

0015

イソシアネート系重合体は、湿気硬化型であることが好ましい。この場合には、硬化が容易になり、硬化のために高温での加熱が必ずしも必要なくなる。そのため、耐熱性の低い樹脂からなる食器に対しても上記コーティング剤を用いることが可能になる。また、湿気硬化型のイソシアネート系重合体の硬化物からなる塗膜は、カレー染み等に対する耐汚染性がより優れる。

0016

溶剤としては、イソシアネート系重合体を溶解又は分散させることできる物質を用いることができる。具体的には、例えば、酢酸エチル酢酸ブチルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステルを用いることができる。なお、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の比較的沸点の高い酢酸エステルは、溶剤としてだけでなく、塗膜の乾燥を遅らせる遅延剤リターダー)としての役割も果たすことができる。また、溶剤としては、その他にも、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトントルエンキシレンミネラルスピリットソルベントナフサメチルシクロヘキサンエチルシクロヘキサン等を用いることができる。溶剤としては、上述の物質のうちの1種類、又は2種類以上の混合物を用いることができる。

0017

コーティング剤は、他の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えばレベリング剤消泡剤反応促進剤硬化促進剤)等がある。コーティング剤は、一液型であっても、二液型であってもよい。二液型のコーティング剤の場合には、例えば、ポリマー成分と溶剤とを含む第1液と、添加剤と溶剤とを含む第2液とにより、コーティング剤を構築することができる。

0018

被覆食器は、樹脂製食器とこれを被覆する塗膜とを有し、塗膜はコーティング剤の硬化物からなる。被覆食器の製造においては、コーティング剤を樹脂製食器に塗布する塗布工程と、樹脂製食器に塗布されたコーティング剤を硬化させることにより上記塗膜を形成する硬化工程とを行う。硬化は、コーティング剤を塗布した樹脂製食器を室温で放置したり、加熱したりすることにより行うことができる。加熱により硬化時間を短くすることができる。加熱温度の上限は、食器の素材の耐熱性に応じて決定することができる。

0019

(実施例1)
次に、コーティング剤、及びこれを塗布して作製した被覆食器の実施例及び比較例について説明する。本例においては、組成が異なる複数のコーティング剤を用いて被覆食器を作製し、その耐汚染性等の特性を評価する。図1に示すごとく、被覆食器1は、樹脂製食器2と、これを被覆する塗膜3とを有する。塗膜3は、コーティング剤の硬化物からなる。

0020

本例においては、表1及び表2に示すごとく、29種類のコーティング剤(試料X1〜X29)を作製した。表1に示すごとく、試料X1〜X21は、湿気硬化型のイソシアヌレート系ポリマーがポリマー成分の主成分であるコーティング剤である。表2に示すごとく、試料X22〜X29は、イソシアヌレート系ポリマー以外のポリマーがポリマー成分の主成分であるコーティング剤である。表1及び表2に示すごとく、各ポリマー成分、溶剤、添加剤を所定の割合で配合することにより、コーティング剤(試料X1〜X29)を作製した。

0021

0022

0023

なお、表1及び表2における略称は、次の物質を意味する。
TDI:トリレンジイソシアネート
TMP:トリメチロールプロパン
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
PDIイソホロンジイソシアネート
XDI:キシリレンジイソシアネート
H6XDI:水添キシリレンジイソシアネート
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート

0024

また、表1の試料X1〜X21及び表2の試料X22〜X25においては、添加剤として、シリコン系消泡剤と、シリコン系レベリング剤と、アミン系反応促進剤とを用いた。ポリエステル系コーティング剤である試料X26においては、添加剤として、シリコン系消泡剤と、シリコン系レベリング剤と、コバルト塩からなる反応促進剤と、メチルエチルケトンパーオキサイドからなる触媒とを用いた。UV硬化型コーティング剤である試料X27においては、添加剤として、シリコン系消泡剤と、シリコン系レベリング剤と、光重合開始剤とを用いた。水系コーティング剤である試料X28及び試料X29においては、シリコン系消泡剤と、シリコン系レベリング剤と、アルコール系溶剤からなる造膜助剤とを用いた。

0025

次に、各試料のコーティング剤(試料X1〜X29)を用いて、樹脂製食器2に塗膜3を形成することにより、被覆食器1を作製した(図1参照)。本例における樹脂製食器2は、ABS樹脂又はPBT樹脂からなる皿である。

0026

具体的には、まず、イソプロピルアルコールを用いて、樹脂製食器の表面の脱脂を行った。次いで、各試料のコーティング剤を塗装に好適な粘度となるように希釈し、スプレーにより、樹脂製食器に塗布した。塗布量は、50〜70g/m2の範囲内に調整した。また、後述の乾燥後の塗膜の膜厚が30〜40μmとなるように、希釈割合と乾燥前の塗布量の調整を行った。

0027

次に、コーティング剤が塗布された食器を異なる乾燥条件により、乾燥させてコーティング剤を硬化させることにより塗膜を形成した。具体的には、次の(1)〜(4)のいずれかの乾燥及び硬化条件により塗膜を形成した。
(1)コーティング剤を塗布した食器を常温(23℃)で1週間放置させることにより、乾燥及び硬化を行って塗膜を形成した。
(2)コーティング剤を塗布した食器を常温(23℃)で30分間放置して乾燥させた後、温度80℃の恒温器内で1時間放置することによりコーティング剤を硬化させた。
(3)コーティング剤を塗布した食器を常温(23℃)で30分間放置して乾燥させた後、温度80℃の恒温器内で1時間放置し、さらに60℃の温水中に1時間浸漬することによりコーティング剤を硬化させた。
(4)コーティング剤を塗布した食器を常温(23℃)で30分間放置して乾燥させた後、温度120℃の恒温器内で1時間放置することによりコーティング剤を硬化させた。

0028

上記(1)〜(3)の条件の乾燥及び硬化においては、ABS樹脂からなる食器を用いた。また、上記(4)の条件の乾燥及び硬化においては、PBT樹脂からなる食器を用いた。

0029

次に、各試料のコーティング剤を用いて塗膜を形成した食器(被覆食器)について、耐汚染性の評価を行った。具体的には、まず、ヱスビー食品株式会社製のカレー粉サラダ油に濃度50質量%の割合で溶解させることにより、カレー溶液を作製した。次に、カレー溶液を被覆食器1の塗膜3上に滴下した後、被覆食器1を温度120℃の恒温器内で2時間放置した(図1参照)。次いで、被覆食器1を水洗し、乾燥させた後、カレー溶液を滴下した部分の着色(色残り)の有無を目視にて判定した。カレー染みによる着色の痕跡がなかった場合を「○」とし、痕跡が僅かにある場合を「△」とし、痕跡がはっきりとある場合を「×」として評価した。その結果を表3及び表4に示す。
また、上述のカレー溶液を被覆食器1の塗膜3上に滴下した後、被覆食器1を1000Wの電子レンジにより30秒間加熱した。次いで、被覆食器1を水洗し、乾燥させた後、カレー溶液を滴下した部分の着色の有無を目視にて判定した。判定基準は上述の通りである。その結果を表3及び表4に示す。

0030

また、塗膜を形成するためのコーティング剤としての基本的な特性の評価を行った。具体的には、乾燥性、割れ、発泡レベリングタレ抵抗性ツヤ、変色の評価を行った。これらの評価は、上記の(4)の条件の乾燥及び硬化条件で作製した塗膜について行った。その結果を表3及び表4に示す。

0031

乾燥性の評価においては、塗膜の表面を指で触れたときのべたつき感を調べると共に、爪の裏側で塗膜の表面をこすった後、傷の痕跡の有無を目視にて調べた。べたつきが無く、傷の痕跡もない場合を「○」とし、べたつきはないが僅かに傷の痕跡がある場合を「△」とし、べたつきがあり傷の痕跡もある場合を「×」として評価した。

0032

割れの評価においては、塗膜の表面の割れの有無を目視にて判定した。割れが全くない場合を「○」とし、僅かに割れがある場合を「△」とし、著しい割れがある場合を「×」として評価した。

0033

発泡の評価においては、塗膜の表面の発泡状態を目視により判定した。発泡がない場合を「○」とし、僅かに細かい発泡がある場合を「△」とし、全面に発泡がある場合を「×」として評価した。

0034

レベリングの評価においては、塗膜表面平滑性を目視により判定した。表面が平滑である場合を「○」とし、表面に僅かに凹凸がある場合を「△」とし、表面に多くの凹凸がある場合を「×」として評価した。

0035

タレ抵抗性の評価においては、各コーティング剤を垂直面に塗布して乾燥させたときのタレの程度を判定した。タレがなかった場合を「○」とし、僅かにタレがある場合を「△」とし、著しくタレがある場合を「×」として評価した。

0036

ツヤの評価においては、塗膜表面の光沢(ツヤ)の状態を目視により判定した。表面が高光沢である場合を「○」とし、僅かにつや引けがある場合を「△」とし、大幅にツヤ引けがある場合を「×」として評価した。

0037

変色の評価においては、塗膜表面の変色の度合いを目視により判定した。変色がない場合を「○」とし、僅かに変色がある場合を「△」とし、黄色系の色に変色した場合を「×」として評価した。

0038

0039

0040

表1〜表4より知られるごとく、ポリマー成分の主成分がイソシアネート系重合体である試料X1〜X21のコーティング剤を用いることにより、試料X22〜X29に比べて耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。試料X1〜X21は、湿気硬化型のイソシアネート系重合体を含有している。そのため、硬化時には、大気又は温水中に含まれる水とイソシアネート系重合体との反応により、イソシアネート間に尿素結合が形成され、硬化が進行する。その結果、カレー等の汚れに対して優れた耐汚染性を発揮できる塗膜の形成が可能になる。

0041

カレーのスパイスウコンターメリック)中には、下記の式(1)で表されるクルクミンケト体)という色素が含まれている。クルクミン色素は、水に難溶であり、紫外光可視光に弱いという性質を有している。このクルクミン色素が、カレー染みの原因となる。試料X1〜X21のコーティング剤を用いて形成された塗膜は、クルクミン色素の沈着を防止することにより、特にカレー等の汚れに対して優れた耐汚染性を発揮できると推察される。

0042

0043

試料X1〜X21は、例えばABS樹脂やPBT樹脂からなる食器のように、カレーによる汚染が顕著に起こり易い素材に対しても優れた耐汚染性を発揮することができる。また、試料X1〜X21は、温度120℃の恒温器による加熱だけでなく、乾燥・硬化条件によっては、1000Wの電子レンジ加熱というより厳しい汚染環境に対しても、優れた耐汚染性を発揮することができる。

0044

また、表1及び表3より知られるように、イソシアネート系重合体を構成するモノマーは、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)からなるグループから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合には、優れた耐汚染性を確実に発揮できる塗膜を形成することができる。さらに、乾燥・硬化条件等を調整することにより、耐汚染性をより向上させることができる。

0045

また、試料X1〜X11、試料X16、試料X17、及び試料X19〜X21のように、イソシアネート系重合体は、TDIのイソシアヌレート体、TDIのアダクト体、XDIのアダクト体、H6XDIのアダクト体からなるグループから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合には、表1及び表3より知られるごとく、塗膜の耐汚染性をより向上させることができる。より好ましくは、試料X6〜X8、試料X16、及び試料X17のように、イソシアネート系重合体は、20〜30質量部のトリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、70〜80質量部のトリレンジイソシアネートのアダクト体との混合物(ただし、イソシアヌレート体とアダクト体との合計が100質量部)、キシリレンジイソシアネートのアダクト体、及び水添キシリレンジイソシアネートのアダクト体からなるグループから選ばれる少なくとも1種であることがよい。この場合には、表1及び表3に示すごとく、塗膜の耐汚染性をより向上させつつ、乾燥性、割れなどの塗膜の基本性能をより向上させることができる。

0046

樹脂製食器の表面に塗膜が形成された被覆食器を製造するにあたっては、本例のように、塗布工程と硬化工程とを行う。塗布工程においては、コーティング剤を樹脂製食器に塗布する。次いで、硬化工程においては、樹脂製食器に塗布されたコーティング剤を硬化させる。硬化工程は、コーティング剤が塗布された樹脂製食器を常温で放置、又は加熱することにより行うことができる。常温で放置する場合には、硬化時間が長くなるが、耐熱性の低い様々な樹脂素材からなる食器に対しても、塗膜の形成が可能になる。加熱を行うことにより、硬化時間を短縮することができる。さらに、試料X1〜X21のコーティング剤においては、加熱により、塗膜の耐汚染性がより向上する傾向にある(表3参照)。

実施例

0047

また、硬化工程においては、コーティング剤を塗布した樹脂製食器を温度80℃以上で加熱したり、温水中で加熱したりすることが好ましい。この場合には、耐汚染性により優れた塗膜を形成することができる。

0048

1被覆食器
2樹脂製食器
3 塗膜

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