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技術 スライディングノズル装置の下ノズル

出願人 品川リフラクトリーズ株式会社
発明者 森脇宏治溝淵文彦
出願日 2014年10月3日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2014-204747
公開日 2016年5月12日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-073984
状態 特許登録済
技術分野 鋳造用とりべ 連続鋳造
主要キーワード 平均使用回数 スライディング装置 鉄ケース 外周温度 ノズル類 膨張反応 中間ノズル メタルケース
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

スライディングノズル装置の下ノズルの繰り返し使用による亀裂からの吸気溶損を抑制する。

解決手段

非酸化性雰囲気中、1500℃で2時間焼成による残存寸法変化率が0.0%〜0.8%である下ノズル。残存寸法変化率が0.0%未満では亀裂進展による吸気・溶損を抑制することができないので好ましくない。0.8%を超えると逆に反応時の膨張が大きすぎるため、外周側の亀裂が開き内周面側の膨張効果が相殺され、結果として吸気しやすくなるため好ましくない。さらに好ましくは0.05%以上0.5%以下である。

概要

背景

取鍋からタンディッシュ、タンディッシュから鋳型溶鋼注入する時の流量制御にはスライディングノズル装置が用いられる。

図1は、スライディングノズル装置を示す図である。取鍋あるいはタンディッシュに配設された上ノズルの下面に上プレート1が配設され、当該上プレート1の下側に下プレート2が以下に記述するノズル類とともにスライド可能に配設される。前記、下プレート2の下部に1または2のチューブ状の整流用のノズルが介在され、その下部にタンディッシュに溶鋼を注入するロングノズル5(または鋳型に溶鋼を注入する場合は浸漬ノズル)が接合される。

前記、整流用のノズルは、上プレート1と下プレート2との間でのプレート絞りにより発生する溶鋼の偏流整流に変えるために、下プレート2とロングノズル(あるいは浸漬ノズル)5との間に介在される。当該整流用のノズルが2個の場合は中間ノズル3と下ノズル4と呼ばれるが両者とも同様の機能を果たすため、中間ノズル3と下ノズル4は同様の特性を必要とされる。以下の説明では中間ノズルも含めて下ノズル10と称する。

下ノズル10には耐スポーリング性耐食性コスト等で有利なアルミナカーボン質不焼成れんがが一般に適用される。前記上下のプレート1、2と下ノズル10はスライディング装置に装着され取鍋に固定されているため、鋳造終了後は取鍋とともに整備場まで移動・整備され、繰り返し鋳造に使用される。

前記、下ノズル10は使用時には溶鋼が内管を通過するため急激な温度上昇に曝されスポーリング亀裂が発生する。

前記、亀裂の発生を抑える目的で、特開昭58−104063号公報(特許文献1)や、特開平6−277824号公報(特許文献2)に、材質面から亀裂発生の少ない下ノズルを得ようとする試みがなされている。

また、特開平11−114666号公報(特許文献3)、では、下ノズルを外側から鉄皮拘束し、更に、その下部に補強用の鉄皮を被せ、構造面から下ノズルを強化しようとする試みがなされている。

また、特開2011−161472号公報(特許文献4)では、下ノズルと、この下ノズルに接合される鋳造用ノズルとの接合部において、下ノズルの内径よりも鋳造用ノズルの内径を小さくすることで、下ノズルに亀裂が発生したとしても、吸気しにくい構造が提案されている。

更に、特許第5129636号(特許文献5)には、径方向多層構造として1500℃から室温まで冷却した際の収縮率を径方向の内側で大きく、外側で小さくし、かつ前記収縮率の差を0.25%以下とする提案がなされている。当該特許文献5に開示の発明は、ノズルの内面と外面の温度差がない浸漬ノズルを想定したものであり、下ノズルのように内面温度が高く、外周温度が低い条件で使用される場合には適用できない。また、多層構造は製造し難いこともあり下ノズルへの適用は困難である。

概要

スライディングノズル装置の下ノズルの繰り返し使用による亀裂からの吸気・溶損を抑制する。非酸化性雰囲気中、1500℃で2時間焼成による残存寸法変化率が0.0%〜0.8%である下ノズル。残存寸法変化率が0.0%未満では亀裂進展による吸気・溶損を抑制することができないので好ましくない。0.8%を超えると逆に反応時の膨張が大きすぎるため、外周側の亀裂が開き内周面側の膨張効果が相殺され、結果として吸気しやすくなるため好ましくない。さらに好ましくは0.05%以上0.5%以下である。なし

目的

本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、スライディングノズル装置の下ノズルを繰り返し使用する際に発生する亀裂からの吸気・溶損を抑制するとともに、鋳片品質の向上を図ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

非酸化性雰囲気、1500℃で2時間焼成による残存寸法変化率が0〜0.8%であることを特徴とするスライディングノズル装置の下ノズル

技術分野

0001

本発明は、スライディングノズル装置に関し、特にスライディングノズル装置の下ノズルに関するものである。

背景技術

0002

取鍋からタンディッシュ、タンディッシュから鋳型溶鋼注入する時の流量制御にはスライディングノズル装置が用いられる。

0003

図1は、スライディングノズル装置を示す図である。取鍋あるいはタンディッシュに配設された上ノズルの下面に上プレート1が配設され、当該上プレート1の下側に下プレート2が以下に記述するノズル類とともにスライド可能に配設される。前記、下プレート2の下部に1または2のチューブ状の整流用のノズルが介在され、その下部にタンディッシュに溶鋼を注入するロングノズル5(または鋳型に溶鋼を注入する場合は浸漬ノズル)が接合される。

0004

前記、整流用のノズルは、上プレート1と下プレート2との間でのプレート絞りにより発生する溶鋼の偏流整流に変えるために、下プレート2とロングノズル(あるいは浸漬ノズル)5との間に介在される。当該整流用のノズルが2個の場合は中間ノズル3と下ノズル4と呼ばれるが両者とも同様の機能を果たすため、中間ノズル3と下ノズル4は同様の特性を必要とされる。以下の説明では中間ノズルも含めて下ノズル10と称する。

0005

下ノズル10には耐スポーリング性耐食性コスト等で有利なアルミナカーボン質不焼成れんがが一般に適用される。前記上下のプレート1、2と下ノズル10はスライディング装置に装着され取鍋に固定されているため、鋳造終了後は取鍋とともに整備場まで移動・整備され、繰り返し鋳造に使用される。

0006

前記、下ノズル10は使用時には溶鋼が内管を通過するため急激な温度上昇に曝されスポーリング亀裂が発生する。

0007

前記、亀裂の発生を抑える目的で、特開昭58−104063号公報(特許文献1)や、特開平6−277824号公報(特許文献2)に、材質面から亀裂発生の少ない下ノズルを得ようとする試みがなされている。

0008

また、特開平11−114666号公報(特許文献3)、では、下ノズルを外側から鉄皮拘束し、更に、その下部に補強用の鉄皮を被せ、構造面から下ノズルを強化しようとする試みがなされている。

0009

また、特開2011−161472号公報(特許文献4)では、下ノズルと、この下ノズルに接合される鋳造用ノズルとの接合部において、下ノズルの内径よりも鋳造用ノズルの内径を小さくすることで、下ノズルに亀裂が発生したとしても、吸気しにくい構造が提案されている。

0010

更に、特許第5129636号(特許文献5)には、径方向多層構造として1500℃から室温まで冷却した際の収縮率を径方向の内側で大きく、外側で小さくし、かつ前記収縮率の差を0.25%以下とする提案がなされている。当該特許文献5に開示の発明は、ノズルの内面と外面の温度差がない浸漬ノズルを想定したものであり、下ノズルのように内面温度が高く、外周温度が低い条件で使用される場合には適用できない。また、多層構造は製造し難いこともあり下ノズルへの適用は困難である。

先行技術

0011

特開昭58−104063号公報
特開平6−277824号公報
特開平11−114666号公報
特開2011−161472号公報
特許第5129636号

発明が解決しようとする課題

0012

近年は、下ノズルに要求される使用回数は著しく増加しており、亀裂からの吸気、溶損の発生、更に、溶損箇所孔あきあるいは亀裂からの吸気による溶鋼の成分の変化による鋳片の品質低下の問題が発生している。従って、スライディングノズル装置において、安定操業と鋳片品質の両面から、繰り返しの使用による亀裂からの吸気抑制は重要な課題となっている。

0013

しかしながら、材質面から亀裂発生を押さえるようとする、特許文献1や特許文献2に開示の試みでは、亀裂の発生を完全に抑制はできず、少ないながらも発生した亀裂が繰り返し使用により、開き吸気経路となるため、吸気を抑え切れなかった。

0014

特許文献3は、下ノズルに鉄皮を被せて亀裂の発生を抑えようとするものではあるが、繰り返し使用されると鉄皮が熱により劣化して亀裂の発生・開きを抑制するのに十分な拘束力が得られなくなり、亀裂からの吸気・溶損を充分に防止することはできなかった。

0015

特許文献4は、構造面から亀裂の発生をおさえようとするものであるが、嵌合部以外に発生した亀裂が繰り返し加熱により貫通してしまうため、この場合も繰り返しの使用による吸気を完全に止めることはできなかった。

0016

更に、特許文献5は、上記したように、ノズルの内面と外面の温度差がない浸漬ノズルを想定したものであり、下ノズルには適用できない。

0017

このことから、繰り返しの使用下では、亀裂の発生そのものを抑えるためだけ材料面、構造面からの改良には限界があり、むしろ、亀裂の発生が吸気に至らないようにする観点からの解決を見出す必要がある。

0018

本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、スライディングノズル装置の下ノズルを繰り返し使用する際に発生する亀裂からの吸気・溶損を抑制するとともに、鋳片品質の向上を図ることを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0019

本発明は、スライディングノズル装置の下ノズルであって、非酸化性雰囲気中、1500℃で2時間焼成による残存寸法変化率が0.0%〜0.8%であることを特徴とするものである。

0020

前記、残存寸法変化率は0.0%以上、0.8%以下が好ましい。0.0%未満では亀裂進展による吸気・溶損を抑制することができないので好ましくない。0.8%を超えると逆に反応時の膨張が大きすぎるため、外周側の亀裂が開き内周面側の膨張効果が相殺され、結果として吸気しやすくなるため好ましくない。さらに好ましくは0.05%以上0.5%以下である。

発明の効果

0021

本発明によって、スライディングノズル装置の下ノズルを繰り返し使用する際に発生する亀裂からの吸気・溶損を抑制することができ、また連続鋳造中における下ノズルからの吸気による鋳片トラブルを抑制し、鋳片品質の向上を図ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明が適用されるスライディングノズル装置用下ノズルを示す図。
残存寸法変化率と吸気・溶損発生数との関係を示す図。
鉄ケースで覆った下ノズルを示す図。

実施例

0023

<考察>
上述のように下ノズルの大半は使用初期熱スポーリングによる亀裂が発生する。しかしながら、下ノズルに亀裂が発生しても必ず吸気が発生し溶損を生じるのではなく、亀裂が発生するが吸気が起こらない場合がしばしば認められる。また、亀裂が発生しても、直に吸気に至るのではなく、繰り返しの使用で吸気に至ることが認められる。この吸気・溶損は使用回数が4chを超えると発生頻度が増加する傾向が見られ、繰り返し使用されて使用回数が増えた時にその危険性が増すものと考えられる。

0024

使用回数によって吸気・溶損の発生頻度の増加の傾向が見られる現象について以下のように考えられる。すなわち、下ノズルはチューブ状の内管を溶鋼が通過するため、外周から内周に向かって温度が高くなっている。この際、外周側で引っ張り応力が働き亀裂が発生するが、内周側は圧縮応力が働くため、亀裂の進展は厚さ方向の途中で止まる。しかし、溶鋼排出後には内周側からの冷却があるため、内周表面が収縮して、内周表面から外周に向かって亀裂が進展する。これを繰り返すと外側からの亀裂と内側からの亀裂が徐々に延びてついには連続することで、吸気に至るものと推定される。

0025

この推定に基づいて、使用中に亀裂の進展を抑制する手法について検討した。

0026

すなわち、下ノズルを構成する耐火材料中で溶鋼排出時の高温によって意図的に体積膨張を伴う反応を起こさせることで、耐火物内部に適当な圧縮応力を発生させることができ、それによって、亀裂が進展しない条件、すなわち、亀裂からの吸気・溶損を抑制できる条件を作り出せるものと考えられる。

0027

いいかえると、使用時においても、冷却時においても、ノズルの内部の一部でも常に圧縮状態におくことができるならば、亀裂は外周から起こったとしても、内周から起こったとしても、それ以上肉厚の内側に亀裂が進展せず、亀裂が外周側と内周側とで連結しないと推定される。

0028

高温における体積膨張を伴う反応による膨張を比較するパラメータとして残存寸法変化率がある。そこで、高温で膨張を伴う反応を起こす2原料活用や、高温で膨張を伴う相転移を起こす原料の活用、また高温で酸素窒素と反応して膨張反応を起こす金属などの活用によって、様々な残存寸法変化率を有する下ノズルを作成し、外周をメタルケース被覆して実機使用を行い、吸気・溶損の発生頻度と残存寸法変化率との関係を検討した。

0029

その結果、特定の範囲での残存寸法変化率を持つ下ノズルでは亀裂の発生はあるものの、吸気・溶損に至らないことを確認した。すなわち、非酸化性雰囲気中、1500℃で2時間焼成による残存寸法変化率が0.0%〜0.8%であるスライディングノズル装置の下ノズルを提案するに至った。

0030

<範囲>
上記において、残存線変化率は、JIS R 2208によって1500℃で2時間の条件で求める値とする。下ノズルの使用回数が4回目以降で亀裂からの吸気・溶損の頻度が増加する傾向があることから、1回の使用時間を30分として4回使用の時間である2時間を試験時間とした。加熱条件は、非酸化性焼成とする。酸化性雰囲気中で加熱すると、下ノズルに含有するカーボン酸化してしまうため好ましくない。非酸化性雰囲気とする方法は各種の方法を利用できるが、例えば、コークスブリーズ中に埋め込んで焼成する、窒素ガスアルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成するなどなどの方法がある。

0031

残存寸法変化率は0.0%以上、0.8%以下が好ましい。0.0%未満では亀裂進展による吸気・溶損を抑制することができないので好ましくない。0.8%を超えると逆に反応時の膨張が大きすぎるため、外周側の亀裂が開き稼働面側の膨張効果が相殺され、結果として吸気しやすくなるため好ましくない。さらに好ましくは0.05%以上0.5%以下である。

0032

残存寸法変化率は、耐火物としては一般的な特性であり、様々な原因で変化することは良く知られている。例えば、同一の化学組成の配合であっても、粒度分布が異なるだけでも残存寸法変化率が変化する。そのため、本発明を適用するに当たっては、基準となる下ノズルの配合をベースにして、残存膨張を大きくする、あるいは小さくするなどの方法をとって、本発明の示す適正範囲に残存寸法変化率を調整することが好ましい。

0033

尚、残存寸法変化率の値が正の場合を残存膨張と称し、逆に、負の場合を残存収縮と称する。

0034

残存寸法変化率を、大きくする方法として、たとえば、高温で空気中の酸素や窒素と反応して体積膨張する金属、炭化物、窒化物等を適量添加する方法などを適宜選択できる。また、MgOとAl2O3との反応によりスピネルを生成する反応のように、高温での反応により体積膨張を起こすような成分を添加する。また、石英のα相からβ相への相転移の様に、膨張を伴う相転移を起こす原料を添加する等、その他、いずれの方法でも本発明品に適用可能である。高温での反応で残存膨張を付与する場合、不焼成材質とするのが一般的である。

0035

一方、残存寸法変化率を小さくする方法としては、上記方法によって残存寸法変化率が大きくなっているのであれば、その量を制限するなどの対策を取ればよい。また、高温において収縮する原料を添加すること。また、高温で焼結収縮を促進させる原料を添加する等、その他のいずれの方法を用いても残存収縮の方向に調整することが可能である。

0036

具体的には、下記の実施例の表1にその例を示した。

0037

本発明のスライディングノズル装置の下ノズルは、一般には耐スポーリング性に優れるアルミナカーボン材質が適用されている。しかしながら、本発明品は、下ノズル材質として必要な耐スポーリング性や耐溶損性を損なわない範囲で、残存寸法変化率以外の特性値は任意に設定できる。

0038

本発明品に使用できる骨材原料としては特に限定されることはないが、例えば、アルミナ、マグネシア、スピネル、ジルコニア、アルミナ・ジルコニア電融原料、ジルコニア・ムライトロー石原料、ばん土頁岩ボーキサイト粘土、SiO2原料等、一般に使用されている耐火物原料を使用できる。

0039

また、カーボン原料としては、カーボンブラック鱗状黒鉛,土状黒鉛コークス粉無煙炭粉末ピッチ等の炭素原料を添加することもできる。必要に応じて、金属、炭化物、窒化物等も使用でき、例えば金属としてはSi、AlまたはSiやAlを含む合金など、炭化物としてはSiC, B4Cなど、窒化物としてはSi3N4、AlN、BNなどを使用することができる。

0040

バインダーとしてはフェノール樹脂が一般的で、レゾールタイプ、ノボラックタイプいずれも使用することができる。

0041

以上の範囲で混合した原料を混練して成型不焼成耐火物とし、以下の実施例に供した。図3に示すように、中間ノズル3や下ノズル4(下ノズル10)の周囲にモルタルを介して鉄ケース6をセットし、外周を鉄皮で被覆してもよい。

0042

<実施例および比較例>
高温で相互に反応し膨張する原料の混合や、高温で膨張を伴う相転移を起こす原料、また高温で酸素や窒素と反応して膨張反応を起こす金属などを利用し、アルミナカーボン材質をベースとして、様々な残存寸法変化率を有する表1示す配合の下ノズルを作成した。残存寸法変化率は、JIS R 2208によって、形状が50mm×50mm×50mmの試料を用い、コークスブリーズ中1500℃、2時間焼成して求めた。

0043

外周をメタルケースで被覆して300t溶鋼取鍋のスライディングノズル装置の中間ノズルとして各材質10個を実機使用し、吸気・溶損の発生頻度と残存寸法変化率との関係を検討した。各材質において10個の平均使用回数は6チャージ以上であり各ノズルは通常の回数、繰り返し使用されたと判断した。

0044

吸気・溶損の評価は下ノズルの垂直な方向での切断面において、内管に目視で見られる亀裂に沿った溶損による深さが5mm以上の凹み部である場合に吸気・溶損とみなした。10本使用中の吸気・溶損の発生回数が1回以下のものを良好と判断した。

0045

結果を図2に示す。残存寸法変化率が0〜0.8%の範囲内で吸気・溶損の発生回数が1回以下となり、それ以上でも以下でも吸気・溶損の発生回数が増加する結果となった。

0046

表1において、実施例1、実施例3、比較例1は不焼成アルミナカーボン材質の金属Al添加量を変化させたもので、金属AlとN2との反応による膨張反応が加熱中に起こり残存膨張が付与されるが、その値は添加Al量の影響を受けAl添加量が多いほど残存寸法変化率が大きくなる傾向をもつ。

0047

実施例2,5はジルコニア・ムライト中のジルコニアの冷却中の相転移による膨張の影響で残存膨張が付与されているものと考えられ、実施例4はロー石原料中の石英の昇温中の相転移による膨張の影響で残存膨張が付与されているものと考えられる。

0048

実施例8と比較例3はMgOを含むアルミナ・マグネシア・カーボン材質であるが、MgOとAl2O3の反応によりスピネルが生成し、その反応に伴う膨張の影響で残存膨張が付与されていると考えられ、MgO添加量が多いほど残存寸法変化率は大きくなり、添加量が25%と多い比較例3は残存寸法変化率が0.87%となった。

0049

実施例6、7、9は、上記の残存膨張を付与できることがわかった原料を組み合わせたものである。比較例2は、加熱により収縮挙動を示すシャモット原料を用いたことで残存収縮となったと推測される。

0050

0051

上記したように、スライディングノズル装置の下ノズルを繰り返し使用する際に発生する亀裂からの吸気・溶損を抑制することができ、また連続鋳造中における下ノズルからの吸気による鋳片トラブルを抑制し、鋳片品質の向上を図ることが可能となる。

0052

1 上プレート
2 下プレート
3中間ノズル
4 下ノズル
5ロングノズルまたは浸漬ノズル
6鉄ケース
10 下ノズル

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