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技術 変速機のシフトドラム角検出装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 中村一彦小島浩孝菅野嘉久高本浩塚田善昭大関孝
出願日 2014年9月30日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2014-199941
公開日 2016年5月9日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-070357
状態 特許登録済
技術分野 変速操作機構
主要キーワード 成形公差 ギア変速機構 フリーギア 角丸長方形 予備位置 仮想基準 回動中心点 従動突起
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

変速機に設けられるシフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、シフトドラムの回動角を精度よく検出することにある。

解決手段

シフトドラム角検出装置100は、シフトフォーク71、シフトドラム80、シフトドラム80と一体に回動するセンサ軸83、センサ軸83の回動角を検出する第一の角度センサ84および増速機構90を備えている。 増速機構90は、センサ軸83と一体に回動される増速ドライブ部材91、増速ドライブ部材91に駆動される増速ドライブ部材91よりも小径な増速ドリブン部材93および該増速ドリブン部材93と一体に回動される増速センサ軸92を備えている。 増速センサ軸には第二の角度センサが設けられており、シフトドラム角検出装置100は、第一の角度センサ84の出力値Vout1と第二の角度センサ94の出力値Vout2とを用いてシフトドラム80の回動角を検出する。

概要

背景

従来から車両に用いられているデュアルクラッチ(以下DCTという)方式の変速機は、変速機のチェンジ機構が備えるシフトドラム回動により移動するシフトフォークが、変速機のシフタギアを移動させることで変速操作が行われている(特許文献1参照)。シフトドラムには、星型カムがシフトドラムと一体に回動するように設けられており、星型カムの外周面には、複数の凹凸が一定の間隔で交互に配置されるカムプロファイルが形成されている。カムプロファイルには、ストッパローラー押圧されており、シフトドラムが所定量回動すると、ギアポジション位置に設定されたカムプロファイルの凹面にローラーが押圧され、シフトドラムが設定されたギアポジション位置に確実に止められる。

従来のDCT方式の変速機では、一速から二速へと変速する場合に、シフトドラムのギアポジションは、一速位置(1−N)から一速二速予備変速位置(1−2)を経て二速位置(N−2)へと切り替わる。この変速機では、六速の変速段を有しており、ギアポジションはニュートラル位置から六速位置と各予備変速位置との12個のギアポジション(N−N、1−N、1−2、N−2、3−2、3−N、3−4、N−4、5−4、5−N、5−6、N−6)がシフトドラムに設けられている。シフトドラムの一回転中に12個のギアポジションが一定間隔で設けられているため、各ギアポジション間隔は30度間隔となっている。シフトドラムに設けられているポテンショメータにて構成される角度センサであるギアポジションセンサは、この30度の間隔を検出する必要がある。

概要

変速機に設けられるシフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、シフトドラムの回動角を精度よく検出することにある。シフトドラム角検出装置100は、シフトフォーク71、シフトドラム80、シフトドラム80と一体に回動するセンサ軸83、センサ軸83の回動角を検出する第一の角度センサ84および増速機構90を備えている。 増速機構90は、センサ軸83と一体に回動される増速ドライブ部材91、増速ドライブ部材91に駆動される増速ドライブ部材91よりも小径な増速ドリブン部材93および該増速ドリブン部材93と一体に回動される増速センサ軸92を備えている。 増速センサ軸には第二の角度センサが設けられており、シフトドラム角検出装置100は、第一の角度センサ84の出力値Vout1と第二の角度センサ94の出力値Vout2とを用いてシフトドラム80の回動角を検出する。

目的

本発明の目的は、前記課題を解決するものであり、変速機に設けられるシフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、シフトドラムの回動角を精度よく検出することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の駆動ギア(M)が支持されるメイン軸(32)と、複数の前記駆動ギア(M)と互いに噛合う複数の被動ギア(C)が支持されるカウンタ軸(34)とを具備する常時噛合い式の変速機(31)に用いられ、前記駆動ギア(M)および前記被動ギア(C)が有するシフタギア(SG)に係合されるシフトフォーク(71)と、該シフトフォーク(71)の一端が係止されるリード溝(81)が外周面(80c)に形成されるシフトドラム(80)と、該シフトドラム(80)に設けられ、該シフトドラム(80)と一体に回動する第一センサ軸(83)と、該第一センサ軸(83)の回動角を検出する第一角度センサ(84)と、を備える変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)において、前記第一センサ軸(83)と一体に回動される増速ドライブ部材(91)、該増速ドライブ部材(91)に駆動される該増速ドライブ部材(91)よりも小径な増速ドリブン部材(93)および該増速ドリブン部材(93)と一体に回動される第二センサ軸(92)を備え、前記第一センサ軸(83)の回動量を所定の増速比(Ra)で増大させる増速機構(90)と、前記第二センサ軸(92)に設けられ、該第二センサ軸(92)の回動角を検出する第二角度センサ(94)と、を具備し、前記第一角度センサ(84)の検出した回動角に基づく出力値(Vout1)と前記第二角度センサ(94)の検出した回動角に基づく出力値(Vout2)とを用いて前記シフトドラム(80)の回動角を検出することを特徴とする変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

請求項2

前記シフトドラム(80)には、該シフトドラム(80)と一体に回動する星型カム(85)が設けられ、該星型カム(85)の外周面(85a)には、各変速段に対応するギアポジション(GP)にて前記シフトドラム(80)の回動を止める凹部(86)が、凸部(87)と交互に複数形成され、前記ギアポジション(GP)は、ディテント機構(88)が凹部(86)に当接し、前記星型カム(85)の回動が規制されることにより確立され、前記増速機構(90)の前記増速比(Ra)は、複数の前記ギアポジション(GP)の数の約数の内、1を除く約数の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

請求項3

前記増速機構(90)の前記増速比(Ra)は、複数の前記ギアポジション(GP)の数と同じ値に設定されることを特徴とする請求項2に記載の変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

請求項4

前記第二角度センサ(94)は、前記ギアポジション(GP)が前記凹部(86)により確立される際に出力される前記出力値(Vout2)が、前記第二角度センサ(94)から出力される前記出力値(Vout2)の最小値(Vmin)と最大値(Vmax)の中央値(Vmid)となるように前記第二センサ軸(92)に接続されることを特徴とする請求項3に記載の変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

請求項5

前記第二角度センサ(94)の前記出力値(Vout2)は、前記シフトドラム(80)が一つのギアポジション(GP)分回動するごとに、最小値(Vmin)と最大値(Vmax)とが切替わるようになっており、前記第二角度センサ(94)の前記出力値(Vout2)が切替わるタイミングにおいて、前記星型カム(85)の前記凸部(87)の頂点(87a)が前記ディテント機構(88)に当接されるように、前記第二センサ軸(92)に接続されることを特徴とする請求項4に記載の変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

請求項6

前記第二角度センサ(94)の前記出力値(Vout2)は、前記シフトドラム(80)が複数のギアポジション(GP)分回動するごとに、最小値(Vmin)と最大値(Vmax)とが切替わるようになっており、前記第二角度センサ(94)の前記出力値(Vout2)が切替わるタイミングにおいて、前記星型カム(85)の前記凸部(87)の頂点(87a)が前記ディテント機構(88)に当接されるように、前記第二センサ軸(92)に接続されることを特徴とする請求項2に記載の変速機(31)のシフトドラム角検出装置(100)。

技術分野

0001

本発明は、車両の変速機に用いられるシフトドラム回動角を検出するシフトドラム角検出装置に関する。

背景技術

0002

従来から車両に用いられているデュアルクラッチ(以下DCTという)方式の変速機は、変速機のチェンジ機構が備えるシフトドラムの回動により移動するシフトフォークが、変速機のシフタギアを移動させることで変速操作が行われている(特許文献1参照)。シフトドラムには、星型カムがシフトドラムと一体に回動するように設けられており、星型カムの外周面には、複数の凹凸が一定の間隔で交互に配置されるカムプロファイルが形成されている。カムプロファイルには、ストッパローラー押圧されており、シフトドラムが所定量回動すると、ギアポジション位置に設定されたカムプロファイルの凹面にローラーが押圧され、シフトドラムが設定されたギアポジション位置に確実に止められる。

0003

従来のDCT方式の変速機では、一速から二速へと変速する場合に、シフトドラムのギアポジションは、一速位置(1−N)から一速二速予備変速位置(1−2)を経て二速位置(N−2)へと切り替わる。この変速機では、六速の変速段を有しており、ギアポジションはニュートラル位置から六速位置と各予備変速位置との12個のギアポジション(N−N、1−N、1−2、N−2、3−2、3−N、3−4、N−4、5−4、5−N、5−6、N−6)がシフトドラムに設けられている。シフトドラムの一回転中に12個のギアポジションが一定間隔で設けられているため、各ギアポジション間隔は30度間隔となっている。シフトドラムに設けられているポテンショメータにて構成される角度センサであるギアポジションセンサは、この30度の間隔を検出する必要がある。

先行技術

0004

特開2009−156375号公報

発明が解決しようとする課題

0005

変速機の変速段が従来例の六速よりも多く設定されると、ギアポジション数も多くなり、各ギアポジション間隔が小さくなる。角度センサの検出値、星型カムの形状およびシフトドラムと各センサ組付けには公差内でのばらつきがあるため、この公差内でのばらつきが積み重なることで、シフトドラムの回動角に依存するギアポジションの検出への影響が懸念される。
これを解決するために、角度センサの検出精度を向上させたり、検出機構構成部品成形公差を小さくしたり、構成部品の組付け精度を上げたりする手法が考えられるが、いずれの手法を採用してもコストの増大を招くため、変速機や検出機構の構造の改良による解決が要望されている。

0006

本発明の目的は、前記課題を解決するものであり、変速機に設けられるシフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、シフトドラムの回動角を精度よく検出することにある。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するために、本発明に係る変速機のシフトドラム角検出装置は、
複数の駆動ギアが支持されるメイン軸と、複数の前記駆動ギアと互いに噛合う複数の被動ギアが支持されるカウンタ軸とを具備する常時噛合い式の変速機に用い、前記駆動ギアおよび前記被動ギアが有するシフタギアに係合されるシフトフォークと、該シフトフォークの一端が係止されるリード溝が外周面に形成されるシフトドラムと、該シフトドラムに設けられ、該シフトドラムと一体に回動する第一センサ軸と、該第一センサ軸の回動角を検出する第一角度センサとを備える変速機のシフトドラム角検出装置において、
前記第一センサ軸と一体に回動される増速ドライブ部材、該増速ドライブ部材に駆動される該増速ドライブ部材よりも小径な増速ドリブン部材および該増速ドリブン部材と一体に回動される第二センサ軸を備え、前記第一センサ軸の回動量を所定の増速比で増大させる増速機構と、前記第二センサ軸に設けられ、該第二センサ軸の回動角を検出する第二角度センサとを具備し、前記第一角度センサの検出した回動角に基づく出力値と前記第二角度センサの検出した回動角に基づく出力値とを用いて前記シフトドラムの回動角を検出することを特徴とする。

0008

この構成によれば、第二センサ軸は、増速機構によってシフトドラムの回動量よりも多く回動され、シフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても第二センサ軸の回動量を大きくすることができる。第二角度センサは、大きく回動される第二センサ軸の回動角を検出していることから、シフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、第一角度センサと第二角度センサの出力値を用いることでシフトドラムの回動角を精度よく検出することができる。

0009

前記構成において、前記シフトドラムに、該シフトドラムと一体に回動する星型カムを設け、該星型カムの外周面に、各変速段に対応するギアポジションにて前記シフトドラムの回動を止める凹部を、凸部と交互に複数形成し、前記ギアポジションは、ディテント機構を前記凹部に当接させて前記星型カムの回動を規制することで確立され、前記増速機構の増速比を、複数の前記ギアポジションの数の約数の内、一を除く約数の値に設定すると良い。

0010

この構成によれば、増速機構の増速比がギアポジションの約数となっているので、シフトドラムが一回転すると第二センサ軸はギアポジションの約数倍回転する。すなわち、シフトドラムが一回転する間に第二センサ軸は、シフトドラムの回転数整数倍回転することとなる。また、第二角度センサの出力値のサイクルが約数の数に設定され、各サイクルごとにギアポジションが均等に配され、そのギアポジションが確立される。そのため、第二角度センサは、一サイクルごとに分割された一つ若しくは複数のギアポジションに対応するシフトドラムの回動角を検出することとなり、第二角度センサのシフトドラムの回動角の検出を容易にし、精度よくシフトドラムの回動角を検出することができる。

0011

前記構成において、前記増速機構の増速比を、複数の前記ギアポジションの数と同じに設定すると良い。

0012

この構成によれば、各ギアポジションごとに第二センサ軸が一回転するため、一サイクルの検出範囲内で一つのギアポジション分に相当するシフトドラムの回動角の検出が可能となり、第二角度センサの第二センサ軸の回動量の検出をさらに容易にするとともに、検出精度が向上するため、シフトドラムの回動角を高精度で検出することができる。

0013

前記構成において、前記第二角度センサは、前記ギアポジションが前記凹部により確立される際に出力される前記出力値が、前記第二角度センサから出力される前記出力値の最小値最大値中央値となるように前記第二センサ軸に接続すると良い。

0014

この構成によれば、ギアポジションが確立する位置である星型カムの凹部にて第二角度センサの出力値が中央値となっている。中央値では、公差によってギアポジションの位置精度が僅かに低下しても安定した出力値が得られることから、星型カムの凹部で終了するシフトドラムの回動の完了を確実に検出することができる。

0015

前記構成において、前記第二角度センサの前記出力値は、前記シフトドラムが一つのギアポジション分回動するごとに、最小値と最大値とが切替わるようになっており、前記第二角度センサの前記出力値が切替わるタイミングにおいて、前記星型カムの前記凸部の頂点が前記ディテント機構に当接されるように、前記第二センサ軸に接続しても良い。

0016

センサの最小値と最大値とが切替わるタイミングの出力値はその変動が大きく、また、出力値が切替わった際のハンチングが発生し易く不安定となり易いところ、この構成によれば、その切替わるタイミングの出力値が星型カムの凸部の頂点にて出力されることとなる。また、凸部は、凹部と凹部との中間に設けられており、ギアポジションが確立する位置であってセンサの検出精度が高く要求される凹部から最も離れている。そのため、検出精度の低下が懸念される出力値が切替わるタイミングを最も高精度が要求される凹部から遠ざけ、検出精度の低下の懸念を解消することができる。

0017

前記、前記増速機構の増速比を、複数の前記ギアポジションの数の約数の内、一を除く約数倍に設定した構成において、前記第二角度センサの前記出力値は、前記シフトドラムが複数のギアポジション分回動するごとに、最小値と最大値とが切替わるようになっており、前記第二角度センサの前記出力値が切替わるタイミングにおいて、前記星型カムの前記凸部の頂点が前記ディテント機構に当接されるように、前記第二センサ軸に接続しても良い。

0018

この構成によれば、第二角度センサの出力値の最小値と最大値との間に複数のギアポジションが確立し、第二角度センサの出力値が切替わるタイミングの出力値が、星型カムの凸部の頂点にて出力されることとなる。また、凸部は、凹部と凹部との中間に設けられており、複数のギアポジションが確立する位置であり、センサの検出精度が高く要求される凹部から最も離れている。そのため、検出精度の低下が懸念される出力値が切替わるタイミングをその複数のギアポジションが確立する位置である星型カムの凹部から遠ざけ、検出精度の低下の懸念を解消することができる。

発明の効果

0019

増速機構により、第二センサ軸は、シフトドラムの回動量よりも多く回動され、シフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても第二センサ軸の回動量を大きくすることができる。第二角度センサは、大きく回動される第二センサ軸の回動角を検出していることから、シフトドラムの各ギアポジション間隔が狭い場合であっても、第一角度センサと第二角度センサの出力値を用いることでシフトドラムの回動角を精度よく検出することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の第一の実施の形態に係る変速機のシフトドラム角検出装置を備えたパワーユニットが搭載された自動二輪車の左側面図である。
図1のパワーユニットのII矢視による正面図である。
図2のパワーユニットのIII矢視による左側面図である。
図2のパワーユニットの下部のクランクケースを、減速機カバーを取外した状態で部分的に拡大して示した拡大正面図である。
変速機の図2のV−V線断面図である。
ドグ歯図5のVI−VI線断面を模式的に示した断面図である。
図2変速駆動装置のVII−VII線断面図である。
チェンジ機構を一部簡略化して示した要部拡大図である。
図8の状態からシフトドラムがシフトアップ方向に回動した状態の要部拡大図である。
シフトドラムのリード溝の展開図である。
第一シフトフォークが三速駆動ギアを五速駆動ギアへ係合させた状態を一部簡略化して示した断面図である。
各角度センサの仮想的な基準状態を一部省略して示した仮想図である。
図12の状態からシフトアップの方向に回動し、シフトドラムの最初のギアポジションが確立された状態を示した図である。
シフトドラムの各ギアポジションンに対する第一角度センサの出力値と第二角度センサの出力値のプロファイル図である。
本発明に係るシフトドラム角検出装置のシフトドラムの回動角の検出方法を示す説明図である。
図13の一部を拡大した部分拡大図である。
角度センサの出力値の算出方法を示した図である。
本発明に係るシフトドラム角検出装置の第一の変形例での第一角度センサの出力値および第二角度センサの出力値の出力プロファイル図である。
従来用いられる六速のシングルクラッチ方式の変速機におけるシフトドラムの星型カムを示した参考例である。
従来用いられる六速のデュアルクラッチ方式の変速機におけるシフトドラムの星型カムを示した参考例である。

実施例

0021

以下、本発明に係る変速機のシフトドラム角検出装置の第一の実施の形態について図面を参照して説明する。

0022

図1は、本発明の第一の実施の形態に係る変速機31のシフトドラム角検出装置100を備えたパワーユニットPが搭載された自動二輪車1の左側面図である。
パワーユニットPは、自動二輪車1に搭載され、クランク軸16が車両の前後方向に沿う、いわゆる縦置きに搭載された水平対向六気筒水冷式ストロークサイクル内燃機関Eと、該内燃機関Eに連結され、該内燃機関Eの駆動力を所定の変速段に変速する変速機31とを備えている。
図中において、矢印FRは車両の向きに従い前方を、REは後方を、LHは左方を、RHは右方を、UPは上方を、DWは下方をそれぞれ示す。

0023

図1に示されるように、自動二輪車1の車体フレーム2は、車体前部のヘッドパイプ2aから後方やや斜め下方延出した後に屈曲部2cを介して端部が下方へ延出される左右一対メインフレーム2bと、メインフレーム2bの屈曲部2cから後方やや斜め上方へと延出するシートレール2dと、シートレール2dの後部とメインフレーム2bの屈曲部2cの下部とを接続するバックステー2eとを備えている。

0024

ヘッドパイプ2aには、ヘッドパイプ2aから下方へ伸びフロントフォーク3が左右に搖動可能に支承されている。フロントフォーク3の下端には前輪4が軸支され、フロントフォーク3の上端には操向ハンドル5が一体に結合されている。
また、メインフレーム2bの屈曲部2cの下部には、後方へ延出するスイングアーム2fの前端部がピボット軸6により上下搖動可能に支承され、スイングアーム2fの後端部には、後輪7が軸支されている。

0025

メインフレーム2bの屈曲部2cとスイングアーム2fとの間には、図示されないクッションユニットが連結され、シートレール2dの上部には乗車用シート8が取付けられている。

0026

メインフレーム2bの下方には、後輪7を駆動させる内燃機関Eが配置され、内燃機関Eは、複数の取付けブラケット9に懸架されることで自動二輪車1に搭載されている。

0027

図2は、図1のパワーユニットPのII矢視による正面図である。
図2に示されるように、内燃機関Eは、自動二輪車1の走行方向前方を向いた状態で左側に配置される左エンジンブロック半体11Lと、走行方向前方を向いた状態で右側に配置される右エンジンブロック半体11Rとからなるエンジンブロック11と、左右エンジンブロック半体11L,11Rの左右端にそれぞれ結合されるシリンダヘッド14と、各シリンダヘッド14に重ねられるヘッドカバー15とを備えている。

0028

左エンジンブロック半体11Lは、左シリンダブロック12Lと左シリンダブロック12Lに一体に形成される左クランクケース半体13Lとを備え、右エンジンブロック半体11Rは、右シリンダブロック12Rと右シリンダブロック12Rに一体に形成された右クランクケース半体13Rとを備え、左クランクケース半体13Lと右クランクケース半体13Rとによりクランクケース13が構成されている。

0029

図3は、図2のパワーユニットPのIII矢視による左側面図である。
図3も参照して、クランク軸16は、自動二輪車1の前後方向にその回転軸線L1を指向させて、エンジンブロック11の上部に位置する左クランクケース半体13Lと右クランクケース半体13Rとの間に回転可能に支持されている。
エンジンブロック11内のピストン(不図示)は、コンロッド(不図示)を介してクランク軸16に連結されており、燃焼室(不図示)内の燃焼によるピストンの摺動連動してクランク軸16が回転駆動されるようになっている。

0030

図2および図3に示されるように、エンジンブロック11の上部前面には、クランク軸16を中心に、エンジンブロック11の上部前面を覆うフロントカバー21が取付けられている。また、エンジンブロック11の下部に、後述する変速機31が収納される変速機室17が左右クランクケース半体13L,13Rにより画成されている。なお、変速機室17は、二点鎖線で図示されている。

0031

図3に示されるように、エンジンブロック11の後方にはリアカバー25が取付けられている。また、リアカバー25の下部中央後方にはクラッチカバー26が取付けられている。

0032

図2および図3に示されるように、クランクケース13の下部前面には、変速機室17の前方を覆うようにミッションホルダ22が取付けられている。また、ミッションホルダ22の前面には、ミッションホルダ22の中央から下部にかけて変速機31の変速段を操作するチェンジ機構60を保持するためのチェンジホルダ23が取付けられている。

0033

チェンジ系ホルダ23の左端部前面には、減速機カバー24が取付けられており、チェンジ系ホルダ23と減速機カバー24とに囲われる減速機室18内には後述する減速ギア機構53が配設されるようになっている。また、チェンジ系ホルダ23の左端部後面には、変速駆動装置30の動力源であるシフトモータ51が設けられている。

0034

図4は、図2のパワーユニットPの下部のクランクケース13を、減速機カバー24を取外した状態で部分的に拡大して示した拡大正面図である。
図4に示されるように、ミッションホルダ22の後面には、メイン軸32、カウンタ軸34、ギア変速機構36、シフトドラム80、シフトフォーク軸72が小組されてカセットユニットとして一体に構成されている。そのカセットユニットが、左右クランクケース半体13L,13Rで構成された変速機室17に挿入されることで、ミッションホルダ22が、変速機室17の前方を塞ぐようにクランクケース13の前面に取付けられている。また、このようなカセットユニットを用いることでクランクケース13へのメイン軸32、カウンタ軸34、ギア変速機構36、シフトドラム80、シフトフォーク軸72の組付けが容易になっている。なお、カセットユニットは、減速機カバー24とシフトモータ51までユニット化サブアセンブリ)された状態でクランクケース13に取付けてもよい。

0035

変速機室17に挿入されたメイン軸32、カウンタ軸34、シフトドラム80、シフトフォーク軸72は、クランク軸16の回転軸線L1と平行になるように配設されている。また、図2に示されるように、メイン軸32は、クランク軸16の下方に配置され、カウンタ軸34は、メイン軸32の右方に配置されている。シフトドラム80は、変速機室17の下部中央に配置され、シフトドラム80の左右方向であってメイン軸32とカウンタ軸34の下方には二本のシフトフォーク軸72が配置されている。

0036

図5は、変速機31の図2のV−V線断面図である。
図5に示されるように、変速機31は、入力軸たるメイン軸32、出力軸たるカウンタ軸34、ギア変速機構36およびクランク軸16からの回転駆動力の伝達を油圧によって断続する油圧クラッチ40を備えている。

0037

変速機31のメイン軸32は、第一メイン軸32Aと円筒状の第二メイン軸32Bとからなっている。第一メイン軸32Aは、第二メイン軸32Bとの軸方向相対位置を固定されて第二メイン軸32Bを貫通し、第一メイン軸32Aと第二メイン軸32Bとの間には、複数のニードルベアリング(不図示)が介装されている。第一メイン軸32Aの前端部32Aaはボールベアリング33aを介してミッションホルダ22に回転自在に支持され、第一メイン軸32Aの後端部32Abはクラッチカバー26に回転自在に支持されている。第二メイン軸32Bは、第二メイン軸32Bの中間部32Bcがリアカバー25を貫通し、ボールベアリング33bを介してリアカバー25に回転自在に支持されている。

0038

カウンタ軸34は、前端部34aがミッションホルダ22にボールベアリング35aを介して回転自在に支持され、後端部34bがリアカバー25に設けられたボールベアリング35bを貫通するように配されて、ボールベアリング35bを介してリアカバー25に回転可能に支持されている。カウンタ軸34の後端部34b近傍には、セカンダリ被動ギア19bと噛合うセカンダリ駆動ギア19aがスプライン嵌合されている。

0039

メイン軸32におけるミッションホルダ22とリアカバー25との間には、一速から七速に対応する七個の駆動ギアMとリバース用の被動スプロケットMTが支持されている。カウンタ軸34におけるミッションホルダ22とリアカバー25との間には、駆動ギアMに対応してこれらに常時噛合う七個の被動ギアCとリバース用の駆動スプロケットCTが支持されている。これら駆動ギアM、被動ギアC、駆動スプロケットCTおよび被動スプロケットMTによりギア変速機構36が構成されている。

0040

駆動ギアMの内、奇数段の駆動ギアM1,M3,M5,M7と被動スプロケットMTは、第二メイン軸32Bを貫通した第一メイン軸32Aの前端部32Aa側に、前側から七速駆動ギアM7、三速駆動ギアM3、五速駆動ギアM5、一速駆動ギアM1、被動スプロケットMTの順に支持されている。
一速駆動ギアM1は、第一メイン軸32Aに一体に形成されて第一メイン軸32Aと一体に回転される固定ギアXGである。三速駆動ギアM3は、第一メイン軸32Aにスプライン嵌合されて第一メイン軸32Aと一体に回転するとともに第一メイン軸32Aの軸方向に移動可能なシフタギアSGである。五速駆動ギアM5および七速駆動ギアM7は、第一メイン軸32Aと相対回転可能かつ軸方向に移動不能に固定されるフリーギアFGである。被動スプロケットMTは、第一メイン軸32Aと相対回転可能かつ軸方向に移動不能に固定されている。

0041

駆動ギアMの内、偶数段の駆動ギアM2,M4,M6は、リアカバー25の前方に位置する第二メイン軸32Bの前半部に、前側から六速駆動ギアM6、四速駆動ギアM4、二速駆動ギアM2の順に支持されている。
二速駆動ギアM2は、第二メイン軸32Bに一体に形成されて第二メイン軸32Bと一体に回動される固定ギアXGである。四速駆動ギアM4は、第二メイン軸32Bと相対回転可能かつ軸方向に移動不能に固定されるフリーギアFGである。六速駆動ギアM6は、第二メイン軸32Bにスプライン嵌合されて第二メイン軸32Bと一体に回動するとともに第二メイン軸32Bの軸方向に移動可能なシフタギアSGである。

0042

被動ギアCおよび駆動スプロケットCTは、カウンタ軸34に、前側から七速被動ギアC7、三速被動ギアC3、五速被動ギアC5、一速被動ギアC1、駆動スプロケットCT、六速被動ギアC6、四速被動ギアC4、一速被動ギアC1の順に支持されている。
七速被動ギアC7は、カウンタ軸34に相対回転不能かつ軸方向に移動不能に固定される固定ギアXGである。一速被動ギアC1、二速被動ギアC2、三速被動ギアC3および六速被動ギアC6は、カウンタ軸34と相対回転可能かつ軸方向に移動不能に固定されるフリーギアFGである。四速被動ギアC4および五速被動ギアC5は、カウンタ軸34にスプライン嵌合されてカウンタ軸34と一体に回動するとともにカウンタ軸34の軸方向に移動可能なシフタギアSGである。駆動スプロケットCTは、一速被動ギアC1と一体に形成され、被動スプロケットMTと相対するように配置され、被動スプロケットMTとの間にリバース用チェーン37が懸架されている。

0043

各シフタギアM3,M6,C4,C5には、後述するシフトフォーク71の爪部71cが係合する系止溝M3a,M6a,C4a,C5aが形成され、各シフタギアM3,M6,C4,C5は、シフトフォーク71の動作に伴って軸方向に移動される。

0044

各シフタギアM3,M6,C4,C5と各フリーギアM4,M5,M7,C1,C2,C3,C6および被動スプロケットMTには、互いに係脱可能なドグ歯Dが形成されており、各シフタギアM3,M6,C4,C5のドグ歯Dと各フリーギアM4,M5,M7,C1,C2,C3,C6または被動スプロケットMTのドグ歯Dが係合することでメイン軸32の回転駆動力がカウンタ軸34に伝達されるようになっている。

0045

図6は、ドグ歯Dの図5のVI−VI線断面を模式的に示した断面図である。図6に示されるように、本実施の形態では、ドグ歯Dは、ドグ歯Dの係合面Daが、軸方向Tの外側に向うに従って次第にその周方向Wの幅が大きくなるいわゆる逆テーパ型のドグ歯Dとして形成されている。シフタギアSGが、隣合うフリーギアFGの方向へ移動し、互いのドグ歯D,Dが噛合うと、逆テーパによってスラスト荷重(軸方向の荷重)が発生しシフタギアSGがフリーギアFGへ引き寄せられる。
なお、本実施の形態では、シフタギアSGのドグ歯Dの先端部Dbは、フリーギアFGとの係合時にフリーギアFGのドグ歯D,D間の底部Dcに突き当たるように形成され、シフタギアSGの位置決め精度を向上させている。

0046

図5に示されるように、リアカバー25よりも後方に突出して配置されるメイン軸32の後半部には、油圧クラッチ40が設けられている。
油圧クラッチ40は、第一メイン軸32Aに連結される第一油圧クラッチ40Aと第二メイン軸32Bに連結される第二油圧クラッチ40Bとクラッチアウタ42とを有するいわゆるデュアルクラッチ(ツインクラッチ)方式として構成されている。第一油圧クラッチ40Aの第一クラッチインナ41Aは、第二メイン軸32Bの後端部32Bbから後方に突出して配置される第一メイン軸32Aの後端部32Ab近傍に軸方向の移動を制限されてスプライン嵌合されている。第二油圧クラッチ40Bの第二クラッチインナ41Bは、第二メイン軸32Bの後端部32Bb近傍に軸方向の移動を制限されてスプライン嵌合されている。

0047

クラッチアウタ42は、第二油圧クラッチ40Bとリアカバー25との間で第二メイン軸32Bに回転自在に支持されるプライマリ被動ギア16bに緩衝部材43を介して支持されている。プライマリ被動ギア16bは、クランク軸16に嵌着されたプライマリ駆動ギア16aと噛合い、クランク軸16から供給される回転駆動力が所定の減速比減速されて油圧クラッチ40に伝達されるようになっている。

0048

クラッチアウタ42と第一クラッチインナ41Aとの間には、クラッチアウタ42と一緒に回転する駆動摩擦板44a1と第一クラッチインナ41Aと一緒に回転する被動摩擦板44a2とが交互に配列された第一摩擦板群44Aが、第一加圧プレート45Aにより加圧可能に設けられている。また、クラッチアウタ42と第二クラッチインナ41Bとの間には、クラッチアウタ42と一緒に回転する駆動摩擦板44b1と第二クラッチインナ41Bと一緒に回転する被動摩擦板44b2とが交互に配列された第二摩擦板群44Bが、第二加圧プレート45Bにより加圧可能に設けられている。
第一加圧プレート45Aと第二加圧プレート45Bを選択的に駆動可能な油圧回路46が、第二メイン軸32Bおよびクラッチカバー26に設けられており、クランク軸16からの回転駆動力を油圧によって断続することで第一油圧クラッチ40Aと第二油圧クラッチ40Bとが切り替えられ、クランク軸16からメイン軸32へと動力が伝達されるようになっている。そして、クランク軸16からメイン軸32へ伝達された動力は、ギア変速機構36により選択的に確立された変速段にてセカンダリ駆動ギア19aに伝達され、セカンダリ被動ギア19b、ドライブ軸19を介して後輪7へと出力されるようになっている。

0049

図7は、図2の変速駆動装置30のVII−VII線断面図である。
図7に示されるように、変速駆動装置30は、シフトドラム角検出装置100と、シフトドラム角検出装置100と連動して変速機31の変速段を選択的に確立させるチェンジ機構60とチェンジ機構60へ回転動力を供給するシフトモータ51と、シフトモータ51から入力された回転動力を減速してチェンジ機構60へと出力する減速ギア機構53とを備えている。変速に必要な動力がシフトモータ51から減速ギア機構53を介してチェンジ機構60へ伝達される。チェンジ機構60では、シフトスピンドル61とマスターアーム63の回動によりポールラチェット機構66がシフトドラム角検出装置100にて制御されるシフトドラム80を間欠的に回動させ、シフトフォーク71が変速機31のシフタギアGSを移動させて変速段の切替が行われるようになっている。

0050

図2図3および図7に示されるように、シフトモータ51は、その回転軸線L2がクランク軸16の回転軸線L1と平行になるように前後方向を指向させ、前面視で減速機カバー24にほぼ全面が覆われ、側面視で一部が変速機室17の左方側に配設され、ボルト52によりチェンジ系ホルダ23に固定されている。

0051

図7に示されるように、シフトモータ51の前方には、チェンジ系ホルダ23と減速機カバー24とにより減速機室18が画成され、シフトモータ51は、減速機室18内に配置された減速ギア機構53に接続されている。

0052

チェンジ機構60は、変速機室17の前方に位置し、シフトスピンドル61、マスターアーム63、マスターアーム63の回動量を規制するストッパピン64およびポールラチェット機構66を備えている。チェンジ機構60は、シフトモータ51から減速ギア機構53を介して伝達された回転動力によりシフトスピンドル61を回動させ、シフトスピンドル61の回動に連動して回動されるマスターアーム63に連動してポールラチェット機構66がシフトドラム80を間欠的に回動させている。

0053

シフトスピンドル61は、シフトドラム80の左前方に位置し、シフトドラム80と軸方向が平行になるように回動軸を前後方向に指向して配設されている。シフトスピンドル61の前端側には減速ギア機構53の被動ギア53aがセレーション嵌合され、シフトスピンドル61の後端側には、延長カラー部材62を介してマスターアーム63が連結されている。

0054

図8は、チェンジ機構60を一部簡略化して示した要部拡大図であり、図9は、図8の状態からシフトドラム80がシフトアップ方向に回動した状態の要部拡大図である。
図8に示されるように、マスターアーム63は、略三角形状の板状に形成されている。マスターアーム63には円孔63a、角丸長方形駆動孔63bおよび略台形規制孔63cが形成されている。円孔63aにはシフトスピンドル61が挿通され、駆動孔63bにはポールラチェット機構66の従動突起66aが摺動自在に嵌合され、規制孔63cにはストッパピン64が挿通されている。規制孔63cと円孔63aとの間には係止部63dが形成され、係止部63dにはシフトスピンドル61に設けられたコイルスプリング65の端部65aが係止されている。

0055

図7および図8に示されるように、ポールラチェット機構66は、マスターアーム63の駆動孔63bに摺動自在に嵌合される従動突起66aが形成されたシフト入力部材66bと、シフトドラム80と一体に回動する回動部材66cと、回動部材66cに内蔵され回動部材66cの内周に係合するように付勢される一対のポール66dとを備えている。
図9に示されるように、マスターアーム63の回動により、駆動孔63b内を摺動する従動突起66aに案内されてシフト入力部材66bが一方向に回動されると、ポール66dの一方の先端66eが起立して回動部材66cに係止され、シフト入力部材66bの回動に連動して回動部材66cが回動され、シフトドラム80を間欠的に回動させ、変速機31の変速段が確定されるようになっている。

0056

次に、本発明に係るシフトドラム角検出装置100について説明する。シフトドラム角検出装置100は、シフトフォーク71、シフトドラム80、第一センサ軸83、第一角度センサ84、増速機構90および第二角度センサ94を備えている。シフトドラム角検出装置100は、シフトドラム80の回動により軸方向に移動するシフトフォーク71がシフタギアSGを操作して変速機31の変速段を確立する際に、第一角度センサ84と増速機構90の第二角度センサ94とを用いてシフトドラム80の回動角を検出するようになっている。詳細は後述する。
なお、第一および第二角度センサ84,94は、被測定対象物の所定の基準位置からの回動量を電圧として検出するものである。

0057

図7に示されるように、シフトフォーク71は、第一シフトフォーク71A、第二シフトフォーク71B、第三シフトフォーク71Cおよび第四シフトフォーク71Dを有し、それぞれの基部71Aa,71Ba、71Ca,71Daがシフトフォーク軸72に軸方向に摺動可能に支持されている。各シフトフォーク71A,71B,71C,71Dの基部71Aa,71Ba、71Ca,71Daには、円柱状のピン部71Ab,71Bb,71Cb,71Dbが、後述するシフトドラム80のリード溝81に向けて突出するように形成されている。

0058

図5も参照して、各シフトフォーク71のシフタギアSG側に位置する爪部71Ac,71Bc,71Cc,71Dcは、各シフタギアM3,M6,C4,C5に設けられた係止溝M3a,M6a,C4a,C5aに、各シフタギアM3,M6,C4,C5が回転自在に係止されており、シフトフォーク71の軸方向の移動に伴い各シフタギアM3,M6,C4,C5が軸方向に移動されるようになっている。

0059

図7に示されるように、シフトドラム80は、内部が中空の円筒状に形成され、前端部80aがボールベアリング82を介してミッションホルダ22に回転自在に支持され、後端部(不図示)がニードルベアリング(不図示)を介してリアカバー(不図示)に回転自在に支持されている。

0060

図10は、シフトドラム80のリード溝81の展開図である。
図10において、リード溝81内の実線の円は、シフトドラム80がニュートラル位置P(n-n)にあるときの各シフトフォーク71A,71B,71C,71D(不図示)のピン部71Ab,71Bb,71Cb,71Dbを示し、破線の円は、二点鎖線で示される各ギアポジションP(RVS)〜P(7-n)にある各シフトフォーク71A,71B,71C,71Dのピン部71Ab,71Bb,71Cb,71Dbを示している。
シフトドラム80には、リバース位置P(RVS)、ニュートラル位置P(n-n)、一速位置P(1-n)、一速二速予備位置P(1-2)、二速位置P(n-2)、二速三速予備位置P(3-2)、三速位置P(3-n)、三速四速予備位置P(3-4)、四速位置P(n-4)、四速五速予備位置P(5-4)、五速位置P(5-n)、五速六速予備位置P(5-6)、六速位置P(n-6)、六速七速予備位置P(7-6)および七速位置P(7-n)の十五個の各ギアポジションGPが24度ずつの間隔をあけて順次設定されている。

0061

図7および図10に示されるように、シフトドラム80の径方向外周面80cには、四つのリード溝81が設けられている。リード溝81は、部分的にシフトドラム80の軸方向にオフセットして、シフトドラム80の周方向に沿うようなパターンとして形成されている。

0062

リード溝81は、第一リード溝81A、第二リード溝81B、第三リード溝81Cおよび第四リード溝81Dを有している。第一リード溝81Aには第一シフトフォーク71Aのピン部71Abが、第二リード溝81Bには第二シフトフォーク71Bのピン部71Bbが、第三リード溝81Cには第三シフトフォーク71Cのピン部71Cbが、第四リード溝81Dには第四シフトフォーク71Dのピン部71Dbが、それぞれスライド可能に係合されている。
シフトドラム80の回動により各ピン部71Ab,71Bb,71Cb,71Dbがシフトドラム80の各リード溝81A,81B,81C,81Dのパターンに応じて案内されることで各シフトフォーク71A,71B,71C,71Dがシフトフォーク軸72上を軸方向に移動するようになっている。なお、各リード溝によって決定される各シフトフォーク71A,71B,71C,71Dと各シフタギアM3,M6,C4,C5は、「後方位置」または「中央位置」または「前方位置」の三つの移動位置を有するようになっている。

0063

図10に示されるように、各リード溝81A,81B,81C,81Dの内、各シフタギアM3,M6,C4,C5が係合先の各フリーギアM4,M5,M7,C1,C2,C3,C6と係合されている位置、すなわち各リード溝81A,81B,81C,81Dにおける後方位置Preおよび前方位置Pfrには、係合先のフリーギアM4,M5,M7,C1,C2,C3,C6が位置する方向側(後方位置Preの後方側、前方位置Pfrの前方側)の幅が僅かに広がるギャップ部81gが設けられている。

0064

図11は、第一シフトフォーク71Aが三速駆動ギアM3を五速駆動ギアM5へ係合させた状態を一部簡略化して示した断面図である。
前述したように、本実施の形態における三速駆動ギアM3のドグ歯Dは、五速駆動ギアM5のドグ歯Dとの係合時に、その先端部Dbを五速駆動ギアM5に突き当てるようになっている。この構成では、逆テーパ型のドグ歯Dの作用により三速駆動ギアM3は、五速駆動ギアM5に向って押付けられるスラスト力が常に働いている状態であるため、三速駆動ギアM3に係合している第一シフトフォーク71Aにも同方向のスラスト力が働くこととなる。そのため、第一シフトフォーク71Aのピン部71Abがシフトドラム80の第一リード溝81Aの側壁に押付けられることとなるが、本実施の形態では、第一リード溝81Aに前述したギャップ部81gが設けられているため、ピン部71Abに無理な荷重がかかることがない。

0065

図7および図8に示されるように、シフトドラム80の前端部80aには、シフトドラム80と一体に回動する星型カム85が設けられている。星型カム85は、ポールラチェット機構66の回動部材66cの外周に形成されている。星型カム85の外周面85aには、シフトドラム80の軸方向視径方向内方に向って円弧状にへこむ凹部86が形成されている。凹部86の内、シフトドラム80の回動中心C11との距離が最も短くなる凹部86の底位置86aは、凹部86の中央に位置し、凹部86の形状は底位置86aとシフトドラム80の回動中心点L3とを結ぶ線を中心として対象な形状となっている。凹部86は、前述したギアポジションGPの数と同じ数が星型カム85の外周面85aに均等に配置されるようになっており、本実施の形態では十五個の凹部86がシフトドラム80の回動中心C11を中心に24度ずつ均等に配置されている。
各凹部86間には、シフトドラム80の軸方向視で径方向外方に向って突出する頂点87aを有する凸部87が形成され、凸部87は凹部86と同じく均等に配置されている。凸部87の頂点87aは、頂点87aとシフトドラム80の回動中心C11とを結ぶ線と凸部87の両側の凹部86の底位置86a,86aのそれぞれとシフトドラム80の回動中心C11とを結ぶ線との角度が各々12度となり、凹部86の底位置86aが凸部87の頂点87aの両側に対象に配置されている。このように、星型カム85の外周面85aには、凹部86と凸部87が均等に配置されたカムプロファイル85Prが形成されている。

0066

図8に示されるように、星型カム85の外周面85aには、図示されないばねにより付勢されるディテント機構88のディテントアーム88bに回動自在に支持されるローラー88aが押圧されている。星型カム85の回動は、ディテント機構88のローラー88aが凹部86に当接されることで規制され、シフトドラム80のギアポジションGPが確立される。

0067

変速機31のシフト操作についてニュートラル位置P(n-n)から二速位置P(n-2)までのシフトアップ操作を例に説明する。
図5および図10を参照して、シフトドラム80がニュートラル位置P(n-n)にある場合には、六速駆動ギアM6は前方位置にてリバース用の被動スプロケットMTと係合され、他のシフタギアM3,C4,C5はフリーギアFGと係合されていない中央位置にある。そして、図8に示されるように、シフトドラム80は、星型カム85のニュートラル位置P(n-n)に対応する凹部86がローラー88aにより押圧されることでニュートラル位置P(n-n)に固定されている。このとき、第一油圧クラッチ40Aおよび第二油圧クラッチ40Bには油圧が供給されておらず、いずれも接続されていない。

0068

図5および図10を参照して、ニュートラル位置P(n-n)からシフトドラム80がシフトアップの方向に24度回動されると、第二シフトフォーク71Bのピン部71Bbが後方に移動して六速駆動ギアM6を中央位置に移動させる。それと同時に、第三シフトフォーク71Cのピン部71Cbが後方に移動して五速被動ギアC5を後方位置に移動させ、五速被動ギアC5のドグ歯Dを一速被動ギアC1のドグ歯Dと噛合わせることで、シフトドラム80は変速機31の一速を確立する一速位置P(1-n)となる。この状態で、油圧回路46によって第一油圧クラッチ40Aへ油圧が供給されることで、第一油圧クラッチ40A、第一メイン軸32A、一速駆動ギアM1、一速被動ギアC1、五速被動ギアC5、カウンタ軸34の順で回転駆動力が伝達される。ここで、図9を参照して、シフトドラム80は、星型カム85が24度回動される際に凸部87を乗越えたローラー88aにより、星型カム85の一速位置P(1-n)に対応する凹部86が押圧されることで一速位置P(1-n)に固定される。

0069

続いて、図5および図10を参照して、一速位置P(1-n)からシフトドラム80がシフトアップの方向にさらに24度回動されると、第四シフトフォーク71Dのピン部71Dbが後方に移動して四速被動ギアC4を後方位置に移動させ、四速被動ギアC4のドグ歯Dを二速被動ギアC2のドグ歯Dに噛合わせることで、シフトドラム80は一速二速予備位置P(1-2)となる。そして、シフトドラム80は、ローラー88aにより星型カム85の一速二速予備位置P(1-2)に対応する凹部86が押圧されることで一速二速予備位置P(1-2)に固定される。この状態では、第二油圧クラッチ40Bは切断されているため、回転駆動力の伝達経路に変更はない。このような状態を「予備変速」といい、一速位置P(1-n)から七速位置P(7-n)までのシフト操作で同様に実行されている。

0070

一速二速予備位置P(1-2)の状態で、一速から二速へのシフトアップ操作が行われると油圧回路46により第一油圧クラッチ40Aを切断させるとともに、第二油圧クラッチ40Bを接続させる油圧クラッチ40の切替動作が行わる。この切替動作により、いわゆるトルク抜けを生じさせずに滑らかに二速へのシフトアップが行われ、第二油圧クラッチ40B、第二メイン軸32B、二速駆動ギアM2、二速被動ギアC2、四速被動ギアC4、カウンタ軸34の順で回転駆動力が伝達される。
そして、シフトドラム80がシフトアップの方向にさらに24度回動され、第三シフトフォーク71Cのピン部71Cbが前方に移動して五速被動ギアC5を中央位置に移動させることで、シフトドラム80は変速機31の二速を確立する二速位置P(n-2)となる。このとき、シフトドラム80は、ローラー88aにより星型カム85の二速位置P(n-2)に対応する凹部86が押圧されることで二速位置P(n-2)に固定される。

0071

図7に示されるように、シフトドラム80の前端部80a中央からは、シフトドラム80と一体に回動する第一センサ軸83が前方へ延出されている。第一センサ軸83の軸方向中央部83bには、前述したポールラチェット機構66が設けられている。第一センサ軸83の先端部83aは、チェンジ系ホルダ23に形成された開口部23aを貫通し、第一センサ軸83およびシフトドラム80の回動角を検出する第一角度センサ84に接続されている。第一角度センサ84は、例えばポテンショメータで構成され、チェンジ系ホルダ23の前面に取付けられ、シフトドラム80と一体に回動する第一センサ軸83の回動角に基づいて出力される電圧である出力値Vout1をECU(不図示)へ出力するようになっている。

0072

シフトドラム80の前方には、第一センサ軸83の回動量を所定の増速比Raで増大させる増速機構90が設けられている。増速機構90は、増速ドライブ部材である増速駆動ギア91、第二センサ軸92および増速ドリブン部材である増速被動ギア93を備えている。

0073

増速駆動ギア91は、第一センサ軸83の軸方向におけるポールラチェット機構66とチェンジ系ホルダ23との間に、第一センサ軸83と相対回転不能に嵌合され、第一センサ軸83と一体に回動されるようになっている。増速駆動ギア91の外周縁には肉厚フランジ部91aが形成され、増速駆動ギア91のフランジ部91aと第一センサ軸83との間にはピン95が圧入されている。

0074

第二センサ軸92は、第一センサ軸83の左方であって増速駆動ギア91の周方向外方に配置されている。第二センサ軸92は、第一センサ軸83の回動中心C11と軸方向が平行になるように回動軸線L4を前後方向に指向して前端部92aがチェンジ系ホルダ23に形成された開口部23bにボールベアリング96aを介して回動自在に支持され、後端部92bはミッションホルダ22にボールベアリング96bを介して回動自在に支持されている。

0075

増速被動ギア93は、第二センサ軸92の前端部92a近傍の周面に周方向に亘って一体に形成されている。増速被動ギア93は、増速駆動ギア91よりも小径で、増速駆動ギア91と常時噛合うように配置され、増速駆動ギア91によって駆動される。増速機構90における増速被動ギア93の増速駆動ギア91との増速比Raは、前述したシフトドラム80のギアポジションGP数の約数の内、一を除く約数の値に設定され、常に正の整数となっている。本実施の形態では、ギアポジションGPの数と同じ「15」が増速比Raとなり、ギアポジションGPが一つ変わるごとに第二センサ軸92は一回転し、シフトドラム80が一回転すると第二センサ軸92は十五回転することとなる。

0076

第二センサ軸92の前端部92aには、第一センサ軸83の回動量を増速機構90にて所定の増速比Raで増大して回動される第二センサ軸92の回動角を検出する第二角度センサ94が接続されている。第二角度センサ94は、例えばポテンショメータで構成され、チェンジ系ホルダ23の前面に取付けられている。第二角度センサ94は、第二センサ軸92の回動角を検出し、第二センサ軸92の回動角に基づいて出力される電圧である出力値Vout2をECUへ出力するようになっている。

0077

図4および図7に示されるように、チェンジ系ホルダ23の前面には、ニュートラルスイッチ97とリバースポジションスイッチ98が設けられている。ニュートラルスイッチ97は増速駆動ギア91のピン95の周回軌道上に、リバースポジションスイッチ98は増速駆動ギア91のフランジ部91aの周回軌道上にそれぞれ配置され、シフトドラム80のニュートラル位置P(n-n)とリバース位置P(RVS)とが検知されるようになっている。

0078

図12は、第一および第二角度センサ84,94により検出される回動角が0となるときの仮想的な基準状態を示した仮想図である。図中、シフトドラム80のリード溝81の形状から、ディテント機構88が図12に示される位置(後述する基準点Po)に当接することは無いが、第一角度センサ84および第二角度センサ94の仮想的な基準状態を示すために、図12においてディテント機構88を一点鎖線にて仮想的に表示している。
図12に示されるように、本実施の形態では、星型カム85の七速位置P(7-n)に対応する凹部86とリバース位置P(RVS)に対応する凹部86との間に位置する凸部87の頂点87aが、ディテント機構88のローラー88aに当接したと仮想した状態において、この頂点を基準点Poとしている。そして、シフトドラム80の回動中心C11と基準点Poとを結ぶ基準線Xと、シフトドラム80の回動中心C11とディテント機構88のローラー88aの回動中心C12とを結ぶ検出線Yとが重なる状態である図12に示される状態(以下「仮想基準状態」という)であるときに、第一および第二角度センサ84,94が検出する回動角が0度となるように第一および第二角度センサ84,94の出力値Vout1,Vout2にオフセットをかけて、第一角度センサ84が第一センサ軸83に、第二角度センサ94が第二センサ軸92に接続される。なお、他の凸部87の頂点87aを基準点Poに定めても良いが、本実施の形態においては後述する角度センサの出力値のハンチングの影響を考慮して、図12に示される状態を基準点Poに定めている。

0079

図13は、図12の状態からシフトアップの方向に回動し、シフトドラムの最初のギアポジションが確立された状態を示した図である。星型カム85が図中で時計回り(シフトアップ方向)に回動されると、図13に示されるように、リバース位置P(RVS)に対応する凹部86にローラー88aが当接されることにより最初のギアポジションGPであるリバース位置P(RVS)が確立される。本実施の形態においては、前述したように凹部86の形状は中央の底位置86aから対照に形成されていることから、リバース位置P(RVS)は、凹部86の底位置86aが検出線Y上に位置したときに確立される。このとき、一体に回動されるシフトドラム80、星型カム85および第一センサ軸83は、図12に示される仮想基準状態からシフトアップ方向に12度回動されている。また、第二センサ軸92は、増速機構90により第一センサ軸83(すなわちシフトドラム80)の回動量の十五倍に増大されて180度回動されている。このように、各ギアポジションGPは、仮想基準状態からシフトアップ方向に12度回動した位置から24度回動するごとに順次確立され、基準線Xと検出線Yとの間のシフトドラム80の回動中心C11を中心とした角度θが、仮想基準状態からのシフトドラム80の回動角となる。

0080

図14は、シフトドラム80の各ギアポジションGPにおける第一角度センサ84の出力値Vout1および第二角度センサ94の出力値Vout2の出力プロファイル図である。図中、実線は第一角度センサ84の出力値Vout1と第二角度センサ94の出力値Vout2を示している。二点鎖線は検出線Yにおけるシフトドラム80の回動中心C11から星型カム85の外周面85aまでの距離(以下「カム面距離」という)dを示しており、この値はシフトドラム80の回動角やカムプロファイル85Prの形状に基づいて変化するものである。また、第一縦軸は各角度センサ84,94から出力される出力電圧を、第二縦軸は検出線Yにおける星型カム85のカム面距離dを、横軸は星型カム85が仮想基準状態からシフトドラム80のシフトアップ方向に回動される際のシフトドラム80の回動角をそれぞれ示しており、横軸の下方にはシフトドラム80の各ギアポジションGPを示している。

0081

図14に示されるように、第一角度センサ84の出力値Vout1は、シフトドラム80が基準線Xと検出線Yが重なる仮想基準状態である0度の時に最小値Vmin、仮想基準状態から360度回動(一回転)した時に最大値Vmaxとなり、最小値Vminと最大値Vmaxとの間は直線状に変化している。

0082

一方、増速機構90により第一センサ軸83(すなわちシフトドラム80)の回動量から増大されて回動される第二センサ軸92は、シフトドラム80が24度回動すると360度回動される。よって、第二角度センサ94の出力値Vout2は、シフトドラム80が仮想基準状態である0度の時に最小値Vmin、仮想基準状態から24度回動した時に最大値Vmaxとなり、最小値Vminと最大値Vmaxとの間は直線状に変化している。そして、シフトドラム80が一回転すると、第二センサ軸92は十五回転するため、最小値Vminから最大値Vmaxまでのサイクルが十五回繰り返されている。
なお、本実施の形態では、各出力値Vout1,Vout2の最小値Vminを0.5V、最大値Vmaxを5.0Vとしている。

0083

次に、図14を用いて、仮想基準状態からニュートラル位置P(n-n)までのシフトドラム80の回動を例に、第二角度センサ94の出力値Vout2の変化を説明する。
まず、シフトドラム80が図12に示される仮想基準状態にあるとき、出力値Vout2は最小値Vminとなっている(図14中でα1にて示される状態)。そして、シフトドラム80が仮想基準状態からシフトアップ方向に12度回動されると、図13に示されるように、リバース位置P(RVS)に対応する凹部86にローラー88aが当接し、リバース位置P(RVS)が確立される。この状態のとき、出力値Vout2は最小値Vminと最大値Vmaxとの真中の値(以下「中央値Vmid」という)となり(α2)、星型カム85のカム面距離dは最小値dmin、すなわちギアポジションGPが確立され凹部86の底位置86aが検出線Y上に位置する状態となっている。
なお、本明細書および特許請求の範囲において「中央値Vmid」とは、第二角度センサ94の出力値Vout2の最小値Vminと最大値Vmaxの真中の値を意味する。本実施の形態においては、最小値Vminが0.5V、最大値Vmaxが5.0Vであるから、中央値Vmidは2.75Vとなる。

0084

次に、シフトドラム80がリバース位置P(RVS)からシフトアップ方向に12度回動されると、リバース位置P(RVS)に対応する凹部86とニュートラル位置P(n-n)に対応する凹部86の間に位置する凸部87の頂点87a1にローラー88aが当接される状態となる。この状態のとき、出力値Vout2は最大値Vmaxと最小値Vminが切替わるタイミングとなり(α3,α4)、星型カム85のカム面距離dは最大値dmaxとなる。そして、シフトドラム80がさらにシフトアップ方向に12度回動されると、ニュートラル位置P(n-n)に対応する凹部86にローラー88aが当接し、ニュートラル位置P(n-n)が確立される。この状態のとき、出力値Vout2は最小値Vminと最大値Vmaxとの真中の値である中央値Vmidとなり(α5)、星型カム85のカム面距離dは最小値dmin(すなわち凹部86の底位置86a)となっている。以降、凹部86にローラー88aが当接して各ギアポジションGPが確立される際の第二角度センサ94の出力値Vout2は中央値Vmidとなり、星型カム85のカム面距離dは最小値dminとなる。また、凸部87の頂点87aにローラー88aが当接するタイミングで出力値Vout2が切替わり、星型カム85のカム面距離dは最大値dmaxとなるようになっている。
このように、第二角度センサ94は、ギアポジションGPが凹部86にローラー88aが当接されることにより確立し、カム面距離dが最小値dminとなる際の出力値Vout2が中央値Vmidとなり、ローラー88aが凸部87の頂点87aに当接され、カム面距離dが最大値dmaxとなる際の出力値Vout2が、最小値Vminと最大値Vmaxとが切替わるタイミングとなるように、第二センサ軸92へ接続されるようになっている。

0085

一般的に、回動角センサの出力値は、センサ軸の回動角に合せて出力され、回動角が0度のときに最小値となり、最小値から360度回動すると最大値となり、360度回動されると最小値と最大値とが切替わるようになっている。そして、この切替わりのタイミングでは、出力値が大きく変動し、ハンチングの影響も受けやすくなることから出力値は不安定なものとなる場合がある。その一方、回動角センサの出力値は、最小値と最大値の真中に位置する中央値が最も安定する。そして、ギアポジションGPが確立される凹部86では、特にセンサの検出精度が必要とされるため、その出力値が安定して得られることが望ましい。
本実施の形態においては、シフトドラム80のギアポジションGPを星型カム85の凹部86にローラー88aが当接されることにより確立し、星型カム85のカム面距離dが最小値dminとなる際に出力される第二角度センサ94の出力値Vout2が中央値Vmidとなる。本実施の形態では、検出線Yに凹部86の底位置86aが位置したときにギアポジションGPが確立されてシフトドラム80の回動が完了されることとなる。そして、そのときの第二角度センサ94の出力値Vout2が中央値Vmidとなって安定したものとなり、ギアポジションGPが確立されて終了するシフトドラム80の回動の完了を精度よく検出することができるようになっている。
また、凸部87の頂点87aがローラー88aに当接され、星型カム85のカム面距離dが最大値dmaxとなる際の第二角度センサ94の出力値Vout2が、最小値Vminと最大値Vmaxとが切替わるタイミングとなっている。すなわち、シフトドラム80のギアポジションGPが確立される凹部86の底位置86aが、ある出力値Vout2が切替わるタイミングおよび次の切替わるタイミングの両方からもっとも離れた位置となることから、ギアポジションGPが確立される際のシフトドラム80の回動角の検出精度の低下の懸念を解消することができるようになっている。

0086

図15は、本発明に係るシフトドラム角検出装置100のシフトドラム80の回動角の検出方法を示す説明図であり、図16は、図15の一部を拡大した部分拡大図である。
図中、実線は第一角度センサ84の出力値Vout1と第二角度センサ94の出力値Vout2をそれぞれ示している。また、縦軸は出力電圧を、横軸は星型カム85が仮想基準状態からシフトアップ方向に回動された際のシフトドラム80の回動角をそれぞれ示しており、横軸の下方にはシフトドラム80の各ギアポジションGPと、後述するエリア番号Anoを示している。図16において、一点鎖線は、後述するいわゆるドグ当たりが発生する場合の、ドグ当たり発生個所Pdを示している。
なお、本実施の形態では、第一および第二角度センサ84,94の出力値Vout1,Vout2は10msecごとに出力される。

0087

図15に示されるように、第二角度センサ94の出力値Vout2の最小値Vminから最大値Vmaxまでの一サイクルの測定範囲で検出されるシフトドラム80の回動角の範囲を一つのエリアAとする。エリアAの数は、増速機構90の増速比Raに応じて変化する。例えば、本実施の形態では、増速比Raが「15」に設定されているためエリア数は「15」となる。また、前述したように、ギアポジションGPが確立される際の出力値Vout2は中央値Vmidとなっており、各エリアA内では一つのギアポジションGPが確立されることとなる。

0088

各エリアAには、エリアAごとに対応するエリア番号Anoである整数が割当てられている。本実施の形態の場合、エリア番号Anoは、エリアA内で確立されるギアポジションGPの配列順に「0」から割当てられる。シフトドラム80が仮想基準状態からシフトアップ方向に回動されたときに確立されるギアポジションGPの配列順にエリア番号Anoが割当てられ、リバース位置P(RVS)が確立されるエリアAのエリア番号Anoが「0」、ニュートラル位置P(n-n)が確立されるエリアAのエリア番号Anoが「1」となり、七速位置P(7-n)が確立されるエリアAのエリア番号Anoが「14」となる。

0089

図15および図16に示されるように、各エリアA間には第二角度センサ94の出力値Vout2の最小値Vminと最大値Vmaxとが切替わるタイミングがあり、そのタイミングでは、出力値Vout2の最小値Vminと最大値Vmaxとが瞬時に切替わるため、第二角度センサ94の公差や誤差によって出力値Vout2が最小値Vminと最大値Vmaxとで切替わる現象が発生する他、出力値Vout2が安定するまでハンチングの影響を受ける場合がある。シフトドラム80の回動角の内、このような第二角度センサ94の出力値Vout2が切替わるタイミングのシフトドラム80の回動角に所定の角度を持たせた領域を切替エリアAcとし、各エリアAの内、切替エリアAc以外の領域を線形エリアAsとする。切替エリアAcは、例えば切替わるタイミングの角度を中心にシフトアップ方向とシフトダウン方向とに各1度ずつの巾が持たせられている。切替エリアAcを設定する目的は、以後詳述するように、シフトドラム80の回動角の検出に切替エリアAcが影響を与えないようにすることである。

0090

第一角度センサ84の出力値Vout1は、シフトドラム80が一回転する間、最小値Vminから最大値Vmaxまで線形に増加している。また、シフトドラム80が一回転する間に、線形エリアAsと切替エリアAcが交互に出現する。そのため、第一角度センサ84の出力値Vout1より、現在のシフトドラム80の回動角がどの領域にあるのかを判断することができる。

0091

第一角度センサ84の出力値Vout1を用いて、シフトドラム80の回動角が切替エリアAc内か否かの判定が行われる。なお、この判定には、第二角度センサ94の出力値Vout2も併せて用いても良い。

0092

次に、シフトドラム80の回動角が切替エリアAc内ではない場合、すなわち線形エリアAs内の場合、第一角度センサ84の出力値Vout1を用いて、現在のギアポジションGPが確立されるエリアAを判定するエリア判定が行われる。このエリア判定では、予めECU内の記憶領域等に記憶されているエリアテーブル読み出し、第一角度センサ84の出力値Vout1から判定される現在のエリア番号Anoが抽出される。本実施の形態の場合、例えば第一角度センサ84の出力値Vout1が2.75Vであればエリア番号Anoは「7」となり、確立されるギアポジションGPは三速四速予備位置P(3-4)となる。

0093

次に、第二角度センサ94の出力値Vout2を用いて、シフトドラム80の回動角の制御用の出力電圧Voutが算出される。この算出には、例えば次式のような式が用いられる。
Vout=Vout2+Ano×5
ギアポジションGPがニュートラル位置P(n-n)に確立された状態を例に説明すると、エリア番号Anoは「1」、第二角度センサ94の出力値Vout2は2.75Vであり、出力電圧Voutは7.75Vとなる。

0094

また、第二角度センサ94の出力値Vout2が切替エリアAc内に位置する場合、前述したハンチング等の影響を避けるため、例えば次式のような式を用いてシフトドラム80の回動角の制御用の出力電圧Voutが算出される。
Vout=Vout(t−1)+15×[Vout1(t)-Vout1(t−1)]
ここで、Vout(t−1)は前回のタイミング(10ms前)で算出された出力電圧Voutを、Vout1(t−1)は前回のタイミング(10ms前)に検出された第一角度センサ84の出力値Vout1を、V(t)は今回のタイミングに検出された第一角度センサ84の出力値Vout1をそれぞれ示している。このように、切替エリアAc内では第一角度センサ84の出力値Vout1を用いて、シフトドラム80の回動角の制御用の出力電圧Voutが算出されることで、前述した第二角度センサ94の公差や誤差およびハンチングの影響を受けずにシフトドラム80の回動角を正確に検出することができるようになっている。

0095

このように算出された出力電圧Voutを用いて、シフトドラム80の回動角を検出することで、第一角度センサ84単独でシフトドラム80の回動角を検出する場合と比較して、最大で75Vまでの広い出力範囲をシフトドラム80の回動角の検出に用いることが可能となり、シフトドラム80の回動角を精度よく検出することができるようになっている。
また、このように算出された出力電圧Voutを用いてシフトドラム80の回動角が制御されることで、第一角度センサ84単独でシフトドラム80の回動角が制御される場合と比較して、1V単位の出力電圧Voutで制御できるシフトドラム80の回動角の値を小さく設定することができる。例えば、本実施の形態の場合、出力電圧1V当たりで制御できるシフトドラム80の回動角は4.8度となり、シフトドラム80の回動角の制御の精度を向上することができるようになっている。

0096

なお、ドグ歯Dを用いたドグクラッチ方式の変速機31では、シフト操作の際に、シフタギアSGのドグ歯Dが係合先のフリーギアFG(および被動スプロケットMT)のドグ孔に入らずにシフタギアSGのドグ歯Dの先端部Dbと係合先のフリーギアFGのドグ歯Dの先端部Dbとが当接するいわゆるドグ当たりが発生する場合がある。図16に一点鎖線で示されるように、本実施の形態では、第二角度センサ94は、このドグ当たりが発生する場合のドグ当たり発生個所Pdにて出力される出力値Vout2が、線形エリアAsの出力値Vout2となり切替エリアAcの出力値Vout2とはならないように第二センサ軸92に接続されている。そのため、ドグ当たりの発生の有無についても精度よく検出することができるようになっている。

0097

図17は、本発明に係るシフトドラム角検出装置100の第一の変形例での第一角度センサ84の出力値Vout1および第二角度センサ94の出力値Vout2の出力プロファイル図である。図中の詳細は、図13と同様である。
第一の変形例では、増速機構90の増速比Raを「5」に設定した点が第一の実施の形態と異なる。第一の変形例では、増速比Raが「5」に設定されているため、エリアA数は「5」となる。各エリアA内では三つのギアポジションGPが確立される。第一の実施の形態と同様にシフトドラム80の回動角の算出方法を適用すると、エリアA数が「5」になっているため、最大25Vまでの出力範囲がシフトドラム80の回動角の検出に用いられることとなり、出力電圧1V当たりで制御できるシフトドラム80の回動角は14.4度となる。

0098

図18は、本発明に係るシフトドラム角検出装置100の第二の変形例での第一角度センサ84の出力値Vout1および第二角度センサ94の出力値Vout2の出力プロファイル図である。図中の詳細は、図12と同様である。
第二の変形例では、増速機構90の増速比Raを「3」に設定した点が第一の実施の形態と異なる。第一の変形例では、増速比Raが「3」に設定されているため、エリアA数は「3」に設定されている。各エリアA内では五つのギアポジションGPが確立される。第一の実施の形態と同様にシフトドラム80の回動角の算出方法を適用すると、エリアA数が「3」になっているため、最大15Vまでの出力範囲がシフトドラム80の回動角の検出に用いられることとなり、出力電圧1V当たりで制御できるシフトドラム80の回動角は24度となる。

0099

図19は、従来用いられる六速のシングルクラッチ方式の変速機におけるシフトドラム180の星型カム185を示した参考例であり、図20は従来用いられる六速のデュアルクラッチ方式の変速機におけるシフトドラムの星型カム285を示した参考例である。
図18に示されるように、各ギアポジションGPに対応する星型カム185の凹部186は七つ設けられている。各凹部186の間隔は、ニュートラル位置Pnから一速位置P1までは30度の角度となっており、一速位置P1〜六速位置P6の各ギアポジションGPが60度の間隔で順次配されている。このような従来例では、各ギアポジションGP間隔が60度と比較的広く設定されているため、一つの角度センサ(不図示)にてシフトドラム180の回動角が検出される構成であっても精度よく検出することができる。
しかし、図20に示されるようなデュアルクラッチ方式の変速機では、六速の変速段であっても予備位置を加えると各ギアポジションGPに対応する星型カム285の凹部286の数は十二個となり、各ギアポジションGP間隔はシングルクラッチ方式の変速機131の場合の半分の30度となる。そのため、一つの角度センサ(不図示)にてシフトドラム(不図示)の回動角を検出する構成では、検出精度に限界がある。なお、いずれの場合も検出範囲5Vの角度センサを用いる場合、出力電圧1V当たりで制御できるシフトドラムの回動角は72度となるが、本実施の形態のように増速機構90を設け、二つの角度センサ84,94を用いることで、出力電圧1V当たりで制御できるシフトドラム80の回動角を小さくでき、シフトドラム80の回動角の検出精度を向上させることが可能となる。

0100

以上に説明した本発明に係るシフトドラム角検出装置100では次の効果を奏する。
本発明に係るシフトドラム角検出装置100によれば、シフトドラム80と一体に回動される第一センサ軸83の回動角を第一角度センサ84で検出し、第一センサ軸83の回動量を増速機構90にて所定の増速比Ra分増大させて回動される第二センサ軸92の回動角を第二角度センサ94で検出している。
この構成によれば、第二センサ軸92は、増速機構90の増速駆動ギア91と増速被動ギア93によってシフトドラム80の回動量よりも増速比Ra分多く回動されるため、シフトドラム80の各ギアポジションGP間隔が狭く、シフト操作時のシフトドラム80の回動量が小さい場合であっても第二センサ軸92の回動量を大きくすることができる。第二角度センサ94は、大きく回動される第二センサ軸92の回動角を検出していることから、シフトドラム80の各ギアポジションGP間隔が狭い場合であっても、第一角度センサ84の出力値Vout1と第二角度センサ94の出力値Vout2を用いることでシフトドラム80の回動角を精度よく検出することができる。

0101

シフトドラム80の前端部80aには、シフトドラム80と一体に回動される星型カム85が設けられている。星型カム85の外周面85aには、各変速段に対応するギアポジションGPにてシフトドラム80の回動を止める凹部86が、ギアポジションGPと同じ数形成されている。ギアポジションGPは、ディテント機構88のローラー88aが凹部86に当接されて星型カム85の回動が規制されることにより確立される。そして、増速機構90の増速比Raが、星型カム85に形成される凹部86の数の約数の内、一を除く約数の値に設定されている。
この構成によれば、シフトドラム80が一回転すると、第二センサ軸92はギアポジションGPの数の約数倍、すなわち、シフトドラム80の整数倍回転することとなる。また、第二センサ軸92の回動角を検出する第二角度センサ94の出力値Vout2の最小値Vminから最大値Vmaxまでの一サイクルに対応するエリアAの数が整数倍となるとともに、各エリアAごとにギアポジションGPが均等に配され、そのギアポジションGPが確立される。そのため、第二角度センサ94は、エリアAごとに分割された一つ若しくは複数のギアポジションGPに対応するシフトドラム80の回動角を検出することとなり、第二角度センサ94のシフトドラム80の回動角の検出を容易にし、精度よくシフトドラム80の回動角を検出することができる。

0102

本実施の形態では、増速機構90の増速比RaがギアポジションGPの数と同じ「15」に設定されている。そのため、第二角度センサ94は、各ギアポジションGPごとに第二センサ軸92が一回転し、第二角度センサ94の最小値Vminから最大値Vmaxまでの一サイクルの検出範囲内で一つのギアポジション間隔分に相当するシフトドラム80の回動角の検出が可能となり、第二角度センサ94の検出精度が向上するとともに、シフトドラム80の回動角をさらに精度よく検出することができる。

0103

第二角度センサ94は、ギアポジションGPが凹部86により確立される際に出力される出力値Vout2が中央値Vmidとなるように第二センサ軸92に接続されている。中央値Vmidは、第二角度センサ94の検出の上下限値となる出力値Vout2の最小値Vminと最大値Vmaxの真中の値に相当し、公差や誤差によってギアポジションGPの位置が僅かに変化しても、安定した出力値Vout2が得られる。この構成によると、シフトドラム80の回動は凹部86の底位置86aにて完了しギアポジションGPが確立されることから、星型カム85の凹部86の底位置86aで終了するシフトドラム80の回動の完了を精度よく検出することができる。

0104

第二角度センサ94は、出力値Vout2の最大値Vmaxと最小値Vminとが切替わるタイミングにおいて星型カム85の凸部87の頂点87aにローラー88aが当接されるように第二センサ軸92に接続されている。
この構成によれば、シフトドラム80のギアポジションGPが確立される凹部86の底位置86aが、ある出力値Vout2が切替わるタイミングから次の切替わるタイミングの両方からもっとも離れた位置となる。
このタイミングでは、第二角度センサ94の出力値Vout2が大きく変動することから、検出誤差や出力値Vout2のハンチングの影響により、第二角度センサ94の出力値Vout2が不安定になり易く検出精度の低下が懸念される。シフトドラム80の回動角の検出において最も高精度を要求されるのは、シフトドラム80の各ギアポジションGPが確立する星型カム85の凹部86の底位置86aであり、凹部86間に位置する凸部87ではそれ程の精度を要求されていない。そのため、検出精度の低下が懸念される出力値Vout2が切替わるタイミングを最も高精度が要求される凹部86の底位置86aから遠ざけ、検出精度の低下の懸念を解消することができる。なお、この効果は、第一の変形例や第二の変形例に示されるような、増速機構90の増速比Raが「15」ではなく、ギアポジションGPの数の他の約数倍に設定された構成においても同様である。

0105

なお、本実施の形態において、変速機31にはドグ歯Dを用いたドグクラッチ方式の変速機が採用されているが、これに限定されず、ドグクラッチ方式以外の変速機であっても同様の効果を奏することができる。

0106

また、本実施の形態において増速機構90にはギア方式が用いられているが、ギアに限定されず、チェーンスプロケットとこれに懸架されるチェーン方式や、ベルトに歯が形成されたコグベルト方式等、シフトドラムの回動量を増速することが可能な機構であれば本発明に適用することができ、同様の効果を奏することができる。

0107

以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、実施の形態は上記の説明の内容に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。

0108

C…被動ギア、M…駆動ギア、GP…ギアポジション、SG…シフタギア、Ra…増速比、Vout1…出力値(第一角度センサ)、Vout2…出力値(第二角度センサ)、Vmin…最小値、Vmin…中央値、Vmax…最大値、31…変速機、32…メイン軸、34…カウンタ軸、71…シフトフォーク、80…シフトドラム、80c…外周面、81…リード溝、83…センサ軸、84…第一角度センサ、85…星型カム、86…凹部、86a…底位置、87…凸部、87a…頂点、88…ディテント機構、90…増速機構、91…増速駆動ギア、92…第二センサ軸、93…増速被動ギア、94…第二角度センサ、100…シフトドラム角検出装置

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