図面 (/)

技術 太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法及び当該製法によって得られる太陽電池モジュール

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 山中直人在原慶太西川仁飯泉安広
出願日 2014年10月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2014-202702
公開日 2016年5月9日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2016-072541
状態 特許登録済
技術分野 光起電力装置 積層体(2)
主要キーワード 押出し荷重 樹脂メッシュ 溶融形成 計測評価 プラストメータ 円筒容器内 パーフルオロアルキルビニル 一体成形体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

耐熱性を有し、且つ、封止材シートに求められる埋まり込み性及び生産性両立した太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法を提供する。

解決手段

接着剤により形成された接着剤層基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程を含む太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法であって、接着剤に所定量の架橋剤を含有させることによって、封止材シートの耐熱性、埋まり込み性及び封止材一体化裏面保護シートの生産性を両立することのできる太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法である。

概要

背景

太陽電池モジュール用の封止材シートとしては、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂とし、架橋剤と、架橋助剤とを含有する構成が知られている。この場合、上記の組成物は、押し出し成形時架橋反応が進むと、成形時の負荷が過大となり生産性が低下、或いは成形不能となってしまうため、一般的に50℃〜90℃の低温加熱による押し出しで未架橋のまま成形される。そして、通常は成形後に応力緩和のためのアニール処理を経て、真空加熱ラミネートによるモジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋される。

一方、EVAの欠点である水蒸気バリア性の低下という問題を解決するため、ポリエチレン系樹脂ベースの封止材シートも知られている。

特許文献1には、密度0.900g/cm3以下の低密度ポリエチレンと、架橋剤と、架橋助剤と、を含有する封止材組成物溶融形成して未架橋の封止材シートを得るシート化工程と、この未架橋の封止材シートを、ゲル分率が2%以上80%以下となるように架橋処理する架橋工程と、を備える太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法が開示されており、特許文献1と同様に、後のモジュール化工程における架橋処理を不要とする架橋済の封止材シートが得られる。

概要

耐熱性を有し、且つ、封止材シートに求められる埋まり込み性及び生産性を両立した太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法を提供する。接着剤により形成された接着剤層基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程を含む太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法であって、接着剤に所定量の架橋剤を含有させることによって、封止材シートの耐熱性、埋まり込み性及び封止材一体化裏面保護シートの生産性を両立することのできる太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

密度0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物溶融形成して封止材シートを得る封止材シート化工程と、前記封止材シートの少なくとも一方の面上に、接着剤により形成された接着剤層基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に前記封止材シートを架橋する架橋工程と、を含み、前記接着剤は、樹脂と、硬化剤と、架橋剤とを含み、前記樹脂中の前記架橋剤の含有量が15.0質量%以上30.0質量%以下である太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

請求項2

前記溶融形成の前において、前記封止材シートを形成する前記樹脂組成物が、実質的に架橋剤を含有しない樹脂組成物である請求項1に記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

請求項3

前記架橋剤の1分間半減期温度が130℃以上190℃未満である請求項1又は2に記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

請求項4

前記基材層がPETフィルム又はフッ素系樹脂フィルムである請求項1から3のいずれかに記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

請求項5

前記架橋工程が下記の架橋条件による熱架橋工程である請求項1から4のいずれかに記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。架橋条件:前記封止材シートが150℃以上190℃以下となる範囲で10分間以上温度を保持する。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法により製造される封止材一体化裏面保護シートを積層してなる太陽電池モジュール。

技術分野

0001

本発明は太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法及び当該製法によって得られる太陽電池モジュールに関する。

背景技術

0002

太陽電池モジュール用の封止材シートとしては、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂とし、架橋剤と、架橋助剤とを含有する構成が知られている。この場合、上記の組成物は、押し出し成形時架橋反応が進むと、成形時の負荷が過大となり生産性が低下、或いは成形不能となってしまうため、一般的に50℃〜90℃の低温加熱による押し出しで未架橋のまま成形される。そして、通常は成形後に応力緩和のためのアニール処理を経て、真空加熱ラミネートによるモジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋される。

0003

一方、EVAの欠点である水蒸気バリア性の低下という問題を解決するため、ポリエチレン系樹脂ベースの封止材シートも知られている。

0004

特許文献1には、密度0.900g/cm3以下の低密度ポリエチレンと、架橋剤と、架橋助剤と、を含有する封止材組成物溶融形成して未架橋の封止材シートを得るシート化工程と、この未架橋の封止材シートを、ゲル分率が2%以上80%以下となるように架橋処理する架橋工程と、を備える太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法が開示されており、特許文献1と同様に、後のモジュール化工程における架橋処理を不要とする架橋済の封止材シートが得られる。

先行技術

0005

特開2012−248605号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1の封止材シートは、架橋工程によって架橋処理されることで耐熱性を向上させることができる。しかしながら、シート化工程において、架橋剤の1分間半減期温度以上に溶融温度を上げた場合には、封止材組成物がシート化される前に封止材組成物に含まれる架橋剤によって、架橋し硬化するおそれがある。そのため、封止材シートの成形性を保つには架橋剤の1分間半減期温度以下にまで溶融温度を下げなければならず生産性の観点から好ましいものとはいえない。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、鋭意研究を行った結果、封止材シートの一方の面上に、接着剤により形成された接着剤層基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程を含む太陽電池モジュール用封止材一体化裏面保護シートの製造方法において、接着剤に所定量の架橋剤を含有させることにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。

0008

(1)密度0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物を溶融形成して封止材シートを得る封止材シート化工程と、前記封止材シートの少なくとも一方の面上に、接着剤により成形された接着剤層と基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層工程の後に前記封止材シートを架橋する架橋工程と、を含み、前記接着剤は、樹脂と、硬化剤と、架橋剤とを含有する接着剤固形成分を含み、前記架橋剤の含有量が前記接着剤固形成分全体の15.0質量%以上30.0質量%以下である太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

0009

(2) 前記溶融形成の前において前記封止材シートを形成する前記樹脂組成物が、実質的に架橋剤を含有しない樹脂組成物である(1)に記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

0010

(3) 前記架橋剤の1分間半減期温度が130℃以上190℃未満である(1)又は(2)に記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

0011

(4) 前記基材層がPETフィルム又はフッ素系樹脂フィルムである(1)又は(3)に記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。

0012

(5) 前記架橋工程が下記の架橋条件による熱架橋工程である(1)から(4)のいずれかに記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法。
架橋条件:前記封止材シートが150℃以上190℃以下となる範囲で10分間以上温度を保持する。

0013

(6) (1)から(5)のいずれかに記載の封止材一体化裏面保護シートの製造方法により製造される封止材一体化裏面保護シートを積層してなる太陽電池モジュール。

発明の効果

0014

本発明の太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法によれば、ポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物を溶融形成して封止材シートを得る封止材シート化工程における溶融によって樹脂組成物の架橋反応が進行しない。そのため、極めて生産性の高い太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法である。

図面の簡単な説明

0015

本発明の封止材一体化裏面保護シートについて、その層構成の一例を示す断面図である。

0016

以下、本発明の太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シート(本明細書において、単に「封止材一体化裏面保護シート」ともいう。)の製造方法について詳細に説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。

0017

[架橋剤]
本実施形態は、主として接着剤層を成形する接着剤に架橋剤が含まれることを特徴とする。そのような架橋剤としては特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリルアゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウレートジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。

0018

本実施形態の接着剤への架橋剤の含有量は、樹脂中の15.0質量%以上30.0質量%であり、20.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。このような範囲であることで、封止材シートに架橋剤を浸透させることができるため、その後の架橋工程において封止材シートを十分に架橋させることができる。十分に架橋することで、封止材シートを耐熱性、密着性、透明性のあるものとすることができる。この場合において、樹脂中の架橋剤の含有量が15.0質量%未満であると、封止材シートの架橋が不十分となるため、耐熱性や透明性が悪化し、30.0質量%を超えると、接着剤層の接着性が低下する。

0019

本発明は、架橋剤を含む接着剤層を積層させることで、架橋剤が封止材シートに分散されることを特徴とする。そのため、封止材シートを得る工程において樹脂組成物の溶融温度を上昇させても、架橋反応は進行せず、シート化工程において樹脂組成物の溶融温度を自由に選択することができる。したがって、本発明の太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シートの製造方法は、生産性の観点から良好である。

0020

[封止材一体化裏面保護シートの製造方法]
本発明は、(A)密度0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物を溶融形成して封止材シートを得る封止材シート化工程と、(B)封止材シートの少なくとも一方の面上に、接着剤により形成された接着剤層と基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程と、(C)積層工程後に前記封止材シートを架橋する架橋工程からなる。以下、それぞれの工程に分けて順次説明する。

0021

<(A)封止材シート化工程>
本実施形態の基材シートを製造するための組成物(以下、単に、「組成物」ともいう。)は、密度が0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を90%以上含有する樹脂組成物を含有する。

0022

[ポリエチレン系樹脂]
本発明においては密度が0.900g/cm3以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレンLLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、本発明においては、その密度が0.900g/cm3以下、好ましくは0.870g/cm3以上0.890g/cm3以下の範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。

0023

本発明においてはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマー分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能である。又、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。従って、封止材シートが透明前面基板太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。

0024

直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、封止材シートに良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、封止材シートと基材との密着性が高まり、封止材シートと基材との間への水分の浸入を抑えることができる。

0025

ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレートMFR)は、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、2g/10分以上40g/10分以下であることが更に好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れる。

0026

明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。

0027

なお、多層フィルムである封止材シートについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記処理による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止材シートのMFR値とした。

0028

本実施形態における「ポリエチレン系樹脂」には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種グラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。

0029

なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と封止材シートとの接着性が得られる。

0030

シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性耐光性耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。

0031

α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンイソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンより選択される1種以上を使用することができる。

0032

エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。

0033

その他の不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニルアクリル酸メタクリル酸メチルアクリレートメチルメタクリレートエチルアクリレートビニルアルコールより選択される1種以上を使用することができる。

0034

ラジカル重合開始剤としては、例えば、ラウロイルパーオキシドジプロピオニルパーオキシドベンゾイルパーオキシドジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、分子状酸素、アゾビスイソブチロニトリルアゾイソブチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。

0035

連鎖移動剤としては、例えば、メタンエタンプロパンブタンペンタン等のパラフィン系炭化水素、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドn−ブチルアルデヒド等のアルデヒドアセトンメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン芳香族炭化水素塩素化炭化水素等を使用することができる。

0036

ランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法、或いは、グラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法としては、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩チタン酸エステル及びキレート化物等の有機金属化合物有機塩基無機酸、及び、有機酸等のシラノール縮合触媒等を使用し、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とのランダム共重合体或いはグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分のシラノール間の脱水縮合反応等を行うことにより、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体の変性ないし縮合体を製造する方法が挙げられる。

0037

シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材シートの接着性を向上することができる。

0038

α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含有量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001質量%以上15質量%以下、好ましくは、0.01質量%以上5質量%以下、特に好ましくは、0.05質量%以上2質量%以下が望ましいものである。本実施形態において、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含有量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含有量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。

0039

樹脂組成物に含まれる上記の密度0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂の含有量は、封止材組成物中に90質量%以上であればよく、99.9質量%以上であることが好ましい。その範囲内において、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば0.900g/cm3を超える他のポリエチレン系樹脂等が例示できる。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用できる。

0040

[その他の成分]
組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本実施形態の太陽電池モジュール用封止材組成物から作製された封止材シートに耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー光安定化剤、紫外線吸収剤熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、太陽電池モジュール用封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変ひび割れ等の防止効果等を付与することができる。

0041

耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、封止材シートに良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる直鎖低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。

0042

なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。

0043

更に、本実施形態の太陽電池モジュール用封止材組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、シランカップリング剤等の接着性向上剤核剤分散剤レベリング剤可塑剤消泡剤難燃剤等を挙げることができる。

0044

本発明においては、溶融形成前において樹脂組成物が、実質的に架橋剤を含有しない組成物であることが好ましいが、組成物に対する架橋剤の含有量が、一般的な架橋処理の場合よりも少ない特定の範囲の含有量となるように架橋剤を使用することもできる。その場合、架橋剤の含有量は、好ましくは樹脂組成物中0.2質量%以下、より好ましくは樹脂組成物中0.1質量%以下である。この範囲を超えると、成形性が低下する。尚、本発明における「実質的に架橋剤を含有せず」とは、架橋効果を示さない程度の量が不純物的に含有しても本発明の範囲内であることを意味し、その量は例えば組成物中に0.001質量%未満である。

0045

<積層工程(B)>
積層工程(B)は、封止材シート化工程(A)で得た封止材シートの少なくとも一方の面上に、接着剤により形成された接着剤層と基材層をこの順に積層して積層体を形成する積層工程である。

0046

図1により説明すると、封止材シート2と接着剤層3と基材層4がこの順に積層して積層体を形成する。接着剤層は樹脂と、硬化剤と、架橋剤とを含む接着剤を用いる。

0047

(接着剤層)
接着剤層3は、主として封止材シート2と基材層4を接合するために設けられる層である。本実施形態において接着剤層3は、基材層4の上面、又は、該上面に対向する封止材シート2の下面に塗布された接着剤が積層後に硬化することによって形成される。後述する通り、本実施形態に係る封止材一体化裏面保護シートにおいて接着剤層3は封止材シート2に接触して配置していればその配置はこれに限定されるものではない。

0048

接着剤層3には、十分な接着性と接着耐久性が求められるが、本実施形態に係る封止材一体化裏面保護シートにおいては、そのような特性に加えて、架橋剤が含まれていることが重要である。

0049

接着剤に含まれる架橋剤の含有量は全樹脂中15.0質量%以上30.0質量%以下であり、20.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。このような範囲であることで、封止材シートに架橋剤を浸透させることができるため、その後の架橋工程において封止材シートを十分に架橋させることができる。

0050

架橋剤の中でも特に1分間半減期温度が130℃以上190℃未満の架橋剤を用いることが好ましい。この温度範囲内であれば、モジュール化工程におけるラミネート時の温度で架橋剤が反応するので耐熱性が向上する。

0051

架橋剤は接着剤層から封止材シート内部に含浸されていき、略均一に、又は高濃度の表面側から所定の濃度勾配をもって低濃度の内部に分散する。このことは、赤外吸収スペクトルによって架橋剤のピークを確認することで、架橋剤が最表面に局在せず内部に含浸していると確認することができる。また、封止材シート中の架橋剤量ガスクロマトグラフにより定量が可能である。

0052

本実施形態は、本積層工程において架橋剤を接着剤層から浸透させることによって封止材シートに分散される。このように各工程を経ることで、シート化工程において樹脂組成物の溶融温度を上昇させても、封止材シートの架橋に起因する太陽電池セルの埋まり込み性が悪化しない。そのため、シート化工程において樹脂組成物の溶融温度を自由に選択することができ、生産性の観点から良好な封止材一体化裏面保護シートの製造方法である点が本発明の特徴である。

0053

接着剤層に用いる接着剤組成物は、好ましくは主剤と硬化剤からなる2液タイプであり、更に上記のように架橋剤を含み、塗布性ハンドリング性の観点から、適宜溶剤が含まれる。

0054

[主剤]
主剤成分は、ポリウレタンジオール脂肪族ポリカーボネートジオールとの混合物を含む、ポリウレタンポリカーボネートジオール系が好ましい。主剤を構成するポリウレタンジオール及び脂肪族ポリカーボネートジオールは、ともに水酸基を有するポリオールであり、イソシアネート基を有する硬化剤と反応して、接着剤層を構成するものである。本実施形態においては、主剤を特定のポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールを所定量配合した混合物とすることによって、接着剤層の接着性及び耐候性を向上させることができる。

0055

主剤成分のポリウレタンジオールは、ウレタン構造をその繰り返し単位とし、その両末端に水酸基を有するポリウレタンである。ポリウレタンジオールの数平均分子量は、7000以上13000以下であることが好ましい。7000以上であると、硬化剤との反応性がよいため好ましく、13000以下であると溶剤への溶解が向上するためで好ましい。

0056

ポリウレタンジオールの水酸基価は、10mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。ポリウレタンジオールの水酸基価が10mgKOH/g以上であると、添加された硬化剤成分の多くが主剤成分に含まれる水酸基と反応することとなり好ましく、50mgKOH/g以下であると硬化剤との反応がより進行するため好ましい。

0057

ポリウレタンジオールは、接着剤の主剤成分として、その接着性及び耐候性を向上させるため、脂肪族ポリカーボネートジオールと、1,6ヘキサンジオールイソホロンジイソシアネートを反応させて得られることを特徴としている。以下、ポリウレタンジオールの構成成分である脂肪族ポリカーボネートジオール、1,6ヘキサンジオール及びイソホロンジイソシアネートについて説明する。

0058

脂肪族ポリカーボネートジオールは、下記のイソホロンジイソシアネートと反応することができるポリウレタンジオールの構成成分である。脂肪族ポリカーボネートジオールは、カーボネート構造を繰り返し単位とし、その両末端に水酸基を有するものである。その両末端の水酸基は、イソシアネート基と硬化反応することができる。

0059

脂肪族ポリカーボネートジオールは、アルキレンカーボネートジオール原料に用いて製造する方法、ジアルキルカーボネートジアリールカーボネートとジオールを用いて製造する方法等を用いて製造することができる。本実施形態において使用される脂肪族ポリカーボネートジオールは、主剤成分に必要とされる性能に応じて、上記製造方法を適宜選択することにより製造することができる。

0060

脂肪族ポリカーボネートジオールの製造に使用できるアルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネートトリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート等が挙げられる。又、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネートジエチルカーボネートジプロピルカーボネート等が、ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。

0061

ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等の側鎖を持たないジオール、2−メチル−1,8オクタンジオールネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール等の側鎖を持ったジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の環状ジオールを挙げることができる。なお、1種類のジオールを使用してもよいし、2種類以上のジオールを原料とした共重合ポリカーボネートジオールでもよい。

0062

脂肪族ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、1000以上2000以下であることが好ましい。1000以上であると、ジイソシネートとの硬化反応が起こり易いため好ましく、2000以下であると接着剤成分である溶剤への溶解性が向上するため好ましい。ポリカーボネートジオールの製造においては、モノマーの反応性が高く、高分子量化し易いため、所定の数平均分子量を有するポリカーボネートジオールを得るためには、反応速度等の制御が必要となる。

0063

脂肪族ポリカーボネートジオールは、市販のものを使用することもできる。耐久性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性に優れた接着剤を得るため、例えば、数平均分子量1000の脂肪族ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT5651」)、数平均分子量2000の脂肪族ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT5662」)を好適に使用することができる。

0064

1,6ヘキサンジオールは、脂肪族ジオールであり、下記イソホロンジイソシアネートと反応してポリウレタンジオールを形成することができる。1,6ヘキサンジオールは、常温で液状を示すもので、接着剤成分である溶剤に溶解し得るものである。

0065

1,6ヘキサンジオールとともにポリエステルジオールを使用することができる。ポリエステルジオールは、1,6へキサンジオールと同様に水酸基を2つ以上有するポリオールであるが、その基本骨格に嵩高い芳香族環を有するカルボン酸とのエステルとすることもできることから、イソホロンジイソシアネートと反応して得られるポリウレタンジオールに優れた硬化速度凝集力を付与することができる。ポリエステルジオールとしては、例えば、イソフタル酸を使用して製造した芳香族ポリエステルジオールを挙げることができる。なお、本実施形態においてポリエステルジオールは、定法に従って、所定のカルボン酸化合物とジオールの組み合わせを採択することによって製造することができる。

0066

ポリエステルジオールの数平均分子量は、3000以上4000以下であることが好ましい。ポリエステルジオールの数平均分子量が3000以上であると、硬化剤との反応性がよくなるため好ましく、ポリエステルジオールの数平均分子量が4000以下であると溶剤への溶解性が向上するため好ましい。

0067

イソホロンジイソシアネートは、ポリウレタンジオールの構成成分であり、脂環族系ポリイソシアネートである。イソホロンジイソシアネートは、上記脂肪族ポリカーボネートジオール、1,6ヘキサンジオール又はポリエステルジオールの水酸基と反応し、主剤成分であるポリウレタンジオールを形成する。

0068

以上説明した脂肪族ポリカーボネートジオールと、脂肪族ジオールとイソホロンジイソシアネートを溶剤に溶解させ、混合し加熱還流することにより反応させて、主剤成分であるポリウレタンジオールの溶液を得ることができる。上記反応においては、脂肪族ポリカーボネートジオールと脂肪族ジオールのそれぞれが有する両末端の水酸基がイソホロンジイソシアネートのイソシアネート基と反応し、ウレタン結合を形成して硬化する。

0069

主剤成分であるポリウレタンジオールを製造する反応系における1,6ヘキサンジオールの配合量は、脂肪族ポリカーボネートジオール100質量部に対し、5質量部以上15質量部以下、好ましくは2質量部以上8質量部以下であることが好ましい。1,6ヘキサンジオールの配合量が5質量部以上であると、耐久性のある接着剤成分を得ることができるため好ましく、15質量部以下であると溶剤への溶解性が向上するため好ましい。

0070

又、ポリウレタンジオールを製造する反応系におけるポリエステルジオールの配合量は、脂肪族ポリカーボネートジオール100質量部に対し、50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。ポリエステルジオールの配合量が50質量部以上であると、耐久性のある接着剤成分を得ることができるため好ましく、100質量部以下であると溶剤への溶解性が向上するため好ましい。

0071

なお、脂肪族ポリカーボネートジオールと、脂肪族ジオールとイソホロンジイソシアネートを反応させる場合に使用することができる溶剤としては、これらの化合物を溶解させることができ、溶剤と反応しないものであれば、特に制限されるものではないが、溶剤等との相溶性とラミネート時の加工性の観点より酢酸エチル等のカルボン酸エステル系の溶剤を挙げることができる。

0072

主剤成分である脂肪族ポリカーボネートジオールは、イソシアネート基を有する硬化剤成分と反応する。脂肪族ポリカーボネートジオールは、ポリウレタンジオールを製造する際に使用した上記の脂肪族ポリカーボネートジオールと同一のものを使用することができる。

0073

主剤成分は、上記説明したポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールとの混合物である。混合物中におけるポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールの質量比率は、ポリウレタンジオール100質量部に対して、脂肪族ポリカーボネートジオール10質量部以上20質量部以下であることが好ましい。脂肪族ポリカーボネートジオールの量が10質量部以上であると、密着力が適度に低下するため好ましく、20質量部以下であると、ポリウレタンジオールと硬化剤との反応が起こり易くなるため好ましい。

0074

なお、主剤には、主剤成分であるポリウレタンジオール、脂肪族ポリカーボネートジオールの他に、必要に応じて、粘着付与剤安定化剤充填剤、可塑剤、軟化点向上剤触媒等を添加剤として混合することができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂テルペン系樹脂等が挙げられる。安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤等が挙げられる。充填剤としては、無機フィラー等が挙げられる。

0075

[硬化剤]
接着剤の硬化剤は、ポリイソシアネート化合物を主成分とするものである。ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、このイソシアネート基が上記主剤のポリウレタンジオール化合物中の水酸基と反応することにより、ポリウレタンジオール化合物を架橋する。このようなポリイソシアネート化合物としては、上記主剤のポリウレタンジオール化合物を架橋することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」)、イソシアヌレート変性のイソホロンジイソシアネート(以下、「ヌレート変性IPDI」)等を例示することができる。これらのポリイソシアネート化合物の中でも、HDIとヌレート変性IPDIとを組み合わせた混合物が水酸基に対する反応性を向上させる観点より好ましい。なお、硬化剤をHDIとヌレート変性IPDIとの混合物とする場合、HDIとヌレート変性IPDIは、70:30〜50:50(質量比)の範囲で使用することが好ましい。

0076

[主剤と硬化剤の配合]
接着剤成分は、主剤と硬化剤を主成分とするものであるが、主剤と硬化剤の配合比率は、(ポリイソシアネート化合物由来のイソシアネート基)/(ポリウレタンジオール化合物由来の水酸基)の比が1.0以上3.5以下の範囲であることが好ましく、更に、1.2以上3.0以下の範囲にあることが好ましい。主剤成分のポリウレタンジオール化合物と硬化剤成分のポリイソシアネート化合物との配合比率が上記範囲にあることにより、各基材を強固に接合することができる接着剤を得ることができるため好ましい。

0077

[添加剤]
上記の他、必要に応じてシランカップリング剤、粘着付与剤、安定化剤、顔料、充填剤、可塑剤、軟化点向上剤、触媒等を添加剤として混合することができる。シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシランメチルトリエトキシシラン等のシランモノマー、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン等のメタクリルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のエポキシシランを挙げることができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤等が挙げられる。充填剤としては、無機フィラー等が挙げられる。

0078

なお、上記シランカップリング剤の添加量は、接着剤の主剤と硬化剤との合計100質量部に対し、1質量%以上3質量%以下のシランカップリング剤であることが好ましい、シランカップリング剤の添加量が1質量%以上であると密着力が良好となるため好ましく、3質量%以下であると耐久性が向上するため好ましい。

0079

[溶剤]
上記の接着剤組成物として、良好な塗布性及びハンドリング適正を得るために、溶剤成分を添加することが好ましい。このような溶剤成分としては、上記酢酸エチル、酢酸メチルプロピオン酸メチル等のカルボン酸エステルを挙げることができるがこれに限定されない。なお、既に述べたように上記接着剤は、主剤と硬化剤の2液剤として構成されるが、主剤で使用される溶剤成分と硬化剤で使用される溶剤成分はそれぞれ独立に選択され、同一でも異なっていてもよい。

0080

(接着剤層の形成)
以上説明した接着剤組成物を封止材シート2及び/又は基材層4上に塗布又は積層して乾燥硬化することにより接着剤層3を形成することができる。塗布の方法としては、ロールコート法グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、或いは、印刷法等によって塗布することができる。塗布量は3.0g/m2以上7.0g/m2以下とし、接着剤層3の厚さは、3.0μm以上7.0μm以下の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、太陽電池モジュール用のシート積層部材に必要な接着強度等に応じて適宜変更すればよい。

0081

なお、接着剤組成物はこれに限らず、水性型、溶液型、エマルジョン型分散型等のいずれの組成物形態でもよく、又、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。溶液型の接着剤とする場合は、全固形物中の質量比で、主剤樹脂が20質量%以上60質量%以下となるように混合した固形物を溶剤に添加して、該固形物の全組成物中での質量比が10%以上60%以下となるように組成物を調整すればよい。

0082

[基材層]
基材層4は、封止材一体化裏面保護シートが太陽電池モジュールに使用された際に、太陽電池モジュールの裏面側の表面に位置する。そのため、基材層4は、耐候性、耐熱性、耐光性等に優れたものを使用する。このような樹脂シートとしては、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFAテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDFポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂等の樹脂シートが好ましく例示される。

0083

又、フッ素系樹脂等の樹脂シートの他にもポリエチレンテレフタレート(PET)に酸化チタン等の白色顔料包含させた白色PETや、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)又は変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)等の表面に更にコーティング又はラミネートにより耐侯性樹脂を積層した樹脂シートも好ましく用いることができる。ここで、ポリエチレンテレフタレート(PET)とは、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)も含まれる。耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、東洋紡社製シャインビーム耐加水分解性ポリエステルフィルム)等が挙げられる。なお、更に積層する耐侯性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂アクリル樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂等を例示することができるが、特に限定されない。

0084

尚、特に、封止材一体化裏面保護シートに水蒸気バリア性等のガスバリア性を付与する必要がある場合、基材層の表面に金属酸化物からなる透明な蒸着層を形成してもよい。この場合、蒸着させる金属酸化物の種類や蒸着層の厚さ等は、封止材一体化裏面保護シートに要求される性能等を考慮して適宜設定すればよい。

0085

<架橋工程(C)>
架橋工程(C)とは、積層工程後に前記封止材シートを架橋する工程である。架橋工程によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材シートとするのが好ましい。

0086

架橋工程は、加熱処理が好ましいが、それに限らずUV(紫外線)やEB(電子線)等の電磁波による架橋処理であってもよい。加熱処理の場合、個別の架橋条件は特に限定されず、一般的な架橋処理条件の範囲内で、トータルな処理結果として、上記のゲル分率となるように適宜設定すればよい。なお、架橋処理が加熱処理である場合には、アニール処理を兼ねてもよい。

0087

加熱処理による熱架橋によって架橋を行う場合には、例えば、封止材シートが150℃以上190℃以下となる範囲で10分間以上温度を保持することによって架橋することができる。

0088

上記の架橋工程を経ることによって、封止材シートのゲル分率が2%以上80%以下となり、架橋済封止材シートとなる。ゲル分率は2%以上80%以下であることが好ましく、30%以上80%以下であることが更に好ましい。ゲル分率が2%未満ではゲル分率が上記範囲であることで、過度の流動を抑制しつつ、凹凸への封止性を良好に維持できる。尚、ゲル分率を30%以上とすることで、成形時の寸法安定性を極めて高いものとすることができる。

0089

なお、ゲル分率(%)とは、封止材0.1gを樹脂メッシュに入れ、60℃トルエンにて4時間抽出したのち、樹脂メッシュごと取出乾燥処理量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率としたものである。

0090

<太陽電池モジュール及びその製造方法>
太陽電池モジュールは、本実施形態の封止材一体化裏面保護シートの封止材間に太陽電池素子を積層させ、更に透明前面基板を積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。

0091

以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0092

<ポリエチレン系樹脂の原料>
ベース樹脂:密度0.880g/cm3、190℃でのMFRが3.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE1)ペレットを用いた。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cm3であり、190℃でのMFRが2g/10分であるM−LLDPE2の98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
架橋剤マスターバッチ:M−LLDPE1ペレット100質量部に対して、架橋剤として、2,5‐ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(アルケマ吉富株式会社製、商品名ルペロックス101、1分間半減期温度が181℃)0.5質量部を含浸させ、マスターバッチを得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレン粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。

0093

<(A)封止材シートの製造>
<<封止材シート1>>
ベース樹脂86質量部、シラン変性透明樹脂5質量部、耐候性マスターバッチ9質量部、を組成物とし(架橋剤なし)、単層φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで押し出し成形して厚さ400μmの基材シートを製造した。この封止材シートの密度は0.880g/cm3、190℃でのMFRは0.24g/10分であった。

0094

<<封止材シート2>>
ベース樹脂79質量部、シラン変性透明樹脂5質量部、架橋剤マスターバッチ7質量部、耐候性マスターバッチ9質量部、を組成物とし(樹脂中の架橋剤量は、全樹脂中0.035質量%)、単層φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで押し出し成形して厚さ400μmの基材シートを製造した。この封止材シートの密度は0.880g/cm3、190℃でのMFRは0.24g/10分であった。

0095

<(B)積層体の形成>
[接着剤]
[主剤]
窒素雰囲気下、攪拌機窒素導入管を備えたフラスコに、エチレングリコール(32.3質量部)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(270.8質量部)、1,6−ヘキサンジオール(122.9質量部)、アジピン酸(228.1質量部)、イソフタル酸(664質量部)を加え、180℃から220℃にて窒素にてバブリングさせ、酸価2mgKOH/gまで反応させ、酢酸エチル(860質量部)を加え、ポリエステルジオールHの50%溶液を得た。得られた樹脂の水酸基価は、32mgKOH/gであり、数平均分子量は約3500であった。

0096

窒素雰囲気下、攪拌機を備えたフラスコに数平均分子量1000の脂肪族ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT5651」以下、「PDC1000」と略す。)を100質量部、上記ポリエステルジオールH(50質量部)、1,6−ヘキサンジオール(2質量部)、イソホロンジイソシアネート(23.8質量部)、酢酸エチル(175.8質量部)を加え、赤外線吸収スペクトルにて、2270cm−1のイソシアネートの吸収が消失するまで加熱還流させ、ポリウレタンジオールの50%溶液を得た。得られた樹脂の水酸基価は、14mgKOH/gであり、数平均分子量は約8000であった。

0097

上記のポリウレタンジオール100質量部と脂肪族ポリカーボネートジオール(B)(PDC1000)の15質量部を混合して主剤を調整した。

0098

[硬化剤]
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIアダクト:2官能)とイソシアヌレート変性のイソホロンジイソシアネート(ヌレート変性IPDI)の混合物を使用した。上記アダクト変性HDI及びヌレート変性IPDIの混合比(HDIアダクト)/(ヌレート変性IPDI)を6:4(質量比)とした。
架橋剤:2,5ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(ルペロックス101、1分間半減期温度:181℃、自己促進分解温度:86℃)
溶剤:酢酸エチル
上記主剤(固形分率84.1質量%)、上記硬化剤(固形分率15.9質量%)とし、上記架橋剤を、表1に示すだけ上記溶剤に溶解させた。

0099

[封止材一体化裏面保護シート]
上記封止材シート1(架橋剤なし)又は封止材シート2(架橋剤量として全樹脂中0.014質量%)の一方の面上に、上記接着剤をグラビアコートし(塗布量:5g/m2)その上に基材シート(PETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」)厚さ188μm)積層し、乾燥(80℃、30秒)、エージング(60℃、120時間)及び以下の架橋条件のもと架橋工程(熱架橋:170℃以下で10分間)を行い、実施例及び比較例の封止材一体化裏面保護シートを得た。

0100

なお、実施例1の封止材一体化裏面保護シートを封止材シート側から赤外吸収スペクトルを測定したところ、架橋に由来するC=C又はC=O結合と見られるピークが存在したことから、実施例1の封止材シートについては架橋反応が進行したことが推測される。

0101

0102

ズリ試験
実施例及び比較例について、130℃垂直ズリ試験を行った。具体的には、5×7.5cmに切り出した封止材一体型裏面保護シートを垂直に2枚重ね置き、130℃で12時間放置をする。放置後の5×7.5の封止材一体型裏面保護シートの移動距離計測評価した。計測結果を表2に示す。

0103

実施例

0104

表2から、接着剤の全樹脂中の架橋剤濃度が15.0質量%以上30.0質量%以下の実施例1及び2の封止材一体化裏面保護シートは、ズリ試験の数値も大幅に低下しており、比較例に比べて耐熱性に優れる封止材一体化裏面保護シートが得られていることが分かる。

0105

1太陽電池モジュール用の封止材一体化裏面保護シート
2封止材シート
3接着剤層
4 基材層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ