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技術 細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラム

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 山岸栄輝涌井隆史山口博司
出願日 2014年9月30日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2014-199624
公開日 2016年5月9日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-071578
状態 特許登録済
技術分野 微生物・酵素関連装置 医療・福祉事務
主要キーワード 予備数 報知制御情報 使用期限切れ 保管施設 ストック装置 人口数 保管室 病院施設
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年5月9日)のものです。
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図面 (19)

課題

必要に応じて即座に細胞組織を提供することができ、かつ細胞組織の保管スペース保管コストの削減する細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムを提供する。

解決手段

予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病患者数を取得する患者数取得部11と、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得する細胞組織使用数取得部12と、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部13と、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部14と、予め設定された範囲内における必要細胞組織数と在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部15とを備える。

概要

背景

近年、他家細胞を用いて皮膚シート心筋シート網膜シートまたは軟骨ブロックなどの細胞組織を培養し、これを患者移植することによって治療を行う再生医療が注目されている。

培養された細胞組織は保管が可能であり、必要に応じて保管施設から病院などの施設に提供される。たとえば、特許文献1には、歯関連組織を保管しておき、歯科医師などの要求に応じて出荷することが提案されている。

また、特許文献2には、細胞組織が手術に必要となる必要細胞量に到達する到達日を予測し、その到達日に基づいて、手術を行う手術予定日を決定することが提案されている。

概要

必要に応じて即座に細胞組織を提供することができ、かつ細胞組織の保管スペースや保管コストの削減する細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムを提供する。予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得する患者数取得部11と、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得する細胞組織使用数取得部12と、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部13と、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部14と、予め設定された範囲内における必要細胞組織数と在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部15とを備える。

目的

特開2006−72927号公報
特開2010−152829号公報






しかしながら、特許文献1に記載のように医師からの要求に応じて細胞組織を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病患者数を取得する患者数取得部と、前記疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織使用数を取得する細胞組織使用数取得部と、前記患者数と前記細胞組織の使用数とに基づいて、前記予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部と、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部と、前記予め設定された範囲内における必要細胞組織数と前記在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部とを備えたことを特徴とする細胞組織在庫管理装置

請求項2

前記患者数取得部が、複数の疾病のそれぞれの患者数を取得し、前記細胞組織使用数取得部が、前記疾病毎の前記細胞組織の使用数を取得し、前記必要細胞組織数算出部が、前記疾病毎の患者数と前記疾病毎の細胞組織の使用数とに基づいて、前記必要細胞組織数を算出する請求項1記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項3

前記患者数取得部が、前記予め設定された範囲内における年齢別の前記疾病の発生確率および前記予め設定された範囲内における年齢別の人口数を取得し、前記年齢別の疾病の発生率と前記年齢別の人口数とに基づいて、前記疾病の患者数を取得する請求項1または2記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項4

前記患者数取得部が、前記予め設定された範囲内に設置された病院毎の前記疾病の患者数を取得する請求項1または2記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項5

前記患者数取得部が、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の搬送可能距離を取得し、該搬送可能距離に基づいて前記予め設定された範囲を設定する請求項1から4いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項6

前記必要細胞組織数の調整を受け付ける必要細胞組織数調整受付部を備え、前記在庫管理部が、前記調整後の必要細胞組織数と前記現在の在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する請求項1から5いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項7

前記必要細胞組織数に基づいて、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の目標とする在庫数を取得する目標在庫数取得部を備え、前記在庫管理部が、前記目標とする在庫数と前記現在の在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する請求項1から6いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項8

前記目標在庫数取得部が、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の備蓄率を取得し、該備蓄率と前記必要細胞組織数とに基づいて、前記目標とする在庫数を取得する請求項7記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項9

前記目標在庫数取得部が、前記細胞組織の種類毎の前記備蓄率を取得する請求項8記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項10

前記目標在庫数取得部が、前記疾病毎の前記備蓄率を取得する請求項8または9記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項11

前記必要細胞組織数取得部が、時期毎の前記必要細胞組織数を取得し、前記在庫管理部が、前記現在の在庫数の細胞組織の使用期限または出荷予定日を取得し、該取得した使用期限または出荷予定日と前記時期毎の必要細胞組織数とに基づいて、新たな前記細胞組織の発注情報を前記在庫関連情報として出力する請求項1から10いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項12

前記在庫管理部が、前記細胞組織の発注後の納期を取得し、該取得した納期と前記時期毎の必要細胞組織数と前記使用期限または前記出荷予定日とに基づいて、新たな前記細胞組織の発注情報を前記在庫関連情報として出力する請求項11記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項13

前記在庫管理部が、前記細胞組織の発注後の納期と前記時期毎の必要細胞組織数と前記使用期限または前記出荷予定日とに基づいて、前記新たな細胞組織の発注時期を算出し、該発注時期に基づいて前記細胞組織の発注情報を発注先に自動的に出力する請求項12記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項14

前記患者数取得部が、前記患者数を自動的に取得する請求項1から13いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項15

前記細胞組織使用数取得部が、前記細胞組織の使用数を自動的に取得する請求項1から14いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項16

前記在庫数取得部が、前記現在の在庫数を自動的に取得する請求項1から15いずれか1項記載の細胞組織在庫管理装置。

請求項17

予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得し、前記疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得し、前記患者数と前記細胞組織の使用数とに基づいて、前記予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出し、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得し、前記予め設定された範囲内における必要細胞組織数と前記在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力することを特徴とする細胞組織在庫管理方法

請求項18

予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得する患者数取得部と、前記疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得する細胞組織使用数取得部と、前記患者数と前記細胞組織の使用数とに基づいて、前記予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部と、前記疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部と、前記予め設定された範囲内における必要細胞組織数と前記在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部としてコンピュータを機能させることを特徴とする細胞組織在庫管理プログラム

技術分野

0001

本発明は、再生医療などに用いられる細胞組織在庫管理を行う細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムに関するものである。

背景技術

0002

近年、他家細胞を用いて皮膚シート心筋シート網膜シートまたは軟骨ブロックなどの細胞組織を培養し、これを患者移植することによって治療を行う再生医療が注目されている。

0003

培養された細胞組織は保管が可能であり、必要に応じて保管施設から病院などの施設に提供される。たとえば、特許文献1には、歯関連組織を保管しておき、歯科医師などの要求に応じて出荷することが提案されている。

0004

また、特許文献2には、細胞組織が手術に必要となる必要細胞量に到達する到達日を予測し、その到達日に基づいて、手術を行う手術予定日を決定することが提案されている。

先行技術

0005

特開2006−72927号公報
特開2010−152829号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載のように医師からの要求に応じて細胞組織を提供するようにしたのでは、その細胞組織の在庫がない場合があり、即座に細胞組織を提供することができず、治療計画遅れてしまう場合がある。

0007

また、特許文献2に記載のように細胞組織の培養スケジュールに合わせて手術予定日を決定するようにしたのでは、細胞組織の培養が終了するまで手術予定日を延ばす必要があり、緊急性を要する手術の場合などには細胞組織の提供を受けることができない。

0008

また、緊急時などに即座に細胞組織を提供できるように十分な量の細胞組織を保管しておくことも考えられるが、細胞組織の保管スペースや保管コストには制限がある。

0009

本発明は、上記の問題に鑑み、必要に応じて即座に細胞組織を提供することができ、かつ細胞組織の保管スペースや保管コストの削減を図ることができる細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の細胞組織在庫管理装置は、予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得する患者数取得部と、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得する細胞組織使用数取得部と、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部と、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部と、予め設定された範囲内における必要細胞組織数と在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部とを備えたことを特徴とする。

0011

また、上記本発明の細胞組織在庫管理装置においては、患者数取得部は、複数の疾病のそれぞれの患者数を取得し、細胞組織使用数取得部は、疾病毎の細胞組織の使用数を取得し、必要細胞組織数算出部は、疾病毎の患者数と疾病毎の細胞組織の使用数とに基づいて、必要細胞組織数を算出することができる。

0012

また、患者数取得部は、予め設定された範囲内における年齢別の疾病の発生確率および予め設定された範囲内における年齢別の人口数を取得し、年齢別の疾病の発生率と年齢別の人口数とに基づいて、疾病の患者数を取得することができる。

0013

また、患者数取得部は、予め設定された範囲内に設置された病院毎の疾病の患者数を取得することができる。

0014

また、患者数取得部は、疾病の治療に用いられる細胞組織の搬送可能距離を取得し、その搬送可能距離に基づいて予め設定された範囲を設定することができる。

0015

また、必要細胞組織数の調整を受け付ける必要細胞組織数調整受付部を備え、在庫管理部は、調整後の必要細胞組織数と現在の在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力することができる。

0016

また、必要細胞組織数に基づいて、疾病の治療に用いられる細胞組織の目標とする在庫数を取得する目標在庫数取得部を備え、在庫管理部は、目標とする在庫数と現在の在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力することができる。

0017

また、目標在庫数取得部は、疾病の治療に用いられる細胞組織の備蓄率を取得し、その備蓄率と必要細胞組織数とに基づいて、目標とする在庫数を取得することができる。

0018

また、目標在庫数取得部は、細胞組織の種類毎の備蓄率を取得することができる。

0019

また、目標在庫数取得部は、疾病毎の備蓄率を取得することができる。

0020

また、必要細胞組織数取得部は、時期毎の必要細胞組織数を取得し、在庫管理部は、現在の在庫数の細胞組織の使用期限または出荷予定日を取得し、その取得した使用期限または出荷予定日と時期毎の必要細胞組織数とに基づいて、新たな細胞組織の発注情報を在庫関連情報として出力することができる。

0021

また、在庫管理部は、細胞組織の発注後の納期を取得し、その取得した納期と時期毎の必要細胞組織数と使用期限または出荷予定日とに基づいて、新たな細胞組織の発注情報を在庫関連情報として出力することができる。

0022

また、在庫管理部は、細胞組織の発注後の納期と時期毎の必要細胞組織数と使用期限または出荷予定日とに基づいて、新たな細胞組織の発注時期を算出し、その発注時期に基づいて細胞組織の発注情報を発注先に自動的に出力することができる。

0023

また、患者数取得部は、患者数を自動的に取得することができる。

0024

また、細胞組織使用数取得部は、細胞組織の使用数を自動的に取得することができる。

0025

また、在庫数取得部は、現在の在庫数を自動的に取得することができる。

0026

本発明の細胞組織在庫管理方法は、予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得し、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得し、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出し、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得し、予め設定された範囲内における必要細胞組織数と在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力することを特徴とする。

0027

本発明の細胞組織在庫管理プログラムは、予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得する患者数取得部と、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得する細胞組織使用数取得部と、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する必要細胞組織数算出部と、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得する在庫数取得部と、予め設定された範囲内における必要細胞組織数と在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力する在庫管理部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。

発明の効果

0028

本発明の細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムによれば、予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得し、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得し、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出する。そして、疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数を取得し、この在庫数と上記必要細胞組織数とに基づいて在庫関連情報を出力するようにしたので、予め取得した上記必要細胞組織数に合わせて細胞組織の在庫数の管理を行うことができ、これにより必要に応じて即座に細胞組織を提供することができる。

0029

また、上述したように必要細胞組織数を算出する際、予め設定された範囲内の患者に用いられる細胞組織の数に限定し、また、患者一人当たりに用いられる細胞組織の数も考慮して必要細胞組織数を算出しているので、無駄なく適切な量の必要細胞組織数を算出することができ、細胞組織の保管スペースや保管コストの削減を図ることができる。

図面の簡単な説明

0030

本発明の細胞組織在庫管理装置の一実施形態を用いた細胞組織在庫管理システム概略構成を示すブロック図
予め設定された範囲内に含まれる各都道府県における疾病毎の患者数の一例を示す図
疾病毎の患者一人当たりの細胞組織の使用数の一例を示す図
細胞組織ストック装置の概略構成図
現在の在庫数と必要細胞組織数の比較表示の一例を示す図
現在の在庫数と必要細胞組織数の比較結果の表示例を示す図
本発明の細胞組織在庫管理装置の一実施形態を用いた細胞組織在庫管理システムの作用を説明するためのフローチャート
予め設定された範囲内における疾病毎の年齢別の発生確率の一例を示す図
予め設定された範囲内における年齢別の人口数の一例を示す図
細胞組織の種類と搬送可能距離とを対応づけたテーブルの一例を示す図
図1に示す細胞組織在庫管理システムの変形例を示すブロック図
細胞組織の種類と備蓄率とを対応づけたテーブルの一例を示す図
細胞組織の種類および疾患の種類と備蓄率とを対応づけたテーブルの一例を示す図
細胞組織毎の必要細胞組織数の一例を示す図
細胞組織毎の発注時期および発注数量を一日単位で算出する方法を説明するための図
細胞組織毎の発注時期および発注数量を月単位で算出する方法を説明するための図
図1に示す細胞組織在庫管理システムのその他の在庫管理方法を説明するためのフローチャート
必要細胞組織数の経時変化と在庫数の経時変化との関係、および在庫追加必要日と発注に関する情報の出力タイミングとの関係の一例を示す図

実施例

0031

以下、本発明の細胞組織在庫管理装置および方法並びにプログラムの一実施形態を用いた細胞組織在庫管理システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の細胞組織在庫管理システム1の概略構成を示すブロック図である。

0032

本実施形態の細胞組織在庫管理システム1は、再生医療用の細胞組織を保管し、その保管した細胞組織が病院や研究所などに提供された後の在庫数の管理を行うものである。具体的には、本実施形態の細胞組織在庫管理システム1は、図1に示すように、細胞組織在庫管理装置10と、入力装置20と、表示装置30と、細胞組織ストック装置40とを備えている。また、本実施形態の細胞組織在庫管理システム1には、インターネットまたはLAN(Local Area Network)などを介して患者情報管理サーバ2および細胞情報管理サーバ3が接続されている。

0033

細胞組織在庫管理装置10は、患者数取得部11と、細胞組織使用数取得部12と、必要細胞組織数算出部13と、在庫数取得部14と、在庫管理部15と、制御部16とを備えている。細胞組織在庫管理装置10は、コンピュータに対して本発明の細胞組織在庫管理プログラムの一実施形態がインストールされたものである。細胞組織在庫管理装置60は、中央処理装置半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに細胞組織在庫管理プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが制御部16に設けられた中央処理装置によって実行されることによって、図1に示すような、患者数取得部11、細胞組織使用数取得部12、必要細胞組織数算出部13、在庫数取得部14および在庫管理部15が動作する。

0034

患者数取得部11は、予め設定された範囲内における少なくとも1つの疾病の患者数を取得するものである。本実施形態の患者数取得部11は、複数の疾病について、予め設定された範囲に存在する患者数をそれぞれ取得するものである。予め設定された範囲内としては、たとえば疾患の治療に用いられる細胞組織がストックされる施設を基準地点として、その基準地点から予め設定された距離の範囲内とすることができる。基準地点からの距離は予め一定の距離を設定しておいてもよいし、ユーザが入力装置20を用いて任意に設定入力するようにしてもよい。また、予め設定された範囲は、必ずしも上述したような基準地点からの距離の範囲でなくてもよく、たとえば関東地方や東京都内などといった範囲でもよい。

0035

患者数取得部11は、具体的には、たとえば予め設定された範囲内に含まれる各都道府県における疾病毎の患者数を取得するものである。図2は、X県、Y県およびZ県に存在する疾病aの患者数(10+20+30=60)と、X県、Y県およびZ県に存在する疾病bの患者数(5+3+2=10)と、X県、Y県およびZ県に存在する疾病cの患者数(5+5+4=14)との一例を示したものである。患者数取得部11は、図2に示すような各県に存在する患者数を合計することによって疾病毎の患者数を取得するものである。

0036

疾病の種類としては、たとえば、火傷などの皮膚疾患虚血性心疾患および心筋症などの心疾患変形性などの軟骨疾患加齢黄斑変性および角膜損傷などの眼の疾患、脊髄損傷などの神経の疾患、肝臓疾患腎臓疾患、および白血病などの血液疾患などがある。疾病の種類については、予め設定しておくようにしてもよいし、ユーザが入力装置20を用いて任意に設定、変更、追加および削除などするようにしてもよい。

0037

また、本実施形態の患者数取得部11は、上述したような各都道府県に存在する疾病毎の患者数を患者情報管理サーバ2から取得するものである。

0038

患者情報管理サーバ2は、各都道府県に存在する疾病毎の患者数が設定登録されたものであり、たとえば各都道府県などの自治体が、病院施設などからの患者情報収集して設定登録したデータサーバである。患者情報管理サーバ2と細胞組織在庫管理システム1とは、上述したようにインターネットやLANなどを介して接続されている。患者数取得部11は、ユーザによる指示入力に応じてまたは自動的に患者情報管理サーバ2にアクセスし、上述したような各都道府県に存在する疾病毎の患者数を患者情報管理サーバ2から取得するものである。

0039

なお、本実施形態においては、上述したように患者数取得部11が患者情報管理サーバ2にアクセスして疾病毎の患者数を取得するようにしたが、これに限らず、たとえば細胞組織在庫管理装置10における制御部16が、図2に示すようなテーブルを表示装置30に表示させ、テーブル内における患者数の欄にユーザが入力装置20を用いて設定入力するようにしてもよい。そして、制御部16が、ユーザによって設定入力された各都道府県の患者数を疾病毎に加算し、患者数取得部11が、制御部16によって算出された疾病毎の患者数を取得するようにしてもよい。

0040

また、上記説明では、各都道府県に存在する疾病毎の患者数を取得するようにしたが、これに限らず、たとえば予め設定された距離の範囲内における病院、大学、研究所、企業および保健所などの機関毎に設定登録された疾病毎の患者数を取得するようにしてもよい。

0041

細胞組織使用数取得部12は、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得するものである。本実施形態の細胞組織使用数取得部12は、具体的には、疾病毎の患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得するものであり、その数は実際に細胞組織に用いられる実数であってもよいし、途中でロスする率を見込んで実数よりも多めに設定される数でもよい。図3は、疾病aの治療に使用される細胞組織Pの患者一人当たりの使用数(5)、疾病bの治療に使用される細胞組織Qの患者一人当たりの使用数(3)、および疾病cの治療に使用される細胞組織Rの患者一人当たりの使用数(1)の一例を示すものである。各疾病の治療に使用される細胞組織としては、たとえば火傷の治療に使用される皮膚シート、心疾患の治療に使用される心筋シート、軟骨疾患の治療に使用される軟骨ブロック、眼の疾患の治療に使用される網膜シートや角膜シート、脊髄損傷の治療に利用される神経組織、血液疾患の治療に使用される血液などがある。また、疾病の種類については、予め設定しておくようにしてもよいし、ユーザが入力装置20を用いて任意に設定、変更、追加および削除などするようにしてもよい。また、1つの疾病に使用される細胞組織の種類は、1つに限らず、1つの疾病に対して複数種類の細胞組織の使用数を取得するようにしてもよい。たとえば、肝硬変などの肝臓病の治療に用いられる肝臓組織は、前駆細胞と、間葉系細胞と、血管内皮細胞との3種類の細胞から形成されるので、これらの細胞の使用数を取得するようにしてもよい。

0042

また、本実施形態の細胞組織使用数取得部12は、上述したような疾病毎の細胞組織の使用数を細胞情報管理サーバ3から取得するものである。

0043

細胞情報管理サーバ3は、各疾病の治療に使用される患者一人当たりの使用数が設定登録されたものであり、たとえば病院、研究所および自治体などに設置されたデータサーバである。細胞情報管理サーバ3と細胞組織在庫管理システム1とは、上述したようにインターネットやLANなどを介して接続されている。細胞組織使用数取得部12は、ユーザによる指示入力に応じてまたは自動的に細胞情報管理サーバ3にアクセスし、上述したような各疾病の治療に使用される患者一人当たりの使用数を細胞情報管理サーバ3から取得するものである。

0044

なお、本実施形態においては、上述したように細胞組織使用数取得部12が細胞情報管理サーバ3にアクセスして疾病毎の患者数を取得するようにしたが、これに限らず、たとえば細胞組織在庫管理装置10における制御部16が、図3に示すようなテーブルを表示装置30に表示させ、テーブル内における患者一人当たり使用数の欄にユーザが入力装置20を用いて設定入力するようにしてもよい。

0045

必要細胞組織数算出部13は、上述した予め設定された範囲内において、疾病毎に必要とされる細胞組織の数を推定して算出するものである。具体的には、本実施形態の必要細胞組織数算出部13は、患者数取得部11によって取得された疾病毎の患者数と細胞組織使用数取得部12によって取得された疾病毎の患者一人当たりの細胞組織の使用数とを乗算して、必要細胞組織数を算出するものである。

0046

在庫数取得部14は、各疾病の治療に用いられる細胞組織の現在の在庫数に関する情報を取得するものである。本実施形態の在庫数取得部14は、細胞組織の在庫数に関する情報を細胞組織ストック装置40から取得するものである。

0047

細胞組織ストック装置40は、各疾病の治療に用いられる細胞組織が保管される装置である。図4は、細胞組織ストック装置40の概略構成図である。具体的には、細胞組織ストック装置40は、図4に示すように、保存部41と、細胞情報取得部42と、制御装置43とを備えている。

0048

保存部41は、各疾病の治療に用いられる細胞組織が保管される保管室と、保管室の温度や湿度などを制御する制御部とを備えたものである。保存部41の保管室に保管される細胞組織は、所定の培養施設で培養された細胞組織である。また、保存部41の保管室に保管された細胞組織は、病院などといった細胞組織を利用する施設に出荷されるものである。

0049

細胞情報取得部42は、保存部41に新たな細胞組織が搬入された際、および出荷または破棄のために保存部41から細胞組織が搬出された際に、その細胞組織の搬入および搬出に関する情報を取得するものである。具体的には、細胞情報取得部42は、バーコードリーダなどの情報読取装置を備えたものである。

0050

保存部41から細胞組織が搬入または搬出される際には、その細胞組織が収容された容器が細胞情報取得部42を通過する。そして、細胞情報取得部42は、通過する容器に付加されたバーコードをバーコードリーダによって読み取ることにより、細胞組織の搬入および搬出に関する情報を取得するものである。

0051

なお、本実施形態においては、上述したように容器に付加されたバーコードを読み取ることによって情報を取得するようにしたが、これに限らず、容器にRFID(radio frequency identifier)などのその他の情報記憶媒体を設け、その情報記憶媒体から情報を読み出すようにしてもよい。

0052

下表1は、細胞組織の搬入および搬出に関する情報の一例を示すものである。下表1に示すように、細胞組織の搬入および搬出に関する情報としては、搬入および搬出される細胞組織を識別するためのID(identification)番号、細胞組織の保存部41への搬入日、細胞組織の使用期限日と、細胞組織が保管された保存部41の識別番号、細胞組織の搬出日、および細胞組織の搬出理由(出荷または破棄など)などがある。

0053

制御装置43は、コンピュータから構成されるものであり、保存部41に対して温度や湿度などといった保管条件を出力したり、細胞情報取得部42によって取得された情報を受け付け、その情報に基づいて細胞組織毎の在庫数の情報を生成したりするものである。下表2は、細胞組織毎の在庫数の情報の一例を示したものである。

0054

細胞組織毎の在庫数の情報としては、上表2に示すように、細胞組織毎の現在の在庫数、細胞組織毎のID番号の一覧、細胞組織毎の最短使用期限日、および細胞組織毎の最短使用期限切れ数量などがある。ID番号一覧とは、保存部41に保管されている同じ種類の細胞組織のID番号の一覧を示すものである。また、最短使用期限日とは、ID番号一覧に示されているID番号の細胞組織の使用期限日のうち、現時点に最も近い使用期限日のことである。

0055

そして、制御装置43は、上表2に示す細胞組織毎の在庫数の情報を細胞組織在庫管理装置10に出力するものであり、在庫数取得部14は、制御装置43から出力された上記情報を取得するものである。

0056

また、制御装置43は、キーボードマウスなどの入力デバイス44と、液晶ディスプレイなどの表示デバイス45とを備えている。入力デバイス44は、保存部41の保管条件などの種々の設定入力を受け付けるものである。また、入力デバイス44によって、上述した細胞組織毎の在庫数の情報の修正や細胞組織の搬入および搬出に関する情報の修正を受け付けるようにしてもよい。表示デバイス45は、上表1に示した細胞組織の搬入および搬出に関する情報や、上表2に示した細胞組織毎の在庫数の情報などを表示するものである。

0057

なお、本実施形態の制御装置43は、入力デバイス44と表示デバイス45とを独立したデバイスとして構成しているが、機能的に等価であればよく、たとえばタブレットPCや携帯端末などのように入力デバイスと表示デバイスが一つのデバイスで実現されていてもよい。

0058

図1戻り、在庫管理部15は、必要細胞組織数算出部13によって取得された細胞組織毎の必要細胞組織数と、在庫管理部15によって取得された細胞組織毎の現在の在庫数に関する情報とに基づいて、在庫関連情報を出力するものである。

0059

在庫関連情報は、細胞組織の現在の在庫数に関連する情報であり、たとえば図5に示すような現在の在庫数と必要細胞組織数とを比較表示するための表示制御情報図6に示すような現在の在庫数と必要細胞組織数とを比較した結果を表示するための表示制御情報、および現在の在庫数が必要細胞組織数よりも少ないことをメッセージなどで報知する報知制御情報などがある。また、上記情報の他にも、現在の在庫数が必要細胞組織数よりも少ない場合に、培養施設への発注を促すメッセージなどを表示させる表示制御情報や培養施設へ自動的に発注を行う自動発注情報などがある。

0060

制御部16は、細胞組織在庫管理装置10全体を制御するものである。特に、本実施形態の制御部16は、上述したように表示装置30に図2および図3に示すようなテーブルを表示させたり、また、在庫管理部15から出力された在庫関連情報に基づいて、所定の表示を行わせたりするものである。具体的には、制御部16は、図5に示すような比較表示や図6に示すような比較結果表示を表示装置30に行わせるものである。また、制御部16は、現在の在庫数が必要細胞組織数よりも少ないこと示すメッセージや、培養施設への発注を促すメッセージなどの表示を表示装置30に行わせるものである。

0061

入力装置20は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備えたものであり、ユーザによる種々の設定入力を受け付けるものである。表示装置30は、液晶デバイスなどの表示デバイスを備えたものであり、上述したような種々の情報を表示するものである。

0062

次に、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1の作用について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。

0063

まず、ユーザによる入力装置20からの指示入力に応じて、患者数取得部11は、患者情報管理サーバ2にアクセスし、患者情報管理サーバ2から予め設定された範囲内における疾病毎の患者数を自動的に取得し、その疾病毎の患者数を必要細胞組織数算出部13に出力する(S10)。

0064

また、この際、細胞組織使用数取得部12は、細胞情報管理サーバ3にアクセスし、細胞情報管理サーバ3から疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を自動的に取得し、疾病毎の細胞組織の使用数を必要細胞組織数算出部13に出力する(S12)。

0065

そして、必要細胞組織数算出部13は、入力された疾病毎の患者数と疾病毎の細胞組織の使用数とを乗算することによって、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を細胞組織毎に算出し、その算出した細胞組織毎の必要細胞組織数を在庫管理部15に出力する(S14)。

0066

一方、ユーザによる入力装置20からの指示入力に応じて、在庫数取得部14は、細胞組織ストック装置40にアクセスし、上表2に示した細胞組織毎の在庫数の情報を自動的に取得し、その取得した細胞組織毎の在庫数の情報を在庫管理部15に出力する(S16)。

0067

そして、在庫管理部15は、入力された予め設定された範囲内における細胞組織毎の必要細胞組織数と細胞組織毎の在庫数とに基づいて、上述した在庫関連情報を制御部16に出力する。

0068

制御部16は、入力された在庫関連情報に基づいて、表示装置30に所定の表示を行わせたり、または細胞組織の培養施設に自動発注情報を出力したりする(S18)。

0069

上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1によれば、予め設定された範囲内における疾病毎の患者数を取得し、疾病の治療に用いられる患者一人当たりの細胞組織の使用数を取得し、患者数と細胞組織の使用数とに基づいて、予め設定された範囲内において必要とされる必要細胞組織数を算出し、その必要細胞組織数と在庫数とに基づいて在庫関連情報を出力するようにしたので、予め取得した上記必要細胞組織数に合わせて細胞組織の在庫数の管理を行うことができ、これにより必要に応じて即座に細胞組織を提供することができる。

0070

また、必要細胞組織数を算出する際、予め設定された範囲内の患者に用いられる細胞組織の数に限定し、また、患者一人当たりに用いられる細胞組織の数も考慮して必要細胞組織数を算出しているので、無駄なく適切な量の必要細胞組織数を算出することができ、細胞組織の保管スペースや保管コストの削減を図ることができる。

0071

なお、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1においては、患者数取得部11が、予め設定された範囲内における各都道府県に存在する疾病毎の患者数を取得するようにしたが、予め設定された範囲内の疾病毎の患者数の取得方法は、これに限られるものではない。たとえば、患者数取得部11が、図8に示すような、予め設定された範囲内における疾病毎の年齢別の発生確率と、図9に示すような、予め設定された範囲内における年齢別の人口数とを取得し、年齢別の人口数と年齢別の疾病の発生確率とを乗算して加算することによって、疾病毎の患者数を取得するようにしてもよい。

0072

なお、予め設定された範囲内における疾病毎の年齢別の発生確率と、予め設定された範囲内における年齢別の人口数とについては、たとえば病院や自治体などに設置されたデータサーバに設定登録されたものを用いることができる。患者数取得部11は、インターネットなどを介して上記データサーバにアクセスし、上述した疾病毎の年齢別の発生確率や年齢別の人口数を自動的に取得することができる。

0073

また、上述したようにデータサーバにアクセスして患者数の情報を取得するのではなく、たとえば、制御部16が、図8および図9に示すようなテーブルを表示装置30に表示させ、ユーザが年齢別の人口数の欄や年齢別の発生確率の欄に、入力装置20を用いて数値を設定入力するようにしてもよい。

0074

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1において、疾病毎の患者数を取得する範囲は、たとえば疾病の治療に用いられる細胞組織の搬送可能距離に基づいて設定するようにしてもよい。細胞組織の搬送可能距離とは、保存部41から搬出後に細胞組織が生存している時間により決まる距離であり、細胞組織が所定の搬送速度で搬送された場合に、細胞組織を生存した状態で搬送することができる距離のことである。このように患者数を取得する範囲を細胞組織の搬送可能距離に基づいて設定することによって、現実的に搬送可能範囲における必要細胞組織数を算出することができる。

0075

具体的には、たとえば図10に示すような細胞組織の種類と搬送可能距離とを対応づけたテーブルを患者数取得部11に予め設定し、患者数取得部11が、ユーザによって選択された細胞組織の搬送可能距離を取得し、その搬送可能距離に基づいて、疾病毎の患者数を取得する範囲を設定するようにしてもよい。たとえば本実施形態の細胞組織在庫管理システム1が設置された位置を基準地点とし、この基準地点から上述した搬送可能距離の範囲を疾病毎の患者数を取得する範囲とすればよい。

0076

なお、図10に示すテーブルの搬送可能距離は、ユーザが入力装置20を用いて任意に設定入力できるようにしてもよい。また、搬送可能距離は、たとえば車、電車または人などといった細胞組織の搬送手段の搬送速度によって変わってくるので、搬送手段毎または搬送速度毎に搬送可能距離のテーブルを設定しておき、搬送手段または搬送速度と細胞組織との入力に基づいて搬送可能距離を取得するようにしてもよい。

0077

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1において、必要細胞組織数算出部13において算出された必要細胞組織数を、ユーザが入力装置20を用いて調整するようにしてもよい。この場合、本実施形態における入力装置20が、本発明の必要細胞組織数調整受付部に相当する。このように必要細胞組織数をユーザが調整可能にすることによって、ユーザが実際の現時点における疾患の発生状態などに基づいて必要細胞組織数を調整することができ、より精度の高い細胞組織の在庫管理を行うことができる。

0078

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1の在庫管理部15においては、上述した必要細胞組織数と在庫数とを比較して在庫関連情報を出力するようにしたが、細胞組織の種類によっては、必ずしも必要細胞組織数を確保しなくても良いものもある。たとえば火傷の治療に用いられる皮膚シートについては、火傷が大面積の場合、生存率直結するため、必要細胞組織数に近い数を在庫として確保する必要がある。

0079

一方、肝臓病の治療に用いられる肝臓組織や加齢黄斑変性の治療に用いられる網膜シートについては、肝臓病や加齢黄斑変性のような慢性疾患の場合、細胞組織の発注後納期に対して進行が充分遅く生存率に大きく関与するものではないため、細胞組織の移植が必要と判断された後に在庫数を確保しても特に問題がない。すなわち、必要細胞組織数よりも少ない数を在庫として確保しても問題がない。また、在庫数はできるだけ少ない方が、細胞組織を保管するスペースも少なくてよく、保管コストも削減することができる。

0080

そこで、細胞組織の種類毎について目標とする在庫数を取得し、在庫管理部15が、その目標とする在庫数と現在の在庫数とに基づいて、在庫関連情報を出力するようにしてもよい。図11は、上述した目標とする在庫数に基づいて在庫管理を行う細胞組織在庫管理装置50を用いた細胞組織在庫管理システム4の概略構成を示すものである。具体的には、図11に示す細胞組織在庫管理装置50は、目標とする在庫数を取得する目標在庫数取得部17をさらに備えている。

0081

目標在庫数取得部17には、図12に示すような細胞組織の種類と備蓄率とを対応づけたテーブルが予め設定されている。そして、目標在庫数取得部17は、必要細胞組織数算出部13において算出された細胞組織毎の必要細胞組織数を取得し、その細胞組織毎の必要細胞組織数と上記テーブルに設定された細胞組織毎の備蓄率とを乗算することによって、細胞組織毎の目標とする在庫数を取得するものである。

0082

なお、細胞組織毎の備蓄率としては、たとえば細胞組織が網膜シートや軟骨ブロックである場合には、相対的に低い準備率が設定され、細胞組織が皮膚シートや心筋シートである場合には、相対的に高い準備率が設定される。また、組織細胞毎の備蓄率については、予め一定の値を設定してもよいし、ユーザが入力装置20を用いて任意に設定入力してもよい。または、目標在庫数取得部17が、組織種類毎の備蓄率が設定登録された外部のデータサーバにアクセスして取得するようにしてもよい。

0083

目標在庫数取得部17によって取得された細胞組織毎の目標とする在庫数は、在庫管理部15に出力される。在庫管理部15は、必要細胞組織数に代えて目標とする在庫数と現在の在庫数とを比較することによって、在庫関連情報を出力する。

0084

また、上記説明では、細胞組織の種類毎に備蓄率を設定するようにしたが、たとえば同じ細胞組織でも疾患によって緊急性が高いものと、緊急性が低いものとがある。たとえば細胞組織が皮膚シートである場合、火傷のような緊急性が高い疾患の治療に用いられる場合と、慢性的な皮膚疾患のような緊急性が低い疾患の治療に用いられる場合とがある。

0085

そこで、図13に示すように、細胞組織の種類だけでなく、さらに疾患毎の備蓄率を予めテーブルに設定するようにしてもよい。なお、この場合、必要細胞組織数算出部13も、細胞組織の種類および疾患の種類に応じた必要細胞組織数を算出し、この必要細胞組織数と細胞組織の種類および疾患の種類に応じた備蓄率とが乗算されて目標とする在庫数が算出される。

0086

そして、同じ細胞組織について疾患毎に算出された目標とする在庫数が加算された値が在庫管理部15に出力され、在庫管理部15は、その加算された値と細胞組織毎の現在の在庫数とを比較することによって、在庫関連情報を出力する。

0087

また、時期によって相対的に多く発生する疾病の種類は異なり、すなわち時期によって細胞組織毎の必要とする在庫数は異なる。具体的には、冬季には火傷や心筋梗塞などが多くなるため、これらの治療に用いられる皮膚シートや心筋シートなどの細胞組織は夏季よりも多く必要となる。そこで、図12に示す細胞組織毎の備蓄率を月毎や季節毎に設定しておき、同じ細胞組織について、月毎または季節毎に異なる備蓄率を設定するようにしてもよい。

0088

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1において、在庫管理部15が、培養施設への発注を促すメッセージを表示させる表示制御情報や、培養施設へ自動的に発注を行う自動発注情報を出力する場合、その発注時期および発注数量などの発注情報を自動的に算出して表示装置30に表示させたり、培養施設へ出力したりしてもよい。以下、発注時期と発注数量の算出方法について説明する。

0089

まず、発注時期や発注数量を算出する場合には、患者数取得部11は、図2に示すような疾病毎の患者数を日毎に取得するものである。なお、ここで取得する日毎の患者数は、推定された患者数でもよいし、過去のデータに基づく患者数でもよい。具体的には、たとえば現在の日付が2014年10月5日である場合、2014年10月30日の疾病毎の患者数については、何かしらの根拠に基づいて推定された患者数でもよいし、1年前の2013年10月30日の疾病毎の患者数と同じとして、2013年10月30日の実際の疾病毎の患者数を2014年10月30日の疾病毎の患者数として取得するようにしてもよい。

0090

そして、必要細胞組織数算出部13は、上述したようにして取得された日毎の疾病毎の患者数と疾病毎の患者一人当たりの細胞組織の使用数とに基づいて、図14に示すような細胞組織毎の必要細胞組織数を日毎に算出する。

0091

在庫管理部15は、図15に示すように、細胞組織毎の現在の在庫数と、細胞組織毎の最短使用期限日と、最短使用期限日に期限切れる細胞組織の数量と、最短使用期限日における必要細胞組織数と、細胞組織毎の発注後納期とを取得する。そして、在庫管理部15は、細胞組織Pについては、最短使用期限日(2014年10月30日)から発注後納期(20日)を差し引いた日(2014年10月10日)を発注時期として算出する。また、在庫管理部15は、現在の在庫数(20)から最短使用期限日に期限が切れる細胞組織の数量(10)を減算し、最短使用期限日における必要細胞組織数(15)から上記減算結果(10)を減算した値(5)を発注数量として算出する。

0092

なお、細胞組織毎の発注後納期については、ユーザが入力装置20を用いて設定入力してもよいし、在庫管理部15が、組織種類毎の発注後納期が設定登録された外部のデータサーバにアクセスして自動的に取得するようにしてもよい。

0093

また、上述したように1日単位の発注数量を取得するのではなく、10日単位や一か月単位の発注数量とその発注時期とを取得するようにしてもよい。具体的には、在庫管理部15が、細胞組織Pの10月の発注時期と発注数量とを取得する場合には、図16に示すように、細胞組織PのID番号毎の現在の在庫数と、ID番号毎の使用期限日と、ID番号毎の使用期限日に期限が切れる細胞組織の数量と、10月における必要細胞組織数と、細胞組織Pの発注後納期とを取得する。そして、在庫管理部15は、細胞組織Pの10月における使用期限日のうちの最短使用期限日(2014年10月29日)から発注後納期(20日)を差し引いた日(2014年10月9日)を発注時期として算出する。また、在庫管理部15は、細胞組織Pの全ての現在の在庫数の加算値(20)から10月が使用期限日である細胞組織の数量(2および8)を減算し、10月における必要細胞組織数(15)から上記減算結果(10)を減算した値(5)を発注数量として算出する。

0094

また、上記説明では、発注後納期を考慮して発注時期を決定するようにしたが、これに限らず、最短使用期限日を発注時期とするようにしてもよい。また、図15および図16における最短使用期限日は、保存部41からの最短出荷予定日とすることができる。最短使用期限日と最短出荷予定部との両方とも、保存部41から細胞組織が搬出される予定の日である。

0095

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1における在庫管理部15は、図17に示すフローチャートのように、現在の在庫数Nよりも必要細胞組織数Mの方が大きい場合に(S20,YES)、培養施設への発注を促すメッセージを表示させる表示制御情報や、培養施設へ自動的に発注を行う自動発注情報を出力するが(S22)、必要細胞組織数が現在の在庫数以下である場合にも(S20,NO)、使用期限による在庫数の自然減や出荷のために在庫数が必要細胞組織数より少なくなる在庫追加必要日を算出し、現在の日付が、上記在庫追加必要日から起算して細胞組織の発注後納期の日数分だけ早い日以降である場合には、在庫管理部15が上記のような発注に関する情報を出力するようにしてもよい(S24,YES)。図18は、必要細胞組織数の経時変化と、上述した在庫数の経時変化との関係の一例を示したものであり、上述した在庫追加必要日と発注に関する情報の出力タイミングの一例を示したものである。これは、現時点では十分な在庫数があったとしても、細胞組織を培養している間に在庫数が減って必要細胞組織数よりも小さくなる可能性があるからである。

0096

また、さらに、図18に示すように、現在の日付が、在庫追加必要日から発注後納期を減算した日よりもさらに早い場合でも(S24,NO)、現在の在庫数Nが、必要細胞組織数Mに所定の予備数を加算した値より小さい場合には(S26,YES)、在庫管理部15が、上記のような発注に関する情報を出力し、現在の在庫数Nが、必要細胞組織数Mに所定の予備数を加算した値以上である場合に(S26,NO)、上記のような発注に関する情報を出力しないようにしてもよい。なお、上述した所定の予備数は、たとえば図3に示す患者一人当たりの使用数に設定するようにすればよい。これにより、たとえば上述した算出方法によって算出された必要細胞組織数が、1よりも小さい値である場合でも、患者一人分の細胞組織を確実に確保することができる。また、必要細胞組織数が1より大きい値である場合にも患者一人分の細胞組織だけ余裕をもって確保することができる。

0097

また、予備数は、これに限らず、その他の予め設定した一定の数としてもよい。また、図17に示すフローチャートにおける必要細胞組織数を上述した目標とする在庫数としてもよい。

0098

また、上記実施形態の細胞組織在庫管理システム1,4においては、細胞組織毎の必要細胞組織数を取得し、細胞組織毎の在庫数との比較を行うことによって細胞組織毎の在庫管理を行うようにしたが、さらに、各細胞組織について、組織適合性抗原の型毎の必要細胞組織数を取得し、その在庫数との比較を行うことによって、各細胞組織について、組織適合性抗原の型毎の在庫管理を行うようにしてもよい。なお、この場合、細胞組織ストック装置40には、各細胞組織について、組織適合性抗原の型毎の在庫数の情報が取得され、その在庫数の情報が、在庫数取得部14によって取得される。

0099

組織適合性抗原としては、たとえばヒト白血球抗原HLA(Human Leukocyte Antigen)があり、このHLAの型毎に在庫管理することが望ましい。HLAの型としては、HLA−A、HLA−B、HLA−DRなどがある。

0100

これらのHLAの型毎の必要細胞組織数を算出する方法としては、たとえば、必要細胞組織数算出部13が、HLAの型毎の存在確率を取得し、その取得した存在確率をそれぞれ細胞組織毎の必要細胞組織数に乗算することによって、HLAの型毎の必要細胞組織数を算出するようにすればよい。HLAの型毎の存在確率は、ユーザが入力装置20を用いて設定入力するようにしてもよいし、HLAの型毎の存在確率が設定登録された外部のデータサーバにアクセスして自動的に取得するようにしてもよい。

0101

また、上述したようなHLAの型毎の存在確率だけでなく、HLAの型毎の疾病の発生確率に基づいてHLAの型毎の必要細胞組織数を算出するようにしてもよい。具体的には、たとえば細胞組織が神経である場合、HLA-DRB*15:01のHLA型の多発性硬化症の発生確率が相対的に高いので、この型の神経の必要細胞組織数をその他の型の神経の必要細胞組織数よりも多く算出してもよい。

0102

また、血液の場合、リンパ白血球赤血球など様々な細胞組織が存在し、それぞれの細胞組織毎に白血病やヘモグロビン量が減少する赤血球の疾病などが存在する。したがって、リンパ、白血球および赤血球の細胞組織毎に、その在庫数を管理することも考えられるが、上述したようなHLAの型毎に在庫数を管理した場合には、その種類が多くなるため、保管スペースや保管コストの問題がある。

0103

そこで、リンパや白血球や赤血球となる前の、造血幹細胞や前駆細胞として在庫管理するようにしてもよい。造血幹細胞や前駆細胞は、様々な血液の細胞組織に分化誘導することができるので、保管スペースとコストを抑制することができる。なお、幹細胞や前駆細胞の段階で在庫管理する細胞組織は血液に限らず、その他の細胞組織でもよい。

0104

1,4細胞組織在庫管理システム
2患者情報管理サーバ
3細胞情報管理サーバ
10 細胞組織在庫管理装置
11患者数取得部
12 細胞組織使用数取得部
13 必要細胞組織数算出部
14在庫数取得部
15在庫管理部
16 制御部
17目標在庫数取得部
20入力装置
30表示装置
40 細胞組織ストック装置
41 保存部
42 細胞情報取得部
43制御装置
44入力デバイス
45表示デバイス
50 細胞組織在庫管理装置
60 細胞組織在庫管理装置

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